JP2018009177A - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物および硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性と相反する特性を両立できるエポキシ樹脂を提供する。【解決手段】下記式(1)で表される化合物を70〜95%(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー面積%)含有するエポキシ樹脂。【選択図】なし
Description
本発明は耐熱性が要求される電気電子材料用途に好適なエポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物に関する。
エポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
しかし近年、電気・電子分野においてはその発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、密着性、誘電特性、フィラー(無機または有機充填剤)を高充填させるための低粘度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等の諸特性の一層の向上が求められている。又、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料が求められている。特に半導体封止分野、基板(基板自体、もしくはその周辺材料)においては、その半導体の変遷に従い、薄層化、スタック化、システム化、三次元化と複雑になっていき、非常に高いレベルの耐熱性や高流動性といった要求特性が求められる。なお、特にプラスチックパッケージの車載用途への拡大に伴い、耐熱性の向上要求がいっそう厳しくなっており、高Tgで低線膨張率の樹脂で、かつ当然ながら半田リフローへの対応が必要となっており、同時に吸水率の低下、もしくは維持が求められる。
"2008年 STRJ報告 半導体ロードマップ専門委員会 平成20年度報告"、第8章、p1−1、[online]、平成21年3月、JEITA (社)電子情報技術産業協会 半導体技術ロードマップ専門委員会、[平成24年5月30日検索]、<http://strj-jeita.elisasp.net/strj/nenjihoukoku-2008.cfm>
高倉信之他、松下電工技報 車関連デバイス技術 車載用高温動作IC、74号、日本、2001年5月31日、35−40頁
高機能化で特に要求される特性のひとつとして耐熱性が挙げられる。従来より、耐熱性は重要視されていたものの、一般に耐熱性を上げると吸水特性が悪くなる、また難燃性が悪くなる等の問題が同時に生じ、両立が難しい。
そこで、耐熱性と相反する特性を両立できるエポキシ樹脂の開発が望まれていた。
そこで、耐熱性と相反する特性を両立できるエポキシ樹脂の開発が望まれていた。
本発明者らは前記したような実状に鑑み、鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)
主成分として、下記式(1)で表される化合物を70〜95%(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー 面積%)含有するエポキシ樹脂。
すなわち本発明は、
(1)
主成分として、下記式(1)で表される化合物を70〜95%(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー 面積%)含有するエポキシ樹脂。
(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、もしくは炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。)
(2)
エポキシ当量が理論エポキシ当量に対し1.02倍〜1.11倍である前項(1)に記載のエポキシ樹脂。
(3)
全塩素含有量が5000ppm以下である前項(1)に記載のエポキシ樹脂。
(4)
前項(1)〜(3)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物。
(5)
前項(1)〜(3)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と硬化触媒を必須成分とするエポキシ樹脂組成物。
(6)
前項(4)〜(5)のいずれか一項のエポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物。
に関する。
(2)
エポキシ当量が理論エポキシ当量に対し1.02倍〜1.11倍である前項(1)に記載のエポキシ樹脂。
(3)
全塩素含有量が5000ppm以下である前項(1)に記載のエポキシ樹脂。
(4)
前項(1)〜(3)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物。
(5)
前項(1)〜(3)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と硬化触媒を必須成分とするエポキシ樹脂組成物。
(6)
前項(4)〜(5)のいずれか一項のエポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物。
に関する。
本発明のエポキシ樹脂は、その硬化物が耐熱性、吸水特性及び難燃性に優れた特性を有するため電気電子部品用絶縁材料及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。
本発明のエポキシ樹脂は、フェノールフタレイン骨格誘導体構造を有するエポキシ樹脂に関する。本発明のエポキシ樹脂の基礎骨格はイギリス特許1158606号公報(特許文献1)にて開示されている。特許文献1によると、epoxy equivalents per kgが3.4(現在のエポキシ当量に換算すると294g/eq.)、色相がガードナー8(40% in メチルグリコール)、軟化点が66℃(kolfer heater)、塩素含有量が2.2%というフェノールフタレイン骨格誘導体構造を有するエポキシ樹脂が開示されている。また、DDS(ジアミノジフェニルスルホン)との硬化物性が開示されている。
本データから本樹脂は塩素量が非常に多く、電子材料用途には不向きであり、また非常に着色があることから色味の必要とされる用途においては使用が困難であることが示唆される。また、エポキシ当量が294g/eq.と理論値(252.7g/eq.)と比較し大きいこと、また塩素量からエポキシが閉環せずに残留したエピハロヒドリン構造が多く含有されることが示唆され、二官能であるにも関わらず、このようなエポキシ環が完成されていない構造であれば、架橋がうまく進まず、フェノール樹脂による硬化や、イミダゾール等の塩基性触媒によるアニオン重合、オニウム塩等によるカチオン重合を行った際、その機械特性や吸水性といった特性において課題が生じる場合が多い。特に電子材料用途においてはこれらの硬化だけでなく、アミン系の硬化においても硬化時の塩素の遊離が起因となる配線の腐食等が予想され、電気信頼性を落とす要因となる。
近年特に半導体のチップと基板との接合に銅のワイヤを使用することが多くなってきており、こういった電気腐食の課題はいっそう重要となっており、解決すべき課題点となる。
本データから本樹脂は塩素量が非常に多く、電子材料用途には不向きであり、また非常に着色があることから色味の必要とされる用途においては使用が困難であることが示唆される。また、エポキシ当量が294g/eq.と理論値(252.7g/eq.)と比較し大きいこと、また塩素量からエポキシが閉環せずに残留したエピハロヒドリン構造が多く含有されることが示唆され、二官能であるにも関わらず、このようなエポキシ環が完成されていない構造であれば、架橋がうまく進まず、フェノール樹脂による硬化や、イミダゾール等の塩基性触媒によるアニオン重合、オニウム塩等によるカチオン重合を行った際、その機械特性や吸水性といった特性において課題が生じる場合が多い。特に電子材料用途においてはこれらの硬化だけでなく、アミン系の硬化においても硬化時の塩素の遊離が起因となる配線の腐食等が予想され、電気信頼性を落とす要因となる。
近年特に半導体のチップと基板との接合に銅のワイヤを使用することが多くなってきており、こういった電気腐食の課題はいっそう重要となっており、解決すべき課題点となる。
本発明のエポキシ樹脂は、下記式(1)
(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、もしくは炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。)で表される化合物を70〜95%(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー 面積%)、より好ましくは70〜93%含有するエポキシ樹脂である。ここで、前記式(1)で表される化合物の含有量が95%を上回る純度の化合物を合成するにあたっては、多大なエネルギーを有することから産業上好ましくなく、また純度が高すぎる場合、結晶性が高くなる可能性や、強靭性の低下が見られる可能性がある。70%を下回ると、エポキシの環が閉環しきらず、官能基を有さない化合物が多く含まれることから好ましくない。またこれら閉環しきらなかった化合物の多くには塩素が含有されている場合が多く、電子材料用途としては高温多湿条件での塩素イオンの遊離、およびそれによる配線の腐食が懸念されることから好ましくない。
また、本エポキシ樹脂内にフェノールフタレイン構造を有するエポキシ樹脂が残留する場合、電気信頼性の低下、大きな着色原因となることからフェノールフタレイン構造を有するエポキシ樹脂の残留は好ましくなく、好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下である。このフェノールフタレイン構造を有するエポキシ樹脂は原料由来の不純物の影響が大きい。2%を超えると特に着色が強くなるため、好ましくない。
Rで最も好ましいのは水素原子である。Rが示す、上記炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖、分岐鎖または環状構造を有するアルキル基が挙げられる。ここで、Rはメチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
Rが示す、炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の直鎖、分岐鎖または環状構造を有するアルコキシ基が挙げられる。ここで、Rはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
Rが示す、炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の直鎖、分岐鎖または環状構造を有するアルコキシ基が挙げられる。ここで、Rはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
前記式(1)で表される化合物を含有するエポキシ樹脂の好ましい樹脂特性としてはエポキシ当量が理論エポキシ当量に対し1.02倍〜1.13倍である。より好ましくは1.03〜1.10倍である。1.02倍を下回る場合、エポキシの合成、精製に多大な費用がかかることがあり、また1.11倍を超えた場合、上述同様塩素量による課題が生じることがある。
また、反応により得られたエポキシ樹脂に残存している全塩素としては5000ppm以下、より好ましくは3000ppm以下、特に2000ppm以下であることが好ましい。塩素量による悪影響については前述と同様である。なお、塩素イオン、ナトリウムイオンについては各々5ppm以下が好ましく、より好ましくは3ppm以下である。塩素イオンは先に記載し、いうまでも無いが、ナトリウムイオン等のカチオンも、特にパワーデバイス用途においては非常に重要なファクターとなり、高電圧がかかった際の不良モードの一因となる。
ここで、理論エポキシ当量とは、下記式(P)で表されるフェノール化合物のフェノール性水酸基が過不足なくグリシジル化した時に算出されるエポキシ当量を示す。
