JP2015000888A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リードフレーム界面の密着性が向上し、低弾性率化も図ることができる半導体封止用エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤、および無機充填剤を必須成分として含有しリードフレームに搭載された半導体を封止するための成形材料として用いられる半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、アクリル樹脂に水酸基をグラフト化した水酸基当量4000〜6000g/eqの低応力化剤を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体封止のための成形材料として用いられる半導体封止用エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置に関する。
従来、集積回路等の半導体素子の封止材料としてセラミックや熱硬化性樹脂が一般に用いられている。トランジスタ、IC等の半導体素子の封止の分野では生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂組成物が成形材料として広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂組成物は電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸特性のバランスが良く、経済性と性能とのバランスにも優れている点等が挙げられる。
特に集積回路では、エポキシ樹脂、フェノール樹脂系硬化剤、および溶融シリカや結晶シリカ等の無機充填剤を配合した耐熱性、耐湿性に優れたエポキシ樹脂組成物が用いられている(特許文献1、2参照)。
半導体素子は、これを外部環境から保護して各種信頼性を確保するとともに基板への実装を容易にするためパッケージが必要である。パッケージには種々の形態があるが、一般には低圧トランスファ成形法で封止したパッケージが広く用いられている。このパッケージは、金属製リードフレームに半導体素子が固着され、半導体素子表面の電極とインナーリードとが金ワイヤで電気的に接続される。そして半導体素子、金ワイヤ、およびリードフレームの一部が封止樹脂を用いて低圧トランスファ成形法で封止される。
エポキシ樹脂組成物を用いる封止法においては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を樹脂成分とし、かつフェノールノボラック樹脂を硬化剤成分とする成形材料が最も一般的に用いられている。
特開2008−143950号公報 特開2010−031126号公報
しかしながら、近年では半導体パッケージのタイプとして大型のモジュールのパッケージが増加してきている。それに伴い、ダイパッドのサイズも大きくなり、これまで以上の応力が発生するため、リードダイとエポキシ樹脂組成物の界面に剥離が発生することが課題となっている。従来、シリコーン系の低応力化剤等が使用されているが、こうした大型のモジュールのパッケージにおいて密着性の確保と低弾性率化を両立する新規な技術が望まれていた。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、リードフレーム界面の密着性が向上し、低弾性率化も図ることができる半導体封止用エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、および無機充填剤を必須成分として含有しリードフレームに搭載された半導体を封止するための成形材料として用いられる半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、アクリル樹脂に水酸基をグラフト化した水酸基当量4000〜6000g/eqの低応力化剤を含有することを特徴とする。
この半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、前記低応力化剤の含有量は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して0.5〜5質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明の半導体装置は、前記の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により半導体素子が封止されていることを特徴とする。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置によれば、リードフレーム界面の密着性が向上し、低弾性率化も図ることができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造は特に限定されず各種のものを用いることができる。
具体的には、例えば、グリシジルエーテル型、グリシジルアミン型、グリシジルエステル型、オレフィン酸化型(脂環式)等の各種のエポキシ樹脂を用いることができる。
さらに具体的には、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のアルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の多官能型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラキスフェノールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ブロム含有エポキシ樹脂等のブロム含有エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
半導体封止用エポキシ樹脂組成物としての耐湿信頼性を考慮すると、エポキシ樹脂中に含まれるイオン性不純物であるNaイオンやClイオンが極力少ない方が好ましく、硬化性等を考慮すると、エポキシ樹脂のエポキシ当量は100〜500g/eqが好ましい。
これらの中でも、特に融点または軟化点が室温を超えているエポキシ樹脂を含むことが好ましい。例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量180〜210、軟化点60〜110℃のものが好適に用いられ、硬化性を高めることができる。また、ビフェニル型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量180〜210、融点80〜120℃のものが好適に用いられ、流動性および耐リフロー性を高めることができる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂の含有量は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して好ましくは7〜35質量%である。このような範囲で用いると、封止樹脂の流動性や成形品の物性等を高めることができる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、硬化剤が配合される。硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤等を用いることができる。中でも、硬化性や硬化物の物性等を考慮すると、フェノール樹脂系硬化剤が好ましい。
