JP5195094B2 - フィルムコンデンサ収納用容器及びそれよりなるケースモールド型コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、フィルムコンデンサ収納用容器及びケースモールド型コンデンサに関するものであり、更に詳しくは、内層にポリフェニレンスルフィド樹脂層が積層された金属製容器からなり、冷熱衝撃特性、耐湿性及び生産性に優れたフィルムコンデンサ収納用容器及びそれよりなるケースモールド型コンデンサに関するものである。
近年、環境への配慮から、モータ制御機器や電源装置を始めとする多くの電気機器がインバータ回路で制御され、電動アシスト車(ハイブリッド車)などの車両用分野においてもインバータ回路が搭載され、該車両用分野などの用途においては使用電圧領域が数百ボルトの高電圧となり、このような高電圧下でのインバータ回路には、フィルムコンデンサが使用されることが多く、該フィルムコンデンサは、透湿度低減や車両等への据付け性向上という目的からフィルムコンデンサ収納用容器内に収納されている場合が多い。
そして、フィルムコンデンサ収納用容器として、ポリフェニレンスルフィド等の絶縁性、機械的強度に優れた樹脂を用い収納用容器とすることが提案されている(例えば特許文献1,2参照。)。
しかし、最近、車両用分野などの用途においては、フィルムコンデンサ収納用容器に対して要求される条件が厳しくなり、更なる透湿度低減、冷熱衝撃特性向上、機械的強度向上等が求められるようになった。
そこで、アルミニウム等の金属製フィルムコンデンサ収納用容器や金属製容器内に樹脂製容器をはめ込んだフィルムコンデンサ収納用容器が提案されている(例えば特許文献3,4参照。)。
特開2004−146724号公報 特開2004−158775号公報 特開2006−253280号公報 特開2007−19136号公報
しかし、特許文献3に提案されている方法は、絶縁層にポリプロピレンフィルムを用いるため、作業性が悪く生産性に劣るというという課題を有していた。また、特許文献4に提案の方法においては、金属製容器と樹脂製容器を強固に密着させることが必要であり、金属製容器と樹脂製容器の界面に封止用樹脂を用いた場合、冷熱衝撃試験等の過酷な条件下においては金属製容器と封止用樹脂との界面が線熱膨張係数の差によりはく離するという課題があった。また、封止後ボルト等により螺合した場合には、生産性に劣るという課題が発生した。
そこで、本発明は、冷熱衝撃特性、耐湿性及び生産性に優れたフィルムコンデンサ収納用容器及びそれよりなるケースモールド型コンデンサを提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記課題に関し鋭意検討した結果、ポリフェニレンスルフィド樹脂層と表面を粗面化した金属製容器からなるフィルムコンデンサ収納用容器が、冷熱衝撃特性、耐湿性及び生産性に優れたフィルムコンデンサ収納用容器となることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、表面を粗面化した金属製容器内にポリフェニレンスルフィド樹脂層を直接接合し、積層してなることを特徴とするフィルムコンデンサ収納用容器及び該フィルムコンデンサ収納用容器内にフィルムコンデンサを装着し樹脂により封止してなるケースモールド型コンデンサに関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムコンデンサ収納用容器を構成する金属製容器は、表面を粗面化した金属製容器であり、金属製容器の範疇に属するものであればいかなる材質よりなるものでもよく、その中でも得られるフィルムコンデンサ収納用容器が特に各種用途に適応可能となることからアルミニウム製容器、マグネシウム製容器、ステンレス製容器、銅製容器、チタン製容器、アルミニウム合金製容器、マグネシウム合金製容器、銅合金製容器、チタン合金製容器が好ましく、特にアルミニウム製容器、マグネシウム製容器、ステンレス製容器、アルミニウム合金製容器、マグネシウム合金製容器が好ましく、さらにアルミニウム製容器、アルミニウム合金製容器が好ましい。
該金属製容器は、ダイキャストから切削加工で得られた金属製容器であっても、また金属板を予め所望の容器形状に加工した金属製容器であってよく、さらに複数の金属板を金型内に容器形状として装着し、溶融ポリフェニレンスルフィド樹脂を充填しポリフェニレンスルフィド層により金属板を固着した金属製容器であっても良い。
