JP2015067615A - エポキシ樹脂混合物、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂混合物、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物 Download PDF

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Masamitsu Kimura
昌照 木村
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政隆 中西
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Abstract

【課題】流動性に優れた組成物を与え、該硬化物において硬化物は耐熱性、難燃性に優れ、同時に高温時に弾性率が高く、強度に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂を提供することを目的とする。【解決手段】フェノール・ナフトール混合ザイロック型エポキシ樹脂と置換(もしくは無置換)の4,4?−ビスグリシジルオキシビフェニル(ただし、置換基をその芳香環に有する場合、置換基の数は4以下、炭素数は4以下である。)を同時に含有することを特徴とするエポキシ樹脂混合物。【選択図】なし

Description

本発明は流動性に優れた組成物を与え、該硬化物において硬化物は耐熱性、難燃性に優れ、同時に高温時に弾性率が低い硬化物を与える硬化性樹脂組成物に関する。
本発明は高機能が要求される電気電子材料用途、特に半導体の封止剤、薄膜基板材料として好適な硬化性樹脂組成物、およびその硬化物に関する。
硬化性樹脂組成物は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
しかし近年、電気・電子分野においてはその発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、密着性、誘電特性、フィラー(無機または有機充填剤)を高充填させるための低粘度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等の諸特性の一層の向上が求められている。又、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料が求められている。特に半導体封止分野、基板(基板自体、もしくはその周辺材料)においては、その半導体の変遷に従い、薄層化、スタック化、システム化、三次元化と複雑になっていき、そのワイヤ配線の狭ピッチ化、細線化がますます進んできており、高流動性が無いとワイヤスィープを誘発してしまう。さらにはワイヤの接続部に悪影響を及ぼすようになってきており、系の低粘度化が必要となっている。
また、半導体を封止した際の反りにより剥離が課題として挙げられている。反りを小さくするために低熱膨張や低硬化収縮率、低弾性率を特徴とするエポキシ樹脂の開発が求められている。
"先端半導体用封止材料の技術動向"、パナソニック電工株式会社、[平成25年8月9日検索]、< http://panasonic.co.jp/ptj/pew/564j/pdfs/564_02.pdf>
低粘度化の手法にはさまざま挙げられ、一般に低粘度化の手法としては低分子量化が用いられるが、低分子量化すると室温での形状が流動性を持ちやすくなってしまうため、室温での取り扱いが難しく、硬化物の耐熱性が落ち、さらには組成物とした際にベタツキが出てしまい、貯蔵やハンドリングが困難となるという問題があった。
そこで、本発明では、流動性に優れた組成物を与え、同時に高温時に弾性率が低い硬化物を与える硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは前記したような実状に鑑み、鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)
下記一般式(I)
Figure 2015067615
(式中、Arはナフタレン核(a)またはベンゼン核(b)を示し、かつ、モルの割合で(a):(b)=5:5〜9:1であり、Gはグリシジル基を示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、mは1または2であり、nは0〜15の整数である。)
で表されるフェノール・ナフトール混合ザイロック型エポキシ樹脂と置換もしくは無置換の4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニル(ただし、置換基をその芳香環に有する場合、置換基の数は4以下、炭素数は4以下である。)を含有することを特徴とするエポキシ樹脂混合物、および硬化剤としてビフェニルノボラック型樹脂を含有することを必須とする硬化性樹脂組成物、
(2)
前項(1)に記載の硬化性樹脂組成物を硬化することを特徴とする硬化物、
(3)
前項(2)に記載の硬化物のうち、250℃における弾性率が2000MPa以下であることを特徴とする硬化物、
を、提供するものである。
本発明の硬化性樹脂組成物は流動性に優れ、かつ硬化物は高温時に低い弾性率を発現する。したがって、電気電子部品用絶縁材料及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。特に半導体素子を保護する半導体封止材料にきわめて有用である。
以下、本発明の硬化性樹脂組成物について記載する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、フェノール・ナフトール混合ザイロック型エポキシ樹脂と置換もしくは無置換の4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニル(ただし、置換基をその芳香環に有する場合、置換基の数は4以下、炭素数は4以下である。)を含むエポキシ樹脂混合物を含有する。
