JP5446864B2 - 多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物、基材付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板及び半導体装置 - Google Patents

多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物、基材付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物、基材付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板及び半導体装置に関するものである。
近年、電子機器の高機能化等の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、更には高密度実装化等が進んでおり、これらに使用される高密度実装対応のプリント配線板等は、従来にも増して、小型化かつ高密度化が進んでいる。このプリント配線板等の高密度化への対応として、ビルドアップ方式による多層プリント配線板が多く採用されている。
ビルドアップ方式による多層プリント配線板は、通常、樹脂組成物で構成される厚さ100μm以下の絶縁層と導体回路層とを積層成形して製造される。また、導体回路層間の接続方法としては、従来のドリル加工に代わって、レーザー法、フォト法等によるビアホールの形成が挙げられる。これらの方法は、小径のビアホールを自由に配置することで高密度化を達成するものであり、各々の方法に対応した各種ビルドアップ用層間絶縁材料が提案されている。
しかしながら、レーザー照射による開孔後、開孔部の樹脂残渣除去工程でデスミア性が低下するという問題があった。
この問題は、近年の高密度集積化に伴う微細配線加工が要求される場合、また多層プリント配線板の反りを抑制するべく、樹脂組成物の線熱膨張係数を下げた場合に顕著に生じた。
特開平07-106767号公報 特開2002−305374号公報 特開2003−73543号公報
本発明は、多層プリント配線板作製工程におけるレーザー照射後の樹脂残渣除去工程でデスミア性に優れる多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物、並びに基材付き絶縁樹脂シートを提供するものであり、本願発明の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物を用いた熱衝撃性や吸湿半田耐熱性等の信頼性に優れる多層プリント配線板、および半導体装置を提供するものである。
このような目的は、下記(1)〜(10)に記載の本発明により達成される。
(1) 多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物であって、
(A)アミノシランカップリング剤
(B)平均粒径が2.0μm以下のシリカ
(C)エポキシ樹脂
(D)フェノキシ樹脂
を必須成分とし、前記(B)シリカは予め前記(A)アミノシランカップリング剤で表面処理されておらず、前記(C)エポキシ樹脂を樹脂組成物の14重量%以上79重量%以下含有し、樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数が、25℃から150℃の範囲において35ppm以下であり、且つ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)が190℃以下であって、樹脂組成物の最低動的粘度が、2000Pa・s以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(2) 前記(A)アミノシランカップリング剤は、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランである(1)に記載の樹脂組成物。
(3) 前記(B)シリカの比表面積が1.0m/g以上200m/g以下である(1)又は(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 前記(B)シリカの含有量が、樹脂組成物の20重量%以上85重量%以下である(1)乃至(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5) 前記(C)エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である(1)乃至(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6) 前記樹脂組成物は、さらに窒素原子を含む硬化促進剤を含むものである(1)乃至(5)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(7) 前記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、及びビスフェノールS骨格よりなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格を有するフェノキシ樹脂である(1)乃至(6)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(8) (1)乃至(7)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる絶縁層を基材上に形成してなる基材付き絶縁樹脂シート。
(9) (8)に記載の基材付き絶縁樹脂シートを内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱加圧成型してなる多層プリント配線板。
(10) (9)に記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。
本発明は多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物からなる絶縁層を基材上に形成してなる基材付き絶縁樹脂シートは、多層プリント配線板作製工程におけるレーザー照射後の樹脂残渣除去工程においてデスミア性に優れ、また該多層プリント配線板用樹脂組成物を用いた多層プリント配線板、半導体装置は、熱衝撃性や吸湿半田耐熱性等の信頼性に優れる。
以下に本発明の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物は、
(A)アミノシランカップリング剤
(B)平均粒径が2.0μm以下のシリカ
(C)エポキシ樹脂
(D)フェノキシ樹脂
を必須成分とし、前記(C)エポキシ樹脂を樹脂組成物の14重量%以上79重量%以下含有し、樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数が、25℃から150℃の範囲において35ppm以下であり、且つガラス転移温度(Tg)が190℃以下であって、樹脂組成物の最低動的粘度が、2000Pa・s以下である。
樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数は、25℃から150℃の範囲において35ppm以下であることにより、多層プリント配線板製造時の該樹脂組成物からなる絶縁層を基材上に形成してなる基材付き絶縁樹脂シートをプレス成形した際の反りが抑制でき、多層プリント配線板の反りを抑制することができる。または当該樹脂組成物を用いた多層プリント配線板は、半田リフロー時の基板の反りを抑制できる。さらに該樹脂組成物を用いた半導体装置は、熱衝撃試験において従来の半導体装置によく現れた導体回路層の剥離やクラックの発生を抑制できる。
樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数は、30ppm以下であることが好ましい。さらに好ましくは20ppm以下である。これにより、その他の特性のバランスに優れたものとすることができる。
ここで、「樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数」とは、該樹脂組成物を硬化させて多層プリント配線板を作製する際の条件で該樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の線熱膨張係数である。すなわち、樹脂組成物を用いて基材付き絶縁樹脂シートを作製し、該基材付き絶縁樹脂シートを用いて多層プリント配線板を作製するに至る工程と同じ条件で、該樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の線熱膨張係数である。
また、該線熱膨張係数が「25℃から150℃の範囲において35ppm以下」とは、該樹脂組成物を多層プリント配線板の作製条件と同じ条件で硬化させて得られる硬化物を、所定の昇温速度で25℃から150℃まで昇温させた際の線熱膨張量であり、熱機械分析装置(TMA)を用いて、硬化物の25℃における長さT1と150℃における長さT2を測定することにより算出できる。具体的な測定条件としては、5℃/分の一定速度でテストピースを25℃から150℃まで昇温させることが好ましい。尚、線熱膨張係数の測定のテストピースとしては、実際の多層プリント配線板における絶縁層と同じ膜厚のものを用いてもよいし、或いは、実際の多層プリント配線板における絶縁層よりも厚い膜厚のものを用いてもよい。例えば、実際の多層プリント配線板に使用する基材付き絶縁樹脂シートを二枚重ね合わせ、硬化させたものをテストピースとして用いてもよい。このように、実際の絶縁層よりも厚いテストピースを用いることで、線熱膨張係数の測定再現性を高めることができる。
当該樹脂組成物の最低動的粘度は、2000Pa・s以下である。これにより、多層プリント配線板製造時の成形性が向上し、(A)アミノシランカップリング剤を含有することとの相乗効果により、多層プリント配線板製造工程中のレーザー照射後の樹脂残渣除去工程においてデスミア性に優れる。
樹脂組成物の最低動的粘度は、基材上に樹脂組成物を塗布、乾燥させて得られる絶縁層樹脂シートから基材を剥離したシートについて、粘弾性測定装置を用いることで測定することができる。尚、このシートは、樹脂組成物を硬化させた硬化物ではなく、樹脂組成物を基材上に塗布する際に、該樹脂組成物に塗工性を付与するために該樹脂組成物と混合した溶剤を除去することを目的として、基材上の該樹脂組成物を乾燥させた状態である。
具体的には、上記シートに対して、粘弾性測定装置を用いて、所定の周波数条件下、所定の昇温速度で所定温度昇温させた際の平面ずり測定を行い、得られる複素粘度の極少値を樹脂組成物の最低動的粘度とする。さらに具体的には、上記粘弾性測定装置による平面ずり測定は、周波数10Hz、昇温速度3℃/分で50℃から220℃に昇温させて実施することが好ましい。尚、昇温速度は3℃/分に限定されない。
また、上記線熱膨張係数が35ppm以下であること及び上記最低動的粘度が2,000Pa・s以下であることに加えて、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が190℃以下であることにより、多層プリント配線板製造工程中のレーザー照射後の樹脂残渣除去工程におけるデスミア性をさらに向上させることができる。また、多層プリント配線板における隣接層との密着性に優れた絶縁層を得ることができる。
ここで、「樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度」とは、該樹脂組成物を硬化させて多層プリント配線板を作製する際と同じ条件で該樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物のガラス転移温度である。すなわち、樹脂組成物を用いて基材付き絶縁樹脂シートを作製し、該基材付き絶縁樹脂シートを用いて多層プリント配線板を作製するに至る工程と同じ条件で、該樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物のガラス転移温度である。
該硬化物のガラス転移温度は、一般的な手法、例えば、動的粘弾性測定装置を用いて測定することができる。具体的には、3℃/分の昇温速度でテストピースを昇温した際のtanδのピーク位置を樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度とすることが好ましい。
本発明の樹脂組成物に用いる(A)アミノシランカップリング剤は、特に限定されないが、例えば、N−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、(シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルメトキシルジエトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でもN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。これにより、多層プリント配線板製造工程中のレーザー照射後の樹脂残渣除去工程において、デスミア性に優れた多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物を得ることができる。
(A)アミノシランカップリング剤の含有量は、(B)シリカ100重量部に対して0.01重量%以上5重量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.1重量%以上3重量%以下が好ましい。カップリング剤の含有量が前記上限値を超えると、多層プリント配線製造時において本発明の樹脂組成物より形成される縁樹層にクラックが入る場合があり、前記下限値未満であると、回路と本発明の樹脂組成物より形成される絶縁層との密着力が低下する場合がある。
