JP6686433B2 - アンダーフィル用樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アンダーフィル用樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法に関する。より詳しくは、厳しい信頼性を要求される電子部品装置に特に好適なアンダーフィル用樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いた電子部品装置及びその製造方法に関する。
従来から、トランジスタ、IC等の電子部品装置の素子封止の分野では、生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流であり、封止材として様々な樹脂組成物が適用されている。その中でも、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物が広く使用されている。その理由としては、エポキシ樹脂が作業性、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の封止材に要求される諸特性のバランスに優れているためである。
半導体素子の表面実装としては、電子部品装置の小型化及び薄型化に伴い、ベアチップを直接配線基板上に実装する、いわゆるベアチップ実装が主流となっている。このベアチップ実装による半導体装置としては、例えば、COB(Chip on Board)、COG(Chip on Glass)、TCP(Tape Carrier Package)等が挙げられ、これらの半導体装置においては、電子部品用液状樹脂組成物が封止材として広く使用されている。
また、半導体素子を、セラミック、ガラス/エポキシ樹脂、ガラス/イミド樹脂、ポリイミドフィルム等を基板とする配線基板(以下、単に「基板」ともいう)上に直接バンプ接続してなる半導体装置(フリップチップ)では、バンプ接続した半導体素子と配線基板との間隙(ギャップ)に充填するアンダーフィル材として、電子部品用液状樹脂組成物が使用されている。
これらの電子部品用液状樹脂組成物は、電子部品を温湿度及び機械的な外力から保護する重要な役割を果たしている。
近年、情報技術の発展に伴って、電子機器のさらなる小型化、高集積度化及び多機能化が進展しており、多ピン化によるバンプの小径化、狭ピッチ化及び狭ギャップ化が進んでいる。これにより、アンダーフィル材の流動経路は複雑になり、従来に比べてボイド等の未充填部分が発生し易くなっている。該未充填部分は、半導体素子と基板との接着性の低下、得られる半導体製品の信頼性の低下等を招く原因となり得るため、存在しないことが望ましい。
また、上述した電子機器の小型化により、基板上に配置された接続端子と半導体チップとの間隔が従来に比べ狭くなっている。このため、フィレット部において基板への樹脂成分の滲み出し(ブリード)が生じると、その滲み出しによって配線が汚染される場合があった。
特許文献1には、狭ギャップ及び狭ピッチへの充填性に優れたエポキシ樹脂組成物として、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填材及び(D)アラルキル基変性ポリシロキサンを含有してなる液状封止エポキシ樹脂組成物が開示されている。
特開2013−127039号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているアラルキル基変性ポリシロキサンを含有してなる液状封止エポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として用いた場合、半導体素子及び基板に対する接着力が低下する場合があった。
また、基板への樹脂成分の滲み出し(耐ブリード性)についても、上述した接続端子と半導体チップとの間隔の狭小化に対応するには十分ではなく、改善が望まれていた。
そこで、本発明は、接着性、充填性及び耐ブリード性に優れるアンダーフィル用樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いた電子部品装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のシリコーン化合物を含むアンダーフィル用樹脂組成物が、接着性、充填性及び耐ブリード性に優れることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[8]に関する。
[1](A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)シリコーン化合物及び(D)無機充填材を含み、(C)シリコーン化合物が、芳香環含有基とグリシジル基含有基とを有するものである、アンダーフィル用樹脂組成物。
[2](C)シリコーン化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である、上記[1]に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。

(R〜R10は、炭化水素基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよいが、R〜R10のうち、少なくとも1つは芳香環含有基であり、少なくとも1つはグリシジル基含有基である。mは、1分子中に含まれるシロキサン単位−上記[Si(R)(R)O]−のモル数を示し、0〜3000の数を表し、nは、1分子中に含まれるシロキサン単位−上記[Si(R)(R)O]−のモル数を示し、0〜3000の数を表す。前記両シロキサン単位は、ブロック配列されていてもよく、ランダム配列されていてもよい。mが2以上である場合、複数のR同士及び複数のR同士は同一であっても異なっていてもよく、nが2以上である場合、複数のR同士及び複数のR同士は同一であっても異なっていてもよい。)
