JP6303373B2 - 圧縮成形用モールドアンダーフィル材料、半導体パッケージ、構造体および半導体パッケージの製造方法 - Google Patents

圧縮成形用モールドアンダーフィル材料、半導体パッケージ、構造体および半導体パッケージの製造方法 Download PDF

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本発明は圧縮成形用モールドアンダーフィル材料、半導体パッケージ、構造体および半導体パッケージの製造方法に関する。
基板上に半導体素子を実装してなる半導体パッケージにおいては、基板と半導体素子との間の隙間の充填と、半導体素子の封止と、を一括して行うモールドアンダーフィル材料が用いられる場合がある。モールドアンダーフィル材料に関する技術としては、たとえば特許文献1に記載のものが挙げられる。
特許文献1は、モールドアンダーフィル材用のエポキシ樹脂組成物に関する技術である。具体的には、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填剤と、硬化促進剤と、を含む非液状のエポキシ樹脂組成物が記載されている。
特開2011−132268号公報
基板と半導体素子との間の隙間の充填と、半導体素子の封止を、モールドアンダーフィル材料を用いて一括して行う場合、上記隙間における充填性が十分に得られない場合があった。このため、充填性に優れたモールドアンダーフィル材料が求められている。
本発明によれば、
基板上に配置された半導体素子を封止するとともに、前記基板と前記半導体素子との間の隙間に充填される圧縮成形用モールドアンダーフィル材料であって、
エポキシ樹脂(A)と、
硬化剤(B)と、
無機充填剤(C)と、
を含み、
粉粒体であり、
キュラストメーターを用いて金型温度175℃の条件下で測定した際に、測定開始から最大トルクの5%に到達するまでの時間T(5)が、25秒以上100秒以下である圧縮成形用モールドアンダーフィル材料が提供される。
本発明によれば、上述した圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を用いて、基板上に配置された半導体素子を封止するとともに、前記基板と前記半導体素子との間の隙間を充填することにより得られる半導体パッケージが提供される。
本発明によれば、上述した圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を用いて、基板上に配置された複数の半導体素子を封止するとともに、前記基板と各前記半導体素子との間の隙間を充填することにより得られる構造体が提供される。
本発明によれば、
基板上に、バンプを介して半導体素子を配置する工程と、
圧縮成型法を用いて、上記圧縮成形用モールドアンダーフィル材料により、前記半導体素子を封止するとともに前記基板と前記半導体素子との間の隙間を充填する工程と、
を備える半導体パッケージの製造方法が提供される。
本発明によれば、充填性に優れたモールドアンダーフィル材料を実現することができる。
本実施形態に係る半導体パッケージを示す断面図である。 本実施形態に係る構造体を示す断面図である。
以下、実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
本実施形態に係るモールドアンダーフィル材料は、基板上に配置された半導体素子を封止するとともに、基板と半導体素子との間の隙間に充填される圧縮成形用モールドアンダーフィル材料である。圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、無機充填剤(C)と、を含む。また、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、粉粒体である。さらに、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、キュラストメーターを用いて金型温度175℃の条件下で測定した際に、測定開始から最大トルクの5%に到達するまでの時間T(5)が、25秒以上100秒以下である。
モールドアンダーフィル材料を用いた半導体素子の封止と半導体素子下に位置する隙間の充填は、たとえばトランスファー成形法により行うことが考えられる。しかしながら、この場合、上記隙間に対し安定して優れた充填性を得ることが困難となる場合があった。これは、とくに大面積のMAP成形のような場合において顕著であった。本発明者は、このような事情に鑑みて、圧縮成形法を用いてモールドアンダーフィル材料の封止成形を行うことを検討した。しかしながら、このような場合においても、基板と半導体素子との間の隙間に対する、より優れた充填性が求められた。
本発明者は、モールドアンダーフィル材料について、キュラストメーターにより測定される硬化特性を制御することにより、半導体素子の封止と半導体素子下に位置する隙間の充填を圧縮成形法により一括して行う際における充填性を向上させることができることを新たに知見した。本実施形態は、このような知見に基づいて、キュラストメーターを用いて金型温度175℃の条件下で測定した際の、測定開始から最大トルクの5%に到達するまでの時間T(5)が、25秒以上100秒以下である圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を提供するものである。これにより、充填性に優れたモールドアンダーフィル材料を実現することが可能となる。
以下、本実施形態に係る圧縮成形用モールドアンダーフィル材料、半導体パッケージ100、および構造体102について詳細に説明する。
まず、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料について説明する。
圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、基板上に配置された半導体素子を封止するとともに、基板と半導体素子との間の隙間に充填される。半導体素子の封止、および基板と半導体素子との間の隙間への充填は、圧縮成形法を用いて一括して行われる。これにより、充填性や灰分均一性に優れたモールドアンダーフィル材料の成形を行うことができる。このような効果は、たとえばMAP成形等の大面積の封止成形において、とくに顕著に得られるものである。
基板は、たとえばインターポーザ等の配線基板である。また、半導体素子は、たとえば基板に対してフリップチップ実装される。圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を用いた封止および充填により形成されるのは、たとえばBGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)等の半導体パッケージであり、近年これらのパッケージの成形に多く適用されるMAP(Mold Array Package)成形により形成される構造体にも係るものである。
圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、粉粒体である。これにより、圧縮成形法を用いて、充填性や灰分均一性に優れたモールドアンダーフィル材料の成形を行うことが可能となる。なお、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料が粉粒体であるとは、粉末状または顆粒状のいずれかである場合を指す。本実施形態に係る圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、たとえば顆粒状とすることができる。
