JP6303451B2 - 半導体パッケージおよび構造体 - Google Patents
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Description
基板と、
基板上に設けられた半導体素子と、
前記半導体素子を封止し、かつ上面にマークが捺印された封止樹脂と、
を備え、
前記マークの平均深さをDavとし、最大深さをDmaxとし、Dmax/DavをR1とした場合において、R1は1.9以下である半導体パッケージが提供される。
基板と、
基板上に配列された複数の半導体素子と、
前記複数の半導体素子を封止し、かつ上面のうちの各前記半導体素子と重なる部分それぞれにマークが捺印された封止樹脂と、
を備え、
前記マークの平均深さをDavとし、最大深さをDmaxとし、Dmax/DavをR1とした場合において、R1は1.9以下である構造体が提供される。
図1は、本実施形態に係る半導体パッケージ100を示す断面図である。図2は、図1に示す半導体パッケージ100の上面を示す平面図である。図2中の破線は、封止樹脂30により封止された半導体素子20の外形線を示している。
本実施形態に係る半導体パッケージ100は、基板10と、基板10上に設けられた半導体素子20と、半導体素子20を封止し、かつ上面にマーク32が捺印された封止樹脂30と、を備えている。また、マーク32の平均深さをDavとし、最大深さをDmaxとし、Dmax/DavをR1とした場合において、R1は1.9以下である。
半導体素子20は、基板10の表面上に搭載されている。図1に示す例において、半導体素子20は、ボンディングワイヤ40を介して基板10に電気的に接続されている。しかしながら、これに限られず、半導体素子20は、基板10に対してフリップチップ実装されていてもよい。
最大深さDmax≧平均深さDavであることから、R1は1.0以上となる。なお、マーク32の深さプロファイルは、たとえばレーザー顕微鏡を用いて測定することができる。また、DmaxおよびDavは、たとえばレーザー顕微鏡を用いて得られる深さプロファイルから算出することができる。
なお、マーク32のうち断面長が短い部分において深さのばらつきが大きくなる傾向があるため、マーク32における深さプロファイルのばらつきをより効果的に低減する観点からは、マーク32を構成する上記断面のうちの最短の断面長を有する一断面の深さプロファイルにおいて、R1が上述の条件を満たしていることがより好ましい。ここで、断面長とは、半導体素子20の上面に平行な方向における断面の長さを指す。また、マーク32が複数の記号等を含む場合には、全ての記号等を構成する断面のうちの最短の断面長を有する一断面の深さプロファイルにおいて、R1が上述の条件を満たしていることがとくに好ましい。
また、距離Aは、とくに限定されないが、50μm以上250μm以下であることが好ましく、70μm以上200μm以下であることがより好ましい。これにより、半導体パッケージ100の小型化を図りつつ、信頼性をさらに向上させることができる。本実施形態においては、半導体素子20上における封止樹脂30の厚さがこのような数値範囲である半導体パッケージ100においても、マーク視認性と信頼性とのバランスのさらなる向上を図ることが可能となる。
なお、複数のボンディングワイヤ40が設けられる場合には、たとえば複数のループ頂点Pのうちの最も封止樹脂30の上面に近いものから、封止樹脂30の上面のうちのマーク32が形成されていない部分までの最短距離をTとすることができる。
マーク視認性と半導体パッケージ100の信頼性とのバランスをより効果的に向上させる観点からは、マーク32を構成する上記断面のうちの最短の断面長を有する一断面の深さプロファイルにおける最大深さDmaxおよび平均深さDavに基づいて、R2およびR3を算出することがより好ましい。ここで、断面長とは、半導体素子20の上面に平行な方向における断面の長さをさす。
エポキシ樹脂組成物は、たとえばタブレット状または粉粒体である。エポキシ樹脂組成物がタブレット状である場合、たとえばトランスファー成形法を用いてエポキシ樹脂組成物を成形することができる。また、エポキシ樹脂組成物が粉粒体である場合には、たとえば圧縮成形法を用いてエポキシ樹脂組成物を成形することができる。エポキシ樹脂組成物が粉粒体であるとは、粉末状または顆粒状のいずれかである場合を指す。
また、粉粒体であるエポキシ樹脂組成物は、JIS標準篩を用いて篩分により測定した粒度分布において、エポキシ樹脂組成物全体に対する粒径2mm以上の粗粒の割合が、3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。粒径2mm以上の粗粒の割合を上記上限値以下とすることにより、成形時における充填性の向上を図ることができる。また、部分ゲルや硬化むらを抑制することもできる。