また、反応により得られたエポキシ樹脂に残存している全塩素としては5000ppm以下、より好ましくは3000ppm以下、特に2000ppm以下であることが好ましい。塩素量による悪影響については前述と同様である。なお、塩素イオン、ナトリウムイオンについては各々5ppm以下が好ましく、より好ましくは3ppm以下である。塩素イオンは先に記載し、いうまでも無いが、ナトリウムイオン等のカチオンも、特にパワーデバイス用途においては非常に重要なファクターとなり、高電圧がかかった際の不良モードの一因となる。
ここで、理論エポキシ当量とは、下記式(P)で表されるフェノール化合物のフェノール性水酸基が過不足なくグリシジル化した時に算出されるエポキシ当量を示す。
(式中、Rは前記と同じ意味を示す。)
また、具体的なエポキシ当量の値としては、Rが全て水素原子の場合、257.8g/eq.〜285.6g/eq.が好ましく、260.3g/eq.〜278.0g/eq.が特に好ましい。エポキシ当量が上記範囲内にあることで、硬化物の耐熱性、電気信頼性に優れたエポキシ樹脂を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂は軟化点を有する樹脂状の形態を有する。ここで、軟化点としては70〜130℃が好ましく、より好ましくは80〜120℃である。置換基Rが全て水素原子である場合は、特に70〜120℃、より好ましくは80〜110℃である。軟化点が低すぎると保管時のブロッキングが問題となり、低温で取り扱いをしないといけない等、課題が多い。逆に軟化点が高すぎる場合、他の樹脂との混練の際に、ハンドリングが悪くなる等の問題が生じることがある。また、溶融粘度は1Pa・s(ICI 溶融粘度 150℃ コーンプレート法)以下であることが好ましい。無機材料(フィラー等)を混合して用いる場合、流動性が悪い、また、ガラスクロス等もその網目がより微細になっており、含浸性に劣る等の課題が生じる。
本発明のエポキシ樹脂は透明性(色相)に優れる。ガードナー比色法(目視 40%MEK(メチルエチルケトン)溶液)で2以下が好ましく、より好ましくは1.5以下である。特に光学材料への展開はもちろん、通常のPCB基板等においても基板の色に影響するため、着色の少ないものが求められる。
また本発明のエポキシ樹脂は高い屈折率を有する。好ましくは1.61以上であり、より好ましくは1.62以上、特に好ましくは1.62〜1.65である。特に屈折率調整が必要な分野においては、屈折率が高ければ用いる組成物の芳香環量を低減することができ、耐光特性の向上に貢献できる。また、レンズ等の用途においては高屈折率ほどより歪みの小さなレンズを作成する事ができ、好ましい。
また本発明のエポキシ樹脂は高い屈折率を有する。好ましくは1.61以上であり、より好ましくは1.62以上、特に好ましくは1.62〜1.65である。特に屈折率調整が必要な分野においては、屈折率が高ければ用いる組成物の芳香環量を低減することができ、耐光特性の向上に貢献できる。また、レンズ等の用途においては高屈折率ほどより歪みの小さなレンズを作成する事ができ、好ましい。
以下、本発明のエポキシ樹脂の製造法について述べる。
前記式(1)で表される化合物を含有する本発明のエポキシ樹脂は、フェノールフタレイン誘導体とアミノベンゼン誘導体から合成される前記式(P)で表される(例えば、日本国特開2005−290378号公報が挙げられる)フェノール化合物(DPPI)とエピハロヒドリンとの反応で得られる。本発明のエポキシ樹脂の具体的な製造方法例を以下に示す。
前記式(1)で表される化合物を含有する本発明のエポキシ樹脂は、フェノールフタレイン誘導体とアミノベンゼン誘導体から合成される前記式(P)で表される(例えば、日本国特開2005−290378号公報が挙げられる)フェノール化合物(DPPI)とエピハロヒドリンとの反応で得られる。本発明のエポキシ樹脂の具体的な製造方法例を以下に示す。
フェノールフタレイン誘導体としてはフタル酸と該当する各種フェノール類で合成が可能であることは公知であり、使用するフェノール類がフェノールであればフェノールフタレインが、クレゾールであればクレゾールフタレインが得られる。
ここで、前記各種フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、キシレノール、メチルブチルフェノールなどが挙げられる。
また、前記合成により得られるフェノールフタレイン誘導体としては、例えば下記式(2)で表される構造が挙げられる。
ここで、前記各種フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、キシレノール、メチルブチルフェノールなどが挙げられる。
また、前記合成により得られるフェノールフタレイン誘導体としては、例えば下記式(2)で表される構造が挙げられる。
(式中、Rは前記と同じ意味を示し、nは1〜2の整数を表す。)
アミノベンゼン誘導体としては、下記式(3)で表される構造のものが挙げられる。
(式中、Rは前記と同じ意味を示し、mは1〜2の整数を表す。)
フェノール化合物(DPPI)における残留フェノールフタレイン誘導体の量は2%以下が好ましく、より好ましくは1%以下、さら好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.1%以下である(高速液体クロマトグラフィーで測定)。このフェノールフタレイン誘導体が残留する場合、反応時に着色が大きくなる傾向がある。アミノベンゼン誘導体も同様である。また残留する鉄分(ICP発光分析)量も着色に起因するファクターの一つである。残留鉄分は100ppm以下が好ましく、より好ましくは50ppm以下、特に10ppm以下が好ましい。また本体であるフェノール化合物(DPPI)は98%以上の純度が望まれる。
残存フェノールフタレイン誘導体の量はDPPIの精製(洗浄、再結晶、再沈殿等)によって調整可能である。
残存フェノールフタレイン誘導体の量はDPPIの精製(洗浄、再結晶、再沈殿等)によって調整可能である。
本発明のエポキシ樹脂を得る反応において、エピハロヒドリンとしては工業的に入手が容易なエピクロルヒドリンが好ましい。エピハロヒドリンの使用量はフェノール化合物(DPPI)の水酸基1モルに対し通常3.0〜15モル、好ましくは3.0〜10モル、より好ましくは3.5〜8.5モルであり、特に好ましくは5.5〜8.5モルである。
3.0モルを下回るとエポキシ当量が大きくなることがあり、また、できたエポキシ樹脂の作業性が悪くなる可能性がある。15モルを超えると溶剤量が多量となる。
3.0モルを下回るとエポキシ当量が大きくなることがあり、また、できたエポキシ樹脂の作業性が悪くなる可能性がある。15モルを超えると溶剤量が多量となる。
上記反応において使用しうるアルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、固形物を利用してもよく、その水溶液を使用してもよいが、本発明においては特に、溶解性、ハンドリングの面からフレーク状に成型された固形物の使用が好ましい。
アルカリ金属水酸化物の使用量は原料フェノール混合物の水酸基1モルに対して通常0.90〜1.5モルであり、好ましくは0.95〜1.25モル、より好ましくは0.99〜1.15モルである。
アルカリ金属水酸化物の使用量は原料フェノール混合物の水酸基1モルに対して通常0.90〜1.5モルであり、好ましくは0.95〜1.25モル、より好ましくは0.99〜1.15モルである。
反応を促進するためにテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加してもかまわない。4級アンモニウム塩の使用量としては原料フェノール混合物の水酸基1モルに対し通常0.1〜15gであり、好ましくは0.2〜10gである。
本反応においては上記エピハロヒドリンに加え、非極性プロトン溶媒(ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ジメチルイミダゾリジノン等)や、炭素数1〜5のアルコールを併用することが好ましい。炭素数1〜5のアルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類である。非極性プロトン溶媒もしくは炭素数1〜5のアルコールの使用量はエピハロヒドリンの使用量に対し通常2〜50重量%、好ましくは4〜25重量%である。また、共沸脱水等の手法により、系内の水分をコントロールしながらエポキシ化を行ってもかまわない。
系中の水分が多い場合には、得られたエポキシ樹脂において電気信頼性が悪くなることがあり、水分は5%以下にコントロールして合成することが好ましい。また、非極性プロトン溶媒を使用してエポキシ樹脂を得た際には、電気信頼性に優れるエポキシ樹脂が得られるため、非極性プロトン溶媒は好適に使用できる。
系中の水分が多い場合には、得られたエポキシ樹脂において電気信頼性が悪くなることがあり、水分は5%以下にコントロールして合成することが好ましい。また、非極性プロトン溶媒を使用してエポキシ樹脂を得た際には、電気信頼性に優れるエポキシ樹脂が得られるため、非極性プロトン溶媒は好適に使用できる。
反応温度は通常30〜90℃であり、好ましくは35〜80℃である。特に本発明においては、より高純度なエポキシ化のために60℃以上が好ましく、還流条件に近い条件での反応が特に好ましい。反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間、特に好ましくは1〜3時間である。反応時間が短いと反応が進みきらず、反応時間が長くなると副生成物ができることから好ましく無い。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂を炭素数4〜7のケトン化合物(たとえば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。)を溶剤として溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した原料フェノール混合物の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
またエピハロヒドリンとの反応においては反応初期から窒素等の不活性ガスで置換されていることが好ましく、空腔内の酸素濃度は10%以下であることが好ましい。酸素の残留は着色に影響をする。手法としてはフェノール化合物(DPPI)を仕込む前に窒素等不活性ガスを吹き込み(気中、もしくは液中)、もしくは、いったん減圧で真空にした後、不活性ガスで置換する方法が挙げられる。不活性ガスでの置換が無い場合、得られる樹脂に着色が生じる場合がある。不活性ガスの吹き込みを行う場合、その量はその反応容器の容積によっても異なるが、0.5〜10時間でその反応容器の容積の1〜3倍量が置換できる量の不活性ガスの吹き込みが好ましい。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂を炭素数4〜7のケトン化合物(たとえば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。)を溶剤として溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した原料フェノール混合物の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
またエピハロヒドリンとの反応においては反応初期から窒素等の不活性ガスで置換されていることが好ましく、空腔内の酸素濃度は10%以下であることが好ましい。酸素の残留は着色に影響をする。手法としてはフェノール化合物(DPPI)を仕込む前に窒素等不活性ガスを吹き込み(気中、もしくは液中)、もしくは、いったん減圧で真空にした後、不活性ガスで置換する方法が挙げられる。不活性ガスでの置換が無い場合、得られる樹脂に着色が生じる場合がある。不活性ガスの吹き込みを行う場合、その量はその反応容器の容積によっても異なるが、0.5〜10時間でその反応容器の容積の1〜3倍量が置換できる量の不活性ガスの吹き込みが好ましい。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下溶剤を留去することにより本発明のエポキシ樹脂が得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂、硬化触媒を必須成分とする。また任意成分として他のエポキシ樹脂や硬化剤を含有することは好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂以外にエポキシ樹脂を含有してもかまわない。全エポキシ樹脂中、本発明のエポキシ樹脂の割合は20重量%以上が好ましく、より好ましくは30重量%以上、特に好ましくは40重量%以上である。
