JP6596814B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に係り、更に詳しくは、画像情報に基づいて変調された光により像担持体を走査して画像を形成する画像形成装置に関する。
従来、画像情報に基づいて変調された光で像担持体を走査して画像を形成する画像形成装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示されている画像形成装置では、形成される画像に濃度ムラが発生するおそれがあった。
本発明は、画像情報に基づいて変調された光により像担持体を走査して画像を形成する画像形成装置であって、前記光を射出する光源と、前記画像情報に基づいて前記光源を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記画像の特定画素を形成するときの前記光源の発光時間を前記画像の前記特定画素以外の画素である通常画素を形成するときの前記光源の発光時間よりも短くし、かつ前記特定画素を形成するときの前記光源の発光光量を前記通常画素を形成するときの前記光源の発光光量よりも大きくし、前記制御装置はさらに、前記特定画素を形成するときに前記光源が前記特定画素のどの位相で発光するかの点灯タイミングを制御し、互いに隣接する前記特定画素と前記通常画素を時間的に相前後して形成する際に前記光源を点灯して前記特定画素及び前記通常画素の一方を形成した後、前記光源を短時間消灯させ、その後前記光源を点灯して前記特定画素及び前記通常画素の他方を形成する画像形成装置である。
これによれば、形成される画像に濃度ムラが発生するのを防止できる。
一実施形態に係るレーザプリンタの概略構成を示す図である。 図1における光走査装置を説明するための図である。 光源制御回路の構成を説明するための図(その1)である。 光源制御回路の構成を説明するための図(その2)である。 図5(A)〜図5(C)は、それぞれ特定画素を形成するときの光の照射時間及び照射光量の調整処理の具体例(その1〜その3)について説明するための図である。 図6(A)及び図6(B)は、それぞれ画像のエッジ部に対する光の照射時間及び照射光量の調整処理の具体例(その1及びその2)について説明するための図である。 図7(A)及び図7(B)は、それぞれベタ画像のエッジ部に対する光の照射時間及び照射光量の調整処理の具体例を説明するための図(その1及びその2)である。 図8(A)〜図8(D)は、画像の主走査方向のエッジ部の一画素に対する光の照射時間及び照射光量の調整処理の具体例について説明するための図(その1〜その4)である。 図9(A)〜図9(D)は、画像の主走査方向のエッジ部の二画素に対する光の照射時間及び照射光量の調整処理の具体例について説明するための図(その1〜その4)である。 図10(A)は、比較例の感光体ドラムの主走査方向の各位置での露光量を示すグラフであり、図10(B)は、比較例の感光体ドラム上の現像電界の主走査方向の変化を示すグラフである。 図11(A)は、本実施形態の感光体ドラムの主走査方向の各位置での露光量を示すグラフであり、図11(B)は、本実施形態の感光体ドラム上の現像電界の主走査方向の変化を示すグラフである。 印加電流1、2の波形、光波形1、1´、光波形2、2´を示す図である。 カラープリンタの概略構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図11(B)に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060などを備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、図1における矢印方向に回転するようになっている。
帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングユニット1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングユニット1035の順に配置されている。
帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面を、上位装置からの画像情報(画像データ)に基づいて変調されたレーザ光により走査し、感光体ドラム1030の表面に画像情報に対応した静電潜像を形成する。ここで形成された静電潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された静電潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した静電潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置1010の構成について説明する。この光走査装置1010は、一例として図2に示されるように、光源としてのLD14(レーザダイオード)、ポリゴンミラー13、走査レンズ11、受光素子としてのPD12(フォトディテクタ)、走査制御装置15などを備えている。そして、これらは、図示しないハウジングの中の所定位置に組み付けられている。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
LD14は、端面発光レーザとも呼ばれ、ポリゴンミラー13の偏向反射面に向けてレーザ光を射出する。
ポリゴンミラー13は、一例として内接円の半径が18mmの6面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー13は、副走査対応方向に平行な軸の周りを等速回転しながら、LD14からのレーザ光を偏向する。
なお、LD14とポリゴンミラー13との間に、LD14から射出されたレーザ光をポリゴンミラー13の偏向反射面近傍に副走査対応方向に関して結像する光学系(偏向器前光学系とも呼ばれる)を設けても良い。偏向器前光学系を構成する光学素子としては、例えばカップリングレンズ、アパーチャ部材、シリンドリカルレンズ、反射ミラーなどが挙げられる。
走査レンズ11は、ポリゴンミラー13で偏向されたレーザ光の光路上に配置されている。そして、この走査レンズ11を介したレーザ光が、感光体ドラム1030の表面に照射(集光)され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー13の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム1030上を走査する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。また、感光体ドラム1030の回転方向が「副走査方向」である。
ポリゴンミラー13と感光体ドラム1030との間の光路上に配置された光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、走査光学系は、走査レンズ11で構成されている。なお、走査光学系は、走査レンズを複数有していても良い。また、走査レンズ11と感光体ドラム1030との間の光路上の少なくとも一方に、少なくとも1つの折り返しミラーが配置されても良い。
PD12は、ポリゴンミラー13で偏向され走査レンズ11を介したレーザ光の光路上に配置され、該レーザ光の受光結果を走査制御装置15に送る。PD12は、感光体ドラム1030に対して走査方向下流側に配置されても良いし、走査方向上流側に配置されても良い。
そこで、LD14からのレーザ光は、回転するポリゴンミラー13により偏向され、走査レンズ11を介して、被走査媒体である感光体ドラム1030上に照射される。照射されたレーザ光は感光体ドラム1030上で光スポットとなり、感光体ドラム1030上に静電潜像が形成される。
また、ポリゴンミラー13により偏向されたレーザ光は、1ラインの走査が終わる毎にPD12に入射する。PD12は、レーザ光を受光すると、その受光量を電気信号に変換し、該電気信号を後述する位相同期回路25に出力する。
走査制御装置15は、一例として、画像処理ユニット21、光源制御回路23、位相同期回路25、クロック生成回路27などを含む。
位相同期回路25は、上記電気信号が入力されると、次の1ライン分の画素クロックを生成する。位相同期回路25には、クロック生成回路27から高周波クロック信号が入力され、これにより画素クロックの位相同期が図られている。位相同期回路25で生成された画素クロックは、画像処理ユニット21及び光源制御回路23に供給される。
画像処理ユニット21は、上位装置からの画像データ(画像情報)に所定の処理を施し、処理後の画像データを、位相同期回路25からの画素クロックに従って光源制御回路23へ供給する。
光源制御回路23は、位相同期回路25からの画素クロック及び画像処理ユニット21からの画像データに基づいてLD14を駆動する。この結果、画像情報に応じた静電潜像が感光体ドラム1030上に形成される。
以下に、光源制御回路23について詳細に説明する。光源制御回路23は、図3に示されるように、光源変調データ生成部29及び光源駆動部31を含む。
光源変調データ生成部29は、一例として、特定画素制御部29a、パルス生成部29b、パワー変調電流設定部29c、通常電流設定部29d、駆動電流データ生成部29eを有する。
