JP2019033206A - 配線基板の製造方法、半導体装置の製造方法 - Google Patents

配線基板の製造方法、半導体装置の製造方法 Download PDF

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智行 阿部
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Masahiro Tanabe
昌大 田邉
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Abstract

【課題】短時間で開口部を形成できる配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】高分子フィルムのキャリア基材上にソルダーレジスト膜10を有するキャリア基材付き樹脂シートを準備する工程と、回路基板の表面に形成された導電パターン24をソルダーレジスト膜で埋め込み、キャリア基材付き樹脂シートのソルダーレジスト膜を配向配置する工程と、キャリア基材を分離し、ソルダーレジスト膜の表面を露出させる工程と、露出した表面に、ドライフィルムレジスト12を形成する工程と、ドライフィルムレジストを選択的に除去しパターニングする工程と、パターニングしたドライフィルムレジストを介して、N−(β−アミノエチル)エタノールアミンを含有する水溶液によるウェットエッチングにて、ソルダーレジスト膜を選択的に除去し、導電パターンの一部が露出した開口部28を形成する開口部形成工程と、ドライフィルムレジストを除去する工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板の製造方法、半導体装置の製造方法に関する。
配線基板の製造方法において、最外層のソルダーレジスト膜に開口部を形成する方法について様々な開発がなされてきた。この種の技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。同文献には、ソルダーレジスト膜9上にフォトレジストをコーティングして露光・現像処理を施した後、このフォトレジストをマスクとして、ウエットエッチング法又はドライエッチング法によりソルダーレジスト膜9を選択的に除去し、ソルダーレジスト膜の開口部を形成する、と記載されている。
特開2003−309215号公報
上記文献に記載のフォトレジストを介してウェットエッチングする場合、ヒドラジン系の薬液が一般的に使用されている。
しかしながら、本発明者が検討した結果、ヒドラジン系の薬液を使用した場合、ソルダーレジスト膜の開口部内の導電パターンが露出するまでに比較的長時間を要することが判明した。
本発明者は、このような知見に基づいて、ソルダーレジスト膜とマスクとのエッチング選択比に着眼し、マスクの種類および薬液の種類について鋭意検討した。その結果、マスクとしてドライフィルムレジストを使用し、ウェットエッチングに用いる薬液として、N−(β−アミノエチル)エタノールアミンを含有する水溶液を使用することにより、ソルダーレジスト膜への開口部の形成を比較的短時間で実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
高分子フィルムで構成されるキャリア基材上にソルダーレジスト膜が形成されたキャリア基材付き樹脂シートを準備する工程と、
回路基板の表面に形成された導電パターンを前記ソルダーレジスト膜で埋め込むように、前記回路基板の前記表面に前記キャリア基材付き樹脂シートの前記ソルダーレジスト膜を配向配置する工程と、
前記キャリア基材を分離することにより、前記ソルダーレジスト膜の表面を露出させる工程と、
前記ソルダーレジスト膜の露出した前記表面に、ドライフィルムレジストを形成する工程と、
前記ドライフィルムレジストを選択的に除去することによりパターニングする工程と、
パターニングした前記ドライフィルムレジストを介して、N−(β−アミノエチル)エタノールアミンを含有する水溶液を用いたウェットエッチングにより、前記ソルダーレジスト膜を選択的に除去することにより、前記導電パターンの一部が露出した開口部を形成する開口部形成工程と、
前記ドライフィルムレジストを除去する工程と、を含む、配線基板の製造方法が提供される。
本発明によれば、上記配線基板の製造方法で得られた配線基板の上に半導体素子を実装する工程、を含む、半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、短時間で開口部を形成できる配線基板の製造方法、半導体装置の製造方法が提供される。
実施形態に係る配線基板の製造工程の一例を示す断面模式図である。 実施形態に係る配線基板の製造工程の一例を示す断面模式図である。 実施形態における半導体パッケージの構造の例を示す模式図である。 実施形態に係る配線基板の製造工程の変形例の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態に係る配線基板の製造方法の概要について説明する。
本実施形態の配線基板の製造方法は、高分子フィルムで構成されるキャリア基材上にソルダーレジスト膜が形成されたキャリア基材付き樹脂シートを準備する工程と、回路基板の表面に形成された導電パターンをソルダーレジスト膜で埋め込むように、回路基板の表面にキャリア基材付き樹脂シートのソルダーレジスト膜を配向配置する工程と、キャリア基材を分離することにより、ソルダーレジスト膜の表面を露出させる工程と、ソルダーレジスト膜の露出した表面に、ドライフィルムレジストを形成する工程と、ドライフィルムレジストを選択的に除去することによりパターニングする工程と、パターニングしたドライフィルムレジストを介して、N−(β−アミノエチル)エタノールアミンを含有する水溶液を用いたウェットエッチングにより、ソルダーレジスト膜を選択的に除去することにより、導電パターンの一部が露出した開口部を形成する開口部形成工程と、ドライフィルムレジストを除去する工程と、を含むことができる。
本発明者は、N−(β−アミノエチル)エタノールアミンを含有する水溶液を用いたウェットエッチングにより、ソルダーレジスト膜への開口部形成を比較的短時間で実現できることが分かった。したがって、本実施形態の配線基板の製造方法によれば、製造安定性を向上させることができる。
[配線基板の製造方法]
本実施形態の配線基板の製造方法の各工程について、図1、2、4を用いて詳述する。
図1、2、4は、実施形態に係る配線基板の製造工程の一例を示す断面模式図である。
本実施形態の配線基板20の製造方法は、例えば、構造体準備工程、マスクパターニング工程、開口部形成工程、およびマスク除去工程を含むことができる。
まず、上記の構造体準備工程としては、図1(a)に示す第1金属で構成される導電パターン24を表面に有するコア基板22(回路基板)と、ソルダ−レジスト膜10と、ドライフィルムレジスト12と、をこの順番で積層した構造を有する、図1(b)に示す構造体を準備する。
上記構造体準備工程は、図4(a)〜図4(c)に示すように、高分子フィルムで構成されるキャリア基材8上にソルダ−レジスト膜10が形成されている、不図示のキャリア基材付き樹脂シートを準備する工程と、図1(a)に示すような回路基板(コア基板22)の表面に形成された導電パターン24をソルダ−レジスト膜10で埋め込むように、回路基板(コア基板22)の表面にキャリア基材付き樹脂シートのソルダ−レジスト膜10を配向配置する工程と(図4(a))、キャリア基材8を分離することにより、ソルダ−レジスト膜10の表面(面11、面13)を露出させる工程と(図4(b))、ソルダ−レジスト膜10の露出した表面(面11、面13)に、ドライフィルムレジスト12を形成する工程と(図4(c))と、を含むことができる。
