JP2007045978A - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は接着性、靭性及び耐熱性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂、特に電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用であるエポキシ樹脂および、これを使用したエポキシ樹脂組成物を提供すること。
【解決の手段】エポキシ当量が250〜2000g/eqであるビスフェノールF型の高分子量エポキシ樹脂であって、その構成成分のビスフェノールFの骨格中の酸素原子に対するメチレン基の結合の90モル%以上がパラ配向性であることを特徴とするエポキシ樹脂のアルコール性水酸基をグリシジル化して得られる変性エポキシ樹脂。
【解決の手段】エポキシ当量が250〜2000g/eqであるビスフェノールF型の高分子量エポキシ樹脂であって、その構成成分のビスフェノールFの骨格中の酸素原子に対するメチレン基の結合の90モル%以上がパラ配向性であることを特徴とするエポキシ樹脂のアルコール性水酸基をグリシジル化して得られる変性エポキシ樹脂。
Description
本発明は電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等、中でも特に積層板等の用途に有用であり、金属箔張り積層板、ビルドアップ基板用絶縁材料、フレキシブル基板材料などとして有用である硬化性樹脂組成物を与えるエポキシ樹脂及び該組成物の硬化物に関する。
エポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
しかし、近年電気・電子分野においてはその発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、密着性、誘電特性、フィラーを高充填させるための低粘度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等の諸特性の一層の向上が求められている。又、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料が求められている。
従来工業的に最も使用されているエポキシ樹脂としてはビスフェノールAにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物が知られている。半導体封止材などの用途においては耐熱性が要求されるためクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のような多官能エポキシ樹脂が広く利用されている。
しかしながらエポキシ樹脂は概して靭性が乏しく、引張特性や耐衝撃性に欠けるという欠点があるところから、靭性に優れたエポキシ樹脂の開発が熱望されている。このようなエポキシ樹脂としては例えば、高分子量のビスフェノールA型のエポキシ樹脂が使用されているが、靭性は向上するものの、耐熱性が低下する。本願出願人は、下記式(a)
従来工業的に最も使用されているエポキシ樹脂としてはビスフェノールAにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物が知られている。半導体封止材などの用途においては耐熱性が要求されるためクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のような多官能エポキシ樹脂が広く利用されている。
しかしながらエポキシ樹脂は概して靭性が乏しく、引張特性や耐衝撃性に欠けるという欠点があるところから、靭性に優れたエポキシ樹脂の開発が熱望されている。このようなエポキシ樹脂としては例えば、高分子量のビスフェノールA型のエポキシ樹脂が使用されているが、靭性は向上するものの、耐熱性が低下する。本願出願人は、下記式(a)
また、耐熱性の改善策としては、例えば特許文献1においては高分子量ビスフェノール型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基をグリシジル化することで接着性、靭性を保ちつつ、耐熱性に優れた硬化物を与えることのできる樹脂が得られることが記載されている。しかしながら、この方法によっても、十分な耐熱性を有するエポキシ樹脂は得られていない。
本発明は接着性、靭性及び耐熱性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂、特に電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用であるエポキシ樹脂および、これを使用したエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らはこうした実状に鑑み、高分子量ビスフェノール型エポキシ樹脂の溶剤への溶解性が改善され、この樹脂の優れた接着性、靭性を保ちつつ、耐熱性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂を求めて鋭意検討した結果、、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)
で表される構造を有し、エポキシ当量が250〜2000g/eqであるビスフェノールF型エポキシ樹脂であって、下記式(2)
で表される繰り返し単位が全繰り返し単位中で90モル%以上であるエポキシ樹脂のアルコール性水酸基をグリシジル化して得られる変性エポキシ樹脂、
(2)下記式(X)
本発明は特定の構造のエポキシ樹脂は、接着性、靭性及び耐熱性に優れた硬化物を与えることができ、特に電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。
本発明のエポキシ樹脂は、各種フェノール類がホルマリン(ホルムアルデヒド)で縮合された骨格を有するビスフェノールF類とエピハロヒドリンとを原料とするエポキシ樹脂であって、エピハロヒドリンをリンカーとし、ビスフェノールF類が結合した骨格をし、その両末端はグリシジル基となる。原料となるビスフェノールF類を合成する方法としては公知の手法、具体的には一段法とフュージョン法(Advanced法、二段法とも言う。新エポキシ樹脂 垣内弘編著 24−25、30−31ページ参照)が知られている。本発明における原料はいずれの処方を用いて合成されたものでもかまわないが、1段法で合成した場合、副生成物が得られる反応が起こりやすくなる傾向があることから、フュージョン法が好ましい。このようにして得られるエポキシ樹脂にはそのビスフェノール同士の結合部位にアルコール性の水酸基が現れる。
