JP2008143950A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な成形性を有するとともに、耐トラッキング性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。そして、上記(D)成分の含有割合がエポキシ樹脂組成物全体の80〜92重量%の割合に設定されている。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)硬化促進剤。
(D)下記の(d1)をエポキシ樹脂組成物全体の2〜15重量%の割合で含有する無機質充填剤。
(d1)アルカリ金属を除く金属元素の水酸化物。
【選択図】なし
【解決手段】下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。そして、上記(D)成分の含有割合がエポキシ樹脂組成物全体の80〜92重量%の割合に設定されている。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)硬化促進剤。
(D)下記の(d1)をエポキシ樹脂組成物全体の2〜15重量%の割合で含有する無機質充填剤。
(d1)アルカリ金属を除く金属元素の水酸化物。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置に関するものであって、詳しくは、金属水酸化物の配合によって、耐トラッキング性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置に関するものである。
従来から、トランジスタ、IC、LSI等の半導体素子は、外部環境の保護の観点および半導体素子のハンドリングを簡易にする観点から、プラスチックパッケージ等により封止され半導体装置化されている。そして、上記プラスチックパッケージに用いられる封止材料としては、一般に、エポキシ樹脂組成物が使用され、さらに、上記エポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂成分として、従来、耐半田性が要求される場合においては、低吸湿材であるビフェニル型エポキシ樹脂が用いられてきた。
しかしながら、近年、半導体分野における技術の進展とともに集積回路が狭く、パッケージが小型化する方向に置き換わりつつあり、上記エポキシ樹脂組成物からなる封止材料を用いて形成された封止樹脂(硬化体)は、耐トラッキング性に対して充分といえるものではなく性能的に満足のいくものではなかった。このように、耐トラッキング性が要求されるようになった技術背景としては、配線間が狭くなることにより電界強度(V/m単位)が増加したことがあげられる。また、車載用として使用される半導体装置も多くなり、塩分や水分に直接接触する可能性が高くなったことがあげられる。さらに、臭素系難燃剤とアンチモン系難燃助剤を併用した難燃性封止材料が、近年の環境対策等から使用されない傾向にあり、封止材料となる樹脂組成物そのものが燃焼しやすくなったことから、芳香族成分の多い樹脂が用いられるようになってきた。この芳香族成分の多い樹脂は炭化されやすく、電気の導通路を形成しやすいため樹脂組成物硬化体の破損を招くという不具合を有している。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、良好な成形性を有するとともに、耐トラッキング性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置の提供をその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、上記(D)成分の含有割合がエポキシ樹脂組成物全体の80〜92重量%の割合に設定されている半導体封止用エポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)硬化促進剤。
(D)下記の(d1)をエポキシ樹脂組成物全体の2〜15重量%の割合で含有する無機質充填剤。
(d1)アルカリ金属を除く金属元素の水酸化物。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)硬化促進剤。
(D)下記の(d1)をエポキシ樹脂組成物全体の2〜15重量%の割合で含有する無機質充填剤。
(d1)アルカリ金属を除く金属元素の水酸化物。
そして、本発明は、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を樹脂封止してなる半導体装置を第2の要旨とする。
本発明者らは、耐トラッキング性に関して優れた封止材料となり得るエポキシ樹脂組成物を得るべく一連の研究を重ねた。その結果、上記特定の金属水酸化物(d1)を特定の割合で用い、かつこの金属水酸化物を含有する無機質充填剤全体を特定量を用いると、上記金属水酸化物の配合により、単なる難燃作用とは別に、エポキシ樹脂組成物硬化体表面の炭化を防止して導通路形成による破損というトラッキング現象の発生が抑制されるようになることを見出し本発明に到達した。すなわち、上記特定の金属水酸化物(d1)を配合することにより、これらの金属水酸化物中の水酸基と炭素が結合し、二酸化炭素ガスを発生させることで、トラッキング現象の発生を抑制できる。
このように、本発明は、特定の金属水酸化物(d1)を特定量含有してなる無機質充填剤〔(D)成分〕をエポキシ樹脂組成物全体の80〜92重量%の割合で含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。このため、良好な成形性はもちろん、優れた耐トラッキング性を備えるものとなる。したがって、本発明は、パッケージの小型化や、使用用途の拡大に起因したトラッキング現象の発生抑制に対して有用な封止材料となり、信頼性の高い半導体装置を得ることが可能となる。