エポキシ樹脂(A)としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。
本実施形態において、エポキシ樹脂(A)としては、たとえばビフェニル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらのうち、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、およびテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ならびにスチルベン型エポキシ樹脂は結晶性を有するものであることが好ましい。
一方で、エポキシ樹脂組成物中におけるエポキシ樹脂(A)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体に対して30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがとくに好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物を封止樹脂30として用いる半導体パッケージ100について、耐湿信頼性や耐リフロー性を向上させることができる。
エポキシ樹脂組成物に含まれる硬化剤(B)としては、たとえば重付加型の硬化剤、触媒型の硬化剤、および縮合型の硬化剤の3タイプに大別することができる。
硬化剤(B)に用いられるフェノール樹脂系硬化剤としては、たとえばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック等のノボラック型フェノール樹脂;ポリビニルフェノール;トリフェノールメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料の硬化性を向上させる観点からは、アラルキル型フェノール樹脂を用いることがより好ましい。
一方で、エポキシ樹脂組成物中における硬化剤(B)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体に対して25質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがとくに好ましい。硬化剤(B)の含有量を上記上限値以下とすることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物を封止樹脂30として用いる半導体パッケージ100について、耐湿信頼性や耐リフロー性を向上させることができる。
無機充填剤(C)の構成材料としては、とくに限定されないが、たとえば溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミ等が挙げられ、これらのうちいずれか1種以上を使用できる。これらの中でも、汎用性に優れている観点から、シリカを用いることがより好ましく、溶融シリカを用いることがとくに好ましい。また、無機充填剤(C)は、球状であることが好ましく、さらには球状シリカであることが好ましい。これにより、成形時におけるエポキシ樹脂組成物の流動性を向上させることができる。
一方で、エポキシ樹脂組成物中における無機充填剤(C)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体に対して95質量%以下であることが好ましく、93質量%以下であることがより好ましい。無機充填剤(C)の含有量を上記上限値以下とすることにより、エポキシ樹脂組成物の成形時における流動性や充填性をより効果的に向上させることが可能となる。
着色剤(D)としては、たとえば黒色酸化チタンおよびピッチが挙げられ、これらのうちの1種以上を用いることができる。これらを用いることにより、レーザーマーキングの際において、着色剤(D)によるレーザーのエネルギーの吸収が過度に大きくなることを抑えることができる。このため、レーザーによる着色剤(D)の消失に起因して、マーク32に過度に深い部分が生じることを抑制できる。すなわち、平均深さに対する最大深さのばらつきを抑え、マーク32の深さプロファイルのばらつきを低減することが可能となる。また、着色剤(D)として上述のものを用いることにより、ワイヤー間におけるショート、リーク不良等の電気不良を抑制することもできる。なお、耐リフロー性等の半導体パッケージの信頼性を向上させる観点からは、着色剤(D)として少なくとも黒色酸化チタンを含むことがより好ましい。
また、ピッチは、石油、石炭、木材等の有機物質の乾留によって得られるタールを蒸留したときの残留物である。着色剤(D)としてのピッチは、とくに限定されないが、たとえば石油ピッチまたは石炭ピッチである。また、ピッチとしては、等方性ピッチ、メソフェーズピッチ、またはメソフェーズピッチを冷却することにより生成され、キノリンの不溶分として分離されるメソフェーズ小球体を用いることができる。これらの中でも、レーザーマーキング性や、エポキシ樹脂組成物中における分散性を向上させる観点からは、メソフェーズ小球体を用いることがより好ましい。
