JP2017071706A - エポキシ樹脂組成物、硬化性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、硬化性樹脂組成物およびその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】その硬化物が耐熱性、耐半田特性、流動性及び難燃性に優れた特性を有するため電気電子部品用絶縁材料及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等、特に半導体封止剤用途に有用なエポキシ樹脂組成物、硬化性樹脂組成物の提供。【解決手段】ビスフェノールA型エポキシ樹脂またはビスフェノールF型エポキシ樹脂の少なくとも1種(以下、「成分A」という。)とフタルイミド骨格含有エポキシ樹脂(以下「成分B」という。)を含有し、成分Aと成分Bの割合は重量比率で1:4〜1:1であるエポキシ樹脂組成物。硬化剤として、3官能以上のフェノール樹脂と前記エポキシ樹脂組成物を含有する硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は耐熱性が要求される電気電子材料用途に好適なエポキシ樹脂組成物、硬化性樹脂組成物およびその硬化物に関する。
エポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
しかし近年、電気・電子分野においてはその発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、密着性、誘電特性、フィラー(無機または有機充填剤)を高充填させるための低粘度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等の諸特性の一層の向上が求められている。又、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料が求められている(非特許文献1)。特に半導体封止分野、基板(基板自体、もしくはその周辺材料)においては、その半導体の変遷に従い、薄層化、スタック化、システム化、三次元化と複雑になっていき、非常に高いレベルの耐熱性や高流動性といった特性が求められる(非特許文献2)。なお、特にプラスチックパッケージの車載用途への拡大に伴い、耐熱性の向上要求がいっそう厳しくなってきている。
"2008年 STRJ報告 半導体ロードマップ専門委員会 平成20年度報告"、第8章、p1−1、[online]、平成21年3月、JEITA(社)電子情報技術産業協会 半導体技術ロードマップ専門委員会、[平成24年5月30日検索]、http://strj-jeita.elisasp.net/strj/nenjihoukoku-2008.cfm 高倉信之他、松下電工技報 車関連デバイス技術 車載用高温動作IC、74号、日本、2001年5月31日、35−40頁
一般的なエポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂があるが、これらの特性改善のために種々のエポキシ樹脂の添加が検討されている。しかしながら多官能エポキシ樹脂を添加した場合、Tg(耐熱性)は向上するが高温での弾性率が高くなりすぎてしまうために半田耐熱性の面で応力緩和が困難となり、はがれ等の不具合が生じる可能性がある。また、半導体封止材の用途に重要である難燃性も大幅に低下してしまうこととなる。高温での弾性率を下げるためにフェノールビフェニレンアラルキル樹脂の様なエポキシ樹脂を使用すると耐熱性の向上があまり見られず、目的を達成することが難しい。また、モールド後の硬度が低いことから脱型性の悪化等の不具合も生じ、生産性が悪くなりやすい等の課題がある。
本発明者らは前記したような実状に鑑み、鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)下記式(1)の構造を主成分とするビスフェノールA型エポキシ樹脂または下記式(2)の構造を主成分とするビスフェノールF型エポキシ樹脂の少なくとも1種(以下、「成分A」という。)とフタルイミド骨格含有エポキシ樹脂(以下「成分B」という。)を含有し、成分Aと成分Bの割合は重量比率で1:4〜1:1であるエポキシ樹脂組成物、
Figure 2017071706
(式中複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子もしくはメチル基を示す。)
Figure 2017071706
(式中複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子もしくはメチル基を示す。)
(2)前項(1)に記載のエポキシ樹脂組成物、硬化剤を含有する硬化性樹脂組成物、
(3)硬化剤として3官能以上のフェノール樹脂を含有する前項(2)に記載の硬化性樹脂組成物、
(4)硬化促進剤、無機フィラー、カップリング剤を含有する前項(2)〜(3)に記載の硬化性樹脂組成物、
(5)前項(2)〜(4)に記載の硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物、
に関する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、その硬化物が耐熱性、耐半田特性、流動性及び難燃性に優れた特性を有するため電気電子部品用絶縁材料及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)や炭素繊維強化複合材料(CFRP)を始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等、特に半導体封止材用途に有用である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は下記式(1)の構造を主成分とするビスフェノールA型エポキシ樹脂または下記式(2)の構造を主成分とするビスフェノールF型エポキシ樹脂の少なくとも1種(以下、「成分A」という。)を必須成分とする。
Figure 2017071706
(式中複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子もしくはメチル基を示す)
Figure 2017071706