本発明のエポキシ樹脂と併用し得る他のエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン又は1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類並びにアルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、シルセスキオキサン系のエポキシ樹脂(鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂)等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特に本発明のエポキシ樹脂組成物を光学用途に用いる場合、本発明のエポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂やシルセスキオキサン構造のエポキシ樹脂とを併用して用いることが好ましい。特に脂環式エポキシ樹脂の場合、骨格にエポキシシクロヘキサン構造を有する化合物が好ましく、シクロヘキセン構造を有する化合物の酸化反応により得られるエポキシ樹脂が特に好ましい。
シクロヘキセン構造を有する化合物としては、シクロヘキセンカルボン酸とアルコール類とのエステル化反応あるいはシクロヘキセンメタノールとカルボン酸類とのエステル化反応(Tetrahedron vol.36 p.2409 (1980)、Tetrahedron Letter p.4475 (1980)等に記載の手法)、あるいはシクロヘキセンアルデヒドのティシェンコ反応(日本国特開2003−170059号公報、日本国特開2004−262871号公報等に記載の手法)、さらにはシクロヘキセンカルボン酸エステルのエステル交換反応(日本国特開2006−052187号公報等に記載の手法)によって製造できる化合物が挙げられる。
アルコール類としては、アルコール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されないがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2−ヒドロキシメチル−1,4−ブタンジオールなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどのテトラオール類などが挙げられる。またカルボン酸類としてはシュウ酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれに限らない。
シクロヘキセン構造を有する化合物としては、シクロヘキセンカルボン酸とアルコール類とのエステル化反応あるいはシクロヘキセンメタノールとカルボン酸類とのエステル化反応(Tetrahedron vol.36 p.2409 (1980)、Tetrahedron Letter p.4475 (1980)等に記載の手法)、あるいはシクロヘキセンアルデヒドのティシェンコ反応(日本国特開2003−170059号公報、日本国特開2004−262871号公報等に記載の手法)、さらにはシクロヘキセンカルボン酸エステルのエステル交換反応(日本国特開2006−052187号公報等に記載の手法)によって製造できる化合物が挙げられる。
アルコール類としては、アルコール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されないがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2−ヒドロキシメチル−1,4−ブタンジオールなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどのテトラオール類などが挙げられる。またカルボン酸類としてはシュウ酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれに限らない。
さらに上記以外のシクロヘキセン構造を有する化合物として、シクロヘキセンアルデヒド誘導体と、アルコール体とのアセタール反応によるアセタール化合物が挙げられる。反応手法としては一般のアセタール化反応を応用すれば製造でき、例えば、反応媒体にトルエン、キシレンなどの溶媒を用いて共沸脱水しながら反応を行う方法(米国特許第2945008号公報)、濃塩酸に多価アルコールを溶解した後アルデヒド類を徐々に添加しながら反応を行う方法(日本国特開昭48−96590号公報)、反応媒体に水を用いる方法(米国特許第3092640号公報)、反応媒体に有機溶媒を用いる方法(日本国特開平7−215979号公報)、固体酸触媒を用いる方法(日本国特開2007−230992号公報)等が開示されている。構造の安定性から環状アセタール構造が好ましい。
これらエポキシ樹脂の具体例としては、ERL−4221、UVR−6105、ERL−4299(全て商品名、いずれもダウ・ケミカル製)、セロキサイド2021P、エポリードGT401、EHPE3150、EHPE3150CE(全て商品名、いずれもダイセル化学工業製)及びジシクロペンタジエンジエポキシドなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない(参考文献:総説エポキシ樹脂 基礎編I p76−85)。
これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
これらエポキシ樹脂の具体例としては、ERL−4221、UVR−6105、ERL−4299(全て商品名、いずれもダウ・ケミカル製)、セロキサイド2021P、エポリードGT401、EHPE3150、EHPE3150CE(全て商品名、いずれもダイセル化学工業製)及びジシクロペンタジエンジエポキシドなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない(参考文献:総説エポキシ樹脂 基礎編I p76−85)。
これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明に使用できる硬化触媒の具体例としてはトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等のアミン化合物、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2'−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−ウンデシルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−エチル,4−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2'−メチルイミダゾール(1'))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種等の複素環式化合物類、及び、それら複素環式化合物類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類、ジシアンジアミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物及びそれらのテトラフェニルボレート、フェノールノボラック等の塩類、前記多価カルボン酸類、又はホスフィン酸類との塩類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルセチルアンモニウムヒドロキシド、トリオクチルメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等のアンモニュウム塩、トリフェニルホスフィン、トリ(トルイル)ホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類やホスホニウム化合物、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、アミンアダクト、カルボン酸金属塩(2−エチルヘキサン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ミスチリン酸などの亜鉛塩、スズ塩、ジルコニウム塩)やリン酸エステル金属(オクチルリン酸、ステアリルリン酸等の亜鉛塩)、アルコキシ金属塩(トリブチルアルミニウム、テトラプロピルジルコニウム等)、アセチルアセトン塩(アセチルアセトンジルコニウムキレート、アセチルアセトンチタンキレート等)等の金属化合物等、が挙げられる。本発明においては特にホスホニウム塩やアンモニウム塩、金属化合物類が硬化時の着色やその変化の面において好ましい。また4級塩を使用する場合、ハロゲンとの塩はその硬化物にハロゲンを残すことがある。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂100に対して0.01〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂100に対して0.01〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤を含有することが好ましい。例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール樹脂、カルボン酸系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂などの含窒素化合物(アミン、アミド化合物);無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、などの酸無水物;各種アルコール、カルビノール変性シリコーン、と前述の酸無水物との付加反応により得られるカルボン酸樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン又は1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、テルペンとフェノール類の縮合物などのフェノール樹脂;イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体の化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明においては特に電子材料用途に使用するため、前述のフェノール樹脂が好ましい。
本発明においては特に電子材料用途に使用するため、前述のフェノール樹脂が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物における硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られないことがある。
なお、他成分としてシアナートエステル化合物の使用は好ましい。シアナートエステル化合物は単独での硬化反応に加え、エポキシ樹脂との反応により、より架橋密度の高い、耐熱性の硬化物とすることができる。シアナートエステル樹脂としては、例えば、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアネートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)エタン、これらの誘導体、芳香族シアネートエステル化合物等が挙げられる。また、例えば前述の硬化材に記載したような、各種フェノール樹脂と青酸もしくはその塩類との反応により合成も可能である。本発明においては特に2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパンやその誘導体(部分重合物等)のように分子内にベンジル位のメチレン構造を有しない構造のものが好ましく、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、リン含有化合物を難燃性付与成分として含有させることもできる。リン含有化合物としては反応型のものでも添加型のものでもよい。リン含有化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−ジキシリレニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4'−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)等のリン酸エステル類;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のホスファン類;エポキシ樹脂と前記ホスファン類の活性水素とを反応させて得られるリン含有エポキシ化合物、赤リン等が挙げられるが、リン酸エステル類、ホスファン類またはリン含有エポキシ化合物が好ましく、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4'−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)またはリン含有エポキシ化合物が特に好ましい。リン含有化合物の含有量はリン含有化合物/全エポキシ樹脂=0.1〜0.6(重量比)が好ましい。0.1以下では難燃性が不十分であり、0.6以上では硬化物の吸湿性、誘電特性に悪影響を及ぼす懸念がある。
