JP7185383B2 - 硬化性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents
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[1]
下記式(1)で表されるエポキシ樹脂とアミン系化合物を含有する硬化性樹脂組成物。
[2]
前記式(1)のArとして式(Y)を少なくとも1つ以上含有する前項[1]に記載の硬化性樹脂組成物。
[3]
前記式(1)のRが全てメチル基である前項[1]または[2]に記載の硬化性樹脂組成物
[4]
前記式(1)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ当量が200~2000g/eqである前項[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
[5]
前記式(1)で表されるエポキシ樹脂が、下記式(2)で表されるエポキシ樹脂と下記式(3)で表される化合物とを反応して得られるエポキシ樹脂である前項[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
[6]
前記式(2)のR1が全てメチル基である前項[5]に記載の性樹脂組成物。
[7]
前記式(3)のR2が全て水素原子である前項[5]又は[6]に記載の性樹脂組成物。
[8]
更に、無機充填剤を含有する前項[1]乃至[7]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
[9]
更に、溶剤を含有する前項[1]乃至[8]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
[10]
前項[1]乃至[9]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を繊維状物質に含浸して得られるプリプレグ。
[11]
前項[1]乃至[9]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を表面支持体に塗布して得られるシート。
[12]
前項[1]乃至[9]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
本発明の硬化性樹脂組成物は、下記式(1)で表されるエポキシ樹脂とアミン系化合物を含有する。
nはGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定により求めることができる。GPCチャートの各繰り返し単位に該当するピークの面積%に、繰り返し数を乗じたものの総和を求めることで算出する。
前記式(1)において、式(Y)を多く有する場合には、結晶性が高くなり、溶剤への溶解性を低下させるため、前記式(1)のArは式(Y)を少なくとも1つ以上含有することが好ましく、式(X)と式(Y)の総量中の式(Y)のモル比は50モル%以上であるときが更に好ましく、特に好ましくは75モル%である。式(Y)が50モル%未満であるとき、50℃においてシクロペンタノンに10重量%未満しか溶解せず、溶剤溶解性に課題がある。
前記式(3)中、R2は水素原子、または炭素数1~5のアルキル基であることが好ましく、水素原子であるときが更に好ましい。
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの使用量に対し通常2~50重量%、好ましくは4~20重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの使用量に対し通常5~100重量%、好ましくは10~80重量%である。
反応終了後、反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去することにより前記式(2)で表されるエポキシ樹脂が得られる。また、加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることもできる。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はグリシジル化に使用したフェノール化合物の水酸基1モルに対して通常0.01~0.3モル、好ましくは0.05~0.2モルである。反応温度は通常50~120℃、反応時間は通常0.5~2時間である。
式(3)で表される化合物の使用量は、前記式(2)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ基1モルに対して通常0.05~0.8モル、好ましくは0.1~0.7モル、特に好ましくは0.2~0.6モルである。式(3)で表される化合物の使用量が少なすぎると十分な溶剤溶解性を担保できず、使用量が多すぎると製造時や組成物とした際に流動性の確保が困難となる。
溶剤の使用量は前記式(2)で表されるエポキシ樹脂と前記式(3)で表される化合物の総重量に対し、0~300重量%、好ましくは0~100重量%である。
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。
<エポキシ当量>
JIS K-7236に準拠して測定。
<軟化点>
JIS K-7234に準拠して測定。
<ICI粘度(150℃)>
JIS K-7117-2に準拠して測定。
<GPC測定>
GPC:DGU-20A3R,LC-20AD,SIL-20AHT,RID-20A,SPD-20A,CTO-20A,CBM-20A(いずれも島津製作所製)
カラム:Shodex KF-603、KF-602x2、KF-601x2)
連結溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min.
