JP6798414B2 - 熱伝導性エポキシ樹脂封止用組成物 - Google Patents

熱伝導性エポキシ樹脂封止用組成物 Download PDF

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Description

本発明は熱伝導性エポキシ樹脂封止用組成物、該組成物を用いたモールドアンダーフィル材及び該モールドアンダーフィル材を用いた半導体装置に関する。
一般に基板に実装された半導体チップが樹脂によって封止された半導体装置が主流であり、このような半導体装置のさらなる小型化、薄型化、高密度化の要求に対応する技術としてフリップチップ接続方式が知られている。この接続方式では、半導体チップの回路面にバンプを形成し、フェイスダウンで基板の電極端子に半導体チップを直接接続する方式である。この方式では半導体チップの実装エリアが小さくて済み、かつワイヤボンディング接続方式のようにワイヤまで樹脂封止する必要がないので、半導体装置を薄くできる利点がある。
フリップチップ接続方式の場合、実装された半導体チップと基板、もしくは半導体チップ同士の間に数十μmの電極の厚さ分の狭ギャップが発生する。従来、このチップ間の狭ギャップは液状のエポキシ樹脂組成物を用いてキャピラリーアンダーフィルにより充填されていた。その後、トランスファー成形によってチップ全体が非液状のエポキシ樹脂組成物で樹脂封止されていた。しかし非液状のエポキシ樹脂組成物の使用では狭ギャップの充填とチップ全体の封止の二工程が必要であることから、固体状エポキシ樹脂組成物のみで狭ギャップの充填とチップ全体の封止を一括して行う技術としてモールドアンダーフィル技術の開発が進められている。
また、半導体装置の小型化、高集積化により、その発熱密度は上昇しており、従来バンプや基板から放熱経路を確保していたのに加え、樹脂の放熱性の向上も望まれており、様々な放熱フィラーを用いた高熱伝導性樹脂の開発が進められている(特許文献1)。同時に絶縁性確保も重要な課題となっており、狭ギャップ間の絶縁性を確保できる封止樹脂の開発も望まれている。
半導体封止用エポキシ樹脂組成物にはレーザーマーク性能の向上のため、通常顔料としてカーボン系黒色顔料(カーボンブラック)が添加されている。しかし、半導体素子の密度の向上に伴い、その導電性によるショート等、電気特性の低下が問題とされている。現状における対策として、45μm以上の粗粒子の含有量を特定の割合としたカーボン系黒色顔料の使用が提案されているが、ワイヤ間の距離が45μm以下の半導体装置において通電のおそれが依然存在している(特許文献2)。
特開2011−132268号公報 特開2001−019833号公報
従って、本発明は、流動性、狭ギャップ侵入性、電気絶縁性、及び熱伝導性に優れた半導体封止用、中でもモールドアンダーフィル材用のエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、下記熱伝導性エポキシ樹脂封止用組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の熱伝導性エポキシ樹脂封止用組成物、該組成物からなるモールドアンダーフィル材及び該モールドアンダーフィル材で封止されたフリップチップ接続部を有する半導体装置を提供するものである。
[1]
(A)エポキシ樹脂、
(B)硬化剤、
(C)硬化促進剤、
(D)無機充填材 樹脂組成物全体の50体積%以上80体積%未満 及び
(E)黒色顔料 (A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤の合計100質量部に対して2.5質量部以上10質量部以下
を必須成分とする、常温(25℃)で固体状のエポキシ樹脂組成物であって、
上記(D)無機充填材が、
(1)湿式篩法によるトップカット径が7μm以上25μm以下であり、
(2)トップカット径よりも大きい粒子が、レーザー回折法により体積基準で測定した粒度分布測定値において2体積%以下であり、かつ
(3)平均粒径が1〜10μmであるという条件を同時に満たすものであり、
上記(E)黒色顔料が、非導電性の金属酸化物系黒色顔料である、
熱伝導性エポキシ樹脂封止用組成物。
本明細書中で固体状の樹脂組成物とは、常温(25℃)で固体状の樹脂組成物を言い、形態は、粒状、粉状、顆粒状、及び打錠したタブレットを含むが、これらに限定されない。
[2]
(D)無機充填材が、球状アルミナ単独であるか、又は球状アルミナと球状シリカの混合物であり、これらの混合体積比率(球状アルミナ粒子:球状シリカ)が90:10〜100:0である[1]に記載の熱伝導性エポキシ樹脂封止用組成物。
[3]
高化式フローテスターを用いて、スリット径φ1.0mm、測定温度175℃、荷重10kgfで測定した溶融粘度が50Pa・s以下である[1]又は[2]に記載の熱伝導性エポキシ樹脂封止用組成物。
[4]
前記(E)黒色顔料がチタン系黒色顔料である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の熱伝導性エポキシ樹脂封止用組成物。