フェノール・ナフトール混合ザイロック型エポキシ樹脂とはフェノール・ナフトール混合ザイロック型フェノール樹脂とエピハロヒドリンとの反応物、また置換もしくは無置換の4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニル(ただし、置換基をその芳香環に有する場合、置換基の数は4以下、炭素数は4以下である。)とは置換もしくは無置換の4,4´−ビフェノール(ただし、置換基をその芳香環に有する場合、置換基の数は4以下、炭素数は4以下である。)を示す。
本発明においては、フェノール・ナフトール混合ザイロック型フェノール樹脂として、下記式(II)
Figure 2015067615
(式中、Arはナフタレン核(a)またはベンゼン核(b)を示し、モル比として(a)/(b)=0.1〜100であり、Rは水素原子またはメチル基を示し、mは1または2であり、nは0〜15の整数である。)
で表されるフェノール樹脂を使用する。
上記フェノール樹脂は、例えば特開2012−97229号公報に記載の方法によって得ることができる。また、市販品としては、GPNX−70HN(群栄化学社製)として入手することができる。
上記式(II)において、ナフタレン核(a)とベンゼン核(b)の割合(モル比)は、通常(a)/(b)=0.1〜100であり、1.0〜20がより好ましく、2.0〜10が特に好ましい。ここで、(a)/(b)の算出方法は、例えば、上記式(II)のフェノール樹脂を反応させた後、残存しているナフタレン核を付与する原料とベンゼン核を付与する原料の未反応残存量をガスクロマトグラフィーで測定し、フェノール樹脂(II)に取り込まれたナフタレン核、ベンゼン核のモル比を算出することで求めることができる。
尚、ナフタレン核(a)は、下記骨格
Figure 2015067615
であり、Arがナフタレン核である場合には上記骨格が上記式(II)に導入される。そして、Arに結合する−(OH)m基、R基、ないし連結基は上記骨格の炭素原子に結合する。
また、ベンゼン核(b)は、下記骨格
Figure 2015067615
であり、Arがベンゼン核である場合には上記骨格が上記式(II)に導入される。そして、Arに結合する−(OH)m基、R基、ないし連結基は上記骨格の炭素原子に結合する。
また、nは繰り返し数を表し、通常0〜15であるが、1〜10がより好ましい。nが15を超えると軟化点が高くなりすぎるため好ましくない。
軟化点としては30〜80℃が好ましく、40℃〜70℃がより好ましい。
水酸基当量としては、180〜230g/eqが好ましく、195〜215が特に好ましい。
本発明において、置換もしくは無置換の4,4´−ビフェノールとは、下記式(1)
Figure 2015067615
(上記式中、複数存在するRは各々独立して存在し、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、kは1〜4の整数を表す。)
で表される構造を表す。即ち、置換もしくは無置換の4,4’−ビフェノール(ただし、置換基をその芳香環に有する場合、置換基の数は4以下、炭素数は4以下である。)は4,4´−ビフェノールを基本骨格とする化合物であり、その具体例としては、4,4´−ビフェノール、3,3´,5,5´−テトラメチルビフェニル−4,4´−ジオール、3,3´−ジメチルビフェニル−4,4´−ジオール等が挙げられる。本発明においては入手のしやすさから、4,4´−ビフェノール、3,3´,5,5´−テトラメチルビフェニル−4,4´−ジオールが好ましく、エポキシ樹脂混合物のハンドリング性から4,4´−ビフェノールが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂混合物を得るには、各々フェノール・ナフトール混合ザイロック型フェノール樹脂、置換もしくは無置換の4,4’−ビフェノールを均一に混合しても、フェノール・ナフトール混合ザイロック型フェノール樹脂と置換もしくは無置換の4,4´−ビフェノール(ただし、置換基をその芳香環に有する場合、置換基の数は4以下、炭素数は4以下である。)を混合し、エピハロヒドリンと反応させることで得てもかまわない。本発明においては特に、製造の簡便さ、分子のつながりから後者が好ましい。
エピハロヒドリンとの反応の手法としては特に限定しないが、以下に本発明のエポキシ樹脂混合物の合成方法の一例を記載する。
本発明のエポキシ樹脂混合物を得る反応において、フェノール・ナフトール混合ザイロック型フェノール樹脂(AA)と置換もしくは無置換の4,4´−ビフェノール(ただし、置換基をその芳香環に有する場合、置換基の数は4以下、炭素数は4以下である。)(BB)を同時にエピハロヒドリンと反応させることでエポキシ樹脂混合物とする。ここで(AA)と(BB)の比率(重量比)としてはAA/BB=1〜10が好ましく、より好ましくは1.5〜7.5、特に好ましくは2.0〜6.0である。流動性のバランスの面から本範囲が好ましい。なお、以下、(AA)と(BB)の混合物を本発明のフェノール樹脂混合物と称す。
本発明のエポキシ樹脂混合物を得る反応において、エピハロヒドリンとしては工業的に入手が容易なエピクロルヒドリンが好ましい。エピハロヒドリンの使用量は本発明のフェノール混合物の水酸基1モルに対し通常3.0〜15モル、好ましくは3.0〜10モル、より好ましくは3.5〜8.5モルであり、特に好ましくは4.5〜8.5モルである。
3.0モルを下回るとエポキシ当量が大きくなる恐れがあり、また、できたエポキシ樹脂の作業性が悪くなる可能性が高いため好ましくなく、15モルを超えると溶剤量が多量であり、産業上好ましくない。
