Patents
Search within the title, abstract, claims, or full patent document: You can restrict your search to a specific field using field names.
Use TI= to search in the title, AB= for the abstract, CL= for the claims, or TAC= for all three. For example, TI=(safety belt).
Search by Cooperative Patent Classifications (CPCs): These are commonly used to represent ideas in place of keywords, and can also be entered in a search term box. If you're searching forseat belts, you could also search for B60R22/00 to retrieve documents that mention safety belts or body harnesses. CPC=B60R22 will match documents with exactly this CPC, CPC=B60R22/low matches documents with this CPC or a child classification of this CPC.
Learn MoreKeywords and boolean syntax (USPTO or EPO format): seat belt searches these two words, or their plurals and close synonyms. "seat belt" searches this exact phrase, in order. -seat -belt searches for documents not containing either word.
For searches using boolean logic, the default operator is AND with left associativity. Note: this means safety OR seat belt is searched as (safety OR seat) AND belt. Each word automatically includes plurals and close synonyms. Adjacent words that are implicitly ANDed together, such as (safety belt), are treated as a phrase when generating synonyms.
Learn MoreChemistry searches match terms (trade names, IUPAC names, etc. extracted from the entire document, and processed from .MOL files.)
Substructure (use SSS=) and similarity (use ~) searches are limited to one per search at the top-level AND condition. Exact searches can be used multiple times throughout the search query.
Searching by SMILES or InChi key requires no special syntax. To search by SMARTS, use SMARTS=.
To search for multiple molecules, select "Batch" in the "Type" menu. Enter multiple molecules separated by whitespace or by comma.
Learn MoreSearch specific patents by importing a CSV or list of patent publication or application numbers.
エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子回路用積層板
JP6268753B2
Japan
Description
translated from
れているジヒドロアントラキノン骨格は、これを改善するために部分水素添加を行ったものであり、アントラキノン骨格に比較して安定性は改善されているが、本発明者の検討により、高分子量化が困難であるということが見出されており、フィルム成型を必要とする用途には適用しにくいという問題点がある。
もよい芳香環であり、Xは直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO2−及び−CO−から選ばれる2価の連結基である。)
ら選ばれる2価の連結基である。)
、[8]に記載のエポキシ樹脂組成物。
本発明のエポキシ樹脂は、下記式(1)で表され、重量平均分子量が1,000〜200,000であることを特徴とする。本発明のエポキシ樹脂は、耐熱性に優れ、良好な製膜性、伸び性を有し、かつ吸湿率が低いという特長を有する。これは、アントラセン骨格の剛直性によって分子間の相互作用が強化されるために耐熱性が良好となる一方、ある程度の分子鎖長を有することで、製膜性を発現し、更に、式(2)に含まれるアントラセン骨格を含む芳香環同士が重なり合った構造が「滑る」ことができるため、引っ張りの応力がかかった際にその応力を緩和することで伸び性を発現し、また、単位ユニット当たりの分子量が通常のエポキシ樹脂よりも大きいことで、吸湿性の原因となる二級水酸基の濃度が相対的に低くなるためであると推定される。
