JP2007284583A - エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用であるエポキシ樹脂であって、難燃性に優れるだけでなく、耐熱性、靭性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂は、アルコール性水酸基を有するエポキシ樹脂のアルコール性水酸基をグリシジル化した多官能エポキシ樹脂と下記式(2)で表される化合物を反応させ得られる。
Figure 2007284583

【選択図】なし

Description

本発明は電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等、中でも特に積層板等の用途に有用であり、金属箔張り積層板、ビルドアップ基板用絶縁材料、フレキシブル基板材料など、更に詳しくは、本発明は電子回路基板に用いられる銅張り積層板の製造用の樹脂組成物として有用である硬化性樹脂組成物を与えるエポキシ樹脂及び該組成物の硬化物に関する。
エポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
しかし近年、電気・電子分野においてはその発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、密着性、誘電特性、フィラーを高充填させるための低粘度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等の諸特性の一層の向上が求められている。又、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料が求められている。特に半導体封止分野、基板(基板自体、もしくはその周辺材料)においては薄型化が年々高度になり、材料に求められる特性として耐熱性はもちろんのこと、靭性、柔軟性が求められるようになってきている。更に環境問題から、近年、難燃剤としてハロゲン系エポキシ樹脂と三酸化アンチモンが特に電気電子部品の難燃剤として多用されているが、これらを使用した製品はその廃棄後の不適切な処理により、ダイオキシン等の有毒物質の発生に寄与することが指摘されている。上記の問題を解決する方法の一つとして、リン原子を骨格に有するエポキシ樹脂が提案されている。特に、通常のリン酸エステルタイプの化合物はその安定性が低いため、安定性の良い、環状リン酸エステル化合物が使用されている。
具体的には下記式(2)
Figure 2007284583
で表される化合物とキノンを反応させて得られるリン変性ハイドロキノン化合物と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂を反応させることでリン原子含有エポキシ樹脂としたり、クレゾールノボラックタイプのエポキシ樹脂に前記式(2)の化合物を付加反応させたりすることにより、リン原子を導入するという方法が使用されている。
しかしながら前記の手法においては難燃性を有するほどリン原子を導入した場合、分子量が非常に大きくなり、流動性に乏しくなる他、耐熱性が非常に低くなってしまう、という欠点がある。また後者であれば耐熱性は保たれるものの、柔軟性という面から好ましくない。また柔軟性を付与するものとして、高分子量ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの2官能エポキシ樹脂を変性することも考えられるがこの場合、2官能であるがゆえに、前記式(2)のような化合物で変性すると、反応性基(エポキシ基)を有さない化合物が多くなり、硬化剤で硬化しても硬化系に介入できず、良好なネットワークポリマーを形成することが出来ない。
特開2003−55436号公報
本発明の目的は電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用であるエポキシ樹脂であって、難燃性に優れるだけでなく、耐熱性、靭性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂、および、これを使用した硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するため鋭意研究の結果、本発明を完成した。即ち、本発明は、
(1)芳香族基が式(1)
Figure 2007284583
で表される結合を介して結合した構造を有するエポキシ樹脂(A)の、式(1)におけるアルコール性水酸基をさらにグリシジル化して得られる多官能エポキシ樹脂(B)にさらに式(2)
Figure 2007284583
に表される化合物を反応させて得られる変性エポキシ樹脂
(2)式(3)
Figure 2007284583
(式中、複数存在するX、Yはそれぞれ独立して存在し、Xはイソプロピリデン基、メチレン結合、エチリデン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド結合から選ばれる一種以上の結合を表し、Yは水素原子、またはグリシジル基を表す。nは平均の繰り返し数であり0.5以上の数値である。)
で表される多官能エポキシ樹脂であって、Yが水素原子であるY基の数(YH)とYがグリシジル基であるY基の数(YG)の比率(YG/(YH+YG))が0.05〜0.95である多官能エポキシ樹脂(B)に式(2)
Figure 2007284583
で表されるリン化合物を反応させて得られる変性エポキシ樹脂
(3)(YG/(YH+YG))の値が0.20〜0.90であることを特徴とする(2)に記載の変性エポキシ樹脂
(4)エポキシ樹脂(A)が軟化点45℃以上のビスフェノールF型エポキシ樹脂または軟化点45℃以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂である(1)または(2)に記載の変性エポキシ樹脂
(5)下記式(4)
Figure 2007284583