上記反応において、エピハロヒドリンとの反応にはアルカリ金属水酸化物の使用が好ましい。使用しうるアルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、固形物を利用してもよく、その水溶液を使用してもよいが、本発明においては特に、水分、溶解性、ハンドリングの面からフレーク状に成型された固形物の使用が好ましい。
アルカリ金属水酸化物の使用量は本発明のフェノール混合物の水酸基1モルに対して通常0.90〜1.5モルであり、好ましくは0.95〜1.25モル、より好ましくは0.99〜1.15モルである。
反応を促進するためにテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加してもかまわない。4級アンモニウム塩の使用量としては本発明のフェノール混合物の水酸基1モルに対し通常0.1〜15gであり、好ましくは0.2〜10gである。
本反応においては上記エピハロヒドリンに加え、非極性プロトン溶媒(ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ジメチルイミダゾリジノン等 本発明においてはジメチルスルホキシド、ジオキサンが好ましい。)や、炭素数1〜5のアルコールを併用することが好ましい。炭素数1〜5のアルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類である(本発明においてはメタノールが好ましい。)。非極性プロトン溶媒もしくは炭素数1〜5のアルコールの使用量はエピハロヒドリンの使用量に対し通常2〜50重量%、好ましくは4〜25重量%である。また、共沸脱水等の手法により、系内の水分をコントロールしながらエポキシ化を行ってもかまわない。
系中の水分が多い場合には、得られたエポキシ樹脂混合物において電気信頼性が悪くなるため好ましくなく、水分は5%以下にコントロールして合成することが好ましい。また、非極性プロトン溶媒を使用してエポキシ樹脂混合物を得た際には、電気信頼性に優れるエポキシ樹脂混合物が得られるため、非極性プロトン溶媒は好適に使用できる。
反応温度は通常30〜90℃であり、好ましくは35〜80℃である。特に本発明においては、より高純度なエポキシ化のために60℃以上が好ましく、還流条件に近い条件での反応が特に好ましい。反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間、特に好ましくは1〜3時間である。反応時間が短いと反応が進みきらず、反応時間が長くなると副生成物ができることから好ましく無い。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂混合物とするために、回収したエポキシ樹脂混合物を炭素数4〜7のケトン化合物(たとえば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。)を溶剤として溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した本発明のフェノール混合物の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下溶剤を留去することにより本発明のエポキシ樹脂混合物が得られる。なお、加熱減圧下、溶剤を留去した後、110〜170℃に保った後、100℃以下、より好ましくは80℃以下の板状(プレート状、シート状、ベルト状等の形状のもの)に流すもしくは滴下することで、板状、水滴状(マーブル状)等の形状に成型し、取り出すことが好ましい。なお、80℃以下での冷却後、さらに60℃以下で冷却するという段階的な冷却方法でもかまわない。
本発明において、得られる最も好適なエポキシ樹脂混合物の外観としては結晶性を帯びた濁った色味(具体的には白濁 アモルファスではない)を有する。
本発明のエポキシ樹脂においてはフェノール・ナフトール混合ザイロック型エポキシ樹脂と置換もしくは無置換の4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニル(ただし、置換基をその芳香環に有する場合、置換基の数は4以下、炭素数は4以下である。)が同時に存在すれば特に限定はされないが、上記のような好ましい条件での反応においては、フェノール・ナフトール混合ザイロック型フェノール樹脂構造とビフェノール構造がエピハロヒドリンによってつながった構造(C)も存在する。単純にフェノール・ナフトール混合ザイロック型フェノール樹脂のみをエポキシ化した場合、これらがつながった構造(D)ができる。この分子量が大きいため、粘度が高くなりやすいが、前述のような同時のエポキシ化を行えば、構造(D)の代わりに、構造(C)の生成することにより、比較的粘度が低くなりやすく、本発明の目的とする流動性の向上において好ましい。
このようにして得られる本発明のエポキシ樹脂混合物は、フェノール・ナフトール混合ザイロック型エポキシ樹脂(A)と置換もしくは無置換の4,4’−ビスグリシジルオキシビフェニル(B)を含むものとなる。
本発明のエポキシ樹脂混合物中のフェノール・ナフトール混合ザイロック型エポキシ樹脂(A)は、下記一般式(I)
Figure 2015067615
(式中、Arはナフタレン核(a)またはベンゼン核(b)を示し、かつ、(a):(b)=5:5〜9:1であり、Gはグリシジル基を示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、mは1または2であり、nは0〜15の整数である。)
で表されるエポキシ樹脂と置換もしくは無置換の4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニル(ただし、置換基をその芳香環に有する場合、置換基の数は4以下、炭素数は4以下である。)を含有する。ここで、ナフタレン核(a)は、下記骨格
