JP6544815B2 - エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物および硬化物 - Google Patents
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すなわち本発明は、
(1)
下記式(1)
ナフトール-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂において、下記式(2)
および、下記式(3)
(2)
前記式(1)において、n=2、3、4の総計が53〜90面積%、かつnが5を超えるポリマーが10〜35面積%であることを特徴とする前項(1)に記載のエポキシ樹脂。
(3)
前記式(1)においてn=0の化合物が1面積%以下であることを特徴とする前項(2)に記載のエポキシ樹脂
(4)
前項(1)〜(3)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物と硬化剤を必須成分とする硬化性樹脂組成物。
(5)
前項(4)に記載の硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物。
に関する。
下記式(1)
に記載のエポキシ樹脂であって、n=1の成分、すなわち前記式(2)及び(3)に記載のエポキシ樹脂の含有量が少ない。また好適にはn=5を超えるポリマーが10〜35面積%であることを特徴とするエポキシ樹脂である。以下、本発明において面積%とは特に断りがない限りGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー 検出器RI)で測定して得られた面積%を示す。
前記式(2)及び(3)の化合物は耐熱性、流動性の面では有利であるが、熱分解特性に悪影響を及ぼす。すなわち、前記式(2)及び(3)の化合物の含有量が各々9面積%以下(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー 検出器RI)であることにより、耐熱分解特性を向上させることができる。本発明においては、好ましくは各々8面積%以下であり、特に好ましくは各々5面積%以下である。またその総量(前記式(2)及び式(3)の化合物の総量)は15面積%以下である。
特に前記式(2)の化合物はナフタレン構造同士をつなぐメチレン構造が切れやすく、低分子量化しやすいため熱分解時に分解し放出されやすく、9面積%を超えないものである必要があり、8面積%以下が好ましく、5面積%以下であることが好ましい。また、前記式(3)の化合物に関しては分子量が小さいため、硬化物のネットワークにおいてエポキシ基の開環した部分が一部切れると揮発しやすくなるため好ましくない。
また、前記式(1)においてn=5を超えるポリマーが35面積%を超えると粘度が高くなりすぎてしまうため、成型が困難になるため好ましくない。ただし、耐熱性の面で10面積%以上あることが好ましい。
このようなエポキシ樹脂の軟化点は85〜100℃(環球法)であることが好ましく、特に85〜95℃の範囲が好ましい。85℃以上の軟化点を有しない化合物の場合、硬化物とした際の耐熱性において150℃を超えることが困難であり、特にパワーデバイス向けの半導体封止材には向かない樹脂となる。また100℃を超えると粘度の上昇も大きくなり、成型性の面で好ましくない。尚、本発明のエポキシ樹脂組成物は軟化点80〜90℃のフェノールノボラックと硬化させた際に熱機械特性(TMA)の測定において耐熱性で150℃を超える。
本発明において前記式(1)におけるn=0の化合物が1面積%以下であることが好ましく、特に、グリシドキシナフタレンが1面積%以下であることが熱分解特性の面から好ましい。グリシドキシナフタレンを含有する場合、0.01〜1面積%、さらに好ましくは0.01〜0.9面積%、特に好ましくは0.01〜0.8面積%含有する。
グリシドキシナフタレンが1面積%を超える場合、混練や成型時の揮発による人体への悪影響、および炉の汚れ、また金型汚れ、成型時の脱型性の悪さなどに影響を及ぼす恐れがある。0.01面積%を下回ろうとすると、多大なエネルギーおよび廃棄物を生成するため、環境・産業として好ましくない。
また前記式(1)においてn=2、3、4の化合物の総計が70〜90面積%であることが好ましい。分子量分布の幅がこの範囲になることで高い耐熱性を持ちながら粘度を低減でき、かつ熱分解特性を向上させることができる。ここで、n=2の化合物が耐熱性、熱分解性に優れ、さらに高分子量となりすぎるものでないことから25〜50面積%含有していることで好適な物性を確保することが可能と成り得、特に25〜40面積%であることが好ましい。
なお、本発明の式(1)のエポキシ樹脂においてAはナフトール構造とクレゾール構造を必ず含有する。具体的には、モル比でナフトール構造:クレゾール構造=1:1〜5:1、特に好ましくは1:1〜3:1であり、ナフトール構造の方が多く存在する方が好ましい。
本発明に使用する前記式(1)のエポキシ樹脂の原料フェノール樹脂(以下、本発明のフェノール樹脂と称す)は、ナフトール(1−ナフトールおよびまたは2−ナフトール)とクレゾール(置換位置を限定しない)とホルムアルデヒド合成等価体(ホルマリン、パラホルムアルデヒド等を意味する。)を必須成分とし、合成される。
