JP2010241988A - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Takaharu Uehara
隆治 植原
Katsuhiko Oshimi
克彦 押見
Koichi Kawai
宏一 川井
Shinya Inagaki
真也 稲垣
Takao Sunaga
高男 須永
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

【課題】高性能・高機能を有する新規エポキシ樹脂、とりわけ液晶性と高熱伝導性を示し、低融点化が達成されたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を提供すること
【解決手段】下記式(1)
【化1】
Figure 2010241988

(式中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、トリフルオロメチル基、アリール基又はメトキシ基を示す。R’は水素原子またはメチル基を示す。nは平均値であり0.1以上9以下の正数を示す。Xは、アミド基等を示す。)で表されるエポキシ樹脂およびそれを含有するエポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、高性能・高機能を有する新規エポキシ樹脂、とりわけ液晶性と高熱伝導性を示し、低融点化が達成されたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
エポキシ樹脂は電気的、熱的及び力学的性質や接着性等種々の特性のバランスに優れた樹脂である。このため古くから塗料やコーティング剤、接着剤等の分野で用いられてきたが、最近では電気・電子部品製造用材料等の分野でも使用されており、ますますその応用範囲が広がりつつある。この様な使用分野の拡大に伴い、エポキシ樹脂には更に高い性能と新しい機能の付与が要求されている。特に電気・電子部品製造用の材料には、これら部品が稼動する際に発生する熱を速やかに外部に放出することを目的に、高い熱伝導性を有するエポキシ樹脂硬化物が求められており、種々の新しいエポキシ樹脂の開発が積極的に進められているが未だ市場要求を満足するものは得られていない。
このような新しい高性能・高機能エポキシ樹脂の開発を目的とした研究の一つとして、エポキシ樹脂硬化物の網目構造へメソゲン基を導入することが試みられている。尚、ここでいうメソゲンは液晶相を形成するための中心となる原子団のことで、剛直な棒状あるいは平面状の構造を持ち、高い配列性を示すことが特徴である。特許文献1には、高熱伝導性を発現するための手法としてメソゲン基を有するエポキシ樹脂を用いることが報告されている。また特許文献2〜3には、高熱伝導性を発現するための手法としてビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂を用いることが報告されている。
特開平11−323162号公報 特開2003−137971号公報 特開2004−2573号公報
特許文献1に記載の方法は、エポキシ樹脂を製造する際に酸化によるエポキシ化反応を行う必要があることから安全性やコストに難があり、実用的とは言えない。特許文献2〜3に記載の手法により得られる硬化物の熱伝導性は、市場の要望を満足するレベルとは言い難い。またメソゲン基を有するエポキシ樹脂は一般的なエポキシ樹脂よりもコストが高く、成型条件が非常に厳しいという課題があった。
本発明者らは前記課題を解決するため鋭意研究の結果、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)
Figure 2010241988
(式中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、トリフルオロメチル基、アリール基又はメトキシ基を表す。R’は水素原子またはメチル基を表す。nは平均値であり0.1以上9以下の正数を表す。Xは、下記式(2)
Figure 2010241988
または式(3)
Figure 2010241988
を表す。)で表されるエポキシ樹脂、
(2)前記式(1)におけるRが全て水素原子である前項(1)記載のエポキシ樹脂、
(3)前記式(1)におけるR’が全て水素原子である、前項(1)又は(2)記載のエポキシ樹脂、
(4)前項(1)〜(3)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂及び硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物、
(5)硬化剤がジアミノジフェニルメタンである前項(4)記載のエポキシ樹脂組成物、
(6)無機充填剤を含有する前項(4)又は(5)記載のエポキシ樹脂組成物、
(7)硬化促進剤を含有する前項(4)〜(6)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物、
(8)前項(4)〜(7)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物、
に関する。
本発明のエポキシ樹脂は、分子配向性が非常に高いにもかかわらず融点が低く、その硬化物は強靭性に優れると共に高い熱伝導性を示す。よって高信頼性半導体封止材料等の電気電子部品用絶縁材料、プリント配線板やビルドアップ基板等の積層版、CFRPを始めとする各種複合材料、接着剤及び塗料等に有用である。
本発明のエポキシ樹脂は、前記式(1)で表される構造を有する。
式(1)におけるRが表す炭素数1〜8の炭化水素基とは、炭素数1〜8の飽和又は不飽和の、直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭化水素基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
式(1)におけるRが表すアリール基の具体例としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