特定画素制御部29aは、画像処理ユニット21からの画像データの特定画素(例えばエッジ部に含まれる画素)を検出し、該特定画素を形成するときのLD14の点灯時間、点灯タイミングを制御する制御信号を生成し、パルス生成部29bに送る。
パルス生成部29bは、特定画素制御部29aからの制御信号に基づいて、LD14のオンオフを制御するための光源変調パルス信号を生成し、該光源変調パルス信号を光源駆動部31に送る。
パワー変調電流設定部29cは、特定画素を形成するときのLD14の発光に必要な電流値(例えば画像データの特定画素以外の画素である通常画素を形成するときのLD14の発光に必要な電流値のN倍(N>1))を設定し、その設定値を駆動電流データ生成部29eに送る。
通常電流設定部29dは、通常画素を形成するときのLD14の発光に必要な電流値を設定し、その設定値を駆動電流データ生成部29eに送る。
駆動電流データ生成部29eは、パワー変調電流設定部29c及び通常電流設定部29dからの設定値に基づいて、LD14に供給する駆動電流の大きさ(駆動電流値)を制御するための駆動電流データを生成し、該駆動電流データを光源駆動部31に出力する。
光源駆動部31は、図4に示されるように、光源変調データ生成部29からの光源変調パルス信号、及び駆動電流データに基づいてLD14を駆動する。
本実施形態では、説明を簡略化するため、光源は、単一のLD(レーザダイオード)とされているが、実際には、1次元又は2次元に配列された複数のLD含むLDA(Laser Diode Array)であっても良いし、単一のVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)や1次元又は2次元に配列された複数のVCSEL(面発光レーザ)を含むVCSELA(面発光レーザアレイ)であっても良い。
LD14への電流源は、光源変調パルス信号に基づいてLD14の順方向に電流を流すように構成されている(図4参照)。
ここで、駆動電流値は、DAC(Digital to Analog Converter)コードによりデジタル的に設定可能に構成されている。また、光源変調パルス信号に基づいてスイッチ(例えばトランジスタ)がオン/オフされることにより、電流源からLD14への電流供給がオン/オフされ、所望の点灯パターンでの発光制御が可能となる(図4参照)。
以下に、パルス生成部29bによる光源変調パルス信号の生成方法について説明する。ここで、光源変調パルス信号とは、LD14のオン/オフ(点灯/消灯)を制御する信号である。すなわち、光源変調パルス信号がH(ハイレベル)の時は、LD14が点灯し、L(ローレベル)の時はLD14が消灯する。
先ず、画像処理ユニット21からの画像データに対して特定画素制御部29aでパターンマッチングにより、特定画素(例えばエッジ部に含まれる画素)の検出を行う。このとき、画像の属性を示すオブジェクト情報がある場合は、画像の属性から必要な画像領域にパターンマッチングを実施し、検出を行う。ここで、「画像の属性」とは、例えば文字、写真、図形などである。
次に、特定画素制御部29aにおいて、特定画素を形成するときのLD14の点灯タイミング及び点灯時間を制御(設定)し、光源変調パルス信号を生成する。ここで、「特定画素を形成するときのLD14の点灯タイミング」とは、パルス幅を制御し、特定画素内のどの位相で点灯させるかということである。
例えば、図5(A)には、特定画素に対してパルス幅をDuty50%、位相を左位相にする処理の前後の状態が示されている。また、図5(B)には、特定画素に対してパルス幅をDuty50%、位相を中央位相にする処理の前後の状態が示されている。また、図5(C)には、特定画素に対してパルス幅をDuty50%、位相を右位相にする処理の前後の状態が示されている。
次に、駆動電流データ生成部29eによる駆動電流データの生成方法について説明する。ここで、駆動電流データとは、LD14にどの程度の駆動電流値(パルス振幅)を与えるか、つまりどの程度の光量を出力させるかを指示する信号である。
先ず、通常光量電流データを読み出す。ここで、「通常光量電流データ」とは、通常画素の光量である所定光量を決定するためのデータである。「所定光量」とは、感光体ドラム1030を光走査してベタ画像を形成するのに適切なトナー付着量が得られるような光量を意味する。
次に、パワー変調光量電流データを読み出す。ここで、「パワー変調光量電流データ」とは、特定画素をどの程度の光量にするかを決定するためのデータである。その大きさは、通常光量電流データに基づいて設定され、通常光量電流データが変更された場合はそれに伴いパワー変調光量電流データも調整される。