本発明のフェノール樹脂はナフトールとクレゾールを水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類にあげられる溶剤(もしくは水)中に溶解、または2層系で混合し、酸性、もしくは塩基性条件下でホルムアルデヒド合成等価体と反応させることで本発明のフェノール樹脂を得ることができる。溶媒を使用する場合、その使用量はナフトールとクレゾールの総量100重量部に対し、通常5〜500重量部、好ましくは10〜300重量部の範囲である。
用いうる酸性触媒の具体例としては塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸類;シュウ酸、トルエンスルホン酸、酢酸等の有機酸類;タングステン酸等のヘテロポリ酸、活性白土、無機酸、塩化第二錫、塩化亜鉛、塩化第二鉄等、その他酸性を示す有機、無機酸塩類、等のノボラック樹脂製造用に通常使用される酸性触媒などが挙げられる。
用いうる塩基性触媒の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等のアルカリ土類金属アルコキシド等が挙げられる。
またアミン系の触媒を使用することもでき、トリエチルアミン、エタノールアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン等が挙げられる。特にアミン系の触媒を使用する場合は溶媒として兼用することもできる。
これら触媒は、前述に挙げた物に限定されるものではなく、単独でも2種以上を併用してもよい。
ここで、(a)の工程であるナフトールとクレゾールとのノボラック化反応により得られるノボラック型フェノール樹脂においては、重量平均分子量として500〜1500が好ましい。ここで、上記式(4)及び式(5)の総量が10面積%以下であることが好ましく、特に8面積%以下であることが好ましい。また、上記式(4)及び式(5)が各々5面積%以下であることが特に好ましい。このようなものについて、(b)及び(c)工程を経由させることで、より目的とする樹脂を得ることが可能となる。
尚、(a)の工程で使用するナフトールはα−ナフトールとβ−ナフトールの混合物を使用することが好適である。
前記工程(c)で用いるホルムアルデヒド合成等価体の使用量としては残留ナフトールや前記式(2)の構造の残留量にもよるが、工程(a)で用いるホルムアルデヒド合成当価体量に対し、1〜20重量%の割合で添加できる。より好ましくは1〜15重量%である。
本フェノール樹脂は前記式(4)(5)の構造の化合物の含有量が各々12面積%以下(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー 検出器RI)であることにより、耐熱分解特性を向上させることができる。本発明においては、好ましくは10面積%以下であり、特に好ましくは6面積%以下である。またその総量は17面積%以下である。これにより本発明のエポキシ樹脂の特性を満たすことができ、耐熱分解特性、および耐熱性に優れる。
また、反応により得られたエポキシ樹脂に含有している全塩素としては5000ppm以下、より好ましくは3000ppm以下、特に1000ppm以下であることが好ましい。塩素量による悪影響については前述と同様である。なお、塩素イオン、ナトリウムイオンについては各々5ppm以下が好ましく、より好ましくは3ppm以下である。特に1ppm以下が好ましい。塩素イオンは先に記載した通りであるが、ナトリウムイオン等のカチオンも、特にパワーデバイス用途においては非常に重要なファクターとなり、高電圧がかかった際の不良モードの一因となる。
ここで、理論エポキシ当量とは、本発明のフェノール樹脂のフェノール性水酸基が過不足なくグリシジル化した時に算出されるエポキシ当量を示す。
3.0モルを下回るとエポキシ当量が大きくなることがあり、また、できたエポキシ樹脂の粘度が高くなりすぎてしまい、所望の範囲内に入らない可能性がある。15モルを超えると溶剤量が多量となる。
アルカリ金属水酸化物の使用量は原料の本発明のフェノール樹脂の水酸基1モルに対して通常0.90〜1.5モルであり、好ましくは0.95〜1.25モル、より好ましくは0.99〜1.15モルである。
系中の水分が多い場合には、得られたエポキシ樹脂において電気信頼性が悪くなることがあり、水分は5%以下にコントロールして合成することが好ましい。また、非極性プロトン溶媒を使用してエポキシ樹脂を得た際には、電気信頼性に優れるエポキシ樹脂が得られるため、非極性プロトン溶媒は好適に使用できる。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂を炭素数4〜7のケトン化合物(たとえば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。)を溶剤として溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した本発明のフェノール樹脂の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂100に対して0.01〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
