JP2013127039A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体装置のフリップチップ実装用アンダーフィル材などに適した樹脂組成物として狭ギャップ及び狭ピッチへの充填性に優れたエポキシ樹脂組成物の提供。
【解決手段】エポキシ化合物(A)と、硬化剤(B)と、無機充填材(C)と、下記一般式(I):
(ここで、R1〜R9は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8の炭化水素基を表し、R10は、ポリエーテル含有基、ポリエステル含有基、及びアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、xは、シロキサン単位[R7R8SiO]の繰り返し数を表し、yは、シロキサン単位[R9R10SiO]の繰り返し数を表す。前記両シロキサン単位は、ブロック配列されていてもよく、ランダム配列されていてもよい。)で表される変性ポリシロキサン(D)とを含むエポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】エポキシ化合物(A)と、硬化剤(B)と、無機充填材(C)と、下記一般式(I):
(ここで、R1〜R9は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8の炭化水素基を表し、R10は、ポリエーテル含有基、ポリエステル含有基、及びアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、xは、シロキサン単位[R7R8SiO]の繰り返し数を表し、yは、シロキサン単位[R9R10SiO]の繰り返し数を表す。前記両シロキサン単位は、ブロック配列されていてもよく、ランダム配列されていてもよい。)で表される変性ポリシロキサン(D)とを含むエポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、エポキシ樹脂組成物に関し、より詳しくは、半導体チップ実装、特にフリップチップ実装におけるアンダーフィル材として適したエポキシ樹脂組成物に関する。
近年、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、携帯ゲーム機等の小型電子機器の普及に伴い、LSI等の半導体装置の小型化が求められている。そこで、従来のワイヤーボンディング実装に代わり、半導体チップをフェースダウンにして直接回路基板へ実装することにより実装面積の極小化を図るフリップチップ実装が普及しつつある。
フリップチップ実装では、チップの接続用パッドが形成された面を下側に向けて、この接続用パッドと、対向するパッケージやプリント配線基板(PCB)の表面の電極とを半田バンプにより電気的及び機械的に接続する。この際に、実装基板とチップとの間には半田バンプによる空隙が生じるため、この空隙に、実装基板とチップとの間を封止するアンダーフィル材と呼ばれる樹脂組成物が注入される。アンダーフィル材としては、エポキシ樹脂とシリカ系無機充填材を含むものが汎用されている。アンダーフィル材は上記空隙を埋めるだけでなく、半田バンプを用いた電気的接点を密封して、大気中の水分の侵入を防止する等、周囲の環境から保護すると共に、機械的接合点である半田バンプ接合部に過度の力が作用することを防ぐことにより、接合強度を向上させる等の役割をも果たす。
最近では、フリップチップ実装の半田バンプの狭ギャップ化・狭ピッチ化により、アンダーフィル材の注入性の高さが強く求められている。この注入性が低いと、半導体装置の製造効率が低下したり、また、半導体チップと基板の間に未充填部分が残存するなどして、半導体チップと基板の密着性が低下したりするという問題が生じる。従って、アンダーフィル材の流動性を高める種々の試みがなされている。
アンダーフィル材の流動性と相関する物性の一つに粘度があり、アンダーフィル材の粘度を下げれば、流動性が上がることが期待できる。アンダーフィル材の粘度を下げるには、充填材の含有量を減らすことが最も簡単な方法である。しかしながら、充填材の含有量を減らすと、相対的に樹脂成分の含有量が多くなり、結果的にアンダーフィル材の硬化後における線膨張が大きくなり、信頼性が低下してしまうという問題がある。
また、アンダーフィル材の主成分である樹脂や硬化剤等を選択することにより、粘度を下げる方法が考えられる。しかし、樹脂や硬化剤等は、アンダーフィル材の硬化物特性を左右する重要な成分であるため、これらを選択できる余地はあまり多くはない。
そこで、アンダーフィル材に含有させる添加剤を種々工夫することにより、アンダーフィル材の粘度を下げる方法が考えられる。アンダーフィル材の添加剤として、いくつかのシリコーン系樹脂が提案されている。
例えば、特開2001−279058号公報には、シリコーン変性液状エポキシ樹脂を含む液状樹脂組成物が開示されている。シリコーン変性液状エポキシ樹脂として、シリコーン変性液状エポキシ樹脂とビスフェノール類との反応物(請求項2)、及びシリコーンの両末端にグリシジル基が導入されたシリコーン変性液状エポキシ樹脂(請求項3)が開示されている。シリコーン変性液状エポキシ樹脂は、反応硬化性である。
特表2003−504893号公報には、有機シリコーン化合物を含むアンダーフィル材が開示され、有機シリコーン化合物として、シランカップリング剤、末端シラノールオルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、変性オルガノポリシロキサンが開示されている(段落[0027])。前記ポリエーテル変性シリコーン、及び前記変性オルガノポリシロキサンはいずれも、シリコーンの両末端にポリエーテル変性、又はウレタン変性が導入されたものである(段落[0031]〜[0039])。
特開2009−155405号公報には、ポリイミドシリコーン樹脂を含むアンダーフィル用エポキシ樹脂組成物が開示されている。
特開2006−219575号公報には、カルボキシル基又はアミノ基を有する液状シリコーン化合物を含む液状封止エポキシ樹脂組成物が開示されている。液状シリコーン化合物は、具体的には、シリコーンの両末端にカルボキシル基又はアミノ基が導入されたものである(段落[0018]〜[0022])。