本発明のフィルムコンデンサ収納用容器を構成する金属製容器表面の粗面化方法としては、金属製容器表面の粗面化が可能であれば如何なる方法を用いることも可能であり、例えばケミカルエッチング、陽極酸化法、物理粗面化法等の方法を挙げることができる。ケミカルエッチングとしては、金属製容器表面を化学処理することが可能であれば如何なる方法であってもよく、酸又はアルカリの水溶液で処理する方法等を挙げることができ、例えばリン酸等のリン酸系化合物、クロム酸等のクロム酸系化合物、フッ化水素酸等のフッ化水素酸系化合物、硝酸等の硝酸系化合物、塩酸等の塩酸系化合物、硫酸等の硫酸系化合物、水酸化ナトリウム、エチレンジアミン等の水溶性アミン系化合物、ヒドラジン水溶液、ヒドラジン誘導体水溶液、アンモニア水溶液、ピリジン水溶液、トリアジンチオール水溶液、トリアジンチオール誘導体水溶液により化学処理する方法;特開平10−096088号公報、特開平10−056263号公報、特開平04−032585号公報、特開平04−032583号公報、特開2003−103563号公報、特開2004−50488号公報、特開平02−298284等に提案の方法、等を挙げることができる。陽極酸化法としては、金属製容器を陽極として電解液中で電化反応を行いその表面に酸化被膜を形成することが可能であれば如何なる方法であってもよく、メッキ等の分野において陽極酸化法として一般的に知られている方法を用いることができ、例えば1)一定の直流電圧をかけて電解を行う直流電解法、2)直流成分に交流成分を重畳した電圧をかけることにより電解を行うバイポーラ電解法、等を挙げることができる。さらに、物理的表面粗化法としては、金属表面に微小固体粒子を接触或いは衝突させたり、高エネルギー電磁線を照射するなどの物理的な手段により表面粗化を行うことが可能であれば如何なる方法であってもよく、例えばサンドブラスト処理、液体ホーニング処理等として知られている方法を挙げることができる。また、サンドブラスト処理、液体ホーニング処理の際の研磨剤としては、例えばサンド、スチールグリッド、スチールショット、カットワイヤー、アルミナ、炭化ケイ素、金属スラグ、ガラスビーズ、プラスチックビーズ等を挙げることができる。そして、金属製容器として表面の粗面化が行われていない容器を用いた場合、ポリフェニレンスルフィド樹脂層との接合性が劣るものとなり、本発明の目的である耐湿性に優れるフィルムコンデンサ収納用容器を得ることができなくなる。
本発明のフィルムコンデンサ収納用容器を構成するポリフェニレンスルフィド樹脂層は、一般的にポリフェニレンスルフィド樹脂と称される樹脂、該樹脂組成物からなる層であれば如何なるものを用いることができ、その中でも、特に耐熱性等に優れたフィルムコンデンサ収納用容器となることから、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、アミノ基置換ポリ(p−フェニレンスルフィド)からなるポリフェニレンスルフィド樹脂層であることが好ましい。また、該ポリフェニレンスルフィド樹脂層は、特に機械的強度に優れたフィルムコンデンサ収納用容器となることから、ガラス繊維、炭酸カルシウム等に代表される繊維状充填材及び/又は無機充填材を含んでなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物層であることが好ましい。さらに、該ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物層は、特に冷熱衝撃性に優れたフィルムコンデンサ収納用容器となることから、ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系エラストマー等により複合化したポリフェニレンスルフィド樹脂組成物層であることが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系エラストマー等との複合化を行う際は、これら成分とポリフェニレンスルフィド樹脂との相溶性を高めるために、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、シラン系化合物等の成分を添加したものであってもよい。
該ポリフェニレンスルフィド樹脂層は、本発明のフィルムコンデンサ収納用容器内にフィルムコンデンサを装着した際にフィルムコンデンサと金属製容器との絶縁性を保つことが可能であれば如何なる形で積層されていてもよく、金属製容器内の全ての面を覆う積層層であっても、一部の面のみを覆う積層であっても良い。そして、ポリフェニレンスルフィド樹脂層が一部の面のみを覆う積層形状としては、例えば格子形状、リブ形状で覆う積層などが挙げられる。また、ポリフェニレンスルフィド樹脂層の厚さとしては、フィルムコンデンサと金属製容器との絶縁性を保つことが可能であれば如何なる厚さであってもよい。