(式中、複数存在するZはそれぞれ独立して存在し、水素原子、式(5)
Figure 2007284583
または式(6)
Figure 2007284583
のいずれかを示す。またXはイソプロピリデン基、メチレン結合、エチリデン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド結合から選ばれる一種以上の結合を表す。nは平均の繰り返し数であり、0.5以上の数値である。)
に表される(1)に記載の変性エポキシ樹脂
(6)式(4)におけるZが、式(5)であるZ基の数(V)と式(6)であるZ基の数(VI)の比率(VI)/(V+VI)が、0.1〜0.5であることを特徴とする変性エポキシ樹脂
(7)(1)〜(6)のいずれか一項に記載の変性エポキシ樹脂及び硬化剤を含有してなる硬化性樹脂組成物
(8)(7)に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物
に関する。
本発明の変性エポキシ樹脂は、難燃性に優れるだけでなく、耐熱性、靭性に優れたエポキシ樹脂であり、電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。
本発明の変性エポキシ樹脂は、分子内に芳香族基が式(1)
Figure 2007284583
で表される結合を介して結合した構造を有するエポキシ樹脂(A)の、式(1)におけるアルコール性水酸基をさらにグリシジル化して得られる多官能エポキシ樹脂(B)を原料とする。
エポキシ樹脂(A)としては、例えば高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂、高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂が挙げられる。具体的には式(7)
Figure 2007284583
(式中、複数存在するXはそれぞれ独立して存在し、イソプロピリデン基、メチレン結合、エチリデン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド結合から選ばれる一種以上の結合を表す。nは平均の繰り返し数であり、0.5以上の数値であるが、30以下が好ましく、20以下が更に好ましく、10以下が特に好ましい。)
で表されるエポキシ樹脂が挙げられる。このようなエポキシ樹脂はビスフェノールA、もしくはビスフェノールF、ビスフェノールE、ビスフェノールS、チオビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビスフェノール類を原料とし、1段法、もしくはフュージョン法(Advanced法、二段法とも言う。新エポキシ樹脂 垣内弘編著 24−25、30−31ページ参照)によって合成できる。市販品(もしくは開発品)としてはビスフェノールA型、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂が入手可能であり、エピコート1001、エピコート1003F(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、YD−013、YD−014、YD−903(東都化成株式会社製)、エポミックR302、エポミックR304(三井化学株式会社製)などの固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピコート4004P、エピコート4005P、エピコート4007P(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、YDF−2001、YDF−2004(東都化成株式会社製)、LCE−2010(日本化薬株式会社製)などの固形ビスフェノールF型エポキシ樹脂などが市場から入手することができる。また以降の合成を行う為にアルコール性水酸基を分子中に含むことが必須であり、目安としては軟化点45℃以上のエポキシ樹脂(A)が好ましい。
エポキシ樹脂(A)をさらにグリシジル化することで多官能エポキシ樹脂(B)とすることが出来る。グリシジル化の手法としては特に限定されないが、特許2587739号に記載された手法が好適に使用できる。
このような手法で得られる好ましい多官能エポキシ樹脂(B)は式(3)
Figure 2007284583
(式中、複数存在するX、Yはそれぞれ独立して存在し、Xはイソプロピリデン基、メチレン結合、エチリデン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド結合から選ばれる一種以上の結合を表し、Yは水素原子、またはグリシジル基を表す。nは平均の繰り返し数であり0.5以上の数値であるが、30以下が好ましく、20以下が更に好ましく、10以下が特に好ましい。)
で表され、特にYが水素原子であるY基の数(YH)とYがグリシジル基であるY基の数(YG)の比率(YG/(YH+YG))の値が0.05〜0.95、好ましくは0.20〜0.90、特に好ましくは0.40〜0.90である多官能エポキシ樹脂が特に好ましい。
本発明の変性エポキシ樹脂は前述の多官能エポキシ樹脂(B)を原料とし、下記式(2)
Figure 2007284583
に表されるリン系化合物(C)を反応させることで得られる。
以下に本発明の変性エポキシ樹脂の製法を説明する。
多官能エポキシ樹脂(B)とリン系化合物(C)を溶融、もしくは溶剤存在下、溶解させて反応を行なう。反応系は均一が好ましいが、不均一条件での反応においても反応が進行しながら溶解し、最終的に均一になれば問題は無い。
多官能エポキシ樹脂(B)とリン系化合物(C)の仕込み比率としては多官能エポキシ樹脂(B)のエポキシ基1モルに対し、リン系化合物(C)を0.1〜0.5モル好ましくは0.1〜0.4モル、さらに好ましくは0.15〜0.3モルである。リン系化合物(C)を0.5モル以上の反応させた場合、1分子中にエポキシ基を有さない化合物が多くなり、硬化性ばかりでなく、耐熱性、強靭性といった特性において悪影響を及ぼす。逆に0.1モル以下である場合、リン濃度が少なく、難燃性が発現しにくい状態となる。
