JP7167912B2 - 液状封止樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法 - Google Patents

液状封止樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液状封止樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法に関する。
トランジスタ、IC(Integrated Circuit)等の電子部品装置に用いられる各種半導体素子(以下、チップともいう。)は、生産性、製造コスト等の面から樹脂による封止が主流となっている。樹脂としては、エポキシ樹脂が広く用いられている。これは、エポキシ樹脂が作業性、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の封止材に求められる諸特性においてバランスに優れているためである。
封止材は固形のものと液状のものに大きく分けられる。例えば、基板とチップとをバンプと呼ばれる金属部材を介して接続した構造を有するフリップチップ型の電子部品装置では、接続したチップと基板の間隙(ギャップ)を充填するためにアンダーフィル材と呼ばれる液状の封止材が用いられる。
アンダーフィル材は、電子部品装置内のチップを温湿度、機械的な外力等から保護するうえで重要な役割を果たすものであり、その特性向上のために種々の検討がされている。例えば、特許文献1には、基板とチップ間の空隙への充填性、耐湿性、保存性等に優れる封止材として、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂と、無機充填材と、ジシアンジアミドとフェノール樹脂の溶融混合物と、を含有する封止用樹脂組成物が記載されている。
特開2003-105064号公報
フリップチップ型の半導体装置を製造するにあたっては、硬化反応等の加熱を伴う工程でアンダーフィル材とバンプ等の金属部材との界面に発生する熱応力により、アンダーフィル材とバンプが剥離してチップと基板の接続信頼性が損なわれる恐れのあることが指摘されている。また、アンダーフィル材を用いて封止されるチップは通常、窒化ケイ素等から形成されるパッシベーション膜と呼ばれる表面保護膜によって保護されているが、アンダーフィル材のパッシベーション膜に対する接着力は一般に低いとされている。また、特許文献1では、封止用樹脂組成物の金属部材又はパッシベーション膜に対する接着性の向上は検討されていない。
さらに、近年の電子機器の小型化の進展により、基板上に配置された接続端子と半導体チップとの間隔が従来に比べ狭くなっている。このため、フィレット部において基板への樹脂成分の滲み出し(ブリード)が生じると、その滲み出しによって配線が汚染されやすい傾向にある。
本開示の一実施形態は、金属部材及びパッシベーション膜に対する接着性に優れる液状封止樹脂組成物、この液状封止樹脂組成物を用いた電子部品装置及びその製造方法の提供を課題とする。
本開示の別の実施形態は、耐ブリード性に優れる液状封止樹脂組成物、この液状封止樹脂組成物を用いた電子部品装置及びその製造方法の提供を課題とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施形態が含まれる。
<1>エポキシ樹脂と、芳香族アミン化合物と、ジシアンジアミドと、を含有し、前記ジシアンジアミドの含有率が0.05質量%~5.0質量%である、液状封止樹脂組成物。
<2>エポキシ樹脂と、芳香族アミン化合物と、ジシアンジアミドと、を含有し、前記エポキシ樹脂のエポキシ基数に対する前記芳香族アミン化合物の活性水素数の比(芳香族アミン化合物の活性水素数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)が0.5~1.1の範囲内であり、前記エポキシ樹脂のエポキシ基数に対する前記ジシアンジアミドの活性水素数の比(ジシアンジアミドの活性水素数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)が0.01~1.0の範囲内である、液状封止樹脂組成物。
<3>エポキシ樹脂と、硬化剤と、ジシアンジアミドと、カップリング剤と、無機充填材と、を含む液状封止樹脂組成物。
<4>前記カップリング剤の含有率が前記液状封止樹脂組成物全体の0.05質量%~10質量%である、<3>に記載の液状封止樹脂組成物。
<5>前記ジシアンジアミドの含有率が前記液状封止樹脂組成物全体の0.05質量%~2.0質量%である、<1>~<4>のいずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物。
<6>さらに無機充填材を含有する、<1>又は<2>に記載の液状封止樹脂組成物。
<7>前記エポキシ樹脂がビスフェノール型エポキシ樹脂とグリシジルアミン型エポキシ樹脂とを含む、<1>~<6>のいずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物。
<8>溶剤を含まないか、溶剤の含有率が前記液状封止樹脂組成物全体の5質量%以下である、<1>~<7>のいずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物。
<9>電子部品装置のアンダーフィル材である、<1>~<8>のいずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物。
<10>回路を有する基板と、前記基板上に配置され、かつ前記回路と電気的に接続された電子部品と、前記基板と前記電子部品との間に配置される<1>~<9>のいずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物の硬化物と、を備える電子部品装置。
<11>回路を有する基板と、前記基板上に配置され、かつ前記回路と電気的に接続された電子部品と、の間の空隙の少なくとも一部を<1>~<9>のいずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物を用いて封止する工程を備える電子部品装置の製造方法。
本開示の一実施形態によれば、金属部材及びパッシベーション膜に対する接着性に優れる液状封止樹脂組成物、この液状封止樹脂組成物を用いた電子部品装置及びその製造方法が提供される。
本開示の別の実施形態によれば、耐ブリード性に優れる液状封止樹脂組成物、この液状封止樹脂組成物を用いた電子部品装置及びその製造方法が提供される。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」又は「膜」との語には、当該層又は膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において「液状」とは液体の状態であることを意味する。ここで「液体」とは流動性を示す物体を意味し、具体的には、EHD型回転粘度計を用いて常温(25℃)で測定される粘度が1000Pa・s以下であることを意味する。
本開示において「粘度」とは、EHD型回転粘度計を25℃で1分間、所定の回毎分で回転させた時の測定値に、所定の換算係数を乗じた値と定義する。上記測定値は、25±1℃に保たれた液体について、コーン角度3゜、コーン半径14mmのコーンロータを装着したEHD型回転粘度計を用いて得られる。前記回毎分及び換算係数は、測定対象の液体の粘度によって異なる。具体的には、測定対象の液体の粘度を予め大まかに推定し、推定値に応じて回毎分(rpm)及び換算係数を決定する。
