JP7185384B2 - エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物 - Google Patents

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本発明は特定の構造を有するエポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物およびその硬化物に関するものであり、その硬化物は高耐熱、高弾性率でありながら優れた強靭性を有するため、電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で好適に使用される。
一般にエポキシ樹脂を含有する硬化性樹脂組成物は架橋反応によってランダムな網目構造を形成し、耐熱性、耐水性、絶縁性などに優れた硬化物となることが知られている。このような優れた特徴に着目し、近年では、航空機材料のような高性能複合材料をはじめ、プリント配線板、封止剤のような電子材料などの先端技術分野に拡がるとともに、更なる高性能化が要求されている。
特に、強靭性の検討は古くから行われている。エポキシ樹脂自体の性能を改善して強靭性を得る手法としては、ウレタン構造をエポキシ樹脂の骨格中に導入する手法が特許文献1に開示されている。しかしながら、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物を原料としたウレタン変性エポキシ樹脂の場合、変性の際に架橋密度が低下することに加え、強靭性を付与するために柔軟な骨格を導入するため、十分な耐熱性を発揮できていないか、弾性率も低下する傾向にある。すなわち、エポキシ樹脂自体の性能を改善する手法では強靭化と耐熱性、あるいは強靭化と高弾性率はトレードオフの関係にあった。
また、エラストマー(ゴム成分)や熱可塑性樹脂をエポキシ樹脂に配合して強靭性を得る手法としては、非特許文献1に開示されている。しかしながら、この手法では耐熱性や弾性率の低下を避けられず、また、熱可塑性樹脂との相溶性の問題や粘度の観点から添加量を低減せざるを得ず、十分な強度の発揮はできていない。
国際公開第2015/186707号
回路実装学会誌 Vol.11 No.1(1996)
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、高耐熱、高弾性率でありながら優れた強靭性を発現する、特定の構造を有するエポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物およびその硬化物を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有するエポキシ樹脂を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物が高耐熱、高弾性率でありながら優れた強靭性を発現することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の[1]~[14]に関する。
[1]
下記式(1)で表されるエポキシ樹脂。
Figure 0007185384000001
(式(1)中、複数存在するArは、独立して式(X)、式(Y)、または式(Z)を示す。*は結合位置を示す。nは繰り返し数の平均値であり、0<n<50である。R、R、Rは独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、アリル基またはフェニル基を表し、複数存在するlおよびm1は0~4の整数を表し、m2は0~3の整数を表す。)
[2]
前記式(1)のArとして式(Z)を少なくとも1つ以上含有し、さらに式(X)または式(Y)のいずれか1種以上を含有する前項[1]に記載のエポキシ樹脂。
[3]
前記式(1)において、式(X)と式(Y)の総モル数、に対する式(Z)の割合が0.1~50モル%である前項[1]または[2]に記載のエポキシ樹脂。
[4]
前記式(1)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ当量が300~600g/eqである前項[1]乃至[3]のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂。
[5]
前記式(1)のR、Rが水素原子であり、Rがメチル基である前項[1]乃至[4]に記載のエポキシ樹脂。
[6]
前記式(1)で表されるエポキシ樹脂が、下記式(2)で表されるエポキシ樹脂と、下記式(3)で表される化合物のうちの1種以上の化合物とを反応して得られるものである前項[1]乃至[5]のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂。
Figure 0007185384000002
(式(2)中、複数存在するArは、独立して式(X1)、式(Y1)、または式(Z1)を示す。*は結合位置を示す。nは繰り返し数の平均値であり、0≦n<0.5である。R11、R21、R31は独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、アリル基またはフェニル基を表し、複数存在するl1およびm11は0~4の整数を表し、m21は0~3の整数を表す。)
Figure 0007185384000003
(式(3)中、R12、R22、R32は独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、アリル基またはフェニル基を表し、複数存在するl2およびm12は0~4の整数を表し、m22は0~3の整数を表す。)
[7]
前記式(2)のArが式(Y1)であり、前記式(3)が(Z2)である前項[6]に記載のエポキシ樹脂。
[8]
前記式(2)のR11、R21が水素原子、R31がメチル基であり、前記式(3)のR12、R22が水素原子、R32がメチル基である前項[6]又は[7]に記載のエポキシ樹脂。
[9]
前項[1]乃至[8]のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と、硬化剤を含有する硬化性樹脂組成物。
[10]
更に、無機充填剤を含有する前項[9]に記載の硬化性樹脂組成物。
[11]
更に、溶剤を含有する前項[9]または[10]に記載の硬化性樹脂組成物。
[12]
前項[9]乃至[11]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を繊維状物質に含浸して得られるプリプレグ。
[13]
前項[9]乃至[11]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を表面支持体に塗布して得られるシート。
[14]