本発明のフィルムコンデンサ収納用容器の製造方法としては、該金属容器内にポリフェニレンスルフィド樹脂層が積層されたフィルムコンデンサ収納用容器が得られる限り如何なる方法をも用いることができ、その中でも特に効率よくフィルムコンデンサ収納用容器を製造することが可能となることからインサート成形法により製造することが好ましく、該インサート成形法としては、例えば金型内に該金属製容器を装着し、該金属容器内に溶融ポリフェニレンスルフィド樹脂を充填しポリフェニレンスルフィド樹脂層とし、フィルムコンデンサ収納用容器とする方法を挙げることができる。この際の溶融ポリフェニレンスルフィド樹脂の溶融温度としては290〜340℃を挙げることができ、インサート成形を行う際の成形機としては、例えば射出成形機、押出成形機、圧縮成形機、ブロー成形機などを挙げることができ、その中でもとりわけ生産性に優れることから射出成形機を用いてインサート射出成形を行うことが好ましい。
本発明のフィルムコンデンサ収納用容器は、該フィルムコンデンサ収納用容器内にフィルムコンデンサを装着し、樹脂で封止することにより、冷熱衝撃特性、耐湿性に優れるケースモールド型コンデンサとして用いることができる。この際フィルムコンデンサの封止に用いる樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ウレア樹脂、ウレタン系熱硬化樹脂、アクリル系熱硬化樹脂、マレイミド系熱硬化樹脂等を挙げることができる。
本発明のフィルムコンデンサ収納用容器及びそれよりなるケースモールド型コンデンサは、冷熱衝撃特性、耐湿性及び生産性に優れることから各種電子機器、電気機器、産業機器、車両用のフィルムコンデンサ収納用容器、ケースモールド型コンデンサとして好ましく用いられ、とりわけ車両用の平滑用、フィルタ用、スナバ用としてより好ましく用いることができる。
本発明のフィルムコンデンサ収納用容器は、ポリフェニレンスルフィド樹脂層と金属製容器との界面の接着性・密着性が優れることから、冷熱衝撃特性、耐湿性及び生産に優れたフィルムコンデンサ収納用容器、ケースモールド型コンデンサとなることから、その工業的価値は極めて高いものとなる。
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら制限されるものではない。
なお、実施例及び比較例により得られたフィルムコンデンサ収納用容器、ケースモールド型コンデンサの評価は、以下の方法により行った。
〜耐湿性の評価〜
得られたケースモールド型コンデンサを121℃×2atm×200hrの環境下で処理し、一日常温で放置した後、250Vの電圧を印加し静電容量を測定した。処理後の静電容量をC2、処理前の静電容量をC1とした際に下記式(1)によりΔC(%)を算出し、該ΔCが±5%以内であるものを合格品とし、耐湿性に優れるものと評価した。
ΔC(%)=(C2−C1)/C1×100 (1)
〜冷熱衝撃特性の評価〜
得られたケースモールド型コンデンサを150℃で30min保持した後、−40℃で30min保持することを1サイクルとする冷熱サイクルに供し、250サイクル試験した。試験後、目視により金属製容器部とポリフェニレンスルフィド樹脂層とのはく離の有無を観察した。はく離の認められなかったものを合格品とした。
<合成例1(ポリフェニレンスルフィド樹脂の合成)>
攪拌機を装備する50リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(NaS・2.9HO)6214g及びN−メチル−2−ピロリドン17000gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に205℃まで昇温して、1355gの水を留去した。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン7278g、3,5−ジクロロアニリン11.7g、N−メチル−2−ピロリドン5000gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて2時間重合させた後、30分かけて250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却しポリマーを遠心分離機により単離した。該固形分を温水でポリマーを繰り返し洗浄し100℃で一昼夜乾燥することにより、溶融粘度が400ポイズのアミノ基含有ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(1)と記す。)を得た。このPPS(1)を、さらに酸素雰囲気下250℃で2時間硬化を行いアミノ基含有ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(2)と記す。)を得た。
得られたPPS(2)の溶融粘度は1600ポイズであり、フェニレンスルフィド単位あたりのアミノ基含有量は0.1モル%であった。
<調整例1(ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の調製)>