本発明の樹脂組成物に用いる前記(B)シリカは、溶融シリカが好ましい。特に球状溶融シリカが好ましい。(B)シリカは、他の無機充填材と比較して低熱膨張性に優れる点で好ましい。その形状は破砕状、球状等あるが、球状であるものが好ましい。球状であると多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物中における(B)シリカ含有量を多くしても、流動性に優れている。また、前記球状シリカの製造方法は、特に限定されることなく、公知の方法によって得ることができる。前記球状シリカの製造方法としては、例えば乾式シリカ法、湿式シリカ法、ゾル-ゲル法によるシリカ製造方法等を挙げることができる。
前記(B)シリカの含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物の20重量%以上85重量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは25重量%以上75重量%以下である。(B)シリカの含有量が前記下限値未満であると、線熱膨張率が高くなったり、吸水率が高くなる場合がある。また、前記上限値を超えると、樹脂組成物の流動性の低下により絶縁層の成形性が低下する場合がある。シリカの含有量を前記範囲内とすることにより、樹脂組成物の線熱膨張係数を35ppm以下にすることができる。
尚、本発明において、含有成分の樹脂組成物に対する含有量とは、含有成分の溶解及び/又は分散を目的として含有させる溶剤を除いた成分の合計量を100重量%とするものである。
前記(B)シリカの平均粒子径は、2μm以下である。平均粒子径が2μm以下のシリカを用いることで、樹脂ワニス中での(B)シリカの沈降等の現象を防止することができる。一方、(B)シリカの平均粒子径は、0.05μm以上であることが好ましい。(B)シリカの平均粒子径が0.05μm未満であると、本発明の多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物を用いて樹脂ワニスを調製する際に、樹脂ワニスの粘度が高くなるため、基材付き絶縁樹脂シートを作製する際の作業性に影響を与える場合があるからである。(B)シリカの平均粒子径を前記範囲内とすることにより、これらの特性のバランスに優れたものとすることができる。(B)シリカの平均粒子径は、さらに好ましくは0.1μm以上1.0μm以下である。
(B)シリカの平均粒子径は、島津製作所SALD−7000等の一般的な機器を用いて測定することができる。
前記(B)シリカの粗粒カットレベルとしては特に限定されないが、5μm以上カットされていること、すなわち、粒径が5μ以上の粗粒を含まないことが好ましい。これにより、5μm以上の粗粒の除去ができ、また異物の除去も可能となる。
前記(B)シリカの比表面積は、特に限定されないが、1m/g以上200m/g以下であることが好ましい。比表面積が前記上限値を超えると(B)シリカ同士が凝集しやすくなり、樹脂組成物の構造が不安定になる場合がある。また前記下限値未満であると多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物中に(B)シリカを充填し難い場合がある。尚、比表面積は、BET法により求めることができる。
前記(B)シリカは予め官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類で表面処理して用いてもよい。表面処理を予め施すことで、シリカの凝集を抑制することができ、本発明の樹脂組成物中にシリカを良好に分散させることができる。また、(A)エポキシ樹脂と(B)シリカ表面の密着性が向上するため、機械強度に優れる絶縁層が得られる。
前記官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類の官能基含有シラン類としては公知のものを使用することができる。例えばエポキシシラン、スチリルシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシラン、メルカプトシランビニルシラン、イソシアネートシラン、スルフィドシラン、クロロプロピルシラン、ウレイドシラン化合物等を挙げることができる。
前記アルキルシラザン類としては、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、オクタメチルトリシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザンなどを挙げることができる。これらの中でもアルキルシラザン類としてはヘキサメチルジシラザン(HMDS)が好ましい。
前記(B)シリカへ予め表面処理する官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類の量は、特に限定しないが、前記(B)シリカ100重量部に対して0.01重量%以上5重量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.1重量%以上3重量%以下が好ましい。カップリング剤の含有量が前記上限値を超えると、多層プリント配線板製造時において絶縁層にクラックが入る場合があり、前記下限値未満であると、樹脂成分と(B)シリカとの結合力が低下する場合がある
前記(B)シリカを予め官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類で表面処理する方法は、特に限定されないが、湿式方式または乾式方式が好ましい。特に好ましくは湿式方式が好ましい。湿式方式の方が、乾式方式と比較した場合、(B)シリカ表面へ均一に処理することができる。
本発明の樹脂組成物に用いる(C)エポキシ樹脂は、特に限定されないが、実質的にハロゲン原子を含まないものが好ましい。ここで、「実質的にハロゲン原子を含まない」とは、エポキシ樹脂の合成過程において使用されたハロゲン系成分に由来するハロゲンが、ハロゲン除去工程を経ても尚、エポキシ樹脂に残存していることを許容することを意味する。通常、エポキシ樹脂中に30ppmを超えるハロゲン原子を含まないことが好ましい。
ハロゲン原子を含まないエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'-シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'-(1,4)-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'-(1,3-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用もでき、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用することもできる。