Figure 2015067615
であり、Arがナフタレン核である場合には上記骨格が上記式(I)に導入される。そして、Arに結合する−(OG)m基、R基、ないし連結基は上記骨格の炭素原子に結合する。
また、ベンゼン核(b)は、下記骨格
Figure 2015067615
であり、Arがベンゼン核である場合には上記骨格が上記式(I)に導入される。そして、Arに結合する−(OG)m基、R基、ないし連結基は上記骨格の炭素原子に結合する。
置換もしくは無置換の4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニル(ただし、置換基をその芳香環に有する場合、置換基の数は4以下、炭素数は4以下である。)は4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニルを基本骨格とする化合物であり、具体的には下記式(2)
Figure 2015067615
(上記式中、複数存在するRは各々独立して存在し、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を、Gはグリシジル基を示し、kは1〜4の整数を表す。)
で表される構造を有する。
としては、全て水素原子が好ましい。
その具体例としては、4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニル、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニル等が挙げられる。発明においては、4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニル、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニルが好ましく、エポキシ樹脂混合物のハンドリング性から4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニルが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂混合物において、フェノール・ナフトール混合ザイロック型エポキシ樹脂(A)と置換もしくは無置換の4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニル(ただし、置換基をその芳香環に有する場合、置換基の数は4以下、炭素数は4以下である。)(B)の比率(重量比)はA/B=1〜10が好ましく、より好ましくは1.5〜7.5、特に好ましくは2.0〜6.0である。流動性の面から本範囲が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂混合物の形状としては、均質に混合し場合、結晶性を帯びた固形樹脂形状を持つことが好ましく、その際の軟化点はハンドリング性、また硬化時の成形性の問題から、30〜80℃、より好ましくは40〜70℃であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂混合物の好ましい樹脂特性としてはエポキシ当量が200〜450g/eq.であることが好ましく、より好ましくは220〜300g/eq.である。エポキシ当量が上記範囲内にあることで、硬化物の電気信頼性に優れたエポキシ樹脂を得ることができる。エポキシ当量が450g/eq.を越えている場合、エポキシの環が閉環しきらず、官能基を有さない化合物が多く含まれることが予想されるため、好ましくない。またこれら閉環しきらなかった化合物の多くには塩素が含有されている場合が多く、電子材料用途としては高温多湿条件での塩素イオンの遊離、およびそれによる配線の腐食が懸念されることから好ましくない。
また、本発明のエポキシ樹脂混合物に残存している全塩素としては5000ppm以下、より好ましくは3000ppm以下、特に2000ppm以下であることが好ましい。塩素量による悪影響については前述同様である。なお、塩素イオン、ナトリウムイオンについては各々5ppm以下が好ましく、より好ましくは3ppm以下である。塩素イオンは先に記載し、いうまでも無いが、ナトリウムイオン等のカチオンも、特にパワーデバイス用途においては非常に重要なファクターとなり、高電圧がかかった際の不良モードの一因となる。
本発明のエポキシ樹脂混合物は軟化点を有する樹脂上の形態を有する。ここで、軟化点としては30〜80℃が好ましく、より好ましくは40〜70℃である。軟化点が高すぎる場合、他の樹脂との混練の際に、ハンドリングが悪くなる等の問題が生じる。また、溶融粘度は2Pa・s(ICI 溶融粘度 150℃ コーンプレート法)以下であることが好ましい。無機材料(フィラー等)を混合して用いる場合、流動性が悪い、また、ガラスクロス等もその網目がより微細になっており、含浸性に劣る等の課題が生じる。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、硬化剤としてビフェニルノボラック型樹脂を必須成分として含有する。
ビフェニルノボラック型樹脂とは、ビフェニル骨格を有するノボラック樹脂であり、このようなものであれば特に制限なく使用することができる。
中でも、ビフェニル型フェノールアラルキル樹脂であることが好ましく、下記構造式で表されるフェノール樹脂が特に好ましいものの具体例として挙げられる。
Figure 2015067615
(上記式中、nは繰り返し数を表し、1〜100の整数を示す。)
上記フェノール樹脂において、nは、通常1〜100であり、好ましくは1〜50である。水酸基当量は通常80〜300g/eqであり、好ましくは90〜150g/eqである。軟化点は40〜150が好ましく、より好ましくは50〜80である。尚、上記フェノール樹脂においてベンゼン骨格に炭素数4以下のアルキル基が付加していても特に問題はない。