本発明で原料として使用できるビスフェノールF類は、下記式(5)
で表される化合物、即ち、置換または非置換の4,4’−ビスヒドロキシフェニルメタン置換または非置換の2,2’−ビスヒドロキシフェニルメタン、置換または非置換の2,4’−ビスヒドロキシフェニルメタンの混合物であって、下記式(6)
式(6)〜(8)において、R及びnは式(5)におけるのと同じ意味を表すが、Rとしては、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基,tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基またはアリル基が挙げられ、互いに同一であっても異なっていてもよいが、硬化物の靭性の面から少なくとも1つがメチル基、エチル基、アリル基または水素原子であるものが好ましく、全て水素原子のものが特に好ましい。nはRの個数を表し、1〜4の整数を示し、それぞれの芳香環につき独立して異なる数値を選択することができる。Rは、硬化物の靭性に影響があり、分子が配向しやすいものを選択するのが好ましい。
使用できる式(5)の化合物としてはビスフェノールF、(C1〜C4)アルキルまたはアリル置換ビスフェノールF、ハロゲン化ビスフェノールFが挙げられる。
具体的にはビスフェノールF;ビスクレゾールF、3,3´,5,5´−テトラキスメチル−ビスヒドロキシフェニルメタン、3,3´−ビスエチル−ビスヒドロキシフェニルメタン、3,3´−ビス−tert−ブチル−ビスヒドロキシフェニルメタン等のアルキル置換ビスフェノールF、3,3´−ビスアリル−ビスヒドロキシフェニルメタン等のアリル置換ビスフェノールF;3,3´−ジフルオロ−ビスヒドロキシフェニルメタン、3,3´−ジブロモ−ビスヒドロキシフェニルメタン、3,3´−ジクロロ−ビスヒドロキシフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラフルオロ−ビスヒドロキシフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラブロモ−ビスヒドロキシフェニルメタン等のハロゲン化ビスフェノールFが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
具体的にはビスフェノールF;ビスクレゾールF、3,3´,5,5´−テトラキスメチル−ビスヒドロキシフェニルメタン、3,3´−ビスエチル−ビスヒドロキシフェニルメタン、3,3´−ビス−tert−ブチル−ビスヒドロキシフェニルメタン等のアルキル置換ビスフェノールF、3,3´−ビスアリル−ビスヒドロキシフェニルメタン等のアリル置換ビスフェノールF;3,3´−ジフルオロ−ビスヒドロキシフェニルメタン、3,3´−ジブロモ−ビスヒドロキシフェニルメタン、3,3´−ジクロロ−ビスヒドロキシフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラフルオロ−ビスヒドロキシフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラブロモ−ビスヒドロキシフェニルメタン等のハロゲン化ビスフェノールFが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記ビスフェノールF類とエピハロヒドリンとの反応を、アルカリ金属水酸化物の存在下に行う前記一段法、前記ビスフェノールF類とエピハロヒドリンとをアルカリ金属水酸化物の存在下で反応させて低分子量のエポキシ樹脂を得、更にこの低分子量エポキシ樹脂と式(6)で表されるビスフェノール類と反応させ鎖延長させる前記二段法によりエポキシ当量250〜2000g/eqのエポキシ樹脂が得られる。エポキシ当量は、一段法の場合、エピハロヒドリンの使用量と式(6)の化合物の使用量の比により調整可能である。例えば、式(6)の化合物の総水酸基量とエピハロヒドリンの総モル数の比が近ければ、高エポキシ当量値、すなわち高分子量になる。また、二段法の場合は、PCT/JP2005/12649号の記載に準じて調製すればエポキシ当量が調整可能である。
本発明で使用する高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、前記範囲にあり、その置換基の種類や置換割合により好ましいエポキシ当量は異なり一概には言えないが、式(6)において、全てのRが水素原子である化合物を選択した場合、そのエポキシ当量は300〜1000g/eqが好ましましい。
このような高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、下記式(1)
このような高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、下記式(1)
で表される繰り返し単位が全繰り返し単位中で90モル%以上となる。なお、式(2)以外の繰り返し単位としては、下記式(3)または(4)が挙げられ、それぞれ任意の順で任意の結合部位に結合する。
このような、繰り返し単位の含有割合は、原料のビスフェノールF類の異性体含有割合から知ることもできるし、得られるエポキシ樹脂をにつき高速液体クロマトグラフィーを用い、エポキシ樹脂に含有される2官能体成分の配向性より測定し知ることも可能である。
本発明における高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、式(1)で表される構造を有し、前記式(2)の繰り返し単位が全繰り返し単位中で90モル%以上、好ましくは95モル%以上のものを使用する。なお、式(1)においてmは繰り返し数を表すが、通常0〜7の整数を表す。
このようなエポキシ樹脂としては日本化薬株式会社製LCE−21(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量400〜550g/eq、式(2)の繰り返し単位の含有割合;99モル%以上)が挙げられる。
このようなエポキシ樹脂としては日本化薬株式会社製LCE−21(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量400〜550g/eq、式(2)の繰り返し単位の含有割合;99モル%以上)が挙げられる。