これらのうち、本発明のエポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂の配列性を阻害しない点から式(1)におけるRの全てが水素原子であるものが好ましい。
式(1)におけるR’は水素原子またはメチル基である。
式(1)におけるnは0.1以上9以下の正数を表し、好ましくは0.2以上6以下の正数、より好ましくは0.3以上3以下の正数である。
式(1)で表される本発明のエポキシ樹脂は、例えば、
(I)下記式(4)
Figure 2010241988
(式中、Rは式(1)におけるのと同じ意味を表す。)で表される多価フェノール化合物とエピハロヒドリン類とを反応させるグリシジル化反応や、
(II)前記式(4)で表される多価フェノール化合物と下記式(5)
Figure 2010241988
(式中、R、R’は式(1)におけるのと同じ意味を表す。)で表されるエポキシ樹脂との反応により得られる。
本発明のエポキシ樹脂を得るために用いられる前記式(4)で表される多価フェノール化合物は、たとえば、下記式(6)(式中、Rは式(1)におけるのと同じ意味を表し、Rは水素原子または保護基を表す)と下記式(7)(式中、Rは式(1)におけるのと同じ意味を表し、Rは水素原子または保護基を表す)とを、構造に応じて他の助剤を併用して反応させたのち、構造に応じて保護基R、Rを脱保護すればよい。
Figure 2010241988
Figure 2010241988
式(6)の化合物と式(7)の化合物から式(4)の多価フェノールを得る反応はアミド化反応であるため、式(6)の化合物中に水酸基が存在すると式(6)の化合物同士のエステル化による自己重合反応が起こり目的物の収率が低下する。従って、式(6)においてRは保護基が好ましい。このとき用いることができる保護基としては、公知の保護基が使えるが本願では特にアセチル基が好ましい。
式(7)の化合物を式(6)の化合物に対して大過剰に用いることが出来る場合は、Rは水素原子でも保護基でもよく、式(7)の化合物を式(6)の化合物に対して大過剰に用いることが出来ない場合は、Rは保護基が好ましい。このとき用いることができる保護基としては、公知の保護基が使えるが本願では特にアセチル基が好ましい。
式(6)の化合物と式(7)の化合物とのアミド化反応は、公知の方法(たとえば、第5版実験化学講座16巻、118ページ、丸善、2005年)を用いることが出来る。具体的には式(6)の化合物の酸ハライド化物を経る方法、縮合剤としてジシクロヘキシルカルボジイミドや亜リン酸トリフェニルなどのリン化合物を用いる方法などが挙げられる。
次に脱保護反応について述べる。
、Rが保護基である場合、保護基に対応した脱保護反応で脱保護が出来る。保護基がアセチル基の場合、アルカリ加水分解にて脱保護し、次いで酸にて脱アルカリ金属をすることにより、式(4)の多価フェノール化合物が得られる。
保護基がアセチル基の場合、脱保護反応は通常、溶媒中で行われ、溶媒の種類は反応を阻害しなければ特に限定されないが、好ましくは水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合溶媒であり、より好ましくは水である。保護基がアセチル基の場合、脱保護反応に用いることが出来るアルカリ化合物は、アセチル基を脱離するに十分な塩基性を有しており、更にアミド結合を加水分解しない強度であれば、特に限定されないが、好ましくは水酸化ナトリウムである。
保護基がアセチル基の場合、脱保護反応のアルカリ濃度は5質量%から50質量%、好ましくは10質量%から40質量%である。保護基がアセチル基の場合、脱保護反応の温度は10℃から60℃、好ましくは15℃から50℃であり、脱保護反応の反応時間は、10分から5時間、好ましくは15分から1時間である。更には、保護基がアセチル基の場合、脱保護反応時のpHは10以上、好ましくは13以上であり、脱保護反応終了後、塩酸にて反応溶液のpHを2以下にすることにより、析出物を得たのち、これを水洗・乾燥することにより式(4)の多価フェノールを得ることが出来る。
尚、式(6)および式(7)で表される化合物としては、最終的に得られる式(1)で表されるエポキシ樹脂の配列性を阻害しない点から、Rの全てが水素原子であるものが好ましい。
次に、前記式(4)で表される多価フェノール化合物のグリシジル化反応により本発明のエポキシ樹脂を得る方法(I)について説明する。
グリシジル化反応は、式(4)で表される多価フェノール化合物とエピハロヒドリン類との混合物に、触媒として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の固体を添加し、または添加しながら20〜120℃で0.5〜10時間反応させる。アルカリ金属水酸化物は水溶液として使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物を連続的に添加すると共に、反応混合物中から減圧下又は常圧下で連続的に水及びエピハロヒドリン類を留出せしめた後、分液により水を除去しエピハロヒドリン類のみを反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
グリシジル化反応に使用されるエピハロヒドリン類としては、エピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン等が挙げられ、エピクロルヒドリンやβ−メチルエピクロルヒドリンが好ましい。
エピハロヒドリン類を用いて式(4)で表される多価フェノール化合物をグリシジル化する場合、式(5)で表されるエポキシ樹脂が生成されると同時に、生成された式(5)で表されるエポキシ樹脂と式(4)で表される多価フェノール化合物との副反応が起り、その結果式(5)で表されるエポキシ樹脂と式(1)におけるn=0以外のエポキシ樹脂とを含有する本発明のエポキシ樹脂が得られる。本発明のエポキシ樹脂中に含まれる式(5)で表されるエポキシ樹脂の含有量はグリシジル化の際に用いるエピハロヒドリン類の量によって制御可能であり、式(4)で表される多価フェノール化合物に対して用いるエピハロヒドリン類のモル倍率が高くなるほど式(5)で表されるエポキシ樹脂の含有量が増加する。従って、用いるエピハロヒドリン類のモル倍率が高すぎる場合には式(1)におけるnの値が0.1未満となってしまい、本発明のエポキシ樹脂とはならない。