本発明の硬化性樹脂組成物において前記に記載のエポキシ樹脂混合物以外に他のエポキシ樹脂を併用することが出来る。併用する場合、前記に記載のエポキシ樹脂混合物の全エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。ただし、前記に記載のエポキシ樹脂混合物を硬化性樹脂組成物の改質剤として使用する場合は、1〜30重量%の割合で添加する。
他のエポキシ樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、アルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、等シルセスキオキサン系のエポキシ樹脂(鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基、および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂)等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の硬化性樹脂組成物が含有する他の硬化剤の具体例としては例えばフェノール樹脂、フェノール系化合物、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、カルボン酸系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては フェノール樹脂、フェノール化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、テルペンとフェノール類の縮合物などのポリフェノール類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
好ましいフェノール樹脂としては、フェノールアラルキル樹脂(芳香族アルキレン構造を有する樹脂)が挙げられ、特に好ましくはフェノール、ナフトール、クレゾールから選ばれる少なくとも一種を有する構造であり、そのリンカーとなるアルキレン部が、ベンゼン構造、ビフェニル構造、ナフタレン構造から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする樹脂(具体的にはザイロック、ナフトールザイロック、フェノールビフェニレンノボラック樹脂、クレゾール−ビフェニレンノボラック樹脂、フェノール−ナフタレンノボラック樹脂などが挙げられる。)である。
アミン系化合物、アミド系化合物;ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂などの含窒素化合物。
酸無水物系化合物、カルボン酸系化合物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、などの酸無水物。
各種アルコール、カルビノール変性シリコーン、と前述の酸無水物との付加反応により得られるカルボン酸樹脂。
その他;イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体の化合物などが挙げられる。
しかし、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。本発明においては特に信頼性の面からフェノール樹脂の使用が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物において硬化剤の使用量は、全エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
本発明の硬化性樹脂組成物においては、硬化剤とともに硬化促進剤を併用しても差し支えない。用い得る硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、テトラブチルアンモニウム塩、トリイソプロピルメチルアンモニウム塩、トリメチルデカニルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩、トリフェニルベンジルフォスフォニウム塩、トリフェニルエチルフォスフォニウム塩、テトラブチルフォスフォニウム塩などの4級フォスフォニウム塩が挙げられる。(4級塩のカウンターイオンはハロゲン、有機酸イオン、水酸化物イオンなど、特に指定は無いが、特に有機酸イオン、水酸化物イオンが好ましい。)、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。硬化促進剤を用いる場合は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、リン含有化合物を難燃性付与成分として含有させることもできる。リン含有化合物としては反応型のものでも添加型のものでもよい。リン含有化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−ジキシリレニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4'−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)等のリン酸エステル類;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のホスファン類;エポキシ樹脂と前記ホスファン類の活性水素とを反応させて得られるリン含有エポキシ化合物、赤リン等が挙げられるが、リン酸エステル類、ホスファン類またはリン含有エポキシ化合物が好ましく、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4'−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)またはリン含有エポキシ化合物が特に好ましい。リン含有化合物の含有量はリン含有化合物/全エポキシ樹脂=0.1〜0.6(重量比)が好ましい。0.1以下では難燃性が不十分であり、0.6以上では硬化物の吸湿性、誘電特性に悪影響を及ぼす懸念がある。
