JP2023122549A - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 - Google Patents

エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 Download PDF

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JP2023122549A
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Abstract

【課題】低結晶性で貯蔵安定性に優れ、耐熱性、金属との接着性及び低弾性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物、並びに該組成物の硬化物及び該硬化物を含む電気・電子部品を提供する。【解決手段】下記式(1)で表される化合物を含むエポキシ樹脂。TIFF2023122549000020.tif35170(式中、X1は、それぞれ独立に、炭素数1~13の2価の炭化水素基、-O-、-S-、-SO2-、-C(CF3)2-及び-CO-からなる群より選ばれる基又は単結合であり、R1~R3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、又は炭素数6~12のアリール基である。R1とR2は互いに結合して環状構造を形成してもよい。R4~R15はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~12のアルケニル基又は炭素数2~12のアルキニル基である。nは0~10の整数を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、低結晶性で貯蔵安定性に優れ、耐熱性、金属との接着性及び低弾性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物並びにこのエポキシ樹脂やエポキシ樹脂組成物の硬化物及び該硬化物を含む電気・電子部品に関する。
エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐熱性、電気的性質等に優れた硬化物となることから、接着剤、塗料、電気・電子材料等の幅広い分野で利用されている。特に、電気・電子材料の分野の中でも、半導体封止材用途では、様々なエポキシ樹脂が、付加価値の高い封止材を提供できるとして多用されている。
中でも、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂は、常温で液状であることから、溶媒を必要とせず、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と比較して、少量で希釈効果が得られ、硬化性や硬化物物性の低下が少ないため使用分野、使用量が増えてきている。しかしながら、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂は結晶性が強く、貯蔵安定性に劣るという問題があった。
低粘度で、低結晶性のビスフェノールF型エポキシ樹脂として、例えば特許文献1には、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の2核体純度及びαジオール体の濃度を制御して、結晶性を低下させたビスフェノールF型エポキシ樹脂が提案されている。
特開2017-155080号公報
しかしながら、特許文献1に記載のビスフェノールF型エポキシ樹脂は、貯蔵安定性や、硬化物とした際の耐熱性、金属との接着性及び低弾性といった硬化物物性が十分に満足いくものではないという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、低結晶性で貯蔵安定性に優れるエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物であって、耐熱性、金属との接着性及び低弾性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物と、このエポキシ樹脂組成物の硬化物及び該硬化物を含む電気・電子部品を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、ある特定の構造を有する化合物を含むエポキシ樹脂が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち本発明の要旨は、次の[1]~[9]に存する。
[1] 下記式(1)で表される化合物を含むエポキシ樹脂。
Figure 2023122549000001

(式(1)中、Xは、それぞれ独立に、炭素数1~13の2価の炭化水素基、-O-、-S-、-SO-、-C(CF-及び-CO-からなる群より選ばれる基又は単結合であり、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、又は炭素数6~12のアリール基である。また、RとRは互いに結合して環状構造を形成してもよい。R~R15はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~12のアルケニル基又は炭素数2~12のアルキニル基である。nは0~10の整数を表す。)
[2] 前記エポキシ樹脂が下記式(2)で表されるエポキシ樹脂を含む、[1]に記載のエポキシ樹脂。
Figure 2023122549000002

(式(2)中、X、R~R15、nは前記式(1)と同義である。)。
[3] 前記式(2)で表されるエポキシ樹脂の含有量が、高速液体クロマトグラフィー測定において40.0~99.9面積%である、[2]に記載のエポキシ樹脂。
[4] 前記式(1)で表される化合物の含有量が、高速液体クロマトグラフィー測定において0.1~20.0面積%である、[1]~[3]のいずれかに記載のエポキシ樹脂。
[5] 全塩素含有量が1500重量ppm以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のエポキシ樹脂。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載のエポキシ樹脂100重量部に対し、硬化剤を0.01~1000重量部含むエポキシ樹脂組成物。
[7] 前記硬化剤がフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、第3級アミン及びイミダゾール類からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[6]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[8] [6]又は[7]に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物。
[9] [8]に記載の硬化物を含む電気・電子部品。
本発明によれば、エポキシ樹脂、好ましくはビスフェノールF型エポキシ樹脂やビフェノール型エポキシ樹脂であって、液状樹脂又はワニスとしたときの貯蔵安定性に優れ、耐熱性、金属との接着性及び低弾性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂、その硬化物、及び電気・電子部品を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
なお、本実施形態のエポキシ樹脂は、繰り返し構造を含むものと単分子構造のものとがあるが、当業界ではいずれのエポキシ化合物も「エポキシ樹脂」や「エポキシ樹脂組成物」と表現され、販売されることがある。また、当業界では、本実施形態のエポキシ樹脂と異なるエポキシ樹脂を更に含む混合物を「エポキシ樹脂組成物」と表現することもあるが、単に「エポキシ樹脂」と呼称することもある。
[エポキシ樹脂]
本実施形態のエポキシ樹脂は、下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」と称する場合がある。)を含むことを特徴とする。本実施形態のエポキシ樹脂が化合物(1)を含むことで、結晶性が適度に低くなり、貯蔵安定性が改善される。また、硬化物とした際の耐熱性、金属との接着性及び低弾性が改善される。
Figure 2023122549000003
上記式(1)において、Xは、それぞれ独立に、炭素数1~13の2価の炭化水素基、-O-、-S-、-SO-、-C(CF-及び-CO-からなる群より選ばれる基又は単結合であり、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、又は炭素数6~12のアリール基である。また、RとRは互いに結合して環状構造を形成してもよい。R~R15はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~12のアルケニル基又は炭素数2~12のアルキニル基である。nは0~10の整数を表す。
として、好ましくは、単結合、又は炭素数1~13の2価の炭化水素基である。炭素数1~13の2価の炭化水素基として、好ましくは炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、特に好ましくは炭素数1~10の分岐を有していてもよいアルキレン基が挙げられる。Xとして、より好ましくは単結合、メチレン基、又はイソプロピリデン基であり、最も好ましくはメチレン基である。
