JP4867642B2 - ソルダーレジスト用樹脂組成物およびソルダーレジスト用樹脂シート、回路基板並びに回路基板の製造方法、回路基板を用いた半導体パッケージ。 - Google Patents
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Description
これらの半導体パッケージ方式では、従来型半導体パッケージに用いるリードフレームの代わりに、サブストレートまたはインターポーザーなどの、プラスチックやセラミックスなど各種材料を使って構成される半導体チップ搭載用プリント回路基板を使用して、半導体チップの電極とプリント回路基板の電気的接続を行っている。この半導体チップ搭載用プリント回路基板上に構成される回路は、小型薄型化・高密度化した電子機器内に導入されるものであり、一般的なプリント回路基板に比べて、基板厚が非常に薄く、配線が非常に細線化・高密度化が進んだものとなる。そこで、このようなパッケージの形式では、半導体チップとプリント回路基板の電極との電気的接続を行う際に、半田リフローなどにより、高温雰囲気で微細配線が接続されることより、この微細配線を保護する必要が生じる。その保護層として、種々の樹脂組成のソルダーレジストが開発されている。
また本発明の目的は、低線膨張率を有し、耐熱性、熱衝撃性、耐湿性の信頼性に優れ、レーザー照射により良好な微細開口可能なソルダーレジストを提供するものである。
さらに、上記ソルダーレジストを用いて作製した回路基板、半導体パッケージは、耐熱性、熱衝撃性、耐湿性の信頼性に優れるものである。
[1]シアネート樹脂および/またはそのプレポリマー、実質的にハロゲン原子を含まないエポキシ樹脂、実質的にハロゲン原子を含まないフェノキシ樹脂、イミダゾール化合物、並びに無機充填材を必須成分とすることを特徴とするソルダーレジスト用樹脂組成物。[2]前記シアネート樹脂が、ノボラック型シアネート樹脂である上記[1]に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
[3]前記エポキシ樹脂が、アリールアルキレン型エポキシ樹脂である上記[1]または[2]に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
[4]前記フェノキシ樹脂が、ビフェニル骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールA骨格の一種または複数種を含むフェノキシ樹脂を単品あるいは複数種混合したフェノキシ樹脂である上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
[5]前記イミダゾール化合物は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヒドロキシアルキル基、および、シアノアルキル基の中から選ばれる官能基を2個以上有しているものである上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
[6]前記樹脂組成物中に含まれるNaイオン、Clイオンが各々10ppm以下である上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
[7]ソルダーレジスト用樹脂組成物は、さらに着色剤としてハロゲンを含まない青色顔料とハロゲンを含まない黄色顔料および/またはハロゲンを含まない橙色顔料とを含むものである、上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。[8]前記ハロゲンを含まない黄色顔料および/またはハロゲンを含まない橙色顔料の合計量と、前記ハロゲンを含まない青色顔料の量とが、重量比1:10〜10:1割合で調合された着色剤である、上記[7]に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
[9]前記ハロゲンを含まない黄色顔料がベンズイミダゾロンイエローである上記[7]または[8]に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
[10]前記ハロゲンを含まない青色顔料が銅フタロシアニンブルーである上記[7]〜[9]のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
[11]前記着色剤の含有量が、ソルダーレジスト用樹脂組成物に対して0.01〜5重量%である上記[7]〜[10]のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
[12]上記[1]〜[11]のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を基材上に形成してなるソルダーレジスト用樹脂シート。
