JP2019095719A - 配線基板の製造方法、半導体装置の製造方法 - Google Patents

配線基板の製造方法、半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ドライフィルムレジストの耐エッチング性および剥離容易性に優れた配線基板の製造方法を提供する。【解決手段】キャリア基材上にソルダーレジスト膜が形成された樹脂シート準備工程、回路基板表面の導電パターンを埋め込むように樹脂シートのソルダーレジスト膜を配置する第1ラミネート工程、ソルダーレジスト膜ガラス転移温度より低い温度で加熱処理するハーフキュア工程、キャリア基材分離工程、ソルダーレジスト膜上に感光性樹脂組成物を乾燥させたドライフィルムレジスト形成第2ラミネート工程、第1露光量を用いた露光処理および現像処理により、ドライフィルムレジストパターニング工程、第1露光量よりも大きな第2露光量を用いたドライフィルムレジストのUVキュア工程、ドライフィルムレジストを介してエッチング処理し導電パターンの一部が露出した開口部形成工程、ドライフィルムレジストの除去工程を含む配線基板の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、配線基板の製造方法、半導体装置の製造方法に関する。
配線基板の製造方法において、最外層のソルダーレジストに開口部を形成する方法について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、ソルダーレジストの上部にドライフィルムを形成し、当該ドライフィルムおよびソルダーレジストに対してレーザー加工により開口部を形成した後、ドライフィルムを除去する方法が記載されている。また、ドライフィルムとしては、ソルダーレジストと分離されないように粘着力を有するものが使用されると記載されている。
しかしながら、近年、半導体装置の軽薄短小化を目的として、半導体素子や多層プリント配線板の高密度化が進んでおり、より一層配線の微細化が必要となっている。レーザー加工により、ソルダーレジストに開口部を形成する場合、ソルダーレジストに用いられる樹脂の組成によっては、十分に微細且つ精密な開口部を形成することが困難になってきた。
特開2011−61179号公報
上記特許文献1に記載のソルダーレジストに開口部を形成する技術において、微細化の観点から、レーザー加工ではなく露光・現像法を採用する手法を検討した。
しかしながら、露光・現像法を用いてソルダーレジストを開口した場合、ドライフィルムが膨潤することがあるため、当該ドライフィルムの耐エッチング性に改善の余地があることが判明した。
また、上記特許文献1に記載の技術においては、ドライフィルムがある程度の粘着性を有するため、ソルダーレジストからの剥離が容易ではなくなり、ソルダーレジスト上にドライフィルムの残渣が残存することがあった。
本発明者は、上記のようなドライフィルムレジストの耐エッチング性および剥離容易性について鋭意研究したところ、露光現像法でパターニングしたドライフィルムレジストに対して、より強い露光条件でUVキュアを実施することにより、ドライフィルムレジストの耐エッチング性を向上できること、そして、ソルダーレジスト膜に対してハーフキュアを実施することにより、ソルダーレジスト膜からドライフィルムレジストを容易に剥離できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
キャリア基材上に、熱硬化性樹脂組成物を乾燥してなるソルダーレジスト膜が形成されてなるキャリア基材付き樹脂シートを準備する準備工程と、
回路基板の表面に形成された導電パターンを前記ソルダーレジスト膜で埋め込むように、前記回路基板の前記表面に前記キャリア基材付き樹脂シートの前記ソルダーレジスト膜を配向配置する第1ラミネート工程と、
前記熱硬化性樹脂組成物のガラス転移温度よりも低い温度で、前記ソルダーレジスト膜を加熱処理するハーフキュア工程と、
前記ソルダーレジスト膜から前記キャリア基材を分離する分離工程と、
前記ソルダーレジスト膜上に、感光性樹脂組成物を乾燥してなるドライフィルムレジストを形成する第2ラミネート工程と、
第1露光量を用いた露光処理および現像処理により、前記ドライフィルムレジストをパターニングするパターニング工程と、
前記第1露光量よりも大きな第2露光量を用いて、前記ドライフィルムレジストを露光処理するUVキュア工程と、
パターニングした前記ドライフィルムレジストを介してエッチング処理することより、前記ソルダーレジスト膜を選択的に除去し、前記導電パターンの一部が露出した開口部を形成する開口部形成工程と、
前記ドライフィルムレジストを除去する除去工程と、を含む配線基板の製造方法が提供される。
また本発明によれば、上記配線基板の製造方法で得られた配線基板の上に半導体素子を実装する工程、を含む、半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、ドライフィルムレジストの耐エッチング性および剥離容易性に優れた配線基板の製造方法、半導体装置の製造方法が提供される。
実施形態に係る配線基板の製造工程の一例を示す断面模式図である。 実施形態に係る配線基板の製造工程の一例を示す断面模式図である。 実施形態における半導体パッケージの構造の例を示す模式図である。 実施形態に係る配線基板の製造工程の変形例の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態に係る配線基板の製造方法の概要について説明する。
本実施形態の配線基板の製造方法は、キャリア基材上に、熱硬化性樹脂組成物を乾燥してなるソルダーレジスト膜が形成されてなるキャリア基材付き樹脂シートを準備する準備工程と、回路基板の表面に形成された導電パターンをソルダーレジスト膜で埋め込むように、回路基板の表面にキャリア基材付き樹脂シートのソルダーレジスト膜を配向配置する第1ラミネート工程と、熱硬化性樹脂組成物のガラス転移温度よりも低い温度で、ソルダーレジスト膜を加熱処理するハーフキュア工程と、ソルダーレジスト膜からキャリア基材を分離する分離工程と、ソルダーレジスト膜上に、感光性樹脂組成物を乾燥してなるドライフィルムレジストを形成する第2ラミネート工程と、第1露光量を用いた露光処理および現像処理により、ドライフィルムレジストをパターニングするパターニング工程と、第1露光量よりも大きな第2露光量を用いて、ドライフィルムレジストを露光処理するUVキュア工程と、パターニングしたドライフィルムレジストを介してエッチング処理することより、ソルダーレジスト膜を選択的に除去し、導電パターンの一部が露出した開口部を形成する開口部形成工程と、ドライフィルムレジストを除去する除去工程と、を含むことができる。
本発明者の知見によれば、ドライフィルムレジストのパターニング工程で使用した露光条件(第1露光量)よりも強い露光条件、すなわち、第1露光量よりも大きな第2露光量を用いてドライフィルムレジストを再露光処理することにより、ウェットエッチング処理時にドライフィルムレジストが膨潤することを抑制できることが判明した。詳細なメカニズムは定かでないが、感光性樹脂組成物からなるドライフィルムレジストの光硬化を十分に進めることにより、ドライフィルムレジストの耐湿性を高めて膨潤を抑制できるため、耐エッチング性が高まる(マスク特性が向上する)と考えられる。
また、本発明者の知見によれば、ドライフィルムレジストをラミネートする前に、ソルダーレジスト膜に対してハーフキュアを実施することにより、ソルダーレジスト膜からドライフィルムレジストを容易に剥離できることが判明した。詳細なメカニズムは定かでないが、熱硬化性樹脂組成物からなるソルダーレジスト膜の熱硬化を適度に進めることにより、表面タック性を適切に調整できるため、ドライフィルムレジストとの密着性と剥離性のバランスが良好になると考えられる。その結果、エッチング処理による開口工程後にソルダーレジスト膜からドライフィルムレジストが剥離することなく、その後、ソルダーレジスト膜からドライフィルムレジストを容易に剥離できる結果が得られた。
本実施形態の配線基板の製造方法によれば、露光現像法やウェットエッチング処理などのウェット処理主体の工程においても、ドライフィルムレジストがマスクとして十分に機能することが可能である。すなわち、耐エッチング性および剥離容易性をドライフィルムレジスト(マスク)に付与することにより、配線基板の製造安定性を向上させることができる。また、接続信頼性に優れた配線基板の構造を実現できる。