例えば、パワー変調光量電流データを通常光量電流データの例えば整数倍に設定することが考えられる。なお、その倍率については感光体ドラム、トナー、現像などの特性に基づいて決定されることが好ましい。
次いで、駆動電流データ生成部29eで、画素クロックに応じて、特定画素のタイミングではパワー変調光量電流データとなり、かつ通常画素のタイミングでは通常光量電流データとなる駆動電流データを生成する。
本実施形態では、以下に具体例を挙げて説明するように、画像データのエッジ部に所定の処理(照射時間及び照射光量の調整処理)を施すこととしている。
画像データの主走査方向及び副走査方向のエッジ部がそれぞれ複数の特定画素により構成されている場合の該複数の特定画素に対する処理の一例が、図6(A)及び図6(B)に示されている。図6(A)には、画像データの主走査方向のエッジ部を含む領域が拡大されて示されている。図6(B)には、画像データの副走査方向のエッジ部を含む領域が拡大されて示されている。
ここでは、各特定画素の主走査方向の幅を縮め、LD14の発光光量(発光強度)については、通常の発光光量よりも大きい光量で発光させている。具体的には、各特定画素の主走査方向の幅を通常画素の1/2、発光光量を通常画素の200%に設定している。また、各特定画素内の位相を中央位相としている。
図7(A)及び図7(B)には、ある画像データ(例えばベタ画像)に対する処理前後の具体例が示されている。図7(A)では、主走査方向のエッジにのみ処理が施され、図7(B)では、主走査方向のエッジ部及び副走査方向のエッジ部に処理が施されている。
図8(A)には、主走査方向のエッジ部に処理が施されていない場合の光波形が示されている。
図8(B)には、主走査方向のエッジ部(特定画素1画素分)に対して処理が施されたときの光波形が示されている。網掛け部分は、エッジ部を示している。図8(B)では、エッジ部の特定画素がDuty50%で通常光量の200%で形成されている。位相は中央位相である。
図8(C)には、図8(B)における位相を画像の中央方向へ寄せた場合の光波形が示されている。この場合、画像データの途中でのオフ時間をなくすことで、トナー付着が不安定な弱電界の領域を低減することが可能となる。
図8(D)には、主走査方向のエッジ部の特定画素を、図8(C)における位相と同じ位相で、Duty25%で通常光量の400%で形成した状態が示されている。この場合、エッジ部分がより強調されるため、トナーちりを防ぐことができ、鮮鋭性の向上や濃度安定化を図ることができる。
図9(A)には、主走査方向のエッジ部に処理が施されていない場合の光波形が示されている。
図9(B)には、主走査方向のエッジ部(特定画素2画素分)に処理が施されたときの光波形が示されている。網掛け部分は、エッジ部を示している。図9(B)では、エッジ部の特定画素がDuty50%で通常光量の200%で形成されている。位相は中央位相である。
図9(C)には、図9(B)における位相をエッジ部の各特定画素の中央へ寄せた場合の光波形が示されている。
図9(D)では、エッジ部の画素(例えば主走査方向の一端及び他端から2番目の画素)をDuty25%で通常光量の400%で形成した場合の光波形が示されている。この場合、エッジ部分がより強調されるため、トナーちりを防ぐことができ、鮮鋭性の向上や濃度安定化を図ることができる。
以上説明した本実施形態のレーザプリンタ1000は、画像データ(画像情報)に基づいて変調された光により感光体ドラム1030を走査して画像を形成する画像形成装置であり、LD14と、前記画像データに基づいてLD14を制御する走査制御装置15と、を備え、該走査制御装置15は、前記画像のうち特定画素を形成するときのLD14の発光時間(パルス幅)を前記画像のうち前記特定画素以外の画素である通常画素を形成するときのLD14の発光時間(パルス幅)よりも短くし、かつ前記特定画素を形成するときのLD14の発光光量(パルス振幅)を前記通常画素を形成するときのLD14の発光光量(パルス振幅)よりも大きくする。
すなわち、本実施形態のレーザプリンタ1000を用いる画像形成方法は、画像データに基づいて変調された光により感光体ドラム1030を走査して画像を形成する画像形成方法であり、前記画像の特定画素を形成するときの前記光の照射時間を前記画像の前記特定画素以外の画素である通常画素を形成するときの前記光の照射時間よりも短くし、かつ前記特定画素を形成するときの前記光の光量を前記通常画素を形成するときの前記光の光量よりも大きくする。
結果として、レーザプリンタ1000及び該レーザプリンタ1000を用いる画像形成方法では、形成される画像に濃度ムラが発生するのを防止できる。