なお、粉粒体である本実施形態の圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を用いた圧縮成形によれば、粉粒体ではなくタブレット状であるモールドアンダーフィル材料を用いたトランスファー成形と比較して、優れた充填性および灰分均一性を実現することができる。
本実施形態における圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、JIS標準篩を用いて篩分により測定した粒度分布において、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料全体に対する粒径106μm未満の微粉の割合が、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。粒径106μm未満の微粉の割合を上記上限値以下とすることにより、金型上に撒かれた際に粉粒体である材料が塊状物になってしまうことなく均一に溶融し、部分ゲルや硬化むらを抑制することができる。このため、圧縮成形時における灰分均一性や成形性の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態における圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、JIS標準篩を用いて篩分により測定した粒度分布において、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料全体に対する粒径2mm以上の粗粒の割合が、3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。粒径2mm以上の粗粒の割合を上記上限値以下とすることにより、圧縮成形時における撒きむらを低減し、硬化樹脂厚みの均一性の向上を図ることができる。また、金型上に撒かれた際に粉粒体である材料が塊状物になってしまうことなく均一に溶融し、部分ゲルや硬化むらを抑制し、圧縮成形時における灰分均一性や成形性の向上を図ることも可能となる。
上述のような圧縮成形用モールドアンダーフィル材料の粒度分布を測定する方法としては、ロータップ型篩振動機に備え付けた目開き2.00mm、1.00mmおよび106μmのJIS標準篩を用い、これらの篩を20分間に亘って振動(ハンマー打数:120回/分)させながら40gの試料を篩に通して分級し、分級前の全試料質量に対する、2.00mm、1.00mmの篩に残る粒子の割合(質量%)、および106μmの篩を通過する微粉の割合(質量%)を求める方法が一例として挙げられる。
なお、この方法を用いる場合、アスペクト比の高い粒子は、それぞれの篩を通過する可能性がある。このため、上記方法による粒度分布の測定においては、たとえば便宜上、上記一定条件により分級した各成分の質量%を、各成分に該当する粒径を有する粒子の、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料全体に対する割合として定義することができる。
本実施形態において、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、キュラストメーターを用いて金型温度175℃の条件下で測定した際に、測定開始から最大トルクの5%に到達するまでの時間T(5)が、25秒以上100秒以下である。ここでは、たとえば測定開始から300秒におけるトルクを、最大トルクとして定義することができる。
時間T(5)を25秒以上とすることにより、圧縮成形において、基板と半導体素子との間の隙間に対する充填性を向上させることができる。一方で、時間T(5)を100秒以下とすることにより、圧縮成形において、十分な硬化性を実現することができる。このように、キュラストメーターにより測定される硬化特性を制御することにより、圧縮成形時における充填性や硬化性に優れたモールドアンダーフィル材料を実現することができる。また、充填性や硬化性を向上させる観点からは、時間T(5)が、30秒以上90秒以下であることがより好ましく、充填性や灰分均一性のさらなる安定性を考慮すると45秒以上80秒以下であることがとくに好ましい。
なお、時間T(5)は、たとえば圧縮成形用モールドアンダーフィル材料に含まれる各成分の種類や含有量、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料の粒度分布等をそれぞれ適切に調整することにより制御することが可能である。本実施形態においては、たとえば硬化剤(B)や無機充填剤(C)の種類や含有量を、硬化促進剤(D)やカップリング剤(E)を含む場合にはこれらの種類や含有量を調整することが挙げられる。
本実施形態における圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、高化式フローテスターを用いて測定される175℃における粘度ηが、たとえば3.5Pa・秒以上15Pa・秒以下である。粘度ηを3.5Pa・秒以上とすることにより、成形性に優れた圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を実現することができる。また、粘度ηを15Pa・秒以下とすることにより、圧縮成形において、基板と半導体素子との間の隙間に対する充填性をより効果的に向上させることができる。なお、成形性および充填性を向上させる観点からは、粘度ηが3.5Pa・秒以上10Pa・秒以下であることがより好ましく、4.0Pa・秒以上10Pa・秒以下であることがとくに好ましい。
なお、粘度ηは、たとえば圧縮成形用モールドアンダーフィル材料に含まれる各成分の種類や含有量、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料の粒度分布等をそれぞれ適切に調整することにより制御することが可能である。
本実施形態においては、たとえば高化式フローテスターを用いて、温度175℃、荷重40kgf(ピストン面積1cm)、ダイ穴直径0.50mm、ダイ長さ1.00mmの試験条件で測定される、溶解した圧縮成形用モールドアンダーフィル材料のみかけの粘度を、粘度ηとすることができる。この場合、粘度ηは、たとえば以下の計算式より算出することができる。計算式中、Qは単位時間あたりに流れるモールドアンダーフィル材料の流量である。
η=(4πDP/128LQ)×10−3(Pa・秒)
η:みかけの粘度
D:ダイ穴直径(mm)
P:試験圧力(Pa)
L:ダイ長さ(mm)
Q:フローレート(cm/秒)
本実施形態においては、時間T(5)/粘度ηを調整することにより、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料の充填性、成形性、流動性および硬化性のバランスの向上を図ることができる。これらのバランスを向上させる観点からは、時間T(5)/粘度ηが、たとえば2Pa−1以上30Pa−1以下であることが好ましく、4Pa−1以上25Pa−1以下であることがより好ましく、5Pa−1以上20Pa−1以下であることがとくに好ましい。時間T(5)/粘度ηを上記下限値以上とすることにより、流動性および充填性をバランスよく向上させることができる。また、時間T(5)/粘度ηを上記上限値以下とすることにより、硬化性や成形性の低下を確実に抑制しつつ、充填性の向上を図ることが可能となる。本発明では、とくにMAP成形のような大面積の構造体における、半導体素子と基板の間のわずかな空間への充填性と均一成形性を両立するという従来にない特性の両立のために、時間T(5)/粘度ηの値は重要な概念となるものである。
圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、無機充填剤(C)と、を含む。これにより、圧縮成形法を用いて、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料の成形を行うことが可能となる。