これらエポキシ樹脂の中でも特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、吸湿半田耐熱性および難燃性を向上させることができる。
前記(C)エポキシ樹脂の含有量は、前記樹脂組成物の14重量%以上79重量%以下とする。含有量が前記下限値未満であると樹脂組成物の硬化性が低下したり、得られる製品の耐湿性が低下したりする場合があり、前記上限値を超えると低熱膨張性、耐熱性が低下する場合がある。(C)エポキシ樹脂の含有量は、好ましくは樹脂組成物の25重量%以上75重量%以下である。
前記(C)エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量1.0×10以上2.0×10以下が好ましい。重量平均分子量が前記下限値未満であると絶縁層の表面にタック性が生じる場合が有り、前記上限値を超えると半田耐熱性が低下する場合がある。重量平均分子量を前記範囲内とすることにより、これらの特性のバランスに優れたものとすることができる。
前記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、例えばGPCで測定することができる。
本発明の樹脂組成物は、さらにフェノール系硬化剤を使用することができる。フェノール系硬化剤としてはフェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類など公知慣用のものを単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、さらに窒素原子を含む硬化促進剤を含むことが好ましい。窒素原子を含む硬化促進剤として公知の化合物を用いることができる。例えばイミダゾール化合物が好ましい。これにより、吸湿半田耐熱性を向上させることができる。前記イミダゾール化合物は、特に限定されないが、例えば、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルー5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどを挙げることができる。
これらの中でも、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、及び、2−エチル−4−メチルイミダゾールが好ましい。これらのイミダゾール化合物は、特に本発明の樹脂組成物中において優れた相溶性を有することで、均一性の高い硬化物が得られるとともに、微細かつ均一な粗化面を絶縁層表面に形成することができるので、微細な導体回路を容易に形成することができるとともに、多層プリント配線板に高い耐熱性を発現させることができる。
前記窒素原子を含む硬化促進剤の含有量としては特に限定されないが、樹脂組成物の0.01重量%以上5重量%以下が好ましく、特に0.05重量%以上3重量%以下が好ましい。これにより、特に耐熱性を向上させることができる。
本発明の樹脂組成物に用いる前記(D)フェノキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールF骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールS骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールM骨格(4,4'-(1,3-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール骨格)を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールP(4,4'-(1,4)-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール骨格)骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールZ(4,4'-シクロヘキシィジエンビスフェノール骨格)骨格を有するフェノキシ樹脂等ビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ノボラック骨格を有するフェノキシ樹脂、アントラセン骨格を有するフェノキシ樹脂、フルオレン骨格を有するフェノキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノキシ樹脂、ノルボルネン骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。
また(D)フェノキシ樹脂として、これらの骨格を複数種類有した構造を用いることもできるし、それぞれの骨格の比率が異なるフェノキシ樹脂を用いることができる。さらに異なる骨格のフェノキシ樹脂を複数種類用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有するフェノキシ樹脂を複数種類用いたり、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。
これらの中でも、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、及びビスフェノールS骨格を有するフェノキシ樹脂が好ましい。さらに好ましくはビスフェノールA骨格とビスフェノールF骨格との両骨格を有するフェノキシ樹脂が好ましい。これにより、多層プリント配線板の製造時に内層回路基板への密着性を向上させることができる。
前記フェノキシ樹脂の分子量としては特に限定されないが、重量平均分子量が5.0×10以上1.0×10以下であることが好ましい。さらに好ましくは1.0×10以上7.0×10以下である。
フェノキシ樹脂の重量平均分子量が前記下限値未満であると、密着性を向上させる効果が充分でない場合がある。一方、前記上限値を超えると、フェノキシ樹脂の溶解性が低下する場合がある。フェノキシ樹脂の重量平均分子量を前記範囲内とすることにより、これらの特性のバランスに優れたものとすることができる。
(D)フェノキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物に対して0.1重量%以上20重量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは1.0重量%以上10.0重量%以下が好ましい。(D)フェノキシ樹脂の含有量が前記上限値を超えると、得られる絶縁層の耐熱性低下、熱衝撃性低下、粘度上昇のおそれがあり、前記下限値未満であると、得られる絶縁層の密着性が低下するおそれがある。
本発明の樹脂組成物は、さらにポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等のポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン、エポキシ変性ポリブタジエン、アクリル変性ポリブタジエン、メタクリル変性ポリブタジエン等のジエン系エラストマーを併用しても良い。