(式中複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子もしくはメチル基を示す)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂においてはグリセリンエーテル構造で大きくつながった化合物も存在するが、本発明においては前記式(1)又は式(2)に該当する構造を75%〜90%含むエポキシ樹脂を用いることが好ましい。グリセリンエーテル構造で連なったエポキシ樹脂は低弾性率の面では有効であるが、高温での強度が低くなりやすく、また耐熱性の面で低下が大きくなってしまうおそれがある。さらに流動性の面でも悪化するおそれがある。特に、前記式(1)又は式(2)に該当する構造を80%〜90%含むエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
また、置換基においてはR又はRが大きすぎると耐熱性が低下してしまうことから、水素もしくはメチル基等の比較的小さい官能基であることが好ましく、特に水素であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において用いられるフタルイミド骨格含有エポキシ樹脂(以下、「成分B」という。)としては下記式(3)に示されるエポキシ樹脂が好ましい。
Figure 2017071706
(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、もしくは炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。)
特に本発明においては硬化物の難燃性や機械特性の面で置換基Rが水素原子もしくはメチル基であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては成分Aと成分Bの比率が重量比(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの面積比率で代替も可能)で1:4〜1:1で含有する。
成分Aの量が少ないと機械強度、粘度の面で好ましくなく、成分Bの量が少ないと耐熱性が低くなり、特性が出ない。また成分Bの量を調整することにより、軟化点を有するエポキシ樹脂とすることができ、半導体封止材やCFRP、基板の用途において、べた付きが少ない、もしくはべた付きすぎない樹脂組成物を作成することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の軟化点は45〜85℃の範囲であることが好ましい。低すぎる軟化点の樹脂は取り扱いが困難となるおそれがある他、耐熱性の低下が大きく、軟化点が高すぎる場合は硬化性樹脂組成物の流動性が悪くなり、成型が困難となるおそれがある。
本発明のエポキシ組成物のエポキシ当量は、Rが全て水素原子の場合、200.0g/eq.〜280.0g/eq.が好ましく、210.0g/eq.〜250.0g/eq.が特に好ましい。エポキシ当量が上記範囲内にあることで、硬化物の耐熱性、電気信頼性に優れたエポキシ樹脂を得ることができる。
また、溶融粘度は0.01〜0.15Pa・s(ICI 溶融粘度 150℃ コーンプレート法)、より好ましくは0.02〜0.13Pa・s、特に好ましくは0.02〜0.1Pa・sである。無機材料(フィラー等)を混合して用いる場合、流動性が悪い等の課題が生じるおそれがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は少なくとも成分Aと成分Bを配合し得ることができる。
その製造方法としてはa)溶融混合b)溶液混合の二種が一般的にあげられる。
a)溶融混合の場合、成分A、Bを50℃以上200℃未満の温度で溶融し、均一な混合物を作成することができる。この際に温度が低い場合、均一に混ざらず、べた付き、もしくは一成分がブリードアウトしたような樹脂組成物となってしまう可能性が高く、好ましくない。また200℃以上での溶融混合の場合、熱劣化を起こし特性が悪化する可能性があるため好ましくない。200℃以上での処理をする場合は減圧下および/または窒素等の不活性ガスの存在下で取り扱うことが必要であり、200℃以下においても減圧下および/または窒素等の不活性ガスの存在下での処理が好ましい。
b)溶液混合の場合、成分A、Bを有機溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のC1〜C6のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエ−テルアセテート等のC1〜C6のエステル類、トルエン、キシレン等のC1〜C10の炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のC1〜C6のエーテル類が挙げられるが、環境問題からトルエン、キシレン以外の溶剤が好ましい。)で50〜200℃未満で均一に溶解した後、加熱減圧下溶剤を留去し、混合体を得ることが好ましい。
a)b)いずれの場合においても均一のエポキシ樹脂組成物を0℃〜100℃に冷却した表面支持体(スチールベルト、ドラム型フレーカ等)上に落とすことでエポキシ樹脂組成物成型体をえる。形状はフレーク型、もしくは1〜20mmの直径のマーブル型の形状とすることが好ましい。
次に、本発明の硬化性樹脂組成物について説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂組成物のほか、硬化剤を含有する。また任意成分として硬化触媒(硬化促進剤)、他のエポキシ樹脂を含有しても構わない。
本発明の硬化性樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂組成物以外にエポキシ樹脂を含有してもかまわない。全エポキシ樹脂中、本発明のエポキシ樹脂組成物の割合は20重量%以上が好ましく、より好ましくは30重量%以上、特に好ましくは40重量%以上である。
