JP6315368B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主にリードフレーム型半導体装置の半導体封止のための成形材料として用いられる半導体封止用エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置に関する。
集積回路などの半導体素子は、これを外部環境から保護して各種の信頼性を確保し、且つ、マザーボードなどの基板への実装を容易にするためパッケージが必要である。パッケージには種々の形態があるが、一般には低圧トランスファ成形法で封止したパッケージが広く用いられている。
このパッケージの封止材料としてセラミックや熱硬化性樹脂が一般に用いられているが、近年では生産性、コストなどの面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂組成物が封止材料として広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂組成物は電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの諸特性のバランスが良く、経済性と性能とのバランスにも優れている点などが挙げられる。
従来、このような半導体封止用エポキシ樹脂組成物として、エポキシ樹脂と、フェノールノボラック樹脂などのフェノール樹脂硬化剤と、溶融シリカなどの無機充填剤とを配合したものが一般に用いられている(特許文献1、2参照)。
この半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、リードフレームに用いられる金属との密着力が求められ、密着力の低下は信頼性の低下につながる。例えば、ICパッケージが吸湿した場合、リフロー時にこの吸湿水分が気化して、発生した蒸気圧が剥離応力として働き、半導体素子、リードフレームなどのインサートと封止材料との間で剥離が発生し、パッケージクラックの発生や電気的特性不良の原因となる。このため、はんだ耐熱性(耐湿信頼性)に優れた封止材料の開発が望まれている。
リードフレームの材質は、電気特性、放熱特性に優れた銅が主流であるが、銅は酸化されやすく、それにより生じる様々な問題を回避するため、銅製リードフレームを銀などのメッキで処理することが多くなってきている。ところが、このメッキ部となる金属は、エポキシ樹脂組成物に含まれている有機成分とは反応しにくく、半導体装置の吸湿後のはんだ処理においてリードフレームとの界面で剥離が生じやすいという問題点があった。
従来、リードフレームと封止樹脂との密着性を高め信頼性を改善する密着付与剤として、無水トリメリット酸、トリメリット酸、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、4,4’−ジチオモルホリン、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドなどの化合物が使用されてきた。
特開2003−213087号公報 特開2006−316263号公報
しかしながら、前記のように従来の密着付与剤は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂中に配合すると可塑剤として働きガラス転移温度の低下を起こす場合があり、また反応性の密着付与剤であっても信頼性に改善の余地があった。また難燃性も低下する場合が多かった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、密着性に優れ、難燃性とガラス転移温度の低下も抑制できる半導体封止用エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、および無機充填剤を必須成分として含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、密着付与剤として常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩を含有することを特徴としている。
この半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩は、平均粒子径(d90)が10μm以下の粉末であることが好ましい。
この半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩は、メラミン塩であることが好ましい。
この半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、メッキが施されていてもよい銅製リードフレームが使用されるリードフレーム型半導体装置の封止に用いられることが好ましい。
本発明の半導体装置は、前記の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により半導体素子が封止されていることを特徴とする。
この半導体装置において、メッキが施されていてもよい銅製リードフレームが使用されるリードフレーム型半導体装置であることが好ましい。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置によれば、密着性に優れ、難燃性とガラス転移温度の低下も抑制できる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物に配合されるエポキシ樹脂は、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般である。その分子量、分子構造は特に限定されず各種のものを用いることができる。
例えば、グリシジルエーテル型、グリシジルアミン型、グリシジルエステル型、オレフィン酸化型(脂環式)などの各種のエポキシ樹脂を用いることができる。
具体的には、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂(フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのフェノール類および/またはα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレンなどのナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドなどのアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合または共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの);トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂(トリフェニルメタン型エポキシ樹脂);ジシクロペンタジエンとフェノール類との共縮合樹脂のエポキシ化物(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂などのアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物(フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂など);ビフェニレン型エポキシ樹脂;ナフタレン環を有するエポキシ樹脂(ナフタレン型エポキシ樹脂);ビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;ビスフェノール型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂など);硫黄含有エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸などのポリアミンとエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;フタル酸、ダイマー酸などの多塩基酸とエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂などを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、流動性、耐湿信頼性などを考慮すると、次式(III)で表わされるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。このビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂を使用すると、銅製リードフレームとの密着性も向上する。
