JP5250801B2 - 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

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本発明は、リードフレームに対する密着強度が高く、低弾性率で耐半田性に優れた半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置に関するものである。
従来から、トランジスタ、IC、LSI等の半導体素子は、外部環境からの保護および半導体素子のハンドリング性の簡易化を目的として、リードフレーム上に搭載した状態で、プラスチックパッケージ等により封止され半導体装置化されている。そして、上記プラスチックパッケージに用いられる封止材料としては、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用い、これに硬化剤であるフェノール樹脂、無機質充填剤、硬化促進剤等を用いたエポキシ樹脂組成物が好適に用いられている。
このようなエポキシ樹脂組成物のなかで、その配合成分にベンゾトリアゾール系化合物を配合したものがいくつか提案されている。例えば、反応性および硬化性が良好で、接着性に優れたものとして、エポキシ樹脂組成物に、特定のベンゾトリアゾール化合物を配合することが提案されている(特許文献1参照)。
一方、半導体素子を搭載するリードフレーム表面にベンゾトリアゾール系の防錆剤を塗布して防錆被膜を形成し、半導体装置を製造する方法が従来技術として記載されている(特許文献2参照)。
特開平11−927400公報 特開2003−197827公報
しかしながら、上記特許文献1の特定のベンゾトリアゾール化合物を用いた封止材料では、密着性の向上効果が充分ではなく満足のいくものでなかった。
また、上記特許文献2のベンゾトリアゾール系の防錆剤を用いて防錆被膜を形成してなるリードフレームを用いた半導体装置では、その記載にあるように、樹脂封止工程における封止樹脂部分とリードフレームとの密着性が劣化し、半導体装置の信頼性を低下させるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、リードフレームや半導体素子に対して優れた接着性を有し、かつ低弾性率で高い耐半田性を付与することのできる半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いて得られる半導体装置の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有し、さらに下記の(D)成分を半導体封止用樹脂組成物全体に対して0.1〜2重量%となるよう含有する半導体封止用樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)下記の一般式(1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂および下記の一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂からなり、下記の一般式(1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂(a1)および下記の一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(a2)の混合割合が、重量比で、(a1)/(a2)=90/10〜50/50に設定されているエポキシ樹脂混合物。
Figure 0005250801
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(B)下記の一般式(3)で表されるフェノール樹脂および下記の一般式(4)で表されるフェノールノボラック樹脂からなり、下記の一般式(3)で表されるフェノール樹脂(b1)および下記の一般式(4)で表されるフェノールノボラック樹脂(b2)の混合割合が、重量比で、(b1)/(b2)=90/10〜50/50に設定されているフェノール樹脂混合物。
Figure 0005250801
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(C)無機質充填剤。
(D)下記の一般式(5)で表されるベンゾトリアゾール誘導体。
Figure 0005250801
また、本発明は、上記半導体封止用樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置を第2の要旨とする。
本発明者は、上記目的を達成するために、半導体封止用樹脂組成物の構成成分のうち、エポキシ樹脂成分として上記特定の混合割合の2種類の特定のエポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂混合物〔(A)成分〕を用い、かつフェノール樹脂成分として上記特定の混合割合の2種類の特定のフェノール樹脂からなるフェノール樹脂混合物〔(B)成分〕を用いるとともに、さらに上記特定のベンゾトリアゾール誘導体〔(D)成分〕を特定量用いると、低い弾性率が付与されるとともに、リードフレームに対して高い接着性を示すことを突き止めた。すなわち、上記エポキシ樹脂混合物〔(A)成分〕およびフェノール樹脂混合物〔(B)成分〕の併用により、低い弾性率と無機材質に対する高い接着性を示し、さらに上記特定のベンゾトリアゾール誘導体〔(D)成分〕の使用により、銅および銀表面に対して選択的に高い接着性を示すことから、これらの相乗効果により、リードフレームに対する密着性が向上することを見出し本発明に到達した。
