JP2003128750A - エポキシ系樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ系樹脂組成物及び半導体装置

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JP2003128750A
JP2003128750A JP2001321284A JP2001321284A JP2003128750A JP 2003128750 A JP2003128750 A JP 2003128750A JP 2001321284 A JP2001321284 A JP 2001321284A JP 2001321284 A JP2001321284 A JP 2001321284A JP 2003128750 A JP2003128750 A JP 2003128750A
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epoxy resin
resin composition
package
reflow
semiconductor device
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Yoshiyuki Tsuji
喜亨 辻
Akihiro Tabata
昭弘 田畑
Takashi Otsu
貴史 大津
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リフロー時の耐剥離性、膨れ特性などの信頼
性、および成形時の離型性がすぐれたエポキシ樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、充填
材(C)、離型剤(D)を含有するエポキシ系樹脂組成
物であって、前記エポキシ樹脂(A)が一般式(I)で
表されるテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂
(a)を含有し、かつ前記離型剤(D)がモンタン酸エ
ステルワックスおよびポリエチレンワックスのうち少な
くとも1種を含有することを特徴とするエポキシ系樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐リフロー信頼性
及び成形性に優れ、特に半導体封止用として好適なエポ
キシ系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置などの電子回路部品の封止方
法として、従来より金属やセラミックスによるハーメッ
チックシールと共にフェノール樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂などによる樹脂封止が提案されており、一
般にこのような封止に使用される樹脂を封止材樹脂と呼
んでいる。その中でも、経済性、生産性、物性のバラン
スの点からエポキシ樹脂による樹脂封止が最も盛んに行
われている。そして、エポキシ樹脂による封止方法は、
エポキシ樹脂に硬化剤、充填材などを添加した組成物を
用い、半導体素子を金型にセットしてトランスファー成
形法などにより封止する方法が一般的に行われている。
【0003】最近はプリント基板への半導体装置パッケ
ージの実装において高密度化、自動化が進められてお
り、従来のリードピンを基板の穴に挿入する“挿入実装
方式”に代わり、基板表面に半導体装置パッケージを半
田付けする“表面実装方式”が盛んになってきた。それ
に伴い、半導体装置パッケージも従来のDIP(デュア
ル・インライン・パッケージ)から、高密度実装・表面
実装に適した薄型のFPP(フラット・プラスチック・
パッケージ)に移行しつつある。その中でも最近では、
微細加工技術の進歩により、厚さ2mm以下のTSO
P、TQFP、LQFPが主流となりつつある。そのた
め湿度や温度など外部からの影響をいっそう受けやすく
なり、耐リフロー信頼性、高温信頼性、耐湿信頼性など
の信頼性が今後ますます重要となってくる。特に最近で
はTSOP、TQFP等1mm以下のパッケージにおけ
る耐リフロー信頼性の向上が求められている。
【0004】表面実装においては、通常半田リフローに
よる実装が行われる。この方法では、基板の上に半導体
装置パッケージを乗せ、これらを200℃以上の高温に
さらし、基板にあらかじめつけられた半田を溶融させて
半導体装置パッケージを基板表面に接着させる。このよ
うな実装方法では半導体装置パッケージ全体が高温にさ
らされるため封止樹脂の吸湿性が高いと封止樹脂と半導
体チップの間、あるいは封止樹脂とリードフレームの間
の剥がれが生じたり、吸湿した水分が半田リフロー時に
爆発的に膨張してクラックが生じるという現象が起こ
る。また薄型パッケージの場合、銀ペースト層が吸湿し
てリフロー時にシリコンチップまたはリードフレームと
の界面から剥離し、パッケージ底部が押し下げられてパ
ッケージ底部が膨らむ現象(膨れ特性)が起こり問題に
なっている。更に、近年では環境保護の点から鉛を含ん
でいない鉛フリー半田の使用が進んでいるが、鉛フリー
半田は融点が高く、そのためリフロー温度も上がること
になりこれまで以上の耐リフロー信頼性が求められてい
る。
【0005】一般的に耐リフロー信頼性を向上させるに
は封止樹脂組成物中の充填材の割合を上げることが有効
であることが知られていた。封止樹脂組成物中の樹脂成
分を減らすことにより吸湿性が低下するからである。し
かしながら、単純に封止樹脂組成物中の充填材の割合を
大きくするだけだと流動性が悪化し、パッケージ未充填
やステージシフトなどの問題が起こる。
【0006】そのため、耐リフロー信頼性を向上するた
