JP7240989B2 - 硬化性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

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本発明は、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物に関する。詳しくは、高信頼性半導体封止用を始めとする電気・電子部品絶縁材料用、及び積層板(プリント配線ガラス繊維強化複合材料)やCFRP(炭素繊維強化複合材料)を始めとする各種複合材料用、各種接着剤用、各種塗料用、構造用部材等に有用な硬化性樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
近年、電気・電子分野においてはその発展に伴い、半導体封止、基板(基板自体、もしくはその周辺材料)分野においては、その半導体の変遷に従い、薄層化、スタック化、システム化、高密度実装技術と複雑になっていき、非常に高いレベルの耐熱性(高Tgで低線膨張率)の樹脂で、かつ当然ながら半田リフローへの対応が必要となっており、同時に吸水率の低下、もしくは維持が求められている。なお、プラスチックパッケージの車載用途への拡大に伴い、耐熱性の向上要求がいっそう厳しくなっている。具体的には、半導体の駆動温度の上昇により、150℃以上の耐熱性が求められるようになってきている。更に、高密度実装技術の世界では、半導体コート剤や層間絶縁膜、導電性ペーストに使用される樹脂の硬化温度が非常に高いため、その硬化工程において、加熱時の膨張が大きいとシリコンウエハの反りやクラックの発生などが生じる等の問題が起きている(特許文献1)。
また、近年CFRPの適用範囲が大きくなり、様々な形状の成型体に使用されてきている。この場合、単一の基材、もしくは複数の基材を貼り合わせることでこれらの複雑な形状を成型する必要がある。こういった成型体は車や飛行機といった温度環境の厳しい環境下で使用されることが想定され、できるだけ樹脂自体の耐熱性が高く、強度・強靭性の高いマトリックス樹脂が求められている。
特開2006-188622号公報
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、高温弾性率が高いエポキシ樹脂及びその硬化物を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、分子内に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂、重量平均分子量400~10万の2官能エポキシ樹脂、アミン系硬化剤、および触媒(硬化促進剤)を含有する硬化性樹脂組成物が高温における弾性特性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の[1]~[6]に関する。
[1]
分子内に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂(A)、重量平均分子量400~10万の2官能エポキシ樹脂(B)、アミン系硬化剤(C)、および硬化促進剤(D)を含有する硬化性樹脂組成物。
[2]
前記成分(A)のエポキシ当量が60~400g/eqである前項[1]に記載の硬化性樹脂組成物。
[3]
前記成分(B)のエポキシ当量が200~50000g/eqである前項[1]又は[2]に記載の硬化性樹脂組成物。
[4]
前記成分(C)が芳香族アミンである前項[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
[5]
前記成分(D)が有機フォスフィン類である前項[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
[6]
前項[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
本発明は、分子内に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂(A)、重量平均分子量400~10万の2官能エポキシ樹脂(B)、アミン系硬化剤(C)、および硬化促進剤(D)を含有する硬化性樹脂組成物に関するものであり、その硬化物は高温における弾性特性に優れる。
本発明の実施例1のDMAチャートである。 本発明の比較例1のDMAチャートである。 本発明の実施例2のDMAチャートである。 本発明の比較例2のDMAチャートである。 本発明の実施例3、比較例3の曲げ試験チャートである。
以下、本発明の硬化性樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、分子内に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂(以下、単に「成分(A)」ともいう。)、重量平均分子量400~10万の2官能エポキシ樹脂(以下、単に「成分(B)」ともいう。)、アミン系硬化剤(以下、単に「成分(C)」ともいう。)、および硬化促進剤(以下、単に「成分(D)」ともいう。)を含有する。
成分(A)は、分子内に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば、特に限定されず、単独で用いても2種以上併用してもよい。
成分(A)の具体例としては、ポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂、ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型のエポキシ樹脂、テトラキスフェノールエタン型のエポキシ樹脂、芳香族多官能エポキシ樹脂の核水素化物、複素環式多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル系多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン系多官能エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化した多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中で、ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型のエポキシ樹脂、テトラキスフェノールエタン型のエポキシ樹脂、グリシジルアミン系多官能エポキシ樹脂が好ましい。
ポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’-ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル-4,4’-ビフェノール、ジメチル-4,4’-ビフェニルフェノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1-ジ-4-ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂が挙げられる。
ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等のフェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂等のノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物が挙げられる。
