JP2010001379A - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP2010001379A
JP2010001379A JP2008161260A JP2008161260A JP2010001379A JP 2010001379 A JP2010001379 A JP 2010001379A JP 2008161260 A JP2008161260 A JP 2008161260A JP 2008161260 A JP2008161260 A JP 2008161260A JP 2010001379 A JP2010001379 A JP 2010001379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
parts
bisphenol
epoxy
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008161260A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5220488B2 (ja
Inventor
Masataka Nakanishi
政隆 中西
Katsuhiko Oshimi
克彦 押見
Koichi Kawai
宏一 川井
Takao Sunaga
高男 須永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2008161260A priority Critical patent/JP5220488B2/ja
Publication of JP2010001379A publication Critical patent/JP2010001379A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5220488B2 publication Critical patent/JP5220488B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】本発明は、電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用であるエポキシ樹脂であって、難燃性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂、および、これを使用した硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】フェノール化合物混合体と、エピハロヒドリンの反応によって得られるエポキシ樹脂であって、フェノール化合物混合体のうち、少なくともビスフェノールSとビフェノールを構成成分に有することを特徴とするエポキシ樹脂。
【選択図】なし

Description

本発明は電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等、中でも特に積層板等の用途に有用であり、金属箔張り積層板、ビルドアップ基板用絶縁材料、フレキシブル基板材料などに有用であるエポキシ樹脂組成物を与えるエポキシ樹脂に関する。
エポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
しかし近年、電気・電子分野においてはその発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、密着性、誘電特性、充填剤を高充填させるための低粘度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等の諸特性の一層の向上が求められている。又、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料が求められている。特に半導体封止分野、基板分野(基板自体、もしくはその周辺材料)においては薄型化が年々高度になり、材料に求められる特性として耐熱性はもちろんのこと、低粘度が求められるようになってきている。更に環境問題から、近年、難燃剤としてハロゲン系エポキシ樹脂と三酸化アンチモンが特に電気電子部品の難燃剤として多用されているが、これらを使用した製品はその廃棄後の不適切な処理により、ダイオキシン等の有毒物質の発生に寄与することが指摘されている。上記の問題を解決する方法の一つとして、リン原子を骨格に有するエポキシ樹脂が提案されている。特に、通常のリン酸エステルタイプの化合物はその安定性が低いため、安定性の良い、環状リン酸エステル化合物が使用されている。またリン酸エステル化合物を使用しなくても、樹脂骨格を選ぶことで従来のエポキ樹脂に比べ難燃性に優れたものが開発されてきている。現在、特に一般に「ハロゲンフリー、リンフリー」と呼ばれる難燃性が求められていている。このようなエポキシ樹脂としてはフェノール−ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(具体的には日本化薬株式会社製NC−3000シリーズ)等が挙げられるが製造工程が複雑であり、より簡便で難燃性に優れるエポキシ樹脂の開発が望まれている。
特開平11−140162号公報
本発明の目的は電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用であるエポキシ樹脂であって、難燃性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂、および、これを使用した硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するため鋭意研究の結果、本発明を完成した。即ち、本発明は、
(1)
一分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する2種以上の化合物からなる混合体(フェノール化合物混合体)と、エピハロヒドリンの反応によって得られるエポキシ樹脂であって、該フェノール化合物混合体が、少なくともビスフェノールSとビフェノール含むことを特徴とするエポキシ樹脂
(2)
エポキシ当量が190〜300g/eq.である上記(1)に記載のエポキシ樹脂
(3)
下記式(1)
Figure 2010001379