[配線基板の製造方法]
本実施形態の配線基板の製造方法について、図1、2、4を用いて詳述する。
図1、2、4は、実施形態に係る配線基板の製造工程の一例を示す断面模式図である。
本実施形態の配線基板20の製造方法は、例えば、構造体準備工程、マスクパターニング工程、開口部形成工程、およびマスク除去工程を含むことができる。より具体的には、配線基板20の製造方法は、準備工程、第1ラミネート工程、ハーフキュア工程、分離工程、第2ラミネート工程、パターニング工程、UVキュア工程、開口部形成工程および除去工程を含むことができる。これらの工程は、この順番で実施されることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲おいて、適宜順番を変更し得る。ただし、ハーフキュア工程は、分離工程前に実施することが好ましい。また、UVキュア工程は、開口部形成工程前に実施することが好ましい。
以下、各工程について説明する。
上記の構造体準備工程として、第1金属で構成される導電パターン24を表面に有するコア基板22(図1(a)に示す回路基板)に対して、ソルダ−レジスト膜10およびドライフィルムレジスト12(マスク)がこの順番で積層した構造を有する構造体(図1(b))を準備する工程を行う。
図1(a)、(b)に示す構造体準備工程について、図4(a)〜図4(c)を用いて具体的に説明する。
まず、キャリア基材8上にソルダ−レジスト膜10が形成されてなるキャリア基材付き樹脂シートを準備する(樹脂シートの準備工程)。キャリア基材8は高分子フィルムで構成されるものである。ソルダ−レジスト膜10は、熱硬化性樹脂組成物を乾燥してなる熱硬化性乾燥樹脂フィルムで構成される。
続いて、図4(a)に示すように、回路基板(コア基板22)の表面に形成された導電パターン24をソルダ−レジスト膜10で埋め込むように、回路基板(コア基板22)の表面にキャリア基材付き樹脂シートのソルダ−レジスト膜10を配向配置する(第1ラミネート工程)。キャリア基材8付きのソルダ−レジスト膜10を、コア基板22の、片面または両面に貼り付けることができる。
続いて、このソルダ−レジスト膜10に対して、熱硬化性樹脂組成物(ソルダ−レジスト膜10を構成する樹脂材料)のガラス転移温度よりも低い温度で加熱処理する(ハーフキュア工程)。ハーフキュア工程における加熱処理の温度は、後述のソルダ−レジスト膜10の硬化温度よりも低い温度を用いることができるが、具体的には、例えば、100℃以上150℃以下であり、好ましくは105℃以上140℃以下であり、より好ましくは110℃以上130℃以下である。このようにソルダ−レジスト膜10をBステージ状態とすること、すなわち、その表面における半硬化状態を適切に制御することにより、ハーフキュアを実施しない場合と比べて、ソルダ−レジスト膜10から後述のドライフィルムレジスト12が剥離しやすくなる。したがって、ドライフィルムレジスト剥離容易性を向上させることができるため、ソルダ−レジスト膜10の表面にドライフィルムレジスト12の残渣が残存することを抑制できる。
続いて、図4(b)に示すように、ソルダ−レジスト膜10からキャリア基材8を分離する(分離工程)。このとき、ソルダ−レジスト膜10の表面(面11、面13)が露出する。
続いて、図4(c)に示すように、ソルダ−レジスト膜10の露出した表面(面11、面13)に、ドライフィルムレジスト12を形成する(第2のラミネート工程)。このドライフィルムレジスト12は、感光性樹脂組成物を乾燥してなる感光性乾燥樹脂フィルムで構成される。
このような図4(a)〜(c)に示す工程により、構造体として図1(b)に示す回路基板が得られる。この回路基板は、図1(a)に示すように、表裏の少なくとも一方の最外面に導電パターン24が設けられたコア基板22を有することができる。
コア基板22は、例えば、プリント配線基板のコア層を構成することができる。コア層としては、例えば、繊維基材を含浸したプリプレグを硬化させた樹脂基板を用いることができるが、繊維基材を有しない樹脂基板を用いてもよい。本実施形態において、コア基板22としては、コア層に複数のビルドアップ層(不図示)が形成されてもよく、コア層が単独で形成されていてもよい。コア基板22が熱硬化性樹脂を含む樹脂基板材料で構成されている場合、Bステージ状態のコア基板22は、ソルダ−レジスト膜10を対向配置する前に硬化されていてもよいが、ソルダ−レジスト膜10の硬化処理時に一緒に硬化してもよい。
本実施形態において、導電パターン24を構成する第1金属は、銅、金、銀からなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、導電パターン24は、第1金属を主成分とする、合金または多層の金属膜で構成されていてもよい。また、導電パターン24は、不可避に混入する不純物金属を許容できる。この第1金属は、例えば、導電パターン24の主成分とすることができ、この場合、導電パターン24全体の80質量%以上であり、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、一方で100質量%以下でもよい。この中でも、導電パターン24は、銅で構成された銅回路とすることができる。
上記キャリア基材付き樹脂シートとしては、キャリア基材8およびソルダ−レジスト膜10がこの順番で積層された積層体を用いることができる。キャリア基材付き樹脂シートは、枚葉状でもよく、巻き取り可能なロール形状でもよい。この場合、キャリア基材付き樹脂シートのソルダ−レジスト膜10の表面には、例えば、表面を保護するためにカバーフィルムが配置されていてもよい。カバーフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等の高分子フィルムなどが挙げられる。カバーフィルムを積層体から剥離することにより、上記キャリア基材付き樹脂シートを得てもよい。
また、キャリア基材付き樹脂シートを得る方法としては、特に限定されないが、キャリア基材上に、ソルダーレジスト用樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を乾燥させてなるフィルム状の樹脂膜(ソルダ−レジスト膜10)を形成してもよいし、熱硬化性乾燥樹脂フィルム(フィルム状のソルダ−レジスト膜10)をキャリア基材上にラミネートしてもよい。このとき、複数のソルダ−レジスト膜10を貼り合わせてもよい。
ソルダーレジスト形成用の熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、熱硬化性樹脂と無機充填材とを含むことができる。その他、公知の添加剤を添加してもよい。
フィルム状のソルダ−レジスト膜10の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、ソルダーレジスト用樹脂組成物を溶剤などに溶解・分散させて樹脂ワニスを調製して、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて樹脂ワニスを、キャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法、スプレー装置を用いて樹脂ワニスを、キャリア基材に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法、などが挙げられる。
上記ソルダ−レジスト膜10の膜厚の下限値は、例えば、3μm以上としてもよい、5μm以上としてもよく、10μm以上としてもよい。これにより、導電パターン24に対する埋め込み性を高めることができる。また、機械的強度を向上させることができる。ソルダ−レジスト膜10の膜厚の上限値は、例えば、50μm以下としてもよく、40μm以下としてもよく、30μm以下としてもよい。これにより、加工性を高めて、プロセス効率を高めることができる。