特開2007−169445号公報には、脂肪酸アマイド樹脂又はフッ素含有シリコーン樹脂を含むアンダーフィル用液状エポキシ樹脂組成物が開示されている。
特開2005−350488号公報及び特開2006−290949号公報には、側鎖にパーフロロアルキル基を含有するシリコーンオイルを含む液状エポキシ樹脂組成物が開示されている。パーフロロアルキル基のようなフッ素含有基は、半導体チップや、基板に対する密着性を低下させる。
一方で、アンダーフィル材の粘度を下げ過ぎると、ボイドが発生する原因となりやすく、また、樹脂成分がフリップチップの上面に這い上がるなどの問題が発生する。そこで、アンダーフィル材の粘度を下げ過ぎることなく、充填性を高めることが要求される。
本発明の目的は、半導体装置のフリップチップ実装用アンダーフィル材などに適した樹脂組成物として、狭ギャップ及び狭ピッチへの充填性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することにある。さらに、本発明の目的は、前記樹脂組成物からなるアンダーフィル材、前記樹脂組成物を用いて製造される半導体チップ実装基板、及び前記半導体チップ実装基板を備える半導体装置を提供することにある。
本発明には、以下の発明が含まれる。
(1) エポキシ化合物(A)と、硬化剤(B)と、無機充填材(C)と、
下記一般式(I):
(ここで、R1 〜R9 は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8の炭化水素基を表し、R10は、ポリエーテル含有基、ポリエステル含有基、及びアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、xは、シロキサン単位[R7 R8 SiO]の繰り返し数を表し、yは、シロキサン単位[R9 R10SiO]の繰り返し数を表す。前記両シロキサン単位は、ブロック配列されていてもよく、ランダム配列されていてもよい。)
で表される変性ポリシロキサン(D)とを含むエポキシ樹脂組成物。
(1) エポキシ化合物(A)と、硬化剤(B)と、無機充填材(C)と、
下記一般式(I):
で表される変性ポリシロキサン(D)とを含むエポキシ樹脂組成物。
(2) 前記変性ポリシロキサン(D)は、一般式(I)において、R10が、
−(CH2 )i −O−[CH2 CHR11−O]j −R12
(ここで、R11は、水素原子又はメチル基を表し、R12は、アルキル基又はアラルキル基を表し、iは、1〜6の数を表し、jは、3〜300の数を表す。)
で表されるポリエーテル含有基である、上記(1) に記載のエポキシ樹脂組成物。
−(CH2 )i −O−[CH2 CHR11−O]j −R12
(ここで、R11は、水素原子又はメチル基を表し、R12は、アルキル基又はアラルキル基を表し、iは、1〜6の数を表し、jは、3〜300の数を表す。)
で表されるポリエーテル含有基である、上記(1) に記載のエポキシ樹脂組成物。
(3) 前記変性ポリシロキサン(D)は、一般式(I)において、R10が、
−(CH2 )k −O−[CO−R13−CO−O−R14−O]l −R15
(ここで、R13及びR14は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を表し、R15は、アルキル基又はアラルキル基を表し、kは、1〜6の数を表し、lは、3〜300の数を表す。)
で表されるポリエステル含有基である、上記(1) に記載のエポキシ樹脂組成物。
−(CH2 )k −O−[CO−R13−CO−O−R14−O]l −R15
(ここで、R13及びR14は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を表し、R15は、アルキル基又はアラルキル基を表し、kは、1〜6の数を表し、lは、3〜300の数を表す。)
で表されるポリエステル含有基である、上記(1) に記載のエポキシ樹脂組成物。
(4) 前記変性ポリシロキサン(D)は、一般式(I)において、R10が、
−(CH2 )m −Ar
(ここで、Arは、芳香族基を表し、mは、1〜6の数を表す。)
で表されるアラルキル基である、上記(1) に記載のエポキシ樹脂組成物。
−(CH2 )m −Ar
(ここで、Arは、芳香族基を表し、mは、1〜6の数を表す。)
で表されるアラルキル基である、上記(1) に記載のエポキシ樹脂組成物。
(5) 前記エポキシ化合物(A)は、芳香族系エポキシ化合物である、上記(1) 〜(4) のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(6) 前記硬化剤(B)は、アミン系硬化剤である、上記(1) 〜(5) のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(7) 前記無機充填材(C)は、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、及び酸化チタン微粒子からなる群から選ばれる、上記(1) 〜(6) のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(8) 前記無機充填材(C)の平均粒径は、0.1〜50μmである、上記(1) 〜(7) のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(9) さらに、分散剤(E)を含む、上記(1) 〜(8) のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(10) 前記変性ポリジアルキルシロキサン(D)の該樹脂組成物中における含有量は、0.05〜1.0重量%である、上記(1) 〜(9) のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(11) 上記(1) 〜(10)のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物からなるアンダーフィル材。
(12) 上記(1) 〜(10)のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いて製造される半導体チップ実装基板。
(13) 半導体チップがフリップチップである、上記(12)に記載の半導体チップ実装基板。
(14) 上記(12)又は(13)に記載の半導体チップ実装基板を備える半導体装置。