本反応は必要により、触媒を使用する。使用できる触媒としては具体的にはテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;トリフェニルエチホスホニウムクロライド、トリフェニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスフォニウム塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属塩;2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類;、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類;オクチル酸スズなどの金属化合物;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。これら触媒を使用する場合の使用量はその触媒の種類にもよるが一般には総樹脂量に対して10ppm〜30000ppm、好ましくは100ppm〜5000ppmが必要に応じて用いられる。本反応においては触媒を添加しなくても反応は進行するので、触媒は好ましい反応温度、反応溶剤量にあわせて適宜使用することが望ましい。
この反応において、溶剤は使用しても使用しなくてもかまわない。溶剤を使用する場合は本反応に影響を与えない溶剤であればいずれの溶剤でも使用でき、例えば以下に示すような溶剤を用いることができる。
極性溶剤、エーテル類;ジメチルスルホキシド、N,N’−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、プロピレングリコールモノメチルエーテル等、
エステル系の有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン、等、
ケトン系有機溶剤;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
芳香族系有機溶剤;トルエン、キシレン等
溶剤の使用量は総樹脂重量に対し、0〜300重量%、好ましくは0〜100重%である。
反応温度、時間は樹脂濃度、触媒量により、適宜選択する必要があり、一概に規定できないが、反応時間は通常1〜200時間、好ましくは1〜100時間である。生産性の問題から反応時間が短いことが好ましい。また反応温度は0〜250℃、好ましくは30−200℃である。
反応終了後、得られたエポキシ樹脂溶液はそのまま溶液の濃度を調整することでエポキシ樹脂ワニス(本発明のエポキシ樹脂の溶剤溶解品)として用いることもできる。また必要に応じて水洗などにより触媒等を除去し、更に加熱減圧下溶剤を留去することにより本発明の変性エポキシ樹脂が得られる。
このようにして得られる好ましい本発明の変性エポキシ樹脂は式(4)
Figure 2007284583
(式中、複数存在するZはそれぞれ独立して存在し、水素原子、式(5)
Figure 2007284583
または式(6)
Figure 2007284583
のいずれかを示す。またXはイソプロピリデン基、メチレン結合、エチリデン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド結合から選ばれる一種以上の結合を表し、nは平均の繰り返し数であり、0.5以上の数値であるが、30以下が好ましく、20以下が更に好ましく、10以下が特に好ましい。)
で表される変性エポキシ樹脂となる。ここで前記式(4)中のZが式(5)であるZ基の数(V)と前記式(6)であるZ基の数(VI)の比率(VI)/(V+VI)は、0.1〜0.5となる。また得られるエポキシ樹脂の好ましい軟化点としては40〜120℃であり、さらに好ましくは45〜100℃である。
以下、本発明の硬化性樹脂組成物について説明する。
本発明の硬化性組成物は本発明のエポキシ樹脂と硬化剤を含有する。本発明の硬化性樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂のエポキシ樹脂中に占める割合は5重量%以上が好ましく、特に10重量%以上が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂と併用されうる他のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ビスアルコキシメチル類(ビスメトキシメチルベンゼン、ビスメトキシメチルビフェニル、ビスフェノキシメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物において硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ビスアルコキシメチル類(ビスメトキシメチルベンゼン、ビスメトキシメチルビフェニル、ビスフェノキシメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられるがこれらに限定されることはない。
本発明の硬化性樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.5〜1.5当量が好ましく、0.6〜1.2当量が特に好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.5当量に満たない場合、あるいは1.5当量を超える場合、いずれも硬化が不完全になり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。硬化促進剤を使用する場合の使用量はエポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用いられる。