エピハロヒドリン類の好ましい使用量としては、式(4)で表される多価フェノール化合物中の水酸基1モルに対して0.5〜6モル、より好ましくは0.55〜3モルである。
アルカリ金属水酸化物の使用量は、式(4)で表される多価フェノール化合物中の水酸基1モルに対し通常0.5〜2.0モル、好ましくは0.7〜1.5モルである。
グリシジル化反応は溶媒中で行っても良い。反応に用い得る溶媒としては、原料である式(4)で表される多価フェノール化合物を溶解可能で、かつ反応に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。該溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類やジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジグライム等の非プロトン性極性溶媒が好適であり、これらを混合して用いてもよい。溶媒の使用量は式(4)で表される多価フェノール化合物に対し、通常50〜1000質量%、好ましくは100〜500質量%である。
また、反応に際してテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩を触媒として使用することもできる。この場合の第四級アンモニウム塩の使用量は、式(4)で表される多価フェノール化合物の水酸基1モルに対して通常0.001〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。これら触媒は上記の溶媒と併用してもよい。
反応終了後、反応混合物から本発明のエポキシ樹脂を含む析出物(場合により無機塩を含む)を濾別し、水洗及び必要により再結晶等の精製工程を経て、本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。また、析出物を除去した濾液から無機塩のみを濾過や水洗又は両者の組み合わせにより除去し、加熱減圧下、過剰のエピハロヒドリン類を除去した後、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン等の溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて再び反応を行うと更に収率が向上する場合がある。この場合、アルカリ金属水酸化物の使用量は反応に用いた多価フェノール化合物のフェノール性水酸基1モルに対して通常0.01〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。反応の際に反応混合物中に新たに生じた無機塩は、反応終了後濾別もしくは水洗によって取り除くことが可能である。
尚、式(4)で表される多価フェノール化合物としては、最終的に得られる式(1)で表されるエポキシ樹脂の配列性を阻害しない点から、式(4)におけるRの全てが水素原子であるものが好ましい。
次に、前記式(4)で表される多価フェノール化合物と前記式(5)で表されるエポキシ樹脂とを反応させて本発明のエポキシ樹脂を得る方法(II)について説明する。
式(5)で表されるエポキシ樹脂は、例えば特開平2−270849号の実施例5に記載の方法で得ることができる。即ち、前期式(4)で表される多価フェノール化合物を大過剰のエピクロロヒドリン存在下においてエピクロロヒドリンと反応させることにより得ることができる。
式(4)で表される多価フェノール化合物と式(5)で表されるエポキシ樹脂との反応は、通常溶媒中で行われる。ここで用いることが出来る溶媒は、原料である式(4)で表される多価フェノール化合物と式(5)で表されるエポキシ樹脂とを溶解可能で、かつ反応に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。反応に用い得る溶媒としては、例えばメタノール、エタノール及びプロパノール等のアルコール類、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等の極性溶媒やエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル及びγ−ブチロラクトン等のエステル系の有機溶媒、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びシクロヘキサノン等のケトン系有機溶媒、トルエン及びキシレン等の芳香族系有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒のうち、好ましくは極性溶媒であり、より好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、シクロペンタノン及びシクロヘキサノンである。
溶媒の使用量は、式(4)で表される多価フェノール化合物及び式(5)で表されるエポキシ樹脂の総量に対し通常50〜1000質量%、好ましくは100〜300質量%である。
反応温度及び反応時間は、使用する溶媒量や触媒の種類と量により適宜選択する必要があり一概に規定できないが、反応時間は通常1〜200時間、好ましくは1〜100時
間であり、反応温度は通常0〜250℃、好ましくは30〜120℃である。生産性の問題からは反応時間が短いことが好ましい。
反応に用いられる式(4)で表される多価フェノール化合物と式(5)で表されるエポキシ樹脂との使用量は、好ましくはモル比で多価フェノール化合物:エポキシ樹脂=1:1.1〜1:10である。