((A)エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂(A)としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。
本実施形態において、エポキシ樹脂(A)としては、たとえばビフェニル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらのうち、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、およびテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ならびにスチルベン型エポキシ樹脂は結晶性を有するものであることが好ましい。
エポキシ樹脂(A)としては、下記式(1)で表されるエポキシ樹脂、下記式(2)で表されるエポキシ樹脂、および下記式(3)で表されるエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含有するものを用いることがとくに好ましい。
Figure 0006303373
(式(1)中、Arはフェニレン基またはナフチレン基を表し、Arがナフチレン基の場合、グリシジルエーテル基はα位、β位のいずれに結合していてもよい。Arはフェニレン基、ビフェニレン基またはナフチレン基のうちのいずれか1つの基を表す。RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜10の炭化水素基を表す。gは0〜5の整数であり、hは0〜8の整数である。nは重合度を表し、その平均値は1〜3である)
Figure 0006303373
(式(2)中、複数存在するRは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基を表す。nは重合度を表し、その平均値は0〜4である)
Figure 0006303373
(式(3)中、複数存在するRおよびRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。nは重合度を表し、その平均値は0〜4である)
本実施形態において、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料中におけるエポキシ樹脂(A)の含有量は、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料全体に対して3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましく、6質量%以上であることがとくに好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記下限値以上とすることにより、圧縮成形時において、十分な流動性を実現し、充填性や成形性の向上を図ることができる。
一方で、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料中におけるエポキシ樹脂(A)の含有量は、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料全体に対して30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を用いて形成される半導体パッケージについて、耐湿信頼性や耐リフロー性を向上させることができる。
((B)硬化剤)
封止用樹脂組成物に含まれる硬化剤(B)としては、たとえば重付加型の硬化剤、触媒型の硬化剤、および縮合型の硬化剤の3タイプに大別することができる。
硬化剤(B)に用いられる重付加型の硬化剤としては、たとえばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物;ノボラック型フェノール樹脂、ポリビニルフェノールなどのフェノール樹脂系硬化剤;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などが挙げられる。
硬化剤(B)に用いられる触媒型の硬化剤としては、たとえばベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)などの3級アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)などのイミダゾール化合物;BF3錯体などのルイス酸などが挙げられる。
硬化剤(B)に用いられる縮合型の硬化剤としては、たとえばレゾール型フェノール樹脂;メチロール基含有尿素樹脂のような尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂のようなメラミン樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、耐燃性、耐湿性、電気特性、硬化性、および保存安定性等についてのバランスを向上させる観点から、フェノール樹脂系硬化剤が好ましい。フェノール樹脂系硬化剤としては、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量、分子構造は特に限定されない。
硬化剤(B)に用いられるフェノール樹脂系硬化剤としては、たとえばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック等のノボラック型フェノール樹脂;ポリビニルフェノール;トリフェノールメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料の硬化性を向上させる観点からは、多官能型フェノール樹脂またはアラルキル型フェノール樹脂を用いることがより好ましい。
本実施形態において、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料中における硬化剤(B)の含有量は、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料全体に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがとくに好ましい。硬化剤(B)の含有量を上記下限値以上とすることにより、圧縮成形時において、優れた流動性を実現し、充填性や成形性の向上を図ることができる。
一方で、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料中における硬化剤(B)の含有量は、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料全体に対して25質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがとくに好ましい。硬化剤(B)の含有量を上記上限値以下とすることにより、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を用いて形成される半導体パッケージについて、耐湿信頼性や耐リフロー性を向上させることができる。
((C)無機充填剤)
無機充填剤(C)の構成材料としては、とくに限定されないが、たとえば溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミ等が挙げられ、これらのうちいずれか1種以上を使用できる。これらの中でも、汎用性に優れている観点から、シリカを用いることがより好ましく、溶融シリカを用いることがとくに好ましい。また、無機充填剤(C)は、球状であることが好ましく、さらには球状シリカであることが好ましい。これにより、圧縮成形時における圧縮成形用モールドアンダーフィル材料の流動性を効果的に向上させることができる。