(15) 実装基板と、前記実装基板上にバンプを介して配置された半導体チップとを含む半導体装置であって、
前記実装基板と前記半導体チップとの間隙は、上記(1) 〜(10)のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止されている半導体装置。
前記実装基板と前記半導体チップとの間隙は、上記(1) 〜(10)のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止されている半導体装置。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、ポリエーテル含有基、ポリエステル含有基、又はアラルキル基が側鎖に導入された変性ポリシロキサン(D)を含んでいる。前記変性ポリシロキサン(D)は、前記樹脂組成物の粘度を適度に低下させると共に、前記樹脂組成物の表面張力を低下させて基板等の材料に対する濡れ性を向上させる。そのため、本発明のエポキシ樹脂組成物は、ボイド発生が防止され、狭ギャップ及び狭ピッチへの充填性に優れており、液状封止材として好適である。
特に、本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体チップ実装基板用のアンダーフィル材として用いると、アンダーフィル材の粘度を下げ過ぎることなく、実装基板及び半導体チップの双方に対する濡れ性が向上される。そのため、ボイドの発生や、アンダーフィル材のチップの上面への這い上がりが防止されて、実装基板と半導体チップとが狭ギャップ化及び狭ピッチ化されている場合であっても、短時間で注入面全域に均質にアンダーフィル材注入を行うことができる。このような高い充填性は、半導体チップ実装基板製品の高品質化に寄与し、さらに、短時間での充填により半導体チップ実装基板の製造時間の短縮化が図られ、製品のコストダウンにも寄与する。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物によって封止された半導体パッケージ(半導体装置)は、均質なアンダーフィル材の充填がなされているので信頼性が高い。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)と、硬化剤(B)と、無機充填材(C)と、ポリエーテル含有基、ポリエステル含有基、又はアラルキル基が側鎖に導入された変性ポリシロキサン(D)とを含んでいる。
エポキシ化合物(A)は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば構造や分子量に限定されるものではない。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などの芳香族系エポキシ化合物が例示される。また、芳香族系以外のみのとして、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが例示される。エポキシ化合物(A)は、常温(25℃)で液状であることが好ましい。これらの中でも、低粘度化のためにはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ化合物(A)は単独でも2種以上併用してもよい。なお、エポキシ化合物(A)は、それら自身でエポキシ樹脂と称されることが多い。
上記エポキシ化合物(A)を硬化させる硬化剤(B)としては、フェノール樹脂、酸無水物、アミン系化合物を用いることができるが、これらの中でも、硬化後の接着力の観点からアミン系化合物が好ましい。
硬化剤(B)としてのアミン系化合物は、1分子中に第1級アミン又は第2級アミンを2個以上含む化合物であり、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、m−キシリレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン;
イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサンなどの脂環式ポリアミン;
m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジエチルトルエンジアミン、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエートなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサンなどの脂環式ポリアミン;
m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジエチルトルエンジアミン、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエートなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
これらのうち、硬化後の接着力、応力吸収性、耐熱衝撃性の観点から芳香族アミン系化合物が好ましい。硬化剤(B)としてのアミン系化合物は単独でも2種以上併用してもよい。
アミン系化合物を用いる場合の配合量は、特に制限はないが、エポキシ基1当量あたりアミン系化合物のアミン基当量(活性水素当量)が0.60〜1.20となるようにすることが好ましい。
硬化剤(B)としての前記アミン系化合物の効果を損ねないような範囲において、フェノール樹脂及び/又は酸無水物を用いてもよい。硬化剤(B)としての酸無水物としては、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、アルキル化メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無水メチルハイミック酸、無水ドデセニルコハク酸、無水メチルナジック酸等が例示される。また、硬化剤(B)としてのフェノール樹脂は、フェノール性水酸基を2個以上含む化合物であり、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、トリフェノールプロパン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂などの変性フェノール樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂などのアラルキル型フェノール樹脂、ビスフェノール化合物などが挙げられる。