式(4)で表される多価フェノール化合物と式(5)で表されるエポキシ樹脂との反応には、必要により触媒を使用することができる。使用できる触媒の具体例としてはテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド及びトリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;トリフェニルホスホニウムクロライド及びトリフェニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスフォニウム塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム及び炭酸セシウム等のアルカリ金属塩;2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール及び2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン及び1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類;、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン及びトリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類;オクチル酸スズ等の金属化合物;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート及びテトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート及びN−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。
これら触媒は、その種類にもよるが、一般に原料である式(4)で表される多価フェノール化合物と式(5)で表されるエポキシ樹脂との総量に対して、通常10〜30000ppm、好ましくは100〜5000ppmが必要に応じて用いられる。該反応は触媒を添加しなくても進行するので、触媒は反応温度、反応溶媒量を勘案して適宜使用する。
本発明のエポキシ樹脂は非常に結晶性が高い。溶融状態から過冷却することでアモルファスな樹脂状固体とすることもできるが、徐冷することで結晶性を帯びた樹脂状固体とすることも出来る。また晶析を行うことで結晶化物とすることもできる。晶析方法としては温度差、溶解度差による晶析等が適応でき、具体的には例えば上述の反応溶媒に加熱溶解して冷却する、あるいは貧溶媒である水や高級アルコール類を添加するなどの手法により結晶を析出させ、結晶をろ過及び乾燥することで結晶状のエポキシ樹脂とすることができる。
こうして得られた本発明のエポキシ樹脂のDSC(示差走査熱量)測定においては、液晶性を有するものの特徴である融点付近での結晶構造が崩れることに起因する吸熱ピークと、その後の液晶状態で維持されていた配列が乱れ等方状態に転移することに起因する吸熱ピークの2つが観察される。
つぎに、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は式(1)で表されるエポキシ樹脂及び硬化剤を含有することを特徴とする。本発明のエポキシ樹脂組成物において、式(1)で表されるエポキシ樹脂は、単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することができる。併用する場合、式(1)で表されるエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は30質量%以上が好ましく、特に40質量%以上が好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物中に占める式(1)で表されるエポキシ樹脂の割合は、他のエポキシ樹脂と併用する場合は全エポキシ樹脂の量として、通常40〜95質量%程度である。
本発明の式(1)で表されるエポキシ樹脂と併用されうる他のエポキシ樹脂としては、前記式(5)で表されるエポキシ樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4−ビフェノール、2,2−ビフェノール、3,3,5,5−テトラメチル−[1,1−ビフェニル]−4,4−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4−ビス(クロルメチル)−1,1−ビフェニル、4,4−ビス(メトキシメチル)−1,1−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類又はアルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物が含有する硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、前記式(4)で表される多価フェノール化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4−ビフェノール、2,2−ビフェノール、3,3,5,5−テトラメチル−[1,1−ビフェニル]−4,4−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4−ビス(クロルメチル)−1,1−ビフェニル、4,4−ビス(メトキシメチル)−1,1−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、イミダゾール、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
これらのうち、本発明のエポキシ樹脂組成物が含有する硬化剤としてはジアミノジフェニルメタンが特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.5〜2.0当量が好ましく、0.6〜1.5当量が特に好ましい。エポキシ基1当量に対して0.5当量に満たない場合、あるいは2.0当量を超える場合は硬化が不完全になり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
また、上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。硬化促進剤はエポキシ樹脂100質量部に対して0.01〜15質量部程度が必要に応じ用いられる。