本発明の半導体封止用樹脂組成物は、上記のように、エポキシ樹脂成分として、前記一般式(1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂および前記一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂混合物〔(A)成分〕と、フェノール樹脂成分として、前記一般式(3)で表されるフェノール樹脂および前記一般式(4)で表されるフェノールノボラック樹脂からなるフェノール樹脂混合物〔(B)成分〕を用い、さらに前記一般式(5)で表されるベンゾトリアゾール誘導体〔(D)成分〕を用いるため、リードフレームに対して高い接着性を示し、かつ低弾性率化が図られ、例えば、半田リフロー時における界面剥離等の発生が抑制され、耐半田性に優れた半導体装置を提供することができる。
そして、前記一般式(1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂(a1)および前記一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(a2)の混合割合(重量比)を、特定範囲に設定すると、より一層の低い弾性率と高い接着性を示すという効果が得られる。
また、前記一般式(3)で表されるフェノール樹脂(b1)および前記一般式(4)で表されるフェノールノボラック樹脂(b2)の混合割合(重量比)を、特定範囲に設定すると、より一層の低い弾性率と高い接着性を示すという効果が得られる。
さらに、上記(D)成分の含有量を樹脂組成物全体の特定範囲に設定すると、樹脂強度を低下させずに、銅および銀表面に対するより一層の高い接着性を示すという効果を得ることができる。
そして、本発明は、特に、リードフレーム上に半導体素子を搭載してなる半導体装置に適用することにより、優れた効果を奏し、最適である。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の半導体封止用樹脂組成物は、2種類のエポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂混合物(A成分)と、2種類のフェノール樹脂からなるフェノール樹脂混合物(B成分)と、無機質充填剤(C成分)と、特定のベンゾトリアゾール誘導体(D成分)とを用いて得られるものであって、通常、粉末状もしくはこれを打錠しタブレット状にしたものが、封止材料として用いられる。
上記A成分としては、下記の一般式(1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂および下記の一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂混合物が用いられる。
Figure 0005250801
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上記式(1)において、繰り返し数nは、0または正数であるが、より好ましくは0または12以下の正数である。このような式(1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量250〜270、軟化点50〜60℃のものが好適に用いられる。上記式(1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、具体的には、ジャパンエポキシレジン社製のYX7399等があげられる。
上記式(2)においては、R1 〜R4 は−H、または炭素数1〜2のアルキル基であるが、特に好ましくは融点が高く、溶融粘度が低いという点から、式(2)中のR1 〜R4 がすべてメチル基である、3,3′,5,5′−テトラメチルビフェニル−4,4′−ビスグリシジルエーテル型エポキシ樹脂があげられる。このような式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量184〜193、融点105〜107℃のものが好適に用いられる。上記式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂としては、具体的には、ジャパンエポキシレジン社製のYX−4000H、YL6121HN等があげられる。
そして、上記一般式(1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂(a1)および上記一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(a2)の混合割合は、重量比で、(a1)/(a2)=90/10〜50/50の範囲に設定する必要があり、特に好ましくは(a1)/(a2)=85/15〜75/25の範囲である。すなわち、上記混合割合において、(a1)が多過ぎると、樹脂軟化点が下がり、樹脂のハンドリング性、作業性が悪化する傾向がみられ、逆に、(a1)が少な過ぎると、弾性率が高くなり、耐半田性が悪化する傾向がみられるからである。