[13]上記[12]記載のソルダーレジスト用樹脂シートを回路が形成された基板に積層し、ソルダーレジスト層を形成する工程、レーザー照射によりソルダーレジスト層に開口部を形成する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
[14]上記[13]記載の製造方法により作製したことを特徴とする回路基板。
[15]上記[14]記載の回路基板に半導体チップを搭載して作製したことを特徴とする半導体パッケージ。
本発明の樹脂組成物は、シアネート樹脂および/またはそのプレポリマーを含有する。これにより、難燃性を向上させることができる。
シアネート樹脂および/またはそのプレポリマーの入手方法としては特に限定されないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させ、必要に応じて加熱などの方法でプレポリマー化することにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
これらの中でも、ノボラック型シアネート樹脂が好ましい。これにより、架橋密度の増加により耐熱性を向上させることができるとともに、難燃性をさらに向上させることができる。ノボラック型シアネート樹脂は、その構造上ベンゼン環の割合が高く、炭化しやすいためと考えられる。
なお、ノボラック型シアネート樹脂は、例えばノボラック型フェノール樹脂と、塩化シアン、臭化シアンなどの化合物とを反応させることにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
重量平均分子量が、小さすぎると得られる樹脂の機械的強度が低下する場合がある一方で、大きすぎると樹脂組成物の硬化速度が大きくなるため保存性が低下する場合ある。重量平均分子量を上記の範囲とすることで、得られる樹脂組成物は両者のバランスに優れたものとなる。
ここでプレポリマーとは、通常、上記シアネート樹脂を加熱反応などにより、例えば3量化することで得られるものであり、樹脂組成物の成形性、流動性を調整するために好ましく使用されるものである。
ここでプレポリマーとしては特に限定されないが、例えば、3量化率が20〜50重量%であるものを用いることができる。この3量化率は、例えば赤外分光分析装置を用いて
求めることができる。
ここで、シアネート樹脂の含有量が小さすぎるとシアネート樹脂による高耐熱性化する効果が低下する場合がある一方で、大きすぎると架橋密度が高くなり自由体積が増えるため、耐湿性が低下する場合がある。シアネート樹脂の含有量を上記の範囲とすることで、シアネート樹脂の使用による効果は両者のバランスに優れるものとなる。
ここで、アリールアルキレン型エポキシ樹脂とは、繰り返し単位中に一つ以上のアリールアルキレン基を有するエポキシ樹脂を指し、例えばキシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂が好ましい。ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂は、例えば下記一般式(2)で示されるものを用いることができる。
エポキシ樹脂の重量平均分子量が小さすぎると、得られる樹脂組成物を用いて形成される樹脂付き金属箔や基材付き絶縁シートにタック性が生じる場合がある一方で、大きすぎると半田耐熱性が低下する場合がある。上記の範囲とすることで、エポキシ樹脂の使用による効果は両者のバランスに優れるものとなる。
エポキシ樹脂の含有量が小さすぎると、エポキシ樹脂による吸湿半田耐熱性、密着性を向上させる効果が低下する場合がある一方で、大きすぎると、相対的にシアネート樹脂の含有量が少なくなるため、得られる樹脂組成物の低熱膨張性が低下する場合がある。エポキシ樹脂の含有量を上記の範囲とすることで、エポキシ樹脂の使用による効果は両者のバランスに優れるものとなる。
これらの中でも、ビフェニル骨格と、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格を有するものを用いることが好ましい。ビフェニル骨格が有する剛直性によりガラス転移温度を高くすることができ、ビスフェノールS骨格により難燃性が向上し、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格により可とう性が向上する。
また、ビフェニル骨格とビスフェノールS骨格とを有するフェノキシ樹脂が好ましく、これによりガラス転移温度を高くでき難燃性も向上する。
さらに好ましくは、ビスフェノールA骨格とビスフェノールF骨格とを有するフェノキシ樹脂とビフェニル骨格とビスフェノールS骨格とを有するフェノキシ樹脂を併用することであり、これらの特性をバランスよく発現させることができる。
上記ビスフェノールA骨格とビスフェノールF骨格とを有するもの(a)と、上記ビフェニル骨格とビスフェノールS骨格とを有するもの(b)とを併用する場合、その併用比率としては特に限定されないが、例えば、(a):(b)=2:8〜9:1とすることができる。
スに優れるものとなる。
