JP5415334B2 - 先供給型液状半導体封止樹脂組成物 - Google Patents

先供給型液状半導体封止樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、先供給型液状半導体封止樹脂組成物に関し、特に、耐湿性に優れた非導電性のアンダーフィル剤に関する。
近年、電子機器のさらなる配線等の高密度化、高周波化に対応可能な半導体チップの実装方式として、フリップチップボンディングが利用されている。一般的に、フリップチップボンディングでは、半導体チップと基板の間隙を、アンダーフィルと呼ばれる材料で封止する。
通常、フリップチップボンディングでは、半導体チップと基板をはんだ付け等で接合した後、半導体チップと基板の間隙に、熱硬化性の半導体樹脂封止組成物であるアンダーフィル剤を充填する(以下、「後供給型」という)。しかしながら、近年では、まず、アンダーフィル剤を基板に塗布し、半導体チップを載せた後、アンダーフィル剤の硬化と、半導体チップと基板の接続とを同時に行うことにより、工程の短縮および硬化時間の短縮を可能とし、その結果、低コストかつ低エネルギーで作製できる、先供給型フリップチップボンディングプロセスが注目され、このプロセス向けの封止材樹脂組成物(以下、「先供給型封止樹脂組成物」という)への要求が高まっている。なお、後供給型の場合には、注入時間を短縮するときに、通常、基板等の温度を80℃程度に上げるため、この注入温度では硬化しないことが求められ、半導体樹脂封止組成物の硬化時間の短縮とはトレードオフが生じている。
先供給型封止樹脂組成物には、作業性、ハンドリングの容易性、狭ピッチ化への対応から液状である、すなわち室温での粘性が低いこと、短時間(一例としては5秒以内)での硬化が可能であること、短時間で半導体チップ−基板間のボイドを無くすことが要求され、さらに硬化後には、半導体チップ−基板間を接着するためのボンディング性、THB(Thermal Humidity Bias)試験での抵抗値変化の抑制、PCT(Pressure Cooker Test)試験での剥離抑制も求められる。
低弾性、強靱性等を目的として、エポキシ樹脂、所定のフェノキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤、フェノキシ樹脂の硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。
しかしながら、上記のエポキシ樹脂組成物を、先供給型プロセスで使用すると、以下の問題点があることがわかった。第1に、半導体チップ−基板間にボイドが発生してしまう。この原因としては、フェノキシ樹脂をエポキシ樹脂の2倍以上の重量で含むため、有機溶剤が必要となること、ブロックイソシアネートを用いるため、アウトガスが出ること等が考えられる。第2に、硬化速度が遅く、生産性を向上させることができない。第3に、粘度が高いので(第0034段落参照)、狭ピッチ化に対応することができない、等である。
特開平10−120761号公報
本発明の目的は、作業性、ハンドリングの容易性、狭ピッチ化対応のため、液状であり、短時間での硬化が可能で、短時間で半導体チップ−基板間のボイドを抑制し、さらに硬化後には、半導体チップ−基板間を接着するためのボンディング性、THB試験での抵抗値変化の抑制、PCT試験での剥離抑制に優れた先供給型封止材樹脂組成物を提供することである。
本発明は、以下の構成を有することによって上記問題を解決した先供給型封止材樹脂組成物に関する。
(1)(A)液状エポキシ樹脂、(B)イミダゾール化合物硬化剤、(C)フェノキシ樹脂、および(D)シランカップリング剤を含み、(A)成分:100重量部に対して、(B)成分を5〜50重量部と、(C)成分を0.5〜9重量部と、をそれぞれ含有し、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計100重量部に対して、(D)成分を0.1〜4重量部含有することを特徴とする、先供給型液状半導体封止樹脂組成物。
(2)(A)成分が、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状ナフタレン型エポキシ樹脂、および液状アミノフェノール型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、上記(1)記載の先供給型液状半導体封止樹脂組成物。
(3)(C)成分が、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、およびビスフェノールF型フェノキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、上記(1)又は(2)記載の先供給型液状半導体封止樹脂組成物。
(4)(D)成分が、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−アミノプロピルトリメトキシシランである、上記(1)〜(3)のいずれか記載の先供給型液状半導体封止樹脂組成物。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか記載の先供給型液状半導体封止樹脂組成物を用いて封止されたフリップチップ型半導体素子を有する、半導体装置。
本発明(1)によれば、作業性、ハンドリングの容易性、狭ピッチ化対応に優れ、短時間での硬化が可能で、短時間で半導体チップ−基板間のボイドを抑制し、さらに硬化後には、半導体チップ−基板間を接着するためのボンディング性、THB試験での抵抗値変化の抑制、PCT試験での剥離抑制に優れた先供給型封止材樹脂組成物が得られる。