さらに本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤を添加しても構わない。使用できる酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系酸化防止剤が挙げられる。酸化防止剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。酸化防止剤の使用量は、本発明の硬化性樹脂組成物中の樹脂成分に対して100重量部に対して、通常0.008〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部である。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。フェノール系酸化防止剤の具体例として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、等のモノフェノール類;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルスルホン酸エチル)カルシウム等のビスフェノール類;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノール等の高分子型フェノール類が例示される。
イオウ系酸化防止剤の具体例として、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルル−3,3’−チオジプロピオネート等が例示される。
リン系酸化防止剤の具体例として、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト等のホスファイト類;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のオキサホスファフェナントレンオキサイド類などが例示される。
これらの酸化防止剤はそれぞれ単独で使用できるが、2種以上を組み合わせて併用しても構わない。
さらに本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて光安定剤を添加しても構わない。
光安定剤としては、ヒンダートアミン系の光安定剤、特にHALS等が好適である。HALSとしては特に限定されるものではないが、代表的なものとしては、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’―ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、等が挙げられる。HALSは1種のみが用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
さらに本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じてバインダー樹脂を配合することも出来る。バインダー樹脂としてはブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、NBR−フェノール系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バインダー樹脂の配合量は、硬化物の難燃性、耐熱性を損なわない範囲であることが好ましく、樹脂成分100重量部に対して通常0.05〜50重量部、好ましくは0.05〜20重量部が必要に応じて用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら無機充填剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物中において0〜95重量%を占める量が用いられる。更に本発明の硬化性樹脂組成物には、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、界面活性剤、染料、顔料、紫外線吸収剤等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明の硬化性樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば本発明のエポキシ樹脂と硬化剤並びに必要により硬化促進剤、リン含有化合物、バインダー樹脂、無機充填材及び配合剤とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合して硬化性樹脂組成物を得、その硬化性樹脂組成物をポッティング、溶融後(液状の場合は溶融無しに)注型あるいはトランスファー成型機などを用いて成型し、さらに80〜200℃で2〜10時間加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。
また本発明の硬化性樹脂組成物を必要に応じてトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の溶剤に溶解させ、硬化性樹脂組成物ワニスとし、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させて加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物とすることができる。この際の溶剤は、本発明の硬化性樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。また液状組成物であれば、そのまま例えば、RTM方式でカーボン繊維を含有するエポキシ樹脂硬化物を得ることもできる。