[3](C)シリコーン化合物の含有量が、0.01〜1質量%である、上記[1]又は[2]に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[4](A)エポキシ樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹脂及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる1種以上である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[5](B)硬化剤が、芳香族アミン化合物である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[6]前記芳香族アミン化合物が、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン及びジエチルトルエンジアミンからなる群から選ばれる1種以上である、上記[5]に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
[7]支持部材と電子部品とが接続部を介して電気的に接続された電子部品装置の製造方法であって、前記接続部の少なくとも一部を、上記[1]〜[6]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物を用いて封止する工程を備える、電子部品装置の製造方法。
[8]支持部材と、前記支持部材上に配置された電子部品と、前記支持部材と前記電子部品との接続部の少なくとも一部を封止している上記[1]〜[6]のいずれかに記載のアンダーフィル用樹脂組成物の硬化物と、を含む電子部品装置。
本発明によると、接着性、充填性及び耐ブリード性に優れるアンダーフィル用樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いた電子部品装置及びその製造方法を提供することができる。
本明細書において「工程」との用語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
さらに本明細書において樹脂組成物中の各成分の含有量は、樹脂組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、樹脂組成物中に存在する当該複数の物質の合計含有量を意味する。
さらに本明細書において「常温」とは25℃を意味し、「液体」とは流動性と粘性を示し、かつ粘性を示す尺度である粘度が0.0001Pa・s〜100Pa・sである物質を意味する。また、「液状」とは前記液体の状態であることを意味する。
本明細書において粘度とは、EHD型回転粘度計を25℃で1分間、所定の回毎分で回転させた時の測定値に、所定の換算係数を乗じた値と定義する。上記測定値は、25±1℃に保たれた液体について、コーン角度3゜、コーン半径14mmのコーンロータを装着したEHD型回転粘度計を用いて得られる。前記回毎分及び換算係数は、測定対象の液体の粘度によって異なる。具体的には、測定対象の液体の粘度を予め大まかに推定し、推定値に応じて回毎分及び換算係数を決定する。
本明細書では、測定対象の液体の粘度の推定値が0Pa・s以上1.25Pa・s未満の場合は回転数を10rpm、換算係数を0.5とし、粘度の推定値が1.25Pa・s以上2.5Pa・s未満の場合は回転数を5rpm、換算係数を1とし、粘度の推定値が2.5Pa・s以上6.25Pa・s未満の場合は回転数を2.5rpm、換算係数を2とし、粘度の推定値が6.25Pa・s以上12.5Pa・s未満の場合は回転数を1rpm、換算係数を5とする。
[アンダーフィル用樹脂組成物]
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)シリコーン化合物及び(D)無機充填材を含み、(C)シリコーン化合物が、芳香環含有基とグリシジル基含有基とを有するものである。
以下、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物の物性及び成分について説明する。
<(A)エポキシ樹脂>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂を含む。
(A)エポキシ樹脂としては、アンダーフィル用樹脂組成物に一般に使用されているエポキシ樹脂を特に制限なく用いることができるが、例えば、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。
(A)エポキシ樹脂は、常温で固形状であっても液状であってもよいが、充填性の観点から、常温で液状であることが好ましい。常温で液状のエポキシ樹脂(以下、「液状エポキシ樹脂」ともいう)としては、アンダーフィル用樹脂組成物で一般に使用されている液状エポキシ樹脂を用いることができる。
このような(A)エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、水添ビスフェノールA等のビスフェノール型エポキシ樹脂等のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のフェノール類とアルデヒド類とから得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの;フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;p―アミノフェノール、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のアミン化合物とエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸により酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂及び脂環族エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、流動性の観点からは、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく、耐熱性、接着性及び流動性の観点からは、例えば、グリシジルアミン型エポキシ樹脂が好ましい。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂は、流動性の観点から、常温で液状であることがより好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂は、いずれかを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよいが、耐熱性、接着性及び流動性の観点からは、ビスフェノール型エポキシ樹脂とグリシジルアミン型エポキシ樹脂とを併用することが好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂の合計含有量は、特に制限はないが、その性能を発揮する観点から、(A)エポキシ樹脂全量に対して、例えば、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