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤やシランカップリング剤、離型剤、顔料等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。無機充填剤は、エポキシ樹脂組成物中で通常10〜95質量%を占める割合で使用する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることが出来る。例えば、本発明のエポキシ樹脂と硬化剤、並びに必要により硬化促進剤、無機充填剤、配合剤及び各種熱硬化性樹脂とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合して得られた本発明のエポキシ樹脂組成物を、溶融注型法あるいはトランスファー成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法等によって成型し、更に80〜200℃で2〜10時間加熱することにより本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物を得ることが出来る。
また本発明のエポキシ樹脂組成物は場合により溶媒を含んでいてもよい。溶媒を含むエポキシ樹脂組成物(エポキシ樹脂ワニス)をガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させて加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物とすることができる。溶媒を含む場合の溶媒の含有量は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該溶媒の総量に対して通常10〜70質量%、好ましくは15〜70質量%程度である。また、該溶媒を含むエポキシ樹脂組成物は下記ワニスとしても使用できる。該溶媒としては例えばγ−ブチロラクトン類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶媒、テトラメチレンスルフォン等のスルフォン類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶媒、好ましくは低級アルキレングリコールモノ又はジ低級アルキルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、好ましくは2つのアルキル基が同一でも異なってもよいジ低級アルキルケトン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒が挙げられる。これら溶媒は単独で用いても、また2種以上を混合して用いてもよい。また、剥離フィルム上に前記ワニスを塗布して加熱下で溶媒を除去し、Bステージ化を行うことによりシート状の接着剤を得ることが出来る。このシート状接着剤は多層基板などにおける層間絶縁層として使用することが出来る。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される各種用途に使用できる。具体的な用途としては、例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、RP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
封止剤としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSI等用のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TAB等用のポッティング封止、フリップチップ等用のアンダーフィル、QFP、BGA、CSP等のICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)等を挙げることができる。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、分析に用いた機器及び諸条件は以下のとおりである。
融点(DSC測定の吸熱ピーク)
測定機器 :DSC6200(セイコー電子工業株式会社製)
昇温速度 :10℃/min
パン :Alパン
NMR(核磁気共鳴)
測定機器 :Gemini300(バリアン社製)
使用溶媒 :DMSO−d6
測定温度 :25℃
熱伝導率
測定機器 :UNITHERM MODEL2022(THERMAL
CONDUCTIVITY INSTRUMENT社製)
測定温度 :30℃
ガラス転移点
測定機器 :DMA2980(TAinstruments社製)
昇温速度 :2℃/min
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
ポンプ :L−6000型(日立製作所製)
カラム :Shodex KF−802+KF−802.5+KF−803(昭和電工製)
検出器 :RI検出器・Shodex RI−101(昭和電工製)
溶離液 :テトラヒドロフラン
流量 :1min/min
温度 :40℃
合成例1(式(4)におけるRが全て水素原子である多価フェノール化合物の合成)
攪拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに4−アミノフェノール43.6g、N、N−ジメチルホルムアミド100g、トリエチルアミン20gを加え、室温にて溶解した。この溶液を溶液Aとした。一方攪拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、酢酸―4−カルボキシフェニルエステル36g、塩化チオニル28.6g、N、N−ジメチルホルムアミド0.1gを加え、50℃で2時間反応させた。反応終了後、70℃に昇温し、真空ポンプにて減圧乾固した。乾固終了後、室温まで冷却し、N、N−ジメチルホルムアミド150gで溶解した。これを溶液Bとした。溶液Bに滴下漏斗にて1時間かけて溶液Aを滴下した。滴下終了後、室温にて3時間反応させた。
反応終了後、反応液を1Lの蒸留水に投入し、ろ過により析出物をろ別し、この析出物を1Lの蒸留水に分散し、pHが13以上になるまで水酸化ナトリウムを加えた。pHが13以上にて30分攪拌の後、塩酸にてpH3以下にし、析出した析出物をろ別した。この析出物を水洗・乾燥し、多価フェノール42gを得た。