無機充填剤(C)は、たとえば体積基準粒度分布の最大粒径側からみて累積頻度が5%となる粒径Rmaxが8μm以上35μm以下である。これにより、無機充填剤(C)の分散性を向上させ、灰分均一性を効果的に向上させることができる。また、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料の流動性を向上させることもできる。灰分均一性と流動性のバランスを効果的に向上させる観点からは、粒径Rmaxが10μm以上25μm以下であることがより好ましく、11μm以上23μm以下であることがとくに好ましい。
また、無機充填剤(C)は、体積基準粒度分布の最大ピークに対応する粒径をモード径Rとして、モード径Rが1μm以上24μm以下であることが好ましく、3μm以上24μm以下であることがより好ましく、4.5μm以上24μm以下であることがとくに好ましい。これにより、圧縮成形時において、基板と半導体素子との間の狭ギャップに対する充填性と大面積のMAP成形における均一成形性をより効果的に向上させることができる。
圧縮成形時における充填性、流動性、灰分均一性のバランスをより効果的に向上させる観点からは、無機充填剤(C)は、R/Rmaxが0.4以上であることが好ましく、0.50よりも大きいことがより好ましく、0.52以上であることがとくに好ましい。なお、圧縮成形時における充填性を向上させる観点からは、無機充填剤(C)がR<Rmaxの関係を満たすことが好ましい。この場合、R/Rmaxは1.0未満となる。
無機充填剤(C)全体の体積基準粒度分布において、モード径Rを有する粒子の頻度は、3.5%以上15%以下であることが好ましく、4%以上10%以下であることがより好ましく、4.5%以上9%以下であることがとくに好ましい。これにより、モード径Rまたはモード径Rに近い粒径を有する粒子の割合を高くすることができる。このため、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料について、流動性および充填性のバランスをより効果的に向上させることができる。
また、無機充填剤(C)全体の体積基準粒度分布において、0.8×R以上1.2×R以下の粒径を有する粒子の頻度は、10%以上60%以下であることが好ましく、12%以上50%以下であることがより好ましく、15%以上45%以下であることがとくに好ましい。これにより、モード径Rまたはモード径Rに近い粒径を有する粒子の割合を確実に高くすることができる。このため、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料について、流動性および充填性のバランスをより効果的に向上させることができる。
また、無機充填剤(C)全体の体積基準粒度分布において、0.5×R以下の粒径を有する粒子の頻度は、5%以上50%以下であることが好ましい。モード径Rに対して比較的小さな粒径の粒子の頻度を上記範囲とすることにより、より流動性に優れた圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を実現することが可能となる。
なお、無機充填剤(C)の粒度分布は、たとえば原料粒子を篩やサイクロン(空気分級)等を用いて分級することにより調整することが可能である。また、粒径Rmaxやモード径R等の無機充填剤(C)における粒度分布の測定は、たとえば(株)島津製作所製レーザー回折散乱式粒度分布計SALD−7000を使用して行うことができる。
本実施形態において、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料中における無機充填剤(C)の含有量は、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料全体に対して50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。無機充填剤(C)の含有量を上記下限値以上とすることにより、低吸湿性および低熱膨張性を向上させ、半導体パッケージの耐湿信頼性や耐リフロー性をより効果的に向上させることができる。
一方で、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料中における無機充填剤(C)の含有量は、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料全体に対して93質量%以下であることが好ましく、91質量%以下であることがより好ましい。無機充填剤(C)の含有量を上記上限値以下とすることにより、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料の圧縮成形時における流動性や充填性をより効果的に向上させることが可能となる。
((D)硬化促進剤)
圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、たとえば硬化促進剤(D)をさらに含むことができる。硬化促進剤(D)は、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と、硬化剤(B)(たとえば、フェノール樹脂系硬化剤のフェノール性水酸基)と、の架橋反応を促進させるものであればよく、たとえば一般の封止用エポキシ樹脂組成物に使用するものを用いることができる。硬化促進剤(D)としては、たとえば有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等が例示されるアミジンや3級アミン、さらには前記アミジン、アミンの4級塩等の窒素原子含有化合物等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種以上を併用しても差し支えない。これらの中でも、硬化性を向上させる観点からはリン原子含有化合物を用いることがより好ましい。また、流動性と硬化性のバランスを向上させる観点からは、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等の潜伏性を有する硬化促進剤を用いることがより好ましい。また、圧縮成形時における充填性を向上させる観点からは、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、またはホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物を用いることがとくに好ましい。なお、製造コストの観点からは、有機ホスフィンや窒素原子含有化合物も好適に用いることができる。
硬化促進剤(D)として用いられる有機ホスフィンとしては、たとえばエチルホスフィン、フェニルホスフィン等の第1ホスフィン;ジメチルホスフィン、ジフェニルホスフィン等の第2ホスフィン;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の第3ホスフィンが挙げられる。
硬化促進剤(D)として用いられるテトラ置換ホスホニウム化合物としては、たとえば下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006303373
(一般式(4)において、Pはリン原子を表し、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して芳香族基またはアルキル基を表し、Aはヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸のアニオンを表し、AHはヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸を表し、xおよびyは1〜3の数であり、zは0〜3の数であり、かつx=yである)