また、ビスフェノール型エポキシ樹脂とグリシジルアミン型エポキシとを併用する場合、その質量比(ビスフェノール型エポキシ樹脂:グリシジルアミン型エポキシ)は、特に制限はないが、耐熱性、接着性及び流動性の観点から、例えば、20:80〜95:5であることが好ましく、40:60〜90:10であることがより好ましく、60:40〜80:20であることがさらに好ましい。
また、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物には、常温で固形状のエポキシ樹脂を使用することもできる。
常温で固形状のエポキシ樹脂の含有量は、流動性の観点から、(A)エポキシ樹脂全量に対して、例えば、0〜20質量%であることが好ましい。
(A)エポキシ樹脂の純度は高いことが好ましい。特に加水分解性塩素量は、IC等の素子上のアルミ配線腐食に係わるため少ない方が好ましく、耐湿性に優れるアンダーフィル用樹脂組成物を得る観点からは、例えば、500ppm以下であることが好ましい。
ここで、加水分解性塩素量とは、試料のエポキシ樹脂1gをジオキサン30mlに溶解し、1N−KOH(水酸化カリウム)メタノール溶液5mlを添加して30分間還流させた後、電位差滴定により求めた値を尺度としたものである。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物中の(A)エポキシ樹脂の含有量は、特に制限はないが、耐熱性、接着性及び流動性の観点から、(D)無機充填材を除く樹脂組成物の全量中、例えば、40〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましく、55〜75質量%であることがさらに好ましい。
<(B)硬化剤>
(B)硬化剤は、(A)エポキシ樹脂の硬化剤として機能する化合物であれば特に制限なく用いることができ、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等のアンダーフィル用樹脂組成物で一般に使用されている硬化剤を使用することができる。これらの中でも、接着性、充填性及び耐ブリード性の観点から、アミン系硬化剤が好ましい。
アミン系硬化剤としては、特に制限はないが、例えば、1分子中に1級アミノ基及び2級アミノ基からなる群から選ばれる1種以上(以下、単に「アミノ基」ともいう)を2個以上含む化合物であることが好ましく、前記アミノ基を2〜4個有する化合物であることがより好ましく、前記アミノ基を2個有するジアミン化合物であることがさらに好ましい。
また、アミン系硬化剤は、芳香環を有する芳香族アミン化合物であることがさらに好ましい。
アミン系硬化剤は、常温で固形状であっても液状であってもよいが、流動性の観点からは、常温で液状であることが好ましい。
したがって、アミン系硬化剤としては、常温で液状の芳香族アミン化合物(以下、「液状芳香族アミン化合物」ともいう)を含むことが好ましく、常温で液状の芳香族ジアミン化合物を含むことがより好ましい。
液状芳香族アミン化合物としては、特に制限はないが、例えば、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン等のジエチルトルエンジアミン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。これらの中でも、保存安定性の観点からは、例えば、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン及びジエチルトルエンジアミンが好ましい。これらの液状芳香族アミン化合物は、単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン及びジエチルトルエンジアミンの(B)硬化剤全量に対する合計含有量は、特に制限はないが、例えば、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。
液状芳香族アミン化合物としては、市販品を用いてもよい。市販品の液状芳香族アミン化合物としては、例えば、JERキュア(登録商標)−W、JERキュア(登録商標)−Z(三菱化学株式会社製、商品名)、カヤハード(登録商標)A−A、カヤハード(登録商標)A−B、カヤハード(登録商標)A−S(日本化薬株式会社製、商品名)、トートアミンHM−205(東都化成株式会社製、商品名)、アデカハードナー(登録商標)EH−101(株式会社ADEKA製、商品名)、エポミック(登録商標)Q−640、エポミック(登録商標)Q−643(三井化学株式会社製、商品名)、DETDA80(Lonza社製、商品名)等が入手可能である。
(B)硬化剤中における液状芳香族アミン化合物の含有量は、特に制限はないが、その性能を発揮する観点から、(B)硬化剤全量に対して、例えば、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物には、常温で固形状の(B)硬化剤を使用することもできる。
常温で固形状の(B)硬化剤の含有量は、流動性の観点から、(B)硬化剤全量に対して、例えば、0〜20質量%であることが好ましい。
(B)硬化剤の活性水素当量は、特に制限はないが、接着性、充填性及び耐ブリード性の観点から、例えば、10〜200g/molであることが好ましく、20〜100g/molであることがより好ましく、30〜70g/molであることがさらに好ましい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物中の(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との当量比((A)エポキシ樹脂のエポキシ基のモル数/(B)硬化剤の活性水素のモル数)は、特に制限はないが、それぞれの未反応分を少なく抑える観点から、例えば、0.7〜1.6であることが好ましく、0.8〜1.4であることがより好ましく、0.9〜1.2であることがさらに好ましい。
<(C)シリコーン化合物>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、(C)成分として、芳香環含有基とグリシジル基含有基とを有するシリコーン化合物を含む。