また、前記多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物には、必要に応じて、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤等の前記成分以外の添加物を添加しても良い。
次に、本発明の基材付き絶縁樹脂シートについて説明する。
本発明の基材付き絶縁樹脂シートは、前記本発明の樹脂組成物からなる絶縁層を基材上に積層してなる基材付き絶縁樹脂シートであり、基材付き絶縁樹脂シートを作製する方法としては特に限定されないが、例えば、樹脂組成物を溶剤などに溶解・分散させて樹脂ワニスを調製して、各種塗工装置を用い、樹脂ワニスを基材に塗工した後、これを乾燥する方法、スプレー装置により樹脂ワニスを基材に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法、などが挙げられる。
これらの中でも、コンマコーター、ダイコーターなどの各種塗工装置を用いて、樹脂ワニスを基材に塗工した後、これを乾燥する方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な絶縁樹脂シート層の厚みを有する基材付き絶縁樹脂シートを効率よく製造することができる。
本発明の樹脂組成物を溶剤などに溶解・分散させてワニスを調製する場合に用いられる溶媒は、樹脂組成物中の樹脂成分に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の他、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール等が挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の基材付き絶縁樹脂シートにおいて、絶縁層の厚さとしては特に限定されないが、5〜100μmであることが好ましい。これにより、この基材付き絶縁樹脂シートを用いて多層プリント配線板を製造する際に、内層回路の凹凸を充填して成形することができるとともに、好適な絶縁層厚みを確保することができる。
本発明の基材付き絶縁樹脂シートに用いられる基材は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂フィルム、あるいは、銅及び/又は銅系合金、アルミ及び/又はアルミ系合金、鉄及び/又は鉄系合金、銀及び/又は銀系合金、金及び金系合金、亜鉛及び亜鉛系合金、ニッケル及びニッケル系合金、錫及び錫系合金等の金属箔などを用いることができる。
前記基材の厚みとしては特に限定されないが、10〜70μmのものを用いると、基材付き絶縁樹脂シートを製造する際の取り扱い性が良好であり好ましい。
なお、本発明の基材付き絶縁樹脂シートを製造するにあたっては、絶縁層と接する基材面の凹凸は極力小さいものであることが好ましい。これにより、絶縁層と回路との密着性が良好となり、また微細配線加工が容易となる。
本発明の基材付き絶縁樹脂シートの絶縁層は、多層プリント配線板を製造する工程において、例えば過マンガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤を用いて絶縁層表面の粗化処理を行うと、粗化処理後の絶縁層表面に均一性の高い微小な凹凸形状を多数形成することができる。
このような粗化処理後の絶縁層表面に金属メッキ処理を行うと、粗化処理面の平滑性が高いため、微細な導体回路を精度よく形成することができる。また、微小な凹凸形状によりアンカー効果を高め、絶縁層とメッキ金属との間に高い密着性を付与することができる。
次に、本発明の基材付き絶縁樹脂シートを用いた多層プリント配線板について説明する。
多層プリント配線板は、前記基材付き絶縁樹脂シートを内層回路板の片面又は両面に重ね合わせて加熱加圧成形してなるものである。
具体的には、上記本発明の基材付き絶縁樹脂シートの絶縁層側と内層回路板とを合わせて、真空加圧式ラミネーター装置などを用いて真空加熱加圧成形させ、その後、熱風乾燥装置等で絶縁層を加熱硬化させることにより得ることができる。
ここで加熱加圧成形する条件としては特に限定されないが、一例を挙げると、温度60〜160℃、圧力0.2〜3MPaで実施することができる。また、加熱硬化させる条件としては特に限定されないが、一例を挙げると、温度140〜240℃、時間30〜120分間で実施することができる。
あるいは、前記本発明の基材付き絶縁樹脂シートの絶縁層側を内層回路板に重ね合わせ、これを平板プレス装置などを用いて加熱加圧成形することにより得ることができる。ここで加熱加圧成形する条件としては特に限定されないが、一例を挙げると、温度140〜240℃、圧力1〜4MPaで実施することができる。このような平板プレス装置等による加熱加圧成形では、加熱加圧成形と同時に絶縁層の加熱硬化が行われる。
絶縁層の硬化は、次のレーザー照射および樹脂残渣の除去を容易にし、デスミア性を向上させるため、半硬化状態にしておく場合もある。また、一層目の絶縁層を通常の加熱温度より低い温度で加熱することにより一部硬化(半硬化)させ、絶縁層上に、一層ないし複数の絶縁層をさらに形成し半硬化の絶縁層を実用上問題ない程度に再度加熱硬化させることにより絶縁層間および絶縁層と回路との密着力を向上させることができる。この場合の半硬化の温度は、80℃〜200℃が好ましく、100℃〜180℃がより好ましい。尚、次工程においてレーザーを照射し、絶縁層に開口部を形成するが、その前に基材を剥離する必要がある。基材の剥離は、絶縁層を形成後、加熱硬化の前、または加熱硬化後のいずれに行っても特に問題はない。
なお、前記多層プリント配線板を得る際に用いられる内層回路板は、例えば、銅張積層板の両面に、エッチング等により所定の導体回路を形成し、導体回路部分を黒化処理したものを好適に用いることができる。
次に、絶縁層に、レーザーを照射して、開孔部を形成する。前記レーザーは、エキシマレーザー、UVレーザーおよび炭酸ガスレーザー等が使用できる。
レーザー照射後の樹脂残渣等は過マンガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤などにより除去することが好ましい。また、平滑な絶縁層の表面を同時に粗化することができ、続く金属メッキにより形成する導電配線回路の密着性を上げることができる。
次に、外層回路を形成する。外層回路の形成方法は、金属メッキにより絶縁層間の接続を図り、エッチングにより外層回路パターン形成を行う。基材付き絶縁樹脂シートを用いたときと同様にして、多層プリント配線板を得ることができる。