合成例1で得られたPPS(2)100重量部に対し、エチレン及びアクリル酸エステル及び無水マレイン酸からなる三元共重合体(アトフィナジャパン(株)、商品名ボンダインAX8390)12重量部、エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)、商品名エピクロン3050)4重量部をあらかじめタンブラーにて均一に混合した。その後、二軸押出機(東芝機械(株)、商品名TEM−35B)にて、平均繊維径9μm、繊維長3mmのガラス繊維(日本板硝子(株)、商品名RES03−TP91)をサイドフィーダーから供給しながら、シリンダー温度300℃で溶融混練して得られたストランドをペレット化することによりガラス繊維30重量%を含有するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(以下、PPS組成物(1)と記す。)を得た。得られたPPS組成物(1)を175℃で5時間乾燥した。
実施例1
アルミニウム合金A5052板を加工し図1に示す外寸50mm×100mm×30mmで肉厚1mmの金属製容器を作成した。該金属製容器をアセトンによる脱脂処理後、1重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、次いで1.5重量%のリン酸、0.5重量%のクロム酸及び0.1重量%のフッ化水素酸を含む混合水溶液に浸漬し、表面を粗面化したアルミニウム合金製容器を得た。
得られた該アルミニウム合金製容器を金型内にセットし、シリンダー温度310℃、金型温度140℃に設定した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE100S)を用いて、調整例1により得られたPPS組成物(1)を該アルミニウム合金製容器内全面に肉厚1mmで射出成形し、図2に示すフィルムコンデンサ収納用容器を作製した。
得られたフィルムコンデンサ収納用容器内に10μF、250Vのフィルムコンデンサ(ニチコン(株)製、(商品名)QAP2E106KRP)を収納し、二液性エポキシ樹脂(サンユレック(株)製、(商品名)EC−295/H−397)で封止し、図3に示すケースモールド型コンデンサを得、耐湿性、冷熱衝撃特性の評価を行った。
耐湿性の評価でΔCは−2%であり、冷熱衝撃試験の評価ではく離は認められなかった。
実施例2
実施例1と同様の形状のアルミニウム合金A5052製容器をアセトンによる脱脂処理後、1重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、次いで1重量%塩酸水溶液に浸漬し、さらに1重量%のメチルアミン水溶液中に浸漬し、表面を粗面化したアルミニウム合金製容器を得た。
得られた該アルミニウム合金製容器を金型内にセットし、シリンダー温度310℃、金型温度140℃に設定した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE100S)を用いて、調整例1により得られたPPS組成物(1)を該アルミニウム合金製容器内全面に肉厚1mmで射出成形し、図2に示すフィルムコンデンサ収納用容器を作製した。
得られたフィルムコンデンサ収納用容器内に10μF、250Vのフィルムコンデンサ(ニチコン(株)製、(商品名)QAP2E106KRP)を収納し、二液性エポキシ樹脂(サンユレック(株)製、(商品名)EC−295/H−397)で封止し、図3に示すケースモールド型コンデンサを得、耐湿性、冷熱衝撃特性の評価を行った。
耐湿性の評価でΔCは−2%であり、冷熱衝撃試験の評価ではく離は認められなかった。
実施例3
実施例1と同様の形状のアルミニウム合金A5052製容器をアセトンによる脱脂処理後、1重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、次いで10重量%硫酸水溶液に浸漬し、さらに15重量%硫酸水溶液中で電流密度0.5A/cmで陽極酸化処理することにより、表面を粗面化したアルミニウム合金製容器を得た。
得られた該アルミニウム合金製容器を金型内にセットし、シリンダー温度310℃、金型温度140℃に設定した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE100S)を用いて、調整例1により得られたPPS組成物(1)を該アルミニウム合金製容器内全面に肉厚1mmで射出成形し、図2に示すフィルムコンデンサ収納用容器を作製した。
得られたフィルムコンデンサ収納用容器内に10μF、250Vのフィルムコンデンサ(ニチコン(株)製、(商品名)QAP2E106KRP)を収納し、二液性エポキシ樹脂(サンユレック(株)製、(商品名)EC−295/H−397)で封止し、図3に示すケースモールド型コンデンサを得、耐湿性、冷熱衝撃特性の評価を行った。
耐湿性の評価でΔCは−3%であり、冷熱衝撃試験の評価ではく離は認められなかった。