上記構造体準備工程に用いられる回路基板は、図1(a)に示すように、表裏の少なくとも一方の最外面に導電パターン24が設けられたコア基板22を有することができる。コア基板22は、例えば、プリント配線基板のコア層を構成することができる。コア層としては、例えば、繊維基材を含浸したプリプレグを硬化させた樹脂基板を用いることができるが、繊維基材を有しない樹脂基板を用いてもよい。本実施形態において、コア基板22としては、コア層に複数のビルドアップ層(不図示)が形成されてもよく、コア層が単独で形成されていてもよい。コア基板22が熱硬化性樹脂を含む樹脂基板材料で構成されている場合、Bステージ状態のコア基板22は、ソルダ−レジスト膜10を対向配置する前に硬化されていてもよいが、ソルダ−レジスト膜10の硬化時に一緒に硬化してもよい。
本実施形態において、導電パターン24を構成する第1金属は、銅、金、銀からなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、導電パターン24は、第1金属を主成分とする、合金または多層の金属膜で構成されていてもよい。また、導電パターン24は、不可避に混入する不純物金属を許容できる。この第1金属は、例えば、導電パターン24の主成分とすることができ、この場合、導電パターン24全体の80質量%以上であり、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、一方で100質量%以下でもよい。この中でも、導電パターン24は、銅で構成された銅回路とすることができる。
上記キャリア基材付き樹脂シートとしては、図4(a)に示すように、キャリア基材8およびソルダ−レジスト膜10がこの順番で積層された積層体を用いることができる。キャリア基材付き樹脂シートは、枚葉状でもよく、巻き取り可能なロール形状でもよい。この場合、マキャリア基材付き樹脂シートのソルダ−レジスト膜10の表面には、例えば、表面を保護するためにカバーフィルムが配置されていてもよい。カバーフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等の高分子フィルムなどが挙げられる。カバーフィルムを積層体から剥離することにより、上記キャリア基材付き樹脂シートを得てもよい。
また、キャリア基材付き樹脂シートを得る方法としては、特に限定されないが、キャリア基材上にソルダーレジスト用樹脂組成物を乾燥させてなるフィルム状の樹脂膜(ソルダ−レジスト膜10)を形成してもよいし、フィルム状の樹脂膜(ソルダ−レジスト膜10)をキャリア基材上にラミネートしてもよい。このとき、複数のソルダ−レジスト膜10を貼り合わせてもよい。
フィルム状のソルダ−レジスト膜10の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、ソルダーレジスト用樹脂組成物を溶剤などに溶解・分散させて樹脂ワニスを調製して、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて樹脂ワニスを、キャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法、スプレー装置を用いて樹脂ワニスを、キャリア基材に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法、などが挙げられる。
上記ソルダ−レジスト膜10の膜厚の下限値は、例えば、3μm以上としてもよく、5μm以上としてもよく、10μm以上としてもよい。これにより、導電パターン24に対する埋め込み性を高めることができる。また、機械的強度を向上させることができる。ソルダ−レジスト膜10の膜厚の上限値は、例えば、50μm以下としてもよく、40μm以下としてもよく、30μm以下としてもよい。これにより、加工性を高めて、プロセス効率を高めることができる。
上記キャリア基材としては、例えば、高分子フィルムを用いることができる。上記の高分子フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、シリコーンシート等の離型紙、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂シート等が挙げられる。これらの中でも、安価および剥離強度の調節が簡便なため、ポリエチレンテレフタレートを用いることができる。これにより、キャリア基材付き樹脂シートから、キャリア基材を適度な強度で剥離することが容易となる。
このように、本実施形態の配線基板の製造方法は、高分子フィルムで構成されるキャリア基材8上にソルダ−レジスト膜10が形成されている、不図示のキャリア基材付き樹脂シートを準備することができる。
続いて、本実施形態の配線基板の製造方法は、図4(a)示すように、回路基板(コア基板22)の表面に形成された導電パターン24をソルダ−レジスト膜10で埋め込むように、回路基板(コア基板22)の表面にキャリア基材付き樹脂シートのソルダ−レジスト膜10を配向配置することができる。具体的には、キャリア基材8付きのソルダ−レジスト膜10を、コア基板22の、片面または両面に貼り付けることができる。
上記の貼り付ける方法としては、例えば、キャリア基材付き樹脂シートを回路基板上に積層した後、これらの積層体を真空加熱加圧成形することにより行うことができる。このとき、ソルダ−レジスト膜10はBステージ状態とすることができる。
続いて、本実施形態の配線基板の製造方法は、図4(b)に示すように、キャリア基材8を分離することにより、ソルダ−レジスト膜10の表面(面11、面13)を露出させることができる。
続いて、本実施形態の配線基板の製造方法は、図4(c)に示すように、ソルダ−レジスト膜10の露出した表面に、ドライフィルムレジスト12を形成することができる。
上記ドライフィルムレジストとしては、公知のものを使用することができ、例えば、感光性樹脂組成物を乾燥してなるドライフィルムを使用することができる。
上記ドライフィルムレジストは、例えば、光重合開始剤および光架橋性成分を含有することにより、露光処理によって光架橋構造を有することができる。
また、上記ドライフィルムレジストは、アルカリ水溶液等の現像液に対して溶解性を有する現像性成分を含有することにより、アルカリ溶解液等を用いた現像処理によってパターン構造を有することができる。この現像性成分は、例えば、カルボキシル基等の現像性基を含有することで、アルカリ溶解性を向上させることができる。
上記ドライフィルムレジストにおいて、光架橋性成分(アルカリ可溶性組成物)は、光架橋性基とともに現像性基を有していてもよい。また、光架橋性成分や光架橋性成分とは別の現像性成分は、エポキシ基やカルボキシル基などの熱架橋性基を有していてもよい。
また、上記ドライフィルムレジストは、必要に応じて、光重合性単量体、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(染料、顔料)、光発色剤、熱発色防止剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱硬化剤、表面張力調整剤、撥水剤及び撥油剤等の添加剤を含有していてもよい。