本発明においては、エポキシ樹脂成分として、本発明の効果を阻害しない範囲において、上記A成分以外の他のエポキシ樹脂を併用してもよい。上記他のエポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上を併用して用いることができる。
上記他のエポキシ樹脂を併用する場合、他のエポキシ樹脂がエポキシ樹脂成分全体の10重量%以下となるように設定することが効果の点から好ましい。
そして、本発明では、低弾性率と高接着性の両立という点から、エポキシ樹脂成分を、上記一般式(1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂および上記一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂混合物(A成分)のみで構成することが、特に好ましい。
上記A成分とともに用いられるB成分としては、下記の一般式(3)で表されるフェノール樹脂および下記の一般式(4)で表されるフェノールノボラック樹脂からなるフェノール樹脂混合物が用いられる。
Figure 0005250801
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上記式(3)において、繰り返し数nは、正数であって、複数種の一般式(3)で表されるフェノール樹脂を使用する場合にはn=0を含むものであるが、より好ましくは12以下の正数である。このような式(3)で表されるフェノール樹脂としては、水酸基当量170〜250、軟化点65〜85℃のものが好適に用いられる。上記式(3)で表されるフェノール樹脂としては、具体的には、ジャパンエポキシレジン社製のYLH1302、YLH1302L等があげられる。
また、上記式(4)において、繰り返し数nは、0または正数であるが、より好ましくは0または5以下の正数である。このような式(4)で表されるフェノールノボラック樹脂としては、水酸基当量103〜109、軟化点65〜100℃のものが好適に用いられる。
そして、上記一般式(3)で表されるフェノール樹脂(b1)および上記一般式(4)で表されるフェノールノボラック樹脂(b2)の混合割合は、重量比で、(b1)/(b2)=90/10〜50/50の範囲に設定する必要があり、特に好ましくは(b1)/(b2)=70/30〜60/40の範囲である。すなわち、上記混合割合において、(b1)が多過ぎると、溶融粘度が上昇し、成形性が悪化する傾向がみられ、逆に、(b1)が少な過ぎると、接着性が低下し、弾性率が上昇する傾向がみられるからである。
本発明においては、フェノール樹脂成分として、本発明の効果を阻害しない範囲において、上記B成分以外の他のフェノール樹脂を併用してもよい。上記他のフェノール樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック、ビフェニル型ノボラック、トリフェニルメタン型、ナフトールノボラック、フェノールアラルキル樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上を併用して用いることができる。
上記他のフェノール樹脂を併用する場合、他のフェノール樹脂がフェノール樹脂成分全体の10重量%以下となるように設定することが効果の点から好ましい。
そして、本発明では、低弾性率と高接着性の両立、さらに低溶融粘度という点から、フェノール樹脂成分を、上記一般式(3)で表されるフェノール樹脂および上記一般式(4)で表されるフェノールノボラック樹脂からなるフェノール樹脂混合物(B成分)のみで構成することが、特に好ましい。
そして、上記A成分とB成分の配合割合は、A成分であるエポキシ樹脂混合物中のエポキシ基1当量当たり、B成分であるフェノール樹脂混合物中の水酸基当量が0.7〜1.3当量となるよう配合することが好ましい。なかでも、0.8〜1.2当量に設定することが、優れた硬化性、優れた硬化物の物性を得る上で、特に好適である。
上記A成分およびB成分とともに用いられる無機質充填剤(C成分)としては、特に限定するものではなく従来公知の各種充填剤があげられ、例えば、石英ガラス粉末,タルク,シリカ粉末(溶融シリカ粉末や結晶性シリカ粉末等),アルミナ粉末,窒化アルミニウム粉末,窒化ケイ素粉末等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、得られる硬化物の線膨張係数を低減できるという点から上記シリカ粉末を用いることが好ましく、さらに上記シリカ粉末のなかでも、高充填性,高流動性という点から溶融シリカ粉末を用いることが特に好ましい。