本発明の組成物には、さらに硬化促進剤を配合してもよい。前記硬化促進剤としては、イミダゾール系、第3級アミン系、リン化合物系等のエポキシ樹脂の硬化促進剤として用いられるものが挙げられるが、特に限定されるものではない。例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール系; ベンジルジメチルアミン、トリスジメチルアミノメチルフェノール、トリエチレンジアミン等の第3級アミン系; テトラブチルアンモニウムブロミド等の4級アンモニウム塩; ジアザビシクロウンデセン(DBU)やDBUの有機酸塩; トリフェニルホスフィン、リン酸エステル等のリン化合物系などが挙げられる。これらのマイクロカプセルコーティング及び錯塩形成等で潜在化されたものを用いてもよい。これらは硬化条件に合わせて、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
前記硬化促進剤の配合量は、用いる場合には、前記エポキシ化合物(A)100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.5〜5重量部とすることがより好ましい。硬化促進剤の配合量が0.1重量部未満では、硬化促進効果が得られにくく、一方、配合量が10重量部を超えると、硬化反応が速くなりすぎる。前記硬化促進剤を上記範囲の配合量で用いることにより、速やかに硬化が進行し、封止工程のスループットの向上が期待できる。
本発明の組成物には無機充填材(C)を配合する。前記無機微粒子は、一般に、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子等から選ばれる。前記無機充填材は、通常、シランカップリング剤で表面処理された無機微粒子である。これらのうち、線膨張係数の低さからシリカが好ましい。シリカを組成物に含有させることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化後の線膨張係数を小さくすることができる。これにより、エポキシ樹脂組成物を半導体パッケージのアンダーフィル材として用いた場合に、硬化後のアンダーフィル材の線膨張係数を半導体チップや基板の線膨張係数に近づけることができ、その結果、半田バンプ接合部への応力集中を回避でき、ヒートサイクル処理時の接続信頼性を向上させることができる。
前記無機微粒子を表面処理しているシランカップリング剤は、エポキシ基含有シランカップリング剤、又はアミノ基含有シランカップリング剤が好ましい。エポキシ基含有シランカップリング剤としては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。アミノ基含有シランカップリング剤としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩などが挙げられる。
前記無機微粒子の形状としては球状のものが好ましく、特に溶融シリカで真球に近いものが流動性の観点から好ましい。また、アルミナの中でも溶融アルミナで真球に近いものが好ましい。前記無機微粒子の平均粒径は、0.1〜50μmが好ましく、0.2〜5μmがより好ましい。このような範囲の平均粒径を有するシリカ等の粒子を使用することにより、狭い隙間への侵入性を確保することができる。ここで、平均粒径とは、メジアン径d50を指す。
前記無機微粒子の表面処理方法としては、無機微粒子をよく攪拌しながらシランカップリング剤を噴霧するか蒸気状態で吹き込み、必要に応じて加熱処理を行う乾式法; 無機微粒子を溶剤中に分散させ、一方、シランカップリング剤を水又は有機溶剤に希釈し、両者をスラリー状態で攪拌しながら混合し、その後溶剤を除去する湿式法が挙げられる。化学結合的にシランカップリング剤がシリカ表面に結合するような処理が好ましい。
前記無機充填材(C)の配合割合は、組成物の全量(不揮発分)を基準として30〜80重量%とすることが好ましく、35〜80重量%とすることがより好ましく、45〜75重量%とすることがさらに好ましい。無機充填材(C)の配合割合が30重量%未満であると、相対的に樹脂成分が多くなり、得られる硬化物の線膨張係数が大きくなりやすい。一方、無機充填材(C)の配合割合が80重量%を超えると、組成物の粘度が上昇し、流動性が低下する傾向にある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、ポリエーテル含有基、ポリエステル含有基、及びアラルキル基からなる群から選ばれる基が側鎖に導入された変性ポリシロキサン(D)を含んでいる。
ここで、R1 〜R9 は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8の炭化水素基を表し、R10は、ポリエーテル含有基、ポリエステル含有基、及びアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、xは、シロキサン単位[R7 R8 SiO]の繰り返し数を表し、yは、シロキサン単位[R9 R10SiO]の繰り返し数を表す。前記両シロキサン単位は、ブロック配列されていてもよく、ランダム配列されていてもよい。
R1 〜R9 が表す炭素数1〜8の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基; ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基; シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基; フェニル基等のアリール基; ビニル基、アリル基等のアルケニル基などが挙げられる。これらのうち、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基(炭素数1〜3のアルキル基)が好ましく、メチル基がさらに好ましい。