イミダゾール化合物としては特に限定されないが、例えば、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールなどを挙げることができる。
これらの中でも、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヒドロキシアルキル基、および、シアノアルキル基の中から選ばれる官能基を2個以上有しているイミダゾール化合物が好ましく、特に2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。このようなイミダゾール化合物の使用により、樹脂組成物の耐熱性を向上させることができるとともに、この樹脂組成物で形成される樹脂層に低熱膨張性、低吸水性を付与することができる。
溶融シリカの形状としては、破砕状、球状があるが、球状のものが好ましい。このような形状の溶融シリカの使用により、樹脂組成物中における配合量を多くすることができ、その場合でも良好な流動性を付与することができる。
無機充填材の平均粒径が小さすぎると、本実施形態の樹脂組成物を用いて樹脂ワニスを調製する際に、樹脂ワニスの粘度が高くなるため、樹脂付き金属箔や基材付き絶縁シートを作製する際の作業性に影響を与える場合がある一方で、大きすぎると、樹脂ワニス中で無機充填材の沈降などの現象が起こる場合がある。無機充填材の平均粒径を上記の範囲とすることで、無機充填材の使用による効果は、両者のバランスに優れるものとなる。
また、上記無機充填剤は予め、樹脂組成物を溶解可能な溶媒中に分散することが好ましい。これより無機充填剤の分散性、樹脂ワニス調合の作業性が向上する。
無機充填材の含有量が小さすぎると、無機充填材による低熱膨脹性、低吸水性を付与する効果が低下する場合がある一方で、大きすぎると、樹脂組成物の流動性の低下により成形性が低下する場合がある。無機充填材の含有量を上記の範囲とすることで、無機充填材の使用による効果は、両者のバランスに優れるものとなる。
前記着色剤に含まれる、青色顔料としては、その化合物構造中に、ハロゲン原子を含まない青色顔料であれば特に限定されるものでない。
例えば、銅フタロシアニンブルー(C.I.Pigment Blue 15)、無金属フタロシアニンブルー(C.I.Pigment Blue 16)、チタニルフタロシアニンブルー、鉄フタロシアニンブルー、ニッケルフタロシアニンブルー、アルミフタロシアニンブルー、錫フタロシアニンブルー、アルカリブルー(C.I.Pigment
Blue 1,2,3,10,14,18,19,24,56,57,61)、スルホン化CuPc(C.I.Pigment Blue 17)、紺青(C.I.PigmentBlue 27)、群青(C.I.Pigment Blue 29)、コバルトブルー(C.I.Pigment Blue28)、スカイブルー(C.I.Pigment Blue 35)、Co(Al,Cr)2O4(C.I.Pigment Blue 36)、ジスアゾ(C.I.Pigment Blue 25,26)、インダントロン(C.I.Pigment Blue 60)、インジゴ(C.I.Pigment Blue 63,66)、コバルトフタロシアニン(C.I.Pigment Blue 75)などが挙げられるが、これらの中でも、無金属のフタロシアニン、銅フタロシアニンブルーが好ましい。
限定されるものではない。黄色顔料の例として、モノアゾイエロー(C.I.Pigment Yellow 1,4,5,9,65,74)、ベンズイミダゾロンイエロー(C.I.Pigment Yellow 120,151,175,180,181,194)、フラバントロンイエロー(C.I.Pigment Yellow 24)、アゾメチルイエロー(C.I.Pigment Yellow 117,129)、アントラキノンイエロー(C.I.Pigment Yellow 123,147)、イソインドリンイエロー(C.I.Pigment Yellow 139,185)、ジスアゾイエロー(C.I.Pigment Yellow 155)、縮合多環系(C.I.Pigment Yellow 148,182,192)、酸化鉄(C.I.Pigment Yellow 42)、ジスアゾメチン(C.I.Pigment Yellow
101)、アゾレーキ(C.I.Pigment Yellow 61,62,100,104,133,168,169)、金属錯体(C.I.Pigment Yellow 150,153,177,179)などが挙げられ、特にベンズイミダゾロンイエロー(C.I.Pigment Yellow 151)が好ましい。
予め溶剤に分散させる場合の溶剤の量としては顔料1重量部に対し2〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは4〜10重量部である。2重量部より少ないとうまく分散できず、20重量部より多いと溶媒が多くなりソルダーレジスト樹脂組成物と混ぜたさいに、溶剤を除去するのに時間を要する。