[5]
[1]〜[4]のいずれか1項に記載の熱伝導性樹脂封止用組成物からなるモールドアンダーフィル材。
[6]
[5]に記載のモールドアンダーフィル材で封止されたフリップチップ接続部を有する半導体装置。
本発明の封止用組成物は、流動性、狭ギャップ侵入性、電気絶縁性、及び熱伝導性に優れるため、通常の封止材として好ましく使用可能であるだけでなく、半導体チップをフリップチップ接続方式で基板及びチップ上に実装した場合に、モールドアンダーフィル材として、本発明の封止用組成物のみを用いてチップ下の狭ギャップの充填とチップ全体の封止とを一括して行うことができる。
本発明の封止用組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材及び黒色顔料を含有する常温(25℃)で固体状の熱伝導性エポキシ樹脂組成物である。これら成分を配合、溶融混練後の175℃での溶融粘度が50Pa・s以下に抑えられることで、十分な流動性、狭ギャップ侵入性が得られるため、本発明の封止用組成物は、基板に実装された半導体の封止材、中でもフリップチップ接続方式で接続された半導体チップを一括封止するモールドアンダーフィル材として好適である。
以下、各成分について詳述する。
(A)エポキシ樹脂
(A)成分のエポキシ樹脂としては、封止用エポキシ樹脂組成物の技術分野で従来使用されるエポキシ樹脂が挙げられる。そのようなエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ジヒドロアントラセンジオール型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの二量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの内、粘度を低く抑えるため、ビフェニル型エポキシ樹脂が好ましい。
(A)成分は、本発明の封止用組成物中、4.0〜12質量%含有することが好ましく、4.5〜10質量%含有することがより好ましく、5.0〜8.0質量%含有することがさらに好ましい。
(B)硬化剤
(B)成分の硬化剤としては、封止用エポキシ樹脂組成物の技術分野で従来使用される樹脂が挙げられる。そのような硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、アラルキル型ビフェニル樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂が挙げられ、これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのうち、好ましくはフェノールノボラック型樹脂、アラルキル型ビフェニル樹脂、アラルキル型フェノール樹脂であり、特に好ましくはアラルキル型フェノール樹脂である。
エポキシ樹脂と硬化剤との配合割合(エポキシ樹脂/硬化剤)は、当量比で、0.5以上1.5以下が好ましく、0.8以上1.2以下がより好ましい。この配合割合が過度に小さいと硬化剤が過多となって経済的に不利となり、配合割合が過度に大きいと、硬化剤が過小になり硬化不足になる。
(C)硬化促進剤
(C)成分の硬化促進剤としては、エポキシ樹脂のエポキシ基と硬化剤のフェノール性水酸基との架橋反応を促進させるものであればよく、エポキシ樹脂封止材に一般的に用いられているものを使うことができる。例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−メチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン類、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン類等及び、これらをマイクロカプセル化したもの等が挙げられる。これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよいが、好ましくはイミダゾール類、中でも長期保存の観点からイミダゾール類をマイクロカプセル化したものが特に好適である。
硬化促進剤の使用量は、エポキシ樹脂と硬化剤との合計含有量100質量部に対して1質量部以上10質量部以下とすることが好ましい。硬化促進剤の含有量が1質量部より少ないと硬化促進機能が良好に発揮されなくなり、硬化促進剤の含有量が10質量部より多いと成形性に不具合を生じる可能性がある。
(D)無機充填材
(D)成分の無機充填材は、(1)湿式篩法によるトップカット径が7μm以上25μm以下であり、(2)トップカット径よりも大きい粒子が、レーザー回折法により体積基準で測定した粒度分布測定値において2体積%以下であり、かつ(3)平均粒径が1〜10μmであるという3つの条件を同時に満たす無機粒子である。なお、(D)無機充填材は、後述する(E)黒色顔料を含まない。
ここで、トップカット径とは、製造された無機充填材が湿式篩法による分級で用いられた篩の目開きを表し、該目開きよりも大きい粒子が、レーザー回折法により体積基準で測定した粒度分布測定値において2体積%以下となる値をいう。