Figure 0006315368
(式中、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基を示し、nは平均値で0〜5を示す。)
式(III)で表わされるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂としては、例えばR11〜R18が全て水素原子であるNC−3000(日本化薬(株)製)が市販品として入手可能である。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、フェノール樹脂硬化剤が配合される。
フェノール樹脂硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂(フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノールなどのフェノール類および/またはα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレンなどのナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドなどのアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合または共縮合させて得られるもの);フェノール類および/またはナフトール類とジメトキシパラキシレンまたはビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂などのアラルキル型フェノール樹脂;フェノール類および/またはナフトール類とジシクロペンタジエンから共重合により合成されるジシクロペンタジエン型フェノール樹脂;トリフェニルメタン型フェノール樹脂などを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、次式(IV)で表わされるフェノールアラルキル樹脂、および次式(V)で表わされるビフェニルアラルキル樹脂が好ましい。
Figure 0006315368
式(IV)中、R21はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基を示し、nは平均値で0〜10を示す。
式(IV)で表わされるフェノールアラルキル樹脂としては、例えばR21が全て水素原子で、nの平均値が0〜8であるフェノールアラルキル樹脂などが挙げられる。具体例としては、p−キシリレン型フェノールアラルキル樹脂、m−キシリレン型フェノールアラルキル樹脂などが挙げられる。このような化合物としては、MEH−7800(明和化成社製)が市販品として入手可能である。
Figure 0006315368
式(V)中のR31〜R38はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基を示し、nは平均値で0〜10を示す。
式(V)で表わされるビフェニルアラルキル樹脂としては、例えば、R31〜R38が全て水素原子である化合物等が挙げられ、中でも溶融粘度の観点から、nが0の成分を50質量%以上含む縮合体の混合物が好ましい。このような化合物としては、MEH−7851SS(明和化成社製)が市販品として入手可能である。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物におけるフェノール樹脂硬化剤の配合量は、好ましくは、エポキシ基とフェノール性水酸基との当量比(エポキシ基当量/OH基当量)が0.9〜1.5となる量であり、より好ましくは当量比が1.0〜1.3となる量である。当量比がこのような範囲内であると、硬化性を高め、ガラス転移温度の低下を抑制し、耐湿信頼性も高めることができる。
本発明において、半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、硬化促進剤を配合することができる。
硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基との反応を促進するものであればよく、一般に封止材料に使用されているものを広く使用することができる。具体的には、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7などのシクロアミジン類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの第3級アミン類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
半導体封止用エポキシ樹脂組成物における硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤の合計量に対して0.05〜5質量%が好ましい。硬化促進剤の配合量をこの範囲内にすると、硬化反応が促進され、かつ、ゲル化時間が短くなり過ぎることも抑制できる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、無機充填剤が配合される。無機充填剤としては、例えば、溶融シリカ、破砕シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、酸化カルシウムなどを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、溶融シリカ、特に溶融球状シリカが好ましい。溶融シリカの平均粒子径は、1〜20μmが好ましく、4〜15μmがより好ましい。なお、ここで平均粒子径は、市販のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折・散乱法による粒度分布の測定値から、累積分布によるメディアン径(d50、体積基準)として求めることができる。このような溶融球状シリカを用いると、成形時の流動特性が良く、封止成形時において樹脂漏れや樹脂バリなどに起因する成形不具合を抑制し、パッケージ薄肉部への充填性も高めることができる。また平均粒子径の異なる2種類以上の溶融シリカを併用することもできる。