(C)シリコーン化合物は、芳香環含有基とグリシジル基含有基とを有するシリコーン化合物であれば特に制限なく用いることができる。
(芳香環含有基)
(C)シリコーン化合物が含有する芳香環含有基としては、芳香環を含有する基であれば特に制限はないが、例えば、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、フェニルブチル基等のアラルキル基、スチリル基等のアリールビニル基などの芳香環を含有する1価の基が挙げられる。
これらの中でも、芳香環含有基は、流動中における流動先端の乱れを低減することができると共に、ブリード抑制にも効果がある観点から、アリール基又はアラルキル基であることが好ましく、アラルキル基であることがより好ましい。
芳香環含有基に含有される芳香環としては、特に制限はないが、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられ、これらの中でも、接着性、充填性及び耐ブリード性の観点から、ベンゼン環であることが好ましい。
芳香環含有基の炭素数は、特に制限はないが、接着性、充填性及び耐ブリード性の観点から、例えば、6〜20であることが好ましく、6〜15であることがより好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。
(グリシジル基含有基)
(C)シリコーン化合物が含有するグリシジル基含有基としては、グリシジル基を含有する基であれば特に制限はないが、例えば、グリシジル基、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、グリシジルアミノ基等が挙げられる。
グリシジル基含有基の炭素数は、特に制限はないが、接着性、充填性及び耐ブリード性の観点から、例えば、3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10であることがさらに好ましい。
また、(C)シリコーン化合物に含まれるグリシジル基含有基の当量は、特に制限はないが、接着性、充填性及び耐ブリード性の観点から、例えば、100〜2000g/molであることが好ましく、150〜1000g/molであることがより好ましく、200〜800g/molであることがさらに好ましい。
(C)シリコーン化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物を例示することができる。
一般式(1)中、R〜R10は、炭化水素基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよいが、R〜R10のうち、少なくとも1つは芳香環含有基であり、少なくとも1つはグリシジル基含有基である。mは、1分子中に含まれるシロキサン単位−[Si(R)(R)O]−のモル数を示し、0〜3000の数を表し、nは、1分子中に含まれるシロキサン単位−[Si(R)(R)O]−のモル数を示し、0〜3000の数を表す。前記両シロキサン単位は、ブロック配列されていてもよく、ランダム配列されていてもよい。mが2以上である場合、複数のR同士及び複数のR同士は同一であっても異なっていてもよく、nが2以上である場合、複数のR同士及び複数のR同士は同一であっても異なっていてもよい。
〜R10が表す芳香環含有基及びグリシジル基含有基の具体的態様及び好ましい態様は前述のとおりである。
これらの中でも、芳香環含有基及びグリシジル基含有基は、Rとして(C)シリコーン化合物に含まれることが好ましい。すなわち、一般式(1)におけるnが2以上であり、複数存在するRの少なくとも1つが、芳香環含有基であり、残りのRの少なくとも1つが、グリシジル基含有基であることが好ましい。
〜R10が表す芳香環含有基及びグリシジル基含有基以外の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、アルキル基、アルケニル基等の脂肪族炭化水素基などが挙げられる。脂肪族炭化水素基の炭素数に特に制限はないが、入手容易性の観点からは、例えば、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等が挙げられる。これらの中でも、入手容易性の観点からは、例えば、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
(C)シリコーン化合物としては、市販品を用いてもよい。市販品の(C)シリコーン化合物としては、例えば、X−22−2000、KF−1005(いずれも信越化学工業株式会社製、商品名)等が入手可能である。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物中の(C)シリコーン化合物の含有量は、特に制限はないが、接着性、充填性及び耐ブリード性の観点から、例えば、0.01〜1質量%であることが好ましく、0.03〜0.5質量%であることがより好ましく、0.05〜0.2質量%であることがさらに好ましい。
<(D)無機充填材>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、(D)無機充填材を含む。
(D)無機充填材としては、特に制限はないが、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ、炭酸カルシウム、クレー、酸化アルミナ等のアルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化ホウ素、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム、窒化アルミ、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられる。
さらに、(D)無機充填材として難燃効果のある無機充填材を用いてもよく、難燃効果のある無機充填材としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等が挙げられる。
これらの中でも、流動性及び浸透性の観点からは、例えば、溶融シリカが好ましい。