め、エポキシ樹脂としてテトラメチルビスフェノールF
型エポキシ樹脂を(特開平6−345850号公報)、
さらに硬化剤としてフェノールアラルキル樹脂を配合す
るエポキシ樹脂組成物が提案されている(特開平8−1
34183号公報)が、効果はそれなりに奏するものの
未だ十分ではない。
【0007】その上、さらなる耐リフロー信頼性、特に
1mm以下の厚みのパッケージにおいてさらに膨れ特性
の優れる樹脂組成物が求められている。
【0008】一方、最近成形時におけるパッケージと金
型との離型性(成形性)や、パッケージ内の各部材、特
にリードフレームの先端部にある銀メッキとの密着性に
ついても要求が一層厳しくなってきており、この点につ
いても改良を要求されようになってきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
のような事情に鑑みてなされたものであり、より高温の
リフロー温度において、耐リフロー信頼性、成形時の離
型性に優れるエポキシ系樹脂組成物、及び該エポキシ系
樹脂組成物で封止してなる半導体装置の提供を目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。
【0011】本発明は、主として次の構成を有する。す
なわち、「エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、充填材
(C)、離型剤(D)を含有するエポキシ系樹脂組成物
であって、前記エポキシ樹脂(A)が下記一般式(I)
で表されるテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹
脂(a)を含有し、かつ前記離型剤(D)がモンタン酸
エステルワックスおよびポリエチレンワックスのうち少
なくとも1種を含有することを特徴とするエポキシ系樹
脂組成物。
【化3】 」である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明のエポキシ系樹脂組成物は必須成分
として、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)充填材
(C)および離型剤(D)を含有する。
【0014】本発明のエポキシ系樹脂組成物においては
、エポキシ樹脂(A)が下記一般式(I)で表される
テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(a)を
必須成分として含有することを特徴の1つとする。
【0015】
【化4】
【0016】エポキシ樹脂に一般式(I)で表されるテ
トラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂(a)を含
有させることによりリフロー時の膨れ特性が向上する。
また、本エポキシ樹脂は、粘度を下げ成形性を向上する
効果も得られる。一般式(I)で表されるテトラメチル
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(a)の含有量はエポ
キシ樹脂(A)全量に対して10重量%以上が好まし
い。好ましい理由としては、10%以上であると流動性
が低下する事が無いためである。また、より流動性を向
上させるため20重量%以上がより好ましい。
【0017】用途によっては一般式(I)で表されるエ
ポキシ樹脂(a)以外のエポキシ樹脂を併用しても良
い。その他のエポキシ樹脂としては1分子中に2個以上
のエポキシ基を有する化合物であれば特に限定されず、
モノマー、オリゴマー、ポリマー全般である。例えばア
ルキル置換基を持たないビスフェノールF型エポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、4,4´−ビス(2,3−
エポキシプロポキシ)ビフェニル、 4,4´−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´
−テトラメチルビフェニル、4,4´−ビス(2,3−
エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラエ
チルビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプ
ロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラブチルビフェ
ニルなどのビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラ
ルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキ
シ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、トリフェノール型エポキシ樹脂、ジシ
クロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、トリフェニル
メタン型エポキシ樹脂、およびハロゲン化エポキシ樹脂
などが挙げられる。その他のエポキシ樹脂として2種以
上用いても良い。
【0018】2種以上のエポキシ樹脂を併用する場合、
一般式(I)で表されるエポキシ樹脂(a)の他のエポ
キシ樹脂として特に好ましいものとしては例えば4,4
´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,
5,5´−テトラメチルビフェニル、アルキル置換基を
持たないビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられ
る。
【0019】エポキシ樹脂(A)の配合量はエポキシ樹
脂組成物全体に対して通常0.5〜12重量%、特に1
〜7重量%が好ましい。
【0020】本発明における硬化剤(B)は、エポキシ
樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定され
ず、それらの具体例としては、例えばフェノールノボラ
ック、クレゾールノボラック、ナフトールノボラックな
どのノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフ
ェニル骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ジシクロペ
ンタジエン骨格含有フェノール樹脂、ナフトールアラル
キル樹脂、ビスフェノールAなどのビスフェノール化合
物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット
酸などの酸無水物およびメタフェニレンジアミン、ジア
ミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンな
どの芳香族アミンなどがあげられこれらを単独で用いて
も、2種以上の硬化剤を併用しても良い。硬化剤(B)
の溶融粘度はICI(150℃)粘度で0.4Pa・s
以下、さらには0.2Pa・s以下のものが特に好まし
く使用される。
【0021】硬化剤(B)としてはリフロー信頼性の点
から下記一般式(II)で表されるp-キシレン型フェノー
ルアラルキル樹脂が特に好ましく用いられる。
【0022】
【化5】
【0023】2種以上の硬化剤を併用する場合、膨れ特
性改良の観点から、一般式(II)で表されるp-キシレン
型フェノールアラルキル樹脂の含有量は硬化剤(B)全
量に対して10重量%以上が好ましく、20重量%以上
であることがさらに好ましい。
【0024】硬化剤(B)の配合量はエポキシ樹脂組成
物全体に対して通常0.5〜12重量%、特に1〜7重
量%が好ましい。さらにはエポキシ樹脂(A)と硬化剤
(B)の配合比機械的性質、及び耐湿性の点からエポキ
シ樹脂(A)に対する硬化剤(B)の化学当量比が0.
5〜1.5、特に0.7〜1.2の範囲にあることが好
ましい。
【0025】本発明においては、離型剤(D)がモンタ
ン酸エステルワックスおよびポリエチレンワックスのう
ち少なくとも1種を必須成分として含有することを特徴
とする。
【0026】離型剤にモンタン酸エステルワックスまた
はポリエチレンワックスを含有させることにより、半導
体装置を成形した際、金型との離型性に優れ、かつパッ
ケージ内の各種部材との密着性に優れる効果が得られ
る。上記離型剤を単独で用いることで上記離型性と密着
性を満足するが、この二つの離型剤を併用することでさ
らに高い効果が得られる。また、一般式(I)で示され
るビスフェノールF型エポキシ樹脂と併用することで膨
れ特性がさらに向上し、パッケージ充填性のさらなる向
上効果が得られる。
【0027】モンタン酸エステルワックスとしては、モ
ンタン酸をエチレングリコールでエステル化したものが
好ましい。また、ポリエチレンワックスは酸化ポリエチ
レンワックスを用いることが好ましく、酸価は10以
上、滴点は90℃以上、数平均分子量は800以上、重
量平均分子量が3000以上のものを用いることがより
好ましい。
【0028】この離型剤(D)の添加量はエポキシ樹脂
(A)100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲
が好ましい。また、モンタン酸エステルワックスとポリ
エチレンワックスを併用する場合、ポリエチレンワック
スの配合量は特に限定されないが、モンタン酸エステル
ワックス全量に対し10%〜70%が好ましく、20%
〜50%がより好ましい。
【0029】また、用途によっては上記離型剤以外の離
型剤を併用しても良い。併用される離型剤としては、特
に限定されないが、カルナウバワックスなどの天然植物
性ワックス、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属塩、長鎖脂
肪酸のエステル、長鎖脂肪酸のアミドおよびパラフィン
ワックスなどの各種離型剤などが上げられる。なかで
も、離型性および密着性の点から長鎖脂肪酸アミドを用
いることが好ましい。
【0030】モンタン酸エステルワックスおよびポリエ
チレンワックス以外の離型剤を併用する場合、モンタン
酸エステルワックスおよびポリエチレンワックスの合計
含有量は特に限定されないが、離型剤(D)全量に対し
て50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好
ましい。
【0031】本発明においてエポキシ樹脂(A)と硬化
剤(B)の硬化反応を促進するため硬化促進剤を用いて
も良い。硬化促進剤は硬化を促進する物なら特に限定さ
れず、たとえば2−メチルイミダゾール、2,4−ジメ
チルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メ
チルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなど
のイミダゾール化合物、トリエチルアミン、ベンジルジ
メチルアミン、α−メチルベンジルメチルアミン、2−
(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジ
アザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの3級