る。上記式(2)中、A1及びA2は、それぞれ独立に、置換基として炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基から任意に選ばれる基を有していてもよい芳香環であり、Xは直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO2−及び−CO−から選ばれる2価の連結基である。)
前記式(1)中、Aは前記式(2)で表される化学構造を必ず含む。前記式(2)中、A1及びA2は、それぞれ独立に、置換基として炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基から任意に選ばれる基を有していてもよい芳香環である。
としては次のようなものが挙げられる。例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチルビニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シンナミル基、ナフチルビニル基等が挙である。これらの中でもビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチルビニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基等の炭素数2〜4のアルケニル基が好ましい。
ある。
本発明のエポキシ樹脂の重量平均分子量Mwは、1,000〜200,000である。重量平均分子量が1,000より低いものではフィルム製膜性や伸び性が低くなり、200,000より高いと樹脂の取り扱いが困難となる。本発明のエポキシ樹脂の重量平均分子量Mwは、フィルム製膜性や伸び性を向上させる観点から、2,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、一方、取り扱い性を良好なものとする観点から、120,000以下が好ましく、80,000以下がより好ましい。なお、エポキシ樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定することができる。より詳細な方法の例について後述の実施例において説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、フィルム製膜性や伸び性を向上させる観点から、エポキシ当量が500g/当量以上が好ましく、より好ましくは1,000g/当量以上、更に好ましくは2,500g/当量以上、特に好ましくは3,500g/当量以上であり、最も好ましくは5,000g/当量以上である。一方、取り扱い性を良好なものとする観点から、100,000g/当量以下が好ましく、より好ましくは50,000g/当量以下、
更に好ましくは30,000g/当量以下、特に好ましくは20,000g/当量以下である。なお、本発明において「エポキシ当量」とは、「1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の質量」と定義され、JIS K7236に準じて測定することができる。
本発明のエポキシ樹脂は、耐熱性に優れるものであり、耐熱性はガラス転移温度Tgにより評価することができる。本発明のエポキシ樹脂においては、Tgが好ましくは110℃以上、より好ましくは130℃以上であり、上限については特に制限はないが、通常210℃以下である。ガラス転移温度は、DSC法により測定することができる。
本発明のエポキシ樹脂は、例えば、下記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂と、下記式(6)で表されるビスフェノール系化合物とを反応させる、二段法によって得ることができる。また、下記式(6)で表されるビスフェノール系化合物をエピハロヒドリンと反応させる、一段法によっても得ることができる。ただし、二段法では高分子量のエポキシ樹脂を一段法よりも容易に得ることができるため、二段法を用いることが好ましい。
本発明の他の態様にかかるエポキシ樹脂は、前記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂と、前記式(6)で表されるビスフェノール系化合物を反応させて得られることを特徴とする。
本発明のエポキシ樹脂の製造に用いられる2官能エポキシ樹脂は、前記式(5)で表されるエポキシ樹脂であり、例えば、前記式(6)で表されるビスフェノール系化合物を、後述の一段法によってエピハロヒドリンと縮合させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂の製造に用いられるビスフェノール系化合物は、前記式(6)で表されるビスフェノール系化合物である。
合には、該A’には公知の任意の化学構造を導入することができる。
挙げられる。
ルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジオキサン等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂は、一段法によっても製造することができる。具体的には、前記式(6)で表されるビスフェノール系化合物を、エピハロヒドリンと直接反応させればよい。ただし、前述のように、一段法で製造した本発明のエポキシ樹脂のうち低分子のものについては、二段法における2官能エポキシ樹脂として用いることができる。
すく、また、適切な溶融粘度とすることができるために好ましい。一方、エピハロヒドリンの量が上記上限以下であると生産効率が向上する傾向にあるために好ましい。
35〜100℃であり、減圧下の反応の場合は好ましくは20〜100℃、より好ましくは30〜90℃、更に好ましくは35〜80℃である。反応温度が上記下限以上であると反応を進行させやすいために好ましい。また、反応温度が上記上限以下であると副反応が進行しにくく、特に塩素不純物が低減しやすいために好ましい。
ルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド等のホスホニウム塩;トリフェニルホスフィン等のホスフィン類等の触媒を用いてもよい。
