JPH11140162A - 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JPH11140162A
JPH11140162A JP32396197A JP32396197A JPH11140162A JP H11140162 A JPH11140162 A JP H11140162A JP 32396197 A JP32396197 A JP 32396197A JP 32396197 A JP32396197 A JP 32396197A JP H11140162 A JPH11140162 A JP H11140162A
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健一 窪木
Katsuhiko Oshimi
克彦 押見
Koji Nakayama
幸治 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高軟化点、高粘度のエポキシ樹脂を、軟化点を
低下させて作業性を損なう事なく、低粘度化した変性エ
ポキシ樹脂を得、エポキシ樹脂組成物製造の際の作業性
を向上させ、且つ組成物の保存性の向上を目指すこと。 【解決手段】ビスフェノール類やジヒドロキシベンゼン
類とエピハロヒドリンとの重縮合物と、4,4’−ジヒ
ドロキシビフェニルとの混合物を同一系内に於てグリシ
ジル化することにより得られる変性エポキシ樹脂、エポ
キシ樹脂組成物及びその硬化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体封止用を始め
とする電気・電子部品絶縁材料用、及び積層板(プリン
ト配線板)やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を
始めとする各種複合材料用、接着剤、塗料等に有用な変
性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物に
関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は作業性及びその硬化物の
優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等
により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の
分野で幅広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年電気・電
子分野においてはその発展に伴い、高純度化をはじめ耐
熱性、密着性、フィラー高充填のための低粘度性等の諸
特性の一層の向上が求められている。その一方では作業
性の向上のために常温で固形であることが望まれてい
る。また、構造材としては航空宇宙材料、レジャー・ス
ポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材
料であることと同時に、作業性の向上のためにやはり低
粘度の樹脂が求められている。これらの要求に対しエポ
キシ樹脂組成物について多くの提案がなされてはいる
が、未だ充分とはいえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記のよう
な特性を持つエポキシ樹脂について鋭意研究の結果、本
発明を完成した。即ち、本発明は、(1)(a)式
(1)
【0005】
【化4】
【0006】(式(1)中、複数存在するZはそれぞれ
独立して水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基を示
す。複数存在するYはそれぞれ独立して水素原子または
式(2)
【0007】
【化5】
【0008】(式中、Zは式(1)におけるのと同じ意
味を表す前出と同意。)複数存在するXはそれぞれ独立
して炭素数1〜15の炭化水素基、炭素数1〜15のハ
ロゲン化炭化水素基、酸素原子、硫黄原子または下記式
(3)
【0009】
【化6】
【0010】(式(3)中、Wはそれぞれ独立して炭素
数1〜6の炭化水素基を示す。Y及びZは式(1)にお
けるのと同じ意味を表す。)で表される構造から選ばれ
る1種以上、または単結合を示す。但し、全てのXが単
結合であることはない。複数存在するRはそれぞれ独立
して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜8の炭化
水素基を表す。複数存在するmはそれぞれ独立して、4
〜8の整数を示す。nは平均値で0.1〜20を示
す。)で表される化合物と(b)4,4’−ジヒドロキ
シビフェニルの混合物をグリシジル化して得られる軟化
点70℃以上、130℃以下の変性エポキシ樹脂、
(2)軟化点が70℃以上、130℃以下である前記
(1)記載の変性エポキシ樹脂。(3)成分(a)と成
分(b)の混合物における成分(a)と成分(b)の配
合量の比率が重量比で(b)/(a)が0.25以下
0.05以上である前記(1)または(2)記載の変性
エポキシ樹脂、(4)前記(1)〜(3)のいずれか1
項に記載の変性エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組
成物、(5)前記(4)記載のエポキシ樹脂組成物を硬
化してなる硬化物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の変性エポキシ樹脂は、前
記式(1)で表されるフェノール類化合物(成分
(a)、以下単に(a)という)と4,4’−ジヒドロ
キシビフェニル(成分(b)、以下単に(b)という)
の混合物(以下、単に原料混合物という)とエピハロヒ