トリスフェノールメタン型のエポキシ樹脂としては、フェノールおよび/または炭素数1~4の炭化水素基を1もしくは2つ有する置換フェノールとパラおよび/またはオルソ位にヒドロキシ基を有するベンズアルデヒドとの重縮合物のグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
テトラキスフェノールエタン型のエポキシ樹脂としては、フェノールおよび/または炭素数1~4の炭化水素基を1もしくは2つ有する置換フェノールとグリオキザールとの重縮合物のグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
芳香族多官能エポキシ樹脂の核水素化物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’-ビフェノール等のフェノール化合物のグリシジルエーテル化物、またはフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等のフェノールを原料とするグリシジルエーテル化物の核水素化物等が挙げられる。
複素環式多官能エポキシ樹脂としてはイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式多官能エポキシ樹脂が挙げられる。
グリシジルエステル系多官能エポキシ樹脂としてはヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸類からなる多官能エポキシ樹脂が挙げられる。
グリシジルアミン系エポキシ樹脂としてはテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)やトリグリシジル-p-アミノフェノール(TGPAP)等の多官能エポキシ樹脂が挙げられる。
ハロゲン化フェノール類をグリシジル化した多官能エポキシ樹脂としてはブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化した多官能エポキシ樹脂が挙げられる。
成分(A)は、常温において、液体であっても固体であっても構わない。常温において固体であるときは、軟化点は100℃以下、さらに80℃以下が好ましく、特に好ましくは70℃以下である。他の成分を配合することから100℃以上の軟化点の場合、配合時に溶解性がわるく、生産性に問題が生じる。特に好ましい樹脂の性状の範囲としては液状(室温で流動性を有する。または軟化点が室温を下回る。)~軟化点70℃である。
成分(A)のエポキシ当量は60~400g/eqであるときが好ましく、80~300g/eqであるときがさらに好ましく、100~200g/eqであるときが特に好ましい。エポキシ当量が80g/eqを下回る場合、十分な靱性が発現できず、エポキシ当量が400g/eqを上回る場合、架橋ネットワークが粗となるため耐熱性が低下する。
成分(B)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算で重量平均分子量400~10万であり、分子内にエポキシ基を2個含有するエポキシ樹脂であれば、特に限定されず、単独で用いても2種以上併用してもよい。
成分(B)の具体例としては、ビスフェノール型および/またはビフェノール型の高分子量エポキシ樹脂である。
ビスフェノール型および/またはビフェノール型の高分子量エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’-ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル-4,4’-ビフェノール、ジメチル-4,4’-ビフェニルフェノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1-ジ-4-ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂が挙げられる。
これらの中で、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’-ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル-4,4’-ビフェノール、ジメチル-4,4’-ビフェニルフェノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂が好ましい。
成分(B)は、常温において、液体であっても固体であっても構わない。常温において固体であるときは、軟化点は通常40~200℃であり、好ましくは60~180℃、更に好ましくは70~120℃である。軟化点が40℃以下である場合、半固形で取り扱いが難しく、軟化点が200℃を超える場合、組成物化する際に混練が困難となる等の問題が生じる。
成分(B)の重量平均分子量は通常400~10万であるが、好ましくは400~50000であり、さらに好ましくは600~10000である。エポキシ当量は200~50000g/eqであるときが好ましく、200~25000g/eqであるときがさらに好ましく、300~5000g/eqであるときが特に好ましい。分子量400またはエポキシ当量が200g/eqを下回る場合、十分な靱性が発現できず、分子量10万またはエポキシ当量が50000g/eqを上回る場合、架橋ネットワークが粗となるため耐熱性が低下する。
成分(A)および成分(B)は、市販のエポキシ樹脂を使用しても、フェノール化合物等をグリシジル化して使用してもよい。合成する場合、例えば、フェノール化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得ることができる。エピハロヒドリンの使用量はフェノール化合物の水酸基1モル(複数種使用する場合はトータルの水酸基1モル;以下同様)に対し通常1.0~20.0モル、好ましくは1.2~6.0モルである。
上記反応においてはアルカリ金属水酸化物を使用することができる。アルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。アルカリ金属水酸化物は固形物であっても、その水溶液を使用してもよい。水溶液を使用する場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液して水を除去し、エピハロヒドリンを反応系内に連続的に戻す方法でもよい。アルカリ金属水酸化物の使用量はフェノール化合物の水酸基1モルに対して通常0.9~2.5モルであり、好ましくは0.95~1.5モルである。アルカリ金属水酸化物の使用量が少ないと反応が十分に進行しない。一方で、フェノール化合物の水酸基1モルに対して2.5モルを超えるアルカリ金属水酸化物の過剰使用は不必要な廃棄物の副生を招く。
上記反応においては、反応を促進するためにテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加しても良い。4級アンモニウム塩の使用量としてはフェノール化合物の水酸基1モルに対し通常0.1~15gであり、好ましくは0.2~10gである。使用量が少なすぎると十分な反応促進効果が得られず、使用量が多すぎるとエポキシ樹脂中に残存する4級アンモニウム塩量が増えてしまうため、電気信頼性を悪化させる原因ともなり得る。
上記反応においては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが反応進行上好ましい。
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの使用量に対し通常2~50重量%、好ましくは4~20重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの使用量に対し通常5~100重量%、好ましくは10~80重量%である。