更に、本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤やシランカップリング材、離型剤、顔料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら無機充填剤は、用途によりその使用量は異なるが、例えば半導体の封止剤用途に使用する場合は硬化性樹脂組成物の硬化物の耐熱性、耐湿性、力学的性質などの面から、硬化性樹脂組成物中で15重量%以上占める割合で使用するのが好ましく、より好ましくは25重量%以上であり、40〜95重量%を占める割合で使用するのがより好ましい。
更に本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することが出来る。用いうる添加剤の具体例としては、ポリブタジエン及びこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、フッ素樹脂、マレイミド系化合物、シアネート樹脂(もしくはそのプレポリマー)、シリコーンゲル、シリコーンオイル、並びにシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、石英粉、アルミニウム粉末、グラファイト、タルク、クレー、酸化鉄、酸化チタン、窒化アルミニウム、アスベスト、マイカ、ガラス粉末、ガラス繊維、ガラス不織布または、カーボン繊維等の無機充填材、シランカップリング剤のような充填材の表面処理剤、離型剤、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色剤が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することにより得られる。そして、本発明の硬化性樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば、エポキシ樹脂と硬化剤、並びに必要により硬化促進剤及び無機充填剤、配合剤及び各種熱硬化性樹脂とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合することより本発明の硬化性樹脂組成物を得て、その硬化性樹脂組成物を溶融注型法あるいはトランスファー成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法などによって成型し、更に80〜200℃で2〜10時間に加熱することにより硬化物を得ることができる。
また本発明の硬化性樹脂組成物は場合により溶剤を含んでいてもよい。溶剤を含む硬化性樹脂組成物(エポキシ樹脂ワニス)はガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物とすることができる。この硬化性樹脂組成物の溶剤含量は、本発明の硬化性樹脂組成物と該溶剤の総量に対して通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%程度である。該溶剤としては例えばγ−ブチロラクトン類、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤、テトラメチレンスルフォン等のスルフォン類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、好ましくは低級アルキレングリコールモノ又はジ低級アルキルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、好ましくは2つのアルキル基が同一でも異なってもよいジ低級アルキルケトン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤が挙げられる。これらは単独で合っても、また2以上の混合溶媒であってもよい。
また、剥離フィルム上に前記ワニスを塗布し加熱下で溶剤を除去、Bステージ化を行うことによりシート状の接着剤を得ることが出来る。このシート状接着剤は多層基板などにおける層間絶縁層として使用することが出来る。
本発明で得られる硬化物は各種用途に使用できる。詳しくはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される一般の用途が挙げられ、例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
封止剤としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSIなど用のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TABなど用のといったポッティング封止、フリップチップなどの用のアンダーフィル、QFP、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)などを挙げることができる。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例において、エポキシ当量はJIS K−7236に準じた方法で測定した。
以下に合成例を示すがこれらは特許2587739号の記載に従い合成を行った。
合成例1