トン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;メトキシプロパノール等のグリコールエーテル類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等の不活性な有機溶媒を使用してもよい。
スルホキシド等の不活性な有機溶媒に再溶解しアルカリ金属水酸化物を固体又は水溶液で加えて好ましくは30〜120℃、より好ましくは40〜110℃、更に好ましくは50〜100℃の温度で好ましくは0.1〜15時間、より好ましくは0.3〜12時間、更に好ましくは0.5〜10時間再閉環反応を行った後、水洗等の方法で過剰のアルカリ金属水酸化物や副性塩を除去し、更に有機溶媒を減圧留去及び/又は水蒸気蒸留を行うと、加水分解性ハロゲン量が低減されたエポキシ樹脂を得ることができる。反応温度が上記下限以上であり、また、反応時間が上記下限以上であると再閉環反応が進行しやすいために好ましい。また、反応温度が上記上限以下であり、また、反応時間が上記上限以下であると高分子量化反応を制御しやすいために好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくとも前述した本発明のエポキシ樹脂と硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物である。また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、他のエポキシ樹脂、無機フィラー、カップリング剤等を適宜配合することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は耐熱性、伸び性、低吸湿性等に優れ、各種用途に要求される諸物性を十分に満たす硬化物を与えるものである。
本発明のエポキシ樹脂に硬化剤を配合してエポキシ樹脂組成物とすることができる。本発明において硬化剤とは、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質を示す。なお、本発明においては通常、「硬化促進剤」と呼ばれるものであってもエポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質であれば、硬化剤とみなすこととする。
硬化剤としてフェノール系硬化剤を用いることが、得られるエポキシ樹脂組成物の取り扱い性と、硬化後の耐熱性を向上させる観点から好ましい。フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジ
ヒドロキシビフェニル、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o−クレゾールノボラック、m−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、フルオログリシノール、ピロガロール、t−ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,4−ジヒドロキシナフタレン、2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,8−ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物又はポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック、アリル化ピロガロール等が例示される。
硬化剤としてアミド系硬化剤を用いることが、耐熱性等の向上の観点から好ましい。エポキシ樹脂硬化剤としてアミド系エポキシ樹脂硬化剤を用いることにより、得られるエポキシ樹脂組成物の耐熱性の向上の観点から好ましい。アミド系硬化剤としてはジシアンジアミド及びその誘導体、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
硬化剤としてイミダゾール類を用いることが、硬化反応を十分に進行させ、耐熱性を向上させる観点から好ましい。イミダゾール類としては、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及びエポキシ樹脂と上記イミダゾール類との付加体等が例示される。なお、イミダゾール類は触媒能を有するため、一般的には後述する硬化促進剤にも分類されうるが、本発明においては硬化剤として分類するものとする。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることのできる硬化剤として、フェノール系硬化剤、アミド系硬化剤及びイミダゾール類以外のものとしては、例えば、アミン系硬化剤(ただし、第3級アミンを除く。)、酸無水物系硬化剤、第3級アミン、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂に加え、他のエポキシ樹脂を含むことができる。他のエポキシ樹脂を用いることで、不足する物性を補ったり、種々の物性を向上させたりすることができる。
本発明のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物には、塗膜形成時の取り扱い時に、エポキシ樹脂組成物の粘度を適度に調整するために溶剤を配合し、希釈してもよい。本発明のエポキシ樹脂組成物において、溶剤は、エポキシ樹脂組成物の成形における取り扱い性、作業性を確保するために用いられ、その使用量には特に制限がない。なお、本発明においては「溶剤」という語と前述の「溶媒」という語をその使用形態により区別して用いるが、それぞれ独立して同種のものを用いても異なるものを用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物には無機フィラーを含有していてもよい。無機フィラーを含むことにより、熱伝導性の向上や線膨張係数の低減等を図ることができる。本発明で用いる無機フィラーは高い熱伝導性を有するものが好ましく、当該無機フィラーの熱伝導率として1W/m・K以上、好ましくは2W/m・K以上の高熱伝導性の無機フィラーが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物には、カップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤を配合することにより、基材との接着性やマトリックス樹脂と無機フィラーとの接着性を向上させることができる。カップリング剤としてはシランカッ