なお、式(1)中にXが複数存在する場合、複数のXは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
~Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、又は炭素数6~12のアリール基であり、アルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。また、RとRは互いに結合して、炭素数1~12の環状構造を形成してもよい。
アルキル基としては次のようなものが挙げられる。
例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基
、tert-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、シクロヘプチル基、メチルシクロヘキシル基、n-オクチル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル基、n-デシル基、シクロデシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、シクロドデシル基、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基、2-フェニルイソプロピル基等である。
アリール基としては、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、エチルフェニル基、スチリル基、キシリル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、メシチル基、エチニルフェニル基、ナフチル基、ビニルナフチル基などが挙げられる。
とRが互いに結合して、環状構造を形成する場合、炭素数3~12の環状ケトン構造が好ましい。具体的な構造としては、シクロプロパノン、シクロブタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、シクロノナノン、シクロデカノン、シクロドデカノンなどが挙げられる。
~Rとして、好ましくは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~12のアルキル基であり、より好ましくは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。
~R15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~12のアルケニル基、又は炭素数2~12のアルキニル基であり、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基は置換基を有していてもよい。
アルキル基としては次のようなものが挙げられる。
例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、シクロヘプチル基、メチルシクロヘキシル基、n-オクチル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル基、n-デシル基、シクロデシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、シクロドデシル基、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基、2-フェニルイソプロピル基等である。
アルコキシ基としては次のようなものが挙げられる。
例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、tert-ペントキシ基、シクロペントキシ基、n-ヘキシロキシ基、イソヘキシロキシ基、シクロヘキシロキシ基、n-ヘプトキシ基、シクロヘプトキシ基、メチルシクロヘキシロキシ基、n-オクチロキシ基、シクロオクチロキシ基、n-ノニロキシ基、3,3,5-トリメチルシクロヘキシロキシ基、n-デシロキシ基、シクロデシロキシ基、n-ウンデシロキシ基、n-ドデシロキシ基、シクロドデシロキシ基、ベンジロキシ基、メチルベンジロキシ基、ジメチルベンジロキシ基、トリメチルベンジロキシ基、ナフチルメトキシ基、フェネチロキシ基、2-フェニルイソプロポキシ基等である。
アルケニル基としては次のようなものが挙げられる。
例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-メチルビニル基、1-
ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1,3-ブタジエニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シンナミル基、ナフチルビニル基等である。
アルキニル基としては次のようなものが挙げられる。
例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1,3-ブタンジエニル基、フェニルエチニル基、ナフチルエチニル基等である。
アリール基としては、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、エチルフェニル基、スチリル基、キシリル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、メシチル基、エチニルフェニル基、ナフチル基、ビニルナフチル基などが挙げられる。
~R15として、好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、又は炭素数6~12のアリール基であり、より好ましくは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~12のアルキル基である。
式(1)中のnは0~10の整数であるが、好ましくは0~5、より好ましくは0~3である。
本実施形態のエポキシ樹脂は、化合物(1)と共に、下記式(2)で表されるエポキシ樹脂(以下、「エポキシ樹脂(2)」と称する場合がある。)を含むことが好ましい。
本実施形態のエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂(2)の含有量が、高速液体クロマトグラフィー測定において40.0~99.9面積%であることが好ましい。
Figure 2023122549000004
上記式(2)中、X、R~R15、nは上記式(1)のものと同義である。なお、X、R~R15、nのそれぞれの好ましいものについても同様である。なお、エポキシ樹脂(2)において、X、R~R15、nは化合物(1)と同一でも異なっていてもよい。
エポキシ樹脂(2)としては、フェノール樹脂類等とエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。フェノール樹脂類等として具体的には、ビスフェノール化合物、ビフェノール化合物、ジヒドロキシジフェニルエーテル、チオジフェノール類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、臭素化ビスフェノールA、臭素化フェノールノボラック樹脂等の種々の多価フェノール類や、種々のフェノール類とベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、キシレン樹脂とフェノール類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類等が挙げられる。
ビスフェノール化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、ビスフェノールAFなどが挙げられる。
ビフェノール化合物としては、ビフェノール、テトラメチルビフェノールなどが挙げられる。
エポキシ樹脂としての優れた電気特性、硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物としての優れたハンドリング性を得る観点から、エポキシ樹脂(2)として好ましくは、ビスフェノール化合物又はビフェノール化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂であり、より好ましくはビスフェノールF又はテトラメチルビフェノールとエピハロヒドリンとを反応させて得られるエポキシ樹脂である。
[エポキシ樹脂中における、化合物(1)の含有量]
本実施形態のエポキシ樹脂は、化合物(1)の含有量が、液体高速クロマトグラフィー測定において0.1~20.0面積%であることが好ましく、より好ましくは0.2~15.0面積%、更により好ましくは0.4~10.0面積%である。化合物(1)の含有量が上記下限値以上では、結晶性が低くなり、貯蔵安定性に優れ、化合物(1)の含有量が上記上限値以下では、硬化に要する時間(ゲルタイム)が短縮するため硬化性に優れる。
[エポキシ樹脂中における、エポキシ樹脂(2)の含有量]