本発明の変性エポキシ樹脂は前記の高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基をさらにグリシジル化することで得られる。具体的には例えば高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピハロヒドリンを、アルカリ金属水酸化物の存在下に反応させる。アルカリ金属水酸化物、エピハロヒドリンの量を調整することで、エポキシ樹脂中のアルコール性水酸基のエポキシ化率を調整することができる。
エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒドリン、α-メチルエピクロルヒドリン、γ-メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が使用でき、本発明においては工業的に入手が容易なエピクロルヒドリンが好ましい。エピハロヒドリンの使用量は高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基1モルに対し通常2.0〜50.0モル、好ましくは3.0〜30.0モルである。
上記反応において使用しうるアルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、その固形物を利用してもよく、またその水溶液を使用してもよい。水溶液を使用する場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液して水を除去し、エピハロヒドリンを反応系内に連続的に戻す方法でもよい。アルカリ金属水酸化物の使用量は高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂の水酸基1モルに対して通常0.9〜5.0モルであり、好ましくは0.95〜3.0モルである。
反応を促進するためにテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加することは好ましい。4級アンモニウム塩の使用量としては高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂の水酸基1モルに対し通常0.1〜15gであり、好ましくは0.2〜10gである。
この際、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが反応進行上好ましい。
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの使用量に対し通常2〜50重量%、好ましくは4〜20重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの使用量に対し通常5〜100重量%、好ましくは10〜80重量%である。
反応温度は通常30〜90℃であり、好ましくは35〜80℃である。反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間である。これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどの芳香族、ケトン、エステル系溶剤等に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用したエポキシ樹脂の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下溶剤を留去することにより本発明の変性エポキシ樹脂が得られる。
本発明の変性エポキシ樹脂は、下記式(X)で表される繰り返し単位を有する。
本発明の変性エポキシ樹脂は、下記式(X)で表される繰り返し単位を有する。
式(X)中R及びnは、式(1)におけるのと同じ意味を表す。Xは水素原子またはグリシジル基を表すが、全Xのうち5〜95%、好ましくは10〜90%、特に好ましくは20〜85%がグリシジル基である。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は本発明のエポキシ樹脂と硬化剤を含有する。また任意成分としてシアネート樹脂を併用してもかまわない。本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂のエポキシ樹脂中に占める割合は5重量%以上が好ましく、特に10重量%以上が好ましい。なお、本発明のエポキシ樹脂は、本発明のエポキシ樹脂組成物以外の樹脂組成物の添加剤、あるいは改質材として使用することも可能であり、可とう性等を向上させることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は本発明のエポキシ樹脂と硬化剤を含有する。また任意成分としてシアネート樹脂を併用してもかまわない。本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂のエポキシ樹脂中に占める割合は5重量%以上が好ましく、特に10重量%以上が好ましい。なお、本発明のエポキシ樹脂は、本発明のエポキシ樹脂組成物以外の樹脂組成物の添加剤、あるいは改質材として使用することも可能であり、可とう性等を向上させることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明の変性エポキシ樹脂と併用されうる他のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において使用できる硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられるがこれらに限定されることはない。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.5〜1.5当量が好ましく、0.6〜1.2当量が特に好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.5当量に満たない場合、あるいは1.5当量を超える場合、いずれも硬化が不完全になり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。硬化促進剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用いられる。