本発明のエポキシ樹脂組成物と併用し得る他のエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン又は1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類並びにアルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、シルセスキオキサン系のエポキシ樹脂(鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂)等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に使用できる硬化触媒の具体例としてはトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等のアミン化合物、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種等の複素環式化合物類、及び、それら複素環式化合物類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類、ジシアンジアミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物及びそれらのテトラフェニルボレート、フェノールノボラック等の塩類、前記多価カルボン酸類、又はホスフィン酸類との塩類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルセチルアンモニウムヒドロキシド、トリオクチルメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等のアンモニュウム塩、トリフェニルホスフィン、トリ(トルイル)ホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類やホスホニウム化合物、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、アミンアダクト、カルボン酸金属塩(2−エチルヘキサン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ミスチリン酸などの亜鉛塩、スズ塩、ジルコニウム塩)やリン酸エステル金属(オクチルリン酸、ステアリルリン酸等の亜鉛塩)、アルコキシ金属塩(トリブチルアルミニウム、テトラプロピルジルコニウム等)、アセチルアセトン塩(アセチルアセトンジルコニウムキレート、アセチルアセトンチタンキレート等)等の金属化合物等、が挙げられる。本発明においては特にホスホニウム塩やアンモニウム塩、金属化合物類が硬化時の着色やその変化の面において好ましい。また4級塩を使用する場合、ハロゲンとの塩はその硬化物にハロゲンを残すことになり、電気信頼性および県境問題の視点から好ましくない。
硬化触媒は、エポキシ樹脂100に対して0.01〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
用い得る硬化剤としてはフェノール樹脂が好ましく、2官能を超える官能基を有するフェノール樹脂、すなわち少なくとも3官能以上の官能基を有する成分を含むフェノール樹脂が好ましい。
2官能のフェノール樹脂のみ(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオールなどの2官能フェノール樹脂を単独もしくは混合)であるとその硬化物が耐熱性、強度、耐溶剤性等の面で課題が出てくるおそれがあるので好ましくない。
好ましいフェノール樹脂としてはトリスフェノール、テトラキスフェノール化合物、もしくはノボラック型の繰り返し単位を有する樹脂が有効であり、具体的にはトリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン又は1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テルペンとフェノール類の縮合物などのフェノール樹脂などが挙げられる。これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
なお、フェノール樹脂以外の硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、カルボン酸系化合物なども用いることができる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂などの含窒素化合物(アミン、アミド化合物);無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、などの酸無水物;各種アルコール、カルビノール変性シリコーン、と前述の酸無水物との付加反応により得られるカルボン酸樹脂;イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体の化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物における硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
なお、他成分としてシアナートエステル化合物を使用しても構わない。シアナートエステル化合物は単独での硬化反応に加え、エポキシ樹脂との反応により、より架橋密度の高い、耐熱性の硬化物とすることができる。シアナートエステル樹脂としては、例えば、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアネートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)エタン、これらの誘導体、芳香族シアネートエステル化合物等が挙げられる。また、例えば前述の硬化材に記載したような、各種フェノール樹脂と青酸もしくはその塩類との反応により合成も可能である。本発明においては特に2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパンやその誘導体(部分重合物等)のように分子内にベンジル位のメチレン構造を有しない構造のものが好ましく、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、リン含有化合物を難燃性付与成分として含有させることもできる。リン含有化合物としては反応型のものでも添加型のものでもよい。リン含有化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−ジキシリレニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4’−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)等のリン酸エステル類;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のホスファン類;エポキシ樹脂と前記ホスファン類の活性水素とを反応させて得られるリン含有エポキシ化合物、赤リン等が挙げられるが、リン酸エステル類、ホスファン類またはリン含有エポキシ化合物が好ましく、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4’−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)またはリン含有エポキシ化合物が特に好ましい。リン含有化合物の含有量はリン含有化合物/全エポキシ樹脂=0.1〜0.6(重量比)が好ましい。0.1以下では難燃性が不十分であり、0.6以上では硬化物の吸湿性、誘電特性に悪影響を及ぼす懸念がある。