これらの(D)無機充填材は、単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)無機充填材の粒子形状は、特に制限はなく、不定形であっても球状であってもよいが、アンダーフィル用樹脂組成物の微細間隙への流動性及び浸透性の観点からは、球状であることが好ましい。同様の観点から、(D)無機充填材としては、例えば、球状シリカが好ましく、球状溶融シリカがより好ましい。
(D)無機充填材の平均粒径は、特に制限はないが、例えば、0.1〜10μmであることが好ましく、0.3〜5μmであることより好ましい。(D)無機充填材の平均粒径が0.1μm以上であると、樹脂成分への分散性が向上し、アンダーフィル用樹脂組成物の流動特性が向上する傾向があり、10μm以下であると(D)無機充填材の沈降を抑制し易くなる傾向、及びアンダーフィル用樹脂組成物としての微細間隙への浸透性及び流動性が向上して、ボイド及び未充填部分の発生を抑制できる傾向がある。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物中の(D)無機充填材の含有量は、特に制限はないが、例えば、20〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましく、40〜75質量%であることがさらに好ましく、50〜75質量%であることが特に好ましく、60〜75質量%であることが極めて好ましい。(D)無機充填材の含有量が20質量%以上であると熱膨張係数が低減する傾向があり、90質量%以下であるとアンダーフィル用樹脂組成物の粘度が低減し、流動性、浸透性及びディスペンス性が向上する傾向がある。
<カップリング剤>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、樹脂と無機充填材との界面接着及び樹脂と電子部品の構成部材との界面接着を強固にする観点、並びに充填性を向上させる観点から、必要に応じてカップリング剤を含んでいてもよい。
カップリング剤としては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができ、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基及び3級アミノ基からなる群から選ばれる1種以上を有するアミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等が挙げられる。これらの中でも、充填性の観点からは、例えば、シラン系化合物が好ましく、エポキシシランがより好ましい。
エポキシシランとしては、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、充填性の観点からは、例えば、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
これらのカップリング剤は、単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物がカップリング剤を含有する場合、カップリング剤の含有量は、特に制限はないが、樹脂と無機充填材との界面接着及び樹脂と電子部品の構成部材との界面接着を強固にする観点、並びに充填性を向上させる観点から、例えば、0.05〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.4〜1質量%であることがさらに好ましい。
<硬化促進剤>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との反応を促進させる観点から、必要に応じて硬化促進剤を含んでいてもよい。
硬化促進剤としては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができ、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物;トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジルー2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物;トリブチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン等のジアルキルアリールホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等のアルキルジアリールホスフィン、トリフェニルホスフィン、アルキル基置換トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、及びこれらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合を有する化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、及びこれらの誘導体;2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレート等のフェニルボロン塩などが挙げられる。
また、潜在性を有する硬化促進剤として、常温で固体のアミノ基を有する化合物を含むコアを、常温で固体のエポキシ化合物を含むシェルで被覆してなるコア−シェル粒子が挙げられる。該コア−シェル粒子の市販品としては、アミキュア(登録商標)(味の素株式会社製、商品名)、マイクロカプセル化されたアミンをビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂に分散させたノバキュア(登録商標)(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名)等が使用できる。
これらの硬化促進剤は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物が硬化促進剤を含有する場合、硬化促進剤の含有量は、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との硬化促進効果が達成される量であれば特に制限はなく、用いる硬化促進剤の種類等に応じて適宜選択すればよいが、(A)エポキシ樹脂に対して、例えば、0.1〜40質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、0.8〜10質量%であることがさらに好ましい。硬化促進剤の含有量が0.1質量%以上であると低温での硬化性が良好となり、40質量%以下であると硬化速度の制御が容易になり、ポットライフ、シェルライフ等の保存安定性が向上する。