プリング剤、チタネートカップリング剤等が挙げられる。
ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物には、その機能性の更なる向上を目的として、以上で挙げたもの以外の成分(本発明において「その他の成分」と称することがある。)を含んでいてもよい。このようなその他の成分としては、硬化促進剤(ただし、「硬化剤」に含まれるものを除く。)、保存安定性向上のための紫外線防止剤、酸化防止剤、可塑剤、はんだの酸化皮膜除去のためのフラックス、難燃剤、着色剤、分散剤、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂を硬化剤により硬化してなる硬化物は、耐熱性が高く、伸び性を有し、吸湿性が低く、また、熱伝導性等のバランスに優れ、良好な硬化物性を示すものである。ここでいう「硬化」とは熱及び/又は光等によりエポキシ樹脂組成物を意図的に硬化させることを意味するものであり、その硬化の程度は所望の物性、用途により制御すればよい。進行の程度は完全硬化であっても、半硬化の状態であってもよく、特に制限されないが、エポキシ基と硬化剤の硬化反応の反応率として通常5〜95%である。
100〜130℃で10〜30分の一次加熱と、一次加熱温度よりも50〜80℃高い150〜200℃で60〜150分の二次加熱との二段処理で行うことが、硬化不良を少なくするという点で好ましい。
本発明のエポキシ樹脂及びそれを含むエポキシ樹脂組成物は、耐熱性が高く、良好な伸び性を有し、かつ吸水率が低いという特長を有する。このため、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野に適用可能であり、特に、電気・電子分野における絶縁注型、積層材料、封止材料等として有用である。本発明のエポキシ樹脂及びそれを含むエポキシ樹脂組成物の用途の一例としては、多層プリント配線基板、キャパシタ等の電気・電子回路用積層板、フィルム状接着剤、液状接着剤等の接着剤、半導体封止材料、アンダーフィル材料、3D−LSI用インターチップフィル、絶縁シート、プリプレグ、放熱基板等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は前述したように電気・電子回路用積層板の用途に好適に用いることができる。本発明において「電気・電子回路用積層板」とは、本発明のエポキシ樹脂組成物を含む層と導電性金属層とを積層したものであり、本発明のエポキシ樹脂組成物を含む層と導電性金属層とを積層したものであれば、電気・電子回路ではなくとも、例えばキャパシタも含む概念として用いられる。なお、電気・電子回路用積層板中には2種以上のエポキシ樹脂組成物からなる層が形成されていてもよく、少なくとも1つの層において本発明のエポキシ樹脂組成物が用いられていればよい。また、2種以上の導電性金属層が形成されていてもよい。
電気・電子回路用積層板における導電性金属としては、銅、アルミニウム等の金属や、これらの金属を含む合金が挙げられる。本発明において電気・電子回路用積層板の導電性金属層においては、これらの金属の金属箔、あるいはメッキやスパッタリングで形成された金属層を用いることができる。
本発明における電気・電子回路用積層板の製造方法としては、例えば次のような方法が挙げられる。
(1) ガラス繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、セルロース、ナノファイバーセルロース等の無機及び/又は有機の繊維材料を用いた不織布やクロス等に、本発明のエポキシ樹脂組成物を含浸させてプリプレグとし、導電性金属箔及び/又はメッキにより導電性金属層を設けた後、フォトレジスト等を用いて回路を形成し、こうした層を必要数重ねて積層板とする。
(2) 上記(1)のプリプレグを心材とし、その上(片面又は両面)に、エポキシ樹脂組成物からなる層と導電性金属層を積層する(ビルドアップ法)。このエポキシ樹脂組成物からなる層は有機及び/又は無機のフィラーを含んでいてもよい。
(3) 心材を用いず、エポキシ樹脂組成物からなる層と導電性金属層のみを交互に積層
して電気・電子回路用積層板とする。
以下の実施例及び比較例において、物性、特性の評価は以下の1)〜5)に記載の方法で行った。
東ソー(株)製「HLC−8320GPC装置」を使用し、以下の測定条件で、標準ポリスチレンとして、TSK Standard Polystyrene:F−128(Mw1,090,000、Mn1,030,000)、F−10(Mw106,000、Mn103,000)、F−4(Mw43,000、Mn42,700)、F−2(Mw17,200、Mn16,900)、A−5000(Mw6,400、Mn6,100)、A−2500(Mw2,800、Mn2,700)、A−300(Mw453、Mn387)を使用した検量線を作成して、重量平均分子量および数平均分子量をポリスチレン換算値として測定した。
カラム:東ソー(株)製「TSKGEL SuperHM−H+H5000+H4000+H3000+H2000」
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min
検出:UV(波長254nm)
温度:40℃
試料濃度:0.1重量%
インジェクション量:10μl
前記式(1)におけるnの値は上記で求められた数平均分子量より算出した。
JIS K 7236に準じて測定し、固形分換算値として表記した。