また本発明の硬化性樹脂組成物をフィルム型組成物の改質剤としても使用できる。具体的にはB−ステージにおけるフレキ性等を向上させる場合に用いることができる。このようなフィルム型の樹脂組成物は、本発明の硬化性樹脂組成物を前記硬化性樹脂組成物ワニスとして剥離フィルム上に塗布し、加熱下で溶剤を除去した後、Bステージ化を行うことによりシート状の接着剤として得られる。このシート状接着剤は多層基板などにおける層間絶縁層として使用することが出来る。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物は各種用途に使用できる。
硬化性樹脂組成物が使用される一般の用途としては、例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
封止剤、基板としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSIなど用のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TABなど用のといったポッティング封止、フリップチップなどの用のアンダーフィル、QFP、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)およびパッケージ基板などを挙げることができる。またネットワーク基板や、モジュール基板といった機能性が求められる基板用途へも好適である。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。
エポキシ当量: JIS K 7236 (ISO 3001) に準拠
ICI溶融粘度: JIS K 7117−2 (ISO 3219) に準拠
軟化点: JIS K 7234 に準拠
GPC:
カラム(Shodex KF−603、KF−602.5、KF−602、KF−601x2)
連結溶離液はテトラヒドロフラン
流速は0.5ml/min.
カラム温度は40℃
検出:RI(示差屈折検出器)
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
<耐熱性試験、難燃性試験>
硬化物の物性は以下の要領で測定した。
・耐熱性(DMA)
動的粘弾性測定器:TA−instruments、DMA−2980
測定温度範囲:−30〜280℃
温速度:2℃/分
試験片サイズ:5mm×50mmに切り出した物を使用した(厚みは約800μm)
Tg:Tan−δのピーク点をTgとした
硬化剤にビフェニルノボラック型樹脂(カヤハードGPH−65、日本化薬社製)を用いた本発明の硬化性樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化された硬化性樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。
評価の結果、耐熱性(DMA)は140℃、難燃性V−0であり、高耐熱かつ難燃性が確認された。
実施例2、比較例1
<弾性率試験>
エポキシ樹脂を表1の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、本発明の硬化性樹脂組成物を得た。この硬化性樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化された硬化性樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。弾性率試験結果も表1に示す。
なお、硬化物の物性は以下の要領で測定した。
・弾性率(250℃)
Figure 2015067615
本発明の硬化性樹脂組成物中の硬化剤としてビフェニルノボラック型樹脂(カヤハードGPH−65、日本化薬社製)を用いた硬化物(実施例2)は本発明の硬化性樹脂組成物中の硬化剤としてフェノールノボラック型樹脂を用いた硬化物(比較例1)と比較して弾性率が特異的に低くなることがわかる。
以上の結果から、本発明の硬化性樹脂組成物は流動性に優れ、さらにはその硬化物は耐熱性・難燃性に優れることが明らかであり、高機能化が求められる半導体封止材に有用であることがわかる。
さらに、ビフェニルノボラック型樹脂と組み合わせて硬化させることで弾性率が低くなり、半田リフロー時の反り低減に有用であることがわかる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 2015067615
    (式中、Arはナフタレン核(a)またはベンゼン核(b)を示し、かつ、モルの割合で(a):(b)=5:5〜9:1であり、Gはグリシジル基を示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、mは1または2であり、nは0〜15の整数である。)
    で表されるフェノール・ナフトール混合ザイロック型エポキシ樹脂と置換もしくは無置換の4,4´−ビスグリシジルオキシビフェニル(ただし、置換基をその芳香環に有する場合、置換基の数は4以下、炭素数は4以下である。)を含有することを特徴とするエポキシ樹脂混合物、および硬化剤としてビフェニルノボラック型樹脂を含有することを必須とする硬化性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の硬化性樹脂組成物を硬化することを特徴とする硬化物。
  3. 請求項2に記載の硬化物のうち、250℃における弾性率が2000MPa以下であることを特徴とする硬化物。
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