本実施形態においては、着色剤(D)の含有量を上記範囲内とすることで、レーザーマーキング性や着色性を向上させつつ、マーク32の深さプロファイルのばらつきをより効果的に低減して、マーク視認性と信頼性とのバランスをさらに向上させることができる。
なお、本実施形態において、エポキシ樹脂組成物の硬化物全体に対する着色剤(D)の含有量は、硬化前のエポキシ樹脂組成物全体に対する着色剤(D)の含有量に通常一致する。
硬化促進剤としては、たとえばトリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等が例示されるアミジンや3級アミン、さらには前記アミジン、アミンの4級塩等の窒素原子含有化合物等が挙げられるが、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物が、本願の効果を奏するには効果的である。カップリング剤としては、たとえばエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を用いることができるが、エポキシシラン、アミノシランがより好ましく、アミノシランである2級アミノシランが本願の効果をより発現し得るものであることからとくに好ましい。離型剤としては、たとえばカルナバワックス等の天然ワックス、モンタン酸エステルワックス等の合成ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸およびその金属塩類、ならびにパラフィンが挙げられる。イオン捕捉剤としては、たとえばハイドロタルサイトが挙げられる。低応力成分としては、たとえばシリコーンゴムが挙げられる。難燃剤としては、たとえば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ホスファゼンが挙げられる。
まず、基板10上に半導体素子20を搭載する。半導体素子20は、たとえばダイアタッチ材等を介して基板10上に搭載される。次いで、基板10と半導体素子20を、ボンディングワイヤ40により電気的に接続する。なお、半導体素子20は、基板10上にフリップチップ実装されてもよい。次いで、半導体素子20およびボンディングワイヤ40を、エポキシ樹脂組成物により封止成形する。本実施形態においては、たとえば圧縮成形法、またはトランスファー成形法を用いてエポキシ樹脂組成物の成形を行うことができる。
このようにして、本実施形態に係る半導体パッケージ100が製造される。
構造体102は、基板10と、複数の半導体素子20と、封止樹脂30と、を備えている。複数の半導体素子20は、基板10上に配列されている。図3においては、各半導体素子20が、ボンディングワイヤ40を介して基板10に電気的に接続される場合が例示されている。しかしながら、これに限られず、各半導体素子20は、基板10に対してフリップチップ実装されていてもよい。なお、基板10および半導体素子20は、半導体パッケージ100において例示したものと同様のものを用いることができる。
封止樹脂30の上面のうちの各半導体素子20と重なる部分それぞれには、マークが捺印されている。各マークは、たとえば半導体パッケージ100において例示したマーク32の構成と同様の構成を有することができる。すなわち、R1、R2、およびR3が半導体パッケージ100において例示した条件と同様の条件を満たすように、マークを設けることができる。このため、本実施形態に係る構造体102によれば、マーク視認性を確保しつつ、得られる半導体パッケージの信頼性を向上させることが可能となる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
基板と、
基板上に設けられた半導体素子と、
前記半導体素子を封止し、かつ上面にマークが捺印された封止樹脂と、
を備え、
前記マークの平均深さをD av とし、最大深さをD max とし、D max /D av をR 1 とした場合において、R 1 は1.9以下である半導体パッケージ。
2.
1.に記載の半導体パッケージにおいて、
前記半導体素子の上面から、前記封止樹脂の上面のうちの前記マークが形成されていない部分までの最短距離をAとし、D max /AをR 2 とした場合において、
R 2 が0.1以上0.7以下である半導体パッケージ。
3.
1.または2.に記載の半導体パッケージにおいて、
前記基板と前記半導体素子を接続するボンディングワイヤを備え、
前記ボンディングワイヤのループ頂点から、前記封止樹脂の上面のうちの前記マークが形成されていない部分までの最短距離をTとし、D av /TをR 3 とした場合において、
R 3 が0.2以上1.2以下である半導体パッケージ。
4.