前項[9]乃至[11]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
本発明は特定の構造を有するエポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物およびその硬化物に関するものであり、その硬化物は高耐熱、高弾性率でありながら優れた強靭性を有する。このため、本発明は電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。
本発明の実施例1のGPCチャートである。
以下、本発明のエポキシ樹脂の製法について説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、下記式(1)で表される。
Figure 0007185384000004
(式(1)中、複数存在するArは、独立して式(X)、式(Y)、または式(Z)を示す。*は結合位置を示す。nは繰り返し数の平均値であり、0<n<50である。R、R、Rは独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、アリル基またはフェニル基を表し、複数存在するlおよびm1は0~4の整数を表し、m2は0~3の整数を表す)
前記式(1)において、nは、0.6<n<20であるときが好ましく、0.8<n<15であるときが更に好ましく、1<n<10であるときが最も好ましい。
nはGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定により求めることができる。GPCチャートの各繰り返し単位に該当するピークの面積%に、繰り返し数を乗じたものの総和を求めることで算出する。
前記式(1)のR、Rは水素原子または炭素数1~5のアルキル基であるときが好ましく、水素原子であるときが更に好ましい。Rは少なくとも1つがメチル基であるときが好ましく、すべてがメチル基であるときが更に好ましい。アルキル基の炭素数は5より大きいと耐熱性や弾性率の低下を招きやすく、一方でアルキル基の導入により溶剤溶解性が改善される傾向にあるため、前記範囲が好ましい。
l、m1、m2はそれぞれ0~2の整数であるときが好ましく、0または1であるときが更に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂は通常は常温で固体の樹脂状であり、軟化点は通常40~200℃であり、好ましくは60~180℃、更に好ましくは70~120℃である。軟化点が40℃以下である場合、半固形で取り扱いが難しく、軟化点が200℃を超える場合、組成物化する際に混練が困難となる等の問題が生じる。
本発明のエポキシ樹脂のエポキシ当量は通常200~2000g/eqであり、250~1000g/eqであるときが好ましく、250~750g/eqであるときがさらに好ましく、300~600g/eqであるときが特に好ましく、350~550g/eqであるときが最も好ましい。エポキシ当量が200g/eqを下回る場合、十分な靱性が発現できず、エポキシ当量が2000g/eqを上回る場合、架橋ネットワークが粗となるため耐熱性が低下する。
本発明のエポキシ樹脂は、式(1)中のArとして式(Z)を少なくとも1つ以上含有し、さらに式(X)または式(Y)のいずれか1種以上を含有することが好ましい。また、式(X)と式(Y)の総モル数に対する式(Z)の割合が0.1~50モル%であることが好ましく、さらに好ましくは5~45モル%、特に好ましくは10~40モル%である。式(X)もしくは式(Y)の骨格の含有率が低すぎると弾性率が低下する。
本発明のエポキシ樹脂は、下記式(2)で表されるエポキシ樹脂と下記式(3)で表される化合物のうちの1種以上の化合物とを反応して得ることができる(後反応)。
Figure 0007185384000005
(式(2)中、複数存在するArは、独立して式(X1)、式(Y1)、または式(Z1)を示す。*は結合位置を示す。nは繰り返し数の平均値であり、0≦n<0.5である。R11、R21、R31は独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、アリル基またはフェニル基を表し、複数存在するl1およびm11は0~4の整数を表し、m21は0~3の整数を表す。)
Figure 0007185384000006
(式(3)中、R12、R22、R32は独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、アリル基またはフェニル基を表し、複数存在するl2およびm12は0~4の整数を表し、m22は0~3の整数を表す。)
前記式(2)のR11、R21は水素原子または炭素数1~5のアルキル基であるときが好ましく、水素原子であるときが更に好ましい。アルキル基の炭素数は5より大きいと耐熱性や弾性率の低下を招きやすく、一方でアルキル基の導入により溶剤溶解性が改善される傾向にあるため、前記範囲が好ましい。前記式(2)のR31は少なくとも1つがメチル基であるときが好ましく、すべてがメチル基であるときが更に好ましい。
前記式(3)のR12、R22は水素原子または炭素数1~5のアルキル基であるときが好ましく、水素原子であるときが更に好ましい。アルキル基の炭素数は5より大きいと耐熱性や弾性率の低下を招きやすく、一方でアルキル基の導入により溶剤溶解性が改善される傾向にあるため、前記範囲が好ましい。前記式のR32は少なくとも1つがメチル基であるときが好ましく、すべてがメチル基であるときが更に好ましい。
前記式(2)のArは式(Y1)であることが好ましく、前記式(3)は(Z2)であることが好ましい。
l1、l2、m11、m12、m21、m22はそれぞれ0~2の整数であるときが好ましく、0または1であるときが更に好ましい。
前記式(2)で表されるエポキシ樹脂は、市販の化合物を使用しても、フェノール化合物をグリシジル化して使用してもよい。合成する場合、例えば、フェノール化合物とエピハロヒドリンとを反応させ得ることができる。エピハロヒドリンの使用量はフェノール化合物の水酸基1モル(複数種使用する場合はトータルの水酸基1モル;以下同様)に対し通常3.0~20.0モル、好ましくは3.5~10.0モルである。
フェノール化合物としては、ビフェニル系化合物、ナフトール化合物を使用し得る。全フェノール化合物中20モル%以下がビフェニル系化合物ビフェノールであってもよい。フェノール化合物中にどの程度ビフェノールを混合できるかは、得られる前記式(2)で表されるエポキシ樹脂の分子量にもよるが、その結晶性を目安とするとよい。ビフェニル系化合物の量が多すぎると、結晶性が高くなるため好ましくない。