溶剤を乾燥除去したエポキシ樹脂、又はエポキシ樹脂硬化物のフィルムについて、SIIナノテクノロジー(株)製「DSC7020」を使用し、30〜250℃まで10℃/minで昇温してガラス転移温度を測定した。なお、ここでいうガラス転移温度は、JIS K7121「プラスチックの転移温度測定法」に記載されているうち「中点ガラス転移温度:Tmg」に基づいて測定した。ガラス転移温度は高いほど好ましく、110℃以上であることが好ましい。
エポキシ樹脂の溶液をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み:100μm)にアプリケーターで塗布し、160℃で1.5時間、その後
200℃で1.5時間乾燥させ、厚さ約50μmのエポキシ樹脂フィルムを得た。このエ
ポキシ樹脂のフィルム、又はエポキシ樹脂硬化物のフィルムについて4cm×4cmに切
り出した試験片を、85℃、85%RHの恒温恒湿槽に168時間放置した後の吸水率を下記式で算出した。吸水率は低いほど好ましく、1.00以下であることが好ましい。
(吸水率)=[{(85℃、85%RHに168時間放置後の試験片の質量)
−(処理前の試験片の質量)}/(処理前の試験片の質量)]×100
エポキシ樹脂の溶液をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み:100μm)の表面にアプリケーターで塗布し、60℃で1時間、その後150℃で1時間、更に200℃で1時間乾燥させ、厚さ約50μmのエポキシ樹脂フィルムを得た。これを幅1cmに切り出し、インストロン社製 精密万能試験機「INSTRON 5582型」を使用して5mm/minで破断伸度を3回測定した平均値を示した。伸びはその値が高いほど好ましい。
<実施例1−1〜1−13>
表−1又は表−2に示した配合で2官能エポキシ樹脂、ビスフェノール系化合物、触媒および反応用の溶剤を撹拌機付き反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下145℃で、表−1又は表−2に記載した反応時間で反応を行った。その後、希釈用の溶剤を加えて固形分濃度を調整した。反応生成物から定法により溶剤を除去した後、得られた樹脂について分析を行った。結果を表−1又は表−2に示す。なお、反応に用いた化合物、触媒および溶剤は以下の通りである。
(A−1):三菱化学(株)製 商品名「YX4000」(3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、エポキシ当量186g/当量)(A−2):三菱化学(株)製 商品名「jER(登録商標) 828US」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量185g/当量)
(A−3):三菱化学(株)製 商品名「jER(登録商標) 806H」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量171g/当量)
(A−4):三菱化学(株)製 商品名「YL6121H」(4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂と3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂の重量比1:1混合物、エポキシ当量171g/当量)
(B−1):9−(4−ヒドロキシベンジル)−10−(4−ヒドロキシフェニル)アントラセン(製品名:AVライト BIP−ANT、水酸基当量188g/当量、旭有機材工業(株)製)
(D−1):4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール(製品名:BisP−AP 水酸基当量145g/当量、本州化学工業(株) 製)
(D−2):4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ビスフェノール(製品名:BisP−TMC 水酸基当量155g/当量、本州化学工業(株) 製)
(D−3):9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(製品名:BisOC−FL 水酸基当量189g/当量、本州化学工業(株) 製)
(C−1):27重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液
(S−1):シクロヘキサノン
(S−2):メチルエチルケトン
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの四口フラスコにビスフェノール系化合物(B−1)115.6g、エピクロルヒドリン341.0g、イソプロピルアルコール132.7gを仕込み、40℃に昇温して均一に溶解させた後、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液58.9gを90分かけて滴下した。その間に徐々に昇温し、滴下終了後には系内が65℃になるようにした。その後、65℃で30分保持し反応を完了させ、水洗により副生塩及び過剰の水酸化ナトリウムを除去した。ついで、生成物から減圧下で過剰のエピクロルヒドリンとイソプロピルアルコールを留去して、粗製エポキシ樹脂を得た。この粗製エポキシ樹脂をメチルイソブチルケトン183.3gに溶解させ、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液9.2gを加え、65℃の温度で1時間再び反応させた。その後、反応液にリン酸二水素ナトリウム水溶液を加えて、過剰の水酸化ナトリウムを中和し、水洗して副生塩を除去した。次いで、減圧下でメチルイソブチルケトンを完全に除去して、目的のエポキシ樹脂125.0gを得た。得られたエポキシの分析値は、エポキシ当量253g/当量、融点62℃、式(1)におけるn数は0.05であった。この
エポキシ樹脂は結晶性であり製膜性が無く、フィルム製膜できなかったため、伸びの測定ができなかった。
<実施例2−1〜2−13>