アミン化合物、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコ
ニウムテトラプロポキシド、テトラキス(アセチルアセ
トナト)ジルコニウム、トリ(アセチルアセトナト)ア
ルミニウムなどの有機金属化合物およびトリフェニルホ
スフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィ
ン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニ
ル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィンな
どの有機ホスフィン化合物があげられる。なかでも信頼
性および成形性の点から有機ホスフィン化合物が好まし
く、トリフェニルホスフィンが特に好ましく用いられ
る。
【0032】また、これらの硬化促進剤は用途によって
は2種以上を併用してもよく、その添加量はエポキシ樹
脂(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範
囲が好ましい。
【0033】本発明における充填材(C)としては、無
機充填材が好ましく、具体的には非晶性シリカ、結晶性
シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミ
ナ、マグネシア、クレー、タルク、ケイ酸カルシウム、
酸化チタンや酸化アンチモンなどの金属酸化物、アスベ
スト、ガラス繊維およびガラス球などが挙げられるが、
中でも非晶性シリカは線膨脹係数を低下させる効果が大
きく、低応力化に有効ななため好ましく用いられる。形
状としては、破砕状のものや球状のものが用いられ、流
動性の点から球状のものが好ましく使用される。
【0034】ここでいう非晶性シリカは、一般的には真
比重が2.3以下のものを意味する。この非晶性シリカ
の製造においては石英を溶融して製造される(溶融シリ
カ)のが一般的であるが必ずしも溶融状態を経る必要は
なく、公知の任意の製造方法を用いることができ、例え
ば結晶性シリカを溶融する方法および金属ケイ素の酸化
による方法、アルコキシシランの加水分解など、各種原
料からの合成方法が使用できる。
【0035】非晶性シリカのなかでも石英を溶融して製
造される球状溶融シリカが特に好ましく使用され、球状
溶融シリカを全充填材中に90重量%以上含有すること
が特に好ましい。
【0036】充填材の粒径および粒度分布については、
特に限定はないが、流動性、成形時のバリ低減の点か
ら、平均粒径(メディアン径を意味する。以下同じ。)
が5〜30μmの範囲にあることが特に好ましい。ま
た、平均粒径または粒度分布の異なる充填材を2種以上
組み合わせることもできる。
【0037】本発明において、充填材(C)の割合は特
に限定されないが、全樹脂組成物に対して80重量%〜
98重量%であることが好ましい。充填材(C)の含有
量が80重量%以上であると封止樹脂の低吸湿化、高弾
性化が達成でき、厳しい要求レベルにおける十分な耐リ
フロー信頼性が得られる。また、充填材(C)の含有量
を多くすることにより、後述するように難燃性の効果を
あわせて得ることができる。
【0038】また得られる半導体装置のソフトエラーの
問題を回避するために、エポキシ樹脂組成物中のウラ
ン、トリウムなどα線放出物質の濃度を、極めて少な
く、具体的にはそれぞれ10ppb以下とすることが好
ましい。
【0039】本発明では、シランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤などのカップリング剤を配合すること
ができる。これらのカップリング剤で充填材を、他の構
成成分とブレンドする以前に処理しておくことがより好
ましい。カップリング剤としてはシランカップリング剤
が好ましく使用され、シランカップリング剤としては、
アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基などの加水分解
性基および有機基がケイ素原子に直結したもの、および
その部分加水分解縮合物が一般的に用いられる。シラン
カップリング剤中の有機基としては、窒素原子、酸素原
子、ハロゲン原子、硫黄原子などによって置換された炭
化水素基のものが使用される。シランカップリング剤の
具体的な例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシシラン、γ−(2,3−エポキシシクロヘキシ
ル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(N−フェニル
アミノ)プロピルトリメトキシシラン、γ−(N−フェ
ニルアミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、γ−
(N−メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、γ
−(N−メチルアミノプロピル)メチルジメトキシシラ
ン、γ−(N−エチルアミノ)プロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(N−エチルアミノ)プロピルメチルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(N−エチルアミノ)プロピルメチルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−メルカトプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカトプロピルメチルジメトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリエチルシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシ
ランなどが挙げられる。
【0040】カップリング剤の配合割合としてはエポキ
シ樹脂組成物全量に対して0.1〜2重量%添加するこ
とが流動性及び充填性の点で好ましい。
【0041】本発明のエポキシ樹脂組成物では、前述の
ように充填材の割合が高いため、難燃性が高くなり、従
来使用されていた難燃剤を使用しなくても難燃性を維持
することができる。しかし、必須成分ではないが難燃性
をさらに向上させる目的でブロム化合物を配合できる。
ブロム化合物は、通常、エポキシ樹脂組成物に難燃剤と
して添加されるものであれば、特に限定されない。ブロ
ム化合物の好ましい具体例としては、ブロム化ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂などのブロム化エポキシ樹脂、ブロム
化ポリカーボネート樹脂、ブロム化ポリスチレン樹脂、
ブロム化ポリフェニレンオキサイド樹脂、テトラブロモ
ビスフェノールA、デカブロモジフェニルエーテルなど
があげられ、なかでも、ブロム化ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ
樹脂などのブロム化エポキシ樹脂が、成形性の点から特
に好ましい。
【0042】同様に、本発明のエポキシ樹脂組成物で
は、必須成分ではないがアンチモン化合物を配合でき
る。これは通常半導体封止用エポキシ樹脂組成物に難燃
助剤として添加されるもので、特に限定されず、公知の
ものが使用できる。アンチモン化合物の好ましい具体例
としては、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸
化アンチモンがあげられる。
【0043】これら難燃剤、難燃助剤を添加する場合、
エポキシ樹脂組成物から発生する不要物の廃棄の容易
さ、および半導体装置の信頼性の観点からハロゲン原子
およびアンチモン原子それぞれが、エポキシ樹脂組成物
に対して0.2重量%以下が好ましい。
【0044】本発明のエポキシ樹脂組成物は、さらに次
に挙げる各種添加剤を任意に含有することができる。カ
ーボンブラックおよび酸化鉄などの各種着色剤や各種顔
料、シリコーンゴム、オレフィン系共重合体、変性ニト
リルゴム、変性ポリブタジエンゴムなどの各種エラスト
マー、シリコーンオイルなどの各種熱可塑性樹脂、フッ
素系、シリコーン系などの界面活性剤、およびハイドロ
タルサイト類などのイオン捕捉剤、有機過酸化物などの
架橋剤。
【0045】本発明のエポキシ樹脂組成物は上記各成分
を溶融混練によって製造することが好ましい。たとえば
各種原料をミキサーなどの公知の方法で混合した後、バ
ンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二
軸の押出機およびコニーダーなどの公知の混練方法を用
いて溶融混練することにより製造される。溶融混練時の
樹脂温度としては、通常70〜150℃の範囲が使用さ
れる。
【0046】本発明のエポキシ樹脂組成物は、加熱混練
で溶融し、冷却さらに粉砕した粉末の形状、粉末を打錠
して得られるタブレットの形状、加熱混練で溶融し型内
で冷却固化したタブレットの形状、加熱混練で溶融し押
し出ししてさらに切断したペレットの形状などの状態で
使用できる。
【0047】そしてこれらの形状から半導体素子の封止
に供され半導体装置の製造が行われる。半導体を基板に
固定した部材に対して、本発明のエポキシ樹脂組成物
を、例えば120〜250℃、好ましくは150〜20
0℃の温度で、トランスファ成形、インジェクション成
形、注型法などの方法で成形して、エポキシ樹脂組成物
の硬化物によって封止された半導体装置が製造される。
また必要に応じて追加熱処理(例えば、150〜200
℃、2〜16時間)を行うことができる。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はここに掲げた実施例によって限定される
ものではない。なお、実施例中の%は重量%を示す。
【0049】[実施例1〜8、比較例1〜5]表1に示し
た成分を表2〜3に示す組成比(重量比)で、ミキサー
によりドライブレンドした後、ロール表面温度90℃の
ミキシングロールを用いて5分間加熱混練後、冷却、粉
砕して半導体封止用のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0050】
【表1】
【0051】
【化6】
【0052】
【化7】
【0053】<耐膨れ特性(耐リフロー信頼性)評価>
得られた樹脂組成物について144pinTQFP(外
形:20mm×20mm×1.0mm、フレーム材料:
42アロイ)用金型を用いて、低圧トランスファー成形
機で金型温度175℃、キュアータイム60秒間の条件
でパッケージを成形した。なお評価用のチップとしては
表面に窒化珪素膜を被覆した模擬素子を搭載した、チッ
プサイズ8mm×8mm×0.3mmのものを用いた。
【0054】上記成形により得られた144pinTQ
FPのパッケージ10個を180℃、6時間の条件でポ
ストキュアーした後、マイクロメーターにてパッケージ
中央部の厚みI(μm)を計測した。なお、パッケージ
1個につき3回測定しその平均値を算出した。これを8
5℃/60%RHで24時間加湿後、最高温度260℃
のIRリフロー炉で加熱処理した。なお、リフロー炉の
温度プロファイルは、150℃〜200℃の領域を60
秒〜100秒、200℃から260℃の昇温速度を1.