そして、上記特定の金属水酸化物(d1)として、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムの少なくとも一方を用いると、耐トラッキング性および成形性がより一層向上する。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、硬化剤(B成分)と、硬化促進剤(C成分)と、特定の無機質充填剤(D成分)とを用いて得られるものであって、通常、粉末状もしくはこれを打錠したタブレット状になっている。
上記エポキシ樹脂(A成分)としては、特に限定されるものではなく従来公知のエポキシ樹脂が用いられる。例えば、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型等の各種エポキシ樹脂を用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、これらエポキシ樹脂のなかでも、特に融点または軟化点が室温を超えていることが好ましい。例えば、上記クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量180〜210、軟化点60〜110℃のものが好適に用いられる。また、上記ビフェニル型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量180〜210、融点80〜120℃のものが好適に用いられる。
上記エポキシ樹脂(A成分)とともに用いられる硬化剤(B成分)は、上記エポキシ樹脂の硬化剤としての作用を奏するものであれば特に限定するものではなく従来公知の各種フェノール樹脂が用いられる。例えば、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらフェノール樹脂としては、水酸基当量が70〜250、軟化点が50〜110℃のものを用いることが好ましい。上記フェノール樹脂のなかでも、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、例えば、下記に示す一般式(1)で表されるフェノール樹脂が好ましく用いられる。そして、上記エポキシ樹脂(A成分)とフェノール樹脂との好適な組み合わせとしては、エポキシ樹脂(A成分)としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を用いる場合は、フェノールノボラック樹脂を用いることが好ましく、エポキシ樹脂(A成分)としてビフェニル型エポキシ樹脂を用いる場合は、フェノールアラルキル樹脂を用いることが好ましい。
上記エポキシ樹脂(A成分)と硬化剤(B成分)の配合割合は、硬化剤(B成分)としてフェノール樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量あたり、フェノール樹脂中の水酸基当量が0.7〜1.5当量となるように配合することが好ましい。より好ましくは0.9〜1.2当量である。
上記A成分およびB成分とともに用いられる硬化促進剤(C成分)としては、特に限定するものではなく従来公知の各種硬化促進剤があげられ、例えば、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートや、トリフェニルホスフィン等の有機リン系化合物、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5等のジアザビシクロアルケン系化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記硬化促進剤(C成分)の含有量は、上記硬化剤(B成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して1〜20部の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは2〜15部である。すなわち、下限値未満では、目的とするエポキシ樹脂(A成分)と硬化剤(B成分)との硬化反応が進み難いため、充分な硬化性を得ることが困難となる傾向にあり、上限値を超えると、硬化反応が速過ぎて成形性を損なう傾向がみられるからである。
上記A〜C成分とともに用いられる特定の無機質充填剤(D成分)は、特定の金属元素の水酸化物(d1)を含有してなる無機質充填剤である。上記特定の金属元素の水酸化物(d1)とは、アルカリ金属を除く金属元素の水酸化物であり、すなわち、リチウム(Li),ナトリウム(Na),カリウム(K),ルビジウム(Rb),セシウム(Cs),フランシウム(Fr)からなるアルカリ金属を除く金属元素の水酸化物である。具体的には、水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウム,水酸化亜鉛,水酸化マンガン等があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。特に、分解温度の点から、水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウムを単独でもしくは併せて用いることが好ましい。
上記特定の金属元素の水酸化物(d1)として、例えば、水酸化アルミニウムの場合は、平均粒径が5〜15μmのものを用いることが好ましく、水酸化マグネシウムの場合は、平均粒径が1〜5μmのものを用いることが好ましい。
上記特定の金属元素の水酸化物(d1)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体の2〜15重量%の割合に設定する必要がある。特に好ましくは5〜10重量%である。すなわち、d1の含有量が下限値未満では、含有量が少な過ぎて耐トラッキング性の向上効果が得られず、逆に上限値を超えると、成形作業性が低下する(離型性不良)という問題が生じるからである。