前記ビフェニル系化合物としては、4,4’-ビフェノール(以下、単にビフェノールということもある。)、3,3’-ジメチルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラメチルビフェノール、3,3’-ジエチルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラエチルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラプロピルビフェノール、3,3’,5,5’-テトライソプロピルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラブチルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラ-t-ブチルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラプロピルビフェノール、3,3’,5,5’-テトライソプロピルビフェノール、3,3’-ジフェニルビフェノール等が挙げられ、耐熱性と溶剤溶解性の観点から3,3’-ジメチルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラメチルビフェノール、3,3’-ジエチルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラエチルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラプロピルビフェノール、3,3’,5,5’-テトライソプロピルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラブチルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラt-ブチルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラプロピルビフェノール、3,3’,5,5’-テトライソプロピルビフェノールが好ましく、より好ましくは3,3’-ジメチルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラメチルビフェノール、3,3’-ジエチルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラエチルビフェノール、3,3’,5,5’-テトラプロピルビフェノール、3,3’,5,5’-テトライソプロピルビフェノールであり、さらに好ましくは3,3’,5,5’-テトラメチルビフェノールが好ましい。アルキル基の炭素数が多くなるほど溶剤溶解性は向上するが、一方で、硬化物のガラス転移温度が低下する傾向にあるため、上述の範囲が好ましい。
前記ナフトール系化合物としては、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,1’-ビ-2-ナフトール等が挙げられ、強靭性向上の観点から1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,1’-ビ-2-ナフトールが好ましい。ナフタレン環上の水酸基の位置が隣接しすぎる場合、アドバンスド法による鎖延長反応が進行しづらくなる。
フェノール化合物とエピハロヒドリンの反応においてはアルカリ金属水酸化物を使用することができる。アルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。アルカリ金属水酸化物は固形物であっても、その水溶液を使用してもよい。水溶液を使用する場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液して水を除去し、エピハロヒドリンを反応系内に連続的に戻す方法でもよい。アルカリ金属水酸化物の使用量はフェノール化合物の水酸基1モルに対して通常0.9~2.5モルであり、好ましくは0.95~1.5モルである。アルカリ金属水酸化物の使用量が少ないと反応が十分に進行しない。一方で、フェノール化合物の水酸基1モルに対して2.5モルを超えるアルカリ金属水酸化物の過剰使用は不必要な廃棄物の副生を招く。
上記反応においては、反応を促進するためにテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加しても良い。4級アンモニウム塩の使用量としてはフェノール化合物の水酸基1モルに対し通常0.1~15gであり、好ましくは0.2~10gである。使用量が少なすぎると十分な反応促進効果が得られず、使用量が多すぎるとエポキシ樹脂中に残存する4級アンモニウム塩量が増えてしまうため、電気信頼性を悪化させる原因ともなり得る。
上記反応においては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが反応進行上好ましい。
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの使用量に対し通常2~50重量%、好ましくは4~20重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの使用量に対し通常5~100重量%、好ましくは10~80重量%である。
反応温度は通常30~90℃であり、好ましくは35~80℃である。反応時間は通常0.5~10時間であり、好ましくは1~8時間である。
反応終了後、反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去することにより前記式(2)で表されるエポキシ樹脂が得られる。また、加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はグリシジル化に使用したフェノール化合物の水酸基1モルに対して通常0.01~0.3モル、好ましくは0.05~0.2モルである。反応温度は通常50~120℃、反応時間は通常0.5~2時間である。
前記式(3)で表される化合物としては、ビフェノールや3,3’,5,5’-テトラメチルビフェノール等のビフェノール類、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,1’-ビ-2-ナフトール等のナフトール類を選択する。これらは単独で使用するか、もしくは併用してもよい。
式(3)で表される化合物の使用量は、前記式(2)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ基1モルに対して通常0.05~0.8モル、好ましくは0.1~0.7モル、特に好ましくは0.2~0.6モルである。式(3)で表される化合物の使用量が少なすぎると十分な溶剤溶解を担保できず、使用量が多すぎると製造時や組成物とした際に流動性の確保が困難となる。