本発明(5)によれば、低コストで、低エネルギーの先供給型で製造でき、かつTHB試験耐性、PCT試験耐性に優れた半導体装置を得ることができる。
本発明の先供給型液状半導体封止樹脂組成物は、(A)液状エポキシ樹脂、(B)イミダゾール化合物硬化剤、(C)フェノキシ樹脂、および(D)シランカップリング剤を含み、(A)成分:100重量部に対して、(B)成分を5〜50重量部と、(C)成分を0.5〜9重量部と、をそれぞれ含有し、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計100重量部に対して、(D)成分を0.1〜4重量部含有することを特徴とする。
(A)成分としては、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状ナフタレン型エポキシ樹脂、および液状アミノフェノール型エポキシ樹脂、液状水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、液状脂環式エポキシ樹脂、液状アルコールエーテル型エポキシ樹脂、液状環状脂肪族型エポキシ樹脂、液状フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状ナフタレン型エポキシ樹脂、および液状アミノフェノール型エポキシ樹脂が、硬化性、耐熱性、接着性、耐久性の観点から好ましい。(A)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
(B)成分としては、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、または酸、エポキシ化合物、アクリレート化合物等と予めアダクト反応させたイミダゾール化合物等を挙げることができ、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン等が、硬化速度、作業性、耐湿性の観点から好ましい。また、マイクロカプセル化されたイミダゾール化合物硬化剤が、保存安定性の観点から好ましく、液状ビスフェノールA型等の液状エポキシ樹脂中に分散された、マイクロカプセル化イミダゾール化合物硬化剤が、作業性、硬化速度、保存安定性の点からより好ましい。(B)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
(C)成分としてのフェノキシ樹脂は、二価フェノールとエピクロルヒドリンの直接反応による方法、または二価フェノールのジグリシジルエーテルと二価フェノールの付加重合反応により合成される高分子ポリヒドロキシポリエーテル(熱可塑性樹脂)であり、重量平均分子量が10,000以上の高分子をいう。重量平均分子量は、10,000〜100,000が好ましく、40,000〜80,000がより好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、標準ポリスチレンによる検量線を用いた値とする。
二価フェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノールD、ビスフェノールE、ビスフェノールZ、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン、ビフェノール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンもしくはブロム化ビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド)、10−(2,7−ジヒドロキシナフチル)−10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、ジフェニルホスフィニルハイドロキノン、ジフェニルホスフィニルナフトキノン、シクロオクチレンホスフィニル−1,4−ベンゼンジオール、もしくはシクロオクチレンホスフィニル−1,4−ナフタレンジオール等のホスフィン含有フェノール類等が挙げられ、フェノキシ樹脂としては、これらの二価フェノール類とエピクロルヒドリンの直接反応によって製造されたもの、または上記二価フェノール類とそれらのジグリシジルエーテル化合物の付加重合反応によって合成されたもの等が挙げられる。(C)成分としては、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA−ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂等が好ましい。(C)成分は、硬化後の先供給型液状半導体封止樹脂組成物の内部応力を緩和するため、半導体チップ−基板間の応力が緩和され、THB試験耐性、PCT試験耐性を向上させ、また、半導体チップ−基板間に(C)成分が存在することで密着性が向上し、マイグレーションの進行を阻害し、THB試験耐性を向上させる、と考えられる。(C)成分は、単独で構成しても、必要に応じて各化合物を任意の割合で併用して構成してもかまわない。
成分(D)としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランが、密着性の観点から好ましい。(D)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
本発明の先供給型液状半導体封止樹脂組成物は、成分(A)100重量部に対して、成分(B)を5〜50重量部含有し、好ましくは10〜25重量部含有する。5重量部より少ないと、硬化速度が遅くなり、一方、50重量部より多いと、樹脂組成物がゲル化したり、硬化後のボンディング時にクラックが発生したり、THB試験耐性が悪くなってしまう。