本実施形態のレーザプリンタ1000の作用を、具体例を挙げて説明する。図10(A)及び図10(B)には、比較例において、感光体ドラムを光走査したときの光波形とそのときの現像電界の主走査方向の変化が示されている。ここでは、図10(A)から分かるように、一定の光量の光波形で感光体ドラム上を主走査方向に走査するため、図10(B)に示されるようにトナー付着が不安定な弱電界の領域(E1とE2の間の領域)が広く(Δl)発生してしまう。この結果、トナー付着が不安定な領域が広くなり、トナー付着量のムラが生じて記録紙上の画像に濃度ムラが発生してしまう。また、線画のエッジ部もトナー付着のムラにより鮮鋭性が低下してしまう。
一方、図11(A)及び図11(B)には、本実施形態の一実施例において、感光体ドラムを光走査したときの光波形とそのときの現像電界の主走査方向の変化が示されている。図11(A)では、エッジ部の画素を形成するときのLD14の発光光量を通常画素を形成するときよりも大きくしており、現像電界の変化を急峻にすることができる。このため、図11(B)に示されるように、トナー付着が不安定な弱電界の領域(E1とE2の間の領域)の主走査方向の距離をΔl´(<Δl)にすることができ、トナー付着が不安定な領域を狭くすることができる。結果として、トナー付着のムラを低減できるため、トナー濃度の安定性を向上でき、また線画のエッジの鮮鋭性を向上させることができる。さらに、パルス幅を細らせているため、露光エネルギー総量が著しく増大することもなく、適正な露光エネルギーを保つことができる。
また、前記特定画素を形成するときのLD14の発光光量と発光時間の積と、前記通常画素を形成するときのLD14の発光光量と発光時間の積とをほぼ等しくすること、すなわち前記特定画素を形成するときの前記照射時間と前記光量の積と、前記通常画素を形成するときの前記照射時間と前記光量の積とをほぼ等しくすることで、露光エネルギーを一定に保つことができる。
また、前記特定画素は、前記画像のエッジ部に含まれる画素であるため、該エッジ部の鮮鋭性を向上させることができる。
また、レーザプリンタ1000は、LD14からの光により感光体ドラム1030を主走査方向に走査する光走査装置1010を更に備え、前記エッジ部は、前記画像の前記主走査方向のエッジ部である。
この場合、感光体ドラム1030の現像電界の主走査方向の変化による濃度ムラの発生を抑制できる。
また、特定画素を形成するときにLD14に供給される電流の大きさは、通常画素を形成するときにLD14に供給される電流のN倍(>1)であることが好ましく、例えば2以上の整数倍であることが好ましい。そして、LD14の発光光量と発光時間の積が特定画素を形成するときと通常画素を形成するときとでほぼ等しくなるように、LD14への電流供給時間(電流パルスのパルス幅)が設定されることが好ましい。
図12には、印加電流及び該印加電流に応答する光波形の例が示されている。1画素なり連続画素なり、レーザ光源の点灯時間が長い場合には光波形が問題になることはないが、図12に示されるように1画素の点灯時間が非常に短い場合、例えば1画素の点灯時間が10nsを切るような高速でレーザを変調する場合、レーザ光源の応答時間により駆動電流に対して光波形を高速に応答させることができないことがある。例えば、大電流レーザや赤色レーザ、VCSELのような微分量子抵抗の大きな素子を駆動する場合、どうしても駆動電流波形(図12第1図に実線で示される矩形パルス)と光波形(図12第2図に破線で示される光波形1´)に大きな差異ができてしまう。
そこで、駆動電流に対して光波形を高速に応答させるために、矩形パルス状の駆動電流Iopの立ち上がり時にオーバーシュート電流Iovを付加し、駆動電流Iopの立下り時にアンダーシュート電流Iudを付加した印可電流1(図12第1図参照)をレーザ光源に印加(供給)すると、図12第2図の実線で示される光波形1のように、光波形が改善し、より方形波に近づき、当初想定した駆動電流Iopと同等の光波形が得られる。このため、高速応答に関しては、図12第1図に示される駆動電流Iopにオーバーシュート電流Iov、アンダーシュート電流Iudを付加した印加電流1をレーザ光源に印加することが望ましい。
次に、図12第3図に示される印加電流2のように、例えば、特定画素を形成するときの発光光量P1(駆動電流I1)でレーザ光源を点灯させた後、直ちに通常画素を形成するときのP1よりも小さい発光光量P2(駆動電流I2)に変化させた場合、レーザ光源が高速応答しないため、図12第4図の実線で示される光波形2のように立下りの中間波形が訛ってしまう。逆に、通常画素を形成するときの発光光量P2(駆動電流I2)でレーザ光源を点灯させた後、直ちに特定画素を形成するときの発光光量P1(駆動電流I1)に変化させた場合、レーザ光源が高速応答しないため、図12第4図の破線で示される光波形2´のように立上がりの中間波形が訛ってしまう。