上記キャリア基材としては、例えば、高分子フィルムを用いることができる。上記の高分子フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、シリコーンシート等の離型紙、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂シート等が挙げられる。これらの中でも、安価および剥離強度の調節が簡便なため、ポリエチレンテレフタレートを用いることができる。これにより、キャリア基材付き樹脂シートから、キャリア基材を適度な強度で剥離することが容易となる。
ソルダ−レジスト膜10の第1ラミネート工程としては、公知のラミネート方法を採用できる。この第1ラミネートとしては、例えば、キャリア基材付き樹脂シートを回路基板上に積層した後、これらの積層体を真空加熱加圧成形することにより行うことができる。このとき、ソルダ−レジスト膜10はBステージ状態を維持できる。
上記ドライフィルムレジストとしては、耐薬品性があれば特に限定されず、公知のものを使用することができ、例えば、感光性樹脂組成物を乾燥してなるドライフィルム(感光性乾燥樹脂フィルム)を使用することができる。
上記ドライフィルムレジストは、例えば、光重合開始剤および光架橋性成分を含有することにより、露光処理やUVキュアによって光架橋構造を形成できるものである。
また、上記ドライフィルムレジストは、アルカリ水溶液等の現像液に対して溶解性を有する現像性成分を含有することにより、アルカリ溶解液等を用いた現像処理によってパターン構造を有することができる。この現像性成分は、例えば、カルボキシル基等の現像性基を含有することで、アルカリ溶解性を向上させることができる。
上記ドライフィルムレジストにおいて、光架橋性成分(アルカリ可溶性組成物)は、光架橋性基とともに現像性基を有していてもよい。また、光架橋性成分や光架橋性成分とは別の現像性成分は、エポキシ基やカルボキシル基などの熱架橋性基を有していてもよい。また、ドライフィルムレジストは、当該現像性成分と架橋反応する官能基(例えばイソシアネート基など)を備える熱硬化剤を含有することができる。これにより、加熱処理によって、ドライフィルムレジスト中に熱架橋構造を形成することができ、有機溶剤などに対する耐溶剤性を付与することができる。
上記ドライフィルムレジストは、必要に応じて、光重合性単量体、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(染料、顔料)、光発色剤、熱発色防止剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱硬化剤、表面張力調整剤、撥水剤及び撥油剤等の添加剤を含有していてもよい。
本実施形態において、上記ドライフィルムレジスト12の厚さの下限値は、3μm以上としてもよく、5μm以上としてもよく、10μm以上としてもよい。これにより、開口部を形成するときマスク機能を十分に保持できる。一方で、ドライフィルムレジスト12の厚さの上限値は、例えば、50μm以下としてもよく、40μm以下としてもよく、30μm以下としてもよい。これにより、エッチング性を高めることが可能である。
ドライフィルムレジスト12の第2ラミネート工程としては、公知のラミネート方法を用いることができる。第2ラミネートとしては、常圧ラミネート、真空ラミネート、常圧プレス、真空プレス等の方法で積層する方法が挙げられる。真空ラミネーターを用いる場合、例えば、所定真空度の真空チャンバー内において、所定の圧力の貼り付けロールを用いて、所定の温度のテーブル上で、ラミネートを実施することができる。なお、ラミネート方法としては、とくに限定されないが、例えばバッチ式であってもよいし、ドライフィルムレジストを連続的に供給して、連続的にソルダ−レジスト膜10上に積層してもよい。ラミネート工程中、ドライフィルムレジストを加熱する加熱処理(加熱ラミネート工程)を行ってもよい。例えば、40℃以上150℃以下で加熱ラミネートを実施してもよい。
続いて、上記マスクパターニング工程として、図1(c)に示すように、第1露光量を用いた露光処理および現像処理(露光現像法)により、ドライフィルムレジスト12を選択的に除去し、ドライフィルムレジスト12をパターニングする(パターニング工程)。導電パターン24上の所定の領域において、ドライフィルムレジスト12に開口部21が形成される。開口部21の底部には下層のソルダ−レジスト膜10の表面が露出する。
上記パターニング工程にける露光現像法として、例えば、紫外線を用いて、第1露光量でパターン状に露光処理を実施し、その後、アルカリ現像液などの現像液で現像処理する方法が用いられる。第1露光量は、例えば、50mJ〜300mJ、より好ましくは100mJ〜200mJとすることができる。アルカリ現像液としては、例えば炭酸アルカリ金属塩の水溶液を用いることができる。これにより、ドライフィルムレジスト12を選択的に除去することができる。
続いて、図1(c)に示すドライフィルムレジスト12に対して、第1露光量よりも大きな第2露光量を用いて、前記ドライフィルムレジストを再露光処理する(UVキュア工程)。
第2露光量としては、露光光に応じて適切に選択され、十分な光硬化反応が進む条件であれば特に限定されないが、例えば、1000mJ以上3000mJ以下であり、より好ましくは1500mJ以上2500mJ以下である。このようなUVキュアにより、感光性樹脂組成物からなるドライフィルムレジスト12の光硬化反応を適切に進め、後述のウェットエッチング処理時にドライフィルムレジスト12が膨潤することを抑制できる。このため、ドライフィルムレジスト12のマスクとしての耐久性、具体的には、ケミカルエッチングに対する耐エッチング性を高めることが可能である。これにより、ウェットエッチング処理による開口工程において、ドライフィルムレジスト12がマスクとしての機能を十分に発揮できる。
また、上記のUVキュア工程に加えて、ドライフィルムレジスト12に対して熱硬化処理をしてもよい。これにより、優れたエッチング耐性を一層高められる。
続いて、上記開口部形成工程として、図1(d)に示すように、パターニングしたドライフィルムレジスト12を介してエッチング処理することにより、導電パターン24の一部を露出させるように開口部28をソルダ−レジスト膜10に形成する(開口部形成工程)。具体的には、ウェットエッチング等のエッチング処理により、ソルダ−レジスト膜10の所定領域に開口部28を形成する。開口部28には、主に導電パターン24のランド244が露出する。
この開口部形成工程は、Bステージ状態のソルダ−レジスト膜10に対して行うことができる。これにより、硬化物を用いた場合と比較して、ソルダ−レジスト膜10の加工性を高めることができる。
本実施形態において、ソルダ−レジスト膜10のBステージ状態(半硬化状態)とは、DSC(示差走査熱量計)の測定結果から算出される反応率が、0%を超え90%以下であり、好ましくは10%以上85%以下であり、さらに好ましくは15%以上80%以下の状態であることを意味する。
続いて、上記マスク除去工程として、図2(a)に示すように、開口部28において導電パターン24の一部が露出した状態で、ドライフィルムレジスト12を除去する(除去工程)。除去工程により、ソルダ−レジスト膜10の表面からドライフィルムレジスト12を剥離できる。
上記ドライフィルムレジスト12を除去する方法としては、例えば、ソルダ−レジスト膜10に対して、ドライフィルムレジスト12を選択的にエッチングできる剥離液を用いて、ドライフィルムレジスト12を剥離することができる。この剥離液としては、例えば、アミン化合物および、約3〜10%程度の水酸化ナトリウムを含有する有機アルカリ剥離液を用いることができる。この有機アルカリ剥離液の一例としては、アミノエタノール等のアミン化合物の他に、エーテル類や水酸化テトラメチルアンモニウム等の酸化第四級アンモニウム化合物を含むことができる。剥離液をスプレー方式で使用する場合、液温:約40℃〜50℃、スプレー圧:約0.1〜0.2MPaの条件を採用してもよい。
続いて、ドライフィルムレジスト12を除去した後、ソルダ−レジスト膜10を硬化温度で加熱処理により硬化する(フルキュア工程)。これにより、図2(a)に示す硬化膜14の耐熱性や機械的強度を高めることができる。
上記フルキュア工程における硬化温度の下限値は、特に限定されないが、例えば、200℃以上でもよく、210℃以上でもよく、220℃以上でもよい。硬化温度の上限値としては、特に限定されないが、例えば、250℃以下とすることができる。