実施例1−1〜1−13のそれぞれで得られたエポキシ樹脂と、ビスフェノールAノボラック型多官能エポキシ樹脂80重量%MEK溶液(三菱化学(株)製 商品名「157S65B80)」)と、硬化剤として2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール(三菱化学(株)製 商品名「EMI24」)の20重量%MEK溶液を、表−3又は表−4の配合となるようにはかり取り、よく撹拌してエポキシ樹脂組成物を得た。これらのエポキシ樹脂組成物をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み:100μm)にアプリケーターで塗布し、160℃で1.5時間、その後200℃で1.5時間乾燥、硬化させ、厚さ約50μmのエポキシ樹脂硬化物のフィルムを得た。
これらについて、前述の方法を用いてガラス転移点、吸水率、伸びを測定した。結果を表−3、表−4に示す。なお、表−3、表−4の「その他のエポキシ樹脂」、「硬化剤」における略号の意味は下記の通りである。
「157S65B80」:三菱化学(株)製 ビスフェノールAノボラック型多官能エポキシ樹脂80重量%MEK溶液
「EMI24」:三菱化学(株)製 2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール
Claims (15)
Hide Dependent
translated from
- 下記式(1)で表され、重量平均分子量が5,000〜80,000であることを特徴
とするエポキシ樹脂。
水素原子又は上記式(3)で表される基であり、nは繰り返し数の平均値であり1以上5
00以下である。
上記式(2)中、A1及びA2は、それぞれ独立に、置換基として炭素数1〜12のア
ルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜1
2のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基から任意に選ばれる基を有していても
よい芳香環であり、
Xは直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO2−及び
−CO−から選ばれる2価の連結基である。
上記式(4)中、R 1 は直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−,−S
−、−SO 2 −及び−CO−から選ばれる基であり、R 2 は互いに異なっていてもよく、
水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基又はハロゲン元素から選ばれる基である。) - 前記式(1)中、前記式(2)で表される化学構造が、A全体のモル数に対して1〜9
9モル%含まれる請求項1に記載のエポキシ樹脂。 - 前記式(1)中、前記式(4)で表される化学構造が、A全体のモル数に対して1〜9
9モル%含まれる、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂。 - 下記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂と、下記式(6)で表されるビスフェノー
ル系化合物とを反応させて得られることを特徴とするエポキシ樹脂。
構造を含み、mは繰り返し数の平均値であり0以上6以下である。
上記式(2)’中、A’1及びA’2は、それぞれ独立に、置換基として炭素数1〜1
2のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数
1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基から任意に選ばれる基を有して
いてもよい芳香環であり、X’は直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−
、−S−、−SO2−及び−CO−から選ばれる2価の連結基である。
上記式(4)’中、R’ 1 は直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、
−S−、−SO 2 −及び−CO−から選ばれる基であり、R’ 2 は互いに異なっていても
よく、水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基又はハロゲン元素から選ばれる基である。
) - 前記式(5)及び(6)中、前記式(2)’で表される化学構造が、A’全体のモル数
に対して1〜99モル%含まれる請求項4に記載のエポキシ樹脂。 - 前記式(5)及び(6)中、前記式(4)’で表される化学構造がA’全体のモル数に
対して1〜99モル%含まれる、請求項4又は5に記載のエポキシ樹脂。 - エポキシ当量が500g/当量以上、100,000g/当量以下である、請求項1乃
至6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂と、硬化剤とからなるエポキシ樹
脂組成物。 - 前記エポキシ樹脂100重量部に対し、前記硬化剤を0.1〜100重量部含む、請求
項8に記載のエポキシ樹脂組成物。 - 更に他のエポキシ樹脂を含み、固形分としての全エポキシ樹脂成分中、他のエポキシ樹
脂を1〜99重量%含む、請求項8又は9に記載のエポキシ樹脂組成物。 - 更に他のエポキシ樹脂を含み、固形分としての全エポキシ樹脂成分100重量部に対し
、前記硬化剤を0.1〜100重量部含む、請求項8に記載のエポキシ樹脂組成物。 - 固形分としての全エポキシ樹脂成分中、他のエポキシ樹脂を1〜99重量部含む、請求
項11に記載のエポキシ樹脂組成物。 - 前記硬化剤がフェノール系硬化剤、アミド系硬化剤及びイミダゾール類からなる群から
選ばれる少なくとも1種である、請求項8乃至12のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂
組成物。 - 請求項8乃至13のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を用いてなる電気・電子
回路用積層板。 - 請求項8乃至13のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。