ドリン類とを反応させるグリシジル化反応により得るこ
とができる。これにより、式(1)の化合物単独のグリ
シジル化物が半固形であっても、4、4’−ジヒドロキ
シビフェニルとの混合物としてグリシジル化することに
より、同一粘度以下でありながら軟化点の高い変性エポ
キシ樹脂を得ることが出来、且つブロッキング(樹脂の
溶着)が発生し難い特徴を有する。混合物中の(a)と
(b)の混合比は、特に制限されないが重量比で(b)
/(a)の値として好ましくは0.25以下、0.05
以上である。(a)と(b)の配合量が前記した範囲を
はずれると、変性エポキシ樹脂合成中に結晶が析出す
る、低分子の(a)を用いて合成した変性エポキシ樹脂
が結晶性を帯びず固形化しない、低粘度化が充分でない
等の問題点がでてくる場合がある。
【0012】用いうる式(1)の化合物の具体例として
は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールAD、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)
−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、テ
ルペンジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン、フェノール類・ジシクロペンタジ
エン重合物、フェノール類・キシリレングリコール重縮
合物、フェノール類・アルデヒド類重縮合物、ビスフェ
ノールS、4,4’−オキシビスフェノール、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタノン、4,4’−(ジメチ
ルシリレン)ビスフェノール、4,4’チオジフェノー
ル等のビスフェノール類及びこれらのアルキル置換体や
ハロゲン置換体とエピハロヒドリン類の重縮合物、また
は上記ビスフェノール類のジグリシジル化物と上記ビス
フェノール類の重合物等が挙げられるがこれらに限定さ
れることはない。前記各重縮合物におけるフェノール類
としてはフェノール、クレゾール、キシレノール、te
rt−ブチル−クレゾール、アリルフェノール、ナフト
ールなどが挙げられるが、これらに限定されることはな
い。
【0013】本発明の変性エポキシ樹脂を得る際のグリ
シジル化反応に使用されるエピハロヒドリン類の用いう
る具体例としては、エピクロルヒドリン、β−メチルエ
ピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、β−メチルエ
ピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン、β−エチルエ
ピクロルヒドリン等が挙げられるが、工業的に入手し易
く安価なエピクロルヒドリンが好ましい。このグリシジ
ル化反応自体は従来公知の方法に準じて行うことが出来
る。
【0014】例えば上記の原料混合物とエピハロヒドリ
ン類の混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ金属水酸化物の固体を一括添加または徐々に
添加しながら通常20〜120℃で0.5〜10時間反
応させる。この際アルカリ金属水酸化物はその水溶液を
使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物を
連続的に添加すると共に反応混合物中から減圧下、また
は常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリン類を留出せ
しめ、得られた留出液を分液し水は除去しエピハロヒド
リン類は反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
【0015】上記の方法においてエピハロヒドリン類の
使用量は原料混合物100重量部に対して通常200〜
2000重量部、好ましくは250〜1500重量部で
ある。アルカリ金属水酸化物の使用量は原料混合物中の
水酸基1当量に対し通常0.05〜5.0モル、好まし
くは0.2〜3.0モルである。また、ジメチルスルホ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロト
ン性極性溶媒を添加することにより下記に定義する加水
分解性ハロゲン濃度の低い変性エポキシ樹脂が得られ、
この変性エポキシ樹脂は電子材料封止用の用途に適す
る。非プロトン性極性溶媒の使用量はエピハロヒドリン
類に対し通常5〜200重量%、好ましくは10〜10
0重量%である。上記の溶媒以外にもメタノール、エタ
ノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン等の環状
及び鎖状エーテル類を添加することによっても反応が進
み易くなり、加水分解性ハロゲン濃度も非プロトン性極
性溶媒を使用した場合よりは高いが、これら溶媒を使用
しないときよりは低くなる。またトルエン、キシレン等
も使用することができる。ここで加水分解性ハロゲン濃
度とは、例えば変性エポキシ樹脂をジオキサンと1N−
KOH/エタノール溶液に入れ、数十分間還流した後、
硝酸銀溶液で滴定することにより測定することができ
る。
【0016】また原料混合物と過剰のエピハロヒドリン
類の混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テ
トラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジ
ルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩
を触媒として使用し、通常50〜150℃で1〜10時
間反応させ、得られる原料混合物のハロヒドリンエーテ
ルに水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ
金属水酸化物の固体または水溶液を加え、20〜120
℃で1〜10時間反応させてハロヒドリンエーテルを閉
環させて本発明の変性エポキシ樹脂を得ることもでき
る。この場合の第四級アンモニウム塩の使用量は原料混
合物の水酸基1当量に対して0.001〜0.2モル、
好ましくは0.05〜0.1モルである。アルカリ金属
水酸化物の使用量は、原料混合物の水酸基1当量に対し
通常0.05〜5.0モル、好ましくは0.2〜3.0
モルである。
【0017】通常、これらの反応生成物は水洗後、また
は水洗無しに加熱減圧下過剰のエピハロヒドリン類や、
溶媒等を除去した後、トルエン、メチルイソブチルケト
ン、メチルエチルケトン等の溶媒に溶解し、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の
水溶液を加えて再び反応を行うことにより加水分解性ハ
ロゲン濃度の低い本発明の変性エポキシ樹脂を得ること
が出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量は原
料混合物の水酸基1当量に対して0.01〜0.2モ
ル、好ましくは0.02〜0.15モルである。反応温
度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時
間である。反応終了後副生した塩をろ過、水洗などによ
り除去し、さらに加熱減圧下トルエン、メチルイソブチ
ルケトン、メチルエチルケトン等の溶媒を留去すること
により加水分解性ハロゲン濃度が低い本発明の変性エポ
キシ樹脂を得ることができる。こうして得られた本発明
の変性エポキシ樹脂はその軟化点が70℃〜130℃で
あるものが好ましい。
【0018】以下、本発明のエポキシ樹脂組成物につき
説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物において本発明
の変性エポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と
併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明
の変性エポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は
30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ま
しい。
【0019】本発明の変性エポキシ樹脂と併用しうる他
のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール類、
フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、
ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベ
ンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド
との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重
合物、フェノール類と芳香族ジメチロール類との重縮合
物、ビフェノール類、アルコール類等をグリシジル化し
たグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ
樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエ
ステル系エポキシ樹脂等が挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種
以上を用いてもよい。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物は、その好ま
しい実施態様において硬化剤を含有する。硬化剤として
はアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合
物、フェノ−ル系化合物などが使用できる。用いうる硬
化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミ
ノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアン
ジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとよ
り合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリ
メリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビスフェノール
類、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノー
ル、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキ
シベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデ
ヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物と
の重合物、フェノール類と芳香族ジメチロールとの重縮
合物、ビフェノール類及びこれらの変性物、イミダゾ−
ル、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げ