本実施形態において、ソルダ−レジスト膜10の硬化物の硬化状態(Cステージ状態)とは、上記のように、DSCの測定結果から算出される反応率が、75%より大きく、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは95%以上の状態であることを意味する。
また、必要に応じて、デスミア処理を行うことができる(デスミア処理する工程)。デスミア処理では、開口部の形成などで生じたスミアを除去できる。
上記デスミア処理の方法は特に限定されないが、たとえば、以下のように行うことができる。まず、導電パターン24やソルダ−レジスト膜10を積層したコア基板22を、有機溶剤を含有する膨潤液に浸漬し、次いでアルカリ性過マンガン酸塩水溶液に浸漬して処理する。過マンガン酸塩としてはたとえば過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等を用いることができる。過マンガン酸塩として過マンガン酸カリウムを用いる場合、浸漬させる過マンガン酸カリウム水溶液の温度は、例えば、50℃以上でもよく、100℃以下でもよい。また、アルカリ性過マンガン酸塩水溶液への浸漬時間は、例えば、1分間以上でもよく、30分間以下でもよい。
デスミア処理する工程では、上記の湿式のデスミア処理のみを行うことができるが、上記の湿式の処理に代えて、もしくは加えて、デスミア処理としてプラズマ照射を行っても良い。このとき、処理ガスとしてはたとえばアルゴンガス、Oガス、Oガス、COガス、COガス、NOガス、NOガス、またはフッ素系ガスを用いることができる。プラズマ処理時間は、例えば、30秒以上でもよく、1分以上でもよい。また、プラズマ処理時間は、例えば、10分以下でもよく、5分以下でもよい。
また、上記開口部形成工程の後、開口部28内を中和する工程を実施してもよい。これにより、開口部28内部に、デスミア処理に由来するアルカリ成分などを中和することができるため、接続信頼性を高めることが可能になる。
続いて、図2(b)に示すように、開口部28に露出した導電パターン24の上にめっき膜246を形成するめっき処理を行うことができる。ただし、めっき膜246を形成しなくてもよい。めっき膜246は、たとえば半田めっき膜や、錫めっき膜や、ニッケルめっき膜の上に金めっき膜を積層した2層構造のめっき膜とすることができる。めっき膜246は開口部28に露出した導電パターン24の導電部を覆うように形成される。また、めっき膜246の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば2μm以上10μm以下とすることができる。これにより、ランド244部分を、配線基板20を用いた実装工程においてワイヤボンディングや半田付けに適した接続部とすることができる。
めっき処理の方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。たとえば、電解めっき法または無電解めっき法を用いることができる。たとえば無電解めっき法を用いる場合、次の様にめっき膜246を形成することが出来る。ここではニッケルと金の2層構造のめっき膜246を形成する例について説明するが、これに限定されない。まず、ニッケルめっき膜を形成する。無電解ニッケルめっきを行う場合、めっき液にコア基板22を浸漬する。これにより、開口部28に露出した導電パターン24の導電部の上に、ニッケルめっき膜を形成できる。めっき液は、ニッケル鉛、および還元剤としてたとえば次亜リン酸塩を含んだものを用いることができる。続いて、ニッケルめっき膜の上に無電解金めっきを行う。無電解金めっきの方法は特に限定されないが、たとえば金イオンと下地金属のイオンとの置換により行う置換金めっきで行うことができる。
なお、めっき処理の前に、必要に応じて、露出した導電パターン24の導電部を洗浄する工程や、粗化する工程を行っても良い。
以上により、図2(b)に示す配線基板20を得ることができる。
[電子装置の製造方法]
次に、半導体パッケージ102の製造方法について説明する。
本実施形態に係る電子装置(半導体パッケージ102)の製造方法は、次のような配線基板の製造方法で得られた配線基板20上に、半導体素子60(電子素子)を実装する工程を含むものである。
まず、上述のように配線基板20を準備し(配線基板を準備する工程)、配線基板20の上に、半導体素子60を配設する(半導体素子を配設する工程)。このとき半導体素子60は、たとえばダイアタッチ材62を介して配線基板20上に搭載する。半導体素子60と配線基板20を接続するボンディングワイヤ50は、たとえば配線基板20の上面の開口部28に露出した導電パターン24へボンディングする。次いで、配線基板20の上面、半導体素子60、およびボンディングワイヤ50を封止樹脂層40によって封止する(封止する工程)。封止樹脂としてはたとえばエポキシ樹脂組成物を用いることができる。封止樹脂でモールドする方法としては、トランスファー成形法、射出成形法、転写法、塗布法などを用いることができる。封止樹脂層40を加熱することにより硬化させる。
また、配線基板20に外部接続端子である半田ボール30が設けられる例においては、たとえば下面側の開口部28に露出した導電パターン24上に、半田ボール30を形成する。なお、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてフリップチップ接続のパッケージの例について説明したが、半導体パッケージ102はこれに限定されず、ワイヤボンディングやTAB接続されるパッケージでもよい。
[配線基板]
本実施形態に係る配線基板について説明する。
図2(b)は、実施形態における配線基板20の構造の例を示す模式図である。
本実施形態の配線基板は、基板(コア基板22)と、基板上に形成された導電回路(導電パターン24)と、基板の最外層に形成された硬化膜14と、を含むことができる。当該硬化膜14は、ソルダーレジスト用樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を硬化させることにより得られる。
図2(b)に示す配線基板20は、コア基板22、導電パターン24、および硬化膜14を備える。導電パターン24は、コア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。硬化膜14は、配線基板20の最外層を構成する。硬化膜14は、半導体素子などと接続するために必要な開口部が設けられている。
上記コア基板22は、リジッドな基板でも良いし、フレキシブルな基板でも良い。コア基板22の厚さは、とくに限定されないが、たとえば10μm以上300μm以下とすることができる。
また、上記コア基板22は、1つの絶縁層のみを有し、その片面のみに導電パターン24が形成された片面板でも良いし、1つの層のみを有し、その表裏面の両方に導電パターン24が設けられた両面板でも良いし、2層以上の絶縁層を有する多層板でもよい。コア基板22が多層板である場合、コア基板22内には2つの絶縁層に挟まれた配線層が一層以上形成される。
また、コア基板22が両面板もしくは多層板である場合、コア基板22の1つの表面(最外面)に設けられた導電パターン24は、反対側の表面(最外面)に設けられた導電パターン24やコア基板22の内部に設けられた配線層と、少なくとも一部の絶縁層を貫通するスルーホール(不図示)を介して互いに電気的に接続されている。
上記導電パターン24は、コア基板22のおもて面と裏面の少なくとも一方の表面(最外面)に設けられている。導電パターン24は、たとえばコア基板22に積層された銅膜を選択エッチングして形成されたパターンである。導電パターン24は、導電部として少なくともランド244とライン242とを含む。ランド244は主に、配線基板20に実装される素子や部品と導電パターン24とを電気的に接続する接続部であり、たとえば導電パターン24の他の部分もしくはコア基板22内の配線層に接続された円形や四角形の部分である。なお、ランド244の中心には電子部品の端子等を挿入するホールが設けられていても良い。そして、ライン242は主に、ランド244同士を互いに電気的に接続する線状の部分である。
上記硬化膜14が、導電パターン24上に積層されている。硬化膜14が絶縁性を維持することができるので、信頼性の高い配線基板を得ることができる。また、上下の最外層に、上記硬化膜14が配置されているため、例えば、黒色に呈することができ、配線基板の下面においても美観性を高めることができる。また、上記硬化膜14の下面に、例えば、YAGレーザー等のレーザーによりマークを捺印することもできる。