一般式(4)で表される化合物は、たとえば以下のようにして得られるが、これに限定されるものではない。まず、テトラ置換ホスホニウムハライドと芳香族有機酸と塩基を有機溶剤に混ぜ均一に混合し、その溶液系内に芳香族有機酸アニオンを発生させる。次いで、水を加えると、一般式(4)で表される化合物を沈殿させることができる。一般式(4)で表される化合物において、合成時の収得率と硬化促進効果のバランスに優れるという観点では、リン原子に結合するR1、R2、R3およびR4がフェニル基であり、かつAHはヒドロキシル基を芳香環に有する化合物、すなわちフェノール化合物であり、かつAは該フェノール化合物のアニオンであるのが好ましい。なお、フェノール化合物とは、単環のフェノール、クレゾール、カテコール、レゾルシンや縮合多環式のナフトール、ジヒドロキシナフタレン、複数の芳香環を備える(多環式の)ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、フェニルフェノール、フェノールノボラックなどを概念に含むものであり、これらの中でも水酸基を2個有するフェノール化合物が好ましく用いられる。
硬化促進剤(D)として用いられるホスホベタイン化合物としては、たとえば下記一般式(5)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006303373
(一般式(5)において、X1は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Y1はヒドロキシル基を表し、aは0〜5の整数であり、bは0〜4の整数である)
一般式(5)で表される化合物は、とくに限定されないが、たとえば第三ホスフィンであるトリ芳香族置換ホスフィンとジアゾニウム塩とを接触させ、トリ芳香族置換ホスフィンとジアゾニウム塩が有するジアゾニウム基とを置換させる工程を経て得ることができる。
硬化促進剤(D)として用いられるホスフィン化合物とキノン化合物との付加物としては、たとえば下記一般式(6)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006303373
(一般式(6)において、Pはリン原子を表し、R5、R6およびR7は、互いに独立して、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表し、R8、R9およびR10は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R8とR9は互いに結合して環を形成していてもよい)
ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物に用いるホスフィン化合物としては、たとえばトリフェニルホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリナフチルホスフィン、トリス(ベンジル)ホスフィン等の芳香環に無置換またはアルキル基、アルコキシル基等の置換基が存在するものが好ましく、アルキル基、アルコキシル基等の置換基としては1〜6の炭素数を有するものが挙げられる。入手しやすさの観点からはトリフェニルホスフィンが好ましい。
また、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物に用いるキノン化合物としては、o−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、アントラキノン類が挙げられ、これらの中でもp−ベンゾキノンが保存安定性の点から好ましい。
ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物は、とくに限定されないが、たとえば有機第三ホスフィンとベンゾキノン類の両者が溶解することができる溶媒中でこれらを接触、混合させることにより得ることができる。溶媒としてはアセトンやメチルエチルケトン等のケトン類で付加物への溶解性が低いものがよい。
一般式(6)で表される化合物において、リン原子に結合するR5、R6およびR7がフェニル基であり、かつR8、R9およびR10が水素原子である化合物、すなわち1,4−ベンゾキノンとトリフェニルホスフィンを付加させた化合物が、硬化した圧縮成形用モールドアンダーフィル材料の熱時弾性率を低下させる点で好ましい。
硬化促進剤(D)として用いられるホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物としては、たとえば下記式(7)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006303373
(一般式(7)において、Pはリン原子を表し、Siは珪素原子を表す。R11、R12、R13およびR14は、互いに独立して、芳香環または複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基を表し、X2は、基Y2およびY3と結合する有機基である。X3は、基Y4およびY5と結合する有機基である。Y2およびY3は、プロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y2およびY3が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y4およびY5は、プロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y4およびY5が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。X2およびX3は互いに同一であっても異なっていてもよく、Y2、Y3、Y4、およびY5は互いに同一であっても異なっていてもよい。Z1は芳香環または複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基である)
一般式(7)において、R11、R12、R13およびR14としては、たとえばフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、ヒドロキシナフチル基、ベンジル基、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基およびシクロヘキシル基等が挙げられ、これらの中でも、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基等の置換基を有する芳香族基もしくは無置換の芳香族基がより好ましい。
また、一般式(7)において、X2は、Y2およびY3と結合する有機基である。同様に、X3は、基Y4およびY5と結合する有機基である。Y2およびY3はプロトン供与性基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の基Y2およびY3が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。同様にY4およびY5はプロトン供与性基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の基Y4およびY5が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。基X2およびX3は互いに同一であっても異なっていてもよく、基Y2、Y3、Y4、およびY5は互いに同一であっても異なっていてもよい。このような一般式(7)中の−Y2−X2−Y3−、および−Y4−X3−Y5−で表される基は、プロトン供与体が、プロトンを2個放出してなる基で構成されるものである。プロトン供与体としては、好ましくは分子内にカルボキシル基または水酸基を少なくとも2個有する有機酸が好ましく、さらに芳香環を構成する炭素上にカルボキシル基または水酸基を少なくとも2個有する芳香族化合物が好ましく、さらには芳香環を構成する隣接する炭素上に水酸基を少なくとも2個有する芳香族化合物がより好ましい。たとえば、カテコール、ピロガロール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,2'−ビフェノール、1,1'−ビ−2−ナフトール、サリチル酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、クロラニル酸、タンニン酸、2−ヒドロキシベンジルアルコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−プロパンジオールおよびグリセリン等が挙げられる。これらの中でも、原料入手の容易さと硬化促進効果のバランスという観点では、カテコール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレンがより好ましい。