また、(A)成分:100重量部に対して、(C)成分を0.5〜9重量部を含有し、好ましくは1〜5重量部含有する。0.5重量部より少ないと、ボンディング性、PCT試験耐性が悪くなり、一方、9質量部より多くても、高粘度になり、ボイドが発生したり、ボンディング時に剥離したりしてしまう。
(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計100重量部に対して、(D)成分を0.1〜4重量部含有し、好ましくは0.3〜1重量部含有する。0.1重量部より少ないと、PCT試験耐性が悪くなり、4質量部より多いと、ボンディング性が悪くなってしまう。
本発明の先供給型液状半導体封止樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、更に必要に応じ、カーボンブラックなどの顔料、染料、消泡剤、酸化防止剤、レベリング剤、揺変剤、フィラー、応力緩和剤、その他の添加剤等を配合することができる。特に、カーボンブラックは、隠蔽性の観点から添加されることが好ましい。なお、ボイド抑制の観点から、有機溶媒、特に低沸点の有機溶媒は含有させないことが好ましい。
本発明の先供給型液状半導体封止樹脂組成物は、例えば、(A)成分〜(D)成分およびその他の添加剤等を同時にまたは別々に、必要により加熱処理を加えながら、撹拌、溶融、混合、分散させることにより得ることができる。これらの混合、撹拌、分散等の装置としては、特に限定されるものではないが、撹拌、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロールミル、ボールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミル等を使用することができる。また、これら装置を適宜組み合わせて使用してもよい。ここで、(C)成分を(A)成分に溶解してマスターバッチ化した後、他の成分と混合すると、均一分散性の観点から好ましい。
本発明の先供給型液状半導体封止樹脂組成物は、温度:25℃での粘度が20〜200Pa・sであると、ボイド抑制の観点から好ましい。ここで、粘度は、Brookfield社製粘度計(型番:DV−1)で測定する。また、本発明の先供給型液状半導体封止樹脂組成物は、揺変指数が1〜3であると好ましく、1〜2であるとさらに好ましい。ここで、揺変指数とは、先供給型液状半導体封止樹脂組成物の流れ易さを表す特性値であり、Brookfield社製粘度計(型番:DV−1)を用いて、毎分5回転の条件で求められた測定値を、毎分50回転の条件で求められた測定値で除した比率、すなわち、(毎分5回転での粘度)/(毎分50回転での粘度)で定義されるものである。先供給型封止材樹脂組成物の揺変指数が1〜3であると、基板に塗布してからボンディングまでの間でボイドを抑制ことができ、かつ基板の所定の位置に留めることができる。
本発明の先供給型液状半導体封止樹脂組成物は、ディスペンサー、印刷等で基板の所望の位置に形成される。
本発明の先供給型液状半導体封止樹脂組成物の硬化は、180〜250℃で、1〜10秒間行うことが好ましく、特に5秒以内で硬化させると生産性向上の観点から好ましい。
本発明の先供給型液状半導体封止樹脂組成物のボンディング性の評価は、以下のように行う。ポリイミド基板上に形成された電極(ライン/スペース=15μm/10μm、SnメッキしたCu電極)上へ、各樹脂組成物を塗布し、その上から、フリップチップボンダーを用い、766バンプ(Auメッキ電極)を形成したSiチップを200℃×5秒の条件で圧接し、評価サンプルを作製する。圧接後、ポリイミド基板裏面を、顕微鏡で観察し、クラック、ボイドの発生が有無を確認する。このとき、クラック、ボイドが発生しないことが好ましい。また、この試験では、短時間での硬化性も評価することができる。
また、PCT試験耐性の評価は、以下のように行う。ボンディング性評価に用いた評価サンプルに、150℃×30分の加熱処理を行う。加熱処理後、室温へ戻し、ポリイミド基板裏面を、顕微鏡で観察し、剥離の有無を確認する。剥離がないことを確認した後、各評価サンプルのPCT試験(2気圧(121℃)、湿度:100%)を行い、10時間毎に同様の観察をする。このとき、50時間以上でも剥離が発生しないことが好ましい。
THB試験耐性の評価は、以下のように行う。ポリイミド基板上に形成された櫛歯電極(ライン/スペース=10μm/10μm、SnメッキしたCu電極)上へ、各樹脂組成物を塗布し、硬化(150℃×30分)させ、評価サンプルを作製する(n=3)。評価サンプルを、温度85℃、湿度85%の恒温層へ入れ、櫛歯電極へ60Vの電圧を印加させながら、抵抗値の測定を行う。このとき、1000時間以上10Ω以上を維持できることが好ましい。
このように、本発明の先供給型液状半導体封止樹脂組成物は、作業性、ハンドリングの容易性、狭ピッチ化対応に優れ、短時間での硬化が可能で、短時間で半導体チップ−基板間のボイドを抑制し、さらに硬化後には、半導体チップ−基板間を接着するためのボンディング性、THB試験での抵抗値変化の抑制、PCT試験での剥離抑制に優れる。このため、低コストで、低エネルギーの先供給型で製造でき、かつTHB試験耐性、PCT試験耐性に優れた半導体装置を得ることができる。
本発明について、実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、部、%はことわりのない限り、重量部、重量%を示す。
〔実施例1〜15、比較例1〜7〕