(式中、複数あるXはそれぞれ独立して存在し、−SO−あるいは直接結合を示す。nは繰り返し数であり、0〜20である。)
で表される化合物を主成分とし、式(1)におけるnが1以上である化合物の含有割合が5〜85重量%である上記(1)または(2)に記載のエポキシ樹脂
(4)
上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂、および硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物
(5)
上記(4)に記載のエポキシ組成物を硬化してなる硬化物
に関する。
本発明のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物はリン系化合物などの難燃剤を含有せずに難燃性を発現し、組成物中のリン系化合物などの難燃剤の低減に寄与するエポキシ樹脂である。したがって、本発明のエポキシ樹脂組成物は、電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。
本発明のエポキシ樹脂は、ビスフェノールS及びビフェノールを主成分とするフェノール化合物混合体をエポキシ化することで得られるエポキシ樹脂である。反応方法には特に限定はないが、ビスフェノールS、ビフェノールを一括、あるいは段階的にエピハロヒドリンと反応させることで得られる(具体的な反応方法例については後述する)。
通常、ビスフェノールSやビフェノールはそれぞれ単独でエポキシ化しようとするとその結晶性が非常に高いため、エポキシ化が非常に難しく、合成は可能であったとしても工業的に非常に負荷のかかる製造方法を採用する必要があった。工業的に生産できる化合物としては例えば、ビスフェノールSとビスフェノールAとの混合物をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂が販売されている。しかしながらこれはビスフェノールAが結晶化しにくいことを利用して全体の結晶性を落とし、合成したものである。本発明の手法を用いればビスフェノールS、ビフェノールを混合して同時にエポキシ化することで互いの結晶性を抑制しつつ、生産性に問題のない製法で合成ができる。
本発明において使用できるビスフェノールSとは好ましくは4、4’−ビス(ヒドロキシフェニル)スルホンであるが、他の構造異性体でも構わない。また本発明において主として使用できるビフェノールとは4,4’−ビフェノールである。フェノール化合物混合体中、これらビスフェノールS、ビフェノールの総量は全フェノール化合物混合体中、60〜100重量%である。またビスフェノールSとビフェノールの比は重量比で55:45〜95:5、好ましくは10:90〜65:35、さらに好ましくは15:85〜30:70である。この比の範囲を外れた場合、エポキシ化の際に結晶が析出し、エポキシ化の際に副生される塩が結晶に取り込まれる結果、生成物中にイオン性不純物が残存する可能性がある。または均一な樹脂を取り出すことができず、できたエポキシ樹脂を取り出した場合、取り出す場所によって成分比がかわり、物性が異なってしまう可能性がある。
本発明におけるフェノール化合物混合体は、ビスフェノールS、ビフェノール以外の他のフェノール化合物を含有させることができる。他のフェノール化合物としては、分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されず、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等);フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物;前記フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物;前記フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ビスアルコキシメチル類(ビスメトキシメチルベンゼン、ビスメトキシメチルビフェニル、ビスフェノキシメチルビフェニル等)との重縮合物;前記ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。他のフェノール類の使用量は、フェノール化合物混合体中で50重量%以下、好ましくは40重量%以下となる割合で使用される。50重量%を超えると、目的とする特性が発揮できなくなる。
本発明のエポキシ樹脂を得る反応において、フェノール化合物混合体にエピハロヒドリンとビスフェノールSまたはビフェノールとの反応物であるエポキシ樹脂を混合して合成することもできる。このような手段を採用すると結晶の析出が抑制されたり、析出したとしてもハンドリングが容易になったりする。
このような手段において使用できるエポキシ樹脂としては、一般にビスフェノールS型エポキシ樹脂といわれる化合物であるビス(グリシジルオキシフェニル)スルホンを主成分とするエポキシ樹脂(ビスフェノールSとビスフェノールAの混合体のエポキシ化物を含む)、ビス(グリシジルオキシ)ビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂(ビスフェノールFとビフェノールの混合エポキシ化物を含む)が挙げられ、両者を併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂は、前記のようなビスフェノール化合物混合体やこれとビスフェノールSまたはビフェノールのエポキシ化物の混合物をアルカリ金属水酸化物の存在下に、エピハロヒドリンと反応させて得ることができる。
本発明において使用できるエピハロヒドリンとしてはエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン等の化合物が挙げられ、市場からの入手の簡便さからエピクロロヒドリンが好ましい。
エピハロヒドリンの使用量はフェノール化合物混合体のトータルの水酸基1モルに対し通常1.0〜10.0モル、好ましくは1.0〜5.0モル、さらに好ましくは2.0〜4.0モルである。