反応温度は通常30~90℃であり、好ましくは35~80℃である。反応時間は通常0.5~10時間であり、好ましくは1~8時間である。
反応終了後、反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去することによりエポキシ樹脂が得られる。また、加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることもできる。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はグリシジル化に使用したフェノール化合物の水酸基1モルに対して通常0.01~0.3モル、好ましくは0.05~0.2モルである。反応温度は通常50~120℃、反応時間は通常0.5~2時間である。
なお、成分(B)においては1種類以上の二官能エポキシ樹脂と1種類以上の二官能フェノール化合物を反応させる手法(フュージョン法、アドバンスド法)により製造しても構わない。
二官能エポキシ樹脂としてはビスフェノール型および/またはビフェノール型の高分子量エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’-ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル-4,4’-ビフェノール、ジメチル-4,4’-ビフェニルフェノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1-ジ-4-ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂が挙げられる。
これらの中で、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’-ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル-4,4’-ビフェノール、ジメチル-4,4’-ビフェニルフェノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂が好ましい。
二官能フェノール化合物としてはビスフェノール型および/またはビフェノール型のフェノール化合物であり、具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’-ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル-4,4’-ビフェノール、ジメチル-4,4’-ビフェニルフェノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1-ジ-4-ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類が挙げられる。
これらの中で、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’-ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル-4,4’-ビフェノール、ジメチル-4,4’-ビフェニルフェノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)が好ましい。
成分(C)はアミン系硬化剤であれば特に限定されず、単独で用いても2種以上併用してもよい。成分(C)としては、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、2,2’-ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’,5,5’-テトラメチルジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’,5,5’-テトラエチルジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’,5,5’-テトライソプロピルジフェニルメタン、4,4’-メチレンビス(N-メチルアニリン)、ビス(アミノフェニル)フルオレン、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,3’-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-(1,3-フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’-(1,4-フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、ナフタレンジアミン、ベンジジン、ジメチルベンジジン、国際公開第2017/170551号合成例1および合成例2に記載の芳香族アミン化合物等の芳香族アミン化合物、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、ノルボルナンジアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ダイマージアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン等が挙げられる。ポットライフを確保するためには芳香族アミンを使用することが好ましく、即硬化性を付与したい場合には脂肪族アミンを使用することが好ましい。2官能成分を主成分として含有するアミン系化合物を硬化剤として用いることで、硬化反応時、熱可塑性樹脂に類似の直線性の高いネットワークを構築することができ、特に優れた強靭性を発現することができる。
成分(C)の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.5~1.5当量が好ましく、0.6~1.2当量が特に好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.5当量に満たない場合、あるいは1.5当量を超える場合、いずれも硬化が不完全になり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
成分(D)は硬化促進剤であれば特に限定されず、単独で用いても2種以上併用してもよい。成分(D)としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機フォスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2-エチル-4-メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N-メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフトエ酸、サリチル酸等のカルボン酸系化合物などが挙げられる。成分(D)は有機フォスフィン類であることが好ましく、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンが特に好ましい。成分(D)は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01~15重量部が必要に応じて用いられ、0.1~3重量部であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、成分(A)、成分(B)以外のエポキシ樹脂を併用しても良い。