本実施形態のエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂(2)の含有量が、液体高速クロマトグラフィー測定において40.0~99.9面積%以上であることが好ましく、より好ましくは45~99.5面積%、更により好ましくは50~99.0面積%である。エポキシ樹脂(2)の含有量が上記下限値以上では、溶融粘度が低く、ハンドリング性が良好となりやすく、エポキシ樹脂(2)の含有量が上記上限値以下では、結晶性が低くなり、貯蔵安定性が優れたものとしやすい。
[エポキシ樹脂(2)以外のエポキシ樹脂]
本実施形態のエポキシ樹脂は、更にエポキシ樹脂(2)以外のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。エポキシ樹脂(2)以外のエポキシ樹脂としては、公知のものを用いることができる。エポキシ樹脂(2)以外のエポキシ樹脂の量としては、液体高速クロマトグラフィー測定において5.0面積%以下であることが好ましく、より好ましくは、3.0面積%以下であり、更により好ましくは、1.0面積%以下であり、最も好ましくは、0面積%(全く含まない)である。
[全塩素含有量]
本実施形態のエポキシ樹脂は、全塩素含有量が、1500重量ppm以下であることが好ましい。本明細書において、「全塩素」は、加水分解性塩素、及び有機塩素化合物に含まれる塩素を含む。この値が低くなるほど、本実施形態のエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物の電気的信頼性が向上する。この理由は明らかではないが、エポキシ樹脂中に含まれる全塩素含有量が多い場合は半導体基板中に含まれる金属部品の化学的腐食が引き起こされる要因となる可能性があり、本実施形態のエポキシ樹脂であれば全塩素含有量が十分に低く、その化学的腐食を抑制できるからと推測される。
全塩素含有量は、好ましくは、1500重量ppm以下であり、より好ましくは、1000重量ppm以下であり、更により好ましくは500重量ppm以下である。
一方で、全塩素含有量の下限としては、工業的に有利なエポキシ樹脂の製造プロセスという観点から、0.1重量ppmであることが好ましく、より好ましくは、0.5重量ppmであり、更により好ましくは1重量ppmである。
[構造異性体比率]
本実施形態のエポキシ樹脂は、例えば、原料としてビスフェノールFを用いた場合、下
記式(2-1)で表されるエポキシ樹脂のように構造異性体が存在する。本実施形態では、ビス[4,4’-(グリシジルオキシ)フェニル]メタン(以下、4,4’-体と略記することがある)、ビス[2,2’-(グリシジルオキシ)フェニル](以下、2,2’-体と略記することがある)、ビス[2,4’-(グリシジルオキシ)フェニル](2,4’-体と略記することがある)の3種類の構造異性体比率を制御することが好ましい。この3種類の構造異性体比率は、高速液体クロマトグラフィー測定におけるピーク面積比(以下、「異性体比率」と称する場合がある)で、4,4’-体は60%以下が好ましく、20~60%がより好ましい。2,2’-体は30%以下が好ましく、2,4’-体は30~80%が好ましい。4,4’-体の割合が上記上限値以下では結晶性が低下するため貯蔵安定性に優れ、上記下限値以上では粘度が低下しハンドリング性が優れる。2,2’-体の割合が上記上限値以下では硬化物とした時の耐熱性が優れる。
構造異性体比率は、原料のビスフェノールF中の構造異性体比率を制御することによって制御することができる。
Figure 2023122549000005
[溶融粘度]
本実施形態のエポキシ樹脂は、100℃の溶融粘度が5.0Poise以下であることが好ましく、より好ましくは0.01~3.0Poise、より好ましくは0.05~2.0Poiseである。また、150℃の溶融粘度が5.0Poise以下であることが好ましく、より好ましくは0.01~3.0Poise、より好ましくは0.05~2.0Poiseである。本実施形態のエポキシ樹脂の溶融粘度が上記上限値以下であると、ハンドリング性に優れ、上記下限値以上では半導体封止材の成型時に金型から組成物がブリードアウトする可能性を抑えることができる。
[エポキシ当量]
本実施形態のエポキシ樹脂は、エポキシ当量が150~300g/eqであることが好ましく、より好ましくは153~250g/eq、更に好ましくは156~200g/eqである。本実施形態のエポキシ樹脂のエポキシ当量が上記上限値以下であると、硬化に要する時間(ゲルタイム)が短縮するため硬化性に優れる。下限値以上では結晶性が低下するため貯蔵安定性に優れる。
[結晶化時間]
本実施形態のエポキシ樹脂は、液状樹脂やワニスとして5℃で保管した際の結晶化時間が、4日以上であることが好ましく、7日以上がより好ましい。結晶化時間が上記値以上であれば、貯蔵安定性に優れると言える。
[エポキシ樹脂の製造方法]
本実施形態のエポキシ樹脂は、後述する方法で粗エポキシ樹脂を製造した後、化合物(1)を添加したり、粗エポキシ樹脂とケトン化合物とを強アルカリ条件下で反応させたりすることにより得ることができる。更に得られたエポキシ樹脂に対して、蒸留や再結晶などの精製操作を実施することによって、エポキシ樹脂中の化合物(1)やエポキシ樹脂(2)の含有量を調整することができる。
[粗エポキシ樹脂の製造方法]
粗エポキシ樹脂の製造方法については特に制限はないが、例えば、以下に説明する一段
法による製造方法等が挙げられる。
<一段法による製造方法>
一段法による製造方法では、原料フェノール化合物と、エピハロヒドリンとを反応させることにより、粗エポキシ樹脂を製造する。
上記原料フェノール化合物としては、フェノール骨格を有する化合物であれば、特に限定されないが、好ましくは、下記式(3)で表されるものである。
Figure 2023122549000006
上記式(3)中、X、R~R15、nは上記式(1)のものと同義である。なお、X、R~R15、nのそれぞれの好ましいものについても同様である。
原料フェノール化合物は、原料フェノール化合物の水酸基1モル当たり、通常0.8~20モル、好ましくは0.9~15モル、より好ましくは1.0~10モルに相当する量のエピハロヒドリンに溶解させて均一な溶液とする。エピハロヒドリンの量が上記下限以上であると高分子量化反応を制御しやすく、得られるエポキシ樹脂を適切な溶融粘度とすることができるために好ましい。一方、エピハロヒドリンの量が上記上限以下であると生産効率が向上する傾向にあるために好ましい。なお、この反応におけるエピハロヒドリンとしては、通常、エピクロルヒドリン又はエピブロモヒドリンが用いられる。
次いで、その溶液を撹拌しながら、これに原料フェノール化合物の水酸基1モル当たり通常0.5~2.0モル、好ましくは0.7~1.8モル、より好ましくは0.9~1.6モルに相当する量のアルカリ金属水酸化物を固体又は水溶液で加えて反応させる。アルカリ金属水酸化物の量が上記下限以上であると、未反応の水酸基と生成したエポキシ樹脂が反応しにくく、高分子量化反応を制御しやすいために好ましい。また、アルカリ金属水酸化物の量が上記上限値以下であると、副反応による不純物が生成しにくいために好ましい。ここで用いられるアルカリ金属水酸化物としては通常、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが挙げられる。
この反応は、常圧下又は減圧下で行うことができ、反応温度は好ましくは40~150℃、より好ましくは60~100℃、更に好ましくは80~100℃である。反応温度が上記下限以上であると反応を進行させやすく、且つ反応を制御しやすいために好ましい。また、反応温度が上記上限以下であると副反応が進行しにくく、特に塩素不純物を低減しやすいために好ましい。
反応は、必要に応じて所定の温度を保持しながら反応液を共沸させ、揮発する蒸気を冷却して得られた凝縮液を油水分離し、水分を除いた油分を反応系へ戻す方法により脱水しながら行われる。アルカリ金属水酸化物は、急激な反応を抑えるために、好ましくは0.1~8時間、より好ましくは0.1~7時間、更に好ましくは0.5~6時間かけて少量ずつを断続的又は連続的に添加する。アルカリ金属水酸化物の添加時間が上記下限以上であると急激に反応が進行するのを防ぐことができ、反応温度の制御がしやすくなるために好ましい。添加時間が上記上限以下であると塩素不純物が生成しにくくなるために好まし
く、また、経済性の観点からも好ましい。全反応時間は通常1~15時間である。反応終了後、不溶性の副生塩を濾別して除くか、水洗により除去した後、未反応のエピハロヒドリンを減圧留去して除くと、目的の粗エポキシ樹脂を得ることができる。
また、この反応においては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩;ベンジルジメチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第三級アミン;2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド等のホスホニウム塩;トリフェニルホスフィン等のホスフィン類等の触媒を用いてもよい。
更に、この反応においては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;メトキシプロパノール等のグリコールエーテル類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等の不活性な有機溶媒を使用してもよい。