尚、基材に金属箔を用いた場合は、基材を剥離することなく、導体回路として用いるためにエッチングにより回路形成を行ってもよい。その場合、厚い銅箔を使用した基材付き絶縁樹脂シートを使うと、その後の回路パターン形成においてファインピッチ化が困難になるため、1〜5μmの極薄銅箔を使うか、または12〜18μmの銅箔をエッチングにより1〜5μmに薄くするハーフエッチングする場合もある。
さらに基材付き絶縁層を積層し、前記同様回路形成を行っても良いが、多層プリント配線板の設計上、最外層には、回路形成後、ソルダーレジストを形成する。ソルダーレジストの形成方法は、特に限定されないが、例えば、ドライフィルムタイプのソルダーレジストを積層(ラミネート)し、露光、および現像により形成する方法、または液状レジストを印刷したものを露光、および現像により形成する方法によりなされる。なお、得られた多層プリント配線板を半導体装置に用いる場合、半導体素子を実装するため接続用電極部を設ける。接続用電極部は、金めっき、ニッケルメッキおよび半田めっき等の金属皮膜で適宜被覆することができる。このような方法により多層プリント配線板を製造することができる。
次に、本発明の半導体装置について説明する。
前記で得られた多層プリント配線板に半田バンプを有する半導体素子を実装し、半田バンプを介して、前記多層プリント配線板との接続を図る。そして、多層プリント配線板と半導体素子との間には液状封止樹脂を充填し、半導体装置を形成する。半田バンプは、錫、鉛、銀、銅、ビスマスなどからなる合金で構成されることが好ましい。
半導体素子と多層プリント配線板との接続方法は、フリップチップボンダーなどを用いて基板上の接続用電極部と半導体素子の半田バンプとの位置合わせを行ったあと、IRリフロー装置、熱板、その他加熱装置を用いて半田バンプを融点以上に加熱し、多層プリント配線板と半田バンプとを溶融接合することにより接続する。尚、接続信頼性を良くするため、予め多層プリント配線板上の接続用電極部に半田ペースト等、比較的融点の低い金属の層を形成しておいても良い。この接合工程に先んじて、半田バンプおよび、または多層プリント配線板上の接続用電極部の表層にフラックスを塗布することで接続信頼性を向上させることもできる。
以下、本発明の樹脂組成物、および基材付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置の一例を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例及び比較例において用いた原材料は以下の通りである。
(1)(A)アミノシランカップリング剤/N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン:東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製・「SZ6083」
(2)エポキシシランカップリング剤:GE東芝シリコーン株式会社製・「A-187」
(3)(B)シリカ/球状溶融シリカ:アドマテックス社製・「SO-25R」、平均粒径約0.5μm、比表面積約6.25m/g
(4)(C)エポキシ樹脂(C1)/ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン(株)社製・「エピコート828」、エポキシ当量185
(5)(C)エポキシ樹脂(C2)/ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂:日本化薬社製・「NC3000」、エポキシ当量275
(6)(C)エポキシ樹脂(C3)/テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン(株)社製・「YX−4000」、エポキシ当量180
(7)硬化剤/フェノールノボラック樹脂:大日本インキ化学工業(株)社製・「フェノライト」、水酸基当量105
(8)フェノキシ樹脂/ビフェニル型エポキシ樹脂とビスフェノールS型エポキシ樹脂との共重合体であり、末端部はエポキシ基を有している。:ジャパンエポキシレジン(株)社製・「YX-8100H30」、重量平均分子量30000)
(9)窒素原子を含む硬化促進剤/イミダゾール化合物:四国化成工業社製・「キュアゾール1B2PZ(1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール)」
樹脂ワニスの調製
<実施例1>
(A)アミノシランカップリング剤としてN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.4重量部、(B)シリカとしてSO-25R 60.4重量部、(C)エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(C1)22.2重量部、硬化剤としてフェノライト12.9重量部、フェノキシ樹脂3.9重量部、窒素原子を含む硬化促進剤として1B2PZ 0.2重量部とを、メチルイソブチルケトンに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製した。
(2)基材付き絶縁樹脂シートの製造
前記で得られた樹脂ワニスを、厚さ38μmのPET(ポリエチレンテレフタレート:三菱ポリエステル社製・「SFB-38」)フィルムの片面に、コンマコーター装置を用いて乾燥後の絶縁層の厚さが40μmとなるように塗工し、これを110〜150℃の乾燥装置で乾燥して、基材付き絶縁樹脂シートを製造した。
(3)多層プリント配線板の製造
厚さが0.3mmで銅箔厚さが18μmの両面銅張り積層板(住友ベークライト(株)製ELC−4765GS)を用いて、ドリル機で開孔後、無電解めっきで上下銅箔間の導通を図り、前記両面の銅箔をエッチングすることにより内層回路を両面に形成した。(L/S=120/180μm、クリアランスホール1mmφ、3mmφ、スリット2mm)
次に内層回路に過酸化水素水と硫酸を主成分とする薬液(旭電化工業(株)製テックSO−G)をスプレー吹きつけすることにより粗化処理による凹凸形成を行った。
次に前記で得られた基材付き絶縁樹脂シートを内層回路上に真空積層装置を用いて積層した。次に基材を剥離し、温度170℃、時間60分間加熱し、絶縁層を半硬化させ。尚、基材付き絶縁樹脂シートを積層する条件は、温度100℃、圧力1MPa、30秒間とした。
次に前記で得られた多層プリント配線板1の絶縁層に、炭酸レーザー装置を用いてφ60μmの開孔部(ブラインド・ビアホール)を形成し、70℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に10分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に20分浸漬後、中和して粗化処理を行った。次に脱脂、触媒付与、活性化の工程を経た後、無電解銅メッキ皮膜を約0.5μmの給電層を形成した。次にこの給電層表面に、厚さ25μmの紫外線感光性ドライフィルム(旭化成社製AQ−2558)をホットロールラミネーターにより貼り合わせ、最小線幅/線間が20/20μmのパターンが描画されたクロム蒸着マスク(トウワプロセス社製)を使用して、位置を合わせ、露光装置(ウシオ電機社製UX−1100SM−AJN01)にて露光、炭酸ソーダ水溶液にて現像し、めっきレジストを形成した。