本実施形態において、上記ドライフィルムレジスト12の厚さの下限値は、3μm以上としてもよい、5μm以上としてもよく、10μm以上としてもよい。これにより、開口部を形成するときマスク機能を十分に保持できる。一方で、ドライフィルムレジスト12の厚さの上限値は、例えば、50μm以下としてもよく、40μm以下としてもよく、30μm以下としてもよい。これにより、エッチング性を高めることが可能である。
本実施形態において、図1(b)に示すように、ソルダ−レジスト膜10上に、ドライフィルムレジスト12を形成する方法としては、フィルム状のドライフィルムレジストを、公知のラミネート方法を用いることができる。ラミネート方法としては、常圧ラミネート、真空ラミネート、常圧プレス、真空プレス等の方法で積層する方法が挙げられる。真空ラミネーターを用いる場合、例えば、所定真空度の真空チャンバー内において、所定の圧力の貼り付けロールを用いて、所定の温度のテーブル上で、ラミネートを実施することができる。なお、ラミネート方法としては、とくに限定されないが、例えばバッチ式であってもよいし、ドライフィルムレジストを連続的に供給して、連続的にソルダ−レジスト膜10上に積層してもよい。ラミネート工程中、ドライフィルムレジストを加熱する加熱処理(加熱ラミネート工程)を行ってもよい。例えば、40℃以上150℃以下で加熱ラミネートを実施してもよい。
続いて、上記マスクパターニング工程は、図1(c)に示すように、ドライフィルムレジスト12を選択的に除去することにより、ドライフィルムレジスト12をパターニングすることができる。具体的には、導電パターン24上のドライフィルムレジスト12の所定の領域に対して、選択的にドライフィルムレジスト12を除去することにより、開口部21を形成することができる。開口部21には下層のソルダ−レジスト膜10の表面が露出している。
上記開口部21の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、レーザー加工法や露光現像法などの公知の方法を用いることができる。
例えば、露光現像法の場合、炭酸アルカリ金属塩の水溶液等による現像処理によってドライフィルムレジスト12の一部を除去する工程と、残存したドライフィルムレジスト12に対して、再び露光処理または加熱処理する工程と、を含むことができる。これにより、パターン状の熱架橋構造を有するドライフィルムレジストをマスクとして使用することにより、ドライフィルムレジスト12に対するソルダ−レジスト膜10のエッチング選択比を高めることができる。
続いて、上記開口部形成工程は、図1(d)に示すように、パターニングしたドライフィルムレジスト12をマスクとして、導電パターン24の一部を露出させるように開口部28をソルダ−レジスト膜10に形成することができる。具体的には、開口部21が形成されたドライフィルムレジスト12を介して、ソルダ−レジスト膜10の所定領域に開口部28を形成する。開口部28は主に導電パターン24のランド244を露出させるように形成する。
上記開口部28の形成方法としては、N−(β−アミノエチル)エタノールアミンを含有する水溶液を用いたウェットエッチングを用いることができる。
本実施形態において、上記ウェットエッチングに用いる水溶液は、水酸化カリウムをさらに含有することができる。これにより、エッチング選択性をさらに高めることができる。
また、上記ウェットエッチングに用いる水溶液は、例えば、15質量%以上45質量%以下の水酸化カリウムと5質量%以上40質量%以下のN−(β−アミノエチル)エタノールアミンとを含有することができる。これによって、光重合開始剤および光架橋性成分を含有するドライフィルムレジストを用いたとき、このドライフィルムレジスト12に対するソルダ−レジスト膜10のエッチング選択比を高めることができる。
また、本実施形態に係る開口部形成工程は、Bステージ状態のソルダ−レジスト膜10を使用することができるので、硬化物を用いた場合と比較して、ソルダ−レジスト膜10の加工性を高めることができる。
本実施形態において、ソルダ−レジスト膜10の半硬化状態(Bステージ状態)とは、DSC(示差走査熱量計)の測定結果から算出される反応率が、0%を超え70%以下であり、好ましくは0.5%以上55%以下であり、さらに好ましくは1%以上50%以下の状態であることを意味する。
また、Bステージ状態におけるソルダ−レジスト膜10の溶剤含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物全体に対して5重量%以下とすることができる。上述の溶剤含有量の範囲内とするために、ソルダーレジスト用樹脂組成物に対して、たとえば100℃〜150℃、1分〜5分の条件で溶剤除去処理を行うことができる。これにより、熱硬化性樹脂膜の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
一方、本実施形態において、ソルダ−レジスト膜10の硬化物の硬化状態(Cステージ状態)とは、上記のように、DSCの測定結果から算出される反応率が、75%より大きく、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは95%以上の状態であることを意味する。
また、本実施形態の配線基板の製造方法は、上記開口部28を形成した後、ソルダ−レジスト膜10を熱硬化する工程を含むことができる。このソルダ−レジスト膜10を熱硬化する工程は、例えば、ドライフィルムレジスト12を除去した後に実施してもよい。これにより、ソルダ−レジスト膜10を硬化してなる硬化膜14から、ドライフィルムレジスト12が剥離しにくくなることを抑制できる。この場合、ソルダーレジスト膜は、例えば、熱硬化性樹脂と無機充填材とを含むことができる。これにより、硬化膜14の耐熱性や機械的強度を高めることができる。
本実施形態において、硬化温度の下限値は、特に限定されないが、例えば、200℃以上でもよく、210℃以上でもよく、220℃以上でもよい。硬化温度の上限値としては、特に限定されないが、例えば、250℃以下とすることができる。
また、必要に応じて、デスミア処理を行うことができる(デスミア処理する工程)。デスミア処理では、開口部の形成などで生じたスミアを除去できる。
上記デスミア処理の方法は特に限定されないが、たとえば、以下のように行うことができる。まず、導電パターン24やソルダ−レジスト膜10を積層したコア基板22を、有機溶剤を含有する膨潤液に浸漬し、次いでアルカリ性過マンガン酸塩水溶液に浸漬して処理する。過マンガン酸塩としてはたとえば過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等を用いることができる。過マンガン酸塩として過マンガン酸カリウムを用いる場合、浸漬させる過マンガン酸カリウム水溶液の温度は、例えば、50℃以上でもよく、100℃以下でもよい。また、アルカリ性過マンガン酸塩水溶液への浸漬時間は、例えば、1分間以上でもよく、30分間以下でもよい。
デスミア処理する工程では、上記の湿式のデスミア処理のみを行うことができるが、上記の湿式の処理に代えて、もしくは加えて、デスミア処理としてプラズマ照射を行っても良い。このとき、処理ガスとしてはたとえばアルゴンガス、Oガス、Oガス、COガス、COガス、NOガス、NOガス、またはフッ素系ガスを用いることができる。プラズマ処理時間は、例えば、30秒以上でもよく、1分以上でもよい。また、プラズマ処理時間は、例えば、10分以下でもよく、5分以下でもよい。
本実施形態の配線基板の製造方法は、上記開口部形成工程の後、開口部28内を中和する工程をさらに含むことができる。これにより、開口部28内部に、エッチング処理やデスミア処理に由来するアルカリ成分などを中和することができるため、接続信頼性を高めることが可能になる。