さらに本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じてバインダー樹脂を配合することも出来る。バインダー樹脂としてはブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、NBR−フェノール系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バインダー樹脂の配合量は、硬化物の難燃性、耐熱性を損なわない範囲であることが好ましく、エポキシ樹脂と硬化剤の合計100重量部に対して通常0.05〜50重量部、好ましくは0.05〜20重量部が必要に応じて用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら充填材は、単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら無機充填剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物中において0〜95重量%を占める量が用いられる。更に本発明の硬化性樹脂組成物には、酸化防止剤、光安定剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、顔料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。特にカップリング材についてはエポキシ基を有するカップリング材、もしくはチオールを有するカップリング材の添加が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明の硬化性樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えばエポキシ樹脂成分と硬化剤成分並びに必要により硬化促進剤、リン含有化合物、バインダー樹脂、無機充填材および配合剤等とを必要に応じて押出機、ニーダー、ロール、プラネタリーミキサー等を用いて均一になるまで充分に混合して硬化性樹脂組成物を得、得られた硬化性樹脂組成物が液状である場合はポッティングやキャスティングにより、該組成物を基材に含浸したり、金型に流し込み注型したりして、加熱により硬化させる。また得られた硬化性樹脂組成物が固形の場合、溶融後注型、あるいはトランスファー成型機などを用いて成型し、さらに加熱により硬化させる。硬化温度、時間としては80〜200℃で2〜10時間である。硬化方法としては高温で一気に硬化させることもできるが、ステップワイズに昇温し、硬化反応を進めることが好ましい。具体的には80〜150℃の間で初期硬化を行い、100℃〜200℃の間で後硬化を行う。硬化の段階としては2〜8段階に分けて昇温するのが好ましく、より好ましくは2〜4段階である。
また本発明の硬化性樹脂組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の溶剤に溶解させ、硬化性樹脂組成物ワニスとし、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させて加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物とすることができる。この際の溶剤は、本発明の硬化性樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。
また本発明の硬化性樹脂組成物をフィルム型封止用組成物として使用することもできる。このようなフィルム型樹脂組成物を得る場合は、本発明の硬化性樹脂組成物を剥離フィルム上に前記ワニスを塗布し加熱下で溶剤を除去、Bステージ化を行うことによりシート状の接着剤を得る。このシート状接着剤は、多層基板などにおける層間絶縁層、光半導体の一括フィルム封止として使用することが出来る。
これら組成物の具体的な用途としては、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む、封止材の他、封止材、基板用のシアネート樹脂組成物)や、レジスト用硬化剤としてアクリル酸エステル系樹脂等、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。本発明においては。電子材料用の絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む、封止材の他、封止材、基板用のシアネート樹脂組成物)への使用が特に好ましい。
接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
封止剤、基板としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSIなど用のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TABなど用のといったポッティング封止、フリップチップなどの用のアンダーフィル、QFP、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)およびパッケージ基板などを挙げることができる。またネットワーク基板や、モジュール基板といった機能性が求められる基板用途へも好適である。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。
エポキシ当量:JIS K 7236(ISO 3001)に準拠
ICI溶融粘度:JIS K 7117−2(ISO 3219)に準拠
軟化点:JIS K 7234 に準拠
全塩素:JIS K 7243−3(ISO 21672−3)に準拠
鉄分:ICP発光分光分析
GPC:
カラム(Shodex KF−603、KF−602x2、KF−601x2)
連結溶離液はテトラヒドロフラン
流速は0.5ml/min.