前記式(2)で表されるエポキシ樹脂と前記式(3)で表される化合物のうちの1種以上の化合物との反応(後反応)は、低分子量のエポキシ樹脂をフェノール性水酸基を2個以上有するフェノール化合物で鎖延長するアドバンスド法にて得ることができる。アドバンスド法は分子構造を制御できる点で優れている。
後反応は必要により、必要により触媒を使用することができる。使用できる触媒としては具体的にはテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;トリフェニルエチホスホニウムクロライド、トリフェニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスフォニウム塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属塩;2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類;2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7等の第3級アミン類;トリフェニルホスフィン、トリパラトリルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類;オクチル酸スズなどの金属化合物;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2-エチル-4-メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N-メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。これら触媒は、その触媒の種類にもよるが、一般に前記式(2)で表されるエポキシ樹脂と前記式(3)で表される化合物の総重量に対して通常10ppm~30000ppm、好ましくは100ppm~5000ppmが必要に応じて用いられる。後反応においては触媒を添加しなくても反応は進行するので、触媒は反応温度、反応溶剤量を勘案して適宜使用する。
後反応において、溶剤は使用しても使用しなくてもかまわない。溶剤を使用する場合は反応に影響を与えない溶剤であればいずれの溶剤でも使用でき、例えば極性溶剤、エーテル類;ジメチルスルホキシド、N,N’-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、プロピレングリコールモノメチルエーテル等、エステル系の有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、γ-ブチロラクトン等、ケトン系有機溶剤;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等、芳香族系有機溶剤;トルエン、キシレン等を用いることができる。
溶剤の使用量は前記式(2)で表されるエポキシ樹脂と前記式(3)で表される化合物の総重量に対し、0~300重量%、好ましくは0~100重量%である。
後反応における反応温度、反応時間は、使用する溶媒量や触媒の種類と量によるが、反応時間は通常1~200時間、好ましくは1~100時間である。生産性の問題からは反応時間が短いことが好ましい。また反応温度は0~250℃、好ましくは80~150℃である。
反応終了後、必要に応じて水洗などにより触媒等を除去し、あるいは残したまま、更に加熱減圧下溶剤を留去することにより本発明の必須成分の一つであるエポキシ樹脂が得られる。用途によってはそのまま溶剤の濃度を調整しエポキシ樹脂ワニスとして用いることも可能である。
本発明のエポキシ樹脂は、式(2)中のArが式(Z1)のみからなるエポキシ樹脂、および式(3)で表される化合物が(X2)を使用して製造するときが最も好ましい。
以下、本発明の硬化性樹脂組成物について説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂を単独で使用する、または他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂は全エポキシ樹脂中に占める割合は5~95重量%が好ましく、10~95重量%がより好ましく、15~95重量%が更に好ましい。添加量が少ない場合、十分な強靭性を発現できない場合がある。
本発明のエポキシ樹脂と併用されうる他のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)もしくはフェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物;前記フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物;前記フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物;前記フェノール類と芳香族ビスアルコキシメチル類(ビスメトキシメチルベンゼン、ビスメトキシメチルビフェニル、ビスフェノキシメチルビフェニル等)との重縮合物;前記ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物またはアルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物に使用し得る硬化剤としては、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、活性エステル化合物などが挙げられる。
アミン系化合物の具体例としては、例えばo-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、2,2'-ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジエチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジエチル-5,5'-ジメチルジフェニルメタン、4,4'-ジアミノ-3,3',5,5'-テトラメチルジフェニルメタン、4,4'-ジアミノ-3,3',5,5'-テトラエチルジフェニルメタン、4,4'-ジアミノ-3,3',5,5'-テトライソプロピルジフェニルメタン、4,4'-メチレンビス(N-メチルアニリン)、ビス(アミノフェニル)フルオレン、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,3'-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-(1,3-フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4'-(1,4-フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、ナフタレンジアミン、ベンジジン、ジメチルベンジジン、国際公開第WO2017/170551号A1中、の合成例1またはおよび合成例2に記載の芳香族アミン化合物等の芳香族アミン化合物、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、ノルボルナンジアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ダイマー-ジアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン等が挙げられるが、これに限定されず、組成物に付与したい特性に応じ好適に用いることができる。ポットライフを確保するためには芳香族アミンを使用することが好ましく、即硬化性を付与したい場合には脂肪族アミンを使用することが好ましい。2官能成分を主成分として含有するアミン系化合物を硬化剤として用いることで、硬化反応時、直線性の高いネットワークを構築することができ、特に優れた強靭性を発現することができる。