本発明においては特に電子材料用途に使用するため、前述のフェノール樹脂が好ましい。
半導体装置とは前述に挙げるICパッケージ群となる。
本発明の半導体装置は、パッケージ基板や、ダイなどの支持体に設置したシリコンチップを本発明のエポキシ樹脂組成物で封止することで得られる。成型温度、成型方法については前述のとおりである。
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。なお、実施例2、3、5、6はそれぞれ参考例1、2、3、4と読み替えるものとする。
エポキシ当量:JISK7236(ISO3001)に準拠
ICI溶融粘度:JISK7117−2(ISO3219)に準拠
軟化点:JISK7234に準拠
全塩素:JISK7243−3(ISO21672−3)に準拠
塩素イオン:JISK7243−1(ISO21672−1)に準拠
GPC:
カラム(ShodexKF−603、KF−602x2、KF−601x2)
連結溶離液はテトラヒドロフラン
流速は0.5ml/min.
カラム温度は40℃
検出:RI(示差屈折検出器)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらβ−ナフトール144部、オルソクレゾール65部、メチルイソブチルケトン220部を加え、ここに48部の25%の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加後、10℃で35%の濃度のホルマリン88.4部を滴下し、10℃で2時間撹拌した後、35%の濃塩酸を32部加え、中和した後、30℃で3時間撹拌した。得られた反応液にメチルイソブチルケトン100部、水100部を加えた後、水層を廃棄し、さらにパラホルムアルデヒド4.6部とp−トルエンスルホン酸を加え75℃で4時間かけて前記式(4)の化合物を熱分解しながらノボラック化反応を行った。
反応終了後30%の水酸化ナトリウム水溶液5部を添加し、水洗後、有機層を取り出し、溶剤をロータリーエバポレータで留去した。
再度この樹脂をトルエン300部に溶解した。この時の前記式(4)の化合物の含有量は1.5面積%、前記式(5)の化合物は31面積%、残留ナフトール4面積%であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら、この溶液を仕込んだ後、更にパラトルエンスルホン酸1部を加え、80℃に昇温した後、ホルマリン15部を加え、1時間撹拌後、110℃まで徐々に水を抜きながら昇温し、還流条件で3時間反応を行った。その後水洗し、得られた有機層をロータリーエバポレータで減圧下で溶剤を留去することで本発明のフェノール樹脂213部を得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点は138.1℃、前記式(4)の化合物0.2面積%、(5)の化合物4.8面積%、残留ナフトールは0.2面積%、残留クレゾールは0.1%以下であった。また、水酸基当量は141g/eq.であった。
(実施例1)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら本発明のフェノール樹脂BN1を141部、エピクロロヒドリン416部(4.5モル当量 対 フェノール樹脂)、ジメチルスルホキシド45部を加え、撹拌下で溶解し、40〜45℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム41部を90分かけて分割添加した後、更に40℃で2時間、70℃で1時間反応を行った。反応終了後,水500部で水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤類を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン500部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、1時間反応を行った後、油層の洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP1)171部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は228g/eq.軟化点90℃、150℃における溶融粘度(ICI溶融粘度 コーン#3)は0.9Pa・sであった。
なお、前記式(2)の化合物1面積%、(3)の化合物4面積%、グリシジルオキシナフタレンは0.2面積%、n=2、3、4の化合物の総量は69面積%、n=5以上の化合物の量は27面積%であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらβ−ナフトール124部、α−ナフトール20部、オルソクレゾール64.9部、メチルイソブチルケトン150部を加え、ここに35%濃塩酸20部を加えた後、ホルマリン100部を添加し、10℃で5時間、45℃で4時間反応した。この際、前記式(4)の化合物の含有量は26面積%、前記式(5)の化合物は10面積%であった。