カラム温度は40℃
検出:RI(示差屈折検出器)
HPLC:
カラム :Inertsil ODS−2(ジーエルサイエンス)
検出器 :UV 274nm
温度 :40℃
溶離液 :アセトニトリル/水
流量 :1.0ml/min
注入量 :5μl(濃度: 約10mg/6ml)
グラジエントプログラム
アセトニトリル/水
スタート30/70 グラジエント → 28分後 100/0 そのまま保持
合成例1
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコにビスフェノールF(群栄化学工業製 BPF−SG ビスフェノールF骨格を95%以上含有する)200部、エピクロロヒドリン740部、ジメチルスルホキシド185部を加え、内温が45℃でフレーク状の水酸化ナトリウム84部を90分かけて分割添加した後、更に45℃で2時間、70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて125℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン630部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液40部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP1)301部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は159g/eq.、25℃における粘度(E型粘度計)1600Pa・s、前記式(2)におけるRが水素の化合物の構造は81面積%(GPC)であった。
合成例2
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコにビスフェノールA(イソプロピリデンビスフェノール 純正化学製)228部、エピクロロヒドリン740部、ジメチルスルホキシド185部を加え、内温が45℃でフレーク状の水酸化ナトリウム84部を90分かけて分割添加した後、更に45℃で2時間、70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて125℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン630部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液40部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP2)317部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は175g/eq.、25℃における粘度(E型粘度計)14300Pa・s、前記式(1)におけるRが水素の化合物の構造は84面積%(GPC)であった。
合成例3
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコにフェノール化合物(N−フェニル−3,3−ビス(4-ヒドロキシフェニル)フタルイミド)(下記式(4)においてXがOH基である化合物)
Figure 2017071706
(特許文献1に記載の手法で合成した。残留フェノールフタレイン120ppm、鉄分<5ppm 検出圏外)295部、エピクロロヒドリン971部、ジメチルスルホキシド165部を加え、内温が45℃でフレーク状の水酸化ナトリウム66部を90分かけて分割添加した後、更に45℃で2時間、70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて125℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン750部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液30 部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP3)348部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は262g/eq.、軟化点が96℃、ICI溶融粘度0.9Pa・s(150℃)、前記式(4)におけるXがグリシジルオキシ基の化合物の構造は88面積%(GPC)であった。
実施例1
合成例1で得られたエポキシ樹脂(EP1)30部、合成例3で得られたエポキシ樹脂(EP3)70部をメチルイソブチルケトン200部で100℃で均一に溶解した後、加熱減圧下、180℃で溶剤を留去し、同温度で溶融した樹脂を室温の金属トレーに流し込み、冷却、板状の樹脂成型体である本発明のエポキシ樹脂組成物(FEP−1)87部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は222g/eq.軟化点は57℃、溶融粘度は0.03Pa・sであった。