1.〜3.いずれか一つに記載の半導体パッケージにおいて、
前記封止樹脂は、エポキシ樹脂組成物の硬化物により構成されており、
前記エポキシ樹脂組成物は、
エポキシ樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
無機充填剤(C)と、
着色剤(D)と、
を含む半導体パッケージ。
5.
4.に記載の半導体パッケージにおいて、
前記着色剤(D)は、黒色酸化チタンまたはピッチである半導体パッケージ。
6.
4.または5.に記載の半導体パッケージにおいて、
前記エポキシ樹脂組成物中における前記着色剤(D)の含有量は、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物全体に対して0.1質量%以上5質量%以下である半導体パッケージ。
7.
基板と、
基板上に配列された複数の半導体素子と、
前記複数の半導体素子を封止し、かつ上面のうちの各前記半導体素子と重なる部分それぞれにマークが捺印された封止樹脂と、
を備え、
前記マークの平均深さをD av とし、最大深さをD max とし、D max /D av をR 1 とした場合において、R 1 は1.9以下である構造体。
実施例1〜4および比較例1のそれぞれについて、以下のようにエポキシ樹脂組成物を調整した。まず、表1に従い配合された各成分を、ミキサーを用いて混合した。次いで、得られた混合物を、95℃、8分間の条件でロール混練した。次いで、混練後の混合物を冷却し、粉砕、篩分して粉粒体であるエポキシ樹脂組成物を得た。ここでは、粉粒体全体に対する粒径2mm以上の粒子の割合が1.5質量%以下となり、粉粒体全体に対する粒径106μm未満の粒子の割合が3質量%以下となるよう篩分を行った。なお、表1中における各成分の詳細は下記のとおりである。また、表1中の単位は、質量%である。
エポキシ樹脂1:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC3000P、軟化点58℃、エポキシ当量273)
エポキシ樹脂2:ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、YX−4000、融点105℃、エポキシ当量190)
フェノール樹脂系硬化剤1:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂(明和化成(株)製、MEH−7851SS、軟化点107℃、水酸基当量204)
フェノール樹脂系硬化剤2:フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製、XLC−LL、軟化点79℃、水酸基当量165)
溶融球状シリカ(平均粒径24μm、比表面積3.5m2/g)
(D)着色剤
着色剤1:黒色酸化チタン(黒色系酸化チタン(Ti4O7)、体積抵抗率7.3×104Ω・cm)
着色剤2:メソフェーズ小球体(大阪ガスケミカル(株)製、MCMBグリーン品)
着色剤3:カーボンブラック(三菱化学(株)製、#5)
(E)その他の成分
硬化促進剤:下記式(4)で示される1,4−ベンゾキノンとトリフェニルホスフィンを付加させた化合物
冷却管及び攪拌装置付きのセパラブルフラスコにベンゾキノン6.49g(0.060mol)、トリフェニルホスフィン17.3g(0.066mol)およびアセトン40mlを仕込み、攪拌下、室温で反応した。析出した結晶をアセトンで洗浄後、ろ過、乾燥し暗緑色結晶の上記硬化促進剤を得た。
カップリング剤1:N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製、KBM−573)
カップリング剤2:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403)
離型剤:モンタン酸エステル系ワックス(クラリアントジャパン(株)製、リコルブWE−4)
実施例1〜4および比較例1について、次のように半導体パッケージを作製した。
まず、厚み0.5mm、幅50mm、長さ210mmの回路基板上に、厚み0.3mm、7.5mm角の複数の半導体素子を銀ペーストにて接着し、径18μm、長さ7mmの金線ワイヤーをピッチ間隔60μmで半導体素子と回路基板に接合したものを、圧縮成形機(TOWA(株)製、PMC1040)により一括で封止成形し、MAP成形品を得た。この際の成形条件は、金型温度175℃、成形圧力3.9MPa、硬化時間120秒で行った。なお、各実施例および比較例について、半導体素子の上面から封止樹脂の上面までの最短距離Aは、半導体素子の厚みを一定とし、封止樹脂の厚みを変えることにより調整した。