また着色剤がソルダーレジスト樹脂組成物中に含まれる割合としてはソルダーレジスト樹脂組成物中の0.01重量%〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1重量%
〜5重量%である。0.01重量%未満であると色合いが薄く、ソルダーレジスト下の回路が容易に見える。10重量%より多く添加した場合、色が濃くなりレーザー開口するさいにパッドをレーザー照射装置で認識できなくなる。
また、本実施形態のソルダーレジスト樹脂組成物は、Naイオン、Clイオンは各々10ppm以下であることが好ましい。これにより、樹脂組成物の耐湿信頼性、特に高温加湿時の耐イオンマイグレーション性が向上する。
本発明のソルダーレジスト用樹脂組成物は、例えば、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物を、導体回路が設けられた絶縁層に、通常1〜60μm程度の厚みで塗布し、60〜180℃程度の温度で、5〜10分間程度の熱処理を行うことにより、ソルダーレジスト中の溶剤を除去して、100℃〜200℃で1〜5時間硬化させ使用することができる。
本発明のソルダーレジスト用樹脂シートは、上記樹脂組成物で構成される樹脂層を基材に形成してなるものである。
ここで、樹脂組成物を基材に形成させる方法としては特に限定されないが、例えば、樹脂組成物を溶剤などに溶解・分散させて樹脂ワニスを調製して、各種コーター装置を用いて樹脂ワニスを基材に塗工した後、これを乾燥する方法、樹脂ワニスをスプレー装置を用いて基材に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法、などが挙げられる。
これらの中でも、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて、樹脂ワニスを基材に塗工した後、これを乾燥する方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な絶縁樹脂層の厚みを有するソルダーレジスト用樹脂シートを効率よく製造することができる。
上記樹脂ワニス中の固形分含有量としては特に限定されないが、30〜80重量%が好ましく、特に40〜70重量%が好ましい。
上記基材の厚みとしては特に限定されないが、10〜100μmのものを用いると、ソルダーレジスト用樹脂シートを製造する際の取り扱い性が良好であり好ましい。
また、ソルダーレジスト用樹脂シートの絶縁樹脂層と接合される側にカバーフィルムを形成しても良い。これにより、絶縁層樹脂表面の異物の付着や傷を防ぐことができる。
なお、本発明のソルダーレジスト用樹脂シートを製造するにあたっては、絶縁樹脂層と接合される側の絶縁基材表面の凹凸は極力小さいものであることが好ましい。これにより、本発明の作用を効果的に発現させることができる。
本発明の回路基板は、前記ソルダーレジスト用樹脂シートを回路が形成された基板に積層することにより回路基板として用いることができる。例えば多層ビルドアップ回路基板からなるモジュール接続用基板のリジッド部分、フリップチップBGA搭載用インターポーザー、受動部品乃至前記インターポーザー搭載用マザーボードなどの回路基板に、開口したい部分に、炭酸ガスレーザー、3次高調波UV-YAGレーザー、4次高調波UV−
YAGレーザーおよびエキシマレーザーなどのレーザー照射によりパターニングを行う。開口径が20〜100μmである場合、3次高調波UV−YAGレーザー、4次高調波UV−YAGレーザーおよびエキシマレーザーが好ましく、微細加工性などから、3次高調波UV−YAGレーザーがより好ましく、4次高調波UV−YAGレーザーがさらに好ましく、エキシマレーザーが特に好ましい。またその開口径が40μm〜300μmである場合、炭酸ガスレーザーにて加工することが望ましい。開口後、例えば、過マンガン酸塩溶液(デスミアの薬液)に侵し、開口部の樹脂残渣(スミア)を除去することができる。また、プラズマなどのドライエッチング方式により樹脂残渣を除去することもできる。
さらに、上記で得た開口部が設けられた基板には例えば半導体チップを搭載することができる。
れるものではない。
(1)シアネート樹脂A/ノボラック型シアネート樹脂:ロンザ社製・「プリマセットPT−30」、重量平均分子量700
(2)シアネート樹脂B/ノボラック型シアネート樹脂:ロンザ社製・「プリマセットPT−60」、重量平均分子量2600
(3)エポキシ樹脂/ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂:日本化薬社製・「NC−3000」、エポキシ当量275、重量平均分子量2000
(4)フェノキシ樹脂A/ビフェニルエポキシ樹脂とビスフェノールSエポキシ樹脂との共重合体であり、末端部はエポキシ基を有している:ジャパンエポキシレジン社製・「YX−8100H30」、重量平均分子量30000)