無機充填材の湿式篩法によるトップカット径は7μm以上25μm以下であり、好ましくは10μm以上20μm以下であるが、より好ましくは封止する半導体装置が備える狭ギャップの半分以下である。
無機充填材の湿式篩法によるトップカット径が狭ギャップのサイズの半分よりも大きいと無機粒子の侵入が阻害され、未充填やボイドの原因となる可能性がある。トップカット径を狭ギャップのサイズの半分以下とすることにより、狭ギャップに無機粒子が詰まることが抑制され、樹脂組成物の狭ギャップ侵入性が向上する。
また、(D)成分の無機充填材は、トップカット径よりも大きい粒子が、レーザー回折法により体積基準で測定した粒度分布測定値において2体積%以下であり、好ましくは1.0体積%以下であり、より好ましくは0.5体積%以下である。大きい粒子の割合が2体積%を超える場合は、狭ギャップ侵入性の低下を引き起こし、未充填の原因となるため好ましくない。
本発明で用いられる無機充填材は、レーザー回折法によって測定された平均粒径が、1〜10μmであることが必要であり、好ましくは1〜7μmであり、さらに好ましくは2〜5μmである。平均粒径が1μm未満であれば、粘度上昇により流動性が低下するため好ましくなく、平均粒径が10μmを超えると狭ギャップ侵入性が低下するため好ましくない。なお、平均粒径はレーザー回折法によって測定したメジアン径(d50)の値である。
本発明で用いられる無機充填材としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、マグネシア、窒化ホウ素、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素等挙げられる。このうち、(D)成分の吸湿信頼性、耐水性、充填性、絶縁性等の問題、及び粒径のコントロールされた球状粒子の提供といった点から、アルミナ粒子、シリカ粒子が好ましく、特に球状アルミナ粒子、球状シリカ粒子が好ましい。これらの粒子は1種単独でも2種を組み合わせて用いてもよい。アルミナ粒子とシリカ粒子の混合物を用いる場合は、その混合比率が球状アルミナ粒子90体積%以上100体積%未満に対し、球状シリカ粒子0体積%より多く10体積%未満であることが好ましく、熱伝導率の観点から球状アルミナ粒子単独であることが特に好ましい。
無機充填材のエポキシ樹脂組成物中の含有量は50体積%以上80体積%未満であり、より好ましくは65体積%以上72体積%未満である。無機充填材の含有量が過度に少ないと無機充填材の機能が十分に発揮されず、十分な熱伝導率が得られなくなり、無機充填材の含有量が過度に多いと樹脂組成物の流動性が低下して狭ギャップ侵入性の低下の原因となる。
(E)黒色顔料
(E)成分の黒色顔料は、非導電性の金属酸化物系黒色顔料であり、その具体例としては、チタン系黒色顔料、マグネタイト、銅/クロム複合酸化物等が挙げられる。中でも、レーザーマーク性能、電気特性等の観点からチタン系黒色顔料が好適に用いられる。チタン系黒色顔料としては、チタン・酸化チタン焼結物、低次酸化チタン等が挙げられ、これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。黒色顔料の配合割合はエポキシ樹脂と硬化剤の合計量100質量部に対して2.5質量部以上10質量部以下が好ましく、より好ましくは3質量部以上7質量部以下である。
本発明の封止用組成物には、更に、本発明の効果を損なわない範囲で、接着助剤、離型剤、難燃剤、イオントラップ剤、可撓性付与剤等のその他の添加剤を含有してもよい。
接着助剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応物、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトシラン、γ−エピスルフィドキシプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン等が挙げられ、これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、カルナバワックス、ライスワックス、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、モンタン酸、モンタン酸と飽和アルコール、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−エタノール、エチレングリコール、グリセリン等とのエステル化合物等のワックス;ステアリン酸、ステアリン酸エステル、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体等が挙げられ、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
難燃剤としては、ハロゲン化エポキシ樹脂、ホスファゼン化合物、シリコーン化合物、モリブデン酸亜鉛担持タルク、モリブデン酸亜鉛担持酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン等が挙げられる。これらの難燃剤は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよいが、環境負荷や流動性確保の観点からホスファゼン化合物、モリブデン酸亜鉛担持酸化亜鉛、酸化モリブデンが好適に用いられる。