また、一般式(7)中のZ1は、芳香環もしくは複素環を有する有機基、または脂肪族基を表し、これらの具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基およびオクチル基等の脂肪族炭化水素基や、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基およびビフェニル基等の芳香族炭化水素基、グリシジルオキシプロピル基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基およびビニル基等の反応性置換基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、フェニル基、ナフチル基およびビフェニル基が熱安定性の面から、より好ましい。
ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物の製造方法は、とくに限定されないが、たとえば次のように行うことができる。まず、メタノールを入れたフラスコに、フェニルトリメトキシシラン等のシラン化合物、2,3−ジヒドロキシナフタレン等のプロトン供与体を加えて溶かし、次いで室温攪拌下ナトリウムメトキシド−メタノール溶液を滴下する。さらにそこへ、予め用意したテトラフェニルホスホニウムブロマイド等のテトラ置換ホスホニウムハライドをメタノールに溶かした溶液を室温攪拌下滴下すると、結晶が析出する。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥すると、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物が得られる。
本実施形態において、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料中における硬化促進剤(D)の含有量は、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料全体に対して0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.15質量%以上であることがとくに好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、圧縮成形時における硬化性を効果的に向上させることができる。
一方で、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料中における硬化促進剤(D)の含有量は、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料全体に対して1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。硬化促進剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、圧縮成形時における流動性の向上を図ることができる。
((E)カップリング剤)
圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、たとえばカップリング剤(E)をさらに含むことができる。カップリング剤(E)としては、たとえばエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を用いることができる。これらを例示すると、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンの加水分解物等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシランまたはビニルシランのシラン系化合物がより好ましい。また、充填性や成形性をより効果的に向上させる観点からは、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランに代表される2級アミノシランを用いることがとくに好ましい。
本実施形態において、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料中におけるカップリング剤(E)の含有量は、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料全体に対して0.1質量%以上であることが好ましく、0.15質量%以上であることがより好ましい。カップリング剤(E)の含有量を上記下限値以上とすることにより、無機充填剤(C)の分散性を良好なものとすることができる。
一方で、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料中におけるカップリング剤(E)の含有量は、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料全体に対して1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。カップリング剤(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、圧縮成形時における流動性を向上させ、充填性や成形性の向上を図ることができる。
圧縮成形用モールドアンダーフィル材料には、さらに必要に応じて、ハイドロタルサイト等のイオン捕捉剤;カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤;シリコーンゴム等の低応力成分;カルナバワックス等の天然ワックス、モンタン酸エステルワックス等の合成ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸およびその金属塩類もしくはパラフィン等の離型剤;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ホスファゼン等の難燃剤;酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。