られる。硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基
1当量に対して0.5〜1.5当量が好ましく、0.6
〜1.2当量が特に好ましい。エポキシ基1当量に対し
て、0.5当量に満たない場合、あるいは1.5当量を
超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物
性が得られない恐れがある。
【0021】また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を
併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤の具体例
としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾ
ール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダ
ゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、
1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホ
スフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物などが挙
げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に対
して0.01〜15重量部が必要に応じ用いられる。
【0022】さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物に
は、必要に応じて溶融シリカ、結晶シリカ、多孔質シリ
カ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシ
ウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、ジルコニア、
窒化アルミニウム、フォルステライト、ステアタイト、
スピネル、ムライト、チタニア、タルク等の粉体、また
はこれらを球形状あるいは破砕状にした無機充填材やシ
ランカップリング剤、離型剤、顔料等種々の配合剤、各
種熱硬化性樹脂などを添加することができる。
【0023】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成
分を前記したような割合で均一に混合することにより得
られ、好ましい用途は半導体封止用である。本発明のエ
ポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法
で容易にその硬化物とすることができる。例えばエポキ
シ樹脂と硬化剤、並びに必要により硬化促進剤、無機充
填材、配合剤、及び各種熱硬化性樹脂とを必要に応じて
押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分
に混合して本発明のエポキシ樹脂組成物を得、そのエポ
キシ樹脂組成物を、溶融注型法あるいはトランスファ−
成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法などによ
って成型し、必要により80〜200℃で加熱すること
により本発明の硬化物を得ることができる。
【0024】また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエ
ン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ
−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アル
ミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプ
リプレグを熱プレス成型して本発明の硬化物を得ること
もできる。
【0025】その際溶剤は本発明のエポキシ樹脂組成物
と溶剤の合計重量に対し溶剤の占める割合が、通常10
〜70重量%、好ましくは15〜65重量%となる量使
用する。
【0026】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。また、エポキシ当量、溶融粘度、軟化点は以下の条
件で測定した。 エポキシ当量 JIS K−7236に準じた方法で測定し、単位はg
/eqである。 溶融粘度 150℃におけるコーンプレート法における溶融粘度 測定機械:コーンプレート(ICI)高温粘度計(RESE
ARCH EQUIPMENT(LONDON)LTD. 製) コーンNo.:3(測定範囲0〜20ポイズ) 試料量:0.15±0.01g 軟化点 JIS K−7234に準じた方法で測定 耐ブロッキング性 直径5mm前後のマーブル状の(変性)エポキシ樹脂を
1.5リットルのPETボトルに1Kg入れ、35℃の
恒温槽の中に72時間放置した後のエポキシ樹脂の溶着
具合いを見た。尚、表1及び2における耐ブロッキング
性の欄には下記の基準で評価結果を示した。 ◎:マーブル同士が溶着していない ○:若干溶着しているが、手でバラバラに出来る △:かなり溶着している。マーブルの形跡は見られる ×:完全に1個の樹脂の塊になった
【0027】実施例1 エピコート828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
油化シェルエポキシ(株)製)37.8重量部、ビスフ
ェノールA68.4重量部を反応容器に仕込み、160
℃に加熱、撹拌、溶解後、トリフェニルホスフィン0.
5重量部を添加後、160℃で4時間重合反応を行っ
