JP6409390B2 - 配線基板、半導体パッケージ、電子装置、配線基板の製造方法、および半導体パッケージの製造方法 - Google Patents
配線基板、半導体パッケージ、電子装置、配線基板の製造方法、および半導体パッケージの製造方法 Download PDFInfo
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Description
しかし、さらに検討を進める中で、ソルダーレジストと封止樹脂の密着性を挙げても、すぐに製造した半導体パッケージの耐性向上につながらない場合があった。
コア基板と、
前記コア基板の少なくともひとつの最外面に設けられた導電体パターンと、
前記導電体パターン上に設けられた最外層の絶縁性樹脂膜とを備え、
前記絶縁性樹脂膜には、複数の開口部が設けられており、
少なくとも1つの前記開口部内には、前記導電体パターンの導電部の一部が位置しており、
前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上0.50μm以下であり、
前記絶縁性樹脂膜はフィラーを含み、
前記絶縁性樹脂膜の表面には、前記フィラーが脱離して形成されたクレーター状の凹部が設けられている、配線基板
が提供される。
配線基板と、
前記配線基板上に配設された半導体素子と、
前記配線基板の少なくともひとつの面および前記半導体素子を覆う封止樹脂とを備え、
前記配線基板は、
コア基板と、
前記コア基板の少なくともひとつの最外面に設けられた導電体パターンと、
前記導電体パターン上に設けられた最外層の絶縁性樹脂膜とを備え、
前記絶縁性樹脂膜には、複数の開口部が設けられており、
少なくとも1つの前記開口部内には、前記導電体パターンの導電部の一部が位置しており、
前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上0.50μm以下であり、
前記絶縁性樹脂膜はフィラーを含み、
前記絶縁性樹脂膜の表面には、前記フィラーが脱離して形成されたクレーター状の凹部が設けられている、半導体パッケージ
が提供される。
配線基板と、前記配線基板上に配設された半導体素子と、前記配線基板の少なくともひとつの面および前記半導体素子を覆う封止樹脂とを有する半導体パッケージを備え、
前記配線基板は、
コア基板と、
前記コア基板の少なくともひとつの最外面に設けられた導電体パターンと、
前記導電体パターン上に設けられた最外層の絶縁性樹脂膜とを備え、
前記絶縁性樹脂膜には、複数の開口部が設けられており、
少なくとも1つの前記開口部内には、前記導電体パターンの導電部の一部が位置しており、
前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上0.50μm以下であり、
前記絶縁性樹脂膜はフィラーを含み、
前記絶縁性樹脂膜の表面には、前記フィラーが脱離して形成されたクレーター状の凹部が設けられている、電子装置
が提供される。
配線基板の製造方法であって、
少なくともひとつの最外面に導電体パターンが設けられたコア基板を準備する工程と、
前記コア基板および前記導電体パターン上に最外層の絶縁性樹脂膜を積層する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の所定の領域に前記導電体パターンの一部を露出させる開口部を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の表面をデスミア処理する工程とをこの順に含み、
前記開口部を形成する工程は、前記絶縁性樹脂膜のうち、前記開口部とする領域にレーザー光を照射する工程を含み、
当該配線基板の前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaを0.08μm以上0.50μm以下とし、
前記絶縁性樹脂膜はフィラーを含み、
当該配線基板の前記絶縁性樹脂膜の表面に、前記フィラーが脱離して形成されたクレーター状の凹部を設ける、配線基板の製造方法
が提供される。
表面に絶縁性樹脂膜が露出した配線基板を準備する工程と、
前記絶縁性樹脂膜上に半導体素子を配設する工程と、
露出した、前記絶縁性樹脂膜および前記半導体素子を、封止樹脂で覆うよう封止する工程とをこの順に含み、
前記配線基板は、
コア基板と、
前記コア基板の少なくともひとつの最外面に設けられた導電体パターンと、
前記導電体パターン上に設けられた最外層の前記絶縁性樹脂膜とを備え、
前記絶縁性樹脂膜には、複数の開口部が設けられており、
少なくとも1つの前記開口部内には、前記導電体パターンの導電部の一部が位置しており、
前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上0.50μm以下であり、
前記絶縁性樹脂膜はフィラーを含み、
前記絶縁性樹脂膜の表面には、前記フィラーが脱離して形成されたクレーター状の凹部が設けられている、半導体パッケージの製造方法
が提供される。
配線基板20は、コア基板22、導電体パターン24、および絶縁性樹脂膜10を備える。導電体パターン24は、コア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。絶縁性樹脂膜10は、配線基板20の最外層であり、導電体パターン24上に設けられている。絶縁性樹脂膜10には、複数の開口部28が設けられている。少なくとも1つの開口部28内には、導電体パターン24の導電部の一部が位置している。そして、絶縁性樹脂膜10の表面の算術平均粗さRaは0.08μm以上0.50μm以下である。以下に詳細に説明する。
コア基板22は熱硬化性樹脂からなるものとすることができる。コア基板22はリジッドな基板でも良いし、フレキシブルな基板でも良い。コア基板22の厚さは、とくに限定されないが、たとえば10μm以上300μm以下とすることができる。
また、コア基板22が両面板もしくは多層板である場合、コア基板22の1つの表面(最外面)に設けられた導電体パターン24は、反対側の表面(最外面)に設けられた導電体パターン24やコア基板22の内部に設けられた配線層と、少なくとも一部の絶縁層を貫通するスルーホールを介して互いに電気的に接続されている。
本実施形態においては、たとえば熱機械測定装置を用いて昇温速度10℃/分の条件で測定することにより得られる線膨張係数の、25〜50℃における平均を算出して、これをTg以下における上記線膨張率とすることができる。