本反応において使用できるアルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。アルカリ金属水酸化物は固形物であっても、その水溶液を使用してもよい。水溶液を使用する場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液して水を除去し、エピハロヒドリンを反応系内に連続的に戻す方法でもよい。アルカリ金属水酸化物の使用量はフェノール化合物混合体のトータルの水酸基1モルに対して通常0.3〜2.5モルであり、好ましくは0.5〜2.0モルである。
反応を促進するためにテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加することは好ましい。4級アンモニウム塩の使用量としてはフェノール化合物混合体のトータルの水酸基1モルに対し通常0.1〜15gであり、好ましくは0.2〜10gである。
この際、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが反応進行上好ましい。
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの使用量に対し通常2〜50重量%、好ましくは4〜25重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの使用量に対し通常5〜200重量%、好ましくは10〜150重量%である。
反応温度は通常30〜90℃であり、好ましくは35〜80℃である。反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間である。
反応終了後、反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用したフェノール化合物混合体の水酸基の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下溶剤を留去することにより本発明のエポキシ樹脂が得られる。
以上のようにして得られる本発明のエポキシ樹脂は使用の形態によって樹脂状、あるいは結晶粉体として取り扱うことができる。すなわち、樹脂状として取り扱う場合は溶融状態でそのまま過冷却することで樹脂状物(0℃〜室温において)にすることが可能である。さらには反応の終了時点で溶剤を回収せずに濃度、温度を調整することで再結晶、あるいはいったん樹脂状物として取り出した後、別途溶剤中で結晶を析出させることも可能である。特に封止材等の用途であれば樹脂状のものが使用しやすく、レジスト用途等、貯蔵安定性、熱安定性が求められる用途においては結晶粉体が好ましい場合が多い。
本発明のエポキシ樹脂のうち最も好ましい態様である、ビスフェノールSとビフェノールのみからなるフェノール化合物混合体を使用して得られるエポキシ樹脂は、下記式(1)
Figure 2010001379
(式中、複数あるXはそれぞれ独立して存在し、−SO−あるいは直接結合を示す。nは繰り返し数であり、0〜20である。)
で表される化合物を主成分とする。式(1)におけるn≧1の化合物が含有されているかどうか、またその含有割合は、理論エポキシ当量、すなわち、フェノール化合物混合体中のフェノール性水酸基が全てエポキシ化されたと仮定したエポキシ当量と、得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量の実測値とを比較することで推定できる。エポキシ当量の実測値が、理論当量より大きくなるに伴い、フェノール化合物同士が3−ヒドロシキプロピリデン基を介して結合している割合が多くなり、式(1)におけるn≧1の化合物の割合が多くなる。最も好ましい本発明のエポキシ樹脂中の式(1)の化合物の割合は、通常60重量%以上と推定される、このうち5〜85重量%がn≧1の化合物であると推定される。n≧1の化合物の含有割合を直接測定することは困難であるが、LC−MS等を使用することで算出することも可能である。
前記最も好ましい本発明のエポキシ樹脂のエポキシ当量は通常170〜500g/eq.であり、好ましくは190〜300g/eq.である。
またそのエポキシ当量から概算した重量平均分子量が340〜1000、好ましくは380〜600であるものが好ましい。重量平均分子量が1000を超える場合、軟化点が非常に高くなり、取り扱いが困難になる。またその軟化点(もしくは融点)は取り扱いのし易さから40〜150℃であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂は、硬化剤と混合して本発明のエポキシ樹脂組成物として使用されるが、この用途以外にもエポキシアクリレート、およびその誘導体、カーボネート樹脂、オキサゾリドン樹脂等へ誘導することもできる。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は本発明のエポキシ樹脂と硬化剤を含有する。本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂が全エポキシ樹脂中に占める割合は5重量%以上が好ましく、特に10重量%以上が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂と併用されうる他のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)もしくはフェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物;前記フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物;前記フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ビスアルコキシメチル類(ビスメトキシメチルベンゼン、ビスメトキシメチルビフェニル、ビスフェノキシメチルビフェニル等)との重縮合物;前記ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物またはアルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。