無機充填剤の配合量は、特に限定されないが、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して60〜95質量%が好ましい。このような範囲内にすると、成形時の流動性を損なうことなく熱膨張などを抑制することができる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、密着付与剤として常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩が配合される。
なお、本明細書において「常温」とは20℃を意味する。
この常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩を使用すると、金属リードフレームと強固に密着し、さらに難燃性とガラス転移温度の低下も抑制できる。
この半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩は、平均粒子径が10μm以下の粉末であることが好ましい。なお、ここで平均粒子径は、市販のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折・散乱法による粒度分布の測定値から、累積分布によるメディアン径(d90、体積基準)として求めることができる。
常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩の未粉砕粉末は10μmを超える粒子が多数存在し、リードフレームパッケージでは半導体パッケージのワイヤ間に引っ掛かる不具合が生じる場合があり、モールドアンダーフィル(MUF)ではピラー間に引っ掛かる不具合が生じる場合がある。
本発明では、常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩は有機フィラーとして取り扱われ、この化合物が有機フィラーとして金属表面に触れることで、金属表面との結合などによって密着力が向上する。ニトリロトリスメチレンホスホン酸メラミン塩リン原子を含むため、リンによる炭化促進機能により半導体封止用エポキシ樹脂組成物の難燃性も付随して向上する。
常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩のカチオンは、特に限定されるものではないが、メラミンと塩をなしているものが好ましい。
常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩の配合量は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物全量に対して0.1〜10質量%が好ましい。この範囲内にすると密着性が大きく向上し、難燃性とガラス転移温度の低下も抑制できる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、さらに他の成分を配合することができる。このような成分としては、例えば、シランカップリング剤、離型剤、顔料、難燃剤、低応力化剤、イオントラップ剤などを用いることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのグリシドキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン、ビニルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのメタクリロキシシランなどを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このようなシランカップリング剤の配合量は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物全量に対して0.01〜1.0質量%が好ましい。
離型剤としては、例えば、カルナバワックス、ステアリン酸、ステリアン酸塩、モンタン酸、モンタン酸エステル、カルボキシル基含有ポリオレフィン、酸化ポリエチレンワックス、モンタン酸ビスアマイドなどを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
顔料としては、例えば、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン、フタロシアニン、ペリレンブラックなどを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、リン系化合物などを用いることができる。金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、2元素以上を含む複合金属水酸化物、チタネートカップリング剤などで表面処理された金属水酸化物などを用いることができる。リン系化合物としては、例えば、赤リン、有機リン化合物などを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
低応力化剤としては、例えば、シリコーンエラストマー、シリコーンオイル、シリコーンゲルなどを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イオントラップ剤としては、例えば、ハイドロタルサイト類化合物、アルミニウム、ビスマス、チタン、およびジルコニウム、アンチモンから選ばれる元素の含水酸化物などを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、次のようにして製造することができる。例えば、上記のエポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、無機充填剤、ニトリロトリスメチレンホスホン酸メラミン塩、および必要に応じて他の成分を配合し、ミキサー、ブレンダーなどを用いて十分均一になるまで混合する。その後、熱ロールやニーダーなどの混練機により加熱状態で溶融混合し、これを室温に冷却した後、公知の手段により粉砕することにより半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造することができる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、パウダー(粒状)またはグラニュール状に調製され、その後、取扱いを容易にするために、成形条件に合うような寸法と質量に打錠したタブレットとしてもよい。
本発明の半導体装置は、上記のようにして得られた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止することにより製造することができる。
半導体素子としては、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子等を用いることができる。またSiC、GaN等の新規のパワーデバイスにも用いることができる。
本発明の半導体装置として、具体的には、銅製リードフレームなどのリードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッドなどの半導体素子の端子部とリード部とをワイヤボンディングで接続した後、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて封止したパッケージである、Mini、Dパック、D2パック、To220、To3P、デュアル・インライン・パッケージ(DIP)などの挿入型パッケージ、クワッド・フラット・パッケージ(QFP)、スモール・アウトライン・パッケージ(SOP)、スモール・アウトライン・Jリード・パッケージ(SOJ)などの表面実装型のパッケージなどを挙げることができる。