硬化膜14には、主にランド244が設けられた領域に開口部が設けられており、ランド244は硬化膜14に被覆されていない。すなわち、ランド244の上には硬化膜14が設けられておらず、ランド244が露出している。なお、ランド244の上には、たとえばニッケルおよび金のめっき膜や半田のめっき膜などの導電膜が積層されていてもよい。本実施形態に係る配線基板20では、開口部に位置するランド244の上にめっき膜246がさらに設けられている。硬化膜14にはさらにランド244以外の部分に開口部が設けられていても良いし、ライン242の一部を露出させるような開口部があってもよい。また、ランド244の全てが開口部に位置する必要は無く、硬化膜14に覆われたランド244があってもよい。
配線基板20はたとえばインターポーザもしくはマザーボードとして用いることができる。なお、パッケージとは、配線基板上に種々のパーツが搭載され、一括封止されたものをいう。半導体パッケージはパッケージの一例であり、パッケージには、一括封止されたECU(Electric Control Unit)等も含む。
[電子装置]
次に、本実施形態に係る半導体パッケージ102について説明する。
図3は本実施形態に係る半導体パッケージ102の構造の一例を示す断面模式図である。
本実施形態の電子装置(半導体パッケージ102)は、上記配線基板(配線基板20)と、配線基板上に実装された電子素子(半導体素子60)と、を含むことができる。すなわち、当該電子装置は半導体装置として利用できる。
図3に示す半導体パッケージ102は、配線基板20、半導体素子60、および封止樹脂層40を備える。半導体素子60は配線基板20上に配設されている。封止樹脂層40は、配線基板20の少なくともひとつの面および半導体素子60を覆っている。配線基板20は、コア基板22、導電パターン24、および硬化膜14を備える。導電パターン24はコア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。硬化膜14は、配線基板20の最外層であり、導電パターン24の周囲に設けられている。
本実施形態に係る半導体パッケージ102では、上述した配線基板20の一方の面(以下では「上面」と呼ぶ)の硬化膜14の上に、少なくとも1つの半導体素子60が配設されている。半導体パッケージ102において、配線基板20はたとえばインターポーザであり、半導体素子60はたとえば半導体ウエハから切り出されたLSIチップである。また、配線基板20の上面には半導体素子60に加えて、たとえば抵抗や容量として機能する電子部品などがさらに配設されていてもよい。半導体素子60はダイアタッチ材62を介して硬化膜14の上に固定されている。
半導体素子60にはその表面に電気的な接続パッド(不図示)が設けられており、接続パッドはたとえば半導体素子60の内部に作り込まれた回路に接続されている。配線基板20に設けられた導電パターン24の一部分であるランド244は、硬化膜14の開口部28に設けられている。そして、ランド244と、半導体素子60の接続パッドとは、ボンディングワイヤ50によって接続されている。なお、本実施形態に係る半導体パッケージ102では、ランド244の上にめっき膜246がさらに設けられており、ランド244はめっき膜246を介してボンディングワイヤ50に接続されているが、これに限定されない。また、ボンディングワイヤ50で接続される代わりにリード線や半田により接続されていても良い。
封止樹脂層40は、配線基板20の上面の表面に露出した硬化膜14と、コア基板22と、めっき膜246(めっき膜246を設けない場合はランド244)と、半導体素子60のうちダイアタッチ材62で配線基板20と接合された面以外の面と、ボンディングワイヤ50とを覆っている。なお、封止樹脂層40は配線基板20の半導体素子60が設けられた面の全面を覆っていても良いし、当該面の一部を露出させて覆っていても良い。
半導体パッケージ102の配線基板20には、上面とは反対側の面(以下では「下面」と呼ぶ)にさらに複数の開口部28と、開口部28の内部のランド244が設けられている。そして、それぞれのランド244はめっき膜246に覆われ、さらにめっき膜246を覆う半田ボール30が設けられている。
ここでは、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてフリップチップ接続のパッケージの例について説明したが、これに限定されず、ワイヤボンディングやTAB(Tape Automated Bonding)接続されるパッケージでもよい。
また、硬化膜14の表面には、例えば、YAGレーザー等のレーザーによりマークが捺印される。このマークは、例えば、直線または曲線からなる文字、数字、または記号の少なくとも1種類以上により構成される。また、上記マークは、例えば、半導体パッケージの製品名、製品番号、ロット番号、またはメーカー名等を示すものである。また、上記マークは、例えば、YVOレーザー、炭酸レーザー等により捺印されてもよい。
本実施形態の半導体装置としては、特に限定されないが、例えば、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、QFN(Quad Flat Non−leaded Package)、SON(Small Outline Non−leaded Package)、LF−BGA(Lead Flame BGA)等が挙げられる。
また、上記半導体素子としては、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子等が挙げられるが、これらに限定されない。
[ソルダーレジスト用樹脂組成物]
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物について、以下詳述する。
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、ワニス状の樹脂組成物である。ソルダーレジスト用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物である。
上記熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂、メタクリロイル基を有する樹脂等が挙げられる。例えば、熱硬化性樹脂が、室温(25℃)で液状である液状樹脂であってもよい。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。この中でも、熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
(エポキシ樹脂(A))
本実施形態に係るエポキシ樹脂(A)は、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン変性クレゾールノボラックエポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、ソルダーレジスト膜の埋め込み性や、表面平滑性を向上させる観点からは、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。これにより、ソルダーレジスト膜の低線膨貼化および高弾性率化を図ることもできる。また、配線基板の剛性を向上させて作業性の向上に寄与することや、半導体パッケージにおける耐リフロー性の向上および反りの抑制を実現することも可能である。なお、ソルダーレジスト膜の埋め込み性を向上させる観点からは、3官能以上のナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがとくに好ましい。