使用できる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン等のアミン系化合物;ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等のアミド系化合物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系化合物;ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)もしくはフェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、または前記フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、または前記フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、または前記フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、または前記フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、または前記フェノール類と芳香族ビスアルコキシメチル類(ビスメトキシメチルベンゼン、ビスメトキシメチルビフェニル、ビスフェノキシメチルビフェニル等)との重縮合物、または前記ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、及びこれらの変性物等のフェノール系化合物;イミダゾ−ル、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられるがこれらに限定されることはない。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.5〜1.5当量が好ましく、0.6〜1.2当量が特に好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.5当量に満たない場合、あるいは1.5当量を超える場合、いずれも硬化が不完全になり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を併用しても差し支えない。使用できる硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。硬化促進剤を使用する場合の使用量はエポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用いられる。
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤まを添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら無機充填剤は、用途によりその使用量は異なるが、例えば半導体の封止剤用途に使用する場合はエポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性、耐湿性、力学的性質、難燃性などの面からエポキシ樹脂組成物中で20重量%以上占める割合で使用するのが好ましく、より好ましくは30重量%以上であり、75〜95重量%を占める割合で使用するのがより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には成形時の金型との離型を良くするために離型剤を配合することができる。離型剤としては従来公知のものいずれも使用できるが、例えばカルナバワックス、モンタンワックスなどのエステル系ワックス、ステアリン酸、パルチミン酸などの脂肪酸およびこれらの金属塩、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上併用しても良い。これら離型剤の配合量は全有機成分に対して0.5〜3重量%が好ましい。これより少なすぎると金型からの離型が悪く、多すぎるとリードフレームなどとの接着が悪くなる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には無機充填剤と樹脂成分との接着性を高めるためにカップリング剤を配合することができる。カップリング剤としては従来公知のものをいずれも使用できるが、例えばビニルアルコキシシラン、エポキアルコキシシラン、スチリルアルコキシシラン、メタクリロキシアルコキシシラン、アクリロキシアルコキシシラン、アミノアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン、イソシアナートアルコキシシランなどの各種アルコキシシラン化合物、アルコキシチタン化合物、アルミニウムキレート類などが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上併用しても良い。カップリング剤の添加方法は、カップリング剤であらかじめ無機充填剤表面を処理した後、樹脂と混練しても良いし、樹脂にカップリング剤を混合してから無機充填剤を混練しても良い。
更に本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することが出来る。用いうる添加剤の具体例としては、ポリブタジエン及びこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、フッ素樹脂、マレイミド系化合物、シアネートエステル系化合物、シリコーンゲル、シリコーンオイル、並びにカーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色剤などが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば、エポキシ樹脂と硬化剤、並びに必要により硬化促進剤、無機充填剤等とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合することより本発明のエポキシ樹脂組成物を得て、これを溶融注型法あるいはトランスファー成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法などによって成型し、更に80〜200℃で2〜10時間に加熱することにより硬化物を得ることができる。