ここで、水層を抜き出した後、さらにパラホルムアルデヒド8部、p−トルエンスルホン酸2部を加え80℃まで昇温し、前記式(4)を熱分解しながらノボラック化反応を行った。
反応終了後30%の水酸化ナトリウム水溶液5部を添加し、水洗後、有機層を取り出し、溶剤をロータリーエバポレータで留去することで本発明のフェノール樹脂(BN2)210部を得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点は125.7℃、前記式(4)の化合物3面積%、(5)の化合物6面積%、残留ナフトールは0.2面積%、残留クレゾールは0.1%以下であった。また、水酸基当量は144g/eq.であった。
(実施例2)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら本発明のフェノール樹脂BN2を144部、エピクロロヒドリン370部(4モル当量 対 フェノール樹脂)、ジメチルスルホキシド37部を加え、撹拌下で溶解し、40〜45℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム41部を90分かけて分割添加した後、更に40℃で2時間、70℃で1時間反応を行った。反応終了後,水500部で水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤類を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン500部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、1時間反応を行った後、油層の洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP2)179部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は219g/eq.軟化点93℃、150℃における溶融粘度(ICI溶融粘度 コーン#3)は0.4Pa・sであった。
なお、前記式(2)の化合物が0.3面積%、(3)の化合物3面積%、グリシジルオキシナフタレンは0.3面積%、n=2,3,4の化合物の総量は74面積%、n=5以上の化合物の量は22面積%であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらβ−ナフトール134部、α−ナフトール10部、オルソクレゾール55部、メチルイソブチルケトン150部を加え、ここに35%濃塩酸20部を加えた後、ホルマリン75部を添加し、10℃で5時間、45℃で4時間反応した。この際、前記式(4)の化合物の含有量は39面積%、前記式(5)の化合物は21面積%であった。
ここで、水層を抜き出した後、さらにパラホルムアルデヒド15部、p−トルエンスルホン酸2部を加え80℃まで昇温し、前記式(4)を熱分解しながらノボラック化反応を行った。
反応終了後30%の水酸化ナトリウム水溶液5部を添加し、水洗後、有機層を取り出し、溶剤をロータリーエバポレータで留去することで本発明のフェノール樹脂(BN3)212部を得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点は134.4℃、前記式(4)の化合物1.9面積%、(5)の化合物4.7面積%、残留ナフトールは0.8面積%、残留クレゾールは0.1%以下であった。また、水酸基当量は148g/eq.であった。
(実施例3)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら本発明のフェノール樹脂BN3を148部、エピクロロヒドリン416部(4.5モル当量 対 フェノール樹脂)、ジメチルスルホキシド45部を加え、撹拌下で溶解し、40〜45℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム41部を90分かけて分割添加した後、更に40℃で2時間、70℃で1時間反応を行った。反応終了後,水500部で水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤類を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン500部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液12部を加え、1時間反応を行った後、油層の洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP3)178部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は226g/eq.軟化点95℃、150℃における溶融粘度(ICI溶融粘度 コーン#3)は0.7Pa・sであった。
なお、前記式(2)の化合物が0.9面積%、(3)の化合物1.9面積%、グリシジルオキシナフタレンは0.6面積%、n=2,3,4の化合物の総量は71面積%、n=5以上の化合物の量は26面積%であった。