酸無水物系化合物の具体例としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒトドロ無水フタル酸、無水メチルナシジック酸、ヘキサヒトドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒトドロ無水フタル酸等の酸無水物系化合物等が挙げられる。
アミド系化合物の具体例としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等のアミド系化合物等が挙げられる。
フェノール系化合物としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)もしくはフェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、または前記フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、または前記フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、または前記フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、または前記フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、または前記フェノール類と芳香族ビスアルコキシメチル類(ビスメトキシメチルベンゼン、ビスメトキシメチルビフェニル、ビスフェノキシメチルビフェニル等)との重縮合物、または前記ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、及びこれらの変性物等のフェノール系化合物等が挙げられる。
活性エステル化合物としては、1分子中に1個以上の活性エステル基を有する化合物を必要に応じて用いることができる。活性エステル系硬化剤としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましい。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及びチオカルボン酸化合物の少なくともいずれかの化合物と、ヒドロキシ化合物及びチオール化合物の少なくともいずれかの化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に、耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及びナフトール化合物の少なくともいずれかの化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましい。
カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系硬化剤の好ましい具体例としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が挙げられる。中でも、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンチレン-フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、例えば、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H-65TM」、「EXB-8000L-65TM」、「EXB-8150-65T」(DIC社製);ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416-70BK」(DIC社製);フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱化学社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」、「YLH1030」、「YLH1048」(三菱化学社製);フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱化学社製);リン原子含有活性エステル系硬化剤としてDIC社製の「EXB-9050L-62M」;等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.5~1.5当量が好ましく、0.6~1.2当量が特に好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.5当量に満たない場合、あるいは1.5当量を超える場合、いずれも硬化が不完全になり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を併用しても差し支えない。使用できる硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2-エチル-4-メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N-メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフトエ酸、サリチル酸等のカルボン酸系化合物などが挙げられる。アミン系化合物とエポキシ樹脂の硬化反応を促進する観点からサリチル酸等のカルボン酸系化合物が好ましい。