<可撓剤>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、耐熱衝撃性の向上、半導体素子への応力低減等を目的として、必要に応じて可撓剤を含んでいてもよい。
可撓剤としては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、耐衝撃性の向上、応力低減及び汎用性の観点からは、例えば、ゴム粒子が好ましい。
ゴム粒子の材質としては、特に制限はないが、例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム(UR)、アクリルゴム(AR)等が挙げられる。なかでも耐熱性及び耐湿性の観点から、アクリルゴムからなるゴム粒子が好ましく、コアシェル型アクリル系重合体、すなわちコアシェル型アクリルゴム粒子がより好ましい。
<イオントラップ剤>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、IC等の半導体素子の耐マイグレーション性、耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、必要に応じてイオントラップ剤を含んでいてもよい。
イオントラップ剤としては、特に制限はないが、例えば、下記組成式(I)又は(II)で表されるイオントラップ剤が挙げられる。
Mg1−xAl(OH)(COx/2・mHO (I)
(0<X≦0.5、mは正の数)
BiO(OH)(NO (II)
(0.9≦x≦1.1、0.6≦y≦0.8、0.2≦z≦0.4)
前記組成式(I)又は(II)で表される化合物は、市販品として入手可能である。組成式(I)で表される化合物の市販品としては、例えば、協和化学工業株式会社製「DHT−4A(商品名)」が入手可能である。また、上記組成式(II)で表される化合物の市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製「IXE500(商品名)」が入手可能である。
また、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、必要に応じてその他の陰イオン交換体を含んでいてもよい。その他の陰イオン交換体としては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができ、例えば、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、アンチモン等からなる群から選ばれる1種以上の元素の含水酸化物などが挙げられ、これらを単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
イオントラップ剤の平均粒径は、特に制限はないが、例えば、0.1〜3.0μmであることが好ましく、最大粒径は、例えば、10μm以下であることが好ましい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物がイオントラップ剤を含有する場合、イオントラップ剤の含有量は、特に制限はないが、例えば、0.1〜3.0質量%であることが好ましく、0.3〜1.5質量%であることがより好ましい。
<その他の成分>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、その他の添加剤として、染料、カーボンブラック等の着色剤、希釈剤、レベリング剤、消泡剤などを必要に応じて含んでいてもよい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、上記各種成分を分散混合できる手法であれば、いかなる手法を用いても調製することができる。例えば、所定の配合量の前記各成分を秤量し、擂潰機、ミキシングロール、プラネタリミキサ等の混合機を用いて混合及び混練し、必要に応じて脱泡することによって得ることができる。混合及び混練条件は、原料の種類等に応じて適宜決定すればよいが、前記各成分が均一に混合及び分散する条件を選択することが好ましい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、EHD型回転粘度計を用いた25℃における粘度が、例えば、1000Pa・s以下であることが好ましい。前記粘度が1000Pa・s以下であると、近年の電子部品の小型化、半導体素子の接続端子のファインピッチ化、配線基板の微細配線化に対応可能な流動性及び浸透性を確保できる。前記粘度は、同様の観点から、例えば、500Pa・s以下であることがより好ましく、100Pa・s以下であることがさらに好ましく、10Pa・s以下であることが特に好ましい。前記粘度の下限に特に制限はないが、実装性の観点からは、例えば、0.1Pa・s以上であることが好ましく、1Pa・s以上であることがより好ましい。
前記粘度は封止の対象となる電子部品及び電子部品装置の種類に応じて適宜調整すればよい。粘度は、例えば、上記で例示した各成分の種類、含有量等を制御することによって調整が可能である。
<アンダーフィル用樹脂組成物の用途>
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、例えば、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、リジッド及びフレキシブル配線板、ガラス、シリコーンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、抵抗アレイ、コイル、スイッチ等の受動素子などの電子部品を搭載した半導体装置に適用することができる。
特に、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、信頼性に優れたフリップチップ用のアンダーフィル用樹脂組成物として好適である。具体的には、リジッド及びフレキシブル配線板又はガラス上に形成した配線に半導体素子をバンプ接続によるフリップチップボンディングした、フリップチップBGA/LGA、COF(Chip On Film)等の半導体装置に対して好適である。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、配線基板と半導体素子とを接続するバンプ材質として、従来の鉛含有はんだを用いたフリップチップ半導体部品に対しても好適であるが、従来の鉛はんだと比較して物性的に脆いSn−Ag−Cu系等の鉛フリーはんだを用いたフリップチップ半導体部品に対しても良好な信頼性を維持できるため、特に好適である。