本実施形態において、エポキシ樹脂(A)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して3重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜の埋め込み性や平滑性の向上に寄与することができる。一方で、エポキシ樹脂(A)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して40重量%以下であることが好ましく、35重量%以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜の耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。なお、熱硬化性樹脂組成物の全固形分とは、熱硬化性樹脂組成物中に含まれる溶剤を除く成分全体を指す。以下、本明細書において同様である。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と反応する硬化剤を含むことができる。
上記硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はこれらのエポキシアダクトやマイクロカプセル化したもの、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。この中でも、フェノール系硬化剤またはナフトール系硬化剤を用いることができる。
また、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含んでもよい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。
(充填材(B))
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、上記熱硬化性樹脂に加えて、充填材(B)をさらに含んでもよい。
本実施形態に係る充填材(B)としては、無機充填材を用いることができる。上記無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカなどの酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素などの窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩などを挙げることができる。これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
また、無機充填材の表面は、表面処理剤などにより表面処理が施されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、シラン系カップリング剤等が挙げられる。
本実施形態に係るシリカは、特に限定されないが、例えば、球状シリカ、および破砕シリカのうちの少なくとも一方を含んでもよい。ソルダーレジスト膜の埋め込み性や表面平滑性を向上させる観点からは、球状シリカを含むことがより好ましい。また、シリカは、たとえば、溶融球状シリカでもよい。
上記充填材(B)の平均粒径D50の下限値は、とくに限定されないが、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。上記充填材の平均粒径D50の上限値は、とくに限定されないが、5.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。
上記充填材(B)の平均粒径D50は、たとえばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。本実施形態において、充填材は1種または2種以上を含んでもよい。
また、熱硬化性樹脂組成物の調製に際しては、シリカとして、たとえばシリカ濃度が10重量%以上90重量%以下であるシリカ原料を使用することがより好ましい。配線基板の機械的強度を向上させる観点からは、たとえばシリカ濃度が50重量%以上90重量%以下であるシリカ原料を使用することがとくに好ましい。また、配線基板のたわみの抑制や、半導体装置の吸湿信頼性を向上させる観点からは、たとえばシリカ濃度が50重量%以上90重量%以下であるシリカ原料と、シリカ濃度が10重量%以上50重量%以下であるシリカ原料と、を併用することがとくに好ましい。
上記充填材(B)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましい。充填材(B)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて得られるソルダーレジスト膜の耐熱性や耐湿性を効果的に向上させることができる。また、ソルダーレジスト膜を低線膨張化および高弾性率化させ、得られる半導体パッケージの反り低減に寄与することも可能である。一方で、充填材(B)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して90重量%以下であることが好ましく、85重量%以下であることがより好ましい。充填材(B)の含有量を上記上限値以下とすることにより、ソルダーレジスト膜の埋め込み性をより効果的に向上させることが可能となる。
(シアネート樹脂(C))
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、シアネート樹脂(C)をさらに含むことができる。これにより、ソルダーレジスト膜について、低線膨張化や、弾性率および剛性の向上を図ることができる。また、得られる半導体装置の耐熱性や耐湿性の向上に寄与することも可能である。
本実施形態に係るシアネート樹脂(C)は、分子内にシアネート基(−O−CN)を有する樹脂であり、シアネート基を分子内に2個以上を有する樹脂を用いることができる。上記シアネート樹脂(C)としては、特に限定されないが、例えば、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂、及びナフトールアラルキル型シアネート樹脂などが挙げられる。
また、上記シアネート樹脂(C)は、特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物と、フェノール類またはナフトール類と、を反応させて得ることができる。このような前記シアネート樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型の多価フェノール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂、クレゾールノボラック型の多価フェノール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂、ナフトールアラルキル型の多価ナフトール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂などが挙げられる。上記シアネート樹脂(C)は、一種または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ソルダーレジスト膜の低線膨張化や、弾性率および剛性を向上させる観点からは、フェノールノボラック型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、またはナフトールアラルキル型シアネート樹脂を含むことがより好ましく、フェノールノボラック型シアネート樹脂を含むことがとくに好ましい。
上記シアネート樹脂(C)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して3重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましい。シアネート樹脂(C)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜のより効果的な低線膨張化、高弾性率化を図ることができる。また、埋め込み性や平滑性の向上に寄与することができる。一方で、シアネート樹脂(C)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して40重量%以下であることが好ましく、35重量%以下であることがより好ましい。シアネート樹脂(C)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜の耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。
(硬化促進剤(D))