上記特定の金属元素の水酸化物以外の無機質充填剤(D成分)としては、特に限定されるものではなく従来公知の各種充填剤が用いられる。例えば、石英ガラス粉末、タルク、シリカ粉末(溶融シリカ粉末や結晶性シリカ粉末等)、アルミナ粉末、窒化アルミニウム、窒化珪素粉末等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、得られる硬化物の線膨張係数の低減できるという点から、上記シリカ粉末を用いることが好ましく、上記シリカ粉末のなかでも溶融シリカ粉末を用いることが、高充填性および高流動性という点から特に好ましい。上記溶融シリカ粉末としては、球状溶融シリカ粉末、破砕溶融シリカ粉末があげられ、流動性という観点から、球状溶融シリカ粉末を用いることが特に好ましい。なかでも、平均粒径が10〜70μmの範囲のものを用いることが好ましく、特に好ましくは20〜60μmの範囲のものを用いることである。さらに、平均粒径が0.5〜2μmの範囲のものを併用すると、流動性の向上という観点からさらに好ましい。なお、上記平均粒径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。そして、上記平均粒径は、母集団から任意に抽出される試料を用い、上記測定装置を利用して測定し導出される値である。
そして、上記特定の金属元素の水酸化物を含有する無機質充填剤(D成分)全体の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体の80〜92重量%の範囲に設定する必要があり、特に好ましくは85〜90重量%である。すなわち、D成分全体の含有量が下限値未満では、エポキシ樹脂組成物中の有機成分の占める割合が多くなり、硬化物の難燃効果が乏しくなるとともに、硬化物表面の炭化の原因となる。一方、D成分全体の含有量が上限値を超えると、エポキシ樹脂組成物の流動性が著しく低下し成形性に問題が生じるからである。
なお、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、上記A〜D成分以外に必要に応じて、離型剤、低応力化剤、難燃剤、カーボンブラック等の顔料等の他の添加剤を適宜配合することができる。
上記離型剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等の化合物があげられる。例えば、カルナバワックスやポリエチレン系ワックス等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記低応力化剤としては、アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等のブタジエン系ゴムやシリコーン化合物等があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。
そして、上記難燃剤としては、有機リン化合物、酸化アンチモン等があげられる。
さらに、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的として、ハイドロタルサイト類化合物、水酸化ビスマス等のイオントラップ剤を配合することができる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、上記A〜D成分および必要に応じて他の添加剤を常法に準じて適宜配合した後、粉体用ミキサーにより混合する。ついで、混合したものをミキシングロールや押し出し式の混練機等を用いて加熱状態で溶融混練した後、これを室温下で冷却固化させる。その後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程により目的とするエポキシ樹脂組成物を製造することができる。なお、上記各成分の配合において、D成分中の特定の金属元素の水酸化物(d1)の添加方法としては、前述に述べたように、各配合成分とともに同時に直接配合してもよいし、前記硬化剤(B成分)に150〜200℃の温度条件下にて予備混合させることにより予め樹脂中に含有させてもよい。上記予備混合させる場合は、硬化剤(B成分)に予備混合した後、この予備混合物とともに残りの配合成分を配合することが行われる。
このようなエポキシ樹脂組成物を用いての半導体素子の封止方法は、特に限定するものではなく、通常のトランスファー成形等の公知のモールド方法により行うことができ、半導体装置化することができる。このようにして得られる半導体装置としては、ICやLSI等の半導体装置等があげられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例に先立って下記に示す各成分を準備した。
〔エポキシ樹脂〕
ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量170、融点110℃)とビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量170、軟化点95℃)の混合物(混合重量比・ビフェニル型エポキシ樹脂:ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂=5:3)
ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量170、融点110℃)とビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量170、軟化点95℃)の混合物(混合重量比・ビフェニル型エポキシ樹脂:ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂=5:3)
〔硬化剤b〕
フェノールノボラック樹脂(水酸基当量105、軟化点72℃)
フェノールノボラック樹脂(水酸基当量105、軟化点72℃)
〔硬化促進剤〕
テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート
テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート
〔離型剤a〕
カルナバワックス
カルナバワックス
〔離型剤b〕
酸化ポリエチレンワックス
酸化ポリエチレンワックス
〔シリカ粉末〕
平均粒径30.4μmの溶融球状シリカ粉末
平均粒径30.4μmの溶融球状シリカ粉末
〔顔料〕
カーボンブラック
カーボンブラック
〔金属水酸化物a〕
水酸化アルミニウム(平均粒径10μm)
水酸化アルミニウム(平均粒径10μm)
〔金属水酸化物b〕
水酸化マグネシウム(平均粒径3μm)
水酸化マグネシウム(平均粒径3μm)
〔実施例1〜19、比較例1〜10〕
後記の表1〜表5に示す各成分を同表に示す割合で配合し、80〜120℃に加熱したロール混練機に5分間かけて溶融混練することにより溶融物を作製した。つぎに、この溶融物を冷却した後粉砕し、さらにタブレット状に打錠することにより目的とするエポキシ樹脂組成物を得た。
後記の表1〜表5に示す各成分を同表に示す割合で配合し、80〜120℃に加熱したロール混練機に5分間かけて溶融混練することにより溶融物を作製した。つぎに、この溶融物を冷却した後粉砕し、さらにタブレット状に打錠することにより目的とするエポキシ樹脂組成物を得た。
このようにして得られた各エポキシ樹脂組成物を用い、下記のようにして耐トラッキング性試験および連続成形性を測定・評価した。これらの結果を後記の表1〜表5に併せて示す。
〔耐トラッキング性試験〕
上記エポキシ樹脂組成物を用い、プレス機(東邦インターナショナル社製、TF15)により直径50mm×厚み3mmの接着力試験片となる成形物を作製した。成形条件は、175℃×120秒、型締め圧19.6MPa(=200kgf/cm2 を単位換算)、トランスファー成形圧6.97MPa(=70kgf/cm2 を単位換算)とした。さらに、この試験片を175℃で5時間加熱によりキュアし、その後、耐トラッキング性試験を実施した。耐トラッキング性試験においては耐トラッキング性試験装置(日立化成工業社製、HAT−500−2)を用いて、JIS C2134法(IEC112法)に基づき、耐トラッキング性試験を実施した。なお、耐トラッキング性試験における評価電圧では、測定個数n=5の評価において、50滴以上がクリアーとなったものを合格とする。
上記エポキシ樹脂組成物を用い、プレス機(東邦インターナショナル社製、TF15)により直径50mm×厚み3mmの接着力試験片となる成形物を作製した。成形条件は、175℃×120秒、型締め圧19.6MPa(=200kgf/cm2 を単位換算)、トランスファー成形圧6.97MPa(=70kgf/cm2 を単位換算)とした。さらに、この試験片を175℃で5時間加熱によりキュアし、その後、耐トラッキング性試験を実施した。耐トラッキング性試験においては耐トラッキング性試験装置(日立化成工業社製、HAT−500−2)を用いて、JIS C2134法(IEC112法)に基づき、耐トラッキング性試験を実施した。なお、耐トラッキング性試験における評価電圧では、測定個数n=5の評価において、50滴以上がクリアーとなったものを合格とする。
〔連続成形性〕
上記エポキシ樹脂組成物を用い、半導体素子をトランスファー成形(成形条件:175℃×60秒)して半導体装置を作製する際の離型性の影響を受けず連続可能な成形ショット数を測定した。作製した半導体装置は、LQFP−144(ダイパッドサイズ:7.5mm×7.5mm、Ni/Pd/Auメッキの銅製フレーム)である。
上記エポキシ樹脂組成物を用い、半導体素子をトランスファー成形(成形条件:175℃×60秒)して半導体装置を作製する際の離型性の影響を受けず連続可能な成形ショット数を測定した。作製した半導体装置は、LQFP−144(ダイパッドサイズ:7.5mm×7.5mm、Ni/Pd/Auメッキの銅製フレーム)である。
上記結果から、実施例品は、耐トラッキング性が向上しており、連続成形性に関しても良好な結果が得られた。
これに対して、水酸化アルミニウムあるいは水酸化マグネシウムが配合されていない、またはこれらの含有量が下限値未満の比較例1〜3,5,6品は、連続成形性に関しては問題はなく良好な結果が得られたが、耐トラッキング性に劣る結果となった。また、水酸化アルミニウムあるいは水酸化マグネシウムの含有量が上限値を超える比較例4,7品は、耐トラッキング性に関しては良好な結果が得られたが、連続成形性に劣る結果が得られた。さらに、水酸化アルミニウムあるいは水酸化マグネシウムとシリカ粉末の合計量、すなわち無機質充填剤全体の含有量が下限値未満の比較例8,9品は、耐トラッキング性に劣るとともに、連続成形性に関しても劣る結果となった。また、水酸化アルミニウムとシリカ粉末の合計量、すなわち無機質充填剤全体の含有量が上限値を超える比較例10品は、流動性の低下が見られ、成形が不可能となる結果となった。
Claims (3)
- 下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、上記(D)成分の含有割合がエポキシ樹脂組成物全体の80〜92重量%の割合に設定されていることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)硬化促進剤。
(D)下記の(d1)をエポキシ樹脂組成物全体の2〜15重量%の割合で含有する無機質充填剤。
(d1)アルカリ金属を除く金属元素の水酸化物。 - 上記(d1)が、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムの少なくとも一方である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1または2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を樹脂封止してなる半導体装置。
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