上記溶融シリカ粉末としては、流動性という観点から、球状溶融シリカ粉末を用いることが好ましい。上記球状溶融シリカ粉末を用いる場合、特に平均粒径として、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μm、特に好ましくは10〜30μmのものが用いられる。すなわち、平均粒径が小さすぎると、配合量が多い場合、樹脂組成物の粘度が高くなり、成形が困難になるおそれがあることから、多く配合することができず、成形品の熱伝導性が低くなってしまうからである。また、平均粒径が大きすぎると、金型の樹脂注入ゲート部に詰まったり、パッケージ中の薄肉部分に侵入できず気泡の発生原因となったり、パッケージの外観に流動縞等が表れたりして好ましくない。したがって、無機質充填剤の最大粒径は、250μm以下に設定することが好ましく、より好ましくは200μm以下である。なお、上記平均粒径および最大粒径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
上記無機質充填剤(C成分)の配合量は、半導体封止用樹脂組成物に対して50〜95重量%の範囲内に設定することが好ましく、特に好ましくは70〜90重量%である。すなわち、無機質充填剤(C成分)が少な過ぎると、樹脂組成物中の有機成分の占める割合が多くなり、水分の透過が起こりやすく、無機質充填剤あるいは樹脂中のイオンが溶出して半導体素子や電極の界面まで移動し、耐湿信頼性が低下する。また、無機質充填剤が多過ぎると、樹脂組成物の流動性が著しく低下する傾向がみられるからである。
上記A〜C成分とともに用いられる特定のベンゾトリアゾール誘導体(D成分)は、下記の一般式(5)で表されるベンゾトリアゾール誘導体である。
Figure 0005250801
上記式(5)において、Rは、−H、アルキル基、アラルキル基、アリール基である。上記アルキル基としては、直鎖状および分岐鎖状のいずれであってもよく、好ましくは低級アルキル基、特に炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基等があげられる。また、上記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基があげられる。また、式(5)中の繰り返し数nは、1〜2であるが、特に好ましくはn=1である。そして、銅および銀に対する接着性の向上効果という点から、式(5)において、Rが−Hのものを用いることが特に好ましい。
このような上記一般式(5)で表されるベンゾトリアゾール誘導体としては、例えば、和光純薬工業社製の1,2,3−ベンゾトリアゾール〔式(5)中、R=−H、n=1〕等があげられる。
上記特定のベンゾトリアゾール誘導体(D成分)の含有量は、半導体封止用樹脂組成物全体に対して0.1〜2重量%に設定する必要があり、より好ましくは0.5〜1.5重量%、特に好ましくは0.7〜1.0重量%である。すなわち、特定のベンゾトリアゾール誘導体(D成分)が少な過ぎると、リードフレームに対する密着性の向上効果が得られ難く、逆に多過ぎると、添加量の増加に伴い、樹脂強度の低下が生じるという問題が生じる傾向がみられるからである。
本発明の半導体封止用樹脂組成物には、上記A〜D成分に加えて、必要に応じて、硬化促進剤、離型剤、低応力化剤、難燃剤、カーボンブラックをはじめとする顔料等の他の添加剤を適宜配合することができる。
上記硬化促進剤は、前記B成分による反応を促進し、低温、短時間で硬化物を得ることを目的として用いられるものであって、硬化促進剤として作用する各種化合物、例えば、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートやトリフェニルホスフィン等の有機リン系化合物、2−メチルイミダゾール、フェニルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5等のジアザビシクロアルケン系化合物、トリエチレンジアミン等の三級アミン類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
なお、上記硬化促進剤の配合割合は、前記B成分100重量部に対し1〜20重量部の範囲に設定することが好適であり、より好ましくは2〜15重量部である。すなわち、硬化促進剤が少な過ぎると、目的とする硬化反応の促進効果が得られにくく、逆に多過ぎると、硬化反応が速すぎて成形性を損なう傾向がみられるからである。
上記離型剤としては、高級脂肪酸,高級脂肪酸エステル,高級脂肪酸カルシウム等の化合物があげられ、例えば、カルナバワックスやポリエチレン系ワックスが用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記低応力化剤としては、アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体,メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等のブタジエン系ゴム等があげられる。
そして、上記難燃剤としては、有機リン系化合物、酸化アンチモン、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の水酸化金属化合物、さらには二種以上の金属元素の固溶体である複合化金属水酸化物等があげられる。
さらに、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的としてハイドロタルサイト類化合物,水酸化ビスマス等のイオントラップ剤を配合してもよい。