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、たとえば硬化促進剤(D)をさらに含むことができる。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。
本実施形態に係る硬化促進剤(D)としては、エポキシ樹脂(A)の硬化反応を促進させるものを用いることができ、その種類はとくに限定されない。
上記硬化促進剤(D)としては、例えば、イミダゾール系化合物、ピリジン系化合物、有機ホスフィン系化合物等が挙げられる。また、硬化促進剤(D)として、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)などの有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの3級アミン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート(TPP−K)、テトラフェニルホスホニウム・テトラキス(4−メチルフェニル)ボレート(TPP−MK)のような四級ホスホニウム系化合物、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾールなどのイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノールなどのフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、およびオニウム塩化合物が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
上記硬化促進剤(D)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0.1重量%以上であることが好ましく、0.3重量%以上であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性をより効果的に向上させることができる。一方で、硬化促進剤(D)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物の保存性を向上させることができる。
(着色剤(E))
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、たとえば、着色剤(E)をさらに含むことができる。本実施形態の着色剤(E)は、たとえば緑、赤、青、黄、および黒等の染料、黒色顔料な等の顔料、および色素から選択される一種または二種以上を含む。これらの中でも、開口部の視認性等を向上させる観点から、緑色の着色剤を含むことができるが、緑色染料を含めてもよい。当該緑色の着色剤としては、たとえばアントラキノン系、フタロシアニン系、およびペリレン系等の公知の着色剤を一種または二種以上含むことができる。
(その他の成分(F))
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物には、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、ゴム粒子、増粘剤およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を添加してもよい。
上記カップリング剤としては、たとえばエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤などのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤などが挙げられる。レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。上記難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。また、上記ゴム粒子としては、固体状のゴム粒子であり、熱硬化性樹脂組成物中の成分とも相溶せず、分散状態で存在するものであり、例えば、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリルニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。
本実施形態において、上記熱硬化性樹脂組成物は、ワニス状の樹脂組成物である。ワニス状の熱硬化性樹脂組成物をフィルム状とすることにより、本実施形態の樹脂シートが得られる。
本実施形態の樹脂シートは、たとえばワニス状の熱硬化性樹脂組成物を塗布して得られた塗布膜(樹脂膜)に対して、溶剤除去処理を行うことにより得ることができる。上記樹脂シートは、溶剤含有率が熱硬化性樹脂組成物全体に対して5重量%以下と定義することができる。本実施形態においては、たとえば100℃〜150℃、1分〜5分の条件で溶剤除去処理を行うことができる。これにより、熱硬化性樹脂膜の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
本実施形態において、熱硬化性樹脂組成物をキャリア基材に形成させる方法としては特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物を溶剤などに溶解・分散させて樹脂ワニスを調製して、各種コーター装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法、スプレー装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法、などが挙げられる。これらの中でも、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて、樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な樹脂シートの厚みを有するキャリア基材付き樹脂シートを効率よく製造することができる。
(溶剤)
本実施形態において、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物は、たとえば溶剤を含むことができる。
上記溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
熱硬化性樹脂組成物がワニス状である場合において、熱硬化性樹脂組成物の固形分含有量は、たとえば30重量%以上80重量%以下であることが好ましく、40重量%以上70重量%以下であることがより好ましい。これにより、作業性や成膜性に非常に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られる。なお、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物は、たとえば上述の各成分を、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより調製することができる。
なお、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、たとえばガラス繊維基材等の繊維基材や紙基材を含まないものとすることができる。これにより、ソルダーレジスト膜を形成するためにとくに適した熱硬化性樹脂組成物を実現することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
<実施例1>
[1]熱硬化性樹脂組成物の調製
エポキシ樹脂としてナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、HP−5000)14.5質量%、シアネート樹脂としてフェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)14.5質量%、フィラーとして球状シリカ粒子(株式会社アドマテックス製、SO−C4、平均粒径1.0μm、フェニルアミノシラン処理)70質量%、硬化促進剤としてテトラフェニルホスホニウム・テトラキス(4−メチルフェニル)ボレート(TPP−MK)0.5質量%、カップリング剤としてエポキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5質量%を、メチルエチルケトンに溶解、分散させた後、高速撹拌装置を用いて1時間撹拌した。これにより、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