本実施形態に係る配線基板20では、封止樹脂を積層して熱処理を行った後の絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性に優れる。そのため、上述のような配線基板20を用いたパッケージ等の完成品において、絶縁性樹脂膜と封止樹脂とに高い密着性を確保できる。よって、耐久性、耐湿性に優れ、信頼性の高いパッケージや電子装置を得ることができる。本発明者は、熱処理後の当該密着性に注目することによって、耐久性に優れるパッケージや電子装置をより確実に得られることを見出したものである。
なお、パッケージとは、配線基板上に種々のパーツが搭載され、一括封止されたものをいう。半導体パッケージはパッケージの一例であり、パッケージには、一括封止されたECU(Electric Control Unit)等も含む。
図2は本実施形態に係る半導体パッケージ102の構造の一例を示す断面模式図である。
本実施形態に係る半導体パッケージ102は、配線基板20、半導体素子60、および封止樹脂40を備える。半導体素子60は配線基板20上に配設されている。封止樹脂40は、配線基板20の少なくともひとつの面および半導体素子60を覆っている。配線基板20は、コア基板22、導電体パターン24、および絶縁性樹脂膜10を備える。導電体パターン24はコア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。絶縁性樹脂膜10は、配線基板20の最外層であり、導電体パターン24上に設けられている。絶縁性樹脂膜10には、複数の開口部28が設けられており、少なくとも1つの開口部28内には、導電体パターン24の導電部の一部が位置している。絶縁性樹脂膜10の表面の算術平均粗さRaは0.08μm以上0.50μm以下である。以下に詳細に説明する。
ここでは、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてフリップチップ接続のパッケージの例について説明したが、これに限定されず、ワイヤボンディングやTAB(Tape Automated Bonding)接続されるパッケージでもよい。
各温度におけるせん断強度はたとえばせん断強度測定装置(DAGE社製、PC2400)を用いて測定することができる。
図3は、本実施形態に係る電子装置70の構造の一例を示す断面模式図である。
本実施形態に係る電子装置70は、半導体パッケージ102を備える。半導体パッケージ102は、配線基板20、半導体素子60、および封止樹脂40を備える。半導体素子60は配線基板20上に配設されている。封止樹脂40は、配線基板20の少なくともひとつの面および半導体素子60を覆っている。配線基板20は、コア基板22、導電体パターン24、および絶縁性樹脂膜10を備える。導電体パターン24は、コア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。絶縁性樹脂膜10は配線基板20の最外層であり、導電体パターン24上に設けられている。絶縁性樹脂膜10には、複数の開口部28が設けられている。少なくとも1つの開口部28内には、導電体パターン24の導電部の一部が位置している。絶縁性樹脂膜10の表面の算術平均粗さRaは0.08μm以上0.50μm以下である。以下に詳細に説明する。
図4は、本実施形態に係る絶縁性樹脂膜10の表面形態の例を模式的に示す断面図である。
絶縁性樹脂膜10はフィラー120を含むことが好ましい。また、フィラー120はシリカを含むことが好ましい。本図では、フィラー120が球状シリカである例を示している。
また、本実施形態に係る絶縁性樹脂膜10の表面130には、フィラー120が離脱して形成されたクレーター状の凹部110が設けられていることが好ましい。凹部110は、絶縁性樹脂膜10に含まれるフィラーと同じ曲率半径の曲面からなる。凹部110の深さは特に制限されないが、主にフィラーの半径以下である。
また、絶縁性樹脂膜10の表面には、上記のフィラーの突出部と、凹部110とのいずれか一方のみが存在しても良いが、上記のフィラーの突出部と、凹部110がいずれも存在することがより好ましい。このような表面形態とすることで、耐久性に優れるパッケージを製造できる配線基板20をより確実に実現できる。また、耐久性と液状封止樹脂のパターニング精度との性能バランスの良い配線基板20をより確実に実現できる。
熱硬化性樹脂組成物(P)は主にエポキシ樹脂(A)を含むことができる。エポキシ樹脂(A)は、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、絶縁性樹脂膜10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、埋め込み性を向上させる観点からは、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。これにより、絶縁性樹脂膜10の低線膨張化および高弾性率化を図ることもできる。また、配線基板20の剛性を向上させて作業性の向上に寄与することや、半導体パッケージ102における耐リフロー性の向上および反りの抑制を実現することも可能である。なお、絶縁性樹脂膜10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、埋め込み性を向上させる観点からは、3官能以上のナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがとくに好ましい。
フィラー(B)は、たとえば球状シリカ、および破砕シリカのうちの少なくとも一方を含む。絶縁性樹脂膜10と、コア基板22、導電体パターン24、および封止樹脂40との密着性や、埋め込み性を向上させる観点からは、球状シリカを含むことがより好ましい。また、フィラー(B)は、たとえば溶融シリカである。
なお、フィラー(B)の平均粒径は、たとえばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえばシアネート樹脂(C)を含むことができる。これにより、絶縁性樹脂膜10について、低線膨張化や、弾性率および剛性の向上を図ることができる。また、得られる半導体装置の耐熱性や耐湿性の向上に寄与することも可能である。