また本発明のエポキシ樹脂組成物は場合により溶剤を含んでいてもよい。溶剤を含むエポキシ樹脂組成物(エポキシ樹脂ワニス)はガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物とすることができる。このエポキシ樹脂組成物の溶剤含量は、内割りで通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%程度である。溶剤としては例えばγ−ブチロラクトン類、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤;テトラメチレンスルフォン等のスルフォン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、好ましくは低級(炭素数1〜3)アルキレングリコールのモノ又はジ低級(炭素数1〜3)アルキルエーテル;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、好ましくは2つのアルキル基が同一でも異なってもよいジ低級(炭素数1〜3)アルキルケトン;トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤等が挙げられる。これらは単独であっても、また2以上の混合溶媒であってもよい。
また、剥離フィルム上に前記エポキシ樹脂ワニスを塗布し加熱下で溶剤を除去、Bステージ化を行うことによりシート状の接着剤を得ることが出来る。このシート状接着剤は多層基板などにおける層間絶縁層として使用することが出来る。
本発明で得られる硬化物は各種用途に使用できる。詳しくはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される一般の用途が挙げられ、例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
封止剤としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSIなど用のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TABなど用のといったポッティング封止、フリップチップなどの用のアンダーフィル、QFP、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)などを挙げることができる。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例において、エポキシ当量はJIS K−7236、軟化点はJIS K−7234に準じた方法で測定した。
実施例1
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらビスフェノールS(4、4’−ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン)80部、4、4’−ビフェノール(本州化学工業株式会社製 p,p’−ビフェノール)17部、ビスフェノールA3部、エピクロロヒドリン314部(水酸基1モルに対して4モル)、メタノール38部を加え、65−75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム35部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて加熱減圧下、過剰のエピクロロヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン250部を加え溶解し、80℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液8部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP1)を133部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は203g/eq.(理論エポキシ当量174g/eq.)であり、結晶性を帯びた(白濁した)樹脂となり、軟化点は141℃であった。
実施例2
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらビスフェノールS(4、4’−ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン)70部、4、4’−ビフェノール(本州化学工業株式会社製 p,p’−ビフェノール)25部、ザイロック型フェノール樹脂(三井化学株式会社製 XLC−4L)5部、エピクロロヒドリン278部(水酸基1モルに対して3.5モル)、メタノール38部を加え、65−75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム35部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて加熱減圧下、過剰のエピクロロヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン250部を加え溶解し、80℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液8部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP2)を127部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は201g/eq.(理論エポキシ当量173g/eq.)であり、結晶性を帯びた(白濁した)樹脂となり、軟化点は140℃であった。
実施例3
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらビスフェノールS(4、4’−ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン)80部、4、4’−ビフェノール(本州化学工業株式会社製 p,p’−ビフェノール)20部、エピクロロヒドリン277部(水酸基1モルに対して3.5モル)、メタノール38部を加え、65−75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム35部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて加熱減圧下、過剰のエピクロロヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン250部を加え溶解し、80℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液8部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP3)を135部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は209g/eq.(理論エポキシ当量173g/eq.)であり、結晶性を帯びた(白濁した)樹脂となり、軟化点は139℃であった。