表1〜3に示す配合で、先供給型液状半導体封止樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」という)を調整した。このとき、まず(C)成分を(A)成分に溶解してマスターバッチ化した後、他の成分と混合した。なお、表1〜3において、(A)成分は、マイクロカプセル型マスターバッチ中のものとの合計で、100重量部となっている。実施例1〜15のいずれも液状樹脂組成物であり、揺変指数が1.0〜1.2であるので、作業性、ハンドリングの容易性、狭ピッチ化対応に優れている。
〔ボンディング性の評価〕
ポリイミド(東レ・デュポン製カプトン)基板上に形成された電極(ライン/スペース=15μm/10μm、SnメッキしたCu電極)上へ、各樹脂組成物を塗布し、その上から、フリップチップボンダーを用い、766バンプ(Auメッキ電極)を形成したSiチップを200℃×5秒の条件で圧接し、評価サンプルを作製した。圧接後、ポリイミド基板裏面を、顕微鏡で観察した。クラック、ボイドの発生が無かったものを「○」、クラック、またはボイドの発生があったものを「×」とした。表1〜3に、結果を示す。
〔PCT試験耐性の評価〕
ボンディング性評価に用いた評価サンプルに、150℃×30分の加熱処理を行った。加熱処理後、室温へ戻し、ポリイミド基板裏面を、顕微鏡で観察し、剥離の有無を確認した。剥離がないことを確認した後、各評価サンプルのPCT試験(2気圧(121℃)、湿度:100%)を行い、10時間毎に同様の観察をした。50時間以上剥離が発生しなかったものを「○」、50時間未満で剥離が発生したものを「×」とした。表1〜3に、結果を示す。
〔THB試験耐性の評価〕
ポリイミド(東レ・デュポン製カプトン)基板上に形成された櫛歯電極(ライン/スペース=10μm/10μm、SnメッキしたCu電極)上へ、各樹脂組成物を塗布し、硬化(150℃×30分)させ、評価サンプルを作製した(n=3)。評価サンプルを、温度85℃、湿度85%の恒温層へ入れ、櫛歯電極へ60Vの電圧を印加させながら、抵抗値の測定を行った。1000時間以上10Ω以上を維持できた場合を「○」、1000時間未満で10Ω以下になった場合を「×」とした。表1〜3に、結果を示す。
Figure 0005415334
Figure 0005415334
Figure 0005415334
試験結果をまとめると、実施例1〜15の全てで、短時間での硬化が可能で、ボイドが無く、ボンディング性、PCT試験耐性、THB試験耐性の結果がいずれも○であった。また、実施例3〜5から、(A)成分が、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状アミノフェノール型エポキシ樹脂、液状ナフタレン型エポキシ樹脂のいずれであっても同様の結果であることがわかる。これに対して、(C)成分を含まない比較例1は、ボンディング性、PCT試験耐性、THB試験耐性全てで×であった。また、(C)成分が少ない比較例2では、ボンディング性、THB試験耐性が×であり、(C)成分が多い比較例3は、ボンディング性が×であった。(B)成分が少ない比較例4では、PCT試験耐性、THB試験耐性が×であり、(B)成分が多い比較例5では、THB試験耐性が×であった。(D)成分が少ない比較例6では、PCT試験耐性が×であり、(D)成分が多い比較例7では、ボンディング性が×であった。
上記のように、本発明の先供給型液状半導体封止樹脂組成物は、短時間での硬化が可能で、ボイドが無く、硬化後には、半導体チップ−基板間を接着するためのボンディング性、THB試験での抵抗値変化の抑制、PCT試験での剥離抑制に優れており、先供給型フリップチップボンディングプロセス向けに大変有用である。

Claims (4)

  1. (A)液状エポキシ樹脂、
    (B)マイクロカプセル化されたイミダゾール化合物硬化剤および2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジンからなる群より選択される少なくとも1種であるイミダゾール化合物硬化剤、
    (C)フェノキシ樹脂、および
    (D)3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−アミノプロピルトリメトキシシランであるシランカップリング剤
    を含み、銅合金粒子を含まず、
    (A)成分:100重量部に対して、(B)成分を5〜50重量部と、(C)成分を0.5〜9重量部と、をそれぞれ含有し、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計100重量部に対して、(D)成分を0.1〜4重量部含有することを特徴とする、先供給型液状半導体封止樹脂組成物。
  2. (A)成分が、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状ナフタレン型エポキシ樹脂、および液状アミノフェノール型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1記載の先供給型液状半導体封止樹脂組成物。
  3. (C)成分が、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、およびビスフェノールF型フェノキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2記載の先供給型液状半導体封止樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項記載の先供給型液状半導体封止樹脂組成物を用いて封止されたフリップチップ型半導体素子を有する、半導体装置。
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