シアネート樹脂(C)は、たとえばノボラック型シアネート樹脂;ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂などのビスフェノール型シアネート樹脂;ナフトールアラルキル型フェノール樹脂と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるナフトールアラルキル型シアネート樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂;ビフェニルアルキル型シアネート樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、絶縁性樹脂膜10の低線膨張化や、弾性率および剛性を向上させる観点からは、ノボラック型シアネート樹脂およびナフトールアラルキル型シアネート樹脂のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましく、ノボラック型シアネート樹脂を含むことがとくに好ましい。
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば硬化促進剤(D)を含むことができる。これにより、熱硬化性樹脂組成物(P)の硬化性を向上させることができる。硬化促進剤(D)としては、エポキシ樹脂(A)の硬化反応を促進させるものを用いることができ、その種類はとくに限定されない。本実施形態においては、硬化促進剤(D)として、たとえばナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)などの有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾールなどのイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノールなどのフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば着色剤(E)を含むことができる。着色剤(E)は、たとえば緑、赤、青、黄、および黒等の染料、顔料、および色素から選択される一種または二種以上を含む。これらの中でも、開口部の視認性等を向上させる観点から、緑色の着色剤を含むことがより好ましく、緑色染料を含むことがとくに好ましい。緑色の着色剤としては、たとえばアントラキノン系、フタロシアニン系、およびペリレン系等の公知の着色剤を一種または二種以上含むことができる。
熱硬化性樹脂組成物(P)には、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、硬化剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を添加してもよい。カップリング剤としては、たとえばエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤などのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤などが挙げられる。レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。硬化剤としては、たとえばフェノール樹脂、ナフトール型ノボラック樹脂等が挙げられる。感光剤としては、たとえば感光性ジアゾキノン化合物が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂組成物(P)はほかに、基板と絶縁性樹脂膜との密着性向上、および封止樹脂と絶縁性樹脂膜との密着性向上の観点から、ポリビニルアセタール樹脂を含んでも良い。ポリビニルアセタール樹脂としてはたとえばポリビニルブチラール樹脂やポリビニルアセトアセタール樹脂などが挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物(P)は、たとえば溶剤を含むことができる。溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
図5は、本実施形態に係るキャリア付樹脂膜100の一例を示す断面図である。キャリア付樹脂膜100は、絶縁性樹脂膜10を形成するのに用いられる。本図に示すように、キャリア付樹脂膜100は、たとえばキャリア基材12と、キャリア基材12上に設けられた絶縁性樹脂膜10と、を備える。絶縁性樹脂膜10は、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物(P)を用いて形成される。このため、上述したように、キャリア付樹脂膜100を用いて形成される絶縁性樹脂膜10を備える半導体装置の信頼性を向上させることができる。
図6は配線基板20の製造方法の一例を示す模式図である。
本実施形態に係る配線基板20の製造方法は、コア基板22を準備する工程、絶縁性樹脂膜10を積層する工程、開口部28を形成する工程、およびデスミア処理する工程をこの順に含む。コア基板22を準備する行程では、少なくともひとつの最外面に導電体パターン24が設けられたコア基板22を準備する。絶縁性樹脂膜10を積層する工程では、コア基板22および導電体パターン24上に最外層の絶縁性樹脂膜10を積層する。開口部28を形成する工程では、絶縁性樹脂膜10の所定の領域に導電体パターン24の一部を露出させる。デスミア処理する工程では、絶縁性樹脂膜10の表面をデスミア処理する。開口部28を形成する工程は、絶縁性樹脂膜10のうち、開口部28とする領域にレーザー光を照射する工程を含む。デスミア処理する工程後における絶縁性樹脂膜10の表面の算術平均粗さRaを0.08μm以上0.50μm以下とする。以下に詳細に説明する。
プロセスの簡易化の観点から、開口部28を形成する工程では、絶縁性樹脂膜10のうち、開口部28とする領域にレーザー光を照射して(レーザー光を照射する工程)、開口を形成する方法が好ましく、中でもレーザー加工法がより好ましい。
なお、めっき処理の前に、必要に応じて、露出した導電体パターン24の導電部を洗浄する工程や、粗化する工程を行っても良い。
以上の様にして図1の様な本実施形態に係る配線基板20が得られる。
また、製造した配線基板20の絶縁性樹脂膜10の表面には、フィラー120が離脱して形成されたクレーター状の凹部110が形成されていることが好ましい。
また、製造した配線基板20の絶縁性樹脂膜10の表面には、上記のフィラーの突出部と、凹部110とのいずれか一方のみが存在しても良いが、上記のフィラーの突出部と、凹部110がいずれも存在することがより好ましい。このような絶縁性樹脂膜10の表面形態とすることで、耐久性に優れるパッケージを製造できる配線基板20をより効果的に実現できる。また、耐久性と液状封止樹脂のパターニング精度との性能バランスの良い配線基板20をより確実に実現できる。