フェノール樹脂系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のノボラック型樹脂、フェニレン骨格またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂、トリフェノールメタン型樹脂等の多官能型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトールノボラック樹脂等のジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール型樹脂、ビスフェノールS等の硫黄原子含有型フェノール樹脂、トリアジン変性ノボラック樹脂等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール樹脂系硬化剤は、硬化特性等を考慮すると、水酸基当量は70〜250g/eqが好ましく、軟化点は50〜110℃が好ましい。
フェノール樹脂系硬化剤の配合量は、好ましくは、フェノール性水酸基とエポキシ基との当量比(OH基当量/エポキシ基当量)が0.5〜1.5となる量であり、より好ましくは当量比が0.8〜1.2となる量である。当量比がこのような範囲内であると、エポキシ樹脂組成物の硬化特性を高め、ガラス転移温度の低下を抑制し、耐湿信頼性を高めることができる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤の配合量は、好ましくは、エポキシ樹脂とフェノール樹脂系硬化剤との合計量に対して0.1〜5質量%の範囲内である。このような範囲内であると、硬化特性を改善することができる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、無機充填剤が配合される。無機充填剤を配合することで、硬化物の熱膨張係数を調整することができる。無機充填剤としては、特に制限されず、例えば公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、球状溶融シリカなどの溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素などを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、充填性や流動性を考慮すると、球状溶融シリカが好ましく、特に真球に近いものが好ましい。熱伝導性を考慮すると、アルミナ、結晶シリカ、窒化珪素などが好ましい。
無機充填剤の平均粒径は、特に限定されないが、例えば0.2〜70μmの範囲のものを用いることができる。中でも流動性の向上などの観点からは、平均粒径が0.5〜10μmの範囲のものが好ましい。なお、ここで平均粒径は、市販のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折・散乱法による粒度分布の測定値から、累積分布によるメディアン径(d50、体積基準)として求めることができる。
さらに、粘度や硬化物の物性を調整するために、粒径の異なる無機充填剤を2種以上組み合わせて用いてもよい。
無機充填剤の含有量は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して60〜93質量%が好ましい。この範囲内であると、線膨張を抑制し、かつ十分な流動性を確保することもできる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、アクリル樹脂に水酸基をグラフト化した水酸基当量4000〜6000g/eqの低応力化剤が配合される。この低応力化剤を配合することにより、リードフレーム界面の密着性が向上し、低弾性率化も図ることができる。
低応力化剤の含有量は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して0.5〜5質量%の範囲内であることが好ましい。この範囲内であると、密着性が向上し低弾性率化も図ることができ、さらに流動性の悪化と曲げ強度の低下も抑制できる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、さらに他の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば、離型剤、カップリング剤、難燃剤、着色剤、低応力化剤、イオントラップ剤等を用いることができる。
離型剤としては、カルナバワックス、ステアリン酸、モンタン酸、カルボキシル基含有ポリオレフィン等を用いることができる。
カップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のグリシドキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、赤リン等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン、フタロシアニン、ペリレンブラック等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
低応力化剤としては、例えば、シリコーンエラストマー、シリコーンオイル、アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等のブタジエン系ゴム等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらは前記のアクリル樹脂に水酸基をグラフト化した水酸基当量4000〜6000g/eqの低応力化剤と共に使用することができる。
イオントラップ剤としては、例えば、ハイドロタルサイト類化合物、アルミニウム、ビスマス、チタン、およびジルコニウムから選ばれる元素の含水酸化物等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、次のようにして製造することができる。例えば、以上に例示した各成分を配合し、ミキサー、ブレンダー等を用いて十分均一になるまで混合する。その後、熱ロールやニーダー等の混練機により加熱状態で溶融混合し、これを室温に冷却した後、公知の手段により粉砕することにより半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造することができる。
なお、半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、粉末状であってもよいが、取り扱いを容易にするために、成形条件に合うような寸法と質量に打錠したタブレットとしてもよい。
本発明の半導体装置は、前記のようにして得られた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止することにより製造することができる。