本開示では、測定対象の液体の粘度の推定値が0Pa・s以上1.25Pa・s未満の場合は回転数を10rpm、換算係数を0.5とし、粘度の推定値が1.25Pa・s以上2.5Pa・s未満の場合は回転数を5rpm、換算係数を1とし、粘度の推定値が2.5Pa・s以上6.25Pa・s未満の場合は回転数を2.5rpm、換算係数を2とし、粘度の推定値が6.25Pa・s以上12.5Pa・s未満の場合は回転数を1rpm、換算係数を5とする。
<液状封止樹脂組成物(第1実施形態)>
本実施形態の液状封止樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、芳香族アミン化合物と、ジシアンジアミドと、を含有し、前記ジシアンジアミドの含有率が0.05質量%~5.0質量%である。液状封止樹脂組成物は、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。
本発明者らの検討により、上記構成を有する液状封止樹脂組成物は、バンプ等の金属部材に対する接着性に優れていることがわかった。その理由は必ずしも明らかではないが、金属に対する接着性に優れるアミン化合物を硬化剤として用いることに加え、一定温度以下ではエポキシ樹脂と反応しない潜在性硬化剤としてジシアンジアミドが作用することが考えられる。すなわち、ジシアンジアミドが硬化反応前に金属部材に吸着し、金属部材に吸着している状態でエポキシ樹脂と反応するために、金属部材に対する接着性が向上することが考えられる。さらに、ジシアンジアミドは金属に対する接着性に優れるというアミン化合物の性質を備え、かつ分子量が小さく活性水素密度が大きいため、ジシアンジアミドを用いない場合に比べて接着性が向上すると考えられる。
さらに本発明者らの検討により、上記構成を有する液状封止樹脂組成物は、電子部品表面に設けられるパッシベーション膜に対する接着性に優れていることがわかった。その理由は必ずしも明らかではないが、上記と同様に、ジシアンジアミドが硬化反応前にパッシベーション膜に吸着し、パッシベーション膜に吸着している状態でエポキシ樹脂と反応するために、パッシベーション膜に対する接着性が向上することが考えられる。
ジシアンジアミドの含有率(液状封止樹脂組成物の全体における含有率)は、0.05質量%~5.0質量%である。ジシアンジアミドの含有率が0.05質量%以上であることで、芳香族アミン化合物の耐湿接着性能を発揮しつつ、ジシアンジアミドによる接着性の向上効果が充分に発揮される。また、ジシアンジアミドの含有率が5.0質量%以下であることで、他成分との配合バランスが良好に維持される。ジシアンジアミドの含有率は、1.0質量%~4.0質量%であることが好ましく、2.0質量%~3.0質量%であることがより好ましい。
(エポキシ樹脂)
液状封止樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂は特に制限されず、例えば、電子部品装置の封止材に一般的に使用されているエポキシ樹脂を用いることができる。封止樹脂組成物を液状にする観点からは、液状のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂として具体的には、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、水添ビスフェノールA等のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を代表とするフェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの;フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のアミン化合物とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸により酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂及び脂環族エポキシ樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂の市販品としては、新日鉄住金化学株式会社のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:YDF8170)、新日鉄住金化学株式会社のビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:YDF870GS)、DIC株式会社のナフタレン型エポキシ樹脂(商品名:HP4032D)等が挙げられる。
エポキシ樹脂のなかでも、流動性の観点からはビスフェノール型エポキシ樹脂(より好ましくはビスフェノールF型エポキシ樹脂)が好適であり、耐熱性、接着性及び流動性の観点からはグリシジルアミン型エポキシ樹脂(より好ましくはトリグリシジルアミノフェノール)が好適である。これらの好適なエポキシ樹脂の性能を充分に発揮するため、その含有率(ビスフェノール型エポキシ樹脂とグリシジルアミン型エポキシ樹脂の両方を含む場合は、その合計)がエポキシ樹脂全体の20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂は、液状封止樹脂組成物が全体として液状となる範囲であれば、固形エポキシ樹脂を含んでもよい。成形時の流動性の観点から、固形エポキシ樹脂の含有率は、エポキシ樹脂全体の20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
配線等の金属部材の腐食を抑制する観点からは、エポキシ樹脂の純度は高いほど好ましい。特に、加水分解性塩素量が少ないほど好ましい。耐湿性の優れた液状封止樹脂組成物を得るためには、エポキシ樹脂の加水分解性塩素量が500ppm以下であることが好ましい。ここで、加水分解性塩素量とは、試料のエポキシ樹脂1gをジオキサン30mlに溶解し、1M-KOHメタノール溶液5mlを添加して30分間リフラックス後、電位差滴定により求めた値を尺度としたものである。
液状封止樹脂組成物におけるエポキシ樹脂の含有率は、特に制限されない。低粘度と高流動性の観点からは、液状封止樹脂組成物の全量中に20質量%~50質量%であることが好ましく、25質量%~35質量%であることがより好ましい。
(芳香族アミン化合物)
液状封止樹脂組成物に含まれる芳香族アミン化合物は特に制限されず、例えば、電子部品装置の封止材にエポキシ樹脂の硬化剤として一般的に使用されている芳香族アミン化合物を用いることができる。封止樹脂組成物を液状にする観点からは、液状の芳香族アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族アミン化合物として具体的には、ジエチルトルエンジアミン、1-メチル-3,5-ジエチル-2,4-ジアミノベンゼン、1-メチル-3,5-ジエチル-2,6-ジアミノベンゼン、1,3,5-トリエチル-2,6-ジアミノベンゼン、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。芳香族アミン化合物は1種を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族アミン化合物の市販品としては、エピキュア-W、エピキュア-Z(油化シェルエポキシ株式会社、商品名)、jERキュア(登録商標)-W、jERキュア(登録商標)-Z(三菱ケミカル株式会社、商品名)、カヤハードA-A、カヤハードA-B、カヤハードA-S(日本化薬株式会社、商品名)、トートアミンHM-205(新日鉄住金化学株式会社、商品名)、アデカハードナーEH-101(株式会社ADEKA、商品名)、エポミックQ-640、エポミックQ-643(三井化学株式会社、商品名)、DETDA80(Lonza社、商品名)、トートアミンHM-205(新日鉄住金化学株式会社、商品名)、等が挙げられる。