本実施形態に係る半導体パッケージ102の製造方法は、配線基板20を準備する工程、半導体素子60を配設する工程、および封止する工程をこの順に含む。配線基板20を準備する工程では、表面に絶縁性樹脂膜10が露出した配線基板20を準備する。半導体素子60を配設する工程では、絶縁性樹脂膜10上に半導体素子60を配設する。封止する工程では、露出した、絶縁性樹脂膜10および半導体素子60を封止樹脂で覆うよう封止する。配線基板20は、コア基板22、導電体パターン24、および絶縁性樹脂膜10を備える。導電体パターン24はコア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。絶縁性樹脂膜10は配線基板20の最外層であり、導電体パターン24上に設けられている。絶縁性樹脂膜10には、複数の開口部28が設けられている。少なくとも1つの開口部28内には、導電体パターン24の導電部の一部が位置している。絶縁性樹脂膜10の表面の算術平均粗さRaは0.08μm以上0.50μm以下である。以下に詳細に説明する。
本実施形態に係る配線基板20を用いれば、耐久性に優れたパッケージを実現できる。配線基板20を用いれば、パッケージの製造もしくはその後の組み立て工程で行われる加熱処理後における、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との密着性が優れる。よって、耐久性、耐湿性に優れるパッケージを提供することができる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. コア基板と、
前記コア基板の少なくともひとつの最外面に設けられた導電体パターンと、
前記導電体パターン上に設けられた最外層の絶縁性樹脂膜とを備え、
前記絶縁性樹脂膜には、複数の開口部が設けられており、
少なくとも1つの前記開口部内には、前記導電体パターンの導電部の一部が位置しており、
前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上0.50μm以下である、配線基板。
2. 1.に記載の配線基板において、
前記絶縁性樹脂膜はフィラーを含む、配線基板。
3. 2.に記載の配線基板において、
前記絶縁性樹脂膜の表面では、少なくともひとつの前記フィラーの一部分が前記絶縁性樹脂膜に埋設され、他部分が突出している、配線基板。
4. 2.または3.に記載の配線基板において、
前記絶縁性樹脂膜の表面には、前記フィラーが脱離して形成されたクレーター状の凹部が設けられている、配線基板。
5. 2.から4.のいずれか一つに記載の配線基板において、
前記フィラーはシリカを含む、配線基板。
6. 1.から5.のいずれか一つに記載の配線基板において、
前記絶縁性樹脂膜の25℃における貯蔵弾性率は1GPa以上20GPa以下である、配線基板。
7. 1.から6.のいずれか一つに記載の配線基板において、
前記絶縁性樹脂膜の線熱膨張率は、Tg以下において10ppm/℃以上50ppm/℃以下である、配線基板。
8. 1.から7.のいずれか一つに記載の配線基板において、
前記絶縁性樹脂膜はソルダーレジストである、配線基板。
9. 配線基板と、
前記配線基板上に配設された半導体素子と、
前記配線基板の少なくともひとつの面および前記半導体素子を覆う封止樹脂とを備え、
前記配線基板は、
コア基板と、
前記コア基板の少なくともひとつの最外面に設けられた導電体パターンと、
前記導電体パターン上に設けられた最外層の絶縁性樹脂膜とを備え、
前記絶縁性樹脂膜には、複数の開口部が設けられており、
少なくとも1つの前記開口部内には、前記導電体パターンの導電部の一部が位置しており、
前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上0.50μm以下である、半導体パッケージ。
10. 9.に記載の半導体パッケージにおいて、
前記絶縁性樹脂膜と前記封止樹脂との間の、25℃におけるせん断強度をS 1 としたとき、S 1 を15N/mm 2 以上とする、半導体パッケージ。
11. 10.に記載の半導体パッケージにおいて、
前記絶縁性樹脂膜と前記封止樹脂との間の、260℃におけるせん断強度をS 2 としたとき、S 2 /S 1 を0.1以上0.9以下とする、半導体パッケージ。
12. 配線基板と、前記配線基板上に配設された半導体素子と、前記配線基板の少なくともひとつの面および前記半導体素子を覆う封止樹脂とを有する半導体パッケージを備え、
前記配線基板は、
コア基板と、
前記コア基板の少なくともひとつの最外面に設けられた導電体パターンと、
前記導電体パターン上に設けられた最外層の絶縁性樹脂膜とを備え、
前記絶縁性樹脂膜には、複数の開口部が設けられており、
少なくとも1つの前記開口部内には、前記導電体パターンの導電部の一部が位置しており、
前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上0.50μm以下である、電子装置。
13. 少なくともひとつの最外面に導電体パターンが設けられたコア基板を準備する工程と、
前記コア基板および前記導電体パターン上に最外層の絶縁性樹脂膜を積層する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の所定の領域に前記導電体パターンの一部を露出させる開口部を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の表面をデスミア処理する工程とをこの順に含み、
前記開口部を形成する工程は、前記絶縁性樹脂膜のうち、前記開口部とする領域にレーザー光を照射する工程を含み、
前記デスミア処理する工程後における、前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaを0.08μm以上0.50μm以下とする、配線基板の製造方法。
14. 13.に記載の配線基板の製造方法において、
前記絶縁性樹脂膜はフィラーを含む、配線基板の製造方法。
15. 14.に記載の配線基板の製造方法において、
前記デスミア処理する工程後における、前記絶縁性樹脂膜の表面では、少なくともひとつの前記フィラーの一部分が前記絶縁性樹脂膜に埋設され、他部分が突出している、配線基板の製造方法。
16. 14.または15.に記載の配線基板の製造方法において、