続いて、上記マスク除去工程は、図2(a)に示すように、開口部28において導電パターン24の一部が露出した状態で、ドライフィルムレジスト12を除去することができる。
本実施形態において、ドライフィルムレジスト12を除去する方法としては、物理的に剥離する方法や、ドライフィルムレジスト12を選択的にエッチングする方法等を用いることができる。エッチングする方法としては、特に限定されないが、例えば、ソルダ−レジスト膜10に対して、ドライフィルムレジスト12を選択的にエッチングできる剥離液を用いて、ドライフィルムレジスト12を除去することができる。この剥離液としては、例えば、アミン化合物および、約3〜10%程度の水酸化ナトリウムを含有する有機アルカリ剥離液を用いることができる。この有機アルカリ剥離液の一例としては、アミノエタノール等のアミン化合物の他に、エーテル類や水酸化テトラメチルアンモニウム等の酸化第四級アンモニウム化合物を含むことができる。剥離液をスプレー方式で使用する場合、液温:約40℃〜50℃、スプレー圧:約0.1〜0.2MPaの条件を採用してもよい。
続いて、図2(b)に示すように、開口部28に露出した導電パターン24の上にめっき膜246を形成するめっき処理を行うことができる。ただし、めっき膜246を形成せずに配線基板20としてもよい。めっき膜246は、たとえば半田めっき膜や、錫めっき膜や、ニッケルめっき膜の上に金めっき膜を積層した2層構造のめっき膜とすることができる。めっき膜246は開口部28に露出した導電パターン24の導電部を覆うように形成される。また、めっき膜246の膜厚は、とくに限定されないが、たとえば2μm以上10μm以下とすることができる。これにより、ランド244部分を、配線基板20を用いた実装工程においてワイヤボンディングや半田付けに適した接続部とすることができる。
めっき処理の方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。たとえば、電解めっき法または無電解めっき法を用いることができる。たとえば無電解めっき法を用いる場合、次の様にめっき膜246を形成することが出来る。ここではニッケルと金の2層構造のめっき膜246を形成する例について説明するが、これに限定されない。まず、ニッケルめっき膜を形成する。無電解ニッケルめっきを行う場合、めっき液にコア基板22を浸漬する。これにより、開口部28に露出した導電パターン24の導電部の上に、ニッケルめっき膜を形成できる。めっき液は、ニッケル鉛、および還元剤としてたとえば次亜リン酸塩を含んだものを用いることができる。続いて、ニッケルめっき膜の上に無電解金めっきを行う。無電解金めっきの方法は特に限定されないが、たとえば金イオンと下地金属のイオンとの置換により行う置換金めっきで行うことができる。
なお、めっき処理の前に、必要に応じて、露出した導電パターン24の導電部を洗浄する工程や、粗化する工程を行っても良い。
以上により、図2(b)に示す配線基板20を得ることができる。
[電子装置の製造方法]
次に、半導体パッケージ102の製造方法について説明する。
本実施形態に係る電子装置(半導体パッケージ102)の製造方法は、次のような配線基板の製造方法で得られた配線基板20上に、半導体素子60(電子素子)を実装する工程を含むものである。
まず、上述のように配線基板20を準備し(配線基板を準備する工程)、配線基板20の上に、半導体素子60を配設する(半導体素子を配設する工程)。このとき半導体素子60は、たとえばダイアタッチ材62を介して配線基板20上に搭載する。半導体素子60と配線基板20を接続するボンディングワイヤ50は、たとえば配線基板20の上面の開口部28に露出した導電パターン24へボンディングする。次いで、配線基板20の上面、半導体素子60、およびボンディングワイヤ50を封止樹脂層40によって封止する(封止する工程)。封止樹脂としてはたとえばエポキシ樹脂組成物を用いることができる。封止樹脂でモールドする方法としては、トランスファー成形法、射出成形法、転写法、塗布法などを用いることができる。封止樹脂層40を加熱することにより硬化させる。
また、配線基板20に外部接続端子である半田ボール30が設けられる例においては、たとえば下面側の開口部28に露出した導電パターン24上に、半田ボール30を形成する。なお、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてフリップチップ接続のパッケージの例について説明したが、半導体パッケージ102はこれに限定されず、ワイヤボンディングやTAB接続されるパッケージでもよい。
[配線基板]
本実施形態に係る配線基板について説明する。
図2(b)は、実施形態における配線基板20の構造の例を示す模式図である。
本実施形態の配線基板は、基板(コア基板22)と、基板上に形成された導電回路(導電パターン24)と、基板の最外層に形成された硬化膜14と、を含むことができる。当該硬化膜14は、本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物を硬化させることにより得られる。例えば、上記硬化膜14は、本実施形態の樹脂シートの硬化物で構成することができる。
図2(b)に示す配線基板20は、コア基板22、導電パターン24、および硬化膜14を備える。導電パターン24は、コア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。硬化膜14は、配線基板20の最外層を構成する。硬化膜14は、半導体素子などと接続するために必要な開口部が設けられている。
上記コア基板22は、リジッドな基板でも良いし、フレキシブルな基板でも良い。コア基板22の厚さは、とくに限定されないが、たとえば10μm以上300μm以下とすることができる。
また、上記コア基板22は、1つの絶縁層のみを有し、その片面のみに導電パターン24が形成された片面板でも良いし、1つの層のみを有し、その表裏面の両方に導電パターン24が設けられた両面板でも良いし、2層以上の絶縁層を有する多層板でもよい。コア基板22が多層板である場合、コア基板22内には2つの絶縁層に挟まれた配線層が一層以上形成される。
また、コア基板22が両面板もしくは多層板である場合、コア基板22の1つの表面(最外面)に設けられた導電パターン24は、反対側の表面(最外面)に設けられた導電パターン24やコア基板22の内部に設けられた配線層と、少なくとも一部の絶縁層を貫通するスルーホール(不図示)を介して互いに電気的に接続されている。
上記導電パターン24は、コア基板22のおもて面と裏面の少なくとも一方の表面(最外面)に設けられている。導電パターン24は、たとえばコア基板22に積層された銅膜を選択エッチングして形成されたパターンである。導電パターン24は、導電部として少なくともランド244とライン242とを含む。ランド244は主に、配線基板20に実装される素子や部品と導電パターン24とを電気的に接続する接続部であり、たとえば導電パターン24の他の部分もしくはコア基板22内の配線層に接続された円形や四角形の部分である。なお、ランド244の中心には電子部品の端子等を挿入するホールが設けられていても良い。そして、ライン242は主に、ランド244同士を互いに電気的に接続する線状の部分である。