芳香族アミン化合物のなかでも、保存安定性の観点からは3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン及びジエチルトルエンジアミンが好適である。ジエチルトルエンジアミンとしては、3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン、3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミンが挙げられる。
液状封止樹脂組成物における芳香族アミン化合物の含有率は、特に制限されない。芳香族アミン化合物の性能を充分に発揮するためには、液状封止樹脂組成物の全量中に5質量%~20質量%であることが好ましく、7質量%~15質量%であることがより好ましい。
液状封止樹脂組成物が芳香族アミン化合物(ジシアンジアミドを除く)を含有する場合、硬化剤全体に占める芳香族アミン化合物の割合は、その性能を充分に発揮するために60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ基数に対する芳香族アミン化合物の活性水素数の比(芳香族アミン化合物の活性水素数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)は、0.5~1.1の範囲内にあることが好ましく、0.55~0.9の範囲内にあることがより好ましく、0.6~0.7の範囲内にあることがさらに好ましい。
(ジシアンジアミド)
ジシアンジアミドは常温で固体であるため、溶剤を使用しないかその含有量が少ない(例えば、溶剤の含有率が液状封止樹脂組成物全体の5質量%以下である)液状封止樹脂組成物の成分としては積極的に用いられていない。しかしながら、本開示の液状封止樹脂組成物はジシアンジアミドを含有することで、液状封止樹脂組成物が溶剤を含まないかその含有量が少ない場合であってもバンプ等の金属部材及びポリイミド、SiN等のパッシベーション膜に対する優れた接着性を達成している。
ジシアンジアミドの市販品としては、三菱ケミカル株式会社の商品名:DICY7等が挙げられる。
エポキシ樹脂のエポキシ基数に対するジシアンジアミドの活性水素数の比(ジシアンジアミドの活性水素数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)は、0.01~1.0の範囲内にあることが好ましく、0.2~0.8の範囲内にあることがより好ましく、0.4~0.6の範囲内にあることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ基数に対する芳香族アミン化合物の活性水素数とジシアンジアミドの活性水素数の合計の比は、0.7~1.9の範囲内にあることが好ましく、1.0~1.6の範囲内にあることがより好ましい。
(芳香族アミン化合物以外の硬化剤)
液状封止樹脂組成物は、芳香族アミン化合物以外の硬化剤を含有してもよい。
液状封止樹脂組成物を液状にする観点からは、液状の硬化剤を用いることが好ましく、液状封止樹脂組成物を常温で液状にする観点からは、常温で液状の硬化剤を用いることがより好ましい。本開示において、ジシアンジアミドは硬化剤には含まないものとする。
液状封止樹脂組成物が液状の硬化剤を含む場合、すべての硬化剤が液状であってもよく、液状の硬化剤と固体の硬化剤の組み合わせであってもよい。液状の硬化剤と固体の硬化剤の組み合わせは、これらの硬化剤の混合物が全体として液状となる組み合わせが好ましく、常温で液状となる組み合わせがより好ましい。
液状封止樹脂組成物が固体の硬化剤を含む場合、良好な流動性を維持する観点から、その含有率は硬化剤全体の20質量%以下であることが好ましい。
液状封止樹脂組成物が芳香族アミン化合物以外の硬化剤を含む場合、芳香族アミン化合物以外の硬化剤としてはアミン化合物が好ましい。アミン化合物としては、1分子中に1級アミノ基及び2級アミノ基からなる群から選ばれる1種以上(以下、単に「アミノ基」ともいう)を2個以上含む化合物が好ましく、1分子中にアミノ基を2個~4個有する化合物がより好ましく、1分子中にアミノ基を2個有する化合物(ジアミン化合物)がさらに好ましい。
(硬化促進剤)
液状封止樹脂組成物は、硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤は特に制限されず、例えば、電子部品装置の封止材に硬化促進剤として一般的に使用されているものを用いることができる。
硬化促進剤として具体的には、1,8-ジアザ-ビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、1,5-ジアザ-ビシクロ[4.3.0]ノネン、5,6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザ-ビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7等のシクロアミジン化合物;トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン化合物;2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6-(2’-メチルイミダゾリル-(1’))-エチル-s-トリアジン、2-ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物;トリアルキルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン等のジアルキルアリールホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等のアルキルジアリールホスフィン、トリフェニルホスフィン、アルキル基置換トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン化合物;有機ホスフィン化合物に無水マレイン酸、1,4-ベンゾキノン、2,5-トルキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルベンゾキノン、2,6-ジメチルベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン、2,3-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン、フェニル-1,4-ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;これら化合物の誘導体;及び2-エチル-4-メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N-メチルモルホリンテトラフェニルボレート等のフェニルボロン塩を挙げることができる。硬化促進剤は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化促進剤は、潜在性を有するものであってもよい。潜在性を有する硬化促進剤として具体的には、常温固体のアミノ基を有する化合物からなるコア層と、常温固体のエポキシ化合物からなるシェル層を有するコア-シェル粒子(例えば、味の素株式会社の商品名「アミキュア」)、マイクロカプセル化されたアミンをビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂に分散させたもの(例えば、旭化成株式会社の商品名「ノバキュア」)等が挙げられる。