前記デスミア処理する工程後における、前記絶縁性樹脂膜の表面に、前記フィラーが脱離して形成されたクレーター状の凹部を生じさせる、配線基板の製造方法。
17. 13.から16.のいずれか一つに記載の配線基板の製造方法において、
前記デスミア処理する工程では、前記コア基板を膨潤液に浸漬した後、50℃以上100℃以下の過マンガン酸カリウム水溶液に浸漬させる、配線基板の製造方法。
18. 表面に絶縁性樹脂膜が露出した配線基板を準備する工程と、
前記絶縁性樹脂膜上に半導体素子を配設する工程と、
露出した、前記絶縁性樹脂膜および前記半導体素子を、封止樹脂で覆うよう封止する工程とをこの順に含み、
前記配線基板は、
コア基板と、
前記コア基板の少なくともひとつの最外面に設けられた導電体パターンと、
前記導電体パターン上に設けられた最外層の前記絶縁性樹脂膜とを備え、
前記絶縁性樹脂膜には、複数の開口部が設けられており、
少なくとも1つの前記開口部内には、前記導電体パターンの導電部の一部が位置しており、
前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上0.50μm以下である、半導体パッケージの製造方法。
[1]熱硬化性樹脂組成物(P1)の調整
エポキシ樹脂としてナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、HP−5000)9.5質量%、フィラーとして溶融シリカ粒子(B1)(株式会社アドマテックス製、アドマナノ、平均粒径0.05μm)12.4質量%、フィラーとして溶融シリカ粒子(B2)(株式会社アドマテックス製、SO−C4、平均粒径1μm)65.7質量%、着色剤として緑色染料(日本化薬株式会社製、Kayaset Green)0.3質量%、シアネート樹脂としてフェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)10.6質量%、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−187)0.3質量%、レベリング剤としてアクリル系樹脂(BYK−Chemie GmbH製、BYK−361N)0.2質量%に、硬化促進剤として2フェニル4メチル5ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2P4MHZ)1.0質量%を添加して、高速撹拌装置を用いて30分間撹拌し、不揮発分が65質量%となるように調整し、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物(P1)を得た。
次に、キャリア基材および絶縁性樹脂膜からなるキャリア付き樹脂膜を作製した。PETフィルム(ユニチカ株式会社製、TR1T、厚さ38μm)をキャリア基材とし、コンマコーターを用いて乾燥後の絶縁性樹脂膜が20μmとなるようにキャリア基材上に上記[1]で得られた熱硬化性樹脂組成物(P1)を塗工し、これを2枚、絶縁性樹脂膜同士が向かい合うように貼り合わせた後に片面のキャリア基材を剥離し、160℃の乾燥装置で60分間乾燥して、キャリア付樹脂膜1を作製した。
上記[2]で得られたキャリア付樹脂膜1のキャリア基材を剥離し、キャリア基材を除去した絶縁性樹脂膜からなる6mm×25mmの試験片を作製した。この試験片について、動的粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製、DMA983)を用いて貯蔵弾性率を測定した。さらに、5℃/分(周波数1Hz)で昇温し、tanδのピーク位置をTgとした。絶縁性樹脂膜の貯蔵弾性率は25℃で15GPaであり、Tgは260℃であった。
基板として、銅張積層板(住友ベークライト株式会社製、LαZ4785GS−B)の銅表面を粗化処理したものを用意した。以下では、基板の銅箔が張られた面側を上面側とする。基板の上面に上記[2]で得られたキャリア付樹脂膜1を重ね合わせた。このとき、キャリア付樹脂膜1のうち、絶縁性樹脂膜側の面を基板に対向させた。これを真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形させた。キャリア付樹脂膜1のキャリア基材であるPETフィルムを剥離した後、基板を熱風乾燥装置にて160℃で60分間加熱し、さらに200℃で60分間加熱して硬化させた。
次に、銅箔の一部が露出するように、炭酸レーザーを照射することにより基板上の絶縁性樹脂膜に開口を形成した。
次に、基板を60℃の膨潤液(アトテック社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテック社製、コンセントレート コンパクト CP)に5分浸漬後、中和し、さらにO2ガスによるプラズマ照射を5分間行うことで、デスミア処理を行った。このとき、基板にバイアス電圧は印加しなかった。
次に、銅箔の露出部にめっき層を形成した。具体的には、無電解ニッケルめっき層3μmを形成し、さらにその上に無電解金めっき層0.1μmを形成した。
次に、絶縁性樹脂膜およびめっき層の形成された基板の上面をプラズマ処理して、積層基板1を得た。プラズマ処理の条件は以下の通りとした。このとき基板にバイアス電圧は印加しなかった。
真空度:20Pa
処理ガス:アルゴンガス
ガス流量:200sccm
電力:200W
時間:2min
上記[8]で得た積層基板1における絶縁性樹脂膜の表面を走査型電子顕微鏡で観察した。図7は走査型電子顕微鏡で観察した本実施例に係る絶縁性樹脂膜表面の形態を示す図である。フィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
上記[8]で得た積層基板1における絶縁性樹脂膜の表面粗さをレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、VK−X100)を用いて測定した。その結果、算術平均粗さRaは0.15μm、十点平均粗さRzは1.73μm、二乗平均粗さRMSは0.180μmであった。