[ケトン化合物との強アルカリ存在下での反応]
本実施形態において、粗エポキシ樹脂とケトン化合物とを強アルカリ存在下で反応させることで、化合物(1)の含有量を高くし、エポキシ樹脂(2)の含有量、全塩素含有量、溶融粘度、エポキシ当量を本実施形態で規定する好適範囲に調整することができる。
即ち、例えば、温度、溶媒に対する樹脂含量、アルカリ量を高くすることで、化合物(1)の含有量、溶融粘度、エポキシ当量を高くし、エポキシ樹脂(2)の含有量、全塩素含有量を低くすることができる。逆に温度、溶媒に対する樹脂含量、アルカリ量を低くすることで、化合物(1)の含有量、溶融粘度、エポキシ当量を低くし、エポキシ樹脂(2)の含有量、全塩素含有量を高くすることができる。
ケトン化合物としては、ケトン骨格を有する化合物であれば、特に限定されないが、好ましくは、下記式(4)で表されるものである。
Figure 2023122549000007
上記式(4)中、R~Rは上記式(1)のものと同義であり、ケトン骨格を有する化合物としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、イソプロピルメチルケトン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、エチルイソブチルケトン、2-オクタノン、3-オクタノン、4-オクタノン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-メチルシクロヘキサノン、3-メチルシクロヘキサノン、4-メチルシクロヘキサノン、シクロへキセノン、イソホロン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、アセトフェノン、ベンジルアセトン等が挙げられる。好ましくは、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンであり、特にメチルイソブチルケトンが好ましい。
粗エポキシ樹脂とケトン化合物との反応には、エポキシ樹脂を溶解させるための有機溶
媒を用いてもよい。反応に用いる有機溶媒は、特に制限されるものではないが、精製効率、取り扱い性、作業性等の面から、非プロトン性極性溶媒と、非プロトン性極性溶媒以外のその他の有機溶媒との混合溶媒であることが好ましい。
非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの非プロトン性極性溶媒の中では、入手し易く、化合物(1)の含有量を増加させ、全塩素含有量を低減する効果が優れていることから、ジメチルスルホキシドが好ましい。
非プロトン性極性溶媒とともに用いるその他の有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類が挙げられる。また、上述のケトン化合物をケトン系溶媒として用いてもよい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。効果や後処理の容易さなどから、芳香族炭化水素溶媒又はケトン系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン又はメチルイソブチルケトンがより好ましく、特にメチルイソブチルケトンが好ましい。
上記の非プロトン性極性溶媒とその他の有機溶媒とは、これらの合計に対して非プロトン性極性溶媒の割合が3~30重量%となるように用いることが好ましく、より好ましくは10~25重量%である。
有機溶媒の使用量は、粗エポキシ樹脂の濃度が通常3~70重量%となる量であり、好ましくは5~55重量%となる量であり、より好ましくは10~40重量%となる量である。
強アルカリとしては、アルカリ金属水酸化物の固体又は溶液を使用することができ、アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられるが、効果や後処理の容易さから水酸化カリウムが好ましい。アルカリ金属水酸化物は有機溶媒や水に溶解して使用してもよく、効果や取り扱いの容易さから有機溶媒に溶解して用いるのが好ましい。溶解させる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒が挙げられるが、効果や後処理の容易さからイソプロピルアルコールが好ましい。有機溶媒の使用量としては、アルカリ金属水酸化物の濃度が1~20重量%となる量が好ましい。使用するアルカリ金属水酸化物の量としては、粗エポキシ樹脂100重量部に対して0.2重量部以上、1.1重量部以下が好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量をこの範囲とすることにより、化合物(1)の含有量を高くし、エポキシ樹脂(2)の含有量、全塩素含有量、溶融粘度、エポキシ当量を前述の好適範囲内に容易に調整することが可能となる。
反応温度は通常30~120℃、好ましくは40~110℃であり、より好ましくは50~100℃である。反応時間は通常0.1~15時間、好ましくは0.3~10時間であり、より好ましくは0.5~3時間である。
反応後、水洗等の方法で余剰のアルカリ金属水酸化物や副生塩を除去し、更に有機溶媒を減圧留去及び/又は蒸留で除去して、本実施形態のエポキシ樹脂を得ることができる。水洗を行う回数は特に限定されないが、好ましくは1~6回であり、より好ましくは1~4回である。
[エポキシ樹脂の精製]
本実施形態において、エポキシ樹脂の精製方法については特に制限はないが、例えば、以下に説明する蒸留による精製方法等が挙げられる。
<蒸留>
本実施形態においては、更にエポキシ樹脂を蒸留し、高分子化合物、無機化合物等を除去することにより、化合物(1)の含有量、エポキシ樹脂(2)の含有量、全塩素含有量、溶融粘度、エポキシ当量を本実施形態で規定する好適範囲に調整することができる。
その具体的な操作に特に指定はないが、蒸留釜を用いたバッチ蒸留、ロータリーエバポレーターなどを用いた連続蒸留、円盤型、流下膜型などの薄膜分子蒸留などがある。
その蒸留条件は、生成したエポキシ樹脂の化合物(1)の含有量、エポキシ樹脂(2)の含有量が所定の範囲となる条件であり、実際の条件は、粗エポキシ樹脂、又は粗エポキシ樹脂とケトン化合物との反応後のエポキシ樹脂の品質、除去する不純物の沸点などにより異なるが、通常、温度は80℃~240℃、好ましくは、100℃~220℃、圧力は0.0001~100mmHg、留出量は蒸留に供したエポキシ樹脂の10~80重量%である。この温度や留出量上限値を超えたり、圧力が下限値未満だと、最終製品の純度が低下し、逆に温度や留出量が下限値未満であったり、圧力が上限値を超えると、収率が低下する。
上記の粗エポキシ樹脂とケトン化合物との強アルカリ存在下での反応や蒸留は、いずれか一つの操作を1回、又は複数回行ってもよく、複数の操作を組合せて行ってもよい。その場合において、一つの操作は1回のみ行っても複数回行ってもよく、連続して行ってもよい。
[エポキシ樹脂組成物]
本発明の別の形態に係るエポキシ樹脂組成物は、少なくとも前述した本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂と硬化剤を含む。また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂(以下、単に「他のエポキシ樹脂」と称する場合がある。)、硬化促進剤、無機充填剤、カップリング剤等を適宜配合することができる。
本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂を含む本実施形態のエポキシ樹脂組成物は耐熱性、金属との接着性及び低弾性に優れ、各種用途に要求される諸物性を十分に満たす硬化物を与えるものである。
[硬化剤]
本実施形態において硬化剤とは、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質を示す。なお、本実施形態においては通常、「硬化促進剤」と呼ばれるものであってもエポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質であれば、硬化剤とみなすこととする。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤の含有量は、固形分としての全エポキシ樹脂成分100重量部に対して好ましくは0.01~1000重量部である。また、より好ましくは500重量部以下であり、更に好ましくは300重量部以下である。本発明において、「固形分」とは溶媒を除いた成分を意味し、固体のエポキシ樹脂のみならず、半固形や粘稠な液状物のものをも含むものとする。また、「全エポキシ樹脂成分」とは、本実施形態のエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計を示す。
硬化剤としては、特に制限はなく一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているもの
はすべて使用できる。例えば、フェノール系硬化剤、脂肪族アミン、ポリエーテルアミン、脂環式アミン、芳香族アミンなどのアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、第3級アミン、イミダゾール類等が挙げられる。