上記硬化膜14が、導電パターン24上に積層されている。硬化膜14が絶縁性を維持することができるので、信頼性の高い配線基板を得ることができる。また、上下の最外層に、上記硬化膜14が配置されているため、例えば、黒色に呈することができ、配線基板の下面においても美観性を高めることができる。また、上記硬化膜14の下面に、例えば、YAGレーザー等のレーザーによりマークを捺印することもできる。
硬化膜14には、主にランド244が設けられた領域に開口部が設けられており、ランド244は硬化膜14に被覆されていない。すなわち、ランド244の上には硬化膜14が設けられておらず、ランド244が露出している。なお、ランド244の上には、たとえばニッケルおよび金のめっき膜や半田のめっき膜などの導電膜が積層されていてもよい。本実施形態に係る配線基板20では、開口部に位置するランド244の上にめっき膜246がさらに設けられている。硬化膜14にはさらにランド244以外の部分に開口部が設けられていても良いし、ライン242の一部を露出させるような開口部があってもよい。また、ランド244の全てが開口部に位置する必要は無く、硬化膜14に覆われたランド244があってもよい。
配線基板20はたとえばインターポーザもしくはマザーボードとして用いることができる。なお、パッケージとは、配線基板上に種々のパーツが搭載され、一括封止されたものをいう。半導体パッケージはパッケージの一例であり、パッケージには、一括封止されたECU(Electric Control Unit)等も含む。
[電子装置]
次に、本実施形態に係る半導体パッケージ102について説明する。
図3は本実施形態に係る半導体パッケージ102の構造の一例を示す断面模式図である。
本実施形態の電子装置(半導体パッケージ102)は、上記配線基板(配線基板20)と、配線基板上に実装された電子素子(半導体素子60)と、を含むことができる。すなわち、当該電子装置は半導体装置として利用できる。
図3に示す半導体パッケージ102は、配線基板20、半導体素子60、および封止樹脂層40を備える。半導体素子60は配線基板20上に配設されている。封止樹脂層40は、配線基板20の少なくともひとつの面および半導体素子60を覆っている。配線基板20は、コア基板22、導電パターン24、および硬化膜14を備える。導電パターン24はコア基板22の少なくともひとつの最外面に設けられている。硬化膜14は、配線基板20の最外層であり、導電パターン24の周囲に設けられている。
本実施形態に係る半導体パッケージ102では、上述した配線基板20の一方の面(以下では「上面」と呼ぶ)の硬化膜14の上に、少なくとも1つの半導体素子60が配設されている。半導体パッケージ102において、配線基板20はたとえばインターポーザであり、半導体素子60はたとえば半導体ウエハから切り出されたLSIチップである。また、配線基板20の上面には半導体素子60に加えて、たとえば抵抗や容量として機能する電子部品などがさらに配設されていてもよい。半導体素子60はダイアタッチ材62を介して硬化膜14の上に固定されている。
半導体素子60にはその表面に電気的な接続パッド(不図示)が設けられており、接続パッドはたとえば半導体素子60の内部に作り込まれた回路に接続されている。配線基板20に設けられた導電パターン24の一部分であるランド244は、硬化膜14の開口部28に設けられている。そして、ランド244と、半導体素子60の接続パッドとは、ボンディングワイヤ50によって接続されている。なお、本実施形態に係る半導体パッケージ102では、ランド244の上にめっき膜246がさらに設けられており、ランド244はめっき膜246を介してボンディングワイヤ50に接続されているが、これに限定されない。また、ボンディングワイヤ50で接続される代わりにリード線や半田により接続されていても良い。
封止樹脂層40は、配線基板20の上面の表面に露出した硬化膜14と、コア基板22と、めっき膜246(めっき膜246を設けない場合はランド244)と、半導体素子60のうちダイアタッチ材62で配線基板20と接合された面以外の面と、ボンディングワイヤ50とを覆っている。なお、封止樹脂層40は配線基板20の半導体素子60が設けられた面の全面を覆っていても良いし、当該面の一部を露出させて覆っていても良い。
半導体パッケージ102の配線基板20には、上面とは反対側の面(以下では「下面」と呼ぶ)にさらに複数の開口部28と、開口部28の内部のランド244が設けられている。そして、それぞれのランド244はめっき膜246に覆われ、さらにめっき膜246を覆う半田ボール30が設けられている。
ここでは、本実施形態に係る半導体パッケージ102としてフリップチップ接続のパッケージの例について説明したが、これに限定されず、ワイヤボンディングやTAB(Tape Automated Bonding)接続されるパッケージでもよい。
また、硬化膜14の表面には、例えば、YAGレーザー等のレーザーによりマークが捺印される。このマークは、例えば、直線または曲線からなる文字、数字、または記号の少なくとも1種類以上により構成される。また、上記マークは、例えば、半導体パッケージの製品名、製品番号、ロット番号、またはメーカー名等を示すものである。また、上記マークは、例えば、YVOレーザー、炭酸レーザー等により捺印されてもよい。
本実施形態の半導体装置としては、特に限定されないが、例えば、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、QFN(Quad Flat Non−leaded Package)、SON(Small Outline Non−leaded Package)、LF−BGA(Lead Flame BGA)等が挙げられる。
また、上記半導体素子としては、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子等が挙げられるが、これらに限定されない。
[ソルダーレジスト用樹脂組成物]
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物について、以下詳述する。
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、ワニス状の樹脂組成物である。当該ソルダーレジスト用樹脂組成物をフィルム状とすることにより、樹脂シートを得ることができる。かかる樹脂シートを硬化させることにより、上記硬化膜14が得られる。また、ソルダーレジスト用樹脂組成物の塗布膜を硬化させることにより、硬化膜14を得てもよい。
本実施形態のソルダーレジスト用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物を用いることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂、メタクリロイル基を有する樹脂等が挙げられる。例えば、熱硬化性樹脂が、室温(25℃)で液状である液状樹脂であってもよい。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。この中でも、熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
(エポキシ樹脂(A))