また、近年、半導体素子の高速化に伴い、低誘電率の層間絶縁膜が半導体素子に形成されているが、この層間絶縁膜は機械強度が弱く、外部からの応力で破壊され易いため、故障が発生し易い。この傾向は半導体素子が大きくなる程顕著になるため、アンダーフィル用樹脂組成物からの応力低減が求められている。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物によると、半導体素子のサイズが長い方の辺で2mm以上であり、誘電率が3.0以下の層間絶縁膜を有する半導体素子を搭載するフリップチップ半導体装置に対しても、優れた信頼性を提供できる。
また、電子部品を構成する配線基板と半導体素子とのバンプ接続面の距離が200μm以下であるフリップチップ接続に対しても良好な流動性及び充填性を示し、耐湿性、耐熱衝撃性等の信頼性にも優れた半導体装置を提供することができる。
[電子部品装置の製造方法]
本発明の電子部品装置の製造方法は、支持部材と電子部品とが接続部を介して電気的に接続された電子部品装置の製造方法であって、前記接続部の少なくとも一部を、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物を用いて封止する工程を備える、電子部品装置の製造方法である。
本発明の電子部品装置の製造方法に用いられる、支持部材、電子部品等を備える半導体装置の好適な態様は、前記本発明のアンダーフィル用樹脂組成物の用途の項で挙げられた半導体装置と同様である。
本発明の電子部品装置の製造方法は、支持部材と電子部品との接続部の少なくとも一部を、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物によって封止すればよいが、前記接続部の全部を封止することが好ましい。
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物を用いて支持部材と電子部品との接続部を封止する方法としては、特に制限はなく、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等の従来公知の方式を適用することができる。
[電子部品装置]
本発明の電子部品装置は、支持部材と、前記支持部材上に配置された電子部品と、前記支持部材と前記電子部品との接続部の少なくとも一部を封止している本発明のアンダーフィル用樹脂組成物の硬化物と、を含む電子部品装置である。
本発明の電子部品装置を構成する、支持部材、電子部品等を備える半導体装置の好適な態様は、前記本発明のアンダーフィル用樹脂組成物の用途の項で挙げられた半導体装置と同様である。
本発明の電子部品装置は、支持部材と電子部品との接続部の少なくとも一部が、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物の硬化物によって封止されていればよいが、前記接続部の全部が封止されていることが好ましい。
次に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において行った特性試験の試験方法を以下にまとめて示す。
実施例及び比較例で得られたアンダーフィル用樹脂組成物の評価に用いた半導体装置の仕様は以下のとおりである。
・半導体素子のサイズ:20mm×20mm×0.725mm厚
・バンプの種類:鉛フリーはんだ
・バンプピッチ:200μm
・バンプの個数:14884個
・基板のサイズ:35mm×35mm×1mm厚
・基板(コア)の種類:E−679FG(G)(日立化成株式会社製、商品名)
・ソルダーレジストの種類:AUS703(太陽インキ製造株式会社製、商品名)
・基板と半導体素子とのギャップ:45μm
[封止及び硬化条件]
実施例及び比較例で得られたアンダーフィル用樹脂組成物60mgを、110℃の条件下でディスペンス方式により半導体装置の基板と素子との間隙に塗布した後、150℃で2時間、空気中で硬化することで間隙を封止し、封止後の半導体装置を作製した。
[物性評価]
実施例及び比較例で得られたアンダーフィル用樹脂組成物を、次の各試験により評価した。評価結果を表1に示す。
(1)25℃粘度(硬化前の特性評価)
アンダーフィル用樹脂組成物の25℃での粘度をE型粘度計(東京計器株式会社製、VISCONIC EHD型(商品名))(コーン角度3°、回転数10min−1)を用いて測定した。
(2)含浸時間(硬化前の特性評価)
前記半導体装置を110℃に加熱したホットプレート上に置き、デイスペンサーを用いてアンダーフィル用樹脂組成物を60mg、チップの側面(1辺)に滴下し、アンダーフィル用樹脂組成物が対向する側面に浸透するまでの時間を測定した。
(3)SiN接着力及びPI接着力(接着性の評価)
シリコンウエハ上にSiN膜及びPI膜を成膜した試験片の表面に、アンダーフィル材を直径3mm高さ3mmに成形した試験片を作製し、ボンドテスター(DAGE社、商品名「DS100」)を用いて、ヘッドスピード50μm/sec、25℃の条件でせん断応力をかけ、試験片がSiN膜から剥離する強度(MPa)を測定した。測定値を接着力とした。
(4)ボイドの有無(充填性の評価)
封止後の半導体装置10個の内部を超音波探傷装置AT−5500(日立建機株式会社製)で観察し、ボイドの有無を調べ、ボイドが存在する半導体装置の個数(ボイドが存在した半導体装置の個数/10)を測定した。ボイドが存在する半導体装置の個数が少ないほど、充填性に優れる。
(5)滲み出し(ブリード)長さ(耐ブリード性の評価)
封止後の半導体装置の基板におけるフィレットと接する部分近傍をマイクロスコープ(KEYENCE製、Digital microscope VHX−500(商品名))で観察し、樹脂の滲み出し(ブリード)長さを測定した。滲み出し(ブリード)長さが短いほど、耐ブリード性に優れる。
(実施例1〜2、比較例1〜6)
表1に示す各成分を表1に示す組成で配合し、三本ロール及び真空擂潰機にて混練分散した後、実施例1〜2及び比較例1〜6のアンダーフィル用樹脂組成物を作製した。なお、表1中の配合組成における単位は質量部であり、空欄は配合なしを表す。
また、表1中の略称等は以下のとおりである。