実施例1(式(1)におけるRが全て水素原子であり、R’が水素原子であり、nが1.2であるエポキシ樹脂(A)の合成)
攪拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、合成例1で得られた多価フェノール化合物(a)11.5g(0.05mol)、エピクロルヒドリン18.6g(0.2mol)、水1.98g(0.11mol)、メタノール200gを仕込み、攪拌しながら60℃まで昇温して溶解させた。これにフレーク状水酸化ナトリウム(純度99%)4.2g(0.105mol)を60分間かけて添加し、その後60℃で3時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却して析出した結晶および無機塩を濾過し、水洗を繰り返すことで無機塩を除去して得られた結晶を真空乾燥することにより本発明のエポキシ樹脂(A)を12g得た。
エポキシ樹脂(A)のDSC測定の結果、143℃と154℃に吸熱ピークが観察された。エポキシ当量は347g/eq.であった。また、ゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果を元にRI検出器による面積比から算出したエポキシ樹脂(A)の式(1)におけるnの値は1.2であった。
実施例2(本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物の熱伝導率の測定)
実施例1で得られたエポキシ樹脂(A)10.6gと硬化剤としてジアミノジフェニルメタン1.43gとを混合し、175℃で硬化して硬化物を得た。この硬化物の30℃における熱伝導率は0.35W/(m・K)であった。
比較例1(比較用エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱伝導率の測定)
下記の式(8)及び式(9)で示されるエポキシ樹脂を等モルづつ含有するビフェニル型エポキシ樹脂(商品名:YL6121H、ジャパンエポキシレジン株式会社製、エポキシ当量175g/eq.)180gと、硬化剤としてジアミノジフェニルメタンを51gとを混合し、175℃で硬化して硬化物を得た。この硬化物の30℃における熱伝導率は0.31W/(m・K)であり、ガラス転移点は192℃であった。
Figure 2010241988
Figure 2010241988
合成例2(式(1)におけるRが全て水素原子であり、R’が水素原子であり、nが0である比較用エポキシ樹脂(B)の合成)
攪拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、合成例1で得られた多価フェノール化合物15g、エピクロルヒドリン150g、メタノール100g、イオン交換水2.6gを加え、60℃に加熱した。60℃到達後、フレーク状水酸化ナトリウム(純度99%)5.49gを6分割し、15分間隔にて加えた。フレーク状水酸化ナトリウム投入後、60℃にて4時間反応させた。反応終了後、真空ポンプにて過剰のエピクロルヒドリンとメタノールを留去した。留去後、蒸留水にて水洗・乾燥しエポキシ樹脂18gを得た。このエポキシ樹脂の融点は、DSC測定から184℃、エポキシ当量は180g/eq.であった。
エポキシ樹脂(B)のDSC測定の結果、162℃及び179℃に吸熱ピークが観察された。また、ゲルパーミエイションクロマトグラフィーの測定結果から、エポキシ樹脂(B)は式(1)におけるnは0.1未満であった。
比較例2(比較用のエポキシ樹脂(B)を用いた組成物の硬化物の熱伝導率の測定)
合成例2で得られたエポキシ樹脂(B)7gと硬化剤としてジアミノジフェニルメタン1.84gとを混合し、175℃で硬化して硬化物を得た。この硬化物の30℃における熱伝導率は0.29W/(m・K)であった。
本発明のエポキシ樹脂は2官能であるにもかかわらず融点が低く、また該エポキシ樹脂を含有する本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は高い耐熱性を示すと共に従来のエポキシ樹脂の硬化物よりも極めて高い熱伝導率を示す。従って、電気・電子部品製造用の材料やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に使用する場合に極めて有用である。

Claims (8)

  1. 下記式(1)
    Figure 2010241988
    (式中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、トリフルオロメチル基、アリール基又はメトキシ基を表す。R’は水素原子またはメチル基を表す。nは平均値であり0.1以上9以下の正数を表す。Xは、下記式(2)
    Figure 2010241988
    または式(3)
    Figure 2010241988
    を表す。)で表されるエポキシ樹脂。
  2. 前記式(1)におけるRが全て水素原子である請求項1記載のエポキシ樹脂。
  3. 前記式(1)におけるR’が全て水素原子である、請求項1又は2記載のエポキシ樹脂。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂及び硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
  5. 硬化剤がジアミノジフェニルメタンである請求項4記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 無機充填剤を含有する請求項4又は5記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 硬化促進剤を含有する請求項4〜6のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項4〜7のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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