硬化促進剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01~15重量部が必要に応じて用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて無機充填剤を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら無機充填剤は、用途によりその使用量は異なるが、例えば半導体の封止剤用途に使用する場合は硬化性樹脂組成物の硬化物の耐熱性、耐湿性、力学的性質、難燃性などの面から硬化性樹脂組成物中で20重量%以上占める割合で使用するのが好ましく、より好ましくは30重量%以上であり、特にリードフレームとの線膨張率を向上させるために70~95重量%を占める割合で使用するのがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は成形時の金型との離型を良くするために離型剤を配合することができる。離型剤としては従来公知のものいずれも使用できるが、例えばカルナバワックス、モンタンワックスなどのエステル系ワックス、ステアリン酸、パルチミン酸などの脂肪酸およびこれらの金属塩、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上併用しても良い。これら離型剤の配合量は全有機成分に対して0.5~3重量%が好ましい。これより少なすぎると金型からの離型が悪く、多すぎるとリードフレームなどとの接着が悪くなる。
本発明の硬化性樹脂組成物は無機充填剤と樹脂成分との接着性を高めるためにカップリング剤を配合することができる。カップリング剤としては従来公知のものをいずれも使用できるが、例えばビニルアルコキシシラン、エポキアルコキシシラン、スチリルアルコキシシラン、メタクリロキシアルコキシシラン、アクリロキシアルコキシシラン、アミノアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン、イソシアナートアルコキシシランなどの各種アルコキシシラン化合物、アルコキシチタン化合物、アルミニウムキレート類などが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上併用しても良い。カップリング剤の添加方法は、カップリング剤であらかじめ無機充填剤表面を処理した後、樹脂と混練しても良いし、樹脂にカップリング剤を混合してから無機充填剤を混練しても良い。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することが出来る。用いうる添加剤の具体例としては、ポリブタジエン及びこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、フッ素樹脂、マレイミド系化合物、シアネートエステル系化合物、シリコーンゲル、シリコーンオイル、並びにカーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色剤などが挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することにより得られる。本発明の硬化性樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば、エポキシ樹脂と硬化剤、並びに必要により硬化促進剤、無機充填剤、離型剤、シランカップリング剤及び添加剤を必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合することより本発明の硬化性樹脂組成物を得て、これを溶融注型法あるいはトランスファー成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法などによって成型し、更に80~200℃で2~10時間に加熱することにより硬化物を得ることができる。
また本発明の硬化性樹脂組成物は溶剤を含有してもよい。溶剤を含む硬化性樹脂組成物(ワニス)はガラス繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの繊維状物質(基材)に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物とすることができる。この硬化性樹脂組成物中の溶剤含量は、内割りで通常10~70重量%、好ましくは15~70重量%程度である。溶剤としては例えばγ-ブチロラクトン類、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤;テトラメチレンスルホン等のスルホン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、好ましくは低級(炭素数1~3)アルキレングリコールのモノ又はジ低級(炭素数1~3)アルキルエーテル;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、好ましくは2つのアルキル基が同一でも異なってもよいジ低級(炭素数1~3)アルキルケトン;トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤等が挙げられる。これらは単独であっても、また2以上の混合溶媒であってもよい。
また、剥離フィルム上に前記ワニスを塗布し加熱下で溶剤を除去、Bステージ化を行うことによりシート状の接着剤(本発明のシート)を得ることが出来る。このシート状接着剤は多層基板などにおける層間絶縁層として使用することが出来る。
本発明の硬化物は各種用途に使用できる。詳しくはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される一般の用途が挙げられ、例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
封止剤としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSI用などのポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TABなどのポッティング封止、フリップチップ用のアンダーフィル、QFP、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)などを挙げることができる。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部は重量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。
<エポキシ当量>
JIS K-7236に準拠。
<軟化点>
JIS K-7234に準拠。
<ICI粘度(150℃)>
JIS K-7117-2に準拠。
<GPC測定>
GPC:DGU-20A3R,LC-20AD,SIL-20AHT,RID-20A,SPD-20A,CTO-20A,CBM-20A(いずれも島津製作所製)
カラム:Shodex KF-603、KF-602x2、KF-601x2)
連結溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min.