上記[8]で得た積層基板1の絶縁性樹脂膜の表面に封止樹脂としてエポキシ樹脂(住友ベークライト株式会社製、EME−G760SW)を積層し、絶縁性樹脂膜と封止樹脂との間のせん断強度を測定した。測定のためにまず、トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の条件で、絶縁性樹脂膜上に、封止樹脂からなる2mm×2mm×2mmの密着強度試験片を10個成形した。その後、175℃で4時間加熱して封止樹脂を硬化させた後、せん断強度測定装置(DAGE社製、PC2400)を用いて、硬化した封止樹脂と絶縁性樹脂膜との間のせん断強度を測定した。25℃におけるせん断強度S1と、260℃におけるせん断強度S2を測定した。なお、10個の試験片を測定した平均値をせん断強度として示す。せん断強度S1は29N/mm2、せん断強度S2は8.3N/mm2であった。得られた結果からS2/S1を算出したところ、0.29であった。
上記[11]と同様に密着強度試験片の形成、硬化をした後、せん断強度を測定する前に、熱処理(リフロー)を行った。熱処理後に、25℃で測定したせん断強度の平均値を、せん断強度S3とする。熱処理として具体的には、積層基板1をリフロー装置により260℃ピークで3回処理した。せん断強度の測定は、上記[11]と同様に行った。せん断強度S3は32N/mm2であった。
上記[8]で得た積層基板1の絶縁性樹脂膜の表面に、液状封止樹脂(住友ベークライト株式会社製、CRP−4160A)0.1mLを、ジェットディスペンサー(ノードソンアシムテック社製、DJ−9000)によって転写した。転写後、ブリード(転写しようとしたパターンからのにじみ幅)を測定し、ブリードが1mm未満の場合を○、1mm以上の場合を×として評価した。積層基板1においてはブリードが1mm未満であったため、○と評価した。
上記[8]において、アルゴンガスの代わりに酸素ガスを用いてプラズマ処理を行った以外は実施例1と同様にして、積層基板2を得た。積層基板2について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板2の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板2の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.16μm、十点平均粗さRzは1.80μm、二乗平均粗さRMSは0.17μmであった。
積層基板2において、封止樹脂との25℃におけるせん断強度S1は30N/mm2、260℃におけるせん断強度S2は10N/mm2、熱処理後のせん断強度S3は31N/mm2であった。
積層基板2における封止樹脂のパターニング精度は○と評価された。
上記[6]において、デスミア処理における過マンガン酸カリウム水溶液への浸漬時間を2分とした以外は実施例1と同様にして、積層基板3を得た。積層基板3について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板3の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板3の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.10μm、十点平均粗さRzは1.10μm、二乗平均粗さRMSは0.12μmであった。
積層基板3において、封止樹脂との25℃におけるせん断強度S1は31N/mm2、260℃におけるせん断強度S2は9.8N/mm2、熱処理後のせん断強度S3は31N/mm2であった。
積層基板3における封止樹脂のパターニング精度は○と評価された。
上記[6]において、デスミア処理における過マンガン酸カリウム水溶液への浸漬時間を20分とした以外は実施例1と同様にして、積層基板4を得た。積層基板4について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板4の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板4の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.31μm、十点平均粗さRzは3.40μm、二乗平均粗さRMSは0.34μmであった。
積層基板4において、封止樹脂との25℃におけるせん断強度S1は33N/mm2、260℃におけるせん断強度S2は12N/mm2、熱処理後のせん断強度S3は32N/mm2であった。
積層基板4における封止樹脂のパターニング精度は○と評価された。
上記[6]において、デスミア処理における過マンガン酸カリウム水溶液の温度を95℃とした以外は実施例1と同様にして、積層基板5を得た。積層基板5について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板5の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板5の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.38μm、十点平均粗さRzは3.70μm、二乗平均粗さRMSは0.40μmであった。
積層基板5において、封止樹脂との25℃におけるせん断強度S1は35N/mm2、260℃におけるせん断強度S2は14N/mm2、熱処理後のせん断強度S3は31N/mm2であった。
積層基板5における封止樹脂のパターニング精度は○と評価された。
上記[8]のプラズマ処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして、積層基板6を得た。積層基板6について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板6の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板6の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.15μm、十点平均粗さRzは1.50μm、二乗平均粗さRMSは0.16μmであった。
積層基板6において、封止樹脂との25℃におけるせん断強度S1は31N/mm2、260℃におけるせん断強度S2は7.2N/mm2、熱処理後のせん断強度S3は33.5N/mm2であった。
積層基板6における封止樹脂のパターニング精度は○と評価された。
熱硬化性樹脂組成物(P1)の代わりに、以下の熱硬化性樹脂組成物(P2)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で積層基板7を作製した。積層基板7について、実施例1と同様に各評価を行った。
ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、HP−5000)8.5質量%、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、828)8.5質量%、フェノールノボラック樹脂の固形分60%のシクロヘキサノン溶液(DIC株式会社製、TD−2131 H60)5.1質量%、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、KS−5Z)1.4質量%、ナフトール型ノボラック樹脂(日本化薬株式会社製、CBN)8.5質量%、無機フィラーとして溶融シリカ粒子(B2)(株式会社アドマテックス製、SO−C4、平均粒径1μm)65.7質量%、着色剤として緑色染料(日本化薬株式会社製、Kayaset Green)0.3質量%、カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−187)0.9質量%、レベリング剤としてアクリル系樹脂(BYK−Chemie GmbH製、BYK−361N)0.6質量%に、硬化促進剤として2フェニル4メチル5ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2P4MHZ)0.5質量%を添加して熱硬化性樹脂組成物(P2)を調整した。
絶縁性樹脂膜の貯蔵弾性率は25℃で8GPa、Tgは190℃、Tg以下での線熱膨張率は25ppm/℃であった。
積層基板7の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板7の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.20μm、十点平均粗さRzは2.10μm、二乗平均粗さRMSは0.23μmであった。
積層基板7において、封止樹脂との25℃におけるせん断強度S1は30N/mm2、260℃におけるせん断強度S2は10N/mm2、熱処理後のせん断強度S3は32N/mm2であった。
積層基板6における封止樹脂のパターニング精度は○と評価された。
上記[6]のデスミア処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして、積層基板8を得た。積層基板8について、実施例1と同様に各評価を行った。
図8は走査型電子顕微鏡で観察した本比較例に係る絶縁性樹脂膜表面の形態を示す図である。積層基板8の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1〜7と異なり、フィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が見られなかった。フィラーは全体が絶縁性樹脂膜中に埋まっていた。
積層基板8の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.07μm、十点平均粗さRzは0.75μm、二乗平均粗さRMSは0.09μmであった。
積層基板8において、封止樹脂との25℃におけるせん断強度S1は30N/mm2、260℃におけるせん断強度S2は9.6N/mm2、熱処理後のせん断強度S3は30N/mm2であった。
積層基板8における封止樹脂のパターニング精度は○と評価された。
上記[6]のデスミア処理および上記[8]のプラズマ処理をいずれも行わなかった以外は実施例1と同様にして、積層基板9を得た。積層基板9について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板9の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板8と同様に、フィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が見られなかった。フィラーは全体が絶縁性樹脂膜中に埋まっていた。
積層基板9の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.06μm、十点平均粗さRzは0.85μm、二乗平均粗さRMSは0.11μmであった。
積層基板9において、封止樹脂との25℃におけるせん断強度S1は9.1N/mm2、260℃におけるせん断強度S2は2.1N/mm2、熱処理後のせん断強度S3は9.9N/mm2であった。
積層基板9における封止樹脂のパターニング精度は○と評価された。
上記[6]において、デスミア処理における過マンガン酸カリウム水溶液への浸漬時間を40分とした以外は実施例1と同様にして、積層基板10を得た。積層基板10について、実施例1と同様に各評価を行った。
積層基板10の絶縁性樹脂膜の表面には、積層基板1と同様にフィラーが欠落した凹部や部分的にフィラーが露出した突出部が複数見られた。
積層基板10の絶縁性樹脂膜の算術平均粗さRaは0.60μm、十点平均粗さRzは6.70μm、二乗平均粗さRMSは0.68μmであった。
積層基板10において、封止樹脂との25℃におけるせん断強度S1は29N/mm2、260℃におけるせん断強度S2は7.5N/mm2、熱処理後のせん断強度S3は27N/mm2であった。
積層基板10においてはブリードが1mm以上であったため、×と評価した。
100 キャリア付樹脂膜
102 半導体パッケージ
110 凹部
12 キャリア基材
120 フィラー
130 表面
20 配線基板
22 コア基板
24 導電体パターン
242 ライン
244 ランド
246 めっき膜
28 開口部
30 半田ボール
40 封止樹脂
50 ボンディングワイヤ
60 半導体素子
62 ダイアタッチ材
70 電子装置
710 マザーボード
712 導電体パターン
714 導電部
716 接続部
720 電子部品
Claims (20)
- コア基板と、
前記コア基板の少なくともひとつの最外面に設けられた導電体パターンと、
前記導電体パターン上に設けられた最外層の絶縁性樹脂膜とを備え、
前記絶縁性樹脂膜には、複数の開口部が設けられており、
少なくとも1つの前記開口部内には、前記導電体パターンの導電部の一部が位置しており、
前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上0.50μm以下であり、
前記絶縁性樹脂膜はフィラーを含み、
前記絶縁性樹脂膜の表面には、前記フィラーが脱離して形成されたクレーター状の凹部が設けられている、配線基板。 - 請求項1に記載の配線基板において、