(5)フェノキシ樹脂B/ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との共重合体であり、末端部はエポキシ基を有している:ジャパンエポキシレジン社製・「エピコート4275」、重量平均分子量60000)
(6)硬化触媒/イミダゾール化合物:四国化成工業社製・「2−フェニル−4,5−ジヒ
ドロキシメチルイミダゾール」
(7)無機充填材/球状溶融シリカ:アドマテックス社製・「SO−25H」、平均粒径0.5μm
(8)カップリング剤/エポキシシランカップリング剤:日本ユニカー社製・「A−187」
(9)着色剤/フタロシアニンブルー:ベンゾイミダゾロン:メチルエチルケトン(=1
:1:8)混合物(山陽色素社製)
シアネート樹脂A25重量部、エポキシ樹脂25重量部、フェノキシ樹脂A10重量部、硬化触媒0.4重量部をメチルエチルケトンに溶解、分散させた。さらに、無機充填材39重量部とカップリング剤0.2重量部、着色剤0.4重量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形分50重量%のソルダーレジスト用樹脂ワニス1を調製した。得られた樹脂ワニスを、PET基材フィルム上に、30μmの厚みで塗布し、150℃で10分熱処理し、溶剤を除去して固形化し、PET基材付き樹脂フィルムを作製し、さらに、必要に応じて、樹脂フィルム上に、PPカバーフィルムを積層してソルダーレジスト用樹脂シートを作製し、各種評価を行った。
シアネート樹脂A15重量部、シアネート樹脂B10重量部、エポキシ樹脂25重量部、フェノキシ樹脂A10重量部、硬化触媒0.4重量部をメチルエチルケトンに溶解、分散させた。さらに、無機充填材39重量部とカップリング剤0.2重量部、着色剤0.4重量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形分50重量%のソルダーレジスト用樹脂ワニス2を調製した。実施例1で用いたソルダーレジスト用樹脂ワニス1をソルダーレジスト用樹脂ワニス2に替えた以外は実施例1と同様にして、ソルダーレジスト用樹脂シートを作製し、各種評価を行った。
シアネート樹脂A30重量部、エポキシ樹脂15重量部、フェノキシ樹脂A10重量部、フェノキシ樹脂B5重量部、硬化触媒0.4重量部をメチルエチルケトンに溶解、分散させた。さらに、無機充填材39重量部とカップリング剤0.2重量部、着色剤0.4重量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形分50重量%のソルダーレジスト用樹脂ワニス3を調製した。実施例1で用いたソルダーレジスト用樹脂ワニス1
をソルダーレジスト用樹脂ワニス3に替えた以外は実施例1と同様にして、ソルダーレジスト用樹脂シートを作製し、各種評価を行った。
シアネート樹脂A30重量部、シアネート樹脂B10重量部、エポキシ樹脂20重量部、フェノキシ樹脂A5重量部、フェノキシ樹脂B5重量部、硬化触媒0.4重量部をメチルエチルケトンに溶解、分散させた。さらに、無機充填材29重量部とカップリング剤0.2重量部、着色剤0.4重量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形分50重量%のソルダーレジスト用樹脂ワニス4を調製した。実施例1で用いたソルダーレジスト用樹脂ワニス1をソルダーレジスト用樹脂ワニス4に替えた以外は実施例1と同様にして、ソルダーレジスト用樹脂シートを作製し、各種評価を行った。
実施例1において、エポキシ樹脂の全量をシアネート樹脂Aに替えた以外は、実施例1と同様にして実施した。
実施例1において、シアネート樹脂Aの全量をエポキシ樹脂に替えた以外は、実施例1と同様にして実施した。
アクリル系樹脂を主骨格とする組成のドライフィルム型感光性ソルダーレジスト(PFR800−AUS402:太陽インキ製造社製)を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施した。
[ガラス転移温度測定]
常圧ラミネータを用い、上記で作製したソルダーレジスト用樹脂シートの樹脂層を3枚積層して、90μm厚のフィルムを作製し、200℃、1時間で硬化したものを試験片(幅5mm×長さ30mm×厚さ90μm)に切り出して用いた。
測定には、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメント社製 DMS6100)を用い3℃/分の割合で昇温しながら、周波数10Hzの歪みを与えて動的粘弾性の測定を行い、tanδのピーク値からガラス転移温度(Tg)を判定した。
常圧ラミネータを用い、上記で作製したソルダーレジスト用樹脂シートの樹脂層を2枚積層して、60μm厚のフィルムを作製し、試験片(幅3mm×長さ20mm×厚さ60μm)を成形し、200℃、1時間で硬化したものを試験片(幅3mm×長さ20mm×厚さ60μm)に切り出して用いた。
測定にはTMA(TAインスツルメント(株)製)を用いて線膨張係数を10℃/分で測定した。ガラス転移温度以下の線膨張係数α1は30℃から50℃の平均で判定し、ガラス転移温度以上の線膨張係数α2はガラス転移温度〜ガラス転移温度+20℃の平均で判定した。