イオントラップ剤としては、ハイドロタルサイト化合物、ビスマス化合物、ジルコニウム化合物等が挙げられ、これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
可撓性付与剤としては、シリコーンオイル、シリコーンレジン、シリコーン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性フェノール樹脂等のシリコーン化合物や、スチレン樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらのその他の添加剤のエポキシ樹脂組成物中の含有量は各添加剤の機能を良好に発揮させる範囲内で適宜決定すればよいが、例えばエポキシ樹脂組成物全量中0.1質量部以上10質量部以下の範囲である。
製造方法
本発明の封止用組成物は例えば次のようにして製造される。すなわち、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材、黒色顔料及びその他の材料をそれぞれ所定の量ずつ配合し、ミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕すればよく、得られた組成物は成形材料として使用できる。また、さらに打錠しタブレット形状としても使用できる。
本発明の封止用組成物はトランジスタ型、モジュール型、DIP型、SO型、フラットパック型、ボールグリッドアレイ型等の半導体装置の封止樹脂として有効であり、中でもフリップチップ接続方式を用いた半導体装置のモールドアンダーフィル材として特に有効である。本発明の封止用組成物により半導体装置の封止方法は特に制限されるものでなく、従来の成形法、例えばトランスファー成形、インジェクション成形、注型法等を利用すればよい。特に好ましいのはトランスファー成形である。
本発明の封止用組成物の成形(硬化)条件は特に規制されるものでないが、160℃〜190℃で90〜300秒間が好ましい。さらに、ポストキュアを170〜250℃で2〜16時間行うことが好ましい。
本発明の封止用組成物は、流動性、狭ギャップ侵入性、電気絶縁性、及び熱伝導性に優れている。該組成物はトランスファー成形材料として使用することができ、従来のキャピラリーアンダーフィルとオーバーモールドの二工程を経る手法と比べ、工程が少なく生産性に優れる。また熱伝導率が高く放熱性に優れることから積層型フリップチップ半導体装置に好適に使用できる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例及び比較例で使用した材料を以下に示す。
(エポキシ樹脂)
・ビフェニル型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン社製「YX4000K」(エポキシ当量195)
(硬化剤)
・アラルキル型フェノール樹脂:明和化成社製「MEH7800−4S」(水酸基当量168)
(無機充填材)
シリカ粒子
・シリカ粒子1:龍森社製「MUF−3」(トップカット径:10μm、トップカット径よりも大きい粒子の割合:1.3体積%、平均粒径:3.7μm)
・シリカ粒子2:龍森社製「RS−8214HD/53C」(トップカット径:53μm、トップカット径よりも大きい粒子の割合:1.6体積%、平均粒径:20μm)
・シリカ粒子3:龍森社製「LER―03」(トップカット径:7μm、トップカット径よりも大きい粒子の割合:0.1体積%、平均粒径:2.3μm)
アルミナ粒子
・アルミナ粒子1:アドマテックス社製「AE9104−SXE」(フェニルアミノシラン表面処理品)(トップカット径:10μm、トップカット径よりも大きい粒子の割合:1.4体積%、平均粒径:4.0μm)
・アルミナ粒子2:アドマテックス社製「AC9204−SXE」(フェニルアミノシラン表面処理品)(トップカット径:25μm、トップカット径よりも大きい粒子の割合:0.6体積%、平均粒径:6.9μm)
・アルミナ粒子3:アドマテックス社製「AO−502」(トップカット径:7μm、トップカット径よりも大きい粒子の割合:0.2体積%、平均粒径:0.8μm)
・アルミナ粒子4:福島窯業社製「GA−20H/53C」(フェニルアミノシラン表面処理品)(トップカット径:53μm、トップカット径よりも大きい粒子の割合:1.2体積%、平均粒径:20μm)
(硬化促進剤)
・2−メチル−4−エチルイミダゾール/硫酸モノアルキルエステルアンモニウム塩混合物マイクロカプセル:ハンツマン社製「XB−5730」
(接着助剤)
・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:信越化学製「KBM−403」
(離型剤)
・カルナバワックス:東亜化成社製「TOWAX−131」
(黒色顔料)