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらエポキシ樹脂(A)として高分子量ビスフェノールF(ジャパンエポキシレジン株式会社製 エピコート4004、水酸基当量307g/eq.式(7)のXはメチレン結合、n≒6)150部、エピクロロヒドリン820部、メタノール20部、テトラメチルアンモニウムクロライド1.5部を仕込み、均一に溶解した後、35℃に昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム50部を90分かけて分割添加した後、更に35℃で4時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン400部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液7部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液をロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで目的とするエポキシ樹脂(B1)156部を無色〜淡黄色の固形樹脂として得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は296g/eq.、であった。YG/(YH+YG)の値は0.87であった。
合成例2
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらエポキシ樹脂(A)として高分子量ビスフェノールA(三井化学株式会社製 エポミックR302 水酸基当量385g/eq.式(7)のXはイソプロピリデン基、n≒3)200部、エピクロロヒドリン530部、メタノール20部、テトラメチルアンモニウムクロライド1.5部を仕込み、均一に溶解した後、40℃に昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム50部を90分かけて分割添加した後、更に35℃で4時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン400部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液7部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液をロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで目的とするエポキシ樹脂(B2)214部を無色〜淡黄色の固形樹脂として得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は331g/eqであった。YG/(YH+YG)の値は0.68であった。
実施例1
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら合成例1で得られた多官能エポキシ樹脂(B1)148部、前記式(2)で表される環状リン酸エステル化合物(三光株式会社製 HCA)22部、メチルイソブチルケトン5部を加え、100℃まで昇温した。ついでトリフェニルホスフィン0.34部を加えた。そのまま攪拌しながら120℃に昇温し、120℃で4時間、150℃で4時間反応を行なった。反応終了後、溶剤を留去することで目的とする変性エポキシ樹脂(EP1)が無色〜淡黄色の固形樹脂として得られた。得られたエポキシ樹脂はエポキシ当量452g/eq.また(VI)/(V+VI)の値は0.2であった。
実施例2
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら合成例2で得られた多官能エポキシ樹脂(B2)166部、前記式(2)で表される環状リン酸エステル化合物(三光株式会社製 HCA)33部を加え、100℃まで昇温した。ついでトリフェニルホスフィン0.40部を加えた。そのまま攪拌しながら120℃に昇温し、120℃で4時間、150℃で4時間反応を行なうことで目的とする変性エポキシ樹脂(EP2)が無色〜淡黄色の固形樹脂として得られた。得られたエポキシ樹脂はエポキシ当量601g/eq.であった。また(VI)/(V+VI)の値は0.3であった。
比較例1
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製 RE−310S エポキシ当量184g/eq.)184部、前記式(2)で表される環状リン酸エステル化合物(三光株式会社製 HCA)194部を加え、100℃まで昇温した。ついでトリフェニルホスフィン0.40部を加えた。そのまま攪拌しながら120℃に昇温し、120℃で4時間、150℃で20時間反応を行なうことで比較用の変性エポキシ樹脂(EP3)378部が無色〜淡黄色の固形樹脂として得られた。得られたエポキシ樹脂はエポキシ当量3671g/eq.であった。また(VI)/(V+VI)の値は0.9であった。
実施例3、比較例2、3
実施例2で得られた本発明のエポキシ樹脂(EP1)、比較例1で得られたエポキシ樹脂(EP3)、合成例1で得られた多官能エポキシ樹脂(B1)についてKAYAHARD GPH−65(日本化薬株式会社製 フェノールアラルキル樹脂 水酸基当量199g/eq. 以下HD1と称す。)を硬化剤とし、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を下記表1に示す配合比(重量部)で配合した。またそれ以外の成分としては以下の成分を添加した。フィラーとしてMSR−2212を組成物の総重量に対し、83重量%、ワックスとしてカルナバ1号をフィラー量に対し、0.3重量%、カップリング剤としてKBM−303(信越化学工業株式会社)をフィラー量に対し、0.5重量%添加して組成物を調製し、トランスファー成型(175℃ 60秒)により樹脂成形体を得、成形物ができたものに関しては160℃で2時間、更に180℃で8時間かけて硬化させた。
表1
実施例3 比較例2 比較例3
エポキシ樹脂 EP1 45.2
EP3 73.3
B1 29.6
硬化剤 HD1 19.9 2.0 19.9
硬化促進剤 TPP 0.45 0.73 0.30
実施例3、比較例3においては良好な成形物ができたが、比較例2においては硬化が十分ではなく、うまく成形できなかった。
得られた硬化物の物性を測定した結果を表2に示す。なお、物性値の測定は以下の方法で行った。
ガラス転移点:
TMA 熱機械測定装置:真空理工(株)製 TM−7000
昇温速度:2℃/min.