5〜2.5℃/秒、最高温度である255℃〜265℃
の領域で10〜20秒維持し、260℃から200℃の
降温速度を1.5〜2.5℃/秒とした。パッケージが
リフローを出た5秒後再びパッケージの中央部の厚みII
(μm)を計測した。厚みIIも厚みI同様、パッケージ
1個につき3回測定しその平均値を算出した。さらに1
0個それぞれのパッケージについて(厚みII(3回平
均)−厚みI(3回平均))を算出し、この10個の平
均値を「膨れ」(μm)とした。なお、膨れは小さい方
が好ましく、80μm以下であることが特に好ましい。
【0055】<パッケージ充填性(成形性)評価>上記
成形により得られた144pinTQFPパッケージ1
0個を成形後に目視および断面切断後、20倍の顕微鏡
を用いて観察し、未充填の有無を調べた。未充填が発生
した不良パッケージを除く、良好に得られたパッケージ
数を求めた。
【0056】<密着性評価>上記リフロー後パッケージ
内部の銀メッキ部分を超音波探傷機により観察し、剥離
が生じている面積を計算し剥離率(%)とした。
【0057】<離型性評価>金型をメラミン樹脂により
十分に洗浄した後直径1cm、長さ2cmの円柱の成形
を10回繰り返し、その都度成形直後に金型から突き出
すために必要な力をプッシュプルゲージを用いて測定
し、10回の平均を離型力(kg)とした。なお、測定
条件としては、成形温度175℃、成形圧力7MPa、
成形時間60秒で行った。また、金型の材質は超鋼で梨
地のない物で行った。
【0058】
【表2】
【0059】表2に評価結果を示す。表に見られるよう
に、モンタン酸エステルワックスおよび酸化ポリエチレ
ンワックスを用いていない場合、離型性や密着性が不十
分である(比較例1、2)。また、一般式(I)で表さ
れるテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂を用
いていない場合も成形性や膨れが不十分である(比較例
3〜5)。それに対し、本発明のエポキシ樹脂組成物は
リフロー時の膨れ特性、密着性、離型性のいずれも優れ
ている。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればリ
フロー時の密着性、膨れ特性などの耐リフロー信頼性、
成形時の離型性が優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成
物及び該エポキシ系樹脂組成物によって封止してなる半
導体装置を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AE033 BB033 CC04X CD05W CE00X DE077 DE137 DE147 DE237 DJ007 DJ017 DJ027 DJ047 EJ036 EL136 EL146 EN076 EV216 EW176 FD017 FD14X FD146 GQ05 4J036 AD07 DD07 FA01 FB02 GA23 JA07 4M109 AA01 EA02 EB02 EB09 EB12 EC05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、充填
    材(C)、離型剤(D)を含有するエポキシ系樹脂組成
    物であって、前記エポキシ樹脂(A)が下記一般式
    (I)で表されるテトラメチルビスフェノールF型エポ
    キシ樹脂(a)を含有し、かつ前記離型剤(D)がモン
    タン酸エステルワックスおよびポリエチレンワックスの
    うち少なくとも1種を含有することを特徴とするエポキ
    シ系樹脂組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】硬化剤(B)が下記一般式(II)で表され
    る化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の
    エポキシ樹脂組成物。 【化2】
  3. 【請求項3】請求項1または2のいずれかに記載のエポ
    キシ系樹脂組成物の硬化物によって封止されたことを特
    徴とする半導体装置。
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