硬化促進剤のなかでも、硬化促進作用と信頼性のバランスの観点から、イミダゾール化合物及び潜在性を有する硬化促進剤が好ましい。
イミダゾール化合物としては、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等のフェニル基及び水酸基を置換基として有するイミダゾール化合物がより好ましい。
潜在性を有する硬化促進剤としては、マイクロカプセル化されたアミンをビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂に分散させたものがより好ましい。
(無機充填材)
無機充填材は特に制限されず、例えば、電子部品装置の封止材に一般的に使用されているものを用いることができる。
無機充填材として具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ、炭酸カルシウム、クレー、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化ホウ素、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム、窒化アルミ、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の無機材料の粉体、球形化したもの(ビーズ)、繊維などが挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填材を用いてもよく、このような無機充填材としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等が挙げられる。無機充填材は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでもシリカが好ましく、溶融シリカがより好ましい。
無機充填材の粒子形状は、特に制限はなく、不定形であっても球状であってもよいが、液状封止樹脂組成物の微細間隙への流動性及び浸透性の観点からは、球状であることが好ましい。
無機充填材の平均粒子径は、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることがさらに好ましく、1.5μm以下であることが特に好ましい。無機充填材の平均粒子径が10μm以下であると、液状封止樹脂組成物中の無機充填材の沈降がより抑制されて分散性が良好となる。また、液状封止樹脂組成物の狭ギャップでの流動性及び浸透性が良好となり、ボイド、未充填部等の発生が抑制される傾向にある。
無機充填材の平均粒子径は、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。無機充填材の平均粒子径が0.1μm以上であると、樹脂成分(エポキシ樹脂及び硬化剤)への分散性がより向上し、液状封止樹脂組成物の流動特性がより向上する傾向にある。
無機充填材が球状のシリカである場合、その平均粒子径は0.3μm以上であることが好ましい。平均粒子径が0.3μm以上であると、液状封止樹脂組成物中の分散性が良好となる。また、液状封止樹脂組成物にチキソトロピック性が付与されて流動特性が良好となる傾向にある。
上記平均粒子径は、体積平均粒子径であってもよい。具体的には、レーザー回折式粒度分布測定装置で得られる体積基準の粒度分布において小径側からの累積が50%となるときの粒子径(D50%)であってもよい。
無機充填材の含有率は、液状封止樹脂組成物全体の20質量%~90質量%の範囲であることが好ましく、25質量%~80質量%の範囲であることがより好ましく、30質量%~70質量%の範囲であることがさらに好ましい。
またある実施態様では、無機充填材の含有率は、液状封止樹脂組成物全体の30質量%~80質量%であることがより好ましく、40質量%~75質量%であることがさらに好ましく、50質量%~75質量%であることが特に好ましく、60質量%~75質量%であることが極めて好ましい。
無機充填材の含有率が20質量%以上であると充分な熱膨張係数の低減効果が得られる傾向にあり、90質量%以下であると液状封止樹脂組成物の粘度上昇が抑制されて良好な流動性及び浸透性が維持され、作業性にも優れる傾向にある。
(可とう剤)
液状封止樹脂組成物は、可とう剤を含有してもよい。可とう剤を含有することで、耐熱衝撃性の向上、半導体素子への応力低減等の効果が期待できる。可とう剤は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
可とう剤としては、ゴム粒子が挙げられる。ゴム粒子として具体的には、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム(UR)、アクリルゴム(AR)等の粒子が挙げられる。これらのなかでも耐熱性及び耐湿性の観点からアクリルゴム粒子が好ましく、コアシェル型アクリル系重合体、すなわちコアシェル型のアクリルゴム粒子がより好ましい。
上記以外のゴム粒子としてシリコーンゴム粒子も好適に用いることができる。シリコーンゴム粒子の具体例としては、直鎖状のポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等のポリオルガノシロキサンを架橋させて得られるシリコーンゴム粒子;シリコーンゴム粒子の表面をシリコーンレジンで被覆したもの;乳化重合等で得られる固形シリコーン粒子からなるコア層とアクリル樹脂等の有機重合体からなるシェル層とを有するコア-シェル重合体粒子;などが挙げられる。シリコーンゴム粒子の市販品は、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社、信越化学工業株式会社等から入手可能である。
ゴム粒子の形状は特に制限されず、無定形であっても球形であってもよいが、液状封止樹脂組成物の成形性の観点からは球形であることが好ましい。
ゴム粒子の平均粒子径は、好ましくは0.05μm~5.0μm、より好ましくは0.1μm~2.0μmである。ゴム粒子の平均粒子径が0.05μm以上であると、液状封止樹脂組成物への分散性が良好となる傾向にある。平均粒子径が5.0μm以下であると、充分な応力低減効果が得られる傾向にあり、また、液状封止樹脂組成物の狭ギャップでの流動性・浸透性が良好となり、ボイド、未充填部等の発生が抑制される傾向にある。
上記平均粒子径は、体積平均粒子径であってもよい。具体的には、レーザー回折式粒度分布測定装置で得られる体積基準の粒度分布において小径側からの累積が50%となるときの粒子径(D50%)であってもよい。
ゴム粒子の含有率は、液状封止樹脂組成物全体から無機充填材を除いた総量の1質量%~30質量%の範囲であることが好ましく、2質量%~20質量%の範囲であることがより好ましい。前記ゴム粒子の配合量が1質量%以上であると充分な応力低減効果が得られる傾向にあり、30質量%以下であると液状封止樹脂組成物の粘度上昇が抑制され、成形性(流動特性)が良好となる傾向にある。
(界面活性剤)