・黒色顔料1 カーボン系黒色顔料:三菱化学社製「三菱カーボンブラック3230B」
・黒色顔料2 チタン系黒色顔料:赤穂化成製「ティラックD TSV」(チタン・酸化チタン焼結物)
(難燃剤)
・難燃剤1 ホスファゼン化合物:伏見製薬社製「FP−100」
・難燃剤2 モリブデン酸亜鉛担持酸化亜鉛:フーバー社製「KEMGARD−911B」
(イオントラップ剤)
・ハイドロタルサイト化合物:協和化学工業社製「DHT−4A−2」
[実施例1〜9、比較例1〜7]
上記成分を表1及び表2に記載の組成(質量部)に従い配合し、各成分を溶融混合し、冷却、粉砕して組成物を得た。得られた各組成物を以下に示す方法に従い評価し、その結果を表1及び表2に示した。
溶融粘度
高化式フローテスター(島津製作所社製、CFT−100D)にて175℃、荷重10Kgに設定し、最低溶融粘度を測定した。
スパイラルフロー
EMMI規格に準じた金型を使用して、成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm、成形時間180秒の条件で測定した。
狭ギャップ侵入性
それぞれ10μm、20μm、30μm、40μmの狭ギャップの溝を持つ金型を用い、175℃×180秒間、成形圧6.9MPaの条件でトランスファー成形し狭ギャップへの侵入長を測定した。
熱伝導率
成形時間175℃×180秒間、成形圧力6.9MPaの条件でφ50mm、3mm厚の試験片を作製し、該試験片を180℃×4時間のポストキュアの後、定常法熱伝導率測定装置(アルバック理工社製、GH−1)にて熱伝導率の測定を行った。
絶縁破壊電圧
175℃×180秒間、成形圧6.9MPaの条件でφ90mm、0.35mm厚の試験片を作製し、該試験片を、180℃×4時間のポストキュアの後、JIS C 2110−1:2010に記載の方法に準拠し絶縁破壊電圧を測定した。
Figure 0006798414
Figure 0006798414
比較例1及び4よりトップカット径がギャップサイズよりも大きいものは狭ギャップ侵入性が著しく低いため、モールドアンダーフィル材には適していない。また、比較例3では、平均粒径が1μm以下のフィラーを用いると著しく増粘し、混練不能であった。比較例2では、充填材含有量が80体積%となると溶融粘度が50Pa・s以上となり、成型性の低下が見られた。比較例5及び6でカーボン系黒色顔料を10質量部添加すると絶縁破壊電圧が著しく低下しているが、顔料としてチタン系黒色顔料を用いた実施例5及び6では絶縁破壊電圧の低下は見られなかった。つまり、顔料の凝集や偏析のため、局所的に濃度が高くなった場合にカーボン系黒色顔料では絶縁性低下の懸念があるが、チタン系黒色顔料を用いていれば絶縁性を維持できる。
以上により、本発明の封止用組成物は、流動性、狭ギャップ侵入性、電気絶縁性、及び熱伝導性に優れる。そのため、集積度(半導体チップ1個当たりに組み込まれた素子数)が高く、発熱密度が高いため、高い放熱性が必要な複数の半導体チップをフリップチップ方式で接続した半導体装置の封止樹脂として本発明の封止用組成物は好適である。

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂、
    (B)硬化剤、
    (C)硬化促進剤、
    (D)無機充填材 樹脂組成物全体の50体積%以上80体積%未満 及び
    (E)黒色顔料 (A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤の合計100質量部に対して2.5質量部以上10質量部以下
    を必須成分とする、常温(25℃)で固体状のエポキシ樹脂組成物であって、
    上記(D)無機充填材が、
    (1)湿式篩法によるトップカット径が7μm以上25μm以下であり、
    (2)トップカット径よりも大きい粒子が、レーザー回折法により体積基準で測定した粒度分布測定値において2体積%以下であり、かつ
    (3)平均粒径が1〜10μmであるという条件を同時に満たす
    球状アルミナ単独であるか、又は球状アルミナと球状シリカの混合物であり、
    これらの混合体積比率(球状アルミナ:球状シリカ)が90:10〜100:0であるものであり、
    上記(E)黒色顔料が、非導電性の金属酸化物系黒色顔料である、
    熱伝導性エポキシ樹脂封止用組成物。
  2. 高化式フローテスターを用いて、スリット径φ1.0mm、測定温度175℃、荷重10kgfで測定した溶融粘度が50Pa・s以下である請求項1に記載の熱伝導性エポキシ樹脂封止用組成物。
  3. 前記(E)黒色顔料がチタン系黒色顔料である請求項1又は2に記載の熱伝導性エポキシ樹脂封止用組成物。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載の熱伝導性エポキシ樹脂封止用組成物からなるモールドアンダーフィル材。
  5. 請求項に記載のモールドアンダーフィル材で封止されたフリップチップ接続部を有する半導体装置。
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