このうち、フェノール系硬化剤を含むことにより、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、優れた耐熱分解性、接着性等を得ることができるため、硬化剤としてはフェノール系硬化剤を含むことが好ましい。また、耐熱性等の観点からは、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤を含むことが好ましい。また、イミダゾール類を用いることも、硬化反応を十分に進行させ、耐熱性を向上させる観点から好ましい。
硬化剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化剤を2種以上併用する場合、これらをあらかじめ混合して混合硬化剤を調製してから使用してもよいし、エポキシ樹脂組成物の各成分を混合する際に硬化剤の各成分をそれぞれ別々に添加して同時に混合してもよい。
<フェノール系硬化剤>
フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、チオジフェノール類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、トリスフェノールメタン型樹脂、ナフトールノボラック樹脂、臭素化ビスフェノールA、臭素化フェノールノボラック樹脂等の種々の多価フェノール類や、種々のフェノール類とベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、キシレン樹脂とフェノール類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、重質油又はピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジメトキサイド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジハライド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’-ジメトキサイドビフェニル重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’-ジハライドビフェニル重縮合物等の各種のフェノール樹脂類等が挙げられる。
これらのフェノール系硬化剤は、1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
フェノール系硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分100重量部に対して好ましくは0.01~1000重量部であり、より好ましくは500重量部以下、更に好ましくは300重量部以下、特に好ましくは100重量部以下である。
<アミン系硬化剤>
アミン系硬化剤(ただし、第3級アミンを除く。)の例としては、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられる。
脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等が例示される。
ポリエーテルアミン類としては、トリエチレングリコールジアミン、テトラエチレングリコールジアミン、ジエチレングリコールビス(プロピルアミン)、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン類等が例示される。
脂環式アミン類としては、イソホロンジアミン、メタセンジアミン、N-アミノエチルピペラジン、ビス(4-アミノ-3-メチルジシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、ノルボルネンジアミン等が例示される。
芳香族アミン類としては、テトラクロロ-p-キシレンジアミン、m-キシレンジアミン、p-キシレンジアミン、m-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノアニソール、2,4-トルエンジアミン、2,4-ジアミノ-3,5-ジエチルトルエン、2,6-ジアミノ-3,5-ジエチルトルエン、2,4-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-1,2-ジフェニルエタン、2,4-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、m-アミノフェノール、m-アミノベンジルアミン、ベンジルジメチルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエタノールアミン、メチルベンジルアミン、α-(m-アミノフェニル)エチルアミン、α-(p-アミノフェニル)エチルアミン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、α,α’-ビス(4-アミノフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン等が例示される。
以上で挙げたアミン系硬化剤は1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
上記のアミン系硬化剤は、エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基に対する硬化剤中の官能基の当量比で0.8~1.5の範囲となるように用いることが好ましい。この範囲内であると未反応のエポキシ基や硬化剤の官能基が残留しにくくなるために好ましい。
第3級アミンとしては、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が例示される。
以上で挙げた第3級アミンは1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
上記の第3級アミンは、エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基に対する硬化剤中の官能基の当量比で0.8~1.5の範囲となるように用いることが好ましい。この範囲内であると未反応のエポキシ基や硬化剤の官能基が残留しにくくなるために好ましい。
<酸無水物系硬化剤>
酸無水物系硬化剤としては、酸無水物、酸無水物の変性物等が挙げられる。酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、メチ
ルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、ヘット酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロ-6-イソブテニル-3,4-ジメチルフタル酸無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物、1-メチル-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。
酸無水物の変性物としては、例えば、上述した酸無水物をグリコールで変性したもの等が挙げられる。ここで、変性に用いることのできるグリコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール類や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルグリコール類等が挙げられる。更には、これらのうちの2種類以上のグリコール及び/又はポリエーテルグリコールの共重合ポリエーテルグリコールを用いることもできる。
酸無水物の変性物においては、酸無水物1モルに対してグリコール0.4モル以下で変性させることが好ましい。変性量が上記上限値以下であると、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、作業性が良好となる傾向にあり、また、エポキシ樹脂との硬化反応の速度も良好となる傾向にある。
以上で挙げた酸無水物系硬化剤は1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合量で組み合わせて用いてもよい。
酸無水物系硬化剤を用いる場合、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基に対する硬化剤中の官能基の当量比で0.8~1.5の範囲となるように用いることが好ましい。この範囲内であると未反応のエポキシ基や硬化剤の官能基が残留しにくくなるために好ましい。
<アミド系硬化剤>
アミド系硬化剤としてはジシアンジアミド及びその誘導体、ポリアミド樹脂等が挙げられる。アミド系硬化剤は1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。アミド系硬化剤を用いる場合、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分とアミド系硬化剤との合計に対してアミド系硬化剤が0.1~20重量%となるように用いることが好ましい。
<イミダゾール類>