カラム温度:40℃
検出:RI(示差屈折検出器)
[実施例1]
温度計、冷却管、分留管、撹拌機を取り付けたフラスコに窒素パージを施しながら、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂(商品名YX-4000H ジャパンエポキシレジン株式会社製)591部、2、7-ナフタレンジオール(東京化成社製)120部、メチルイソブチルケトン178部を仕込み、撹拌下で100℃まで昇温した後、トリパラトリルホスフィン(北興化学社製)0.18部を添加し、125℃で15時間反応させた後、メチルイソブチルケトンを留去することで、樹脂状固体として本発明のエポキシ樹脂(EP1)を得た。EP1の軟化点は98℃であり、エポキシ当量は499g/eq、ICI粘度(150℃)は3.78Pa・s、前記式(1)におけるnは7.5であった。得られたエポキシ樹脂のGPCチャートを図1に示す。
[実施例2]
実施例1で得られたエポキシ樹脂(EP1)、および硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製 H-1 軟化点80℃、水酸基当量105g/eq、以下、P-1と表す。)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(東京化成社製 / 以下、TPPと表す。)を使用し、表1の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、更に脱型後、160℃で2時間、180℃で6時間の条件で硬化し、評価用試験片を得た。
[比較例1]
実施例2のエポキシ樹脂をビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製 エピコート1001 軟化点65.5℃、エポキシ当量472g/eq、以下、EP2と表す。)に変更した以外は同様にして、評価用試験片を得た。
<耐熱性試験>
・ガラス転移温度:動的粘弾性試験機により測定し、tanδが最大値のときの温度。
動的粘弾性測定器:TA-instruments製DMA-2980
昇温速度:2℃/分
<曲げ試験>
・曲げ強度:JIS K-6911に準拠して30℃で測定した。
Figure 0007185384000007
EP1:実施例1で合成したエポキシ樹脂
EP2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製 エピコート1001)
P-1:フェノールノボラック(H-1 明和化成社製)
TPP:トリフェニルホスフィン(東京化成社製)
表1の結果より、実施例1は優れた耐熱性を示し、さらに、高弾性でありながら強靭性を有するという優れた特性を有することが確認された。
本発明のエポキシ樹脂を用いた硬化性樹脂組成物は、電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板、BGA用基板、ビルドアップ基板など)、接着剤(導電性接着剤など)やCFRPを始めとする各種複合材料用、塗料等の用途に有用である。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で表されるエポキシ樹脂。
    Figure 0007185384000008
    (式(1)中、複数存在するArは、独立して式(X)、または式(Z)を示し、式(X)に対する式(Z)の割合が0.1~50モル%である。*は結合位置を示す。nは繰り返し数の平均値であり、0<n<50である。 、R は独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、アリル基またはフェニル基を表し、複数存在するlは0~4の整数を表す。)
  2. 前記式(1)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ当量が200~2000g/eqである請求項に記載のエポキシ樹脂。
  3. 前記式(1)の 水素原子であり、Rがメチル基である請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂。
  4. 前記式(1)で表されるエポキシ樹脂が、下記式(2)で表されるエポキシ樹脂と、下記式(3)で表される化合物のうちの1種以上の化合物とを反応して得られるものである請求項1乃至のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂。
    Figure 0007185384000009
    (式(2)中、複数存在するArは、独立して式(X1)、または式(Z1)を示す。*は結合位置を示す。nは繰り返し数の平均値であり、0≦n<0.5である。 11 、R 31 は独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、アリル基またはフェニル基を表し、複数存在するl1は0~4の整数を表す。)
    Figure 0007185384000010
    (式(3)中、 12 、R 32 は独立して、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、アリル基またはフェニル基を表し、複数存在するl2は0~4の整数を表す。)
  5. 前記式(2)のAr式(Z1)であり、前記式(3)が式(X2)である請求項に記載のエポキシ樹脂。
  6. 前記式(2)の 11 水素原子、R31がメチル基であり、前記式(3)の 12 水素原子、R32がメチル基である請求項又はに記載のエポキシ樹脂。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と、硬化剤を含有する硬化性樹脂組成物。
  8. 更に、無機充填剤を含有する請求項に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 更に、溶剤を含有する請求項またはに記載の硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項乃至のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を繊維状物質に含浸して得られるプリプレグ。
  11. 請求項乃至のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を表面支持体に塗布して得られるシート。
  12. 請求項乃至のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
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