た。反応終了後、反応系内に4,4’−ジヒドロキシビ
フェニル23.3重量部、エピクロルヒドリン500重
量部、メタノール50重量部を加え、均一な溶液とし
た。次いで、温度を70℃に保持しながら、40%水酸
化ナトリウム水溶液72重量部を4時間かけて連続的に
滴下した。水酸化ナトリウム水溶液滴下完了後、70℃
で2時間反応を行った。ついで水洗を繰り返し、副生塩
とメタノールを除去した後、油層から加熱減圧下におい
て過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物に400
重量部のメチルイソブチルケトンを添加し残留物を溶解
させた。このメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に
加熱し30%水酸化ナトリウム水溶液10重量部を添加
し、1時間反応させた後、反応液の水洗を洗浄液が中性
となるまで繰り返した。ついで油層から加熱減圧下にお
いてメチルイソブチルケトンを留去することにより本発
明の変性エポキシ樹脂(E1)165重量部を得た。
【0028】実施例2 実施例1においてエピコート828を37.8重量部
に、ビスフェノールAを45.6重量部に、4,4’−
ジヒドロキシビフェニルを18.6重量部に、40%水
酸化ナトリウム水溶液44重量部変えた以外は実施例1
と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキ
シ樹脂(E2)122重量部を得た。
【0029】実施例3 実施例1においてエピコート828を56.7重量部
に、ビスフェノールAを54.7重量部に、4,4’−
ジヒドロキシビフェニルを21.4重量部に、40%水
酸化ナトリウム水溶液45重量部変えた以外は実施例1
と同様の操作を行った。その結果、本発明の変性エポキ
シ樹脂(E3)152重量部を得た。
【0030】実施例4 実施例1においてエピコート828を37.8重量部
に、ビスフェノールAを22.8重量部に変え、更にビ
スフェノールS25重量部を加えて重合反応を行い、
4,4’−ジヒドロキシビフェニルを18.6重量部
に、40%水酸化ナトリウム水溶液44重量部変えた以
外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、本発明
の変性エポキシ樹脂(E3)125重量部を得た。
【0031】実施例5 エポミックR−301(ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、三井石油化学工業(株)製;溶融粘度3.1、軟化
点63℃)128重量部、4,4’−ジヒドロキシビフ
ェニル14.1重量部、エピクロルヒドリン500重量
部、メタノール50重量部を反応容器に仕込み、70℃
に加熱、撹拌、溶解後、温度を70℃に保持しながら、
40%水酸化ナトリウム水溶液16重量部を4時間かけ
て連続的に滴下した。水酸化ナトリウム水溶液滴下完了
後、70℃で2時間反応を行った。ついで水洗を繰り返
し、副生塩とメタノールを除去した後、油層から加熱減
圧下において過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留
物に400重量部のメチルイソブチルケトンを添加し残
留物を溶解させた。このメチルイソブチルケトンの溶液
を70℃に加熱し30%水酸化ナトリウム水溶液10重
量部を添加し、1時間反応させた後、反応液の水洗を洗
浄液が中性となるまで繰り返した。ついで油層から加熱
減圧下においてメチルイソブチルケトンを留去すること
により本発明の変性エポキシ樹脂(E5)145重量部
を得た。
【0032】実施例6 実施例4においてエポミックR−301を120重量部
に、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを18.7重量
部に、40%水酸化ナトリウム水溶液を22重量部変え
た以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、本
発明の変性エポキシ樹脂(E6)146重量部を得た。
【0033】比較例1 実施例1において、4,4’−ジヒドロキシビフェニル
を加えず、40%水酸化ナトリウム水溶液を45重量部
に変えた以外は同様の操作を行った。その結果、エポキ
シ樹脂(R1)122重量部を得た。
【0034】比較例2 実施例2において、4,4’−ジヒドロキシビフェニル
を加えず、40%水酸化ナトリウム水溶液を22重量部
に変えた以外は同様の操作を行った。その結果、エポキ
シ樹脂(R2)91重量部を得た。
【0035】比較例3 実施例3において、4,4’−ジヒドロキシビフェニル
を加えず、40%水酸化ナトリウム水溶液を20重量部
に変えた以外は同様の操作を行った。その結果、エポキ
シ樹脂(R3)118重量部を得た。
【0036】以上の実施例及び比較例で得られた本発明
の変性エポキシ樹脂、比較用のエポキシ樹脂の物性を表
1〜3に示す。
【0037】
【表1】 表1 実施例 1 2 3 4 5 6 エポキシ当量 (g/eq) 282 344 380 361 373 347 軟化点(℃) 101 112 114 116 110 112 溶融粘度(P) 0.5 1.7 6.1 2.1 1.6 1.7 耐ブロッキング性 △ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
【0038】
【表2】
【0039】実施例7〜9、比較例4〜6 実施例の変性エポキシ樹脂(E1)〜(E3)及び比較
例のエポキシ樹脂(R1)〜(R3)を使用し、これら
エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して硬化剤(フェ
ノールノボラック樹脂(日本化薬(株)製、PN−8
0、150℃におけるICI粘度1.5ポイズ、軟化点
86℃、水酸基当量106g/eq)を1水酸基当量配
合し、更に硬化促進剤(トリフェニルフォスフィン)を
エポキシ樹脂100重量部当り1重量部配合し、ミキシ
ングロールにより混練し、タブレット化後、トランスフ
ァー成型により樹脂成型体を調製し、160℃で2時
間、更に180℃で8時間で硬化させた。
【0040】このようにして得られた硬化物の物性を測
定した結果を表3に示す。尚、物性値の測定は以下の条
件にて行った。 ・ガラス転移温度(TMA):真空理工(株)製 TM
−7000 昇温度速度 2℃/min. ・銅箔剥離強度:JIS C−6481(引き剥し強
さ)に記載に準拠して測定した。 ・アイゾット衝撃試験:JIS K7710に準拠して
測定した。
【0041】
【表3】 表3 実施例 比較例 7 8 9 4 5 6 エポキシ樹脂 E1 E2 E3 R1 R2 R3 ガラス転移温度(℃) 113 110 105 109 102 94 銅箔剥離強度(Kg/cm) 3.5 4.3 4.8 3.0 3.3 3.9
【0042】表1、2から明らかなように、比較用のエ
ポキシ樹脂と、本発明の変性エポキシ樹脂の硬化物の物
性はほぼ同等であるが、本発明の変性エポキシ樹脂は軟
化点が高く、作業性及び組成物の保存性(耐ブロッキン
グ性)に優れていることが明らかである。また、その硬
化物においては、表3から明らかなように、未変性のエ
ポキシ樹脂と比較して低粘度であるため密着性に優れ、
且つビフェニル骨格を有するため、耐熱性が向上する。
【0043】
【発明の効果】本発明の変性エポキシ樹脂は、軟化点が
高くて、作業性、保存性(ブロック化しない)が良く、
溶融粘度も低い。従って、本発明の変性エポキシ樹脂
は、電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料
など)及び積層板(プリント配線板など)やCFRPを
始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に使用する場
合に極めて有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)式(1) 【化1】 (式(1)中、複数存在するZはそれぞれ独立して水素
    原子または炭素数1〜5の炭化水素基を示す。複数存在
    するYはそれぞれ独立して水素原子または式(2) 【化2】 (式(2)中、Zは式(1)におけるのと同じ意味を表
    す。)を示す。複数存在するXはそれぞれ独立して炭素
    数1〜15の炭化水素基、炭素数1〜15のハロゲン化
    炭化水素基、酸素原子、硫黄原子または下記式(3) 【化3】 (式(3)中、Wはそれぞれ独立して炭素数1〜6の炭
    化水素基を示す。Y及びZは式(1)におけるのと同じ
    意味を表す。)で表される構造から選ばれる1種以上、
    または単結合を示す。但し、全てのXが単結合であるこ
    とはない。複数存在するRはそれぞれ独立して水素原
    子、ハロゲン原子または炭素数1〜8の炭化水素基を表
    す。複数存在するmはそれぞれ独立して、4〜8の整数
    を示す。nは平均値で0.1〜20を示す。)で表され
    る化合物と(b)4,4’−ジヒドロキシビフェニルの
    混合物をグリシジル化して得られる変性エポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】軟化点が70℃以上、130℃以下である
    請求項1記載の変性エポキシ樹脂。
  3. 【請求項3】成分(a)と成分(b)の混合物における
    成分(a)と成分(b)の配合量の比率が重量比で
    (b)/(a)が0.25以下0.05以上である請求
    項1または2記載の変性エポキシ樹脂。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の変性
    エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項4記載のエポキシ樹脂組成物を硬化
    してなる硬化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003082025A (ja) * 2001-09-13 2003-03-19 Nippon Kayaku Co Ltd 樹脂組成物、ソルダーレジスト樹脂組成物及びこれらの硬化物
JP2005298614A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Nippon Kayaku Co Ltd 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
US7055369B2 (en) 2002-11-14 2006-06-06 Aisan Kogyo Kabushiki Kaisha Gas detector having clog-resistant intake filter and protective cap
JP2010001379A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Nippon Kayaku Co Ltd エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物

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