実施例2
合成例1で得られたエポキシ樹脂(EP1)25部、合成例3で得られたエポキシ樹脂(EP3)75部をメチルイソブチルケトン200部で100℃で均一に溶解した後、加熱減圧下、180℃で溶剤を留去し、同温度で溶融した樹脂を室温の金属トレーに流し込み、冷却、板状の樹脂成型体である本発明のエポキシ樹脂組成物(FEP−2)87部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は229g/eq.軟化点は64℃、溶融粘度は0.07Pa・sであった。
比較例1
合成例1で得られたエポキシ樹脂(EP1)10部、合成例3で得られたエポキシ樹脂(EP3)90部をメチルイソブチルケトン200部で100℃で均一に溶解した後、加熱減圧下、180℃で溶剤を留去し、同温度で溶融した樹脂を室温の金属トレーに流し込み、冷却、板状の樹脂成型体である比較用のエポキシ樹脂組成物(FEP−1C)82部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は251g/eq.軟化点は85℃、溶融粘度は0.45Pa・sであった。
比較例2
合成例1で得られたエポキシ樹脂(EP1)50部、合成例3で得られたエポキシ樹脂(EP3)50部をメチルイソブチルケトン200部で100℃で均一に溶解した後、加熱減圧下、180℃で溶剤を留去し、同温度で溶融した樹脂を室温の金属トレーに流し込み、冷却したが、流動性のある樹脂となり樹脂成型体としては得られなかった。得られた比較用のエポキシ樹脂組成物(FEP−2C)92部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は210g/eq.軟化点は測定不能、溶融粘度も測定困難であった。
比較例3
合成例1で得られたエポキシ樹脂(EP1)30部、ジシクロペンタジエンフェノールタイプのエポキシ樹脂(日本化薬製 XD−1000 軟化点74℃ エポキシ当量252g/eq.)70部をメチルイソブチルケトン200部で100℃で均一に溶解した後、加熱減圧下、180℃で溶剤を留去し、同温度で溶融した樹脂を室温の金属トレーに流し込み、冷却したが、流動性のある樹脂となり樹脂成型体としては得られなかった。得られた比較用のエポキシ樹脂組成物(FEP−3C)87部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は224g/eq.軟化点は測定不能、溶融粘度も測定困難であった。
比較例4
合成例1で得られたエポキシ樹脂(EP1)30部、ビフェニレンアラルキルタイプのエポキシ樹脂(日本化薬製 NC−3000H 軟化点69℃ エポキシ当量288g/eq.)70部をメチルイソブチルケトン200部で100℃で均一に溶解した後、加熱減圧下、180℃で溶剤を留去し、同温度で溶融した樹脂を室温の金属トレーに流し込み、冷却したが、流動性のある樹脂となり樹脂成型体としては得られなかった。得られた比較用のエポキシ樹脂組成物(FEP−4C)85部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は249g/eq.軟化点は測定不能、溶融粘度も測定困難であった。
比較例5
合成例1で得られたエポキシ樹脂(EP1)30部、オルソクレゾールノボラックタイプのエポキシ樹脂(軟化点92℃ エポキシ当量219g/eq.)70部をメチルイソブチルケトン200部で100℃で均一に溶解した後、加熱減圧下、180℃で溶剤を留去し、同温度で溶融した樹脂を室温の金属トレーに流し込み、冷却、板状の樹脂成型体である比較用のエポキシ樹脂組成物(FEP−5C)80部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は201g/eq.軟化点は59℃、溶融粘度は0.18Pa・sであった。
実施例3、4、比較例6〜10
前記で得られたエポキシ樹脂組成物(FEP−1,2)と比較用のエポキシ樹脂(FEP−1C〜5C)、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製 H−1 軟化点84℃ 水酸基当量108g/eq. 繰り返し単位を有し、3官能以上の化合物を含む。以下、P―1と称す。)、硬化触媒としてトリフェニルホスフィン(東京化成製 以下、C−1と称す)を使用し、表1の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、本発明の硬化性樹脂組成物を得た。この硬化性樹脂組成物を粉砕後、タブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化されたエポキシ樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。