次に、給電層を電極として電解銅めっき(奥野製薬社製81−HL)を3A/dm2、30分間行って、厚さ約25μmの銅配線を形成した。ここで2段階剥離機を用いて、前記めっきレジストを剥離した。各薬液は、1段階目のアルカリ水溶液層にはモノエタノールアミン溶液(三菱ガス化学社製R−100)、2段階目の酸化性樹脂エッチング剤には過マンガン酸カリウムと水酸化ナトリウムを主成分とする水溶液(日本マクダーミッド社製マキュダイザー9275、9276)、中和には酸性アミン水溶液(日本マクダーミッド社製マキュダイザー9279)をそれぞれ用いた。
次に、給電層を過硫酸アンモニウム水溶液(メルテックス(株)製AD−485)に浸漬処理することで、エッチング除去し、配線間の絶縁を確保した。次に絶縁層を温度200℃時間60分で最終硬化させ、最後に回路表面にソルダーレジスト(太陽インキ社製PSR4000/AUS308)を形成し多層プリント配線板を得た。
(5)半導体装置の製造
前記多層プリント配線板は、半導体素子の半田バンプ配列に相当するニッケル金メッキ処理が施された接続用電極部を配したものを50mm×50mmの大きさに切断し使用した。半導体素子(TEGチップ、サイズ15mm×15mm、厚み0.8mm)は、Sn/Pb組成の共晶で形成された半田バンプを有し、半導体素子の回路保護膜はポジ型感光性樹脂(住友ベークライト社製CRC−8300)で形成されたものを使用した。半導体装置の組み立ては、まず、半田バンプにフラックス材を転写法により均一に塗布し、次にフリップチップボンダー装置を用い、多層プリント配線板上に加熱圧着により搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、液状封止樹脂を硬化させることで半導体装置を得た。尚、液状封止樹脂の硬化条件は、温度150℃、120分の条件であった。
<実施例2>
(A)アミノシランカップリング剤としてN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3重量部、(B)シリカとしてSO-25R 65.2重量部、(C)エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(C1)19.6重量部、硬化剤としてフェノライト11.3重量部、フェノキシ樹脂3.4重量部、窒素原子を含む硬化促進剤として1B2PZ 0.2重量部とを、メチルイソブチルケトンに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製し、実施例1と同様に、基材付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置を得た。
<実施例3>
(A)アミノシランカップリング剤としてN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン2.2重量部、(B)シリカとしてSO-25R 60.6重量部、(C)エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(C1)21.1重量部、硬化剤としてフェノライト12.2重量部、フェノキシ樹脂3.7重量部、窒素原子を含む硬化促進剤として1B2PZ 0.2重量部とを、メチルイソブチルケトンに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製し、実施例1と同様に、基材付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置を得た。
<実施例4>
(A)アミノシランカップリング剤としてN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.4重量部、(B)シリカとしてSO-25R 60.6重量部、(C)エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(C2)25.2重量部、硬化剤としてフェノライト9.7重量部、フェノキシ樹脂3.9重量部、窒素原子を含む硬化促進剤として1B2PZ0.2重量部とを、メチルイソブチルケトンに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製し、実施例1と同様に、基材付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置を得た。
<実施例5>
(A)アミノシランカップリング剤としてN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.4重量部、(B)シリカとしてSO-25R 60.4重量部、(C)エポキシ樹脂としてテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(C3)22.2重量部、硬化剤としてフェノライト12.9重量部、フェノキシ樹脂3.9重量部、窒素原子を含む硬化促進剤として1B2PZ 0.2重量部とを、メチルイソブチルケトンに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製し、実施例1と同様に、基材付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置を得た。
<比較例1>
カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(A−187)0.7重量部、(B)シリカとしてSO-25R 30.2重量部、(C)エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(C1)22.0重量部、硬化剤としてフェノライト12.4重量部、フェノキシ樹脂34.4重量部、窒素原子を含む硬化促進剤として1B2PZ 0.3重量部とを、メチルイソブチルケトンに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製し、実施例1と同様に、基材付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置を得た。
<比較例2>
カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(A−187)0.7重量部、(B)シリカとしてSO−25R 30.2重量部、(C)エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(C1)39.2重量部、硬化剤としてフェノライト22.7重量部、フェノキシ樹脂6.9重量部、窒素原子を含む硬化促進剤として1B2PZ 0.3重量部とを、メチルイソブチルケトンに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製し、実施例1と同様に、基材付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置を得た。