本実施形態に係るエポキシ樹脂(A)は、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン変性クレゾールノボラックエポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、ソルダーレジスト膜の埋め込み性や、表面平滑性を向上させる観点からは、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。これにより、ソルダーレジスト膜の低線膨貼化および高弾性率化を図ることもできる。また、配線基板の剛性を向上させて作業性の向上に寄与することや、半導体パッケージにおける耐リフロー性の向上および反りの抑制を実現することも可能である。なお、ソルダーレジスト膜の埋め込み性を向上させる観点からは、3官能以上のナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことがとくに好ましい。
本実施形態において、エポキシ樹脂(A)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して3重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜の埋め込み性や平滑性の向上に寄与することができる。一方で、エポキシ樹脂(A)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して40重量%以下であることが好ましく、35重量%以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて形成されるソルダーレジスト膜の耐熱性や耐湿性の向上を図ることができる。なお、熱硬化性樹脂組成物の全固形分とは、熱硬化性樹脂組成物中に含まれる溶剤を除く成分全体を指す。以下、本明細書において同様である。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と反応する硬化剤を含むことができる。
上記硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はこれらのエポキシアダクトやマイクロカプセル化したもの、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。この中でも、フェノール系硬化剤またはナフトール系硬化剤を用いることができる。
また、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含んでもよい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。
(充填材(B))
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、上記熱硬化性樹脂に加えて、充填材(B)をさらに含んでもよい。
本実施形態に係る充填材(B)としては、無機充填材を用いることができる。上記無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスなどのケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカなどの酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素などの窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸塩などを挙げることができる。これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
また、無機充填材の表面は、表面処理剤などにより表面処理が施されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、シラン系カップリング剤等が挙げられる。
本実施形態に係るシリカは、特に限定されないが、例えば、球状シリカ、および破砕シリカのうちの少なくとも一方を含んでもよい。ソルダーレジスト膜の埋め込み性や表面平滑性を向上させる観点からは、球状シリカを含むことがより好ましい。また、シリカは、たとえば、溶融球状シリカでもよい。
上記充填材(B)の平均粒径D50の下限値は、とくに限定されないが、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。上記充填材の平均粒径D50の上限値は、とくに限定されないが、5.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。
上記充填材(B)の平均粒径D50は、たとえばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。本実施形態において、充填材は1種または2種以上を含んでもよい。
また、熱硬化性樹脂組成物の調製に際しては、シリカとして、たとえばシリカ濃度が10重量%以上90重量%以下であるシリカ原料を使用することがより好ましい。配線基板の機械的強度を向上させる観点からは、たとえばシリカ濃度が50重量%以上90重量%以下であるシリカ原料を使用することがとくに好ましい。また、配線基板のたわみの抑制や、半導体装置の吸湿信頼性を向上させる観点からは、たとえばシリカ濃度が50重量%以上90重量%以下であるシリカ原料と、シリカ濃度が10重量%以上50重量%以下であるシリカ原料と、を併用することがとくに好ましい。
上記充填材(B)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましい。充填材(B)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を用いて得られるソルダーレジスト膜の耐熱性や耐湿性を効果的に向上させることができる。また、ソルダーレジスト膜を低線膨張化および高弾性率化させ、得られる半導体パッケージの反り低減に寄与することも可能である。一方で、充填材(B)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して90重量%以下であることが好ましく、85重量%以下であることがより好ましい。充填材(B)の含有量を上記上限値以下とすることにより、ソルダーレジスト膜の埋め込み性をより効果的に向上させることが可能となる。
(硬化促進剤(D))
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、たとえば硬化促進剤(D)をさらに含むことができる。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。
本実施形態に係る硬化促進剤(D)としては、エポキシ樹脂(A)の硬化反応を促進させるものを用いることができ、その種類はとくに限定されない。
上記硬化促進剤(D)としては、例えば、イミダゾール系化合物、ピリジン系化合物、有機ホスフィン系化合物等が挙げられる。また、硬化促進剤(D)として、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)などの有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの3級アミン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート(TPP−K)、テトラフェニルホスホニウム・テトラキス(4−メチルフェニル)ボレート(TPP−MK)のような四級ホスホニウム系化合物、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾールなどのイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノールなどのフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、およびオニウム塩化合物が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