さらに本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてバインダー樹脂を配合することも出来る。バインダー樹脂としてはブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、NBR−フェノール系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バインダー樹脂の配合量は、硬化物の難燃性、耐熱性を損なわない範囲であることが好ましく、エポキシ樹脂と硬化剤の合計100重量部に対して通常0.05〜50重量部、好ましくは0.05〜20重量部が必要に応じて用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら充填材は、単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら無機充填剤の含有量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中において0〜95重量%を占める量が用いられる。更に本発明のエポキシ樹脂組成物には、酸化防止剤、光安定剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、顔料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。特にカップリング材についてはエポキシ基を有するカップリング材、もしくはチオールを有するカップリング材の添加が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えばエポキシ樹脂成分と硬化剤成分並びに必要により硬化促進剤、リン含有化合物、バインダー樹脂、無機充填材および配合剤等とを必要に応じて押出機、ニーダー、ロール、プラネタリーミキサー等を用いて均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得、得られたエポキシ樹脂組成物が液状である場合はポッティングやキャスティングにより、該組成物を基材に含浸したり、金型に流し込み注型したりして、加熱により硬化させる。また得られたエポキシ樹脂組成物が固形の場合、溶融後注型、あるいはトランスファー成型機などを用いて成型し、さらに加熱により硬化させる。硬化温度、時間としては80〜200℃で2〜10時間である。硬化方法としては高温で一気に硬化させることもできるが、ステップワイズに昇温し、硬化反応を進めることが好ましい。具体的には80〜150℃の間で初期硬化を行い、100℃〜200℃の間で後硬化を行う。硬化の段階としては2〜8段階に分けて昇温するのが好ましく、より好ましくは2〜4段階である。
また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の溶剤に溶解させ、硬化性樹脂組成物ワニスとし、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させて加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物とすることができる。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。
また本発明のエポキシ樹脂組成物をフィルム型封止用組成物として使用することもできる。このようなフィルム型樹脂組成物を得る場合は、本発明の硬化性樹脂組成物を剥離フィルム上に前記ワニスを塗布し加熱下で溶剤を除去、Bステージ化を行うことによりシート状の接着剤を得る。このシート状接着剤は、多層基板などにおける層間絶縁層、光半導体の一括フィルム封止として使用することが出来る。
これら組成物の具体的な用途としては、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む、封止材の他、封止材、基板用のシアネート樹脂組成物)や、レジスト用硬化剤としてアクリル酸エステル系樹脂等、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。本発明においては、電子材料用の絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む、封止材の他、封止材、基板用のシアネート樹脂組成物)への使用が特に好ましい。
接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
封止剤、基板としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSIなど用のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TABなど用のといったポッティング封止、フリップチップなどの用のアンダーフィル、QFP、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)およびパッケージ基板などを挙げることができる。またネットワーク基板や、モジュール基板といった機能性が求められる基板用途へも好適である。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。
エポキシ当量: JIS K 7236 (ISO 3001) に準拠
ICI溶融粘度: JIS K 7117−2 (ISO 3219) に準拠
軟化点: JIS K 7234 に準拠
全塩素: JIS K 7243−3 (ISO 21672−3) に準拠
塩素イオン: JIS K 7243−1 (ISO 21672−1) に準拠
ナトリウムイオン: イオンクロマトグラフィーにて測定
鉄分: ICP発光分光分析
屈折率: ISO 5661 に準拠
ガードナー色数:ISO 4630−1 に準拠
GPC:
カラム(Shodex KF−603、KF−602x2、KF−601x2)
連結溶離液はテトラヒドロフラン
流速は0.5ml/min.
カラム温度は40℃
検出:RI(示差屈折検出器)
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。
エポキシ当量: JIS K 7236 (ISO 3001) に準拠
ICI溶融粘度: JIS K 7117−2 (ISO 3219) に準拠
軟化点: JIS K 7234 に準拠
全塩素: JIS K 7243−3 (ISO 21672−3) に準拠
塩素イオン: JIS K 7243−1 (ISO 21672−1) に準拠
ナトリウムイオン: イオンクロマトグラフィーにて測定
鉄分: ICP発光分光分析
屈折率: ISO 5661 に準拠
ガードナー色数:ISO 4630−1 に準拠
GPC:
カラム(Shodex KF−603、KF−602x2、KF−601x2)
連結溶離液はテトラヒドロフラン
流速は0.5ml/min.
カラム温度は40℃
検出:RI(示差屈折検出器)
実施例1
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをいったん真空にし、窒素置換した後(酸素濃度4.9%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm)256部、エピクロロヒドリン842部、メタノール180部を加え、水浴を75℃にまで昇温した。内温が65℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム21部を90分けて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液26部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP1)を305部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は266g/eq.、軟化点が89℃、ICI溶融粘度0.42Pa・s(150℃)、全塩素量 1600ppm、加水分解性塩素 1540ppm、塩素イオン2ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相0.2以下(ガードナー 40%MEK(メチルエチルケトン)溶液)であった。また前記式(1)の構造は93面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをいったん真空にし、窒素置換した後(酸素濃度4.9%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm)256部、エピクロロヒドリン842部、メタノール180部を加え、水浴を75℃にまで昇温した。内温が65℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム21部を90分けて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液26部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP1)を305部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は266g/eq.、軟化点が89℃、ICI溶融粘度0.42Pa・s(150℃)、全塩素量 1600ppm、加水分解性塩素 1540ppm、塩素イオン2ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相0.2以下(ガードナー 40%MEK(メチルエチルケトン)溶液)であった。また前記式(1)の構造は93面積%(GPC)であった。
実施例2
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをいったん真空にし、窒素置換した後(酸素濃度5.3%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI2)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm に フェノールフタレイン500ppm添加したもの)を用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。得られたエポキシ樹脂(EP2)のエポキシ当量は266g/eq.、軟化点が90℃、ICI溶融粘度0.44Pa・s(150℃)、全塩素量 2000ppm、加水分解性塩素 1950ppm、塩素イオン1ppm、ナトリウムイオン0.3ppm、色相0.2(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は93面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをいったん真空にし、窒素置換した後(酸素濃度5.3%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI2)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm に フェノールフタレイン500ppm添加したもの)を用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。得られたエポキシ樹脂(EP2)のエポキシ当量は266g/eq.、軟化点が90℃、ICI溶融粘度0.44Pa・s(150℃)、全塩素量 2000ppm、加水分解性塩素 1950ppm、塩素イオン1ppm、ナトリウムイオン0.3ppm、色相0.2(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は93面積%(GPC)であった。