液状封止樹脂組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤を含有することで、成形時のボイド発生を低減する、被着体に対する濡れ性を高めて接着力を向上させる等の効果が期待できる。界面活性剤の種類は特に制限されないが、非イオン性の界面活性剤、シリコーン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。本開示においてシリコーン変性エポキシ樹脂は、上述したエポキシ樹脂には含まれないものとする。界面活性剤は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非イオン性の界面活性剤として具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系、ソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル系、グリセリン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系、アルキルアルカノールアミド系、ポリエーテル変性シリコーン系、アラルキル変性シリコーン系、ポリエステル変性シリコーン系、ポリアクリル系等の界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤の市販品は、例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社、花王株式会社等から入手可能である。
シリコーン変性エポキシ樹脂は、エポキシ基と反応する官能基を有するオルガノシロキサンとエポキシ樹脂との反応物として得ることができる。シリコーン変性エポキシ樹脂は、常温で液状であることが好ましい。エポキシ基と反応する官能基を有するオルガノシロキサンとしては、アミノ基、カルボキシ基、水酸基、フェノール性水酸基、メルカプト基等のエポキシ基と反応する官能基を1分子中に1個以上有するジメチルシロキサン、ジフェニルシロキサン、メチルフェニルシロキサンなどが挙げられる。エポキシ基と反応する官能基を有するオルガノシロキサンの重量平均分子量は、好ましくは500~5000である。前記重量平均分子量が500以上であると、樹脂系との相溶性が良くなり過ぎずに添加剤としての効果が発揮されやすい傾向にあり、5000以下であると樹脂系に非相溶となって成形時にシリコーン変性エポキシ樹脂の分離又はしみ出しが発生するのが抑制され、接着性及び外観が良好に維持される傾向にある。
シリコーン変性エポキシ樹脂を得るためのエポキシ樹脂は、液状封止樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂と相溶するものであれば特に制限されない。例えば、液状封止樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂として例示したものから1種又は2種以上を用いてもよい。
界面活性剤の含有率は、液状封止樹脂組成物全体の0.01質量%~1.5質量%の範囲であることが好ましく、0.05質量%~1質量%の範囲であることがより好ましい。界面活性剤の配合量が0.01質量%以上であると界面活性剤の添加による効果が充分に得られる傾向にあり、1.5質量%以下であると液状封止樹脂組成物の硬化物の表面からの染み出しによる接着力の低下が抑制される傾向にある。
(カップリング剤)
液状封止樹脂組成物は、カップリング剤を含有してもよい。カップリング剤を含有することで、樹脂と無機充填材又は樹脂と電子部品装置の構成部材との界面における接着性を強固にする効果が期待できる。カップリング剤の種類は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、1級、2級又は3級アミノ基を有するシラン化合物、エポキシ基を有するシラン化合物、メルカプト基を有するシラン化合物、アルキル基を有するシラン化合物、ウレイド基を有するシラン化合物、ビニル基を有するシラン化合物等のシラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、及びアルミニウム/ジルコニウム系化合物が挙げられる。
カップリング剤として具体的には、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ-アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ-(N,N-ジメチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(N,N-ジエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(N,N-ジブチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(N-メチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ-(N-エチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ-(N,N-ジメチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-(N,N-ジエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-(N,N-ジブチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-(N-メチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ-(N-エチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ-(N,N-ジメチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(N,N-ジエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(N,N-ジブチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(N-メチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(N-エチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N-(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤などが挙げられる。カップリング剤は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
液状封止樹脂組成物におけるカップリング剤の含有率は特に制限されないが、樹脂成分(エポキシ樹脂及び硬化剤)と無機充填材又は電子部品の構成部材との界面における接着性を強固にする観点、及び無機充填材の充填性を向上させる観点から、例えば、液状封止樹脂組成物全体の0.05質量%~10質量%であることが好ましく、0.2質量%~5質量%であることがより好ましく、0.4質量%~1質量%であることがさらに好ましい。
(その他の成分)
液状封止樹脂組成物は、上述した成分に加えてその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、イオントラップ剤、陰イオン交換体、染料、カーボンブラック等の着色剤、希釈剤、レベリング剤、消泡剤などが挙げられる。
<液状封止樹脂組成物(第2実施形態)>