xはシロキサン単位[R7 R8 SiO](典型的にはジアルキルシロキサン単位)の繰り返し数を表し、yは変性基が導入されたシロキサン単位[R9 R10SiO]の繰り返し数を表し、これら両単位の割合(x/y)により、相溶性の度合いがコントロールできる。また、これら両単位の割合(x/y)により、表面張力がコントロールできる。x/yが大きいほど、表面張力が低くなる。すなわち、ジアルキルシロキサン単位[R7 R8 SiO]単位が多いほど、変性ポリシロキサン(D)の表面張力が低くなる。一般的に、xは2〜3000程度であり、yは2〜3000程度である。これらの変性ポリシロキサン化合物は、公知の合成法により合成することができる。
本発明において、前記変性ポリシロキサン(D)は、フッ素原子を含んでおらず、また、硬化反応性の基を含んでいない。
前記変性ポリシロキサン(D)が、ポリエーテル変性ポリシロキサンである場合、一般式(I)において、R10が、
−(CH2 )i −O−[CH2 CHR11−O]j −R12
(ここで、R11は、水素原子又はメチル基を表し、R12は、アルキル基又はアラルキル基を表し、iは、1〜6の数を表し、jは、3〜300の数を表す。)
で表されるポリエーテル含有基である。
−(CH2 )i −O−[CH2 CHR11−O]j −R12
(ここで、R11は、水素原子又はメチル基を表し、R12は、アルキル基又はアラルキル基を表し、iは、1〜6の数を表し、jは、3〜300の数を表す。)
で表されるポリエーテル含有基である。
メチレン基(CH2 )i の繰り返し数iは、1〜6であるが、耐熱性の観点から1〜3が適切である。
ポリエーテル鎖[CH2 CHR11−O]j は、具体的には、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)である。エチレンオキサイド(EO)単位、又はプロピレンオキサイド(PO)単位の繰り返し数jは3〜300程度であり、例えば5〜100程度であってもよく、好ましくは10〜30程度であってもよい。ポリエチレンオキサイド(EO)は親水性が強く(高極性)、ポリプロピレンオキサイド(PO)はEOに比べて疎水性(非極性)である。EOとPOの割合を変化させると、前記変性ポリシロキサン(D)の極性をコントロールあるいは変化させることができる。
R12が表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
ポリエーテル変性ポリシロキサンは、耐熱性の点で有利である。
ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物は、公知の合成法により合成することができる。また、市販のものとして、BYK−300、BYK−301、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−320、BYK−325、BYK−331、BYK−337、BYK−333、BYK−341(いずれも、ビックケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
前記変性ポリシロキサン(D)が、ポリエステル変性ポリシロキサンである場合、一般式(I)において、R10が、
−(CH2 )k −O−[CO−R13−CO−O−R14−O]l −R15
(ここで、R13及びR14は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を表し、R15は、アルキル基又はアラルキル基を表し、kは、1〜6の数を表し、lは、3〜300の数を表す。)
で表されるポリエステル含有基である。
−(CH2 )k −O−[CO−R13−CO−O−R14−O]l −R15
(ここで、R13及びR14は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を表し、R15は、アルキル基又はアラルキル基を表し、kは、1〜6の数を表し、lは、3〜300の数を表す。)
で表されるポリエステル含有基である。
メチレン基(CH2 )kの繰り返し数kは、1〜6であるが、耐熱性の観点から1〜3が適切である。
R13が表す炭素数1〜6の2価の炭化水素基としては、対応するカルボン酸(又はそのエステル、又は無水物)が入手可能なものであればよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。また、R14が表す炭素数1〜6の2価の炭化水素基としては、対応するグリコールが入手可能なものであればよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
ポリエステル鎖[CO−R13−CO−O−R14−O]l の繰り返し数lは3〜300程度であり、例えば5〜100程度であってもよく、好ましくは10〜30程度であってもよい。
R15が表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
また、ポリエステル鎖としては、上記の[CO−R13−CO−O−R14−O]l の他に、ヒドロキシカルボン酸の重合や、環状ラクトンの開環重合によって得られるものであってもよい。
ポリエステル変性ポリシロキサンは、耐熱性の点でポリエーテル変性ポリシロキサンよりもさらに優れている。
ポリエステル変性ポリシロキサン化合物は、公知の合成法により合成することができる。また、市販のものとして、BYK−315(ビックケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
前記変性ポリシロキサン(D)が、アラルキル変性ポリシロキサンである場合、一般式(I)において、R10が、
−(CH2 )m −Ar
(ここで、Arは、芳香族基を表し、mは、1〜6の数を表す。)
で表されるアラルキル基である。
−(CH2 )m −Ar
(ここで、Arは、芳香族基を表し、mは、1〜6の数を表す。)
で表されるアラルキル基である。
メチレン基(CH2 )mの繰り返し数kは、1〜6であるが、耐熱性の観点から1〜3が適切である。
Arが表す芳香族基としては、例えば、無置換のフェニル基; アルコキシ基、ヒドロキシ基、スルホン酸基、ハロゲン(Cl、Br、I)原子などで適宜置換されたフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