本実施形態における圧縮成形用モールドアンダーフィル材料は、上記成分を混合混練した後、粉砕、造粒、押出切断および篩分等の各種の手法を単独または組み合わせることにより、粉粒体とすることができる。粉粒体を得る方法としては、たとえば各原料成分をミキサーで予備混合し、これをロール、ニーダーまたは押出機等の混練機により加熱混練した後、複数の小孔を有する円筒状外周部と円盤状の底面から構成される回転子の内側に溶融混練された樹脂組成物を供給し、その樹脂組成物を、回転子を回転させて得られる遠心力によって小孔を通過させて得る方法(遠心製粉法);前記と同様に混練した後、冷却、粉砕工程を経て粉砕物としたものを、篩を用いて粗粒と微紛の除去を行って得る方法(粉砕篩分法);各原料成分をミキサーで予備混合した後、スクリュー先端部に小径を複数配置したダイを設置した押出機を用いて、加熱混練を行うとともに、ダイに配置された小孔からストランド状に押し出されてくる溶融樹脂をダイ面に略平行に摺動回転するカッターで切断して得る方法(以下、「ホットカット法」とも言う。)等が挙げられる。いずれの方法においても、混練条件、遠心条件、篩分条件および切断条件等を選択することにより、所望の粒度分布を有する圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を得ることができる。
次に、本実施形態に係る半導体パッケージ100について説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体パッケージ100を示す断面図である。半導体パッケージ100は、基板10と、半導体素子20と、封止材30と、を備えている。半導体素子20は、基板10上に配置されている。図1においては、半導体素子20が、バンプ22を介して基板10上にフリップチップ実装される場合が例示されている。封止材30は、半導体素子20を封止し、かつ基板10と半導体素子20との間の隙間24に充填されている。封止材30は、上述した圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を、圧縮成形法を用いて成形することにより得られる。この場合、充填性に優れた圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を用いて、半導体素子20を封止しつつ隙間24内を充填することができ、信頼性に優れた半導体パッケージ100を実現することが可能となる。
半導体パッケージ100は、たとえば次のように製造される。まず、基板10上にバンプ22を介して半導体素子20を配置する。次いで、圧縮成形法を用いて、上述した本実施形態に係る圧縮成形用モールドアンダーフィル材料により、半導体素子20を封止するとともに基板10と半導体素子20との間の隙間24を充填する。これにより、封止材30が形成される。圧縮成形法は、たとえば圧縮成形機を用いて、金型温度120〜185℃、成形圧力1〜12MPa、硬化時間60秒〜15分の条件下で行うことができる。
次に、本実施形態に係る構造体102について説明する。
図2は、本実施形態に係る構造体102を示す断面図である。構造体102は、MAP成形により形成された成形品である。このため、構造体102を半導体素子毎に個片化することにより、複数の半導体パッケージが得られることとなる。
構造体102は、基板10と、複数の半導体素子20と、封止材30と、を備えている。複数の半導体素子20は、基板10上に配置されている。図2においては、各半導体素子20が、バンプ22を介して基板10上にフリップチップ実装される場合が例示されている。封止材30は、複数の半導体素子20を封止し、かつ基板10と各半導体素子20との間の隙間24に充填されている。封止材30は、上述した圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を、圧縮成形法を用いて成形することにより得られる。この場合、充填性に優れた圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を用いて、各半導体素子20を封止しつつ各隙間24内を充填することができる。
構造体102は、たとえば次のように製造される。まず、基板10上に、複数の半導体素子20を配置する。各半導体素子20は、たとえばバンプ22を介して基板10上に実装される。次いで、圧縮成形法を用いて、上述した本実施形態に係る圧縮成形用モールドアンダーフィル材料により、複数の半導体素子20を封止するとともに、基板10と各半導体素子20との間の隙間24を充填する。これにより、封止材30が形成される。圧縮成形法は、たとえば圧縮成形機を用いて、金型温度120〜185℃、成形圧力1〜12MPa、硬化時間60秒〜15分の条件下で行うことができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
(モールドアンダーフィル材料の調製)
まず、表1に従い配合された各原材料を、2軸型混練押出機を用いて110℃、7分の条件で混練した。次いで、得られた混練物を、脱気、冷却を行った後に粉砕機で粉砕し、粉粒体を得た。実施例1〜7および比較例1〜3においては、これにより得られた粉粒体をさらに篩分することにより、圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を得た。また、比較例4においては、タブレット打錠できる程度に粉砕した前記材料を打錠することにより、タブレット状のトランスファー成形用モールドアンダーフィル材料を得た。表1中における各成分の詳細は下記のとおりである。また、表1中の単位は、質量%である。
(A)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC−3000)
エポキシ樹脂2:ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、YX−4000)
(B)硬化剤
硬化剤1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(日本化薬(株)製、GPH−65)
硬化剤2:トリフェノールメタン型フェノール樹脂(明和化成(株)製、MEH−7500)
(C)無機充填剤
シリカ1:溶融球状シリカ(モード径R=10μm、粒径Rmax=18μm、R/Rmax=0.56)
シリカ2:溶融球状シリカ(モード径R=5μm、粒径Rmax=10μm、R/Rmax=0.5)
シリカ3:溶融球状シリカ(モード径R=10μm、粒径Rmax=24μm、R/Rmax=0.42)
(D)硬化促進剤
硬化促進剤1:下記式(8)で示される化合物
硬化促進剤2:下記式(9)で示される化合物
硬化促進剤3:トリフェニルホスフィン
Figure 0006303373
Figure 0006303373
(E)カップリング剤
カップリング剤1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(チッソ(株)製GPS−M)
カップリング剤2:N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−573)
(F)その他の成分
イオン捕捉剤:ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製、DHT−4H)
離型剤:モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン(株)製、WE−4M)
難燃剤:水酸化アルミニウム(住友化学(株)製、CL−303)
着色剤:カーボンブラック(三菱化学(株)製、MA−600)
(時間T(5)の測定)
実施例1〜7および比較例1〜4のそれぞれについて、キュラストメーター(オリエンテック(株)製、JSRキュラストメーターIVPS型)を用い、金型温度175℃にてモールドアンダーフィル材料の硬化トルクを経時的に測定した。測定結果に基づいて、測定開始から300秒におけるトルク(最大トルクと定義する)の5%に到達するまでの時間T(5)を算出した。表1中の単位は秒である。
(粘度ηの測定)
実施例1〜7および比較例1〜4のそれぞれについて、高化式フローテスター(島津製作所(株)製、CFT−500C)を用いて、温度175℃、荷重40kgf(ピストン面積1cm)、ダイ穴直径0.50mm、ダイ長さ1.00mmの試験条件で溶解したモールドアンダーフィル材料のみかけの粘度ηを測定した。粘度ηは、以下の計算式より算出した。計算式中、Qは単位時間あたりに流れるモールドアンダーフィル材料の流量である。表1中の単位はPa・秒である。