実施例3
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコに4L/hで30分窒素置換した後(酸素濃度6.5%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm)256部、エピクロロヒドリン661部、メタノール165部を加え、水浴を75℃にまで昇温した。内温が65℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム57部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液5部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP3)を297部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は277g/eq.、軟化点が96℃、ICI溶融粘度0.62Pa・s(150℃)、全塩素量 2230ppm、加水分解性塩素 2100ppm、塩素イオン0.5ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相0.2以下(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は82面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコに4L/hで30分窒素置換した後(酸素濃度6.5%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm)256部、エピクロロヒドリン661部、メタノール165部を加え、水浴を75℃にまで昇温した。内温が65℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム57部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液5部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP3)を297部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は277g/eq.、軟化点が96℃、ICI溶融粘度0.62Pa・s(150℃)、全塩素量 2230ppm、加水分解性塩素 2100ppm、塩素イオン0.5ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相0.2以下(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は82面積%(GPC)であった。
実施例4
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをいったん真空にし、窒素置換した後(酸素濃度5.2%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm)256部、エピクロロヒドリン661部、ジメチルスルホキシド 200部を加え、水浴を45℃にまで昇温した。内温が40℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム57部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液16部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP4)を300部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は270g/eq.、軟化点が92℃、ICI溶融粘度0.48Pa・s(150℃)、全塩素量 1050ppm、加水分解性塩素 960ppm、塩素イオン0.3ppm、ナトリウムイオン0.1ppm、色相0.6(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は90面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをいったん真空にし、窒素置換した後(酸素濃度5.2%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm)256部、エピクロロヒドリン661部、ジメチルスルホキシド 200部を加え、水浴を45℃にまで昇温した。内温が40℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム57部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液16部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP4)を300部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は270g/eq.、軟化点が92℃、ICI溶融粘度0.48Pa・s(150℃)、全塩素量 1050ppm、加水分解性塩素 960ppm、塩素イオン0.3ppm、ナトリウムイオン0.1ppm、色相0.6(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は90面積%(GPC)であった。
実施例5
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコをいったん真空にし、窒素置換した後、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI3)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン210ppm、鉄分<5ppm に フェノールフタレイン1%添加)を用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。得られたエポキシ樹脂(EP5)のエポキシ当量は262g/eq.、軟化点が89℃、ICI溶融粘度0.42Pa・s(150℃)、全塩素量 3200ppm、加水分解性塩素 2700ppm、塩素イオン5ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相3(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は90面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコをいったん真空にし、窒素置換した後、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI3)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン210ppm、鉄分<5ppm に フェノールフタレイン1%添加)を用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。得られたエポキシ樹脂(EP5)のエポキシ当量は262g/eq.、軟化点が89℃、ICI溶融粘度0.42Pa・s(150℃)、全塩素量 3200ppm、加水分解性塩素 2700ppm、塩素イオン5ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相3(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は90面積%(GPC)であった。
比較例1
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコにフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm)256部、エピクロロヒドリン842部、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド3部を加え、水浴を70℃にまで昇温した。ここに49%水酸化ナトリウム水溶液100部を90分かけて滴下した後、更に70℃で4時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去することでエポキシ樹脂(EP6)を290部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は297g/eq.、軟化点が95℃、ICI溶融粘度0.70Pa・s(150℃)、全塩素量 10450ppm、加水分解性塩素 9700ppm、塩素イオン0.5ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相4(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は65面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコにフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm)256部、エピクロロヒドリン842部、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド3部を加え、水浴を70℃にまで昇温した。ここに49%水酸化ナトリウム水溶液100部を90分かけて滴下した後、更に70℃で4時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去することでエポキシ樹脂(EP6)を290部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は297g/eq.、軟化点が95℃、ICI溶融粘度0.70Pa・s(150℃)、全塩素量 10450ppm、加水分解性塩素 9700ppm、塩素イオン0.5ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相4(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は65面積%(GPC)であった。
実施例6および比較例2
前記で得られたエポキシ樹脂(EP1)と比較用のエポキシ樹脂(EP7;トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂 日本化薬株式会社製 EPPN−502H)、硬化剤としてフェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製 ミレックスXLC−3L 以下、PN1と称す。)を使用し、表1の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、封止用エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化されたエポキシ樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。
なお、硬化物の物性は以下の要領で測定した。
TMA(熱機械測定装置 真空理工(株)製 TM−7000 昇温速度:2℃/分)
前記で得られたエポキシ樹脂(EP1)と比較用のエポキシ樹脂(EP7;トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂 日本化薬株式会社製 EPPN−502H)、硬化剤としてフェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製 ミレックスXLC−3L 以下、PN1と称す。)を使用し、表1の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、封止用エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化されたエポキシ樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。