実施例1〜4および比較例1について、半導体パッケージを構成する封止樹脂の上面に形成されたマークの一断面における深さプロファイルを、レーザー顕微鏡((株)キーエンス製)を用いて測定した。このとき、上記一断面としては、マークを構成する断面のうちの最短の断面長を有するものを選択した。なお、断面長とは、半導体素子の上面に平行な方向における断面の長さを指す。マークの平均深さをDavとし、マークの最大深さをDmaxとし、Dmax/DavをR1とし、Dmax/AをR2とした。結果を表1に示す。
また、複数のワイヤのループ頂点Pのうち最も封止樹脂の上面に近いものから、封止樹脂の上面のうちのマークが形成されていない部分までの最短距離をTとし、R3をDav/Tとした。このとき、各実施例について、R3は0.2以上1.2以下であった。
実施例1〜4および比較例1について、前記半導体パッケージの作製に記載した方法で得られた半導体装置を175℃、8時間で後硬化し、30℃、相対湿度60%で192時間加湿処理後、260℃のIRリフロー処理をした。パッケージ20個について、半導体素子とエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面の密着状態を超音波探傷装置により観察し、パッケージ20個のうちの剥離発生個数を算出した。耐半田性の判断基準は、剥離が発生しなかったものは◎、剥離発生個数が2個以下のものは○、剥離発生個数が3個以上のものは×とした。
102 構造体
10 基板
20 半導体素子
30 封止樹脂
32 マーク
40 ボンディングワイヤ
50 バンプ
Claims (9)
- 基板と、
基板上に設けられた半導体素子と、
前記半導体素子を封止し、かつ上面にマークが捺印された封止樹脂と、
を備え、
前記マークの平均深さをDavとし、最大深さをDmaxとし、Dmax/DavをR1とした場合において、R1は1.9以下である半導体パッケージ。 - 請求項1に記載の半導体パッケージにおいて、
前記半導体素子の上面から、前記封止樹脂の上面のうちの前記マークが形成されていない部分までの最短距離をAとし、Dmax/AをR2とした場合において、
R2が0.1以上0.7以下である半導体パッケージ。 - 請求項1または2に記載の半導体パッケージにおいて、
前記基板と前記半導体素子を接続するボンディングワイヤを備え、
前記ボンディングワイヤのループ頂点から、前記封止樹脂の上面のうちの前記マークが形成されていない部分までの最短距離をTとし、Dav/TをR3とした場合において、
R3が0.2以上1.2以下である半導体パッケージ。 - 請求項1〜3いずれか一項に記載の半導体パッケージにおいて、
前記封止樹脂は、エポキシ樹脂組成物の硬化物により構成されており、
前記エポキシ樹脂組成物は、
エポキシ樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
無機充填剤(C)と、
着色剤(D)と、
を含む半導体パッケージ。 - 請求項4に記載の半導体パッケージにおいて、
前記着色剤(D)は、黒色酸化チタンまたはピッチである半導体パッケージ。 - 請求項5に記載の半導体パッケージにおいて、
前記着色剤(D)は、前記黒色酸化チタンであり、
前記黒色酸化チタンは、Ti n O (2n−1) (nは4以上6以下の整数)である、半導体パッケージ。 - 請求項4〜6いずれか1項に記載の半導体パッケージにおいて、
前記エポキシ樹脂組成物中における前記着色剤(D)の含有量は、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物全体に対して0.1質量%以上5質量%以下である半導体パッケージ。 - 請求項1〜7いずれか1項に記載の半導体パッケージにおいて、
前記D max は、29μm以上である、半導体パッケージ。 - 基板と、
基板上に配列された複数の半導体素子と、
前記複数の半導体素子を封止し、かつ上面のうちの各前記半導体素子と重なる部分それぞれにマークが捺印された封止樹脂と、
を備え、
前記マークの平均深さをDavとし、最大深さをDmaxとし、Dmax/DavをR1とした場合において、R1は1.9以下である構造体。
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