本発明の半導体封止用樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、前記一般式(1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂および前記一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂を所定の割合で混合することによりエポキシ樹脂混合物(A成分)を調製する。一方、前記一般式(3)で表されるフェノール樹脂および前記一般式(4)で表されるフェノールノボラック樹脂を所定の割合で混合することによりフェノール樹脂混合物を調製する。つぎに、上記調製されたエポキシ樹脂混合物(A成分)および上記調製されたフェノール樹脂混合物(B成分)とともに、無機質充填剤(C成分),特定のベンゾトリアゾール誘導体(D成分)ならびに必要に応じて他の添加剤を常法に準じて適宜配合し、ミキシングロール機等の混練機を用いて加熱状態で溶融混練した後、これを室温下で冷却固化させる。その後、公知の手段により粉砕し、必要に応じてタブレット状に打錠するという一連の工程により目的とする半導体封止用樹脂組成物を製造することができる。
本発明の半導体封止用樹脂組成物を用いた半導体素子の封止方法は、特に限定するものではなく、圧縮成形、トランスファー成形等、従来公知の適宜のモールド方法を採用することができる。
そして、得られた半導体装置は、先に述べたように、前記特定のベンゾトリアゾール誘導体(D成分)が含有された、特殊な樹脂組成物の成形体によって封止されているため、封止樹脂部分(硬化体)とリードフレーム等の表面が強固に接着し、かつ得られる樹脂組成物硬化体の弾性率が低くなり優れた耐半田性等を備えたものとなる。特に、リードフレームとして、銀メッキ処理されたリードフレームに対して、強固な接着力が維持されるという利点を有する。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(1)下記の2種類のエポキシ樹脂を用いてエポキシ樹脂混合物を調製した。
〔エポキシ樹脂a〕
前記一般式(1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂〔式(1)中、n=0〜11の混合物、エポキシ当量260、軟化点65℃〕
〔エポキシ樹脂b〕
前記一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂〔式(2)中、R1 〜R4 はメチル基、エポキシ当量193、融点105℃〕
〔エポキシ樹脂混合物A1の調製〕
上記エポキシ樹脂a85重量部とエポキシ樹脂b15重量部を混合することにより、エポキシ樹脂混合物A1を調製した(混合重量比:エポキシ樹脂a/エポキシ樹脂b=85/15)。
〔エポキシ樹脂混合物A2の調製〕
上記エポキシ樹脂a60重量部とエポキシ樹脂b40重量部を混合することにより、エポキシ樹脂混合物A2を調製した(混合重量比:エポキシ樹脂a/エポキシ樹脂b=60/40)。
(2)下記の2種類のフェノール樹脂を用いてフェノール樹脂混合物を調製した。
〔フェノール樹脂a〕
前記一般式(3)で表されるフェノール樹脂〔式(3)中、n=0〜12の混合物、水酸基当量182、軟化点71℃〕
〔フェノール樹脂b〕
前記一般式(4)で表されるフェノールノボラック樹脂〔式(4)中、n=2、水酸基当量105、軟化点70℃〕
〔フェノール樹脂混合物B1の調製〕
上記フェノール樹脂a70重量部とフェノール樹脂b30重量部を混合することにより、フェノール樹脂混合物B1を調製した(混合重量比:フェノール樹脂a/フェノール樹脂b=70/30)。
〔フェノール樹脂混合物B2の調製〕
上記フェノール樹脂a60重量部とフェノール樹脂b40重量部を混合することにより、フェノール樹脂混合物B2を調製した(混合重量比:エポキシ樹脂a/エポキシ樹脂b=60/40)。
〔フェノールアラルキル樹脂〕
下記の構造式(x)で表されるフェノールアラルキル樹脂(水酸基当量175、軟化点70℃:明和化成社製、MEH−7800)
Figure 0005250801
〔硬化促進剤〕
イミダゾール系化合物(2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール:2E4MZ、四国化成社製)
〔無機質充填剤〕
球状溶融シリカ粉末(平均粒径20μm、最大粒径75μm)
〔離型剤〕
酸化ポリエチレンワックス(酸価16)
〔ベンゾトリアゾール誘導体〕
ベンゾトリアゾール誘導体a:前記一般式(5)中、R=H、n=1であるベンゾトリアゾール誘導体
ベンゾトリアゾール誘導体b:前記一般式(5)中、R=メチル基、n=1であるベンゾトリアゾール誘導体
ベンゾトリアゾール誘導体c:前記一般式(5)中、R=メチル基、n=2であるベンゾトリアゾール誘導体
ベンゾトリアゾール誘導体d:前記一般式(5)中、R=フェニル基、n=1であるベンゾトリアゾール誘導体
〔トリアゾール化合物〕
3,5−ジアミノ−1H−1,2,4−トリアゾール
〔テトラゾール化合物〕
1H−テトラゾール
〔実施例1〜12、比較例1〜6〕
後記の表1〜表3に示す各成分を同表に示す割合で配合し、連続混練機を用いて110℃で溶融混練(2分間)した。つぎに、この溶融物を冷却した後粉砕することにより、粉末状のエポキシ樹脂組成物を作製した。