なお、硬化物の物性は以下の要領で測定した。
TMA(熱機械測定装置 真空理工(株)製 TM−7000 昇温速度:2℃/分)
本結果から、高耐熱性樹脂として一般的であるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂よりもより耐熱性(Tg)が高いことが確認できた。
実施例7、8および比較例3
前記で得られたエポキシ樹脂(EP1、EP3)と比較用のエポキシ樹脂(EP5)、硬化剤としてフェノールノボラック(明和化成工業株式会社製 H−1 以下PN2と称す。)を使用し、表2の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、封止用エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化されたエポキシ樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。
なお、硬化物の物性は以下の要領で測定した。
TMA(熱機械測定装置 真空理工(株)製 TM−7000 昇温速度:2℃/分)
前記で得られたエポキシ樹脂(EP1、EP3)と比較用のエポキシ樹脂(EP5)、硬化剤としてフェノールノボラック(明和化成工業株式会社製 H−1 以下PN2と称す。)を使用し、表2の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、封止用エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化されたエポキシ樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。
なお、硬化物の物性は以下の要領で測定した。
TMA(熱機械測定装置 真空理工(株)製 TM−7000 昇温速度:2℃/分)
以上の結果から、比較例のエポキシ樹脂と比べて本発明のエポキシ樹脂は高い耐熱性を有する硬化物を与えることができる、ということが確認できた。
実施例9〜12および比較例4、比較例5
前記で得られたエポキシ樹脂(EP1〜EP4)と比較用のエポキシ樹脂(EP6)、(EP8;日本化薬製 オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 EOCN−1020−65)、硬化剤としてフェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製 ミレックスXLC−3L 以下、PN1と称す。)、無機充填剤として溶融シリカ(商品名:MSR−2212、龍森製)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(商品名:TPP 北興化学工業製)、離型剤としてカルナバワックス1号(セラリカ野田製)、添加剤としてシランカップリング剤(商品名:KBM−403 信越化学製)を表3の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、封止用エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化されたエポキシ樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。
前記で得られたエポキシ樹脂(EP1〜EP4)と比較用のエポキシ樹脂(EP6)、(EP8;日本化薬製 オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 EOCN−1020−65)、硬化剤としてフェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製 ミレックスXLC−3L 以下、PN1と称す。)、無機充填剤として溶融シリカ(商品名:MSR−2212、龍森製)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(商品名:TPP 北興化学工業製)、離型剤としてカルナバワックス1号(セラリカ野田製)、添加剤としてシランカップリング剤(商品名:KBM−403 信越化学製)を表3の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、封止用エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化されたエポキシ樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。
DMA 測定条件
動的粘弾性測定器:TA−instruments製、DMA−2980
測定温度範囲:−30℃〜280℃
温速度:2℃/分
試験片サイズ:5mm×50mmに切り出した物を使用した(厚みは約800μm)。
解析条件
Tg:DMA測定に於けるTanδのピーク点(tanδMAX)をTgとした。
難燃性
・難燃性の判定:UL94に準拠して行った。ただし、サンプルサイズは幅12.5mm×長さ150mmとし、厚さは0.8mmで試験を行った。
・残炎時間:5個1組のサンプルに10回接炎したあとの残炎時間の合計
動的粘弾性測定器:TA−instruments製、DMA−2980
測定温度範囲:−30℃〜280℃
温速度:2℃/分
試験片サイズ:5mm×50mmに切り出した物を使用した(厚みは約800μm)。
解析条件
Tg:DMA測定に於けるTanδのピーク点(tanδMAX)をTgとした。
難燃性
・難燃性の判定:UL94に準拠して行った。ただし、サンプルサイズは幅12.5mm×長さ150mmとし、厚さは0.8mmで試験を行った。
・残炎時間:5個1組のサンプルに10回接炎したあとの残炎時間の合計
実施例13
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC BPPPP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm)295部、エピクロロヒドリン694部、ジメチルスルホキシド 173部を加え、水浴を50℃にまで昇温した。内温が45℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム66部を90分かけて分割添加した後、更に45℃で2時間、70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン760部を加え溶解し、水洗により生成した塩化ナトリウム等を除去後、有機層を70℃にまで昇温し、撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液30部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP10)を355部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は268g/eq.、軟化点が99℃、ICI溶融粘度1.03Pa・s(150℃)、全塩素量 305ppm、加水分解性塩素 270ppm、塩素イオン0.1ppm、ナトリウムイオン0.1ppm、色相0.6(ガードナー 40%THF溶液)であった。また前記式(1)の構造は85.2面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC BPPPP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm)295部、エピクロロヒドリン694部、ジメチルスルホキシド 173部を加え、水浴を50℃にまで昇温した。内温が45℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム66部を90分かけて分割添加した後、更に45℃で2時間、70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン760部を加え溶解し、水洗により生成した塩化ナトリウム等を除去後、有機層を70℃にまで昇温し、撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液30部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP10)を355部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は268g/eq.、軟化点が99℃、ICI溶融粘度1.03Pa・s(150℃)、全塩素量 305ppm、加水分解性塩素 270ppm、塩素イオン0.1ppm、ナトリウムイオン0.1ppm、色相0.6(ガードナー 40%THF溶液)であった。また前記式(1)の構造は85.2面積%(GPC)であった。
実施例14
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC BPPPP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm)295部、エピクロロヒドリン971部、ジメチルスルホキシド165部を加え、水浴を45℃にまで昇温した。内温が40℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム66部を90分かけて分割添加した後、更に45℃2時間、70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン760部を加え溶解し、水洗により生成した塩化ナトリウム等を除去後、有機層を70℃にまで昇温し、撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液30部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP11)を353部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は267g/eq.、軟化点が99℃、ICI溶融粘度0.91Pa・s(150℃)、全塩素量 540ppm、加水分解性塩素 430ppm、塩素イオン0.1ppm、ナトリウムイオン0.1ppm、色相0.8(ガードナー 40%THF溶液)であった。また前記式(1)の構造は87.1面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC BPPPP 純度99%以上 残留フェノールフタレイン200ppm、鉄分<5ppm)295部、エピクロロヒドリン971部、ジメチルスルホキシド165部を加え、水浴を45℃にまで昇温した。内温が40℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム66部を90分かけて分割添加した後、更に45℃2時間、70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン760部を加え溶解し、水洗により生成した塩化ナトリウム等を除去後、有機層を70℃にまで昇温し、撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液30部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP11)を353部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は267g/eq.、軟化点が99℃、ICI溶融粘度0.91Pa・s(150℃)、全塩素量 540ppm、加水分解性塩素 430ppm、塩素イオン0.1ppm、ナトリウムイオン0.1ppm、色相0.8(ガードナー 40%THF溶液)であった。また前記式(1)の構造は87.1面積%(GPC)であった。
実施例15