併用しうるエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)もしくはフェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物;前記フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物;前記フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ビスアルコキシメチル類(ビスメトキシメチルベンゼン、ビスメトキシメチルビフェニル、ビスフェノキシメチルビフェニル等)との重縮合物;前記ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物またはアルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は成分(C)以外の硬化剤を併用しても良い。例えば、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、活性エステル化合物などが挙げられる。併用しうる硬化剤の具体例としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等のアミド系化合物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系化合物;ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)もしくはフェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、または前記フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、または前記フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、または前記フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、または前記フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、または前記フェノール類と芳香族ビスアルコキシメチル類(ビスメトキシメチルベンゼン、ビスメトキシメチルビフェニル、ビスフェノキシメチルビフェニル等)との重縮合物、または前記ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、及びこれらの変性物等のフェノール系化合物;イミダゾール、トリフルオロボラン-アミン錯体、グアニジン誘導体;フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の活性エステル化合物;などが挙げられるがこれらに限定されることはない。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて無機充填剤を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら無機充填剤は、用途によりその使用量は異なるが、例えば半導体の封止剤用途に使用する場合は硬化性樹脂組成物の硬化物の耐熱性、耐湿性、力学的性質、難燃性などの面から硬化性樹脂組成物中で20重量%以上占める割合で使用することが好ましく、より好ましくは30重量%以上であり、特にリードフレームとの線膨張率を向上させるために70~95重量%を占める割合で使用することがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じてガラス繊維(ガラスクロス)や炭素繊維を組み合わせることができる。炭素繊維としてはPAN系、ピッチ系などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これらガラス繊維(ガラスクロス)や炭素繊維は、用途によりその使用量は異なるが、特性面から硬化性樹脂組成物中で10~70重量%の割合で使用することが好ましく、より好ましくは15重量%以上である。
本発明の硬化性樹脂組成物は成形時の金型との離型を良くするために離型剤を配合することができる。離型剤としては従来公知のものいずれも使用できるが、例えばカルナバワックス、モンタンワックスなどのエステル系ワックス、ステアリン酸、パルチミン酸などの脂肪酸およびこれらの金属塩、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上併用しても良い。これら離型剤の配合量は全有機成分に対して0.5~3重量%が好ましい。これより少なすぎると金型からの離型が悪く、多すぎるとリードフレームなどとの接着が悪くなる。
本発明の硬化性樹脂組成物は無機充填剤やガラス繊維(ガラスクロス)や炭素繊維と樹脂成分との接着性を高めるためにカップリング剤を配合することができる。カップリング剤としては従来公知のものをいずれも使用できるが、例えばビニルアルコキシシラン、エポキアルコキシシラン、スチリルアルコキシシラン、メタクリロキシアルコキシシラン、アクリロキシアルコキシシラン、アミノアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン、イソシアナートアルコキシシランなどの各種アルコキシシラン化合物、アルコキシチタン化合物、アルミニウムキレート類などが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上併用しても良い。カップリング剤の添加方法は、カップリング剤であらかじめ無機充填剤表面を処理した後、樹脂と混練しても良いし、樹脂にカップリング剤を混合してから無機充填剤を混練しても良い。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することができる。用いうる添加剤の具体例としては、ポリブタジエン及びこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、フッ素樹脂、マレイミド系化合物、シアネートエステル系化合物、シリコーンゲル、シリコーンオイル、並びにカーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色剤などが挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することにより得られる。本発明の硬化性樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤、硬化促進剤、並びに必要により各種添加剤とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール、混合釜等を用いて混合することより本発明の硬化性樹脂組成物を得て、これを溶融注型法あるいはトランスファー成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法、シート化し、プリプレグ化などによって成型し、更に80~200℃で2~10時間に加熱することにより硬化物を得ることができる。