イミダゾール類としては、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4(5)-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノ-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加体、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、及びエポキシ樹脂と上記イミダゾール類との付加体等が例示され
る。なお、イミダゾール類は触媒能を有するため、一般的には硬化促進剤にも分類される。
以上に挙げたイミダゾール類は1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
イミダゾール類を用いる場合、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分とイミダゾール類との合計に対してイミダゾール類が0.1~20重量%となるように用いることが好ましい。
<他の硬化剤>
本実施形態のエポキシ樹脂組成物においては前記硬化剤以外にその他の硬化剤を用いることができる。本実施形態のエポキシ樹脂組成物に使用することのできるその他の硬化剤は特に制限はなく、一般的にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。これらの他の硬化剤は1種のみで用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[硬化促進剤]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤を含むことが好ましい。硬化促進剤を含むことにより、硬化時間の短縮、硬化温度の低温化が可能となり、所望の硬化物を得やすくすることができる。
硬化促進剤は特に制限されないが、具体例としては、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩等のリン系化合物、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体等が挙げられる。
硬化促進剤として使用可能なリン系化合物としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p-トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の有機ホスフィン類又はこれら有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体やこれら有機ホスフィン類と無水マレイン酸、1,4-ベンゾキノン、2,5-トルキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルベンゾキノン、2,6-ジメチルベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、フェニル-1,4-ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン等の化合物を付加してなる化合物等が例示される。
以上に挙げた硬化促進剤の中でも有機ホスフィン類、ホスホニウム塩が好ましく、有機ホスフィン類が最も好ましい。また、硬化促進剤は、上記に挙げたもののうち、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分100重量部に対して0.1重量部以上20重量部以下の範囲で用いることが好ましい。より好ましくは0.5重量部以上、更に好ましくは1重量部以上であり、一方、より好ましくは15重量部以下、更に好ましくは10重量部以下である。硬化促進剤の含有量が上記下限値以上であると、良好な硬化促進効果を得ることができ、一方、上記上限値以下であると、所望の硬化物性が得られやすいために好ましい。
[無機充填材]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物には無機充填材を配合することができる。無機充填材としては例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、ガラス粉、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、チッ化ホウ素等が挙げられる。これらは、1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。これらの中でも半導体封止の用途に用いる場合には、破砕型及び/又は球状の、溶融及び/又は結晶性シリカ粉末充填材が好ましい。
無機充填材を使用することにより、エポキシ樹脂組成物を半導体封止材として用いたときに、半導体封止材の熱膨張係数を内部のシリコンチップやリードフレームに近づけることができ、また、半導体封止材全体の吸湿量を減らすことができるため、耐ハンダクラック性を向上させることができる。
無機充填材の平均粒子径は、通常1~50μm、好ましくは1.5~40μm、より好ましくは2~30μmである。平均粒子径が上記下限値以上であると溶融粘度が高くなり過ぎず、流動性が低下しにくいために好ましく、また、平均粒子径が上記上限値以下であると成形時に金型の狭い隙間に充填材が目詰まりしにくく、材料の充填性が向上しやすくなるために好ましい。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物に無機充填材を用いる場合、無機充填材はエポキシ樹脂組成物全体の60~95重量%の範囲で配合することが好ましい。
[その他の配合成分]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物には、上記以外の成分(以下、「その他の配合成分」と称することがある。)を配合することができる。その他の配合成分としては例えば、難燃剤、可塑剤、反応性希釈剤、顔料等が挙げられ、必要に応じて適宜配合することができる。ただし、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は上記で挙げた成分以外のものを配合することを何ら妨げるものではない。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物に用いる難燃剤としては、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノール樹脂等のハロゲン系難燃剤、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、赤燐、リン酸エステル類、ホスフィン類等のリン系難燃剤、メラミン誘導体等の窒素系難燃剤及び水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機系難燃剤等が挙げられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物を硬化させる方法については特に限定されないが、通常、加熱による熱硬化反応により硬化物を得ることができる。熱硬化反応時には、用いた硬化剤の種類によって硬化温度を適宜選択することが好ましい。例えば、フェノール系硬化剤を用いた場合、硬化温度は通常130~300℃である。またこれらの硬化剤に硬化促進剤を添加することで、その硬化温度を下げることも可能である。反応時間は、1~20時間が好ましく、より好ましくは2~18時間、さらに好ましくは3~15時間である。反応時間が上記下限値以上であると硬化反応が十分に進行しやすくなる傾向にあるために好ましい。一方、反応時間が上記上限値以下であると加熱による劣化、加熱時のエネルギーロスを低減しやすいために好ましい。
[用途]
本実施形態のエポキシ樹脂は、結晶性が低く、貯蔵安定性に優れている。また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物を用いた硬化物は、耐熱性、金属との接着性及び低弾性に優れ、長期間使用時の信頼性に優れている。
従って、本実施形態のエポキシ樹脂組成物及びその硬化物は、これらの物性が求められる用途であれば、いかなる用途にも有効に用いることができる。例えば、自動車用電着塗料、船舶・橋梁用重防食塗料、飲料用缶の内面塗装用塗料等の塗料分野;積層板、半導体封止材、絶縁粉体塗料、コイル含浸用等の電気・電子分野;橋梁の耐震補強、コンクリート補強、建築物の床材、水道施設のライニング、排水・透水舗装、車両・航空機用接着剤等の土木・建築・接着剤分野等の用途のいずれにも好適に用いることができる。これらの中でも特に半導体封止材、積層板のような電気・電子部品用途に有用である。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、上記用途に対し硬化後に使用してもよく、上記用途に用いる製品の製造工程にて硬化させても用いてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は上記の上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[エポキシ樹脂の構造]
以下の実施例及び比較例で製造したエポキシ樹脂の構造式は以下の通りである。
<化合物(1-1)>
Figure 2023122549000008
<エポキシ樹脂(2-1)>
Figure 2023122549000009
<化合物(1-2)>
Figure 2023122549000010