η=(4πDP/128LQ)×10−3(Pa・秒)
η:みかけの粘度
D:ダイ穴直径(mm)
P:試験圧力(Pa)
L:ダイ長さ(mm)
Q:フローレート(cm/秒)
(充填性)
各実施例および各比較例について、充填性を以下のように評価した。
実施例1〜7および比較例1〜3においては、フリップチップ型MAP(Mold Array Package)BGA(185×65mm×0.36mmtのビスマレイミド・トリアジン樹脂/ガラスクロス基板、10×10mm×200μmtのチップを3×10個搭載、モールド樹脂180×60mm×450μmt、基板とチップとの間隙は70μm、30μmの2つを使用、バンプ間隔は200μm)を、圧縮成型機(TOWA(株)製、PMC1040)を用いて、金型温度175℃、成形圧力3.9MPa、硬化時間90秒の条件で圧縮成形用モールドアンダーフィル材料により封止成形した。
比較例4においては、上記フリップチップ型MAPBGAを、トランスファー成形機(TOWA(株)製、Yシリーズ)を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間90秒でトランスファー成形用モールドアンダーフィル材料により成形した。
次いで、成形後の基板とチップとの間隙におけるモールドアンダーフィル材料の充填性を、超音波探傷機(日立建機(株)製、FS300)を用いて観察した。表1においては、基板とチップとの間に空隙がなくモールドアンダーフィル材料が充填されている場合に○とし、基板とチップとの間に未充填があると検出された場合に×として評価した。また、硬化不良でパッケージ表面にフクレが観察された場合には、成形不可と記した。表1には、基板とチップとの間隙が70μmである場合、および基板とチップとの間隙が30μmである場合の結果を示している。
(灰分均一性)
各実施例および各比較例について、灰分均一性を以下のように評価した。
まず、基板を同一寸法の金属板に変更し、かつ当該金属板表面に薄く離型剤を塗布した点以外は、上記充填性評価と同様にしてフリップチップ型MAPBGAを準備した。次いで、上記充填性評価と同一の成形機を用いて、同一の条件により、モールドアンダーフィル材料を用いてフリップチップ型MAPBGAを封止成形した。
次いで、得られた成形品の二つの長辺側の樹脂部分を外縁から5mm切り出し、樹脂以外の部材を取り外して各々凍結粉砕を行い、それぞれ上記二つの長辺に対応した二つのサンプルを得た。次いで、各サンプルに対して、示差熱天秤を使用して昇温速度30℃/minで500℃まで昇温し、30分ホールドして残渣の重量を測定した。この測定を三回繰り返した。次いで、各サンプルについて、三回測定した後の残渣の重量を元の重量で除した値を灰分(質量%)とした。そして、灰分が小さい一方のサンプルの灰分を、灰分が大きい他方のサンプルの灰分により除した値により、灰分均一性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006303373
実施例1〜7では、いずれも充填性が良好であった。これらの中でも、実施例1〜5は、実施例6および7と比較してより優れた灰分均一性を示した。一方で、比較例1および2においては、圧縮成形法によりMAP成形する際の、チップ下の充填性が十分ではなかった。比較例3においては、大面積のMAP成形品におけるモールドアンダーフィル材料の硬化性が十分ではなく、フクレが発生した。トランスファー成形によるMAP成形を行った比較例4においては、狭ギャップであるチップ下の充填性が十分でないことがわかった。また、比較例4では、大面積のMAP成形における灰分均一性が0.9未満であり、十分な灰分均一性が得られていないことがわかる。本発明は大面積を成形するMAP成形かつモールドアンダーフィルタイプの成形において、従来のトランスファー成形と比較して、特に狭ギャップであるチップ下の充填性と灰分均一性において、著しい効果を奏することがわかった。
100 半導体パッケージ
102 構造体
10 基板
20 半導体素子
22 バンプ
24 隙間
30 封止材

Claims (11)

  1. 基板上に配置された半導体素子を封止するとともに、前記基板と前記半導体素子との間の隙間に充填される圧縮成形用モールドアンダーフィル材料であって、
    エポキシ樹脂(A)と、
    硬化剤(B)と、
    無機充填剤(C)と、
    を含み、
    粉粒体であり、
    キュラストメーターを用いて金型温度175℃の条件下で測定した際に、測定開始から最大トルクの5%に到達するまでの時間T(5)が、25秒以上100秒以下である圧縮成形用モールドアンダーフィル材料。
  2. 請求項1に記載の圧縮成形用モールドアンダーフィル材料において、
    高化式フローテスターを用いて測定される175℃における粘度ηが、3.5Pa・秒以上15Pa・秒以下である圧縮成形用モールドアンダーフィル材料。
  3. 請求項2に記載の圧縮成形用モールドアンダーフィル材料において、
    時間T(5)/粘度ηが、2Pa−1以上30Pa−1以下である圧縮成形用モールドアンダーフィル材料。
  4. 請求項1〜3いずれか一項に記載の圧縮成形用モールドアンダーフィル材料において、
    前記無機充填剤(C)は、体積基準粒度分布の最大粒径側からみて累積頻度が5%となる粒径Rmaxが8μm以上35μm以下である圧縮成形用モールドアンダーフィル材料。
  5. 請求項4に記載の圧縮成形用モールドアンダーフィル材料において、
    前記無機充填剤(C)は、体積基準粒度分布の最大ピークに対応する粒径をモード径Rとして、R/Rmaxは、0.40以上である圧縮成形用モールドアンダーフィル材料。
  6. 請求項1〜5いずれか一項に記載の圧縮成形用モールドアンダーフィル材料において、
    前記エポキシ樹脂(A)が、ビフェニル型エポキシ樹脂を含み、
    前記硬化剤(B)が、フェノール樹脂系硬化剤を含み、
    さらに、硬化促進剤(D)を含み、前記硬化促進剤(D)が、ホスホベエタイン化合物、およびホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物の少なくとも一方を含む圧縮成形用モールドアンダーフィル材料。
  7. 請求項1〜6いずれか一項に記載の圧縮成形用モールドアンダーフィル材料において、
    さらに、カップリング剤(E)を含む圧縮成形用モールドアンダーフィル材料。
  8. 請求項1〜いずれか一項に記載の圧縮成形用モールドアンダーフィル材料において、
    前記無機充填剤(C)は、シリカである圧縮成形用モールドアンダーフィル材料。
  9. 請求項1〜いずれか一項に記載の圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を用いて、基板上に配置された半導体素子を封止するとともに、前記基板と前記半導体素子との間の隙間を充填することにより得られる半導体パッケージ。
  10. 請求項1〜いずれか一項に記載の圧縮成形用モールドアンダーフィル材料を用いて、基板上に配置された複数の半導体素子を封止するとともに、前記基板と各前記半導体素子との間の隙間を充填することにより得られる構造体。
  11. 基板上に、バンプを介して半導体素子を配置する工程と、
    圧縮成型法を用いて、請求項1〜いずれか一項に記載の圧縮成形用モールドアンダーフィル材料により、前記半導体素子を封止するとともに前記基板と前記半導体素子との間の隙間を充填する工程と、
    を備える半導体パッケージの製造方法。
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