評価項目としては
<硬化性樹脂組成物>
タブレット成型体のべた付き/触感
<硬化物の硬化特性>
耐熱性
DMA(動的粘弾性測定器):
動的粘弾性測定器:TA−instruments製、DMA−2980
測定温度範囲:−30℃〜280℃
温速度:2℃/分
試験片サイズ:5mm×50mmに切り出した物を使用した(厚みは約800μm)
解析条件
Tg:DMA測定に於けるtanδのピーク点(tanδMAX)をTgとした
TMA(熱機械測定装置 真空理工(株)製 TM−7000 昇温速度:2℃/分)
高温の強度: 150℃における弾性率
上記DMAにおける貯蔵弾性率データから確認。
(表1)
Figure 2017071706
表1の結果からFEP−1、FEP−2、FEP−1C、FEP−5Cが耐熱性に優れるだけでなく、硬化性樹脂組成物成型体(タブレット)のべたつきも少ないことから良好な結果であったことがわかる。特にTMAの耐熱性も含めるとFEP−1、FEP−2、FEP−1Cが有効である。
実施例5、6、比較例11、12
前記で得られたエポキシ樹脂組成物(FEP−1,2)と比較用のエポキシ樹脂組成物(FEP−1C、5C)、硬化剤としてフェノールアラルキル樹脂(日本化薬製 KAYAHARD GMK−L 軟化点65℃ 水酸基当量201g/eq. 繰り返し単位を有し、3官能以上の化合物を含む。以下、P―2と称す。)、硬化触媒としてトリフェニルホスフィン(東京化成製 C−1)、シリカゲル(瀧森製MSR−2122)、カップリング剤(信越化学製 KBM−303)、離型剤(カルナバワックス セラリカ野田製)を使用し、表2の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、本発明の硬化性樹脂組成物を得た。この硬化性樹脂組成物を粉砕後、タブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化された硬化性樹脂組成物を用いて流動性テストを行った。
(表2)
Figure 2017071706
表2の結果から本発明のエポキシ樹脂組成物を使用する硬化性樹脂組成物は高い耐熱性とともに、成型性および高い流動性を有することが分かった。
実施例7
合成例2で得られたエポキシ樹脂(EP2)34部、合成例3で得られたエポキシ樹脂(EP3)66部をセパラブルフラスコに仕込み、窒素ガス気流下、150℃で2時間撹拌し、溶融体を得た。同温度で溶融した樹脂を室温の金属トレーに流し込み、冷却、板状の樹脂成型体である本発明のエポキシ樹脂組成物(FEP−3)74部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は232g/eq.軟化点は53℃、溶融粘度は0.02Pa・sであった。
実施例8、9
実施例7で得られたエポキシ樹脂組成物について実施例3、5と同様に、耐熱性、成型性、強度、および流動性の評価を行った結果を以下に示す。
(表3)
Figure 2017071706
(表4)
Figure 2017071706
表3,4の結果から本発明のエポキシ樹脂組成物を使用する硬化性樹脂組成物は高い耐熱性とともに、成型性および高い流動性を有することが分かった。





Claims (5)

  1. 下記式(1)の構造を主成分とするビスフェノールA型エポキシ樹脂または下記式(2)の構造を主成分とするビスフェノールF型エポキシ樹脂の少なくとも1種(成分A)とフタルイミド骨格含有エポキシ樹脂(成分B)を含有し、成分Aと成分Bの割合は重量比率で1:4〜1:1であるエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2017071706
    (式中複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子もしくはメチル基を示す)
    Figure 2017071706
    (式中複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子もしくはメチル基を示す)
  2. 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物、硬化剤を含有する硬化性樹脂組成物。
  3. 硬化剤として3官能以上のフェノール樹脂を含有する請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 硬化促進剤、無機フィラー、カップリング剤を含有する請求項2又は請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項2及至請求項4に記載の硬化性樹脂組成物を硬化した硬化物。






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