前記で得られたエポキシ樹脂(EP10)、併用するエポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂(商品名:SEJ-01R 日本化薬製)、硬化促進剤としてカチオン系触媒(商品名:SI-150 三新化学工業製)、を50:50:2の割合(重量部)で配合し、エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を金型に注型し、150℃3時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。得られた試験片を用い、DMAを測定したところTgは184℃であった。(測定条件は前述のとおり)
前記で得られたエポキシ樹脂(EP10)、併用するエポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂(商品名:SEJ-01R 日本化薬製)、硬化促進剤としてカチオン系触媒(商品名:SI-150 三新化学工業製)、を50:50:2の割合(重量部)で配合し、エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を金型に注型し、150℃3時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。得られた試験片を用い、DMAを測定したところTgは184℃であった。(測定条件は前述のとおり)
実施例16
エポキシ樹脂(EP10)をエポキシ樹脂(EP11)に変更した以外は、実施例15と同様に評価を行った。DMAを測定したところ、Tgは189℃であった。(測定条件は前述のとおり)
エポキシ樹脂(EP10)をエポキシ樹脂(EP11)に変更した以外は、実施例15と同様に評価を行った。DMAを測定したところ、Tgは189℃であった。(測定条件は前述のとおり)
以上の結果から、本発明のエポキシ樹脂は高い耐熱性と難燃性を両立させることができるということが明らかとなった。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
なお、本出願は、2012年6月7日付で出願された日本特許出願(特願2012−129407)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。
なお、本出願は、2012年6月7日付で出願された日本特許出願(特願2012−129407)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。
本発明のエポキシ樹脂は、硬化剤等と共にエポキシ樹脂組成物とすることにより、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む、封止材の他、封止材、基板用のシアネート樹脂組成物)や、レジスト用硬化剤としてアクリル酸エステル系樹脂等、他樹脂等への添加剤等に使用できる。
実施例1
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをいったん真空にし、窒素置換した後(酸素濃度4.9%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP)256部、エピクロロヒドリン842部、メタノール180部を加え、水浴を75℃にまで昇温した。内温が65℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム21部を90分けて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液26部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP1)を305部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は266g/eq.、軟化点が89℃、ICI溶融粘度0.42Pa・s(150℃)、全塩素量 1600ppm、加水分解性塩素 1540ppm、塩素イオン2ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相0.2以下(ガードナー 40%MEK(メチルエチルケトン)溶液)であった。また前記式(1)の構造は93面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをいったん真空にし、窒素置換した後(酸素濃度4.9%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP)256部、エピクロロヒドリン842部、メタノール180部を加え、水浴を75℃にまで昇温した。内温が65℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム21部を90分けて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液26部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP1)を305部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は266g/eq.、軟化点が89℃、ICI溶融粘度0.42Pa・s(150℃)、全塩素量 1600ppm、加水分解性塩素 1540ppm、塩素イオン2ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相0.2以下(ガードナー 40%MEK(メチルエチルケトン)溶液)であった。また前記式(1)の構造は93面積%(GPC)であった。
実施例2
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをいったん真空にし、窒素置換した後(酸素濃度5.3%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI2)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP)を用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。得られたエポキシ樹脂(EP2)のエポキシ当量は266g/eq.、軟化点が90℃、ICI溶融粘度0.44Pa・s(150℃)、全塩素量 2000ppm、加水分解性塩素 1950ppm、塩素イオン1ppm、ナトリウムイオン0.3ppm、色相0.2(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は93面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをいったん真空にし、窒素置換した後(酸素濃度5.3%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI2)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP)を用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。得られたエポキシ樹脂(EP2)のエポキシ当量は266g/eq.、軟化点が90℃、ICI溶融粘度0.44Pa・s(150℃)、全塩素量 2000ppm、加水分解性塩素 1950ppm、塩素イオン1ppm、ナトリウムイオン0.3ppm、色相0.2(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は93面積%(GPC)であった。
実施例3
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコに4L/hで30分窒素置換した後(酸素濃度6.5%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP)256部、エピクロロヒドリン661部、メタノール165部を加え、水浴を75℃にまで昇温した。内温が65℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム57部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液5部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP3)を297部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は277g/eq.、軟化点が96℃、ICI溶融粘度0.62Pa・s(150℃)、全塩素量 2230ppm、加水分解性塩素 2100ppm、塩素イオン0.5ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相0.2以下(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は82面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコに4L/hで30分窒素置換した後(酸素濃度6.5%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP)256部、エピクロロヒドリン661部、メタノール165部を加え、水浴を75℃にまで昇温した。内温が65℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム57部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液5部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP3)を297部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は277g/eq.、軟化点が96℃、ICI溶融粘度0.62Pa・s(150℃)、全塩素量 2230ppm、加水分解性塩素 2100ppm、塩素イオン0.5ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相0.2以下(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は82面積%(GPC)であった。
実施例4
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをいったん真空にし、窒素置換した後(酸素濃度5.2%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP)256部、エピクロロヒドリン661部、ジメチルスルホキシド 200部を加え、水浴を45℃にまで昇温した。内温が40℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム57部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液16部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP4)を300部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は270g/eq.、軟化点が92℃、ICI溶融粘度0.48Pa・s(150℃)、全塩素量 1050ppm、加水分解性塩素 960ppm、塩素イオン0.3ppm、ナトリウムイオン0.1ppm、色相0.6(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は90面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをいったん真空にし、窒素置換した後(酸素濃度5.2%)、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP)256部、エピクロロヒドリン661部、ジメチルスルホキシド 200部を加え、水浴を45℃にまで昇温した。内温が40℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム57部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン600部を加え溶解し、70℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液16部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP4)を300部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は270g/eq.、軟化点が92℃、ICI溶融粘度0.48Pa・s(150℃)、全塩素量 1050ppm、加水分解性塩素 960ppm、塩素イオン0.3ppm、ナトリウムイオン0.1ppm、色相0.6(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は90面積%(GPC)であった。
