JP5881202B2 - フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物 - Google Patents
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Description
20世紀において石油資源は、プラスチックの原料やエネルギーとして採掘され限りなく使用されてきた。しかし、近年、石油を初めとする化石資源の枯渇化等が環境問題となっている。そこで、石油や石炭由来のような化石資源ではなく、天然物由来の資源(いわゆる非化石資源)を利用した環境破壊の恐れの少ないプラスチック材料の開発が盛んに進められている。
例えば、植物は太陽の光をエネルギーとして、水分と大気中の炭酸ガスを吸収することによって成長する。植物(もしくはそこから抽出される成分)を原料とする材料の場合、太陽エネルギーを原料の製造エネルギーとして有効に利用していることから、化石エネルギーの使用量が少なくてすむことになる。これにより、化石資源の使用を節約できることになる。
(1)オイゲノール誘導体を30重量%以上含有するフェノール類(少なくとも1つのフェノール性水酸基を有する化合物)とホルムアルデヒド(もしくはその合成等価体)との反応により得られるフェノール樹脂、
(2)上記(1)に記載のフェノール樹脂をエピハロヒドリンと反応させることにより得られるエポキシ樹脂、
(3)(a)エポキシ樹脂および(b)上記(1)に記載のフェノール樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物、
(4)(c)上記(2)に記載のエポキシ樹脂及び(d)硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物、
(5)(c)上記(2)に記載のエポキシ樹脂及び(b)上記(1)に記載のフェノール樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物、
(6)上記(3)〜(5)のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物、
に関する。
<オイゲノール(eugenol)>
チョウジ油、ウイキョウ油、ケイヒ油の主成分の1つであり、シキミ酸経路で生合成されるフェニルプロパノイド系物質である。オイゲノールは医薬品として口腔内殺菌薬、虫歯の鎮痛などに用いるほか、バニリンの製造原料となる。例えば、チョウジ油からであれば、アルカリ水溶液を適量加え、浸透して他の油を除いてから希硫酸を加えてオイゲノールを析出させ、洗浄、乾燥後減圧蒸留によって精留するという手法が一般に知られている。
本発明においてオイゲノール誘導体とは、オイゲノールから派生される化合物を示し、具体的にはオイゲノールの転移反応により製造されるイソオイゲノールが挙げられる。
フェノール類は、芳香環に少なくとも1個のフェノール性水酸基を有する化合物であれば使用できる。具体的には、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、フェニルフェノール、シクロヘキシルフェノール、キシレノール、メチルプロピルフェノール、メチルブチルフェノール、チモール等のフェノール類が挙げられるがフェノール性水酸基を有する限りこれらに限定されるものではない。また、これらフェノール類は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂は、本発明のフェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させることで得ることができる。
ここで、本発明のフェノール樹脂又はエポキシ樹脂は多官能であれば、硬化が3次元的に進み易く、高耐熱性、機械的特性において高い特性が期待できるため、好ましい。具体的には、本発明のフェノール樹脂又はエポキシ樹脂において分子量分布を有する多量体に繋がった構造、すなわち数平均分子量が400以上であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物はエポキシ樹脂と硬化剤を含有し、少なくともエポキシ樹脂として本発明のエポキシ樹脂を含有するか、硬化剤として本発明のフェノール樹脂を含有する。なお、本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂または硬化剤として、他の成分を使用する場合、非石油原料由来のものが好ましい。
また、特に、本発明のエポキシ樹脂、フェノール樹脂は作業性が非常に改善されていることから、従来知られているリグニン由来の化合物と併用することで、エポキシ樹脂組成物の改質剤の役割に使用することも可能である。
上記(4)記載の本発明のエポキシ樹脂組成物において、(d)成分である硬化剤としては、上記他の硬化剤等が挙げられる。
カラムは、Shodex SYSTEM−21カラム(KF−803L、KF−802.5(×2本)、KF−802)、連結溶離液はテトラヒドロフラン、流速は1ml/min.カラム温度は40℃、また検出はUV(254nm)で行い、検量線はShodex製標準ポリスチレンを使用した。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、ディーンスターク管を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら、イソオイゲノール164部、キシレン100部、トルエン100部、p−トルエンスルホン酸3部を加え、70℃でホルマリン105部を1時間かけて滴下し、そのまま1時間撹拌した。その後、水を抜きながら30時間反応を行った。
反応終了後、90℃まで冷却し、無水燐酸水素2ナトリウム15部を加え、そのまま30分撹拌し、系中の酸をクエンチした。ここに水200部を加え、水洗後、さらに水100部/回で廃水が中性になるまで水洗を繰り返し、得られた有機層をロータリーエバポレータで加熱減圧下、トルエン、キシレン等の低沸分を留去することで、本発明のフェノール樹脂(PA1)162部が得られた。得られた樹脂は赤褐色であり、軟化点83.2℃、150℃における溶融粘度(ICI コーン#3)は0.08Pa・sであった。また重量平均分子量は724、数平均分子量は587であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら実施例1で得られたフェノール樹脂(PA1)80部、エピクロロヒドリン280部、メタノール50部を加え、70℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム21部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン200部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液5部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP1)を97部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は223g/eq.、軟化点が59.5℃、150℃における溶融粘度(ICI コーン#3)は0.05Pa・sであった。また重量平均分子量は1022、数平均分子量は667であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、ディーンスターク管を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら、オイゲノール164部、キシレン100部、トルエン100部、p−トルエンスルホン酸3部を加え、70℃でホルマリン105部を1時間かけて滴下し、そのまま1時間撹拌した。その後、水を抜きながら30時間反応を行った。
反応終了後、90℃まで冷却し、無水燐酸水素2ナトリウム15部を加え、そのまま30分撹拌し、系中の酸をクエンチした。ここに水200部を加え、水洗後、さらに水100部/回で廃水が中性になるまで水洗を繰り返し、得られた有機層をロータリーエバポレータで加熱減圧下、トルエン、キシレン等の低沸分を留去することで、本発明のフェノール樹脂(PA1)162部が得られた。得られた樹脂は赤褐色であり、軟化点48℃、150℃における溶融粘度(ICI コーン#1)は0.20Pa・sであった。また重量平均分子量は1024、数平均分子量は733であった。
Claims (6)
- イソオイゲノールとホルムアルデヒド(もしくはその合成等価体)との反応物であるフェノール樹脂。
- 請求項1 に記載のフェノール樹脂をエピハロヒドリンと反応物であるエポキシ樹脂。
- (a)エポキシ樹脂および(b)請求項1に記載のフェノール樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
- (c)請求項2に記載のエポキシ樹脂及び(d)硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
- (c)請求項2に記載のエポキシ樹脂及び(b)請求項1に記載のフェノール樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
- 請求項3〜5のいずれか1 項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物。
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