カラム温度:40℃
検出:RI(示差屈折検出器)
温度計、冷却管、分留管、撹拌機を取り付けたフラスコに窒素パージを施しながら、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂(商品名YX-4000H ジャパンエポキシレジン株式会社製)380部、4,4’-ビフェノール(東京化成社製)98部、メチルイソブチルケトン100部を仕込み、撹拌下で100℃まで昇温した後、トリフェニルホスフィン0.38部を添加し、125℃で15時間反応させた後、メチルイソブチルケトンを留去することで、樹脂状固体として前記式(1)で表されるエポキシ樹脂(EP1)を得た。得られた樹脂の軟化点は84℃、エポキシ当量は501g/eqであった。EP1は50℃でシクロペンタノンに10重量%以上溶解できることを確認した。
温度計、冷却管、分留管、撹拌機を取り付けたフラスコに窒素パージを施しながら、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂(商品名YX-4000H ジャパンエポキシレジン株式会社製)194部、4,4’-ビフェノール(東京化成社製)46.6部、メチルイソブチルケトン60.1を仕込み、撹拌下で100℃まで昇温した後、トリパラトリルホスフィン(北興化学社製)0.12部を添加し、125℃で15時間反応させた後、メチルイソブチルケトンを留去することで、樹脂状固体として前記式(1)で表されるエポキシ樹脂(EP2)を得た。得られた樹脂の軟化点は93.8℃、エポキシ当量は490g/eq、ICI粘度(150℃)は3.14Pa・s、前記式(1)におけるnは6.4であった。EP2は50℃でメチルエチルケトンおよびアセトンに50重量%以上溶解できることを確認した。EP2のGPCチャートを図1に、1H-NМRチャートを図2に示す。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm)2.27(s,24H),2.65-2.70(m,2H),2.82(t,2H),3.58-3.64(m,2H),3.80-3.92(m,3H),4.18-4.23(m,7H),5.40(s,1H),7.25(s,8H),7.30(dd,6H)
温度計、冷却管、分留管、撹拌機を取り付けたフラスコに窒素パージを施しながら、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂(商品名YX-4000H ジャパンエポキシレジン株式会社製)1164部、4,4’-ビフェノール(東京化成社製)223.4部、メチルイソブチルケトン346.9部を仕込み、撹拌下で100℃まで昇温した後、トリパラトリルホスフィン(北興化学社製)0.35部を添加し、125℃で15時間反応させた後、メチルイソブチルケトンを留去することで、樹脂状固体として前記式(1)で表されるエポキシ樹脂(EP3)を得た。EP3の軟化点は78.5℃であり、エポキシ当量は391g/eq、ICI粘度(150℃)は0.89Pa・s、前記式(1)におけるnは4.3であった。EP3の1H-NМRチャートを図3に示す。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6);δ(ppm)2.27(s,24H),2.65-2.70(m,2H),2.82(t,2H),3.58-3.64(m,2H),3.80-3.92(m,3H),4.18-4.23(m,6H),5.40(s,2H),7.25(s,8H),7.30(dd,6H)
合成例2、3で得られたエポキシ樹脂(EP2、EP3)、およびアミン系化合物として4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)(東京化成社製)、硬化促進剤としてサリチル酸(東京化成社製)を使用し、表1の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、更に脱型後、160℃で2時間、180℃で6時間の条件で硬化し、評価用試験片を得た。
合成例2で得られたエポキシ樹脂(EP2)、および硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製 H-1 軟化点85℃、水酸基当量104g/eq、以下、P-1と表す)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(東京化成社製)を使用し、表1の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、更に脱型後、160℃で2時間、180℃で6時間の条件で硬化し、評価用試験片を得た。
ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000H 日本化薬株式会社製 以下、EP4と表す)、およびアミン系化合物として4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)(東京化成社製)、硬化促進剤としてサリチル酸(東京化成社製)を使用し、表1の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、更に脱型後、160℃で2時間、180℃で6時間の条件で硬化し、評価用試験片を得た。
・ガラス転移温度:動的粘弾性試験機により測定し、tanδが最大値のときの温度。
動的粘弾性測定器:TA-instruments製DMA-2980
昇温速度:2℃/分
<曲げ試験>
・曲げ強度:JIS K-6911に準拠して30℃で測定した。
曲げ試験の伸びの測定限界値は18%GLである。
実施例1、2、比較例1、2を測定した曲げ強度のグラフはそれぞれ図4~7に示す。
EP3:実施例3で合成したエポキシ樹脂
EP4:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC-3000H 日本化薬社製)
A-1:4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)(東京化成社製)
P-1:フェノールノボラック(H-1 明和化成社製)
SA :サリチル酸(東京化成社製)
TPP:トリフェニルホスフィン(東京化成社製)
Claims (12)
- 前記式(1)のArとして式(Y)を少なくとも1つ以上含有する請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記式(1)のRが全てメチル基である請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記式(1)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ当量が200~2000g/eqである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記式(2)のR1が全てメチル基である請求項5に記載の性樹脂組成物。
- 前記式(3)のR2が全て水素原子である請求項5又は6に記載の性樹脂組成物。
- 更に、無機充填剤を含有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 更に、溶剤を含有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を繊維状物質に含浸して得られるプリプレグ。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を表面支持体に塗布して得られるシート。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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