<エポキシ樹脂(2-2)>
Figure 2023122549000011
[測定・評価方法]
エポキシ樹脂の物性等の測定や評価は以下のように実施した。
<NMR分析による化合物(1-1)、(2-2)の分子構造の同定>
実施例で製造したエポキシ樹脂を重クロロホルムに溶解して、BRUKER社製 AVANCE NEO 分光計を使用し、1H-NMR、DOSY、COSY、1H-13C
HSQC、1H-13C HMBC分析を行い、各ピークを帰属することで、化合物(1-1)及び(2-2)の分子構造を同定した。
<エポキシ当量>
「1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の質量」と定義され、JIS K7236に準じて測定した。
<エポキシ樹脂の組成>
エポキシ樹脂中の化合物(1-1)、エポキシ樹脂(2-1)、化合物(1-2)、エポキシ樹脂(2-2)の含有量については、JIS K0124に基づき、以下の装置及び条件によるLC分析を行い、化合物(1-1)、エポキシ樹脂(2-1)、化合物(1-2)、エポキシ樹脂(2-2)及びその他の成分で表されるLCチャートの各Areaの面積%を、化合物(1-1)、エポキシ樹脂(2-1)、化合物(1-2)、エポキシ樹脂(2-2)及びその他の成分の合計の面積%で除して割合(面積%)を算出した。また、構造異性体比率については、エポキシ樹脂(2-1)の(4,4’-体)、(2,4’-体)、(2,2’-体)の各Areaの面積%を、エポキシ樹脂(2-1)の面積%で除して割合(面積%)を算出した。
装置:Waters社製 高速液体クロマトグラフィー Waters 2690
カラム:東ソー社製 TSKgel ODS-120T(カラム寸法4.6mmI.D.×25cm)
溶離液:アセトニトリル/水=30/70を60分で100/0にするグラジエント分析
流速:1mL/min
検出器:UV(280nm)
温度:40℃
試料濃度:0.1g/10mL
インジェクション量:20μL
ピーク面積の解析ソフト:Waters社製 Empower2
<全塩素含有量>
エポキシ樹脂を石英製管状炉「三菱化学アナリテック社製:AQF-100型」で加熱し、燃焼ガス中の塩素を過酸化水素水で吸収した。吸収液中の塩素イオンをイオンクロマトグラフ「Thermo Fisher Scientific社製:ICS-1600型」にて測定し、エポキシ樹脂試料の全塩素含有量を求めた。
<溶融粘度>
100又は150℃に調整したコーンプレート粘度計(東海八神(株)製)の熱板の上にエポキシ樹脂を溶融させ、回転速度750rpmで測定した。
<結晶化時間>
エポキシ樹脂10gを50mLバイアルに秤量した後、5℃で保管し、結晶が1カ所で析出するまでの時間を計測し、結晶化時間とした。
<溶媒溶解性>
試験溶媒としてトルエン又はメチルエチルケトン(以下、MEKと称する場合がある。)を用い、エポキシ樹脂の濃度が20重量%となるように、エポキシ樹脂に各試験溶媒を添加して試験液を調製し、50mLのバイアル瓶に計量した。その後、加温してエポキシ樹脂を完全に溶解させた後、5℃で保管し30日以内に結晶が析出しなかったものを溶媒溶解性「良」、結晶が析出したものを溶媒溶解性「不良」と評価した。
〔エポキシ樹脂の製造及び評価〕
[比較例1]
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量5Lの四口フラスコに、ビスフェノールF(本州化学工業社製、商品名「ビスフェノールF-H」)200g、エピクロルヒドリン925gを仕込み、60℃に昇温して均一に溶解させ、徐々に減圧した。その後、48.5%苛性ソーダ水溶液165gを100分かけて滴下した。滴下と同時に昇温させ、90℃を維持し、エピクロルヒドリンと水を共沸させ、凝縮液を分離し、エピクロルヒドリンだけを反応系に戻して脱水した。滴下終了後、還流したエピクロルヒドリンを系外に除去しながら、徐々に減圧度、温度を上げて最終的に10mmHg、150℃でエピクロルヒドリンを完全に除去し、粗エポキシ樹脂を得た。
その後、トルエン468gを仕込み(エポキシ樹脂濃度40重量%)、70℃に昇温して均一に溶解させた後、水100gを用いて水洗を1回行った。水層の除去後、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液6.4gを仕込み、70℃で60分反応させた後、水400gを用いて水洗を4回行った。その後、10mmHg、150℃でトルエンを完全に除去してエポキシ樹脂を得た(エポキシ当量:169g/当量、化合物(1-1)の含有量:0面積%、エポキシ樹脂(2-1)の含有量:79面積%、構造異性体比率(4,4’-体/2,4’-体/2,2’-体)=(30/51/19)、溶融粘度:0.2Poise、全塩素含有量:1982重量ppm)。
上記反応で得たエポキシ樹脂を内部コンデンサー型フィルムエバポレーターにて、0.005mmHg、220℃で蒸留し、比較例1のエポキシ樹脂を得た。
比較例1のエポキシ樹脂のエポキシ当量(g/当量)、化合物(1-1)及びエポキシ樹脂(2-1)の含有量(面積%)、構造異性体比率(面積%)、全塩素含有量(重量ppm)、100℃における溶融粘度(Poise)、結晶化速度(日)を表1に示す。
[実施例1]
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量500mLの四口フラスコに比較例1のエポキシ樹脂50g、メチルイソブチルケトン160g、ジメチルスルホキシド40gを仕込み、反応温度を90℃に昇温して均一に溶解させた後、8重量%水酸化カリウム/イソプロパノール溶液を2.4g加え、1時間反応を行った。その後、水100gを用いて水洗を4回行った。その後、10mmHg、150℃でメチルイソブチルケトンを完全に除去してエポキシ樹脂(エポキシ当量:266g/当量、化合物(1-1)の含有量:5面積%、エポキシ樹脂(2-1)の含有量:54面積%、構造異性体比率(4,4’-体/2,4’-体/2,2’-体)=(29/51/20)、全塩素含有量:6重量ppm、100℃における溶融粘度:2.2Poise)を得た。
その後、内部コンデンサー型フィルムエバポレーターにて、0.005mmHg、120℃、次いで0.005mmHg、200℃で蒸留し、実施例1のエポキシ樹脂を20g(収率40%)得た。
実施例1のエポキシ樹脂のエポキシ当量(g/当量)、化合物(1-1)及びエポキシ樹脂(2-1)の含有量(面積%)、構造異性体比率(面積%)、全塩素含有量(重量ppm)、100℃における溶融粘度(Poise)、結晶化速度(日)を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、蒸留条件を0.005mmHg、120℃、次いで0.005mmHg、160℃とした以外は全て同じように実施して、実施例2のエポキシ樹脂を14g(収率28%)得た。
実施例2のエポキシ樹脂のエポキシ当量(g/当量)、化合物(1-1)及びエポキシ樹脂(2-1)の含有量(面積%)、構造異性体比率(面積%)、全塩素含有量(重量ppm)、100℃における溶融粘度(Poise)、結晶化速度(日)を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、蒸留条件を0.005mmHg、120℃、次いで0.005mmHg、220℃とした以外は全て同じように実施して、実施例3のエポキシ樹脂を26g(収率52%)得た。
実施例3のエポキシ樹脂のエポキシ当量(g/当量)、化合物(1-1)及びエポキシ樹脂(2-1)の含有量(面積%)、構造異性体比率(面積%)、全塩素含有量(重量ppm)、100℃における溶融粘度(Poise)、結晶化速度(日)を表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、蒸留条件を0.005mmHg、120℃、次いで0.005mmHg、160℃、次いで0.005mmHg、180℃とした以外は全て同じように実施して、実施例4のエポキシ樹脂5g(収率10%)得た。
実施例4のエポキシ樹脂のエポキシ当量(g/当量)、化合物(1-1)及びエポキシ樹脂(2-1)の含有量(面積%)、構造異性体比率(面積%)、全塩素含有量(重量ppm)、100℃における溶融粘度(Poise)、結晶化速度(日)を表1に示す。
Figure 2023122549000012
[比較例2]
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量5Lの四口フラスコに、テトラメチルビフェノール(三菱ケミカル(株)社製)137g、エピクロルヒドリン627g、イソプロピルアルコール244g、水87gを仕込み、40℃に昇温して均一に溶解させた後、48.5%苛性ソーダ水溶液108gを90分かけて滴下した。滴下と同時に、40℃から65℃まで90分かけて昇温した。滴下終了後、65℃で30分保持し反応を完了させ、水100gを用いて水洗を1回行った。水層の除去後、徐々に減圧度、温度を上げて最終的に10mmHg、150℃でエピクロルヒドリンを完全に除去し、粗エポキシ樹脂を得た。
その後、メチルイソブチルケトン300gを仕込み、65℃に昇温して均一に溶解させた後、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液4.2gを仕込み、65℃で60分反応させた後、水500gを用いて水洗を4回行った。その後、10mmHg、150℃でメチルイソブチルケトンを完全に除去して比較例2のエポキシ樹脂を得た。