銅製リードフレームの表面は、例えば、純銅のストライクメッキ、銀メッキ(主にインナーリード先端のワイヤ接合部やダイパッド部)、またはニッケル/パラジウム/金多層メッキ(PPF(Palladium Pre−Plated Frame))などのメッキが施されていてもよい。
この他、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、BGA(Ball Grid Array)などの有機基板を用いたエリア実装型のパッケージの封止に用いることもでき、例えばモールドアンダーフィルにも用いることもできる。
本発明の半導体装置は、次のようにして製造される。例えば、半導体素子を搭載したリードフレームを金型キャビティ内に設置した後、半導体封止用エポキシ樹脂組成物を低圧トランスファ成形法、コンプレッション成形法、インジェクション成形法などの方法で成形硬化して製造することができる。
低圧トランスファ成形法においては、半導体素子が搭載されたリードフレームを金型のキャビティ内に配置した後、このキャビティ内に溶融状態の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を所定の圧力で注入する。溶融した半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、基板上の半導体素子を包み込みながらキャビティ内を流動し、キャビティ内に充満する。
このときの注入圧力は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物や半導体装置の種類に応じて適宜に設定することができるが、例えば4〜7MPa、金型温度は、例えば160〜190℃、成形時間は、例えば30〜300秒などに設定することができる。
その後、後硬化(ポストキュア)を行い、成形物すなわち半導体装置(パッケージ)を得ることができる。このときの後硬化条件は、例えば160〜190℃で2〜8時間に設定することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1に示す配合量は質量部を表す。
表1に示す配合成分として、以下のものを用いた。
(無機充填剤)
・球状溶融シリカ:電気化学工業 FB940
(シランカップリング剤)
・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製「KBM403」
(エポキシ樹脂)
・ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC−3000」、エポキシ当量275g/eq、軟化点56℃
・ビフェニル型エポキシ樹脂
(フェノール樹脂硬化剤)
・フェノールアラルキル樹脂、明和化成(株)製「MEH−7800」、水酸基当量175mgKOH/g、軟化点70℃
・ビフェニルアラルキル樹脂、明和化成(株)製「MEH−7851SS」、水酸基当量198g/eq、軟化点64℃
・フェノールノボラック樹脂
(離型剤)
・カルナバワックス、大日化学社製「F1−100」
(硬化促進剤)
・トリフェニルホスフィン、北興化学工業(株)製「TPP」
(顔料)
・カーボンブラック、三菱化学(株)製「MA100」
(常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩)
常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩として以下のニトリロトリスメチレンホスホン酸メラミン塩を使用した。
・城北化学工業(株)製「JPCN−300M」通常品
・城北化学工業(株)製「JPCN−300M」10μm粉砕品
(密着付与剤)
・ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド
表1に示す各配合成分を、表1に示す割合で配合し、ブレンダーで30分間混合し均一化した。その後、約100℃に加熱したニーダーで混練溶融させて押し出し、冷却後、粉砕機で所定粒度に粉砕し、圧縮によりタブレット化して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
この半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて次の評価を行った。
[密着力]
25×25×5mmtの基板に前記の半導体封止用エポキシ樹脂組成物のプリン状の成形品を低圧トランスファ成形(175℃)により作製した。成形後、175℃で6時間後硬化し、得られたテストピースについてDage社製のボンドテスターを用いてせん断密着力(MPa)を測定した。密着力の測定は、銅基板(KFC、Cu密着力)、銀メッキ銅基板(Ag密着力)のそれぞれについて測定した。なお、Agメッキ部の接着力が25MPaを下回るとリフロー時に剥離する可能性が高い。
[分散性(凝集物の評価)]
溶融混練後の粗砕した樹脂の断面を観察し金属顕微鏡で30μm以上の白点を観察し、発見された場合に分散不具合とした。
[ガラス転移温度(Tg)]
4.5mm(縦)×50mm(横)×1.6mm(厚さ)のサンプルをコンベンショナルプレスで成形温度175℃、トランスファ圧力7MPa、トランスファ成形用金型に樹脂が充填されるのに要する時間10秒、キュアー時間100秒の条件で試験片を作製し、アフターキュアを175℃、6時間の条件で行った後、粘弾性測定装置(SIIテクノロジー社製DMS6100)を用いて測定し、tanδのα分散ピークにおける温度よりTgを求めた。
[難燃性]
UL94の規格に準じてサンプル厚み0.8mmtで評価を行った。
以上の評価の結果を表1に示す。
Figure 0006315368
表1より、密着付与剤として常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩を用いた実施例では、密着性が向上し且つ難燃性とガラス転移温度の低下も抑制することができた。

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、および無機充填剤を必須成分として含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、密着付与剤として常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩を含有し、
    前記常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩は、メラミン塩である
    ことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 常温で固体のニトリロトリスメチレンホスホン酸塩は、平均粒子径(D90)が10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. メッキが施されていてもよい銅製リードフレームが使用されるリードフレーム型半導体装置の封止に用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により半導体素子が封止されていることを特徴とする半導体装置。
  5. メッキが施されていてもよい銅製リードフレームが使用されるリードフレーム型半導体装置であることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
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