アラルキル変性ポリシロキサンは、耐熱性の点でポリエーテル変性ポリシロキサンよりもさらに優れており、また、加水分解を受けにくい点でポリエステル変性ポリシロキサンよりも優れている。さらに、アラルキル変性ポリシロキサンは芳香族基を有するため、エポキシ樹脂組成物中の他の成分として例えば芳香族系エポキシ化合物などの芳香環を有する化合物を使用した場合には、相溶性が良好となる点においても優れている。このことから、アラルキル変性ポリシロキサンは、本発明において好ましい。
アラルキル変性ポリシロキサン化合物は、公知の合成法により合成することができる。また、市販のものとして、BYK−322、BYK−323(いずれもビックケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
本発明において、変性基R10として、前記ポリエーテル含有基、前記ポリエステル含有基、及び前記アラルキル基のうちの2つ、又は3つが導入された前記変性ポリシロキサン(D)を用いてもよい。このような変性とすると、前記変性ポリシロキサン(D)の性質を適宜調整することができる。
前記変性ポリシロキサン(D)の該エポキシ樹脂組成物中における含有量は、0.01〜1.0重量%とすることが好ましく、0.05〜0.04重量%とすることがより好ましい。このような前記変性ポリシロキサン(D)の含有量とすることにより、エポキシ樹脂組成物の粘度を適度に低下させると共に、前記樹脂組成物の表面張力を低下させて基板等の材料に対する濡れ性を向上させる効果が得られやすい。前記変性ポリシロキサン(D)の含有量が少ないと、変性ポリシロキサン(D)を該エポキシ樹脂組成物中に均一に分散させにくくなる傾向にあり、濡れ性について局所的なばらつきが生じることがある。一方、前記変性ポリシロキサン(D)の含有量が多いと、接着性が低下したり、かえって充填性が低下する傾向がある。
前記変性ポリシロキサン(D)は単独でも2種以上併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、さらに、分散性を良好にするために、分散剤(E)が含まれることが好ましい。分散剤(E)としては、樹脂型分散剤を用いることができる。樹脂型分散剤として、具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不補輪ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらのうち、樹脂型分散剤として、例えば、無機微粒子に親和性のある基を有するブロック共重合体が好ましい。
市販の樹脂型分散剤として、例えば、DISPERBYK−101、103、107、108、110、111、116、130、140、142、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155; Anti−Terra−U、203、204; BYK−P104、P104S、220S、6919; Lactimon、Lactimon−WS、Bykumen(以上、いずれもビックケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
前記分散剤(E)は、前記無機充填材(C)を良好に分散させ得る程度の適宜量を用いるとよく、前記無機充填材(C)に対して、1〜75重量%程度の範囲で用いるとよく、1〜35重量%の範囲としてもよく、好ましくは1〜10重量%の範囲とするとよい。前記分散剤(E)は単独でも2種以上併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、以上に説明した各成分のほかに、本発明の目的に反しない範囲において、顔料、染料、変性剤、チキソ付与剤、着色防止剤、酸化防止剤、離型剤、界面活性剤、希釈剤等の添加剤を配合することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を所定割合にて配合して調製することができる。配合は、自転公転型ミキサー、ドライブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等の公知のものを使用して、常温付近(例えば、5〜30℃)にて行うとよい。
調製されたエポキシ樹脂組成物を接着剤をはじめ種々の用途に用いることができる。半導体パッケージのアンダーフィル材として用いる場合には、実装基板と、前記実装基板上にバンプを介して配置された半導体チップとの間隙に、ディスペンサーによってエポキシ樹脂組成物を注入する。注入は、室温(例えば、5〜30℃)において行うことができる。その後、所望の硬化条件、例えば、温度100〜200℃、好ましくは100〜190℃、さらに好ましくは100〜180℃で、硬化時間30〜600分、好ましくは45〜540分、さらに好ましくは60〜480分にて硬化させる。硬化温度は段階的に上昇又は下降させてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、アンダーフィル注入作業が行われる室温付近において適度に低い粘度(例えば1〜50Pa・s、好ましくは10〜40Pa・s、より好ましくは20〜30Pa・s)と高い流動性とを有しているので、注入に先立ってエポキシ樹脂組成物を加温して粘度調整する必要はなく、また実装基板と半導体チップとが狭ギャップ化、狭ピッチ化されている場合であっても、極めて短時間で注入面全域に均質に(各部材との隙間や気泡を残すことなく)アンダーフィル注入を行うことができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、アンダーフィル材としての用途のみならず、狭い間隙をおいて配置された互いに接着されるべき物体(部材)同士を接着する用途に適している。例えば、小型撮像装置、光センサ、携帯用モジュールカメラなどに使用される撮像レンズユニットにおけるレンズホルダーとレンズとの接着にも好適に用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬社製、RE−303S−L、エポキシ当量168)33.9重量部、アミン系硬化剤(日本化薬社製、カヤハードA−A、アミン当量63.6)13.5重量部、充填材としてシリカ[株式会社アドマテックス製シリカSO−C1(平均粒径0.25μm、比表面積17.4m2 /g)を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで表面処理したもの]50.0重量部、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302(ビックケミー・ジャパン社製)0.1重量部、及び分散剤としてポリウレタン系のDISPERBYK−2155(ビックケミー・ジャパン社製)2.5重量部を自転公転型ミキサーで室温にて攪拌・混合して、エポキシ樹脂組成物を得た。