実施例5
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコをいったん真空にし、窒素置換した後、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI3)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP)を用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。得られたエポキシ樹脂(EP5)のエポキシ当量は262g/eq.、軟化点が89℃、ICI溶融粘度0.42Pa・s(150℃)、全塩素量 3200ppm、加水分解性塩素 2700ppm、塩素イオン5ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相3(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は90面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコをいったん真空にし、窒素置換した後、窒素パージ(2L/hr)を施しながらフェノール化合物(DPPI3)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP)を用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。得られたエポキシ樹脂(EP5)のエポキシ当量は262g/eq.、軟化点が89℃、ICI溶融粘度0.42Pa・s(150℃)、全塩素量 3200ppm、加水分解性塩素 2700ppm、塩素イオン5ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相3(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は90面積%(GPC)であった。
比較例1
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコにフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP)256部、エピクロロヒドリン842部、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド3部を加え、水浴を70℃にまで昇温した。ここに49%水酸化ナトリウム水溶液100部を90分かけて滴下した後、更に70℃で4時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去することでエポキシ樹脂(EP6)を290部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は297g/eq.、軟化点が95℃、ICI溶融粘度0.70Pa・s(150℃)、全塩素量 10450ppm、加水分解性塩素 9700ppm、塩素イオン0.5ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相4(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は65面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコにフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC PPPBP)256部、エピクロロヒドリン842部、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド3部を加え、水浴を70℃にまで昇温した。ここに49%水酸化ナトリウム水溶液100部を90分かけて滴下した後、更に70℃で4時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去することでエポキシ樹脂(EP6)を290部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は297g/eq.、軟化点が95℃、ICI溶融粘度0.70Pa・s(150℃)、全塩素量 10450ppm、加水分解性塩素 9700ppm、塩素イオン0.5ppm、ナトリウムイオン0.5ppm、色相4(ガードナー 40%MEK溶液)であった。また前記式(1)の構造は65面積%(GPC)であった。
実施例13
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC BPPPP)295部、エピクロロヒドリン694部、ジメチルスルホキシド 173部を加え、水浴を50℃にまで昇温した。内温が45℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム66部を90分かけて分割添加した後、更に45℃で2時間、70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン760部を加え溶解し、水洗により生成した塩化ナトリウム等を除去後、有機層を70℃にまで昇温し、撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液30部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP10)を355部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は268g/eq.、軟化点が99℃、ICI溶融粘度1.03Pa・s(150℃)、全塩素量 305ppm、加水分解性塩素 270ppm、塩素イオン0.1ppm、ナトリウムイオン0.1ppm、色相0.6(ガードナー 40%THF溶液)であった。また前記式(1)の構造は85.2面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC BPPPP)295部、エピクロロヒドリン694部、ジメチルスルホキシド 173部を加え、水浴を50℃にまで昇温した。内温が45℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム66部を90分かけて分割添加した後、更に45℃で2時間、70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン760部を加え溶解し、水洗により生成した塩化ナトリウム等を除去後、有機層を70℃にまで昇温し、撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液30部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP10)を355部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は268g/eq.、軟化点が99℃、ICI溶融粘度1.03Pa・s(150℃)、全塩素量 305ppm、加水分解性塩素 270ppm、塩素イオン0.1ppm、ナトリウムイオン0.1ppm、色相0.6(ガードナー 40%THF溶液)であった。また前記式(1)の構造は85.2面積%(GPC)であった。
実施例14
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC BPPPP)295部、エピクロロヒドリン971部、ジメチルスルホキシド165部を加え、水浴を45℃にまで昇温した。内温が40℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム66部を90分かけて分割添加した後、更に45℃2時間、70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン760部を加え溶解し、水洗により生成した塩化ナトリウム等を除去後、有機層を70℃にまで昇温し、撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液30部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP11)を353部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は267g/eq.、軟化点が99℃、ICI溶融粘度0.91Pa・s(150℃)、全塩素量 540ppm、加水分解性塩素 430ppm、塩素イオン0.1ppm、ナトリウムイオン0.1ppm、色相0.8(ガードナー 40%THF溶液)であった。また前記式(1)の構造は87.1面積%(GPC)であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えた1Lの4つ口フラスコをフェノール化合物(DPPI1)(前記式(P)において置換基Rがすべて水素原子の化合物 SABIC BPPPP)295部、エピクロロヒドリン971部、ジメチルスルホキシド165部を加え、水浴を45℃にまで昇温した。内温が40℃を越えたところでフレーク状の水酸化ナトリウム66部を90分かけて分割添加した後、更に45℃2時間、70℃で1時間後反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレータを用いて140℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン760部を加え溶解し、水洗により生成した塩化ナトリウム等を除去後、有機層を70℃にまで昇温し、撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液30部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレータを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでエポキシ樹脂(EP11)を353部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は267g/eq.、軟化点が99℃、ICI溶融粘度0.91Pa・s(150℃)、全塩素量 540ppm、加水分解性塩素 430ppm、塩素イオン0.1ppm、ナトリウムイオン0.1ppm、色相0.8(ガードナー 40%THF溶液)であった。また前記式(1)の構造は87.1面積%(GPC)であった。
Claims (6)
- 主成分として、下記式(1)で表される化合物を70〜95%(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー 面積%)含有するエポキシ樹脂。
(式中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、もしくは炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。) - エポキシ当量が理論エポキシ当量に対し1.02倍〜1.11倍である請求項1に記載のエポキシ樹脂。
- 全塩素含有量が5000ppm以下である請求項1に記載のエポキシ樹脂。
- 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と硬化触媒を必須成分とするエポキシ樹脂組成物。
- 請求項4または請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化した硬化物。
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