実施例4
実施例1と同様の形状のアルミニウム合金A5052製容器をアセトンによる脱脂処理後、#800のアルミナ、次いで#2000のアルミナにて液体ホーニング処理を行い、表面を粗面化したアルミニウム合金製容器を得た。
得られた該アルミニウム合金製容器を金型内にセットし、シリンダー温度310℃、金型温度140℃に設定した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE100S)を用いて、調整例1により得られたPPS組成物(1)を該アルミニウム合金製容器内全面に肉厚1mmで射出成形し、図2に示すフィルムコンデンサ収納用容器を作製した。
得られたフィルムコンデンサ収納用容器内に10μF、250Vのフィルムコンデンサ(ニチコン(株)製、(商品名)QAP2E106KRP)を収納し、二液性エポキシ樹脂(サンユレック(株)製、(商品名)EC−295/H−397)で封止し、図3に示すケースモールド型コンデンサを得、耐湿性、冷熱衝撃特性の評価を行った。
耐湿性の評価でΔCは−4%であり、冷熱衝撃試験の評価ではく離は認められなかった。
実施例5
フィルムコンデンサ収納用容器を図4に示す格子状の形状として作製した以外は、実施例2と同様の方法によりケースモールド型コンデンサを得、耐湿性、冷熱衝撃特性の評価を行った。
耐湿性の評価でΔCは−2%であり、冷熱衝撃試験の評価ではく離は認められなかった。
比較例1
アルミニウム合金製容器表面の粗面化を行わず、未処理アルミニウム合金製容器とした以外は、実施例1と同様の方法により容器、ケースモールド型コンデンサを得、耐湿性、冷熱衝撃特性の評価を行った。
冷熱衝撃試験の評価ではく離は認められなかったものの、耐湿性の評価でΔCは−6%であった。得られたケースモールド型コンデンサは耐湿性に劣るものであった。
比較例2
アルミニウム合金A5052板を加工し図5に示す外寸60mm×110mm×35mm、肉厚2mm、ケース内側の5mmから8mmの位置に深さ1mmのくぼみを設けたアルミニウム合金製容器を得た。
シリンダー温度310℃、金型温度140℃に設定した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE100S)を用いて、調整例1により得られたPPS組成物(1)を射出成形し、図6に示す外寸50mm×100mm×30mmで肉厚1mmの樹脂製容器を得た。
そして、該アルミニウム合金製容器に隙間が3mmとなるよう該樹脂製容器をはめ込み、次いで10μF、250Vのフィルムコンデンサ(ニチコン(株)製、(商品名)QAP2E106KRP)を収納し、二液性エポキシ樹脂(サンユレック(株)製、(商品名)EC−295/H−397)でコンデンサ及び該アルミニウム合金製容器と樹脂製容器との隙間を封止し、図7に示すコンデンサ部品を得、耐湿性、冷熱衝撃特性の評価を行った。
得られたコンデンサ部品の耐湿性の評価でΔCは−3%であったが、冷熱衝撃試験の評価で、アルミニウム合金製容器と封止のエポキシ樹脂との間にはく離が認められた。得られたコンデンサ部品は冷熱衝撃特性に劣るものであった。
実施例1〜4、比較例1で用いた金属製容器の概略図(単位:mm)。 実施例1〜4により得られたフィルムコンデンサ収納用容器の概略図(単位:mm)。 実施例1〜4により得られたケースモールド型コンデンサの概略図。 実施例5により得られたフィルムコンデンサ収納用容器の概略図(単位:mm)。 比較例2で用いた金属製容器の概略図(単位:mm)。 比較例2で用いた樹脂製容器の概略図(単位:mm)。 比較例2で得られたコンデンサ部品の概略図。
符号の説明
1;アルミニウム合金製容器
2;ポリフェニレンスルフィド樹脂層、ポリフェニレンスルフィド樹脂製容器
3;エポキシ樹脂
4;フィルムコンデンサ
5;端子

Claims (4)

  1. 表面を粗面化した金属製容器内にポリフェニレンスルフィド樹脂層を直接接合し、積層してなることを特徴とするフィルムコンデンサ収納用容器。
  2. ケミカルエッチング、陽極酸化法及び物理粗面化法からなる群より選択される方法により表面を粗面化した金属製容器であることを特徴とする請求項1に記載のフィルムコンデンサ収納用容器。
  3. 金型内に表面を粗面化した金属製容器を装着し、該金属製容器内に溶融ポリフェニレンスルフィド樹脂を充填しポリフェニレンスルフィド樹脂層とするインサート射出成形を行うことを特徴するフィルムコンデンサ収納用容器の製造方法。
  4. 表面を粗面化した金属製容器内にポリフェニレンスルフィド樹脂層を直接接合し、積層したフィルムコンデンサ収納用容器内に、フィルムコンデンサを装着し樹脂により封止されていることを特徴とするケースモールド型コンデンサ。
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