これらの訛り方は、光量や環境温度、光源特性などの影響を受けるため、安定した波形が得られない。
このため、図6(A)〜図7(B)、図8(B)、図8(D)、図9(B)〜図9(D)に示されるように、特定画素と通常画素を時間的に相前後して(続けて)形成する際に、特定画素に対する光量(大光量)から連続的に通常画素に対する光量(小光量)に遷移させず、かつ通常画素に対する光量(小光量)から連続的に特定画素に対する光量(大光量)に遷移させないことが望ましい。すなわち、特定画素と通常画素を時間的に相前後して形成する際にレーザ光源を連続発光させるよりも断続発光させる方がエネルギー的に安定で望ましい。
詳述すると、特定画素と通常画素を時間的に相前後して形成するときに、レーザ光源を点灯して特定画素及び通常画素の一方を形成した後、レーザ光源を短時間消灯させ、その後レーザ光源を点灯して特定画素及び通常画素の他方を形成することで、エネルギー特性の安定した光波形を実現することができる。
そこで、走査制御装置15は、特定画素と通常画素を時間的に相前後して形成する際に該特定画素を形成するときと該通常画素を形成するときとの間に光源(例えばLD14)を発光させない時間を設けることが望ましい。
また、上記実施形態では、感光体ドラムを露光する露光装置として、光走査装置が用いられているが、これに限らず、例えば、少なくとも感光体ドラムの長手方向に平行な方向に離間して配列された複数の発光部を含む光プリントヘッドを用いても良い。すなわち、光プリントヘッドからの光に対して感光体ドラム1030を回転させることで感光体ドラムを走査露光しても良い。この場合、例えば、画像の特定画素を形成するときの発光部の発光時間を通常画素を形成するときの発光部の発光時間よりも短くし、かつ特定画素を形成するときの発光部の発光光量を通常画素を形成するときの発光部の発光光量よりも大きくしても良い。この場合、特定画素は、画像のエッジ部に含まれる画素であることが好ましく、画像の感光体ドラムの回転方向のエッジ部に含まれる画素であることがより好ましい。
また、上記実施形態では、光源として、LD(端面発光レーザ)が用いられているが、例えば面発光レーザ(VCSEL)等の端面発光レーザ以外のレーザ、LED(発光ダイオード)、有機EL素子等が用いられても良い。
また、上記実施形態では、画像のエッジ部に含まれる特定画素に対して光源変調パルス信号のパルス幅及びパルス振幅の調整を行っているが、これに代えて又は加えて、画像の中間部に含まれる特定画素に対して光源変調信号のパルス幅及びパルス振幅の調整をエッジ部の調整と同様に行っても良い。
また、上記実施形態では、画像のエッジ部の幅が特定画素の1画素幅又は2画素幅に設定されているが、これに限らず、特定画素の3画素幅以上に設定されても良い。
また、上記実施形態では、光源制御回路23が光源変調データ生成部29を有しているが、画像処理ユニットが光源変調データ生成部29を有していても良い。この場合、光源制御回路は、光源駆動部31のみを有していても良い。
また、上記実施形態では、本発明の画像形成装置として、レーザプリンタ1000を採用しているが、これに限られない。例えば、本発明の画像形成装置は、一例として図13に示されるように、複数の感光体ドラムを備えるカラープリンタ2000であっても良い。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、ブラック用のステーション(感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6)と、シアン用のステーション(感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6)と、マゼンタ用のステーション(感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6)と、イエロー用のステーション(感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6)と、光走査装置2010と、転写ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