本実施形態の液状封止樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、芳香族アミン化合物と、ジシアンジアミドと、を含有し、前記エポキシ樹脂のエポキシ基数に対する前記芳香族アミン化合物の活性水素数の比(芳香族アミン化合物の活性水素数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)が0.5~1.1の範囲内であり、前記エポキシ樹脂のエポキシ基数に対する前記ジシアンジアミドの活性水素数の比(ジシアンジアミドの活性水素数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)が0.01~1.0の範囲内である。液状封止樹脂組成物は、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。
本発明者らの検討により、上記構成を有する液状封止樹脂組成物は、バンプ等の金属部材に対する接着性に優れていることがわかった。その理由は必ずしも明らかではないが、金属に対する接着性に優れるアミン化合物を硬化剤として用いることに加え、一定温度以下ではエポキシ樹脂と反応しない潜在性硬化剤としてジシアンジアミドが作用することが考えられる。すなわち、ジシアンジアミドが硬化反応前に金属部材に吸着し、金属部材に吸着している状態でエポキシ樹脂と反応するために、金属部材に対する接着性が向上することが考えられる。さらに、ジシアンジアミドは金属に対する接着性に優れるというアミン化合物の性質を備え、かつ分子量が小さく活性水素密度が大きいため、ジシアンジアミドを用いない場合に比べて接着性が向上すると考えられる。
さらに本発明者らの検討により、上記構成を有する液状封止樹脂組成物は、電子部品表面に設けられるパッシベーション膜に対する接着性に優れていることがわかった。その理由は必ずしも明らかではないが、上記と同様に、ジシアンジアミドが硬化反応前にパッシベーション膜に吸着し、パッシベーション膜に吸着している状態でエポキシ樹脂と反応するために、パッシベーション膜に対する接着性が向上することが考えられる。
本実施形態の液状封止樹脂組成物は、エポキシ樹脂のエポキシ基数に対する芳香族アミン化合物の活性水素数の比(芳香族アミン化合物の活性水素数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)が0.5~1.1の範囲内であり、エポキシ樹脂のエポキシ基数に対するジシアンジアミドの活性水素数の比(ジシアンジアミドの活性水素数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)が0.01~1.0の範囲内である。これらの条件を満たすことで、金属部材又はパッシベーション膜に対する良好な接着性が得られる。
エポキシ樹脂のエポキシ基数に対する芳香族アミン化合物の活性水素数の比は、0.6~1.0の範囲内にあることが好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ基数に対するジシアンジアミドの活性水素数の比は、0.2~0.8の範囲内にあることが好ましく、0.4~0.6の範囲内にあることがより好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ基数に対する芳香族アミン化合物の活性水素数とジシアンジアミドの活性水素数の合計の比は、0.7~1.9の範囲内にあることが好ましく、1.0~1.6の範囲内にあることがより好ましい。
ジシアンジアミドの含有率(液状封止樹脂組成物の全体における含有率)は、0.05質量%~5.0質量%であることが好ましい。ジシアンジアミドの含有率が0.05質量%以上であることで、芳香族アミン化合物の耐湿接着性能を発揮しつつ、ジシアンジアミドによる接着性の向上効果が充分に発揮される。また、ジシアンジアミドの含有率が5.0質量%以下であることで、他成分との配合バランスが良好に維持される。ジシアンジアミドの含有率は、1.0質量%~4.0質量%であることがより好ましく、2.0質量%~3.0質量%であることがさらに好ましい。
本実施形態の液状封止樹脂組成物に含まれる各成分の詳細及び好ましい態様は、上述した第1実施形態の液状封止樹脂組成物に含まれる各成分の詳細及び好ましい態様と同様である。
<液状封止樹脂組成物(第3実施形態)>
本実施形態の液状封止樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、ジシアンジアミドと、カップリング剤と、無機充填材と、を含む液状封止樹脂組成物である。液状封止樹脂組成物は、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
本発明者らの検討により、ジシアンジアミドを含有する液状封止樹脂組成物は、耐ブリード性に優れることがわかった。その理由は必ずしも明らかではないが、液状封止樹脂組成物に含まれるジシアンジアミドが樹脂成分(エポキシ樹脂及び硬化剤)の硬化速度を速めるように作用し、滲み出し(ブリード)成分が析出する前に液状封止樹脂組成物を硬化させることができるためと考えられる。
また、ジシアンジアミドは常温で固形であるため、溶剤を含まないかその含有量が少ない(例えば、溶剤の含有率が液状封止樹脂組成物全体の5質量%以下である)液状封止樹脂組成物の成分として積極的に用いられていないが、本開示ではジシアンジアミドを含有することで、液状封止樹脂組成物が溶剤を含まないかその含有量が少ない場合であっても優れた耐ブリード性を実現している。
耐ブリード性向上の観点からは、エポキシ樹脂中のエポキシ基数に対するジシアンジアミド中の反応性基(活性水素)数の比(ジシアンジアミド中の活性水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)は、0.01~0.1の範囲内にあることが好ましく、0.02~0.06の範囲内にあることがより好ましく、0.03~0.05の範囲内にあることがさらに好ましい。
液状封止樹脂組成物におけるジシアンジアミドの含有率は特に制限されないが、例えば、液状封止樹脂組成物全体の0.05質量%~2.0質量%であることが好ましく、0.1質量%~1.5質量%であることがより好ましく、0.1質量%~1.0質量%であることがさらに好ましく、0.1質量%~0.3質量%であることが特に好ましい。
ジシアンジアミドは、市販品としても入手可能である。ジシアンジアミドの市販品としては、例えば、三菱ケミカル株式会社の商品名「DICY7」が挙げられる。
本実施形態の液状封止樹脂組成物に含まれるジシアンジアミド以外の各成分の詳細及び好ましい態様は、上述した第1実施形態の液状封止樹脂組成物に含まれる各成分の詳細及び好ましい態様と同様である。
<液状封止樹脂組成物の調製方法>
液状封止樹脂組成物の調製方法は特に制限されず、上記各種成分を分散混合できる手法であれば、いかなる手法を用いてもよい。液状封止樹脂組成物は、例えば、所定の配合量の前記各成分を秤量し、らいかい機、ミキシングロール、プラネタリミキサ等の混合機を用いて混合及び混練し、必要に応じて脱泡することによって得ることができる。混合及び混練の条件は、原料の種類等に応じて適宜決定すればよいが、前記各成分が均一に混合及び分散する条件を選択することが好ましい。
液状封止樹脂組成物は、EHD型回転粘度計を用いて常温(25℃)で測定される粘度が1000Pa・s以下であることが好ましい。前記粘度が1000Pa・s以下であると、電子部品の小型化、半導体素子の接続端子のファインピッチ化、配線基板の微細配線化に対応可能な流動性及び浸透性が確保される傾向にある。前記粘度は、同様の観点から、例えば、500Pa・s以下であることがより好ましく、100Pa・s以下であることがさらに好ましく、30Pa・s以下であることが特に好ましい。前記粘度の下限に特に制限はないが、実装性の観点からは、例えば、1.0Pa・s以上であることが好ましく、10Pa・s以上であることがより好ましい。