前記で得られた基材付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、および半導体装置について、以下の評価項目の評価を行った。また、実施例及び比較例の樹脂組成物の配合組成、各物性値、評価結果を表1に示す。尚、表中において、各配合量は「重量部」を示す。
Figure 0005446864
物性値の評価方法は下記のとおりである。
(1)硬化物の線熱膨張係数
前記で得られた基材付き絶縁樹脂シートを2枚準備し、基材付き絶縁樹脂シートの絶縁層面を内側にして重ね合わせ、真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形させ、その後、熱風乾燥装置にて170℃で60分間加熱硬化行い、フィルムを除去して厚さが80μmの絶縁層を得た。得られた絶縁層から、4mm×40mmのテストピースを切り出し、TMAを用いて5℃/分の引っ張り条件で、25℃から150℃の範囲における線熱膨張係数を測定した。
各符号は、以下の通りである。
○:線熱膨張係数が35ppm以下
×:線熱膨張係数が35ppmより大きい
(2)硬化物のガラス転移温度
線熱膨張係数の測定で作製した厚さの80μmの絶縁層から10mm×60mmのテストピースを切り出し、動的粘弾性測定装置(DMA983、TAインスツルメント社製)を用いて3℃/分で昇温させ、tanδのピーク位置をガラス転移温度とした。
各符号は、以下の通りである。
○:ガラス転移温度が、190℃以下
×:ガラス転移温度が、190℃より高い
(3)最低動的粘度
前記で得られた基材付き絶縁樹脂シートより基材を除去し、サンプルとした。
粘弾性測定装置(Anton Par社製)で、周波数10Hz、昇温速度5℃/min、温度50〜220℃の平面ずり測定を行った。最低動的粘度は、複素粘度(η*)の極小値とした。
各符号は、以下の通りである。
◎:1000Pa・s未満
○:1000Pa・s以上、2000Pa・s以下
×:2000Pa・sより高い
次に多層プリント配線板、および半導体装置を用いて行った評価方法を下記の通りである。
(1)デスミア性評価
多層プリント配線板を作製した後、断面を観察し、レーザーによる開孔部を観察し、ひび割れや、樹脂残渣の残りがないか確認した。
○:良好な開孔状態
×:ひび割れ、または樹脂残渣がある状態
(2)吸湿半田耐熱性評価
前記で得られた多層プリント配線板を用い、121℃のプレッシャークッカーで2時間処理した後、最高温度が260℃、200℃以上に5分間さらされる条件のIRリフロー炉に多層プリント配線板を投入し、多層プリント配線板の外観異常の有無を調べた。
○:異常なし
×:フクレやクラックが発生
(3)熱衝撃試験
前記で得られた半導体装置をフロリナート中で−55℃10分、125℃10分、−55℃10分を1サイクルとして、1000サイクル処理し、半導体装置にクラックが発生していないか確認した。
○:異常なし
×:クラックが発生
表1から明らかなように、実施例1〜5はデスミア性、吸湿半田耐熱性、熱衝撃試験に優れていた。これに対して、比較例1〜2はデスミア性、吸湿半田耐熱性、熱衝撃試験において劣っていた。本発明の樹脂組成物を用いるとデスミア性が向上するため、多層プリント配線板や半導体装置の信頼性も向上するものと推察する。
本発明の樹脂組成物は、低線膨張であり、デスミア性にも優れるため、微細配線加工を要求される、薄型の多層プリント配線板、並びに前記多層プリント配線板を用いた半導体装置に用いることができる。

Claims (10)

  1. 多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物であって、
    (A)アミノシランカップリング剤
    (B)平均粒径が2.0μm以下のシリカ
    (C)エポキシ樹脂
    (D)フェノキシ樹脂
    を必須成分とし、前記(B)シリカは予め前記(A)アミノシランカップリング剤で表面処理されておらず、前記(C)エポキシ樹脂を樹脂組成物の14重量%以上79重量%以下含有し、樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数が、25℃から150℃の範囲において35ppm以下であり、且つ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)が190℃以下であって、樹脂組成物の最低動的粘度が、2000Pa・s以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記(A)アミノシランカップリング剤は、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(B)シリカの比表面積が1.0m/g以上200m/g以下である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(B)シリカの含有量が、樹脂組成物の20重量%以上85重量%以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記(C)エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 前記樹脂組成物は、さらに窒素原子を含む硬化促進剤を含むものである請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 前記フェノキシ樹脂(D)は、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、及びビスフェノールS骨格よりなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格を有するフェノキシ樹脂である請求項1乃至6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の樹脂組成物からなる絶縁層を基材上に形成してなる基材付き絶縁樹脂シート。
  9. 請求項8に記載の基材付き絶縁樹脂シートを内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱加圧成型してなる多層プリント配線板。
  10. 請求項9に記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置
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