更に、本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤やシランカップリング材、離型剤、顔料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら無機充填剤は、用途によりその使用量は異なるが、例えば半導体の封止剤用途に使用する場合はエポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性、耐湿性、力学的性質などの面から、エポキシ樹脂組成物中で50〜95重量%を占める割合で使用するのが好ましい。
更に本発明のエポキシ性樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することが出来る。用いうる添加剤の具体例としては、ポリブタジエン及びこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、フッ素樹脂、マレイミド系化合物、シアネート樹脂(もしくはそのプレポリマー)、シリコーンゲル、シリコーンオイル、並びにシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、石英粉、アルミニウム粉末、グラファイト、タルク、クレー、酸化鉄、酸化チタン、窒化アルミニウム、アスベスト、マイカ、ガラス粉末、ガラス繊維、ガラス不織布または、カーボン繊維等の無機充填材、シランカップリング剤のような充填材の表面処理剤、離型剤、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色剤が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することにより得られる。そして、本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば、エポキシ樹脂と硬化剤、並びに必要により硬化促進剤及び無機充填剤、配合剤、各種熱硬化性樹脂とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合することより本発明の硬化性樹脂組成物を得て、その硬化性樹脂組成物を溶融注型法あるいはトランスファー成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法などによって成型し、更に80〜200℃で2〜10時間に加熱することにより硬化物を得ることができる。
また本発明のエポキシ樹脂組成物は場合により溶剤を含んでいてもよい。溶剤を含むエポキシ樹脂組成物(ワニス)はガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物とすることができる。この硬化性樹脂組成物の溶剤含量は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該溶剤の総量に対して通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%程度である。また、該溶剤を含むエポキシ樹脂組成物は下記ワニスとしても使用できる。該溶剤としては例えばγ−ブチロラクトン類、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤、テトラメチレンスルフォン等のスルフォン類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、好ましくは低級アルキレングリコールモノ又はジ低級アルキルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、好ましくは2つのアルキル基が同一でも異なってもよいジ低級アルキルケトン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤が挙げられる。これらは単独で合っても、また2以上の混合溶媒であってもよい。
また、剥離フィルム上に前記ワニスを塗布し加熱下で溶剤を除去、Bステージ化を行うことによりシート状の接着剤を得ることが出来る。このシート状接着剤は多層基板などにおける層間絶縁層として使用することが出来る。
本発明で得られる硬化物は各種用途に使用できる。詳しくはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される一般の用途が挙げられ、例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
封止剤としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSIなど用のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TABなど用のといったポッティング封止、フリップチップなどの用のアンダーフィル、QFP、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)などを挙げることができる。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例において、エポキシ当量、溶融粘度、軟化点は以下の条件で測定した。
・エポキシ当量:JIS K−7236に準じた方法で測定した。
・軟化点:JIS K−7234に準じた方法で測定
・パラ配向性(式(2)の繰り返し単位の含有割合):高速液体クロマトグラフィーを用い、エポキシ樹脂に含有される2官能体成分の配向性より確認。
・エポキシ当量:JIS K−7236に準じた方法で測定した。
・軟化点:JIS K−7234に準じた方法で測定
・パラ配向性(式(2)の繰り返し単位の含有割合):高速液体クロマトグラフィーを用い、エポキシ樹脂に含有される2官能体成分の配向性より確認。
実施例1
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらLCE−21(日本化薬株式会社製 ビスフェノールF型エポキシ樹脂 エポキシ当量470g/eq.、水酸基当量423g/eq.パラ配向性99%以上)200部に対しエピクロルヒドリン900部、テトラメチルアンモニウムクロライド5部、水50部を加え撹拌下で均一に分散し、60℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム37部を100分かけて分割添加した後、更に60℃で1時間、後反応を行った。反応終了後水300部を加えて水洗を行った。油層からロータリーエバポレーターを用いて130℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリンなどを留去した。残留物にメチルエチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液4部を加え、1時間反応を行った後、水洗を4回行い、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルエチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP1)が得られた。エポキシ当量は271g/eq.であり、軟化点は53℃であった。アルコール性水酸基のグリシジル化率は78%(式(X)においてXがグリシジル基である割合。エポキシ当量より算出。以下同様。)であった。