半導体素子としては、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子等を用いることができる。またSiC、GaN等のパワーデバイスにも用いることができる。
本発明の半導体装置のパッケージ形態としては、例えば、Mini、Dパック、D2パック、To220、To3P、デュアル・インライン・パッケージ(DIP)等の挿入型パッケージ、クワッド・フラット・パッケージ(QFP)、スモール・アウトライン・パッケージ(SOP)、スモール・アウトライン・Jリード・パッケージ(SOJ)等の表面実装型のパッケージ等を挙げることができる。
このようなパッケージにおいては、例えば、リードフレームのダイパッド上に、ダイボンド材硬化物を介して半導体素子が固定される。半導体素子の電極パッドとリードフレームとの間は金線等のワイヤにより電気的に接続される。そして半導体素子は、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により封止される。
本発明の半導体装置は、例えば次のようにして製造される。例えば、半導体素子を搭載した銅製リードフレーム等のリードフレームを金型キャビティ内に設置した後、半導体封止用エポキシ樹脂組成物を低圧トランスファ成形法、コンプレッション成形法、インジェクション成形法等の方法で成形硬化することができる。
なお、銅製リードフレームの表面は、例えば、純銅のストライクメッキ、銀メッキ(主にインナーリード先端のワイヤ接合部やダイパッド部)、またはニッケル/パラジウム/金多層メッキ(PPF(Palladium Pre−Plated Frame))などのメッキが施されていてもよい。
低圧トランスファ成形法においては、半導体素子が搭載されたリードフレームを金型のキャビティ内に配置した後、このキャビティ内に溶融状態の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を所定の圧力で注入し、溶融した半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、基板上の半導体素子を包み込みながらキャビティ内を流動し、キャビティ内に充満する。
このときの注入圧力は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物や半導体装置の種類に応じて適宜に設定することができるが、例えば4〜7MPa、金型温度は、例えば160〜190℃、成形時間は、例えば30〜300秒等に設定することができる。
次に、金型を閉じたまま後硬化(ポストキュア)を行った後、型開きして成形物すなわち半導体装置(パッケージ)を取り出す。このときの後硬化条件は、例えば160〜190℃で2〜8時間に設定することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1に示す配合量は質量部を表す。
表1に示す配合成分として、以下のものを用いた。
(エポキシ樹脂)
O−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、DIC(株)製「N663EXP」
(硬化剤)
フェノールノボラック樹脂、明和化成工業(株)製「HF−1M」
(無機充填剤)
溶融シリカ
(硬化促進剤)
トリフェニルホスフィン(TPP)
(低応力化剤)
アクリル樹脂に水酸基をグラフト化した低応力化剤、水酸基当量4800g/eq
(その他の添加剤)
水酸化アルミニウム、昭和電工(株)製「HP360」
カルナバワックス
カーボンブラック
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
表1に示す各配合成分を、表1に示す割合で配合し、ブレンダーで30分間混合し均一化した後、80℃に加熱したニーダーで混練溶融させて押し出し、冷却後、粉砕機で所定粒度に粉砕して粒状の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
この半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて次の評価を行った。
[スパイラルフロー]
ASTM D3123に準拠したスパイラルフロー測定金型を用いて、金型温度170℃、注入圧力6.9MPa、成形時間120秒の条件で半導体封止用エポキシ樹脂組成物の成形を行い、流動距離(cm)を測定した。スパイラルフローは成形性の目安となり、この値が長いほど流動性が良い材料であることを示す。
[ゲルタイム]
キュラストメータ(オリエンテック社製)を用いて、170℃にて半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化トルクを経時的に測定し、硬化トルク値が0.1kgfになるまでの時間(s)をゲルタイムとして測定した。速硬化性という観点では、この値の小さい方が良好である。
[密着性]
25×25×5mmtの銅基板に前記の半導体封止用エポキシ樹脂組成物のプリン状の成形品を175℃×120sで低圧トランスファ成形により作製した。成形後、175℃で6時間後硬化し、得られたテストピースについてボンドテスタを用いてせん断密着力(MPa)を測定した。
[曲げ弾性率、曲げ強度]
JIS K6911に準じたテストピースを作製し、オートグラフにて曲げ弾性率(GPa)、曲げ強度(MPa)を測定した(試験片:80×10×4mm、支点間距離:64mm、試験速度:2mm/min)
評価結果を表1に示す。
Figure 2015000888
表1より、アクリル樹脂に水酸基をグラフト化した水酸基当量4000〜6000g/eqの低応力化剤を配合した実施例1〜3は、これを配合しなかった比較例1に比べて、封止樹脂とリードフレームとの密着性に優れ、剥離の発生を抑制することができた。また、この低応力化剤の配合量を変更した実施例1〜3の結果より、密着性の向上と共に、低弾性率化も図ることができることが分かる。そして成形時の流動性の指標となるスパイラルフローとゲルタイムも良好で、曲げ強度の低下も抑制することができた。

Claims (3)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、および無機充填剤を必須成分として含有しリードフレームに搭載された半導体を封止するための成形材料として用いられる半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、アクリル樹脂に水酸基をグラフト化した水酸基当量4000〜6000g/eqの低応力化剤を含有することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記低応力化剤の含有量は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して0.5〜5質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により半導体素子が封止されていることを特徴とする半導体装置。
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