上記硬化促進剤(D)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0.1重量%以上であることが好ましく、0.3重量%以上であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性をより効果的に向上させることができる。一方で、硬化促進剤(D)の含有量は、たとえば熱硬化性樹脂組成物の全固形分に対して10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物の保存性を向上させることができる。
(着色剤(E))
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、たとえば、着色剤(E)をさらに含むことができる。本実施形態の着色剤(E)は、たとえば緑、赤、青、黄、および黒等の染料、黒色顔料な等の顔料、および色素から選択される一種または二種以上を含む。これらの中でも、開口部の視認性等を向上させる観点から、緑色の着色剤を含むことができるが、緑色染料を含めてもよい。当該緑色の着色剤としては、たとえばアントラキノン系、フタロシアニン系、およびペリレン系等の公知の着色剤を一種または二種以上含むことができる。
(その他の成分(F))
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物には、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、ゴム粒子、増粘剤およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を添加してもよい。
上記カップリング剤としては、たとえばエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤などのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤などが挙げられる。レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。上記難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。また、上記ゴム粒子としては、固体状のゴム粒子であり、熱硬化性樹脂組成物中の成分とも相溶せず、分散状態で存在するものであり、例えば、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリルニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。
本実施形態において、上記熱硬化性樹脂組成物は、ワニス状の樹脂組成物である。ワニス状の熱硬化性樹脂組成物をフィルム状とすることにより、本実施形態の樹脂シートが得られる。
本実施形態の樹脂シートは、たとえばワニス状の熱硬化性樹脂組成物を塗布して得られた塗布膜(樹脂膜)に対して、溶剤除去処理を行うことにより得ることができる。上記樹脂シートは、溶剤含有率が熱硬化性樹脂組成物全体に対して5重量%以下と定義することができる。本実施形態においては、たとえば100℃〜150℃、1分〜5分の条件で溶剤除去処理を行うことができる。これにより、熱硬化性樹脂膜の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
本実施形態において、熱硬化性樹脂組成物をキャリア基材に形成させる方法としては特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物を溶剤などに溶解・分散させて樹脂ワニスを調製して、各種コーター装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法、スプレー装置を用いて樹脂ワニスをキャリア基材に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法、などが挙げられる。これらの中でも、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて、樹脂ワニスをキャリア基材に塗工した後、これを乾燥する方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な樹脂シートの厚みを有するキャリア基材付き樹脂シートを効率よく製造することができる。
(溶剤)
本実施形態において、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物は、たとえば溶剤を含むことができる。
上記溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。
熱硬化性樹脂組成物がワニス状である場合において、熱硬化性樹脂組成物の固形分含有量は、たとえば30重量%以上80重量%以下であることが好ましく、40重量%以上70重量%以下であることがより好ましい。これにより、作業性や成膜性に非常に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られる。なお、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物は、たとえば上述の各成分を、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより調製することができる。
なお、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、たとえばガラス繊維基材等の繊維基材や紙基材を含まないものとすることができる。これにより、ソルダーレジスト膜を形成するためにとくに適した熱硬化性樹脂組成物を実現することができる。
[樹脂シート]
本実施形態に係る樹脂シートは、上記熱硬化性樹脂組成物から得られたフィルムを含むことができる。本実施形態において、樹脂シートは、シート形状でもよく、巻き取り可能なロール形状でもよい。かかる樹脂シートを硬化することによりソルダーレジスト膜を得ることができる。また、上記熱硬化性樹脂組成物の塗布膜を硬化させることにより、ソルダーレジスト膜を得てもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
(実施例1)
[1]熱硬化性樹脂組成物の調製
エポキシ樹脂としてナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、HP−5000)29質量%、フィラーとして球状シリカ粒子(株式会社アドマテックス製、SO−C4、平均粒径1.0μm、フェニルアミノシラン処理)70質量%、硬化促進剤としてテトラフェニルホスホニウム・テトラキス(4−メチルフェニル)ボレート(TPP−MK)0.5質量%、カップリング剤としてエポキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5質量%を、メチルエチルケトンに溶解、分散させた後、高速撹拌装置を用いて1時間撹拌した。これにより、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
[2]キャリア基材付き樹脂シートの作製