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらLCE−21(日本化薬株式会社製 ビスフェノールF型エポキシ樹脂 エポキシ当量470g/eq.、水酸基当量423g/eq.パラ配向性99%以上)200部に対しエピクロルヒドリン900部、テトラメチルアンモニウムクロライド5部、水50部を加え撹拌下で均一に分散し、60℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム37部を100分かけて分割添加した後、更に60℃で1時間、後反応を行った。反応終了後水300部を加えて水洗を行った。油層からロータリーエバポレーターを用いて130℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリンなどを留去した。残留物にメチルエチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液4部を加え、1時間反応を行った後、水洗を4回行い、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルエチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP1)が得られた。エポキシ当量は271g/eq.であり、軟化点は53℃であった。アルコール性水酸基のグリシジル化率は78%(式(X)においてXがグリシジル基である割合。エポキシ当量より算出。以下同様。)であった。
実施例2
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらLCE−21(日本化薬株式会社製 ビスフェノールF型エポキシ樹脂 エポキシ当量452g/eq.、水酸基当量434g/eq.パラ配向性99%以上)87部に対しエピクロルヒドリン505部、テトラメチルアンモニウムクロライド1部、水10部を加え撹拌下で均一に分散し、60℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム13部を100分かけて分割添加した後、更に60℃で1時間、後反応を行った。反応終了後水150部を加えて水洗を行った。油層からロータリーエバポレーターを用いて130℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリンなどを留去した。残留物にメチルエチルケトン300部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液2部を加え、1時間反応を行った後、水洗を4回行い、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルエチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP2)が得られた。エポキシ当量は320g/eq.であり、軟化点は52℃であった。アルコール性水酸基のグリシジル化率は52%であった。
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらLCE−21(日本化薬株式会社製 ビスフェノールF型エポキシ樹脂 エポキシ当量452g/eq.、水酸基当量434g/eq.パラ配向性99%以上)87部に対しエピクロルヒドリン505部、テトラメチルアンモニウムクロライド1部、水10部を加え撹拌下で均一に分散し、60℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム13部を100分かけて分割添加した後、更に60℃で1時間、後反応を行った。反応終了後水150部を加えて水洗を行った。油層からロータリーエバポレーターを用いて130℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリンなどを留去した。残留物にメチルエチルケトン300部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液2部を加え、1時間反応を行った後、水洗を4回行い、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルエチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP2)が得られた。エポキシ当量は320g/eq.であり、軟化点は52℃であった。アルコール性水酸基のグリシジル化率は52%であった。
比較例1
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらYD−2001(東都化成株式会社製 ビスフェノールF型エポキシ樹脂 エポキシ当量455g/eq.、水酸基当量432g/eq.パラ配向性29.9%)200部に対しエピクロルヒドリン900部、テトラメチルアンモニウムクロライド5部、水50部を加え撹拌下で均一に分散し、60℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム36部を100分かけて分割添加した後、更に60℃で1時間、後反応を行った。反応終了後水300部を加えて水洗を行った。油層からロータリーエバポレーターを用いて130℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリンなどを留去した。残留物にメチルエチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液4部を加え、1時間反応を行った後、水洗を4回行い、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルエチルケトン等を留去することで変性エポキシ樹脂(EP3)が得られた。エポキシ当量は270g/eq.であり、軟化点は51℃であった。アルコール性水酸基のグリシジル化率は79%であった。