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬社製、RE−303S−L、エポキシ当量168)33.9重量部、アミン系硬化剤(日本化薬社製、カヤハードA−A、アミン当量63.6)13.5重量部、充填材としてシリカ[株式会社アドマテックス製シリカSO−C1(平均粒径0.25μm、比表面積17.4m2 /g)を3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで表面処理したもの]50.0重量部、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302(ビックケミー・ジャパン社製)0.1重量部、及び分散剤としてポリウレタン系のDISPERBYK−2155(ビックケミー・ジャパン社製)2.5重量部を自転公転型ミキサーで室温にて攪拌・混合して、エポキシ樹脂組成物を得た。
[実施例2]
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−307(ビックケミー・ジャパン社製)0.1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−307(ビックケミー・ジャパン社製)0.1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
[実施例3]
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンBYK−322(ビックケミー・ジャパン社製)0.1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンBYK−322(ビックケミー・ジャパン社製)0.1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
[実施例4]
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンBYK−323(ビックケミー・ジャパン社製)0.1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンBYK−323(ビックケミー・ジャパン社製)0.1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
[実施例5]
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−333(ビックケミー・ジャパン社製)0.1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−333(ビックケミー・ジャパン社製)0.1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
[実施例6]
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンBYK−322を0.05重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンBYK−322を0.05重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
[実施例7]
ビスフェノールF型エポキシ樹脂RE−303S−Lの量を33.8重量部に変更し、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンBYK−322を0.20重量部用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂RE−303S−Lの量を33.8重量部に変更し、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンBYK−322を0.20重量部用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
[実施例8]
ビスフェノールF型エポキシ樹脂RE−303S−Lの量を33.7重量部に変更し、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンBYK−322を0.30重量部用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂RE−303S−Lの量を33.7重量部に変更し、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンBYK−322を0.30重量部用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
[実施例9]
ビスフェノールF型エポキシ樹脂RE−303S−Lの量を33.6重量部に変更し、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンBYK−322を0.40重量部用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂RE−303S−Lの量を33.6重量部に変更し、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部の代わりに、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサンBYK−322を0.40重量部用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
[比較例1]
アミン系硬化剤カヤハードA−Aの量を13.6重量部に変更し、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
アミン系硬化剤カヤハードA−Aの量を13.6重量部に変更し、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンBYK−302 0.1重量部を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