[2]キャリア基材付き樹脂シートの作製
上記[1]で調整した樹脂ワニスを、キャリア基材であるPETフィルム上に塗布した。その後、PETフィルム上の樹脂ワニスを、140℃において2分間乾燥して、溶剤を除去し、樹脂シートの厚さが30μmのキャリア基材付き樹脂シート(絶縁性樹脂膜)を得た(準備工程)。
[3]構造体の作製
コア基板の両面に銅箔が積層された銅張積層板(住友ベークライト株式会社製、LαZ4785GS−B)を準備した。この銅張積層板の両面の表面の銅箔をエッチングによりパターニングして、導電体パターンを形成した。これにより、両面の表面に導電体パターンが設けられたコア基板を作製した。
次に、上記[2]で作製したキャリア基材付き樹脂シートの絶縁性樹脂膜を、得られたコア基板の導電体パターンが設けられた上面・下面のそれぞれの面に対向させて、真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形させた後(第1ラミネート工程)、120℃の乾燥装置で60分間乾燥した(ハーフキュア工程)。その後、キャリア基材を除去することにより(分離工程)、絶縁性樹脂膜、コア基板、絶縁性樹脂膜がこの順番で積層された構造体を作製した。
[4]マスクの形成
ロールラミネーターを用いて、温度80℃、速度0.5m/min、圧力0.5MPaの条件で、マスクとして、感光性を有するドライフィルムレジスト(DFR、厚み:30μm、旭化成社製、AQ3058)を、上面側の絶縁性樹脂膜上にラミネートした(第2ラミネート工程)。その後、100mJの露光処理によりパターニングし、炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、マスクに開口パターンを形成した(パターニング工程)。開口パターンを形成した後、マスクに対して1000mJの露光処理を行った(UVキュア工程)。
[5]絶縁性樹脂膜への開口部の形成
次に、開口部が形成されたドライフィルムレジストをマスクとして、絶縁性樹脂膜に対して、液温が40℃のヒドラジン系薬液(三菱ガス化学社製、ELM−E3)を使用して浸漬処理を行い、コア基板上のランドが露出するように、絶縁性樹脂膜に開口部を形成した(開口工程)。開口部を形成した後、アミン系剥離液を使用してスプレー処理を行い、ドライフィルムレジストを剥離し(除去工程)、その後、構造体を220℃の乾燥装置で60分間加熱することにより、Bステージ状態の絶縁性樹脂膜を硬化させて、ソルダーレジスト膜を形成した(硬化工程)。
[6]めっき処理
次に、ソルダーレジスト膜の開口部に露出した導電体パターン(ランド)上にめっき層を形成した。具体的には、無電解ニッケルめっき層3μmを形成し、さらにその上に無電解金めっき層0.1μmを形成した。これにより、プリント配線板1を得た。
<比較例1>
上記ハーフキュア工程を実施しない以外は実施例1と同様にしてプリント配線板2を得た。
<比較例2>
上記UVキュア工程を実施しない以外は実施例1と同様にしてプリント配線板3を得た。
プリント配線板1〜3の製造工程について、下記の評価項目に基づいて評価を実施した。
(マスクの耐エッチング性の評価)
上記UVキュア工程の後、開口工程の前に、ヒドラジン系薬液(三菱ガス化学社製、ELM−E3)に基板(構造体の絶縁性樹脂膜上にドライフィルムレジストをラミネートしたもの)を浸漬し、その後水洗した後、ドライフィルムレジストについてマスクとしての状態を観察した。
評価基準:ドライフィルムマスクが膨潤、溶解しているものを×、マスクとして、薬液処理前後で開口径に差がなく、膨潤、溶解していないものを○とする。
結果としては、実施例1は○、比較例1は○、比較例2は×であった。
(マスクの剥離容易性の評価)
上記開口工程の後に、アミン系剥離液によるスプレー処理を実施し、上記除去工程において、ドライフィルムレジストのマスクの剥離性を観察した。
評価基準:ドライフィルムレジストが剥がれないものを×、ドライフィルムレジストが残渣なく剥離できるものを○とする。
結果としては、実施例1は○、比較例2は○、比較例1は×であった。
実施例1の配線基板の製造方法は、比較例2と比べて、ドライフィルムレジストの耐エッチング性に優れており、比較例1と比べて、ドライフィルムレジストの剥離容易性が優れていることが判明した。
以上、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
8 キャリア基材
10 ソルダ−レジスト膜
11 面
12 ドライフィルムレジスト
13 面
14 硬化膜
20 配線基板
21 開口部
22 コア基板
24 導電パターン
28 開口部
30 半田ボール
40 封止樹脂層
50 ボンディングワイヤ
60 半導体素子
62 ダイアタッチ材
102 半導体パッケージ
242 ライン
244 ランド
246 めっき膜

Claims (10)

  1. キャリア基材上に、熱硬化性樹脂組成物を乾燥してなるソルダーレジスト膜が形成されてなるキャリア基材付き樹脂シートを準備する準備工程と、
    回路基板の表面に形成された導電パターンを前記ソルダーレジスト膜で埋め込むように、前記回路基板の前記表面に前記キャリア基材付き樹脂シートの前記ソルダーレジスト膜を配向配置する第1ラミネート工程と、
    前記熱硬化性樹脂組成物のガラス転移温度よりも低い温度で、前記ソルダーレジスト膜を加熱処理するハーフキュア工程と、
    前記ソルダーレジスト膜から前記キャリア基材を分離する分離工程と、
    前記ソルダーレジスト膜上に、感光性樹脂組成物を乾燥してなるドライフィルムレジストを形成する第2ラミネート工程と、
    第1露光量を用いた露光処理および現像処理により、前記ドライフィルムレジストをパターニングするパターニング工程と、
    前記第1露光量よりも大きな第2露光量を用いて、前記ドライフィルムレジストを露光処理するUVキュア工程と、
    パターニングした前記ドライフィルムレジストを介してエッチング処理することより、前記ソルダーレジスト膜を選択的に除去し、前記導電パターンの一部が露出した開口部を形成する開口部形成工程と、
    前記ドライフィルムレジストを除去する除去工程と、を含む配線基板の製造方法。
  2. 請求項1に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記第2露光量は、1000mJ以上3000mJ以下である、配線基板の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記ハーフキュア工程における加熱処理の温度は、100℃以上150℃以下である、配線基板の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と無機充填材とを含む、配線基板の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記開口部形成工程における前記ソルダーレジスト膜はBステージ状態である、配線基板の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記除去工程の後、前記ソルダーレジスト膜を硬化温度で加熱処理により硬化するフルキュア工程を含む、配線基板の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記ドライフィルムレジストの厚さが、3μm以上50μm以下である、配線基板の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記ソルダーレジスト膜の厚さが、3μm以上50μm以下である、配線基板の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記導電パターンを構成する金属が、銅、金、銀からなる群から選択される一種以上を含む、配線基板の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法で得られた配線基板の上に半導体素子を実装する工程、を含む、半導体装置の製造方法。
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