上記[1]で調整した樹脂ワニスを、キャリア基材であるPETフィルム上に塗布した。その後、PETフィルム上の樹脂ワニスを、140℃において2分間乾燥して、溶剤を除去し、樹脂シートの厚さが30μmのキャリア基材付き樹脂シート(絶縁性樹脂膜)を得た。
[3]構造体の作製
コア基板の両面に銅箔が積層された銅張積層板(住友ベークライト株式会社製、LαZ4785GS−B)を準備した。この銅張積層板の両面の表面の銅箔をエッチングによりパターニングして、導電体パターンを形成した。これにより、両面の表面に導電体パターンが設けられたコア基板を作製した。
次に、上記[2]で作製したキャリア基材付き樹脂シートの絶縁性樹脂膜を、得られたコア基板の導電体パターンが設けられた上面・下面のそれぞれの面に対向させて、真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形させた後、120℃、45分の条件で加熱処理を行った。その後、キャリア基材を除去することにより、絶縁性樹脂膜、コア基板、絶縁性樹脂膜がこの順番で積層された構造体を作製した。
[4]マスクの形成
ロールラミネーターを用いて、温度80℃、速度0.5m/min、圧力0.5MPaの条件で、マスクとしてドライフィルムレジスト(DFR、厚み:30μm、旭化成社製、AQ3058)を、上面側の絶縁性樹脂膜上にラミネートした。その後、露光によりパターニングし、炭酸ナトリウム水溶液にて現像し、マスクに開口パターンを形成した。開口パターンを形成した後、マスクに対して1000mJの露光処理を行った。
[5]絶縁性樹脂膜への開口部の形成
次に、開口部が形成されたドライフィルムレジストをマスクとして、絶縁性樹脂膜に対して、液温が80℃の非ヒドラジン系薬液(三菱製紙製、IE−300、5〜40質量%のN−(β−アミノエチル)エタノールアミンと15〜45質量%の水酸化カリウムとを含有する水溶液)を使用して浸漬処理を行い、コア基板上のランドが露出するように、絶縁性樹脂膜に開口部を形成した。開口部を形成した後、ドライフィルムレジストを剥離し、その後、構造体を220℃の乾燥装置で60分間加熱することにより、Bステージ状態の絶縁性樹脂膜を硬化させて、ソルダーレジスト膜を形成した。
[6]めっき処理
次に、ソルダーレジスト膜の開口部に露出した導電体パターン(ランド)上にめっき層を形成した。具体的には、無電解ニッケルめっき層3μmを形成し、さらにその上に無電解金めっき層0.1μmを形成した。これにより、プリント配線板を得た。
(比較例1)
上記浸漬処理において、非ヒドラジン系薬液に代えて、液温が40℃のヒドラジン系薬液(三菱ガス化学社製、ELM−E3)を使用した以外は、実施例1と同様にして、プリント配線板を得た。
実施例および比較例のプリント配線板の製造方法において、以下に示す評価項目について評価を実施した。
(開口時間)
実施例1において、浸漬処理後、開口部内の導電パターンが露出するまでの開口時間は、60秒であり、一方、比較例1における開口時間は、8分であった。
以上の結果から、実施例1は、比較例1に比べて、ソルダーレジスト膜中において開口部を短時間に形成できることが分かった。
以上、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
8 キャリア基材
10 ソルダ−レジスト膜
11 面
12 ドライフィルムレジスト
13 面
14 硬化膜
20 配線基板
21 開口部
22 コア基板
24 導電パターン
28 開口部
30 半田ボール
40 封止樹脂層
50 ボンディングワイヤ
60 半導体素子
62 ダイアタッチ材
102 半導体パッケージ
242 ライン
244 ランド
246 めっき膜

Claims (12)

  1. 高分子フィルムで構成されるキャリア基材上にソルダーレジスト膜が形成されたキャリア基材付き樹脂シートを準備する工程と、
    回路基板の表面に形成された導電パターンを前記ソルダーレジスト膜で埋め込むように、前記回路基板の前記表面に前記キャリア基材付き樹脂シートの前記ソルダーレジスト膜を配向配置する工程と、
    前記キャリア基材を分離することにより、前記ソルダーレジスト膜の表面を露出させる工程と、
    前記ソルダーレジスト膜の露出した前記表面に、ドライフィルムレジストを形成する工程と、
    前記ドライフィルムレジストを選択的に除去することによりパターニングする工程と、
    パターニングした前記ドライフィルムレジストを介して、N−(β−アミノエチル)エタノールアミンを含有する水溶液を用いたウェットエッチングにより、前記ソルダーレジスト膜を選択的に除去することにより、前記導電パターンの一部が露出した開口部を形成する開口部形成工程と、
    前記ドライフィルムレジストを除去する工程と、を含む、配線基板の製造方法。
  2. 請求項1に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記水溶液は、水酸化カリウムをさらに含有する、配線基板の製造方法。
  3. 請求項2に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記水溶液は、
    15質量%以上45質量%以下の水酸化カリウムおよび5質量%以上40質量%以下のN−(β−アミノエチル)エタノールアミンを含有する、配線基板の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記ドライフィルムレジストをパターニングする工程は、
    前記ドライフィルムレジストに対して、選択的に露光処理した後、現像処理によって前記ドライフィルムレジストの一部を除去する工程と、
    残存した前記ドライフィルムレジストに対して、再び露光処理または加熱処理する工程と、を含む、配線基板の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記開口部形成工程において、前記ソルダーレジスト膜はBステージ状態である、配線基板の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記ソルダーレジスト膜を選択的に除去した後、前記ソルダーレジスト膜を加熱により硬化する工程をさらに含む、配線基板の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記ソルダーレジスト膜は、熱硬化性樹脂と無機充填材とを含む、配線基板の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記ドライフィルムレジストの厚さが、3μm以上50μm以下である、配線基板の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記開口部形成工程の後、前記開口部内を中和する工程をさらに含む、配線基板の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記ソルダーレジスト膜の厚さが、3μm以上50μm以下である、配線基板の製造方法。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法であって、
    前記導電パターンを構成する金属が、銅、金、銀からなる群から選択される一種以上を含む、配線基板の製造方法。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法で得られた配線基板の上に半導体素子を実装する工程、を含む、半導体装置の製造方法。
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