上記で作製したソルダーレジスト用樹脂シート(樹脂厚30μm)を70μm厚銅箔の光沢面に常圧ラミネータを用い形成し、PETを剥離し、200℃、1時間で硬化させた。次に樹脂表面に銀ペーストにて80mmφの電極を印刷し、150℃、1時間で乾燥させ試験片とした。測定にはプレシジョンメーター4284A(ヒューレット・パッカード社製)を用いて周波数1MHzにおける電気容量および誘電正接を測定した。誘電率は電
気容量と樹脂厚み、電極面積を併用して、算出した。
上記で作製したソルダーレジスト用樹脂シート(樹脂厚30μm)からPETを剥離したものを、200℃、1時間硬化させ、凍結粉砕により250μm以下粉砕し、粉末試料3gをプレッシャークッカー容器に精秤し、超純水40mlを加え容器を密閉し、手動で1分間振とうし、試料を水と馴染ませた。
125℃に設定されたオーブンに容器を投入し、連続20時間加熱加圧処理を行い、室温まで放冷後、内溶液を遠心分離したものを検液とした。その液をイオンクロマト法により分析した。
銅張り積層板(住友ベークライト社製ELC−4785GS:厚み1.2mm)をエッチング処理して形成した導体回路パターンを形成し、さらに脱脂、ソフトエッチングなどの前処理を施し、 上記で得られたソルダーレジスト用樹脂シートをラミネートし、20
0℃で1時間熱硬化処理を行い、UL-94規格、垂直法により測定した。
これらの評価結果を表1に示した。
銅張り積層板(住友ベークライト社製ELC-4785GS:厚み1.2mm)をエッ
チング処理して形成した導体回路パターンを形成し、さらに脱脂、ソフトエッチングなどの前処理を施し、実施例1で得られたソルダーレジスト用樹脂シートをラミネートし、200℃で1時間熱硬化処理を行い、UV-YAGレーザー(MITSUBISHI社製6
05LDX)を用い回路パターンの対応する個所にレーザー光を照射し、直径(ランド径)50μmの開口を行った。その後、過マンガン酸塩溶液(デスミアの薬液)に侵し、開口部の樹脂残渣(スミア)を除去した。さらにエンプレートMLB-790(メルテック
社製の硫酸ヒドロキシルアミン水溶液を主成分とする溶液)と濃硫酸および蒸留水の混合液に60〜65℃で、5〜10分間浸漬し、中和処理した。その後、金メッキ処理又はプリフラックス処理を行い、50mm角に切断し回路基板を作製した。さらに、この回路基板にバンプを形成した半導体チップをバンプに溶融による接合により搭載し半導体パッケージを作製し、以下の評価を実施した。
上記作製した半導体パッケージ15個を125℃、相対湿度100%の水蒸気中で、20Vの電圧を印加し、断線不良を調べた。100時間毎に15個の半導体パッケージの不良を確認し、不良が8個未満であれば○、8個以上になれば×とした。なお8個以上不良が発生した時点でそのサンプルの測定は中止した。
断線不良は100時間毎に125℃、相対湿度100%の水蒸気中の漕よりサンプルを取出し、半導体パッケージの外周部に設けられた導通測定用パッドを導通試験機(HIOKI:X=YC Hightester111 6)により断線発生の有無を検証した。
この結果を表2に示す。
上記耐湿性試験において用いたものと同様の半導体パッケージ10個を、125℃で24時間、乾燥処理を行い、JEDEC LEVEL3処理に従い65℃/60%相対湿度の恒温恒湿槽に入れ、40時間放置した。その後、IRリフロー(N2フロー中)に3回通し、−55℃と125℃の槽が瞬時に入れ替わる装置(ESPEC製THERMAL SHCK CHAMBER TSA-101S)に半導体パッケージを10個投入し12
5℃30分後、−55℃30分を1サイクルとし、250サイクル毎、1000サイクル後までの導通試験、剥離観察を行った。
導通試験では半導体パッケージの外周部に設けられた導通測定用パッドを導通試験機(HIOKI:X=YC Hightester111 6)により接合不良または回路の断線発生の有無を検証した。
剥離観察では、半導体チップが搭載された面の剥離、クラックをSATにより観察した。この結果を表2に示す。
実施例1で得られたソルダーレジスト用樹脂シートに替えて、実施例2〜4、比較例1〜3で得られたソルダーレジスト用樹脂シートを用いた以外は実施例1Aと同様にして半導体パッケージを作製し、耐湿性試験、熱衝撃性試験を行った。その結果を表2に示す。
実施例1A〜4Aと比較例1A〜3Aの評価結果から、実施例は、高耐熱性であり、線膨張係数が小さいことから熱衝撃性にも優れ、耐湿性にも優れる。
比較例1Aは、エポキシ樹脂がないため、シアネートの架橋が支配するため自由体積が大きくなり、吸湿しやすくなるためと推定されるが、耐湿性に劣っていた。比較例2Aはシアネート樹脂がないため難燃性が低くなり、従って熱衝撃性が低下したと推定される。比較例3Aは耐熱性が低く、線膨張係数も大きいためと推定されるが、耐湿性、熱衝撃性が劣る結果となった。