比較例2のエポキシ樹脂のエポキシ当量(g/当量)、化合物(1-2)及びエポキシ樹脂(2-2)の含有量(面積%)、全塩素含有量(重量ppm)、150℃における溶融粘度(Poise)、溶媒溶解性を表2に示す。
[実施例5]
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量500mLの四口フラスコに比較例2のエポキシ樹脂50g、メチルイソブチルケトン60g、ジメチルスルホキシド15gを仕込み、反応温度を63℃に昇温して均一に溶解させた後、8重量%水酸化カリウム/イソプロパノール溶液を2.4g加え、2時間反応を行った。その後、メチルイソブチルケトン57gを仕込み、水100gを用いて水洗を4回行った。その後、10mmHg、150℃でメチルイソブチルケトンを完全に除去して実施例5のエポキシ樹脂を得た。
実施例5のエポキシ樹脂のエポキシ当量(g/当量)、化合物(1-2)及びエポキシ樹脂(2-2)の含有量(面積%)、全塩素含有量(重量ppm)、150℃における溶融粘度(Poise)、溶媒溶解性を表2に示す。
Figure 2023122549000013
〔エポキシ樹脂組成物の評価〕
<実施例6、比較例3>
エポキシ樹脂として実施例1又は比較例1で製造したエポキシ樹脂、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(群栄化学社製、商品名「PSM4261」)及び硬化促進剤として(トリフェニルホスフィン(北興化学工業社製、商品名「ホクコーTPP」)を表3の通り配合し、120℃で2時間、その後175℃で6時間加熱することで硬化物を得た。
得られた硬化物について、Tg及びせん断接着強度(対Al)の測定を行った結果を表3に示す。
〔硬化物〕
<熱機械分析(TMA)>
(ガラス転移温度(Tg)の評価)
硬化物を直径約7mm厚さ3mmの円柱状試験片に切削し、熱機械分析装置(TMA:セイコーインスツルメント社製 EXSTAR6100)を用いて、圧縮モードで熱機械分析を行った(測定加重:30mN、昇温速度:5℃/分で2回、測定温度範囲:30℃から280℃)。2回目の測定結果から、ガラス転移温度を求めた。
<金属に対するせん断接着強度>
JIS-K6850に準じて測定した。すなわち、幅25mm×長さ100mm×厚み1.6mmの金属片(アルミ板銅板(ユタカパネルサービス社製両面鏡面タイプ)又は銅板(ユタカパネルサービス社製両面サンドブラストタイプ))2枚の間に、硬化性樹脂組成物を幅25mm×長さ12.5mmとなるように塗布した。塗布後、恒温槽に投入して120℃で2時間、175℃で6時間硬化させて剥離試験片を作製した。
作製した剥離試験片を、引張試験機「Instron5582」(インストロン社製)を用いて5mm/分の速度により試験数n=3で引張せん断試験を実施し、引張せん断強度を測定し、その平均値を求めた。
Figure 2023122549000014
<実施例7~9、比較例4>
エポキシ樹脂として実施例2~4又は比較例1で製造したエポキシ樹脂、硬化剤として芳香族アミン硬化剤(三菱ケミカル社製、商品名「WA」)を表4の通り配合し、120℃で2時間、その後175℃で6時間加熱することで硬化物を得た。
得られた硬化物について、200℃での貯蔵弾性率(E’)を測定した結果を表4に示す。
<貯蔵弾性率E’(200℃)>
硬化物を縦5cm、横1cm、厚さ4mmに切削し、得られた試験片について、動的粘弾性測定装置(DMA:日立ハイテクサイエンス社製 DMA7100)を用いて、3点曲げモードで測定を行い(周波数:1GHz、昇温速度:5℃/分、測定温度範囲:30℃から300℃)、200℃での貯蔵弾性率(E’)を測定した。
Figure 2023122549000015
<実施例10~12、比較例5>
エポキシ樹脂として実施例2~4又は比較例1で製造したエポキシ樹脂、硬化剤として酸無水物系硬化剤(三菱ケミカル社製、商品名「YH306」)、硬化促進剤として2-エチル-4-メチルイミダゾール(三菱ケミカル社製、商品名「EMI-24」)を表5
の通り配合し、100℃で3時間、その後140℃で3時間加熱することで硬化物を得た。
得られた硬化物について、200℃での貯蔵弾性率(E’)を測定した結果を表5に示す。
Figure 2023122549000016
<実施例13、比較例6>
エポキシ樹脂として実施例5又は比較例2で製造したエポキシ樹脂、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(明和化成社製、商品名「H-4」)及び硬化促進剤として(トリフェニルホスフィン(北興化学工業社製、商品名「ホクコーTPP」)を表6の通り配合し、120℃で2時間、その後175℃で6時間加熱することで硬化物を得た。
得られた硬化物について、Tg及びせん断接着強度(対Cu)の測定を行った結果を表6に示す。
Figure 2023122549000017
〔結果の評価〕
表1及び2より、実施例1~5のエポキシ樹脂は、比較例1及び2のエポキシ樹脂と比較して、結晶性が低く、液状樹脂やワニスとしての貯蔵安定性に優れていることがわかる。
表3より、本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂を用いた実施例6のエポキシ樹脂組成物は、比較例3のエポキシ樹脂組成物と比較して、耐熱性及び金属に対する接着性が優れる硬化物を与えることがわかる。そのため、本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂は、信頼性の高い電子材料の原料となりうる。
表4及び5より、本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂を用いた実施例7~12のエポキシ樹脂組成物は、比較例4及び5のエポキシ樹脂組成物と比較して、低弾性に優れる硬化物を与えることがわかる。そのため、本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂は、信頼性の高い電子材料の原料となりうる。
表6より、本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂を用いた実施例13のエポキシ樹脂組成物は、比較例6のエポキシ樹脂組成物と比較して、耐熱性及び金属に対する接着性が優れる硬化物を与えることがわかる。そのため、本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂は、信頼性の高い電子材料の原料となりうる。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される化合物を含むエポキシ樹脂。
    Figure 2023122549000018

    (式(1)中、Xは、それぞれ独立に、炭素数1~13の2価の炭化水素基、-O-、-S-、-SO-、-C(CF-及び-CO-からなる群より選ばれる基又は単結合であり、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、又は炭素数6~12のアリール基である。また、RとRは互いに結合して環状構造を形成してもよい。R~R15はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素数2~12のアルケニル基又は炭素数2~12のアルキニル基である。nは0~10の整数を表す。)
  2. 前記エポキシ樹脂が下記式(2)で表されるエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂。
    Figure 2023122549000019

    (式(2)中、X、R~R15、nは前記式(1)と同義である。)。
  3. 前記式(2)で表されるエポキシ樹脂の含有量が、高速液体クロマトグラフィー測定において40.0~99.9面積%である、請求項2に記載のエポキシ樹脂。
  4. 前記式(1)で表される化合物の含有量が、高速液体クロマトグラフィー測定において0.1~20.0面積%である、請求項1~3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂。
  5. 全塩素含有量が1500重量ppm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂。
  6. 請求項1~3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂100重量部に対し、硬化剤を0.01~1000重量部含むエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記硬化剤がフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、第3級アミン及びイミダゾール類からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物。
  9. 請求項8に記載の硬化物を含む電気・電子部品。
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