また本発明の硬化性樹脂組成物は溶剤を含有してもよい。溶剤を含む硬化性樹脂組成物(ワニス)はガラス繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの繊維状物質(基材)に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物とすることができる。この硬化性樹脂組成物の溶剤含量は、内割りで通常10~70重量%、好ましくは15~70重量%である。溶剤としては例えばγ-ブチロラクトン類、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤;テトラメチレンスルホン等のスルホン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、好ましくは低級(炭素数1~3)アルキレングリコールのモノ又はジ低級(炭素数1~3)アルキルエーテル;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、好ましくは2つのアルキル基が同一でも異なってもよいジ低級(炭素数1~3)アルキルケトン;トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤等が挙げられる。これらは単独であっても、また2以上の混合溶媒であってもよい。
本発明の硬化物は各種用途に使用できる。詳しくはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される一般の用途が挙げられ、例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
封止剤としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSI用などのポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TABなどのポッティング封止、フリップチップ用のアンダーフィル、QFP、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)などを挙げることができる。
また、本発明の硬化物は、ノイズ防止用トロイダルコア、チョークコイル、電子ビーム用偏向ヨーク、変圧器や高周波部品の磁心、磁気ヘッド等、さらには家電製品または自動車等に使用されるモーター用ボンド磁石類等、樹脂結合型金属成型部品としても有用である。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部は重量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。
<エポキシ当量>
JIS K-7236に準拠して測定。
<軟化点>
JIS K-7234に準拠して測定。
[合成例1]
温度計、冷却管、分留管、撹拌機を取り付けたフラスコに窒素パージを施しながら、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂(商品名YX-4000H ジャパンエポキシレジン株式会社製)380部、4、4’-ビフェノール98部、メチルイソブチルケトン100部を仕込み、撹拌下で100℃まで昇温した後、トリフェニルホスフィン0.7部を添加し、100℃3時間、120℃で10時間反応させた後、メチルイソブチルケトンを留去することで、樹脂状固体としてエポキシ樹脂(EP1)を得た。得られた樹脂の軟化点は84℃であり、エポキシ当量は504g/eqであった。
[実施例1、2、比較例1、2]
表1の割合(重量部)で成分(A)~(D)を配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練したのち、120℃で注型後、200℃で6時間の条件で硬化し、評価用試験片を得た。
<耐熱性試験>
・ガラス転移温度:貯蔵弾性率の接線から算出。
動的粘弾性測定器:TA-instruments製DMA-2980
昇温速度:2℃/分
Figure 0007240989000001
Figure 0007240989000002
表1より、実施例1、2は、比較例1、2と比較して150℃における貯蔵弾性率が高いことが確認された。
[合成例2]
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら3,3’,5,5’-テトラメチルビフェノール121部、エピクロロヒドリン370部、イソプロパノール40部、テトラメチルアンモニウムクロライド1部を加え、撹拌下で溶解し、70℃まで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム41部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間反応を行った。反応終了後,水洗を行い、塩を除去した後、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤類を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン300部を加え溶解し、撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液30部を加え、70℃で1時間反応を行った後、油層の洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去した後、メチルイソブチルケトン50部、4、4’-ビフェノール42部を加え、撹拌下で100℃まで昇温した後、トリフェニルホスフィン0.55部を添加し、100℃で35時間反応させた後、メチルイソブチルケトンを留去することで、樹脂状固体としてエポキシ樹脂(EP2)を得た。得られた樹脂の軟化点は75℃であり、エポキシ当量は421g/eqであった。
[実施例3、比較例3]
成分(A)として4,4’-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)(東京化成工業社製)を57部、成分(B)として合成例2で合成したエポキシ樹脂(EP2)57部、成分(C)としてDDS(4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、和歌山精化社製)25部を配合し、150℃で溶融し樹脂組成物(S1)を得た。さらに、この樹脂組成物(S1)40部に対し、トリフェニルホスフィン(北興化学社製)0.2部を加え、均一に溶解し、樹脂組成物(S2)を得た。
樹脂組成物(S1、S2)を各々120℃に昇温し、金型に注型、その後200℃で6時間硬化させて評価用試験片を得た。樹脂組成物(S1)の評価用試験片を比較例3、樹脂組成物(S2)を実施例3として、曲げ試験(JISK-6911に準拠)を行った結果を図5に示す。
図5より、実施例3と比較例3の最大応力はほぼ同等であるが、実施例3は破断伸度が非常に良好であり、強靭性に優れることが確認された。
本発明の硬化性樹脂組成物は、電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、BGA用基板、ビルドアップ基板など)、接着剤(導電性接着剤など)やCFRPを始めとする各種複合材料用、塗料等の用途に有用である。

Claims (4)

  1. 分子内に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂(A)、重量平均分子量400~10万の2官能エポキシ樹脂(B)、アミン系硬化剤(C)、および硬化促進剤(D)を含有する硬化性樹脂組成物であって、前記成分(A)のエポキシ当量が60~165g/eqであり、前記成分(D)が有機フォスフィン類である硬化性樹脂組成物。
  2. 前記成分(B)のエポキシ当量が200~50000g/eqである請求項に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記成分(C)が芳香族アミンである請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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