実施例4
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらビスフェノールS(4、4’−ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン)80部、4、4’−ビフェノール(本州化学工業株式会社製 p,p’−ビフェノール)20部、エピクロロヒドリン212部(水酸基1モルに対して2.7モル)、メタノール38部を加え、65−75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム35部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて加熱減圧下、過剰のエピクロロヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン250部を加え溶解し、80℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液8部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレーターを用いて180℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP4)を127部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は221g/eq.(理論エポキシ当量173g/eq.)であり、結晶性を帯びた(白濁した)樹脂となり、軟化点は79℃であった。
実施例5
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらビスフェノールS(4、4’−ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン)80部、4、4’−ビフェノール(本州化学工業株式会社製 p,p’−ビフェノール)20部、エピクロロヒドリン277部(水酸基1モルに対して3.5モル)、メタノール38部を加え、65−75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム35部を90分かけて分割添加した後、更に70℃で1時間反応を行った。反応終了後水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて加熱減圧下、過剰のエピクロロヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン250部を加え溶解し、80℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液8部を加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液を、ロータリーエバポレーターを用いて140℃で減圧下にメチルイソブチルケトン等を樹脂濃度が約50%程度になるまで留去した。この溶液を撹拌しながら、メタノール150部、水100部を加えて晶析を行い、ろ過・乾燥を行うことで本発明のエポキシ樹脂(EP5)を102部得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は202g/eq.(理論エポキシ当量173g/eq.)であり、融点をDSC(示差熱分析)で測定したところ、吸熱ピークが二つ見られ、そのピークのピークトップは117℃と145℃であった。
実施例6
実施例1で得られた本発明のエポキシ樹脂(EP1)25.4部に対してジアミノジフェニルスルホンを7.8部混合して本発明のエポキシ樹脂組成物を調製し、熱板上で溶融した後、金型で注型し、180℃で1時間、更に200℃で2時間かけて硬化させた。得られた硬化物のガラス転移点は211℃と非常に高い耐熱性を有することがわかった。(TMA 熱機械測定装置:真空理工(株)製 TM−7000 昇温速度:2℃/min.)
実施例7、8、比較例1、2
実施例1、実施例4で得られたエポキシ樹脂EP1、EP2、市販のビフェノール型エポキシ樹脂(以下BP−EP ジャパンエポキシレジン製 YX−4000H)、ビフェニレンタイプフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(以下BAR−EP 日本化薬株式会社製 NC−3000)について、ビフェニレンタイプフェノールアラルキル型フェノール樹脂(以下BAR 日本化薬株式会社製 KAYAHARD GPH−65)を硬化剤とし、トリフェニルホスフィン(TPP)を硬化促進剤として、下記表1に示す配合比(重量部)で配合した。またそれ以外の成分としては以下の成分を添加した。無機充填剤としてMSR−2212を組成物の総重量に対し83重量%、離型剤としてカルナバ1号(セラリカ野田)を無機充填剤量に対し、0.3重量%、カップリング剤としてKBM−303(信越化学工業株式会社)を無機充填剤量に対し、0.4重量%添加して組成物を調製し、トランスファー成形(175℃ 60秒)により樹脂成形体を得、160℃で2時間、更に180℃で8時間かけて硬化させた。
表1
実施例7 実施例8 比較例3 比較例4
エポキシ樹脂 EP1 15.0
EP4 15.0
BP−EP 15.0
BAR−EP 15.0
硬化剤 BAR 14.7 13.5 15.7 10.8
硬化促進剤 TPP 0.15 0.15 0.15 0.15
得られた硬化物の難燃性を以下の方法で測定した結果を表2に示す。
・難燃性 : UL−94に準拠し、厚み0.8mm、幅12.5mm、長さ150mmの試験片に着火し、燃焼が継続する時間を測定する。5個1組の試験片に各2回(計10回)接炎したあとの残炎時間の合計を測定した。
表2
実施例7 実施例8 比較例3 比較例4
難燃性(厚み0.8mm) 35秒 36秒 49秒 42秒