銅張り積層板(住友ベークライト社製ELC−4785GS:厚み0.8mm、銅箔厚み12μm)をエッチング処理し、回路幅/回路間幅が50μm/50μmの櫛歯パターンを形成した。さらに脱脂、ソフトエッチングなどの前処理を施し、実施例1で得られた
ソルダーレジスト用樹脂シートをラミネートし、200℃で1時間熱硬化処理を行い、耐湿性(耐イオンマイグレーション試験)試験用回路基板を得た。
[耐湿性試験(耐イオンマイグレーション試験)]
耐湿性(耐イオンマイグレーション性)試験用回路基板を85℃、相対湿度85%の雰囲気下で、DC50Vの電圧を印加し、絶縁抵抗値の経時変化をマルチ絶縁抵抗測定器(装置名:SIR12、楠本化成(株)社製)により評価した。0〜1、000時間後の絶縁抵抗値が常に1×106Ω以上であり、イオンマイグレーションが確認されず、良好な結果であった、
実施例1で得られたソルダーレジスト用樹脂シートに替えて、実施例2〜4で得られたソルダーレジスト用樹脂シートを用いた以外は実施例1Bと同様にして耐湿性(耐イオンマイグレーション試験)試験用回路基板を作製し、耐湿性(耐イオンマイグレーション試験)試験を行った。いずれのサンプルも0〜1、000時間後の絶縁抵抗値が常に1×106Ω以上であり、イオンマイグレーションが確認されず、良好な結果であった、
Claims (15)
- シアネート樹脂および/またはそのプレポリマー、実質的にハロゲン原子を含まないエポキシ樹脂、実質的にハロゲン原子を含まないフェノキシ樹脂、イミダゾール化合物、並びに無機充填材を必須成分とすることを特徴とするソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記シアネート樹脂が、ノボラック型シアネート樹脂である請求項1に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、アリールアルキレン型エポキシ樹脂である請求項1または2に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記フェノキシ樹脂が、ビフェニル骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールA骨格の一種または複数種を含むフェノキシ樹脂を単品あるいは複数種混合したフェノキシ樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記イミダゾール化合物は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヒドロキシアルキル基、および、シアノアルキル基の中から選ばれる官能基を2個以上有しているものである請求項1〜4のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物中に含まれるNaイオン、Clイオンが各々10ppm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- ソルダーレジスト用樹脂組成物は、さらに着色剤としてハロゲンを含まない青色顔料とハロゲンを含まない黄色顔料および/またはハロゲンを含まない橙色顔料とを含むものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記ハロゲンを含まない黄色顔料および/またはハロゲンを含まない橙色顔料の合計量と、前記ハロゲンを含まない青色顔料の量とが、重量比1:10〜10:1割合で調合された着色剤である、請求項7に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記ハロゲンを含まない黄色顔料がベンズイミダゾロンイエローである請求項7または8に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記ハロゲンを含まない青色顔料が銅フタロシアニンブルーである請求項7〜9のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 前記着色剤の含有量が、ソルダーレジスト用樹脂組成物に対して0.01〜5重量%である請求項7〜10のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載のソルダーレジスト用樹脂組成物を基材上に形成
してなるソルダーレジスト用樹脂シート。 - 請求項12記載のソルダーレジスト用樹脂シートを回路が形成された基板に積層し、ソルダーレジスト層を形成する工程、レーザー照射によりソルダーレジスト層に開口部を形成する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
- 請求項13記載の製造方法により作製したことを特徴とする回路基板。
- 請求項14記載の回路基板に半導体チップを搭載して作製したことを特徴とする半導体パッケージ。
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