各感光体ドラムは、図13中の矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転方向に沿って、それぞれ帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットが配置されている。各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010によりレーザ光が照射され、各感光体ドラムに潜像が形成されるようになっている。そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、転写ベルト2080上の記録紙に各色のトナー像が転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
光走査装置2010は、上記実施形態のLD14と同様のLDを色毎に有し、各LDを制御する、光源制御回路23と同様の構成の光源制御回路を有している。そこで、上記光走査装置1010と同様な効果を得ることができるとともに、色ずれの発生を抑制することができる。また、カラープリンタ2000は、光走査装置2010を備えているため、上記レーザプリンタ1000と同様な効果を得ることができる。
また、カラープリンタ2000では、光走査装置が一体的に構成される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成ステーション毎に光走査装置が設けられても良いし、2つの画像形成ステーション毎に光走査装置が設けられても良い。
また、カラープリンタ2000では、感光体ドラムが4つある場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、感光体ドラムを5つ以上備えていても良い。
また、本発明の画像形成装置は、例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、本発明の画像形成装置は、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、本発明は、上述したレーザプリンタ、カラープリンタに加えて、デジタル複写機等の画像形成装置にも、適用可能である。要は、本発明は、画像情報に基づいて変調された光により像担持体(例えば感光体ドラム)を走査露光して画像を形成する画像形成装置に適用可能である。
14…LD(光源)、23…光源制御回路(制御装置)、1000…レーザプリンタ(画像形成装置)。
特開2005−193540号公報

Claims (7)

  1. 画像情報に基づいて変調された光により像担持体を走査して画像を形成する画像形成装置であって、
    前記光を射出する光源と、
    前記画像情報に基づいて前記光源を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記画像の特定画素を形成するときの前記光源の発光時間を前記画像の前記特定画素以外の画素である通常画素を形成するときの前記光源の発光時間よりも短くし、かつ前記特定画素を形成するときの前記光源の発光光量を前記通常画素を形成するときの前記光源の発光光量よりも大きくし、
    前記制御装置はさらに、前記特定画素を形成するときに前記光源が前記特定画素のどの位相で発光するかの点灯タイミングを制御し、互いに隣接する前記特定画素と前記通常画素を時間的に相前後して形成する際に前記光源を点灯して前記特定画素及び前記通常画素の一方を形成した後、前記光源を短時間消灯させ、その後前記光源を点灯して前記特定画素及び前記通常画素の他方を形成する画像形成装置。
  2. 前記特定画素を形成するときの前記光源の発光光量と発光時間の積と、前記通常画素を形成するときの前記光源の発光光量と発光時間の積とがほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記特定画素は、前記画像のエッジ部に含まれる画素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記エッジ部は、前記画像の主走査方向のエッジ部であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御装置は、前記画像情報の属性に基づいて前記特定画素を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記特定画素を形成するときに前記光源に供給される電流は、前記通常画素を形成するときに前記光源に供給される電流のN倍(N>1)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記光源は、面発光レーザを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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