[評価方法]
(粘度)
レオメーター(PHYSICA、UDS200/Paar、Physica社製)を用いて、25℃におけるせん断速度15−25s-1領域の粘度の平均から求めた(単位Pa・s)。
(粘度)
レオメーター(PHYSICA、UDS200/Paar、Physica社製)を用いて、25℃におけるせん断速度15−25s-1領域の粘度の平均から求めた(単位Pa・s)。
(充填時間)
マツナミ沈査用プレート(18×18mm、間隙70μm、松浪硝子工業社製)を50℃に保持した状態で、組成物(室温)を1辺に注入し、間隙に充填されるまでの時間(秒)を計測した。
マツナミ沈査用プレート(18×18mm、間隙70μm、松浪硝子工業社製)を50℃に保持した状態で、組成物(室温)を1辺に注入し、間隙に充填されるまでの時間(秒)を計測した。
(充填性)
上記の浸透性試験において、組成物を注入した後のガラスプレートを目視で観察し、気泡のないものを○、気泡があるものを×とした。
上記の浸透性試験において、組成物を注入した後のガラスプレートを目視で観察し、気泡のないものを○、気泡があるものを×とした。
(接触角)
接触角計(DROP MASTER 700、協和界面科学社製)を用いて、組成物(室温)をスライドガラス上に滴下してから10分後の接触角を測定した。3回の測定値の平均値を接触角(単位:度)とした。
接触角計(DROP MASTER 700、協和界面科学社製)を用いて、組成物(室温)をスライドガラス上に滴下してから10分後の接触角を測定した。3回の測定値の平均値を接触角(単位:度)とした。
各実施例及び比較例の組成物の配合組成、及び評価結果を表1に示す。表1中において、各配合量は重量部を示す。
表1から、実施例1〜9のエポキシ樹脂組成物は、粘度が適度に低く、充填時間が短く充填性に非常に優れていた。実施例3、4、6〜9では、アラルキル変性ポリシロキサンを用いており、より短い充填時間が示された。これらエポキシ樹脂組成物は半導体パッケージのアンダーフィル材として好適に用いることができる。
また、アラルキル変性ポリシロキサンを用いた実施例3、4では、同量の他のポリエーテル変性ポリシロキサンを用いた実施例1、2、5に比べて、小さい接触角を与えた。つまり、濡れ性がより良好であることが示された。充填性については、毛細管において汎用される理論(Lucas Washburn式)によると、接触角が小さいほど良好になると考えられる。なお、アンダーフィル材に適用する場合、接触角は30以下が好ましく、27以下がさらに好ましく、25以下がより好ましい。一方、接触角が15以下になると、フリップチップにおいてフィレット(チップの横にはみ出す樹脂)が基板に広がり過ぎるなど、適切なフィレットの形状を得る上では好ましくない。
Claims (14)
- 前記変性ポリシロキサン(D)は、一般式(I)において、R10が、
−(CH2 )i −O−[CH2 CHR11−O]j −R12
(ここで、R11は、水素原子又はメチル基を表し、R12は、アルキル基又はアラルキル基を表し、iは、1〜6の数を表し、jは、3〜300の数を表す。)
で表されるポリエーテル含有基である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。 - 前記変性ポリシロキサン(D)は、一般式(I)において、R10が、
−(CH2 )k −O−[CO−R13−CO−O−R14−O]l −R15
(ここで、R13及びR14は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を表し、R15は、アルキル基又はアラルキル基を表し、kは、1〜6の数を表し、lは、3〜300の数を表す。)
で表されるポリエステル含有基である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。 - 前記変性ポリシロキサン(D)は、一般式(I)において、R10が、
−(CH2 )m −Ar
(ここで、Arは、芳香族基を表し、mは、1〜6の数を表す。)
で表されるアラルキル基である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。 - 前記エポキシ化合物(A)は、芳香族系エポキシ化合物である、請求項1〜4のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記硬化剤(B)は、アミン系硬化剤である、請求項1〜5のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記無機充填材(C)は、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、及び酸化チタン微粒子からなる群から選ばれる、請求項1〜6のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記無機充填材(C)の平均粒径は、0.1〜50μmである、請求項1〜7のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- さらに、分散剤(E)を含む、請求項1〜8のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記変性ポリジアルキルシロキサン(D)の該樹脂組成物中における含有量は、0.05〜1.0重量%である、請求項1〜9のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜10のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物からなるアンダーフィル材。
- 請求項1〜10のうちのいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いて製造される半導体チップ実装基板。
- 半導体チップがフリップチップである、請求項12に記載の半導体チップ実装基板。
- 請求項12又は13に記載の半導体チップ実装基板を備える半導体装置。
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