液状封止樹脂組成物の粘度は、例えば、封止の対象となる電子部品及び電子部品装置の種類に応じて適宜調整すればよい。液状封止樹脂組成物の粘度は、例えば、上記で例示した各成分の種類、含有量等を制御することによって調整することができる。
<液状封止樹脂組成物の用途>
本開示の液状封止樹脂組成物は、電子部品装置のアンダーフィル材として好適である。特に、基板と電子部品をバンプを介して接続した構造を有する電子部品装置の電子部品を封止するためのアンダーフィル材として好適である。
本開示の液状封止樹脂組成物は、基板と電子部品を接続するバンプの材質として従来の鉛含有はんだではなく、Sn-Ag-Cu系等の鉛フリーはんだを用いたフリップチップ実装の電子部品装置用のアンダーフィル材としても好適である。本開示の液状封止樹脂組成物を用いることで、鉛含有はんだと比べて物性的に脆い鉛フリーはんだを用いてバンプ接続をした電子部品装置であっても良好な信頼性を確保できる。
本開示の液状封止樹脂組成物は、大型の素子を搭載する(例えば、電子部品の長辺の長さが5mm以上である)電子部品装置用のアンダーフィル材としても好適である。また、基板と電子部品の間のギャップが狭い(例えば、基板と電子部品のバンプ接続面間の距離が60μm以下である)場合であっても良好な流動性と充填性を示し、耐湿性、耐熱衝撃性等の信頼性に優れる電子部品装置を提供することができる。上記の場合において、電子部品のより好適な長辺の長さは5mm~30mmであり、基板と電子部品のバンプ接続面間のより好適な距離は30μm~60μmである。
また、近年、半導体素子の高速化に伴い、低誘電率の層間絶縁膜が半導体素子に形成されているが、この層間絶縁膜は機械強度が弱く、外部からの応力で破壊され易いため、故障が発生し易い。この傾向は半導体素子が大きくなる程顕著になるため、液状封止樹脂組成物に起因して生じる応力の低減が求められている。
本開示の液状封止樹脂組成物は、例えば、半導体素子の長い方の辺の長さが2mm以上のサイズであり、誘電率が3.0以下の層間絶縁膜を有する半導体素子を搭載するフリップチップ型の電子部品装置に対しても、優れた信頼性を提供することができる。
また、基板と電子部品のバンプ接続面間の距離が200μm以下である場合でも良好な流動性及び充填性を示し、耐湿性、耐熱衝撃性等の信頼性に優れる電子部品装置を製造することができる。
<電子部品装置>
本開示の電子部品装置は、回路を有する基板と、前記基板上に配置され、かつ前記回路と電気的に接続された電子部品と、前記基板と前記電子部品との間に配置される上述した液状封止樹脂組成物の硬化物と、を備える。
電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線基板(リジッド又はフレキシブル)、ガラス、シリコンウエハ等の基板に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、抵抗アレイ、コイル、スイッチ等の受動素子などの電子部品を搭載し、それら電子部品を液状封止樹脂組成物で封止したものが挙げられる。
液状封止樹脂組成物を用いて電子部品を封止する方法としては、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等が挙げられる。
電子部品装置の中でも、配線基板上に電子部品を直接バンプ接続してなる電子部品装置が好ましく、配線基板に電子部品をフリップチップボンディングにより直接バンプ接続してなる電子部品装置がより好ましい。このような電子部品装置の具体例としては、フリップチップBGA(Ball grid array)、LGA(Land Grid Array)、COF(Chip On Film)等の電子部品装置が挙げられる。
電子部品装置は、基板と電子部品を接続するバンプの材質として従来の鉛含有はんだではなく、Sn-Ag-Cu系等の鉛フリーはんだを用いたフリップチップ実装の電子部品装置であってもよい。
電子部品装置は、大型の素子を搭載する(例えば、電子部品の長辺の長さが5mm以上である)ものであってもよい。また、基板と電子部品の間のギャップが狭い(例えば、基板と電子部品のバンプ接続面の距離が60μm以下である)ものであってもよい。上記の場合において、電子部品のより好適な長辺の長さは5mm~30mmであり、基板と電子部品のバンプ接続面のより好適な距離は30μm~60μmである。
[電子部品装置の製造方法]
本開示の電子部品装置の製造方法は、回路を有する基板(支持部材)と、前記基板上に配置され、かつ前記回路と電気的に接続された電子部品と、の間の空隙の少なくとも一部を上述した液状封止樹脂組成物を用いて封止する工程を備える。
上記方法により製造される電子部品装置等の好適な態様は、上述した電子部品装置の好適な態様と同様である。
本開示の電子部品装置の製造方法では、基板と電子部品との間の空隙の少なくとも一部を液状封止樹脂組成物によって封止するが、空隙の全部を封止することが好ましい。また、基板と電子部品との間の空隙以外の部分を液状封止樹脂組成物で封止してもよい。
液状封止樹脂組成物を用いて基板と電子部品との間の空隙を封止する方法は特に制限されず、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等の従来公知の方式を適用することができる。
以下、本開示の液状封止樹脂組成物を実施例によってさらに具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
以下の成分をそれぞれ表1に示す組成で配合し、三本ロール、次いでらいかい機にて混練分散した後、真空脱泡して、実施例1-1~1-6及び比較例1-1、1-2の液状封止樹脂組成物を調製した。
・エポキシ樹脂1-1…ビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社、商品名「YDF8170C」)
・エポキシ樹脂1-2…トリグリシジルアミノフェノール(三菱ケミカル株式会社、商品名「jER630」)
・エポキシ樹脂1-3…ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社、商品名「EPICLON HP-4032D」)
・芳香族アミン化合物1-1…ジエチルトルエンジアミン(油化シェルエポキシ株式会社、商品名「エピキュア-W」)
・芳香族アミン化合物1-2…3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(日本化薬株式会社、商品名「カヤハードAA」)
・ジシアンジアミド(三菱ケミカル株式会社、商品名「DICY7」)
・カップリング剤…3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(JNC株式会社、商品名「サイラエース S510」)
・可とう剤…シリコーンゴム粒子(東レ・ダウコーニング株式会社、商品名「トレフィルEP-2601」
・着色剤…カーボンブラック(三菱ケミカル株式会社、商品名「MA100」)
・無機充填材…球状シリカ(株式会社アドマテックス、商品名「SE2200」)
調製した液状封止樹脂組成物を用いて、下記の接着力試験により接着力の評価を行った。