日本国特許3935584に準拠し、下記の合成を行った。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらβ−ナフトール288部、オルソクレゾール108部、メチルイソブチルケトン841部を加えた。ここにパラホルムアルデヒドを67部添加し、25℃で2時間反応を行った。反応終了後、35%濃塩酸41部を加え中和した後、p−トルエンスルホン酸5.7部を添加し、25℃で2時間、80℃で2時間反応を行った。その後反応液が中性になるまで水洗し、油層の溶剤などを加熱減圧下留去し、フェノール樹脂BN4を410部を得た。
得られたフェノール樹脂の軟化点は108℃、前記式(4)の化合物8面積%、(5)の化合物36面積%、残留ナフトールは3.5面積%、残留クレゾールは0.1%以下であった。また、水酸基当量は140g/eq.であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら本発明のフェノール樹脂BN4を140部、エピクロロヒドリン416部(4.5モル当量 対 フェノール樹脂)、ジメチルスルホキシド45部を加え、撹拌下で溶解し、40〜45℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム41部を90分かけて分割添加した後、更に40℃で2時間、70℃で1時間反応を行った。反応終了後,水500部で水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤類を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン500部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液12部を加え、1時間反応を行った後、油層の洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP4)183部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は219g/eq.軟化点95℃、150℃における溶融粘度(ICI溶融粘度 コーン#3)は0.15Pa・sであった。
なお、前記式(2)の化合物が7面積%、(3)の化合物28面積%、グリシジルオキシナフタレンは3面積%、n=2,3,4の化合物の総量は60面積%、n=5以上の化合物の量は2面積%であった。
前記で得られたエポキシ樹脂(EP1〜EP4)とまたEP5(ナフトールクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 日本化薬株式会社製 NC−7300L 前記式(2)の化合物が0.3面積%、(3)の化合物29面積%、グリシジルオキシナフタレンは1面積%、n=2,3,4の化合物の総量は69面積%、n=5以上の化合物の量は1面積%)を用いて、表1の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、封止用エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化されたエポキシ樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×3時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。
なお、硬化物の物性は以下の要領で測定した。
<TMA測定条件>
熱機械測定装置 真空理工(株)製 TM−7000 昇温速度:2℃/分
<DMA測定条件>
動的粘弾性測定器:TA−instruments製、DMA−2980
測定温度範囲:−30℃〜280℃
温速度:2℃/分
試験片サイズ:5mm×50mmに切り出した物を使用した(厚みは約800μm)。
解析条件
Tg:DMA測定に於けるTanδのピーク点(tanδMAX)をTgとした。
<耐熱分解特性測定条件>
TG−DTAにて測定
測定サンプル :粉状 (100μmメッシュ通過、 75μmメッシュオン) 5-10mg
測定条件 : 昇温速度 10℃/min Air flow 200ml
5%重量減少温度を測定した。
Claims (3)
- 下記式(1)であらわされるβ−ナフトール−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂において、ナフトール構造とクレゾール構造のモル比が1.7:1〜5:1であって、
下記式(1)において、n=0である構造のエポキシ化合物をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、検出器:RI)面積百分率で0.01〜1面積%含有し、n=2、3、4の総計が53〜90面積%、かつnが5を超えるポリマーが10〜35面積%であり、
下記式(2)であらわされる構造のエポキシ樹脂の含有量がGPC面積百分率で9面積%以下であり、
下記式(3)であらわされる構造のエポキシ樹脂の含有量がGPC面積百分率で9面積%以下であるエポキシ樹脂。
- 請求項1に記載のエポキシ樹脂と硬化剤を必須成分とする硬化性樹脂組成物。
- 請求項2に記載の硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物。
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