そして、上記エポキシ樹脂組成物を用いて、トランスファー成形(成形条件:175℃×90秒)により半導体装置を製造した。得られた半導体装置を、85℃,相対湿度85%の環境下で168時間加熱処理した。その後、コンベア式赤外線(IR)リフロー装置を用いて半田リフローを行なった。このようにしてなる半導体装置について、超音波探傷装置(日立建機ファンテック社製、Fine SAT II )を用いて観察し、リードフレームとエポキシ樹脂組成物の硬化物(封止樹脂部分)との界面に発生した剥離の有無ならびにその発生した剥離部分の全体に占める面積度合いを算出・測定した。その結果を後記の表1〜表3に併せて示した。なお、作製した半導体装置の仕様を下記に示す。
半導体素子:サイズ3.5mm×4.5mm×370μm
リードフレーム:AgスポットめっきCuフレーム
半導体装置:パッケージSOP−24、外寸14.9mm×7.9mm×1.5mm、ダイパッド5.3mm×7.4mm
また、上記半導体装置の製造に際して、用いたエポキシ樹脂組成物の弾性率を下記のように測定した。その結果を後記の表1〜表3に併せて示す。
〔弾性率〕
上記と同様の成形条件にて、10mm×80mm×4mmの試験片を作製し、島津製作所社製のオートグラフAG−Cを用い、3点曲げ試験を行ない、試験片が破断したときの荷重値から下式により曲げ弾性率(Ef)を算出した。
Ef=[(Lv)3 ・m]/[4・W・h3
Lv:支点間距離
m :荷重
W :試験片幅
h :試験片高さ
Figure 0005250801
Figure 0005250801
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上記の結果から、特定のエポキシ樹脂混合物,特定のフェノール樹脂混合物および前記特定のベンゾトリアゾール誘導体を用いた実施例品は、剥離発生面積が0%であり、リードフレームに対して優れた密着性を備えた高品質のパッケージであることがわかる。しかも、弾性率に関しても低いものが得られた。
これに対して、ビフェニル型エポキシ樹脂とフェノールアラルキル樹脂を用い、前記特定のベンゾトリアゾール誘導体を用いた比較例1品は、剥離発生面積は低いものであったが、それでも10%と実施例品に比べて劣る結果となった。また、特定のエポキシ樹脂混合物および特定のフェノール樹脂混合物を用い、かつトリアゾール化合物を配合した比較例2品、テトラゾール化合物を配合した比較例3品、カップリング剤を配合しなかった比較例4品に関しては、弾性率に関しては、500〜530MPaと実施例品と同等であったが、剥離発生面積が、20%,35%,50%といずれも高い割合で剥離が発生しており、密着性に劣るものであった。そして、比較例5,6品に関しては、剥離発生面積が5%、8%と低いものであるが、実施例品に比べ劣る結果となった。また、弾性率は580MPa以上と実施例品より若干高めであった。

Claims (3)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を含有し、さらに下記の(D)成分を半導体封止用樹脂組成物全体に対して0.1〜2重量%となるよう含有することを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。
    (A)下記の一般式(1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂および下記の一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂からなり、下記の一般式(1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂(a1)および下記の一般式(2)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(a2)の混合割合が、重量比で、(a1)/(a2)=90/10〜50/50に設定されているエポキシ樹脂混合物。
    Figure 0005250801
    Figure 0005250801
    (B)下記の一般式(3)で表されるフェノール樹脂および下記の一般式(4)で表されるフェノールノボラック樹脂からなり、下記の一般式(3)で表されるフェノール樹脂(b1)および下記の一般式(4)で表されるフェノールノボラック樹脂(b2)の混合割合が、重量比で、(b1)/(b2)=90/10〜50/50に設定されているフェノール樹脂混合物。
    Figure 0005250801
    Figure 0005250801
    (C)無機質充填剤。
    (D)下記の一般式(5)で表されるベンゾトリアゾール誘導体。
    Figure 0005250801
  2. 請求項記載の半導体封止用樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置。
  3. 上記半導体素子が、リードフレーム上に搭載されたものである請求項記載の半導体装置。
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