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらYD−2001(東都化成株式会社製 ビスフェノールF型エポキシ樹脂 エポキシ当量455g/eq.、水酸基当量432g/eq.パラ配向性29.9%)200部に対しエピクロルヒドリン900部、テトラメチルアンモニウムクロライド5部、水50部を加え撹拌下で均一に分散し、60℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム36部を100分かけて分割添加した後、更に60℃で1時間、後反応を行った。反応終了後水300部を加えて水洗を行った。油層からロータリーエバポレーターを用いて130℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリンなどを留去した。残留物にメチルエチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液4部を加え、1時間反応を行った後、水洗を4回行い、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルエチルケトン等を留去することで変性エポキシ樹脂(EP3)が得られた。エポキシ当量は270g/eq.であり、軟化点は51℃であった。アルコール性水酸基のグリシジル化率は79%であった。
実施例3、比較例2
実施例1で得られた本発明の変性エポキシ樹脂(EP1)、LCE−21をメチルエチルケトンを用い、溶解度試験を行った。結果を以下の表1に示す。
実施例1で得られた本発明の変性エポキシ樹脂(EP1)、LCE−21をメチルエチルケトンを用い、溶解度試験を行った。結果を以下の表1に示す。
実施例4、比較例3、比較例4
実施例1で得られた本発明の変性エポキシ樹脂(EP1)、比較例1で得られた比較用のエポキシ樹脂(EP3)及びLCE−21についてフェノールノボラック(明和化成工業株式会社製、H−1、水酸基当量105g/eq.)を硬化剤とし、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を下記表2に示す配合比で配合し、組成物を調製し、トランスファー成型により樹脂成形体を得、140℃で2時間、さらに160℃で6時間かけて硬化させた。
実施例1で得られた本発明の変性エポキシ樹脂(EP1)、比較例1で得られた比較用のエポキシ樹脂(EP3)及びLCE−21についてフェノールノボラック(明和化成工業株式会社製、H−1、水酸基当量105g/eq.)を硬化剤とし、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を下記表2に示す配合比で配合し、組成物を調製し、トランスファー成型により樹脂成形体を得、140℃で2時間、さらに160℃で6時間かけて硬化させた。
表2
実施例4 比較例3 比較例4
エポキシ樹脂 EP1 90
EP3 90
LCE−21 159
硬化剤 フェノールノボラック 35 35 35
硬化促進剤 TPP 0.9 0.9 0.9
実施例4 比較例3 比較例4
エポキシ樹脂 EP1 90
EP3 90
LCE−21 159
硬化剤 フェノールノボラック 35 35 35
硬化促進剤 TPP 0.9 0.9 0.9
このようして得られた硬化物の物性を測定した結果を表3に示す。なお、物性値の測定は以下の方法で行った。
ガラス転移点: DMA(動的粘弾性測定装置)使用
曲げ強度:JIS K−6911
破壊靭性(K1C):JIS K−6911
ピール強度:JIS K−6911
ガラス転移点: DMA(動的粘弾性測定装置)使用
曲げ強度:JIS K−6911
破壊靭性(K1C):JIS K−6911
ピール強度:JIS K−6911
表3
実施例4 比較例3 比較例4
ガラス転移温度(℃)
DMA 140 122 102
破壊靭性(K1C)(MPa) 65 51 72
ピール強度(Cu,kN/m) 2.6 2.2 2.5
実施例4 比較例3 比較例4
ガラス転移温度(℃)
DMA 140 122 102
破壊靭性(K1C)(MPa) 65 51 72
ピール強度(Cu,kN/m) 2.6 2.2 2.5
以上の結果から、本発明の変性エポキシ樹脂は、変性前のエポキシ樹脂の硬化物特性を殆ど損なうことなく溶剤への溶解性が向上している。また、本発明の変性エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物は接着性、靭性及び耐熱性に優れた硬化物を与える。
Claims (6)
- Rのうち少なくとも一つがメチル基、エチル基、アリル基または水素原子である請求項1または2記載の変性エポキシ樹脂。
- 全てのRが水素原子である請求項1または2に記載の変性エポキシ樹脂。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の変性エポキシ樹脂及び硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物、
- 請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物、
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CN116041670A (zh) * | 2022-12-20 | 2023-05-02 | 江苏扬农锦湖化工有限公司 | 一种酸改性环氧树脂及其制备方法和应用 |
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JPH0718057A (ja) * | 1993-07-02 | 1995-01-20 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | エポキシ樹脂組成物 |
JP2000344869A (ja) * | 1999-06-08 | 2000-12-12 | Nippon Kayaku Co Ltd | ポリカルボン酸樹脂、光カチオン硬化型樹脂組成物並びにその硬化物 |
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-
2005
- 2005-08-11 JP JP2005233581A patent/JP2007045978A/ja active Pending
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