難燃性 : UL−94に準拠
表2
実施例3 比較例3
ガラス転移温度(℃)
TMA 124 127
難燃性(厚み0.8mm) V−0 V−1
以上の結果より、耐熱性をあまり落とすことなく、難燃性を向上することができていることがわかる。
比較例4
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製 EOCN−102S−62 エポキシ当量 199g/eq.)199部、前記式(2)で表される環状リン酸エステル化合物(三光株式会社製 HCA)44部、メチルイソブチルケトン5部を加え、100℃まで昇温した。ついでトリフェニルホスフィン0.49部を加えた。そのまま攪拌しながら120℃に昇温し、120℃で4時間、150℃で4時間反応を行なった。反応終了後、溶剤を留去することで比較用の変性エポキシ樹脂(EP4)が淡黄色の固形樹脂として得られた。得られたエポキシ樹脂はエポキシ当量322g/eq.また(VI)/(V+VI)の値は0.2であった。
実施例4、比較例5
実施例2で得られた本発明のエポキシ樹脂(EP1)、比較例4で得られたエポキシ樹脂(EP4)についてフェノールノボラック(明和化成工業株式会社製、H−1、水酸基当量105g/eq. 以下、HD2と称す。)を硬化剤とし、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を下記表2に示す配合比(重量部)で配合し、組成物を調製し、トランスファー成型(175℃ 60秒)により樹脂成形体を得、160℃で2時間、更に180℃で8時間かけて硬化させた。
表3
実施例3 比較例5
エポキシ樹脂 EP1 45.2
EP4 32.2
硬化剤 HD2 19.9 19.9
硬化促進剤 TPP 0.45 0.32

得られた硬化物の物性を測定した結果を表4に示す。なお、物性値の測定は以下の方法で行った。
破壊靭性(K1C):JIS K−6911
ピール強度:JIS K−6911
表4
実施例3 比較例5
破壊靭性(K1C)(MPa) 28 17
ピール強度(Cu,kN/m) 28 21
本発明の変性エポキシ樹脂は、難燃性に優れるだけでなく、耐熱性を保持し、靭性、密着性に優れたエポキシ樹脂である。したがって電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。

Claims (8)

  1. 芳香族基が式(1)
    Figure 2007284583
    で表される結合を介して結合した構造を有するエポキシ樹脂(A)の、式(1)におけるアルコール性水酸基をさらにグリシジル化して得られる多官能エポキシ樹脂(B)に式(2)
    Figure 2007284583
    で表される化合物を反応させて得られる変性エポキシ樹脂。
  2. 式(3)
    Figure 2007284583
    (式中、複数存在するX、Yはそれぞれ独立して存在し、Xはイソプロピリデン基、メチレン結合、エチリデン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド結合から選ばれる一種以上の結合を表し、Yは水素原子、またはグリシジル基を表す。nは平均の繰り返し数であり0.5以上の数値である。)
    で表される多官能エポキシ樹脂であって、Yが水素原子であるY基の数(YH)とYがグリシジル基であるY基の数(YG)の比率(YG/(YH+YG))が0.05〜0.95である多官能エポキシ樹脂(B)に式(2)
    Figure 2007284583
    で表されるリン化合物を反応させて得られる変性エポキシ樹脂。
  3. (YG/(YH+YG))の値が0.20〜0.90であることを特徴とする請求項2に記載の変性エポキシ樹脂。
  4. エポキシ樹脂(A)が、軟化点45℃以上のビスフェノールF型エポキシ樹脂または軟化点45℃以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂である請求項1または2に記載の変性エポキシ樹脂。
  5. 下記式(4)
    Figure 2007284583
    (式中、複数存在するZはそれぞれ独立して存在し、水素原子、式(5)
    Figure 2007284583
    または式(6)
    Figure 2007284583
    のいずれかを示す。またXはイソプロピリデン基、メチレン結合、エチリデン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド結合から選ばれる一種以上の結合を表す。nは平均の繰り返し数であり、0.5以上の数値である。)
    で表される請求項1記載の変性エポキシ樹脂。
  6. 式(4)におけるZが、式(5)であるZ基の数(V)と式(6)であるZ基の数(VI)の比率(VI)/(V+VI)が、0.1〜0.5であることを特徴とする請求項5記載の変性エポキシ樹脂。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の変性エポキシ樹脂及び硬化剤を含有してなる硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項7に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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