前記絶縁性樹脂膜の表面では、少なくともひとつの前記フィラーの一部分が前記絶縁性樹脂膜に埋設され、他部分が突出している、配線基板。 - 請求項1または2に記載の配線基板において、
前記フィラーはシリカを含む、配線基板。 - 請求項3に記載の配線基板において、
前記フィラーは、平均粒径が100nm超過の前記シリカを含む、配線基板。 - 請求項3または4に記載の配線基板において、
前記フィラーは、平均粒径が2nm以上100nm以下の前記シリカを含む、配線基板。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の配線基板において、
前記絶縁性樹脂膜の25℃における貯蔵弾性率は1GPa以上20GPa以下である、配線基板。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の配線基板において、
前記絶縁性樹脂膜の線熱膨張率は、Tg以下において10ppm/℃以上50ppm/℃以下である、配線基板。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の配線基板において、
前記絶縁性樹脂膜はソルダーレジストである、配線基板。 - 請求項1から8のいずれか一項に記載の配線基板において、
前記絶縁性樹脂膜における前記フィラーの含有量は50質量%以上95質量%以下である、配線基板。 - 請求項1から9のいずれか一項に記載の配線基板において、
前記絶縁性樹脂膜はエポキシ樹脂、シアネート樹脂、硬化促進剤、および着色剤を含む、配線基板。 - 請求項1から10のいずれか一項に記載の配線基板において、
前記絶縁性樹脂膜はレベリング剤およびカップリング剤を含む、配線基板。 - 配線基板と、
前記配線基板上に配設された半導体素子と、
前記配線基板の少なくともひとつの面および前記半導体素子を覆う封止樹脂とを備え、
前記配線基板は、
コア基板と、
前記コア基板の少なくともひとつの最外面に設けられた導電体パターンと、
前記導電体パターン上に設けられた最外層の絶縁性樹脂膜とを備え、
前記絶縁性樹脂膜には、複数の開口部が設けられており、
少なくとも1つの前記開口部内には、前記導電体パターンの導電部の一部が位置しており、
前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上0.50μm以下であり、
前記絶縁性樹脂膜はフィラーを含み、
前記絶縁性樹脂膜の表面には、前記フィラーが脱離して形成されたクレーター状の凹部が設けられている、半導体パッケージ。 - 請求項12に記載の半導体パッケージにおいて、
前記絶縁性樹脂膜と前記封止樹脂との間の、25℃におけるせん断強度をS1としたとき、S1を15N/mm2以上とする、半導体パッケージ。 - 請求項13に記載の半導体パッケージにおいて、
前記絶縁性樹脂膜と前記封止樹脂との間の、260℃におけるせん断強度をS2としたとき、S2/S1を0.1以上0.9以下とする、半導体パッケージ。 - 配線基板と、前記配線基板上に配設された半導体素子と、前記配線基板の少なくともひとつの面および前記半導体素子を覆う封止樹脂とを有する半導体パッケージを備え、
前記配線基板は、
コア基板と、
前記コア基板の少なくともひとつの最外面に設けられた導電体パターンと、
前記導電体パターン上に設けられた最外層の絶縁性樹脂膜とを備え、
前記絶縁性樹脂膜には、複数の開口部が設けられており、
少なくとも1つの前記開口部内には、前記導電体パターンの導電部の一部が位置しており、
前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上0.50μm以下であり、
前記絶縁性樹脂膜はフィラーを含み、
前記絶縁性樹脂膜の表面には、前記フィラーが脱離して形成されたクレーター状の凹部が設けられている、電子装置。 - 配線基板の製造方法であって、
少なくともひとつの最外面に導電体パターンが設けられたコア基板を準備する工程と、
前記コア基板および前記導電体パターン上に最外層の絶縁性樹脂膜を積層する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の所定の領域に前記導電体パターンの一部を露出させる開口部を形成する工程と、
前記絶縁性樹脂膜の表面をデスミア処理する工程とをこの順に含み、
前記開口部を形成する工程は、前記絶縁性樹脂膜のうち、前記開口部とする領域にレーザー光を照射する工程を含み、
当該配線基板の前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaを0.08μm以上0.50μm以下とし、
前記絶縁性樹脂膜はフィラーを含み、
当該配線基板の前記絶縁性樹脂膜の表面に、前記フィラーが脱離して形成されたクレーター状の凹部を設ける、配線基板の製造方法。 - 請求項16に記載の配線基板の製造方法において、
当該配線基板の前記絶縁性樹脂膜の表面では、少なくともひとつの前記フィラーの一部分が前記絶縁性樹脂膜に埋設され、他部分が突出している、配線基板の製造方法。 - 請求項16または17に記載の配線基板の製造方法において、
前記デスミア処理する工程では、前記コア基板を膨潤液に浸漬した後、50℃以上100℃以下の過マンガン酸カリウム水溶液に浸漬させる、配線基板の製造方法。 - 請求項16から18のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法において、
前記デスミア処理する工程の後に、めっき処理する工程および、プラズマ処理する工程をさらに含む、配線基板の製造方法。 - 表面に絶縁性樹脂膜が露出した配線基板を準備する工程と、
前記絶縁性樹脂膜上に半導体素子を配設する工程と、
露出した、前記絶縁性樹脂膜および前記半導体素子を、封止樹脂で覆うよう封止する工程とをこの順に含み、
前記配線基板は、
コア基板と、
前記コア基板の少なくともひとつの最外面に設けられた導電体パターンと、
前記導電体パターン上に設けられた最外層の前記絶縁性樹脂膜とを備え、
前記絶縁性樹脂膜には、複数の開口部が設けられており、
少なくとも1つの前記開口部内には、前記導電体パターンの導電部の一部が位置しており、
前記絶縁性樹脂膜の表面の算術平均粗さRaが0.08μm以上0.50μm以下であり、
前記絶縁性樹脂膜はフィラーを含み、
前記絶縁性樹脂膜の表面には、前記フィラーが脱離して形成されたクレーター状の凹部が設けられている、半導体パッケージの製造方法。
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