・エポキシ樹脂1:ビスフェノールFをエポキシ化して得られるエポキシ当量160g/molの液状ジエポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YDF−8170C」)
・エポキシ樹脂2:アミノフェノールをエポキシ化して得られるエポキシ当量95g/molの3官能液状エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「JER630」)
・硬化剤:活性水素当量45g/molのジエチルトルエンジアミン(三菱化学株式会社製、商品名「JERキュア(登録商標)W」)
・硬化促進剤:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名「2PHZ−PW」)
・カップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)
・着色剤:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名「MA−100」)
・イオントラップ剤:ビスマス系イオントラップ剤(東亞合成株式会社製、商品名「IXE−500」)
・無機充填材:平均粒径1.4〜1.7μmの球状溶融シリカ(株式会社アドマッテクス製、商品名「SE−5050」)
・シリコーン化合物1:一般式(1)で表されるグリシジル基及びフェニル基を含有するシリコーン化合物(信越化学工業株式会社製、商品名「X−22−2000」)
・シリコーン化合物2:一般式(1)で表されるグリシジル基及びアラルキル基を含有するシリコーン化合物(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−1005」)
・シリコーン化合物3:グリシジル基含有シリコーン化合物(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−101」)
・シリコーン化合物4:フェニル基含有シリコーン化合物(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−50−3000cs」)
・シリコーン化合物5:アラルキル基含有シリコーン化合物(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名「BYK−322」)
・シリコーン化合物6:エステル基含有シリコーン化合物(信越化学工業株式会社製、商品名「X−22−715」)
・シリコーン化合物7:エーテル基含有シリコーン化合物(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名「57additive」)
本発明のアンダーフィル用樹脂組成物を用いた実施例1及び2は、シリコーン化合物を含まない比較例1と比較すると、接着性、充填性及び耐ブリード性に優れていることがわかる。
一方、(C)成分以外のシリコーン化合物を用いた比較例2〜6は、接着力、充填性及び耐ブリード性のいずれかが劣っており、特に、比較例3〜6は、シリコーン化合物を使用していない比較例1と比較すると、接着力が低下する傾向にあった。
以上より、本発明のアンダーフィル用樹脂組成物は、充填性及び耐ブリード性に優れ、(C)成分以外のシリコーン化合物を用いた従来技術のように接着力が低下することはなく、驚くべきことにシリコーン化合物を未使用の水準(比較例1)より、接着力が向上することがわかる。

Claims (6)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)シリコーン化合物及び(D)無機充填材を含み、(C)シリコーン化合物が、芳香環含有基とグリシジル基含有基とを有する下記一般式(1)で表される化合物であり、該(C)シリコーン化合物の含有量が、0.01〜1質量%である、アンダーフィル用樹脂組成物。

    (R 〜R 10 は、炭化水素基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよいが、R 〜R 10 のうち、少なくとも1つは芳香環含有基であり、少なくとも1つはグリシジル基含有基である。mは、1分子中に含まれるシロキサン単位−[Si(R )(R )O]−のモル数を示し、0〜3000の数を表し、nは、1分子中に含まれるシロキサン単位−[Si(R )(R )O]−のモル数を示し、0〜3000の数を表す。前記両シロキサン単位は、ブロック配列されていてもよく、ランダム配列されていてもよい。mが2以上である場合、複数のR 同士及び複数のR 同士は同一であっても異なっていてもよく、nが2以上である場合、複数のR 同士及び複数のR 同士は同一であっても異なっていてもよい。)
  2. (A)エポキシ樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹脂及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる1種以上である、請求項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  3. (B)硬化剤が、芳香族アミン化合物である、請求項1又は2に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  4. 前記芳香族アミン化合物が、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン及びジエチルトルエンジアミンからなる群から選ばれる1種以上である、請求項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  5. 支持部材と電子部品とが接続部を介して電気的に接続された電子部品装置の製造方法であって、前記接続部の少なくとも一部を、請求項1〜のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物を用いて封止する工程を備える、電子部品装置の製造方法。
  6. 支持部材と、前記支持部材上に配置された電子部品と、前記支持部材と前記電子部品との接続部の少なくとも一部を封止している請求項1〜のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物の硬化物と、を含む電子部品装置。
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