最初に液状封止樹脂組成物をホットプレート上で120℃で30分プリベークした。次に、被着体である7mm角の銅又は窒化ケイ素の板の上に、直径3mmの穴が開いた高さ1mmのシリコーンゴム板を設置した。110℃の温度下において、上記プリベークした液状封止樹脂組成物をシリンジ(1cm)を用いて、上記シリコーンゴムの穴に充填した。次いで、オーブンを用いて150℃で2時間加熱することで液状封止樹脂組成物の硬化物を得た。この硬化物と被着体に対する接着性を、ボンドテスター(ノードソン・アドバンスド・テクノロジー株式会社、商品名「Dage 4000-PXY」)を用いて評価した。測定条件は、測定スピードを50μm/sとし、測定高さを50μmとした。3点で測定した値の算術平均値(MPa)を表1に示す。数値が大きいほど、硬化物の被着体に対する接着性が高いと評価できる。
Figure 0007167912000001

表1に示す結果から、ジシアンジアミドを使用することで液状封止樹脂組成物の銅又は窒化ケイ素に対する接着性が向上することがわかる。
<実施例2>
下記成分を表2に示す組成で配合し、三本ロール及び真空らいかい機にて混練分散して、実施例2-1~2-3及び比較例2-1の液状封止樹脂組成物を調製した。
・エポキシ樹脂2-1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社、商品名「YDF-8170C」)
・エポキシ樹脂2-2:トリグリシジルアミノフェノール(三菱ケミカル株式会社、商品名:jER630)
・硬化剤2-1:ジエチルトルエンジアミン(三菱ケミカル株式会社、商品名「jERキュア-W」)
・硬化剤2-2:2…3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(日本化薬株式会社、商品名「カヤハードAA」)
・ジシアンジアミド:三菱ケミカル株式会社、商品名「DICY7」
・カップリング剤:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社、商品名「KBM-403」)
・無機充填材:平均粒子径0.5μmの球状溶融シリカ(株式会社アドマテックス、商品名「SE2050」)
・着色剤:カーボンブラック(三菱ケミカル株式会社、商品名「MA100」)
調製した液状封止樹脂組成物を用いて、下記の試験により耐ブリード性の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)評価用電子部品装置の作製
液状封止樹脂組成物5mgを、110℃の条件下でディスペンス方式により支持部材(基板)と電子部品(半導体素子)との間の空隙に9回に分けて注入した後、150℃で2時間、空気中で硬化することで間隙を封止し、評価用電子部品装置を作製した。評価用電子部品装置の仕様は以下のとおりである。
・半導体素子のサイズ:10mm×10mm×0.2mm
・基板のサイズ:35mm×35mm×1mm厚
・基板(コア)の種類:E-679FG(G)(日立化成株式会社、商品名)
・ソルダーレジストの種類:SR-1(太陽インキ製造株式会社、商品名)
・基板と半導体素子との間のギャップ:50μm
(2)滲み出し(ブリード)長さの測定
評価用電子部品装置の基板における、液状封止樹脂組成物の硬化物であるフィレットの末端が基板の表面と接する部分の近傍を、マイクロスコープ(株式会社キーエンス、商品名「Digital microscope VHX-500」)で観察し、樹脂成分の滲み出し(ブリード)が最も著しい部分の長さを測定した。結果を表2に示す。滲み出し(ブリード)長さが短いほど、耐ブリード性に優れると判断できる。
Figure 0007167912000002

表2に示すように、液状封止樹脂組成物がジシアンジアミドを含む実施例2-1~2-3は、液状封止樹脂組成物がジシアンジアミドを含まない比較例2-1に比べて滲みだし長さの測定値が小さく、耐ブリード性に優れていることがわかる。また、ジシアンジアミドの含有率が液状封止樹脂組成物全体の0.2質量%である実施例2-1は、比較例2-1に比べて滲み出し長さが顕著に小さく、耐ブリード性に特に優れていることがわかる。

Claims (11)

  1. エポキシ樹脂と、芳香族アミン化合物と、ジシアンジアミドと、を含有し、前記ジシアンジアミドの含有率が0.05質量%~2.0質量%である、液状封止樹脂組成物(ただし、シアン酸エステルを含むものを除く)
  2. エポキシ樹脂と、芳香族アミン化合物と、ジシアンジアミドと、を含有し、前記エポキシ樹脂のエポキシ基数に対する前記芳香族アミン化合物の活性水素数の比(芳香族アミン化合物の活性水素数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)が0.5~1.1の範囲内であり、前記エポキシ樹脂のエポキシ基数に対する前記ジシアンジアミドの活性水素数の比(ジシアンジアミドの活性水素数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)が0.01~1.0の範囲内であり、前記ジシアンジアミドの含有率が0.05質量%~2.0質量%である、液状封止樹脂組成物(ただし、シアン酸エステルを含むものを除く)
  3. エポキシ樹脂と、芳香族アミン化合物と、ジシアンジアミドと、カップリング剤と、無機充填材と、を含む請求項1又は請求項2に記載の液状封止樹脂組成物。
  4. 前記カップリング剤の含有率が前記液状封止樹脂組成物全体の0.05質量%~10質量%である、請求項3に記載の液状封止樹脂組成物。
  5. エポキシ樹脂と、芳香族アミン化合物と、ジシアンジアミドと、を含有し、前記ジシアンジアミドの含有率が0.05質量%~5.0質量%であり、前記エポキシ樹脂がビスフェノール型エポキシ樹脂とグリシジルアミン型エポキシ樹脂とを含む、液状封止樹脂組成物(ただし、シアン酸エステルを含むものを除く)。
  6. さらに無機充填材を含有する、請求項1又は請求項2に記載の液状封止樹脂組成物。
  7. エポキシ樹脂と、芳香族アミン化合物と、ジシアンジアミドと、を含有し、前記エポキシ樹脂のエポキシ基数に対する前記芳香族アミン化合物の活性水素数の比(芳香族アミン化合物の活性水素数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)が0.5~1.1の範囲内であり、前記エポキシ樹脂のエポキシ基数に対する前記ジシアンジアミドの活性水素数の比(ジシアンジアミドの活性水素数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)が0.01~1.0の範囲内であり、前記エポキシ樹脂がビスフェノール型エポキシ樹脂とグリシジルアミン型エポキシ樹脂とを含む、液状封止樹脂組成物(ただし、シアン酸エステルを含むものを除く)。
  8. 溶剤を含まないか、溶剤の含有率が前記液状封止樹脂組成物全体の5質量%以下である、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物。
  9. 電子部品装置のアンダーフィル材である、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物。
  10. 回路を有する基板と、前記基板上に配置され、かつ前記回路と電気的に接続された電子部品と、前記基板と前記電子部品との間に配置される請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物の硬化物と、を備える電子部品装置。
  11. 回路を有する基板と、前記基板上に配置され、かつ前記回路と電気的に接続された電子部品と、の間の空隙の少なくとも一部を請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の液状封止樹脂組成物を用いて封止する工程を備える電子部品装置の製造方法。
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