以上の結果より、従来難燃性が高いとされてきたエポキシ樹脂よりも、本発明のエポキシ樹脂のほうが難燃性を有することがわかる。
本発明の変性エポキシ樹脂は、難燃性に優れるだけでなく、耐熱性を保持し、柔軟性に優れたエポキシ樹脂である。したがって電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。

Claims (5)

  1. 一分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する2種以上の化合物からなる混合体(フェノール化合物混合体)と、エピハロヒドリンの反応によって得られるエポキシ樹脂であって、該フェノール化合物混合体が、少なくともビスフェノールSとビフェノール含むことを特徴とするエポキシ樹脂。
  2. エポキシ当量が190〜300g/eq.である請求項1に記載のエポキシ樹脂。
  3. 下記式(1)
    Figure 2010001379
    (式中、複数あるXはそれぞれ独立して存在し、−SO−あるいは直接結合を示す。nは繰り返し数であり、0〜20である。)
    で表される化合物を主成分とし、式(1)におけるnが1以上である化合物の含有割合が5〜85重量%である請求項1または2に記載のエポキシ樹脂。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂、および硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載のエポキシ組成物を硬化してなる硬化物。
JP2008161260A 2008-06-20 2008-06-20 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物 Expired - Fee Related JP5220488B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008161260A JP5220488B2 (ja) 2008-06-20 2008-06-20 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008161260A JP5220488B2 (ja) 2008-06-20 2008-06-20 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010001379A true JP2010001379A (ja) 2010-01-07
JP5220488B2 JP5220488B2 (ja) 2013-06-26

Family

ID=41583361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008161260A Expired - Fee Related JP5220488B2 (ja) 2008-06-20 2008-06-20 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5220488B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109912780A (zh) * 2017-12-13 2019-06-21 深圳市百安百科技有限公司 一种低粘度耐热环氧树脂的制备方法
CN117120503A (zh) * 2021-07-30 2023-11-24 日本化药株式会社 环氧树脂、硬化性树脂组合物、及硬化性树脂组合物的硬化物

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS64116A (en) * 1987-02-16 1989-01-05 Asahi Chem Ind Co Ltd Curable epoxy resin composition
JPH02117913A (ja) * 1988-10-26 1990-05-02 Nippon Steel Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物
JPH10182941A (ja) * 1996-12-27 1998-07-07 Toray Ind Inc エポキシ樹脂組成物
JPH11140162A (ja) * 1997-11-11 1999-05-25 Nippon Kayaku Co Ltd 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS64116A (en) * 1987-02-16 1989-01-05 Asahi Chem Ind Co Ltd Curable epoxy resin composition
JPH02117913A (ja) * 1988-10-26 1990-05-02 Nippon Steel Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物
JPH10182941A (ja) * 1996-12-27 1998-07-07 Toray Ind Inc エポキシ樹脂組成物
JPH11140162A (ja) * 1997-11-11 1999-05-25 Nippon Kayaku Co Ltd 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109912780A (zh) * 2017-12-13 2019-06-21 深圳市百安百科技有限公司 一种低粘度耐热环氧树脂的制备方法
CN109912780B (zh) * 2017-12-13 2021-08-06 深圳市百安百科技有限公司 一种低粘度耐热环氧树脂的制备方法
CN117120503A (zh) * 2021-07-30 2023-11-24 日本化药株式会社 环氧树脂、硬化性树脂组合物、及硬化性树脂组合物的硬化物

Also Published As

Publication number Publication date
JP5220488B2 (ja) 2013-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5348740B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
JP6366590B2 (ja) エポキシ樹脂混合物、エポキシ樹脂組成物、硬化物および半導体装置
JP6366504B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物および硬化物
JP5273762B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
TWI425019B (zh) Liquid epoxy resin, epoxy resin composition and hardened product
JP5196625B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP5127164B2 (ja) 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
JP5142180B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
WO2008020594A1 (fr) Résine époxy liquide modifiée, composition de résine époxy contenant celle-ci et produit cuit dérivé
JPWO2015037590A1 (ja) エポキシ樹脂混合物、エポキシ樹脂組成物、硬化物および半導体装置
TWI414536B (zh) 環氧樹脂及其製造方法以及使用該樹脂的環氧樹脂組成物及其硬化物
JP5368707B2 (ja) 液状エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、および硬化物
JP5127160B2 (ja) エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物
JP5322143B2 (ja) フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
JP2010163540A (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2007254579A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP5220488B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
JP2010241988A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2008081546A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2015203086A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物および硬化物
JP2010053293A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP5299976B2 (ja) 変性エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物
JP5131961B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
JP2002187933A (ja) 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4776446B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130306

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160315

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5220488

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees