JP6566288B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
従来、回転体の回転姿勢を検知した結果と、作像手段によって作像した濃度ムラ検知用トナー像の画像濃度ムラを検知した結果とに基づいて、電源からの出力を所定のパターンに従って変化させるための出力パターンデータを構築する画像形成装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置は、大きな環境変動を検知したタイミングなどの所定のタイミングで、回転体たる感光体の回転姿勢を回転姿勢検知手段たるロータリーエンコーダーによって検知しながら、感光体上に濃度ムラ検知用トナー像を作像する。そして、その濃度ムラ検知用トナー像を中間転写ベルトに転写した後、反射型フォトセンサーにより、その濃度ムラ検知用トナー像において感光体の回転周期で発生している画像濃度ムラを把握する。この画像濃度ムラは、感光体の偏心や外形歪みに起因して感光体と現像装置の現像スリーブとの間の現像ギャップが感光体の回転周期で変動することによって発生するものである。かかる画像濃度ムラを把握したら、それを打ち消し得る現像バイアスの出力パターンを生起せしめるための出力パターンデータを構築する。その後、ユーザーの命令に基づく画像を形成する際に、現像バイアスを前述の出力パターンデータに従って変化させることで、感光体の回転周期に同期する画像濃度ムラの発生を抑えることができるとしている。
しかしながら、かかる構成においては、現像バイアスを出力する現像電源の出力上限や出力下限に起因して、感光体の回転周期で発生する画像濃度ムラを抑えることができなくなるおそれがあった。例えば、現像バイアスを−700[V]〜−500[V]の範囲で変化させたいにもかかわらず、電源の出力上限が−650[V]であったとする。この場合、感光体の一周期における所定の期間内で、現像バイアスを−651[V]から−700[V]まで変化させた後に−651[V]まで戻すべきであるにもかかわらず、一定の−650[V]を出力せざるを得なくなる。そして、その期間内に、画像濃度ムラの発生を抑えることができなくなってしまう。
現像バイアスを電源の出力上限よりも大きく変化させたい場合だけでなく、現像バイアスを電源の出力下限よりも小さく変化させたい場合にも、同様にして、感光体の一周期における所定の期間内に画像濃度ムラの発生を抑えることができなくなってしまう。
なお、画像形成装置においては、感光体とは異なる回転体の回転周期で画像濃度ムラを発生させることもある。例えば、感光体を一様に帯電させる帯電ローラ、感光体上の静電潜像を現像する現像スリーブ、感光体や中間転写体に当接して転写ニップを形成する転写ローラなどの回転体の回転周期に同期する画像濃度ムラである。それらの画像濃度ムラは、帯電ローラの周方向の電気抵抗ムラ、現像スリーブの偏心や外形歪み、転写ローラの周方向の電気抵抗ムラなどに起因して発生する。かかる画像濃度ムラの発生を抑えるために、帯電バイアス、現像バイアス、転写バイアスなどの出力を出力パターンデータに従って変化させる場合にも、同様に、電源の出力上限や出力下限に起因して画像濃度ムラを抑えることが困難になってしまうおそれがある。
上述した課題を解決するために、本発明は、潜像担持体の移動する表面を帯電手段によって帯電し、帯電後の前記潜像担持体の表面に潜像書込手段によって潜像を書き込み、現像手段によって前記潜像を現像してトナー像を作像する作像手段と、前記潜像担持体上のトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写する転写手段と、回転周期で画像濃度ムラを発生させる回転可能な回転体と、前記回転体の回転姿勢を検知する回転姿勢検知手段と、前記作像手段によって作像されたトナー像のトナー付着量を検知する付着量検知手段と、少なくとも前記帯電手段に供給する帯電バイアス用の電圧を出力する帯電電源及び前記現像手段の現像剤担持体に供給する現像バイアス用の電圧を出力する現像電源を含む、トナー像の作像から転写までの過程における所定のプロセスに寄与する電圧を出力する電源と、前記作像手段によって作像した濃度ムラ検知用トナー像のトナー付着量を前記付着量検知手段によって検知した結果、及び前記濃度ムラ検知用トナー像を作像する際の前記回転姿勢検知手段による検知結果に基づいて前記電源から出力される電圧を変化させるための出力パターンデータを構築する構築処理、前記電源から出力される電圧を前記回転姿勢検知手段による検知結果及び前記出力パターンデータに基づいて変化させながら前記プロセスを実行する出力変化処理、並びに、前記作像手段によって互いに異なる作像条件で作像した複数のトナー付着量検知用トナー像のトナー付着量を前記付着量検知手段によって検知した結果に基づいて前記電源からの出力の基準値を決定する基準値決定処理を実施する制御手段とを備える画像形成装置において、前記出力パターンデータの最大値が前記電源の出力上限値を超えるか、又は、前記出力パターンデータの最小値が前記電源の出力下限値を下回るという条件が具備されたことに基づいて、前記基準値決定処理で前記基準値を決定する際に参照する目標トナー付着量、又は前記基準値決定処理で決定した基準値を補正する補正処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
本発明によれば、出力パターンデータに従って電源からの出力を変化させる構成において、電源の出力上限や出力下限にかかわらず画像濃度ムラの発生を確実に抑えることができる。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機の画像形成部を拡大して示す拡大構成図。 同画像形成部におけるY用の感光体及び帯電装置を拡大して示す拡大構成図。 同感光体を拡大して示す拡大斜視図。 Y用の感光体回転センサーからの出力電圧の経時変化を示すグラフ。 同複写機の電気回路の要部を示すブロック図。 同複写機の光学センサーユニットに搭載されたY用の反射型フォトセンサーを示す拡大構成図。 同光学センサーユニットに搭載されたK用の反射型フォトセンサーを示す拡大構成図。 同画像形成部の中間転写ベルトに転写された各色のパッチパターン像を示す平面模式図。 プロセスコントロール処理で構築されるトナー付着量と現像バイアスとの関係の近似直線式を示すグラフ。 同画像形成部の中間転写ベルトに転写された各色の濃度ムラ検知用トナー像を示す平面模式図。 現像バイアスVbについての感光体周期出力パターン、スリーブ周期出力パターン、及び重畳出力パターンと、時間との関係の一例を示すグラフ。 同複写機の制御部によって実施される判定・補正処理における処理フローを示すフローチャート。 変形形態に係る複写機において、初期起動タイミングで実施される処理の処理フローを示すフローチャート。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のフルカラー複写機(以下、単に複写機という)の実施形態について説明する。まず、実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。同図において、複写機は、記録シートに画像を形成する画像形成部100、画像形成部100に対して記録シート5を供給する給紙装置200、原稿の画像を読み取るスキャナ300などを備えている。また、スキャナ300の上部に取り付けられた原稿自動搬送装置(ADF)400なども備えている。画像形成部100には、記録シート5を手差しでセットするための手差しトレイ6や、画像形成済みの記録シート5をスタックするためのスタックトレイ7などが設けられている。
図2は、画像形成部100を拡大して示す拡大構成図である。画像形成部100には、転写体たる無端状の中間転写ベルト10を具備する転写ユニットが設けられている。転写ユニットの中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ14,15,16に張架された状態で、それら支持ローラの何れか1つの回転駆動により、図中時計回り方向に無端移動せしめられる。支持ローラ14,15,16のうちの第1支持ローラ14と第2支持ローラ15との間で移動するベルト部分のおもて面には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4つの作像ユニットが対向している。また第2支持ローラ15と第3支持ローラ16との間で移動するベルト部分のおもて面には、中間転写ベルト10上に形成されたトナー像の画像濃度(単位面積あたりのトナー付着量)を検知するための光学センサーユニット150が対向している。
図1において、作像ユニット18Y,18C,18M,18Kの上方には、レーザー書込装置21が設けられている。このレーザー書込装置21は、スキャナ300で読み取られた原稿の画像情報、あるいは外部の図示しないパーソナルコンピューターから送られてくる画像情報に基づいて、書込光を出射する。具体的には、画像情報に基づいて、図示しないレーザー制御部によって半導体レーザー(図示せず)を駆動して書込光を出射する。そして、その書込光により、各作像ユニット18Y,18C,18M,18Kに設けられた潜像担持体たるドラム状の感光体20Y,20C,20M,20Kを露光走査して感光体に静電潜像を形成する。なお、書込光の光源としては、レーザーダイオードに限るものではなく、例えばLEDであってもよい。
図3は、Y用の感光体20Y及び帯電装置70Yを拡大して示す拡大構成図である。帯電装置70Yは、感光体20Yに当接して連れ回る帯電ローラ71Yと、帯電ローラ71Yに当接して連れ回る帯電クリーニングローラ75Yと、後述する図示しない回転姿勢検知センサーとを有している。
図4は、Y用の感光体20Yを拡大して示す拡大斜視図である。感光体20Yは、円柱状の本体部20aY、本体部20aYの回転軸線方向の両端側にそれぞれ配設された大径のフランジ部20bY、図示しない軸受けに回転自在に支持される回転軸部20cYなどを有している。
2つのフランジ部20bYの端面からそれぞれ突出している回転軸部材20cYの一方は、感光体回転センサー76Yを貫いており、感光体回転センサー76Yから突出している部分が図示しない軸受けによって受けられている。感光体回転センサー76Yは、回転軸部材20cYに固定されて回転軸部材20cYと一体的に回転する遮光部材77Yや、透過型フォトセンサー78Yなどを具備している。遮光部材77Yは、回転軸部材20cYの周面における所定の箇所において法線方向に突出する形状になっており、感光体20Yが所定の回転姿勢になったときに、透過型フォトセンサー78Yの発光素子と受光素子との間に介在する。これにより、受光素子が受光しなくなることで、透過型フォトセンサー78Yからの出力電圧値が大きく低下する。つまり、透過型フォトセンサー78Yは、感光体20Yが所定の回転姿勢になると、そのことを検知して出力電圧値を大きく低下させる。
図5は、Y用の感光体回転センサー76Yからの出力電圧の経時変化を示すグラフである。なお、感光体回転センサー76Yからの出力電圧は、具体的には、透過型フォトセンサー78Yからの出力電圧のことである。図示のように、感光体20Yが回転しているとき、大半の時間は、感光体回転センサー76Yから6[V]の電圧が出力される。但し、感光体20Yが一周する毎に、感光体回転センサー76Yからの出力電圧が一瞬だけ0[V]付近まで大きく低下する。これは、感光体20Yが一周する毎に、遮光部材77Yが透過型フォトセンサー76Yの発光素子と受光素子との間に介在して、受光素子が光を受光しなくなるからである。このように出力電圧が大きく低下するタイミングは、感光体20Yが所定の回転姿勢になったタイミングである。以下、このタイミングを基準姿勢タイミングという。
図3において、帯電装置70Yの帯電クリーニングローラ75Yは、導電性の芯金、これの周面に被覆された弾性層などを具備している。弾性層は、メラミン樹脂を微細発泡させたスポンジ状の部材からなり、帯電ローラ(71Y)に当接しながら回転する。そして、回転に伴って、帯電ローラ71Yに付着している残トナーなどのゴミを本体部から除去することで、異常画像の発生を抑えている。
図2において、4つの作像ユニット18Y,18C,18M,18Kは、使用するトナーの色が異なる点の他が、互いにほぼ同様の構成になっている。Yトナー像を作像するY用の作像ユニット18Yを例にすると、これは、感光体20Y、帯電装置70Y、現像装置80Yなどを有している。
感光体20Yの表面は、帯電装置60によって負極性に一様帯電せしめられる。このようにして一様に帯電した感光体20Yの表面のうち、レーザー書込装置21によってレーザー光が照射された部分は、電位を減衰させて静電潜像となる。
現像装置80Yは、磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて現像を行う二成分現像方式のものであるが、磁性キャリアを含有しない一成分現像剤を用いる一成分現像方式のものを採用してもよい。この現像装置80Yは、現像ケース内に設けられた攪拌部と現像部とを具備している。攪拌部においては、二成分現像剤(以下、単に現像剤という)が3本のスクリュー部材によって攪拌搬送されて現像部に供給される。現像部では、自らの周面の一部を、現像ケースの開口を通じて感光体20Yに対して所定の間隙を介して対向させながら回転駆動する現像スリーブ81Y配設されている。現像剤担持体たる現像スリーブ81Yは、図示しないマグネットローラを自らに連れ回らせないように内包している。攪拌部から現像部に供給された現像剤は、マグネットローラの発する磁力の作用によって現像スリーブ81Yの表面に汲み上げられる。現像スリーブ81Yの表面に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ81Yの回転に伴って、感光体20Yに対向する現像領域まで搬送される。これに先立って、現像剤は、マグネットローラの発する磁力によって穂立ち状態となって磁気ブラシを形成する。現像領域では、現像スリーブ81Yに印加されている現像バイアスにより、現像剤中のトナーを感光体20Y上の静電潜像に転位させる現像ポテンシャルが作用する。これにより、現像剤中のトナーが感光体20上の静電潜像に転移して静電潜像を現像する。このようにして、感光体20Y上にYトナー像が形成される。このYトナー像は、感光体20Yの回転に伴って、後述するY用の一次転写ニップに進入する。
現像スリーブ81Yの回転に伴って現像領域を通過した現像剤は、マグネットローラの磁力の弱まる領域まで搬送されることで、現像スリーブ81Yの表面から離れて攪拌部に戻される。攪拌部に戻された現像剤は、3本のスクリュー部材によって撹拌搬送されて現像部に再び供給される。これに先立って、現像剤はトナー濃度センサーによってトナー濃度が検知され、その検知結果に応じた量のトナーが新たに供給される。この供給は、図示しない制御部がトナー濃度センサーによる検知結果に応じて図示しないトナー補給装置を駆動させることによって行われる。
Y用の作像ユニット18YにおけるYトナー像の作像について説明したが、C,M,K用の作像ユニット18C,M,Kにおいては、Yと同様のプロセスにより、感光体20C,20M,20Kの表面にCトナー像,Mトナー像,Kトナー像が形成される。
中間転写ベルト10のループ内側には、Y,C,M,K用の一次転写ローラ62Y,62C,62M,62Kが配設されており、Y,C,M,K用の感光体20Y,20C,20M,20Kとの間に中間転写ベルト10を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト10のおもて面と、Y,C,M,K用の感光体20Y,20C,20M,20Kとが当接するY,C,M,K用の一次転写ニップが形成されている。そして、一次転写バイアスが印加されるY,C,M,K用の一次転写ローラ62Y,62C,62M,62Kと、感光体20Y,20C,20M,20Kとの間には、それぞれ一次転写電界が形成されている。
中間転写ベルト10のおもて面は、ベルトの無端移動に伴ってY,C,M,K用の一次転写ニップを順次通過していく。その過程で、感光体20Y,20C,20M,20K上のYトナー像,Cトナー像,Mトナー像,Kトナー像が中間転写ベルト10のおもて面に順次重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト10のおもて面には4色重ね合わせトナー像が形成される。
中間転写ベルト10の下方には、第1張架ローラ22と第2張架ローラ23とによって張架される無端状の搬送ベルト24が配設されており、何れか一本の張架ローラの回転駆動に伴って図中反時計回り方向に無端移動せしめられる。そして、そのおもて面を、中間転写ベルト10の全域のうち、第3支持ローラ16に対する掛け回し箇所に当接させて二次転写ニップを形成している。この二次転写ニップの周辺においては、接地された第2張架ローラ23と、二次転写バイアスが印加される第3支持ローラ16との間に二次転写電界が形成されている。
図1において、画像形成部100には、給紙装置200や手差しトレイ6から給送されてくる記録シート5を、二次転写ニップ、後述する定着装置25、排出ローラ対56に順次搬送するための搬送路48が設けられている。また、給紙装置200から画像形成部100に給送された記録シート5を、搬送路48の入口まで搬送するための給送路49も設けられている。なお、搬送路48の入口には、レジストローラ対47が配設されている。
プリントジョブが開始されると、給紙装置200又は手差しトレイ6から繰り出された記録シート5が搬送路48に向けて搬送されて、レジストローラ対47に突き当たる。そして、レジストローラ対47は、適切なタイミングで回転駆動を開始することで、記録シート5を二次転写ニップに向けて送り込む。二次転写ニップでは、中間転写ベルト10上の4色重ね合わせトナー像が記録シート5に密着する。そして、二次転写電界やニップ圧の作用により、4色重ね合わせトナー像が記録シート5の表面に二次転写されてフルカラートナー像になる。
二次転写ニップを通過した記録シート5は、搬送ベルト24によって定着装置25に向けて搬送される。そして、定着装置25内で加圧及び加熱されることで、その表面にフルカラートナー像が定着せしめられる。その後、記録シート5は、定着装置25から排出された後、排出ローラ対56を経由してスタックトレイ7上にスタックされる。
図6は、本複写機の電気回路の要部を示すブロック図である。同図において、制御手段としての制御部110は、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリーなどを有している。この制御部110には、Y,C,M,K用の現像装置80Y,80C,80M,80Kのトナー濃度センサー82Y,82C,82M,82Kが電気的に接続されている。これにより、制御部110は、Y,C,M,Kの現像装置80Y,80C,80M,80Kに収容されているY現像剤,C現像剤,M現像剤,K現像剤のトナー濃度を把握することができる。
制御部110には、Y,C,M,K用のユニット脱着センサー17Y,17C,17M,17Kも電気的に接続されている。脱着検知手段としてのユニット脱着センサー17Y,17C,17M,17Kは、作像ユニット18Y,18C,18M,18Kが画像形成部100から取り外されたことを検知したり、画像形成部100に装着されたことを検知したりすることができる。これにより、制御部110は、画像形成部100に対する作像ユニット18Y,18C,18M,18Kの脱着があったことを把握することができる。
また、制御部110には、Y,C,M,K用の現像電源11Y,11C,11M,11Kも電気的に接続されている。制御部110は、現像電源11Y,11C,11M,11Kに制御信号をそれぞれ個別に出力することで、現像電源11Y,11C,11M,11Kから出力される現像バイアスの値を個別に調整することができる。つまり、Y,C,M,K用の現像スリーブ81Y,81C,81M,81Kに印加する現像バイアスの値をそれぞれ個別に調整することができる。
また、制御部110には、Y,C,M,K用の帯電電源12Y,12C,12M,12Kも電気的に接続されている。制御部110は、帯電電源12Y,12C,12M,12Kに対して制御信号をそれぞれ個別に出力することで、帯電電源12Y,12C,12M,12Kから出力される帯電バイアスにおける直流電圧の値を個別に制御することができる。つまり、Y,C,M,K用の帯電ローラ71Y,71C,71M,71Kに印加する帯電バイアスの直流電圧の値をそれぞれ個別に調整することができる。
また、制御部110には、Y,C,M,K用の感光体20Y,20C,20M,20Kについてそれぞれ所定の回転姿勢になったことを個別に検知するための感光体回転センサー76Y,76C,76M,76Kも電気的に接続されている。制御部110は、感光体回転センサー76Y,76C,76M,76Kからの出力に基づいて、Y,C,M,K用の感光体20Y,20C,20M,20Kについてそれぞれ所定の回転姿勢になったことを個別に把握することができる。
また、制御部110には、現像装置80Y,80C,80M,80Kのスリーブ回転センサー83Y,83C,83M,83Kも電気的に接続されている。回転姿勢検知手段たるスリーブ回転センサー83Y,83C,83M,83Kは、感光体回転センサー76Y,76C,76M,76Kと同様の構成により、現像スリーブ81Y,81C,81M,81Kについて所定の回転姿勢になったことを検知するものである。つまり、制御部110は、スリーブ回転センサー83Y,83C,83M,83Kからの出力に基づいて、現像スリーブ81Y,81C,81M,81Kについて所定の回転姿勢になったタイミングを個別に把握することができる。
また、制御部110には、レーザー書込装置21、環境センサー124、光学センサーユニット150、プロセスモーター120、転写モーター121、レジストモーター122、給紙モーター123なども電気的に接続されている。環境センサー124は、機内の温度や湿度を検知するものである。また、プロセスモーター120は、作像ユニット18Y,18C,18M,18Kの駆動源になっているモーターである。また、転写モーター121は、中間転写ベルト10の駆動源になっているモーターである。また、レジストモーター122は、レジストローラ対47の駆動源になっているモーターである。また、給紙モーター123は、給紙装置200の給紙カセット201から記録シート5を送り出すためのピックアップローラ202の駆動源になっているモーターである。なお、光学センサーユニット150の役割については後述する。
本複写機においては、環境変動などにかかわらず画像濃度を長期間に渡って安定化させるために、所定のタイミングでプロセスコントロール処理と呼ばれる制御を定期的に実施する。プロセスコントロール処理では、Y用の感光体20Yに複数のパッチ状Yトナー像からなるYパッチパターン像を作像し、それを中間転写ベルト10に転写する。複数のパッチ状Yトナー像のそれぞれは、Yトナー付着量を検知するためのトナー付着量検知用トナー像である。制御部110は、感光体20C,20M,20Kにも、同様にしてC,M,Kパッチパターン像を作像してそれらを重ね合わさないように中間転写ベルト10に転写する。そして、それらのパッチパターン像における各トナー像のトナー付着量を、光学センサーユニット150によって検知する。次いで、それらの検出結果に基づいて、作像ユニット18Y,18C,18M,18Kについてそれぞれ現像バイアスVbの基準値である現像バイアス基準値などの作像条件を個別に調整する。
光学センサーユニット150は、中間転写ベルト10のベルト幅方向に所定の間隔をおいて並ぶ4つの反射型フォトセンサーを有している。それぞれの反射型フォトセンサーは、中間転写ベルト10や中間転写ベルト10上のパッチ状トナー像の光反射率に応じた信号を出力する。4つの反射型フォトセンサーのうち、3つは、Yトナー付着量,Cトナー付着量,Mトナー付着量に応じた出力をするように、ベルト表面上における正反射光及び拡散反射光の両方をとらえて、それぞれの光量に応じた出力を行う。
図7は、光学センサーユニット150に搭載されたY用の反射型フォトセンサー151Yを示す拡大構成図である。Y用の反射型フォトセンサー151Yは、光源としてのLED152Yと、正反射光を受光する正反射型受光素子153Yと、拡散反射光を受光する拡散反射型受光素子154Yとを具備している。正反射型受光素子153Yは、Yパッチ状トナー像の表面で得られる正反射光の光量に応じた電圧を出力する。また、拡散反射型受光素子154Yは、Yパッチ状トナー像の表面で得られる拡散反射光の光量に応じた電圧を出力する。制御部110は、それらの電圧に基づいて、Yパッチ状トナー像のYトナー付着量を算出することができる。Y用の反射型フォトセンサー151Yについて説明したが、C,M用の反射型フォトセンサー151C,151Mも、Y用と同様の構成になっている。
図8は、光学センサーユニット150に搭載されたK用の反射型フォトセンサー151Kを示す拡大構成図である。K用の反射型フォトセンサー151Kは、光源たるLED152Kと、正反射光を受光する正反射型受光素子153Kとを具備している。正反射型受光素子153Kは、Kパッチ状トナー像の表面で得られる正反射光の光量に応じた電圧を出力する。制御部110は、その電圧に基づいて、Kパッチ状トナー像のKトナー付着量を算出することができる。
LED(152Y,C,M,K)としては、発光される光のピーク波長が950nmであるGaAs赤外発光ダイオードを用いている。また、正反射受光素子(153Y,C,M,K)や拡散反射受光素子(154Y,C,M)としては,ピーク受光感度が800nmであるSiフォトトランジスタなどを用いている。但し、ピーク波長やピーク受光感度は前述した値に限られるものではない。
4つの反射型フォトセンサーと、中間転写ベルト10のおもて面との間には、5[mm]程度のギャップが設けられている。
制御部110は、図示しない主電源の投入時や、所定時間経過した後の待機時、所定枚数以上のプリントを出力したあとの待機時など、所定のタイミングで、プロセスコントロール処理を実施する。そして、プロセスコントロール処理を開始すると、まず、通紙枚数、印字率、温度、湿度などの環境情報を取得した後、作像ユニット18Y,18C,18M,18Kにおけるそれぞれの現像特性を把握する。具体的には、それぞれの色について、現像γと現像開始電圧を算出する。より詳しくは、感光体20Y,20C,20M,20Kを回転させながらそれぞれを一様に帯電せしめる。この帯電については、帯電電源12Y,12C,12M,12Kから出力する帯電バイアスとして、通常のプリント時とは異なるものを出力する。詳しくは、重畳バイアスからなる帯電バイアスの直流電圧及び交流電圧のうち、直流電圧の絶対値を一様な値ではなく、徐々に大きくしていく。このような条件で帯電させた感光体20Y,20C,20M,20Kに対し、レーザー書込装置21によるレーザー光の走査を施して、パッチ状Yトナー像,パッチ状Cトナー像、パッチ状Mトナー像、パッチ状Kトナー像用の静電潜像を複数形成する。それらを現像装置80Y,80C,80M,80Kによって現像することで、感光体20Y,20C,20M,20K上にY,C,M,Kパッチパターン像を作像する。なお、現像の際に、制御部110は、各色の現像スリーブ81Y,81C,81M,81Kに印加する現像バイアスの絶対値もそれぞれ徐々に大きくしていく。このとき、各パッチ状トナー像における露光後電位(静電潜像電位)と、現像バイアスとの差分を現像ポテンシャルとしてRAMに記憶する。
Y,C,M,Kパッチパターン像は、図9に示されるように、中間転写ベルト10上で重なり合わないように、ベルト幅方向に並んでいる。具体的には、Yパッチパターン像YPPは、中間転写ベルト10の幅方向における一端部に転写される。また、Cパッチパターン像CPPは、ベルト幅方向において、Yパッチパターン像よりも少し中央側にずれた位置に転写される。また、Mパッチパターン像MPPは、中間転写ベルト10の幅方向における他端部に転写される。また、Kパッチパターン像KPPは、ベルト幅方向において、Kパッチパターン像よりも少し中央側にずれた位置に転写される。
光学センサーユニット150は、互いにベルト幅方向の異なる位置でベルトの光反射特性を検知するY用の反射型フォトセンサー151Yを有している。また、C用の反射型フォトセンサー151C、K用の反射型フォトセンサー151K、M用の反射型フォトセンサー151Mも有している。
Y用の反射型フォトセンサー151Yは、中間転写ベルト10の幅方向の一端部に形成されたYパッチパターン像YPPのYパッチ状トナー像のYトナー付着量を検知する位置に配設されている。また、第C用の反射型フォトセンサー151Cは、ベルト幅方向において、Yパッチパターン像YPPの近くに位置するCパッチパターン像CPPのCパッチ状トナー像のCトナー付着量を検知する位置に配設されている。また、M反射型フォトセンサー151Mは、中間転写ベルト10の幅方向の他端部に形成されたMパッチパターン像MPPのMパッチ状トナー像のMトナー付着量を検知する位置に配設されている。また、K用の反射型フォトセンサー150cは、ベルト幅方向において、Mパッチパターン像MPPの近くに位置するKパッチパターン像KPPのKパッチ状トナー像のKトナー付着量を検知する位置に配設されている。
制御部110は、光学センサーユニット150の4つの反射型フォトセンサーから順次送られてくる出力信号に基づいて、各色のパッチ状トナー像の光反射率を演算し、演算結果に基づいてトナー付着量を求めてRAMに格納していく。なお、中間転写ベルト10の走行に伴って光学センサーユニット150との対向位置を通過した各色のパッチパターン像は、図示しないクリーニング装置によってベルトおもて面からクリーニングされる。
制御部110は、次に、RAMに格納したトナー付着量と、それとは別にRAMに格納した各パッチトナー像における露光部電位(潜像電位)のデータと現像バイアスVbのデータとに基づいて、直線近似式(Y=a×Vp+b)を算出する。具体的には、図10に示されるように、y軸をトナー付着量とし、且つx軸を現像ポテンシャルとする2次元座標における両者の関係を示す近似直線式である。そして、近似直線式に基づいて、目標のトナー付着量を実現する現像ポテンシャルVpを求め、その現像ポテンシャルVpを実現する現像バイアスVbである現像バイアス基準値および帯電バイアス基準値、(およびLDパワー)を求める。それらの結果については、不揮発メモリーに記憶する。このような現像バイアス基準値、並びに帯電バイアス基準値(及びLDパワー)の算出及び記憶を、Y,C,M,Kの各色についてそれぞれ行ってプロセスコントロール処理を終了する。その後、プリントジョブにおいては、Y,C,M,Kについてそれぞれ、不揮発性メモリーに記憶している現像バイアス基準値に基づいた値の現像バイアスVbを、現像電源11Y,11C,11M,11Kから出力させる。また、不揮発性メモリーに記憶している帯電バイアス基準値に基づいた値の帯電バイアスVdを、帯電電源12Y,12C,12M,12Kから出力させたり、LDパワーをレーザー書込装置21から出力させたりする。
このようなプロセスコントロール処理を実施して目標のトナー付着量を実現する現像バイアス基準値、帯電バイアス基準値(及びLDパワー)を決定することで、Y,C,M,Kの各色についてそれぞれ、画像全体の画像濃度を長期間に渡って安定化させることができる。しかしながら、感光体20Y,20C,20M,20Kと、現像スリーブ81Y,81C,81M,81Kとの間の現像ギャップの変動(以下、ギャップ変動という)に起因する頁内での周期的な画像濃度ムラを引き起こしてしまう。
この画像濃度ムラは、感光体20Y,20C,20M,20Kの回転周期で発生するものと、現像スリーブ81Y,81C,81M,81Kの回転周期で発生するものとが重畳されたものになる。具体的には、感光体20Y,20C,20M,20Kの回転軸が偏心していると、それに起因して、感光体一周あたりでサインカーブ状の変動曲線となるギャップ変動が生ずる。これにより、感光体20Y,20C,20M,20Kと、現像スリーブ81Y,81C,81M,81Kとの間に形成される現像電界にも、感光体一周あたりでサインカーブ状の変動曲線となる電界強度変動が生ずる。そして、この電界強度変動により、感光体一周あたりでサインカーブ状の変動曲線となる画像濃度ムラが発生する。また、感光体表面の外形には、少なからず歪みがある。この歪みに応じた感光体一周あたりで同じパターンとなる特性の周期的なギャップ変動に起因する画像濃度ムラも発生する。更には、現像スリーブ81Y,81C,81M,81Kの偏心や外形歪みによるスリーブ回転周期のギャップ変動に起因する周期的な画像濃度ムラも発生する。特に、感光体20Y,20C,20M,20Kよりも小径な現像スリーブ81Y,81C,81M,81Kの偏心や外形歪みによる画像濃度ムラは比較的短い周期で発生することから、目立ってしまう。
そこで、制御部110は、プリントジョブ時において、Y,C,M,Kの各色についてそれぞれ、以下のような出力変化処理を実施する。即ち、制御部110は、Y,C,M,Kの各色についてそれぞれ、感光体回転周期で発生する画像濃度ムラを相殺することが可能な現像電界強度変動を生じせしめるための現像バイアスの出力パターンデータを不揮発性メモリーに記憶している。また、現像スリーブ回転周期で発生する画像濃度ムラを相殺することが可能な現像電界強度変動を生じせしめるための現像バイアスの出力パターンデータも不揮発性メモリーに記憶している。
感光体20Y,20C,20M,20K用の現像バイアスの出力パターンデータは、感光体一周期分の出力パターンであって、且つ感光体20Y,20C,20M,20Kの基準姿勢タイミングを基準にしたパターンを表している。それぞれの出力パターンデータは、基準値決定処理としてのプロセスコントロール処理で決定されたY,C,M,K用の現像バイアス基準値を基準にして現像電源(11Y,11C,11M,11K)からの現像バイアスの出力を変化させるためのものである。例えば、データテーブル方式のパターンデータである場合には、基準姿勢タイミングから一周期分の期間内において、所定の時間間隔毎の現像バイアス出力差分を示すデータ群を格納したものになっている。そのデータ群の先頭のデータが基準姿勢タイミングにおける現像バイアス出力差分を示しており、二番目、三番目、四番目・・・のデータが以降における所定の時間間隔毎の現像バイアス出力差分を示している。0、−5、−7、−9・・・というデータ群からなる出力パターンは、基準姿勢タイミングから所定の時間間隔毎の現像バイアス出力差分を0[V]、−5[V]、−7[V]、−9[V]・・・にすることを表している。感光体回転周期で発生する画像濃度ムラを抑えるだけであれば、それらの値を現像バイアス基準値に重畳した値の現像バイアスを現像電源から出力させればよい。但し、本複写機では、現像スリーブ回転周期で発生する画像濃度ムラも抑えるので、感光体回転周期の画像濃度ムラを抑えるための現像バイアス出力差分と、現像スリーブ回転周期の画像濃度ムラを抑えるための現像バイアス出力差分とを重畳するようになっている。
現像スリーブ81Y,81C,81M,81K用の現像バイアスの出力パターンデータは、現像スリーブ一周期分の出力パターンであって、且つ現像スリーブ81Y,81C,81M,81Kの基準姿勢タイミングを基準にしたパターンを表している。それぞれの出力パターンデータは、基準値決定処理としてのプロセスコントロール処理で決定されたY,C,M,K用の現像バイアス基準値を基準にして現像電源(11Y,11C,11M,11K)からの現像バイアスの出力を変化させるためのものである。データテーブル方式のパターンデータの場合には、そのデータ群の先頭のデータが基準姿勢タイミングにおける現像バイアス出力差分を示しており、二番目、三番目、四番目・・・のデータが以降における所定の時間間隔毎の現像バイアス出力差分を示している。その時間間隔は、感光体20Y,20C,20M,20K用の出力パターンデータのデータ群が反映している時間間隔と同じになっている。
制御部110は、作像処理のときには、感光体20Y,20C,20M,20K用の出力パターンデータからのデータの読み込みを所定の時間間隔毎で行う。同時に、現像スリーブ81Y,81C,81M,81K用の出力パターンデータからのデータの読み込みも同じ時間間隔毎で行う。それぞれの読み込みについては、データ群の最後まで読み込んでも基準姿勢タイミングが到来しない場合には、到来するまで読み込み値を最後のデータと同じ値にする。また、データ群の最後まで読み込む前に基準姿勢タイミングが到来した場合には、データの読み込み位置を最初のデータに戻す。なお、感光体用の出力パターンデータからのデータ読み込みについては、感光体回転センサー(76Y,76C,76M,76K)から基準姿勢タイミング信号が送られてきたタイミングを基準姿勢タイミングとする。また、現像スリーブ用の出力パターンデータからのデータ読み込みについては、スリーブ回転センサー(83Y,83C,83M,83K)から基準姿勢タイミング信号が送られてきたタイミングを基準姿勢タイミングとする。
Y,C,M,Kについてそれぞれ、このようなデータの読み込みを行う過程で、感光体用の出力パターンデータから読み込んだデータと、現像スリーブ用の出力パターンデータから読み込んだデータとを加算して重畳値を求める。例えば、感光体用の出力パターンデータから読み込んだデータが−5[V]であり、現像スリーブ用の出力パターンデータから読み込んだデータが2[V]であった場合には、−5[V]と2[V]とを加算して重畳値を−3[V]として求める。そして、例えば現像バイアス基準値が−550[V]である場合には、重畳値の加算によって求められる−553[V]を現像電源から出力させる。このような処理を、Y,C,M,Kについてそれぞれ、所定の時間間隔毎に行う。
これにより、感光体20Y,20C,20M,20Kと、現像スリーブ81Y,81C,81M,81Kとの間の現像電界に、次の2つの電界強度変動を重畳した電界強度変動を相殺し得る電界強度変動を発生させる。即ち、感光体20Y,20C,20M,20Kの偏心や外形歪みによる感光体回転周期で発生するギャップ変動に起因する電界強度変動、及び現像スリーブ81Y,81C,81M,81Kの偏心や外形歪みによるスリーブ回転周期で発生する電界強度変動である。このようにすることで、感光体20Y,20C,20M,20Kや、現像スリーブ81Y,81C,81M,81Kの回転姿勢にかかわらず、ほぼ一定の現像電界を感光体と現像スリーブとの間に形成する。これにより、感光体回転周期で発生する画像濃度ムラと、スリーブ回転周期で発生する画像濃度ムラとの両方を抑えることができる。
感光体20Y,20C,20M,20K用の現像バイアスの出力パターンデータや、現像スリーブ81Y,81C,81M,81K用の現像バイアスの出力パターンデータについては、構築処理を所定のタイミングで実施することによって構築する。この所定のタイミングは、工場出荷後の初めのプリントジョブに先立つタイミング(以下、初期起動タイミングという)、及び作像ユニット18Y,18C,18M,18Kの交換を検知したタイミング(以下、交換検知タイミングという)である。初期起動タイミングでは、Y,C,M,Kの全色についてそれぞれ、感光体用の現像バイアスの出力パターンデータを構築する(以下、感光体周期出力パターンデータという)。また、現像スリーブ用の現像バイアスの出力パターンデータ(以下、スリーブ周期出力パターンデータという)も構築する。これに対し、交換検知タイミングでは、交換が検知された作像ユニットについてだけ、感光体周期出力パターンデータとスリーブ周期出力パターンデータとを構築する。このような構築が可能になるように、図6に示されるように、作像ユニット18Y,18C,18M,18Kの交換をそれぞれ個別に検知するためのユニット着脱センサー17Y,17C,17M,17Kが設けられている。
初期起動タイミングにおける構築処理では、まず、Yベタトナー像からなるY濃度ムラ検知用トナー像を感光体20Y上に作像する。また、Cベタトナー像,Mベタトナー像,Kベタトナー像からなるC濃度ムラ検知用トナー像,M濃度ムラ検知用トナー像,K濃度ムラ検知用トナー像を、感光体20C,感光体20M,感光体20K上に作像する。そして、それらの濃度ムラ検知用トナー像を、図11に示されるように、中間転写ベルト10に一次転写する。同図において、Y濃度ムラ検知用トナー像YITは、感光体20Yの回転周期で発生する画像濃度ムラを検知するためのものであるので、ベルト移動方向において、感光体20Yの周長よりも大きな長さで形成される。同様に、C濃度ムラ検知用トナトナー像CIT,M濃度ムラ検知用トナー像MIT,K濃度ムラ検知用トナー像KITも、ベルト移動方向の長さが感光体20C,20M,20Kの周長よりも大きくなっている。
なお、図11では、便宜上、4つの濃度ムラ検知用トナー像(YIT,CIT,MIT,KIT)をベルト幅方向に一直線上に並べて形成した例を示している。しかし、実際には、個々の濃度ムラ検知用トナー像のベルト上における形成位置は、ベルト移動方向において最大で感光体周長と同じ値ほどずれる場合がある。これは、例えば、各色についてそれぞれ、濃度ムラ検知用トナー像の先端位置と、感光体の周方向における基準位置(基準姿勢タイミングで現像領域に進入する感光体表面位置)とを一致させるように、濃度ムラ検知用トナー像の作像を開始するからである。つまり、各色の濃度ムラ検知用トナー像は、その先端を感光体の周方向における基準位置に一致させるように作像される。
また、制御部110は、構築処理をプロセスコントロール処理とセットで行うようになっている。具体的には、構築処理を実施する直前でプロセスコントロール処理を実施して各色についてそれぞれ現像バイアス基準値を決定しておく。そして、プロセスコントロール処理の直後に実施する構築処理において、各色についてそれぞれ、プロセスコントロール処理で決定しておいた現像バイアス基準値の条件で濃度ムラ検知用トナー像を現像する。このため、理論的には、濃度ムラ検知用トナー像は目標トナー付着量になるように作像されるが、実際にはギャップ変動によって微妙な濃度ムラが出現してしまう。
濃度ムラ検知用トナー像の作像を開始してから(静電潜像の書き込みを開始してから)、濃度検知用トナー像の先端を光学センサーユニット150の反射型フォトセンサーによる検知位置に進入させるまでのタイムラグは、各色毎に異なった値である。但し、同じ色であれば、経時的に一定の値である(以下、この値を書込−検知タイムラグという)。
制御部110は、各色についてそれぞれ書込−検知タイムラグを不揮発性メモリーに予め記憶している。そして、各色についてそれぞれ、濃度ムラ検知用トナー像の作像を開始した後、書込−検知タイムラグが経過した時点から、反射型フォトセンサーからの出力のサンプリングを開始する。このサンプリングについては、感光体回転一周期に渡って、所定の時間間隔毎に繰り返し行う。その時間間隔は、出力変化処理において用いる出力パターンデータにおける個々のデータを読み込む時間間隔と同じ値である。制御部110は、各色についてそれぞれ、サンプリングデータに基づいて、トナー付着量(画像濃度)と時間(又は感光体表面位置)との関係を示す濃度ムラグラフを構築し、その濃度ムラグラフから、二つの濃度ムラパターンを抽出する。一つ目は、感光体回転周期で発生している濃度ムラパターンである。また、二つ目は、現像スリーブ回転周期で発生している濃度ムラパターンである。
制御部110は、各色についてそれぞれ、上述したサンプリングデータに基づいて、感光体回転周期で発生している濃度ムラパターンを抽出すると、トナー付着量平均値(画像濃度平均値)を算出する。このトナー付着量平均値は、感光体回転一周期における現像ギャップの変動の平均値をほぼ反映した値になる。そこで、制御部110は、そのトナー付着量平均値を基準にして、感光体回転周期の濃度ムラパターンを相殺するための感光体周期出力パターンデータを構築する。具体的には、濃度パターンに含まれる複数のトナー付着量データにそれぞれ個別に対応するバイアス出力差分を算出する。そのバイアス出力差分は、トナー付着量平均値を基準にするものである。トナー付着量平均値と同じ値のトナー付着量データに対応するバイアス出力差分については、ゼロとして算出する。
また、トナー付着量平均値よりも大きいトナー付着量データに対応するバイアス出力差分については、そのトナー付着量とトナー付着量平均値との差分に応じたプラス極性の値として算出する。プラス極性のバイアス出力差分であるので、マイナス極性の現像バイアスを現像バイアス基準値よりも低い値(絶対値の小さい値)に変化させるデータである。
また、トナー付着量平均値よりも小さいトナー付着量データに対応するバイアス出力差分については、そのトナー付着量とトナー付着量平均値との差分に応じたマイナス極性の値として算出する。マイナス極性のバイアス出力差分であるので、マイナス極性の現像バイアスを現像バイアス基準値よりも高い値(絶対値の大きい値)に変化させるデータである。
このようにして、個々のトナー付着量データに対応するバイアス出力差分を求め、それらを順に並べたデータを出力パターンデータたる感光体周期出力パターンデータとして構築する。
また、制御部110は、各色についてそれぞれ、上述したサンプリングデータに基づいて、現像スリーブ回転周期で発生している濃度ムラパターンを抽出すると、トナー付着量平均値(画像濃度平均値)を算出する。このトナー付着量平均値は、現像スリーブ回転一周期における現像ギャップの変動の平均値をほぼ反映した値になる。そこで、制御部110は、そのトナー付着量平均値を基準にして、現像スリーブ回転周期の濃度ムラパターンを相殺するためのスリーブ周期出力パターンデータを構築する。その具体的なやり方については、感光体回転周期の濃度ムラパターンを相殺するための感光体周期出力パターンデータを構築する方法と同様である。
以上のように、各色についてそれぞれ、構築処理において構築した感光体周期出力パターンデータ、及びスリーブ周期出力パターンデータを用いて、出力変化処理において現像バイアスVbの現像電源(11Y,11C,11M,11K)から出力を変化させる。これにより、感光体回転周期で発生する画像濃度ムラや、現像スリーブ回転周期で発生する画像濃度ムラの発生を抑えることができる。
ところが、現像電源11Y,11C,11M,11Kの出力上限や出力下限に起因して、周期的な画像濃度ムラの発生を有効に抑えることができなくなるおそれがあった。例えば、現像バイアス基準値=−800[V]を基準にすると仮定する。そして、現像バイアスVbの出力値を、感光体回転周期の画像濃度ムラを相殺するための感光体周期出力パターンデータと、現像スリーブ回転周期の画像濃度ムラを相殺するためのスリーブ周期出力パターンデータとに従って、次のように変化させるとする。即ち、例えば、−800[V]を基準にして、−785[V]〜−815[V]の範囲で変化させるとする。しかし、現像電源11Y,11C,11M,11Kの出力上限が例えば−800[V]であると、本来であれば、現像バイアスVbを、−800[V]よりも高い値に変化させたいタイミングであるにもかかわらず、上限の−800[V]を出力せざるを得ない。そのタイミングでは、画像濃度ムラの発生を抑えることができなくなってしまう。
現像バイアスVbを出力上限よりも高い値に変化させたい場合だけでなく、現像バイアスVbを出力下限よりも低い値に変化させたい場合にも、同様にして、所定のタイミングにおいて画像濃度ムラの発生を抑えることができなくなってしまう。
図12は、現像バイアスVbについての感光体周期出力パターン、スリーブ周期出力パターン、及び重畳出力パターンと、時間との関係の一例を示すグラフである。同図において、感光体周期出力パターンは、感光体周期出力パターンデータに従った現像バイアスVbの出力パターンを表している。また、スリーブ周期出力パターンは、スリーブ周期出力パターンデータに従った現像バイアスVbの出力パターンを表している。また、重畳出力パターンは、前述した二つの出力パターンを重畳した現像バイアスの出力パターンを表している。また、現像バイアス出力パターンは、現像電源から実際に出力される現像バイアスVbの変動パターンを表している。
図示のように、本来であれば、現像バイアス出力パターンを重畳出力パターンと同じパターンにしたいにもかかわらず、重畳出力パターンにおける−800[V]よりも高い値を全て−800[V]に置き換えたパターンにしている。−800[V]よりも高い値を−800[V]に置き換えているときには、画像濃度ムラの発生を抑えることができなくなっている。
現像バイアス基準値は、環境変動に大きな影響を受ける。低温低湿環境では、現像装置内のトナーが摩擦帯電し易くなってトナーの帯電量Q/Mが比較的高い値になる。そして、現像剤中において、磁性キャリア粒子に対するトナー粒子の静電付着力が比較的強くなることから、現像性能が低下する。このような状態で基準値補正処理たるプロセスコントロール処理を実施すると、低下した現像性能で所望のトナー付着量を得るために、現像バイアス基準値が比較的高い値に設定される。これにより、重畳出力パターンの波形の一部が現像電源の出力上限を超えてしまうことがあることを、本発明者らは実験によって見出している。
次に、本複写機の特徴的な構成について説明する。
制御部110は、Y,C,M,Kの各色についてそれぞれ、重畳出力パターン(出力範囲)の適否を判定する判定処理と、必要に応じて重畳出力パターンの位置を高電位側又は低電位側にシフトさせるシフト用データ処理とを実施するようになっている。
図13は、制御部110によって実施される判定・シフト処理における処理フローを示すフローチャートである。この判定・シフト処理は、判定処理とシフト用データ処理とを合わせて行うものであり、プロセスコントロール処理によってY,C,M,K用の現像バイアス基準値がそれぞれ決定された直後に必ず実施されるものである。制御部110は、判定・シフト処理を開始すると、各色についてそれぞれ図示の処理フローを実施する。
具体的には、まず、不揮発性メモリーに記憶している感光体周期出力パターンの最大値及び最小値を特定した後(ステップ1:以下、ステップをSと記す)、スリーブ周期出力パターンの最大値及び最小値を特定する(S2)。感光体回転周期とスリーブ回転周期とは互いに異なり、且つ前者の方が後者よりも長い。このため、感光体周期出力パターンに対しては、複数周回分のスリーブ周期出力パターンを重畳することになる。そして、一周期分の感光体周期出力パターンに対して、どのような位相でスリーブ周期出力パターンの群を重畳するのかは、感光体の周期毎に異なってくる。感光体を複数周回に渡って回転させていく過程で、感光体周期出力パターンの最大値に対し、スリーブ周期出力パターンの最大値を重畳することもある。また、感光体周期出力パターンの最小値に対し、スリーブ周期出力パターンの最小値を重畳することもある。このため、2つの周期出力パターンを重畳した重畳出力パターンの最大値は、感光体周期出力パターンの最大値と、スリーブ周期出力パターンの最大値とを合算した値になる。また、重畳出力パターンの最小値は、感光体周期出力パターンの最小値と、スリーブ周期出力パターンの最小値とを合算した値になる。
そこで、制御部110は、重畳出力パターンの最大値である重畳最大値を、感光体周期出力パターンデータの最大値と、スリーブ周期出力パターンデータの最大値との合算によって求める(S3)。そして、その重畳最大値を現像バイアス基準値に加算して現像バイアス出力最大値を求める(S4)。また、重畳出力パターンの最小値である重畳最小値を、感光体周期出力パターンデータの最小値と、スリーブ周期出力パターンデータの最小値との合算によって求める(S5)。そして、その重畳最小値を現像バイアス基準値に加算して現像バイアス出力最小値を求める(S6)。次に、現像バイアス出力最大値について、現像電源の出力上限を超えるか否かを判定する(S7)。そして、超える場合には(S7でY)、両者の差分を算出した後(S8)、現像バイアス基準値をその差分と同じ分だけ低い値に補正してから(S9)、一連の処理フローを終了する。この補正により、画像全体の画像濃度は目標よりも低くなるものの、現像バイアス出力最大値は現像電源の出力上限と同じ値になるので、重畳出力パターンを正しいパターンで生起させることが可能になる。よって、頁内での画像濃度ムラの発生を確実に抑えることができるようになる。
一方、上記S7の工程において、現像バイアス出力最大値について現像電源の出力上限を超えない場合には(S7でN)、次に、現像バイアス出力最小値について現像電源の出力下限を下回るか否かを判定する(S10)。そして、下回る場合には(S10でY)、両者の差分を算出した後(S11)、現像バイアス基準値をその差分と同じ分だけ高い値に補正してから(S12)、一連の処理フローを終了する。この補正により、画像全体の画像濃度は目標よりも高くなるものの、現像バイアス出力最小値は現像電源の出力下限と同じ値になるので、重畳出力パターンを正しいパターンで生起させることが可能になる。よって、頁内での画像濃度ムラの発生を確実に抑えることができるようになる。このとき、帯電バイアスVdおよびLDパワーは、所定の画像濃度を保つように適宜適切な値に設定される。
上記S10の工程において、現像バイアス出力最小値が出力下限を下回らなかった場合には(S10でN)、そのまま一連の処理フローを終了する。
制御部110は、以上のような判定・シフト処理を、Y,C,M,Kの各色毎にそれぞれ個別に行う。これにより、現像バイアス基準値と重畳出力パターンとに従った現像バイアス出力パターンの出力最大値が現像電源の出力上限を超える場合には、超えさせない値に現像バイアス基準値を補正する。また、現像バイアス出力パターンの出力最小値が現像電源の出力下限を下回る場合には、下回らせない値に現像バイアス基準値を補正する。それらの補正により、出力上限や出力下限にかかわらず、重畳出力パターンと同じパターンの現像バイアス出力パターンで現像バイアスVbを変化させて、頁内の画像濃度ムラの発生を抑えることができる。
現像バイアス基準値を基準にして現像バイアスVbの出力値を重畳出力パターンに従って変化させる構成について説明したが、次のように変化させるようにしてもよい。即ち、重畳出力パターンではなく、感光体周期出力パターン、又はスリーブ周期出力パターンの何れかに従って現像バイアスVbの出力値を変化させる構成である。この構成の場合、感光体周期出力パターンを構築するために必要な感光体回転センサー(76Y〜K)と、スリーブ周期出力パターンを構築するために必要なスリーブ回転センサー(83Y〜K)とのうち、何れか一方だけを設ければよい。
また、初期起動タイミングで実施する構築処理について説明したが、作像ユニットの交換を検知した直後に実施する構築処理では、交換を検知した色についてだけ、構築処理を実施するようになっている。
なお、プロセスコントロール処理については、初期起動タイミングや交換検知タイミングの他にも、所定時間経過毎や所定枚数プリント毎などの定期的なタイミングで実施するようになっている。そして、定期的なタイミングで実施するプロセスコントロールの後には、必ず判定・シフト処理を実施する。
次に、実施形態に係る複写機の一部の構成を他の構成に変形した変形形態に係る複写機について説明する。なお、以下に特筆しない限り、変形形態に係る複写機の構成は、実施形態と同様である。
ベタ部と中間調部とが混在する画像において、ベタ部の画像濃度は現像バイアスVbと静電潜像の電位である潜像電位Vlとの差である現像ポテンシャルに大きな影響を受ける。これに対し、中間調部の画像濃度は現像ポテンシャルよりも、感光体の地肌部電位Vdと現像バイアスVbとの差である地肌ポテンシャルに大きな影響を受けることがある。これは次に説明する理由による。即ち、ベタ部では、全てのドットが隣接するドットに周縁部を重ね合わせている。つまり、孤立ドットが存在しない。これに対し、中間調部では、孤立ドットが存在していたり、少数のドットの集合からなる少数ドット群が存在していたりする。それら孤立ドットや少数ドット群は、ベタ部よりもエッジ効果の影響を大きく受けることにより、ベタ部と同じ地肌ポテンシャルの条件下では、ベタ部よりも中間調部の方が感光体上の付着力が強く、ギャップ変動の影響を受けにくい。さらに、ベタ部よりも単位面積あたりのトナー付着量が多くなっており、ベタ時のトナー付着量変動量と比較すると、中間調部でのギャップ変動によるトナー付着量変動量は小さくなる。これにより、実施形態に係る複写機のように、ベタトナー像からなる濃度ムラ検知用トナー像に基づいて構築した重畳出力パターンで現像バイアスVbを変化させると、ベタ部については画像濃度ムラを抑えることができる代わりに、中間調部では過補正になる。そして、その過補正により、画像濃度ムラを中間調部に発生させてしまう。
エッジ効果は、地肌ポテンシャルの影響を大きく受けることから、地肌ポテンシャルを調整することで、前述の過補正を修正することが可能である。地肌ポテンシャルを変化させるには、帯電バイアスの変化によって地肌部電位Vdを変化させればよい。このように地肌部電位Vdを変化させても、現像ポテンシャルについては、概ね一定に維持することが可能である。例えば、通常の地肌部電位Vd=−1100[V]、現像バイアスVb=−700[V]、潜像電位Vl=−50[V]という条件で、必要に応じて地肌部電位Vdを−1000[V]や、−1200[V]に変化させたとする。このように変化させても、潜像書込強度を、−50[V]程度の飽和露光電位が得られる値に設定していれば、地肌部電位Vdにかかわらず、潜像電位Vlを概ね−50[V]に維持することが可能である。このため、地肌部電位Vdの変化によって地肌ポテンシャルを変化させても、現像ポテンシャルVbについては一定に維持することが可能なので、ベタ部の画像濃度に影響を与えることはない。
図14は、変形形態に係る複写機において、初期起動タイミングで実施される処理の処理フローを示すフローチャートである。この処理において、制御部110は、まず、プロセスコントロール処理を実施する(S1)。そして、上述した構築処理としての第一構築処理を実施して、画像のベタ部の画像濃度ムラを抑えるための現像バイアス用の感光体周期出力パターンデータやスリーブ周期出力パターンデータを構築する(S2)。このとき、各色の濃度ムラ検知用トナー像については、それぞれ、直前のプロセスコントロール処理で決定した現像バイアス基準値と同じ値の現像バイアスVbの条件で作像する。次に、構築した感光体周期出力パターンデータの最大値、最小値、スリーブ周期出力パターンデータの最大値、最小値に基づいて、現像バイアス基準値の適否を判定したり、現像バイアス基準値を補正したりするための判定・シフト処理を実施する(S3)。このとき、中間調の濃度を保つために現像バイアスと同じだけ帯電バイアスもシフトさせる。
その後、第二構築処理(S4)を実施して、画像の中間調部の画像濃度ムラを抑えるための帯電バイアス用の感光体周期出力パターンデータやスリーブ周期出力パターンデータを構築する。
第二構築処理(S4)の具体的な処理内容は次の通りである。
まず、Y中間調トナー像からなるY濃度ムラ検知用トナー像を感光体20Y上に作像する。また、C中間調トナー像,M中間調トナー像,K中間調トナー像からなるC濃度ムラ検知用トナー像,M濃度ムラ検知用トナー像,K濃度ムラ検知用トナー像を、感光体20C,感光体20M,感光体20K上に作像する。この作像の際、Y,C,M,K用の現像バイアスVbを、それぞれに対応する現像バイアス基準値、感光体周期出力パターン、感光体基準姿勢タイミング、スリーブ周期出力パターン、及びスリーブ基準姿勢タイミングに基づいて変化させる。この条件では、感光体回転周期やスリーブ回転周期の画像濃度ムラはベタ部において発生しなくなるが、前述した4つの濃度ムラ検知用トナー像は中間調トナー像からなるので、現像バイアスVbの過補正によって画像濃度ムラが発生する。制御部110は、その画像濃度ムラを検知するべく、光学センサーユニット150の4つの反射型フォトセンサーからの出力のサンプリングを所定の時間間隔で感光体一周期以上の時間において行う。
その後、制御部110は、各色についてそれぞれ得たサンプリングデータに基づいて、感光体回転周期で発生している濃度ムラパターンを抽出する。そして、その変動波形の積分によってトナー付着量平均値(画像濃度平均値)を算出した後、そのトナー付着量平均値を基準にして、感光体回転周期の濃度ムラパターンを相殺するための帯電バイアスの感光体周期出力パターンデータを構築する。具体的には、濃度パターンに含まれる複数のトナー付着量データにそれぞれ個別に対応するバイアス出力差分を算出する。そのバイアス出力差分は、トナー付着量平均値を基準にするものである。トナー付着量平均値と同じ値のトナー付着量データに対応するバイアス出力差分については、ゼロとして算出する。また、トナー付着量平均値よりも大きいトナー付着量データに対応するバイアス出力差分については、そのトナー付着量とトナー付着量平均値との差分に応じたプラス極性の値として算出する。プラス極性のバイアス出力差分であるので、マイナス極性の現像バイアスを現像バイアス基準値よりも低い値(絶対値の小さい値)に変化させるデータである。また、トナー付着量平均値よりも小さいトナー付着量データに対応するバイアス出力差分については、そのトナー付着量とトナー付着量平均値との差分に応じたマイナス極性の値として算出する。マイナス極性のバイアス出力差分であるので、マイナス極性の現像バイアスを現像バイアス基準値よりも高い値(絶対値の大きい値)に変化させるデータである。
このようにして、個々のトナー付着量データに対応するバイアス出力差分を求め、それらを順に並べたデータを帯電バイアス用の感光体周期出力パターンデータとして構築する。
次に、制御部110は、各色についてそれぞれ、上述したサンプリングデータに基づいて、現像スリーブ回転周期で発生している濃度ムラパターンを抽出した後、トナー付着量平均値(画像濃度平均値)を算出する。そして、そのトナー付着量平均値を基準にして、現像スリーブ回転周期の濃度ムラパターンを相殺するための帯電バイアス用のスリーブ周期出力パターンデータを構築する。その具体的なやり方については、感光体回転周期の濃度ムラパターンを相殺するための感光体周期出力パターンデータを構築する方法と同様である。
以上のようにして、帯電バイアス用の感光体周期出力パターンデータやスリーブ周期出力パターンデータを構築したら、それらに含まれる個々のデータの順番をそれぞれ所定の番号分だけずらす。具体的には、感光体周期出力パターンデータにおける先頭データは、感光体の周面における全域のうち、感光体が基準の回転姿勢になったときに現像領域に進入する箇所に対応するものである。その箇所は、現像領域で帯電せしめられるのではなく、帯電ローラ(71Y,C,M,K)と感光体(20Y,C,M,K)との当接領域で帯電せしめられる。当接領域から現像領域に移動するまでにはタイムラグがあることから、そのタイムラグに相当する番号分だけ個々のデータの位置をずらすのである。例えば、250のデータからなるパターンデータである場合に、1番目から230番目までのデータの位置をそれぞれ20番ずつ後にずらすとともに、231番目から250番目までのデータを1番目から20番目のデータにする。スリーブ周期出力パターンデータも同様にして、各種のデータの位置を所定の番号分だけずらす。
ユーザーの命令に基づく画像を形成する際には、各色についてそれぞれ、第一構築処理で構築した現像バイアス用の感光体周期出力パターンデータやスリーブ周期出力パターンデータに基づいて、現像電源からの現像バイアスVbの出力を変化させる。具体的には、感光体周期出力パターンデータと、感光体基準姿勢タイミングと、スリーブ周期出力パターンデータと、スリーブ基準姿勢タイミングとに基づいて重畳出力パターンデータを構築する。そして、その重畳出力パターンデータと現像バイアス基準値とに基づいて、現像バイアスVbの出力値を変化させる。これにより、感光体回転周期やスリーブ回転周期で発生するベタ部の画像濃度ムラを抑えることができる。
また、ユーザーの命令に基づく画像を形成する際には、各色についてそれぞれ、第二構築処理で構築した帯電バイアス用の感光体周期出力パターンデータやスリーブ周期出力パターンデータに基づいて、帯電電源からの帯電バイアスの出力を変化させる。具体的には、感光体周期出力パターンデータと、感光体基準姿勢タイミングと、スリーブ周期出力パターンデータと、スリーブ基準姿勢タイミングとに基づいて重畳出力パターンデータを構築する。そして、その重畳出力パターンデータと、プロセスコントロール処理で決定しておいた基準値たる帯電バイアス基準値とに基づいて、帯電電源からの帯電バイアスの出力を変化させる。これにより、現像バイアスVbの過補正に起因して、感光体回転周期やスリーブ回転周期で発生する中間調部の画像濃度ムラを抑えることができる。
なお、ユーザーの命令に基づく画像を形成する際の現像バイアス基準値については、補正しないでプロセスコントロール処理で決定した値のまま用いてもよい。つまり、第二構築処理で使用する現像バイアス基準値だけを、判定・補正処理によって補正するようにしてもよい。
次に、変形形態に係る複写機の一部の構成を他の構成に変形した各変形例に係る複写機について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各変形例に係る複写機の構成は、変形形態と同様である。
[第一変形例]
第一変形例に係る複写機においては、上述した判定・シフト処理を実施しない。その代わりに、所定の条件が具備されたことに基づいて、次のような補正処理を行う。即ち、基準値決定処理たるプロセスコントロール処理で現像バイアス基準値を決定する際に参照する目標トナー付着量、又はプロセスコントロール処理で決定した現像バイアス基準値、帯電バイアス基準値、及びLDパワーを補正する補正処理である。
所定の条件としては、例えば、環境が低温低湿になるという条件、環境が高温高湿になるという条件、及びプロセスコントロールで算出した現像バイアス基準値又は帯電バイアス基準値が所定の範囲になるという3つを採用している。環境が低温低湿になった場合、トナー帯電量Q/Mが比較的高い値になって現像能力が低くなることから、プロセスコントロール処理で決定される現像バイアス基準値や帯電バイアス基準値が比較的高い値になる。これにより、現像バイアスVbの出力範囲における一部が現像電源の上限を超え易くなる。また、帯電バイアスVdの出力範囲における一部が帯電電源の上限を超え易くなる。そこで、制御部110は、環境の低温低湿化が図示しない環境センサーによって検知された場合には、プロセスコントロール処理で参照する目標トナー付着量を例えば標準の0.40[mg/cm]から0.35[mg/cm]に補正する。この補正により、現像バイアス基準値や帯電バイアス基準値をより低い値に決定することで、現像バイアスVbの出力範囲を現像電源の出力上限よりも低くすることが可能になる。また、帯電バイアスVdの出力範囲を帯電電源の出力上限よりも低くすることも可能になる。更には、第二構築処理で現像バイアスVbを確実に出力パターンデータに従って変化させることができるようになる。
また、環境の高温高湿化が図示しない環境センサーによって検知された場合には、プロセスコントロール処理で参照する目標トナー付着量を例えば標準の0.40[mg/cm]から0.45[mg/cm]に補正する。この補正により、現像バイアス基準値や帯電バイアスをより高い値に決定することで、現像バイアスの出力範囲を現像電源の出力下限よりも高くすることが可能になる。また、帯電バイアスの出力範囲を帯電電源の出力下限よりも高くすることが可能になる。なお、目標トナー付着量を補正する代わりに、現像バイアス基準値や帯電バイアス基準値を補正してもよい。
プロセスコントロール処理で算出した現像バイアス基準値が所定の範囲になると、出力パターンデータに従った現像バイアスVbの変化範囲の一部が、現像電源の出力上限を超えたり、出力下限を下回ったりし易くなる。例えば、現像バイアス基準値が現像電源の出力上限との差を20[V]以下にする値になると、出力パターンデータに従った現像バイアスVbの変化範囲の一部が、現像電源の出力上限を超え易くなる。また、現像バイアス基準値が現像電源の出力下限との差を20[V]以下にする値になると、出力パターンデータに従った現像バイアスVbの変化範囲の一部が、現像電源の出力下限を下回り易くなる。帯電バイアス基準値も同様に、所定の範囲になると、出力パターンデータに従った帯電バイアスVdの変化範囲の一部が、帯電電源の出力上限を超えたり、出力下限を下回ったりし易くなる。
そこで、プロセスコントロール処理で算出した現像バイアス基準値が所定の範囲(高い値の範囲)になった場合には、目標トナー付着量を例えば標準の0.40[mg/cm]から0.35[mg/cm]に補正して、現像バイアス基準値の決定をやり直す。この補正により、現像バイアス基準値をより低い値に決定することで、現像バイアスVbの出力範囲を現像電源の出力上限よりも低くすることが可能になる。また、プロセスコントロール処理で算出した帯電バイアス基準値が所定の範囲(高い値の範囲)になった場合にも、目標トナー付着量を例えば標準の0.40[mg/cm]から0.35[mg/cm]に補正して、現像バイアス基準値の決定をやり直す。この補正により、帯電バイアス基準値をより低い値に決定することで、帯電バイアスVdの出力範囲を帯電電源の出力上限よりも低くすることが可能になる。
また、プロセスコントロール処理で算出した現像バイアス基準値が所定の範囲(低い値の範囲)になった場合には、目標トナー付着量を例えば標準の0.40[mg/cm]から0.45[mg/cm]に補正して、現像バイアス基準値の決定をやり直す。この補正により、現像バイアス基準値をより高いい値に決定することで、現像バイアスVbの出力範囲を現像電源の出力下限よりも高くすることが可能になる。また、プロセスコントロール処理で算出した帯電バイアス基準値が所定の範囲(高い値の範囲)になった場合にも、目標トナー付着量を例えば標準の0.40[mg/cm]から0.40[mg/cm]に補正して、現像バイアス基準値の決定をやり直す。この補正により、帯電バイアス基準値をより高い値に決定することで、帯電バイアスVdの出力範囲を帯電電源の出力下限よりも高くすることが可能になる。
現像バイアス基準値または帯電バイアス基準値の決定のやり直しのときには、現像能力(現像γ)と目標トナー付着量との関係から演算によってそれら基準値を求めればよい。直前のプロセスコントロール処理で得られた図10の特性図に基づいて、新たな目標トナー付着量が得られる現像ポテンシャルVpを求めるのである。このときのLDパワーについては予め設計されたテーブルや式などに沿って適宜設定すればよい。また、前述のような算術だけによって新たな基準値を求めるのではなく、プロセスコントロール処理を始めからやり直しても良い。また、所定の範囲として20[V]を例にして説明したが、この値に限られるものではない。
以上のように、バイアス出力範囲を電源の出力上下限範囲とした状態にて、前述の構築処理や印刷を実施する。
[第二変形例]
第二変形例に係る複写機においても、上述した判定・シフト処理を実施しない。その代わりに、プロセスコントロール処理において、現像バイアス基準値を所定の下限(以下、現像基準値下限)から上限(以下、現像基準値上限)までの範囲の値に決定する。目標トナー付着量を得るためには現像バイアス基準値を現像基準値上限よりも高い値にする必要がある場合であっても、現像バイアス基準値を現像基準値上限よりも高くせず、現像基準値上限と同じ値にする。また、目標トナー付着量を得るためには現像バイアス基準値を現像基準値下限よりも低い値にする必要がある場合であっても、現像バイアス基準値を現像基準値下限よりも低くせず、現像基準値下限と同じ値にする。
現像基準値上限については、予めの実験によって測定しておいた現像バイアスVbの出力パターンの振幅と、現像電源の出力上限とに基づいて、現像バイアス基準値を現像基準値上限にした場合であっても出力範囲を出力上限以下にする値に設定している。また、現像基準値下限については、現像バイアスVbの出力パターンの振幅と、現像電源の出力下限とに基づいて、現像バイアス基準値を現像基準値下限にした場合であっても出力範囲を出力下限以上にする値に設定している。このため、出力パターンデータに従って現像電源から出力される現像バイアスVbの変化範囲の最大値を確実に現像電源の出力上限以下にし、且つ同変化範囲の最小値を確実に現像電源の出力下限以上にすることが可能になる。これにより、帯電電源の出力上限や出力下限にかかわらず、現像バイアスVbを確実に出力パターンデータに従ったパターンで変化させて、頁内の画像濃度ムラを確実に抑えることができる。
また、第二変形例に係る複写機は、プロセスコントロール処理において、帯電バイアス基準値を所定の下限(以下、帯電基準値下限)から上限(以下、帯電基準値上限)までの範囲の値に決定する。目標トナー付着量を得るためには帯電バイアス基準値を帯電基準値上限よりも高い値にする必要がある場合であっても、帯電バイアス基準値を帯電基準値上限よりも高くせず、帯電基準値上限と同じ値にする。また、目標トナー付着量を得るためには帯電バイアス基準値を帯電基準値下限よりも低い値にする必要がある場合であっても、帯電バイアス基準値を帯電基準値下限よりも低くせず、帯電基準値下限と同じ値にする。
帯電基準値上限については、予めの実験によって測定しておいた帯電バイアスVdの出力パターンの振幅と、帯電電源の出力上限とに基づいて、帯電バイアス基準値を帯電基準値上限にした場合であっても出力範囲を出力上限以下にする値に設定している。また、帯電基準値下限については、帯電バイアスVdの出力パターンの振幅と、帯電電源の出力下限とに基づいて、帯電バイアス基準値を帯電基準値下限にした場合であっても出力範囲を出力下限以上にする値に設定している。このため、出力パターンデータに従って帯電電源から出力される帯電バイアスVdの変化範囲の最大値を確実に帯電電源の出力上限以下にし、且つ同変化範囲の最小値を確実に帯電電源の出力下限以上にすることが可能になる。これにより、帯電電源の出力上限や出力下限にかかわらず、帯電バイアスVdを確実に出力パターンデータに従ったパターンで変化させて、頁内の画像濃度ムラを確実に抑えることができる。
本発明の適用は、実施形態、変形形態、第一変形例、第二変形例に係る複写機に限定されるものではなく、種々の変形や変更が可能である。たとえば、本発明が適用可能な画像形成装置として、複写機の代わりに、プリンタ、ファクシミリ、複合機などを例示することが可能である。また、カラー画像を形成する画像形成装置ではなく、モノクロ画像しか形成することのできないモノクロ画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。また、記録シートの片面だけに画像を形成する構成ではなく、必要に応じて両面に画像を形成する構成の画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。記録シートとしては、普通紙、OHPシート、カード、ハガキ、厚紙、封筒などを例示することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aは、像担持体の移動する表面にトナー像を作像する作像手段(例えば作像ユニット18Y,C,M,K及びレーザー書込装置21の組み合わせ)と、前記像担持体上のトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写する転写手段(例えば転写ユニット)と、回転可能な回転体(例えば感光体20Y,C,M,Kや現像スリーブ81Y,C,M,K)と、前記回転体の回転姿勢を検知する回転姿勢検知手段(例えば感光体回転センサー76Y,C,M,Kやスリーブ回転センサー83Y,C,M,K)と、前記作像手段によって作像されたトナー像のトナー付着量を検知する付着量検知手段(例えば光学センサーユニット150)と、トナー像の作像から転写までの過程における所定のプロセスに寄与する電圧を出力する電源(例えば現像電源11Y,C,M,Kや帯電電源12Y,C,M,K)と、前記作像手段によって作像した濃度ムラ検知用トナー像のトナー付着量を前記付着量検知手段によって検知した結果、及び前記濃度ムラ検知用トナー像を作像する際の前記回転姿勢検知手段による検知結果に基づいて、前記電源から出力される電圧を変化させるための出力パターンデータを構築する構築処理、並びに、前記電源から出力される電圧を前記回転姿勢検知手段による検知結果及び前記出力パターンデータに基づいて変化させながら前記プロセスを実行する出力変化処理を実施する制御手段(例えば制御部110)とを備える画像形成装置において、前記出力変化処理にて前記電源から出力される前記電圧の出力範囲の適否を判定する判定処理と、前記判定処理にて不適切という判定結果になった場合に前記出力範囲をシフトさせるためのシフト用データ処理とを実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
かかる構成では、判定処理において、出力パターンデータに基づいて電源から出力される電圧の出力範囲の適否を判定する。例えば、判定基準として、出力範囲の最大値や最小値などを用い、最大値が電源の出力上限を超えたり、最小値が電源の出力下限を下回ったりした場合に、出力範囲について不適切であると判定する。そして、シフト用データ処理を実施して出力範囲をシフトさせる。具体的には、出力範囲の最大値が電源の出力上限を超える場合には、出力値をより小さな値にする側に出力範囲をシフトさせるためのデータ処理を行う。また、出力範囲の最小値が電源の出力下限を下回る場合には、出力値をより大きな値にする側に出力範囲をシフトさせるためのデータ処理を行う。何れの場合であっても、出力範囲をシフトさせると、現像ポテンシャルの平均値を変化させることになることから、画像全体の画像濃度を目標濃度からずらしてしまうが、電圧の出力については出力パターンに忠実に従った変化を生起させることが可能になる。これにより、電源の出力上限や出力下限にかかわらず、回転体の回転周期で発生する頁内の画像濃度ムラを確実に抑えることができる。
[態様B]
態様Bは、態様Aであって、前記作像手段が、前記像担持体たる潜像担持体(例えば感光体20Y,C,M,K)、前記潜像担持体を帯電せしめる帯電手段(例えば帯電装置70Y,C,M,K)、帯電後の前記潜像担持体に潜像を書き込む潜像書込手段(例えばレーザー書込装置21)、及び現像剤担持体に担持した現像剤を用いて前記潜像を現像する現像手段(例えば現像装置80Y,C,M,K)を有するものであり、且つ、前記電源が、前記帯電手段に供給する帯電バイアスを出力する帯電電源(例えば帯電電源12Y,C,M,K)、潜像書込強度を変化させるために前記潜像書込手段に搭載された内部電源回路、前記現像剤担持体に供給する現像バイアスを出力する現像電源(例えば現像電源11Y,C,M,K)、又は前記転写手段に供給する転写バイアスを出力する転写電源であることを特徴とするものである。かかる構成では、帯電電源、内部電源回路、現像電源、又は転写電源からの出力を変化させることで、回転体の回転周期で発生する画像濃度ムラを抑えることができる。
[態様C]
態様Cは、態様Bにおいて、前記作像手段によって互いに異なる作像条件で作像した複数のトナー付着量検知用トナー像のトナー付着量を前記付着量検知手段によって検知した結果、及びそれらトナー付着量検知用トナー像のそれぞれに個別に対応する作像条件に基づいて、前記帯電バイアス、前記内部電源回路からの出力、前記現像バイアス、又は前記転写バイアスの基準値を決定する基準値決定処理を所定のタイミングで実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、基準値決定処理を定期的に実施することで、画像全体の画像濃度を長期間に渡って安定させることができる。
[態様D]
態様Dは、態様Cにおいて、前記出力変化処理にて、前記基準値と前記出力パターンデータとに基づいて前記帯電電源、前記内部電源回路、前記現像電源、又は前記転写電源から出力される電圧を変化させ、前記判定処理にて、前記基準値と前記出力パターンデータとに基づいて前記出力範囲の適否を判定し、且つ前記シフト用データ処理にて、前記基準値の補正によって前記出力範囲をシフトさせるように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、基準値を補正するという簡単な処理により、出力変化処理によって出力される電圧の出力範囲を容易にシフトさせることができる。
[態様E]
態様Eは、態様C又はDにおいて、前記構築処理にて、前記内部電源回路からの出力、及び前記現像電源からの出力のそれぞれを一定にした条件で前記濃度ムラ検知用トナー像として全ベタトナー像からなるものを作像し、前記出力パターンデータとして、画像のベタ部における画像濃度の安定化を図るために前記内部電源回路及び前記現像電源における一方からの出力を変化させるためのベタ濃度安定化用出力パターンデータを前記全ベタトナー像のトナー付着量に基づいて構築するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、潜像書込強度又は現像バイアスを出力パターンデータに従って変化させることで、画像のベタ部において回転体の回転周期で発生する画像濃度ムラを抑えることができる。
[態様F]
態様Fは、態様Eにおいて、前記構築処理を実施した後に、前記判定処理にて、前記一方から出力される電圧の前記基準値の適否を前記ベタ濃度安定化用出力パターンデータに基づいて判定するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、判定処理にて内部電源回路又は現像電源からの出力範囲の適否を判定することができる。
[態様G]
態様Gは、態様Fにおいて、前記ベタ濃度安定化用出力パターンデータを構築する前記構築処理たる第一構築処理と、前記判定処理とを順に実施し、且つ必要に応じて前記一方から出力される電圧の前記基準値を補正する前記シフト用データ処理を実施した後に、前記一方からの出力を前記ベタ濃度安定化用出力パターンデータに従って変化させながら前記濃度ムラ検知用トナー像として中間調トナー像からなるものを作像し、前記出力パターンデータとして、画像の中間調部における画像濃度の安定化を図るために前記帯電電源からの出力を変化させるための中間調安定化用出力パターンデータを前記中間調トナー像のトナー付着量に基づいて構築する第二構築処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、第二構築処理において、中間調安定化用出力パターンデータとして、潜像書込強度又は現像バイアスの過補正に起因して生ずる中間調濃度ムラを相殺し得るものを構築することができる。
[態様H]
態様Hは、態様Gにおいて、前記第二構築処理を実施した後に、前記帯電電源から出力される電圧の前記基準値の適否を前記中間調安定化用出力パターンデータに基づいて判定する前記判定処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、帯電バイアスの基準値を補正することで、帯電バイアスの出力を中間調安定化用出力パターンデータに忠実に従って変化させることで、帯電電源の出力上限や出力下限にかかわらず、画像の中間調部の画像濃度ムラを抑えることができる。
[態様I]
態様Iは、態様Hにおいて、ユーザーの命令に基づく画像を形成する際の前記出力変化処理にて、前記一方からの出力を前記ベタ濃度安定化用出力パターンデータに従って変化させつつ、前記帯電電源からの出力を前記中間調安定化用出力パターンデータに従って変化させるように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、帯電バイアスの出力を中間調安定化用出力パターンデータに忠実に従って変化させて画像の中間調部の画像濃度ムラを抑えることができる。
[態様J]
態様Jは、態様Iにおいて、前記回転姿勢検知手段として、前記回転体たる前記潜像担持体の回転姿勢を検知するものを用いたことを特報とするものである。
[態様K]
態様Kは、態様Jにおいて、前記回転姿勢検知手段たる第一回転姿勢検知手段(例えば感光体回転センサー76Y,C,M,K)に加えて、前記回転体たる前記現像剤担持体の回転姿勢を検知する第二回転姿勢検知手段(例えばスリーブ回転センサー83Y,C,M,K)を設けたことを特徴とするものである。
[態様L]
態様Lは、態様Kにおいて、前記第一構築処理にて、前記付着量検知手段による検知結果に基づいて把握される画像濃度ムラのうち、前記潜像担持体の回転周期で発生する画像濃度ムラを抽出した結果に基づいて前記ベタ濃度安定化用出力パターンデータたる第一出力パターンデータ(例えば現像バイアス用の感光体周期出力パターンデータ)を構築し、且つ前記現像剤担持体の回転周期で発生する画像濃度ムラを抽出した結果に基づいて前記ベタ濃度安定化用出力パターンデータたる第二出力パターンデータ(例えば現像バイアス用のスリーブ周期出力パターンデータ)を構築するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、潜像担持体の回転周期で発生する画像のベタ部における画像濃度ムラを抑えるための第一出力パターンデータを構築することができる。更には、現像剤担持体の回転周期で発生する画像のベタ部における画像濃度ムラを抑えるための第二出力パターンデータも構築することができる。
[態様M]
態様Mは、態様Lにおいて、前記第一構築処理と前記第二構築処理との間に実施する前記判定処理にて、前記第一出力パターンデータと前記第二出力パターンデータとに基づいて、前記一方から出力される電圧の前記基準値(例えば現像バイアス基準値)についてその適否を判定するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、出力変化処理で、内部電源回路又は現像電源から実際に出力される電圧出力パターンである第一出力パターンと第二出力パターンとを重畳した重畳出力パターンの出力範囲を基準値の補正によって容易にシフトさせることができる。
[態様N]
態様Nは、態様Mにおいて、前記第二構築処理にて、前記付着量検知手段による検知結果に基づいて把握される画像濃度ムラのうち、前記潜像担持体の回転周期で発生する画像濃度ムラを抽出した結果に基づいて前記中間調安定化用出力パターンデータたる第三出力パターンデータ(例えば帯電バイアス用の感光体周期出力パターンデータ)を構築し、且つ前記現像剤担持体の回転周期で発生する画像濃度ムラを抽出した結果に基づいて前記中間調安定化用出力パターンデータたる第四出力パターンデータ(例えば帯電バイアス用のスリーブ周期出力パターンデータ)を構築するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、潜像担持体の回転周期で発生する画像の中間調部における画像濃度ムラを抑えるための第三出力パターンデータを構築することができる。更には、現像剤担持体の回転周期で発生する画像の中間調部における画像濃度ムラを抑えるための第四出力パターンデータも構築することができる。
[態様O]
態様Oは、態様Nにおいて、ユーザーの命令に基づく画像を形成する際の前記出力変化処理にて、前記第一出力パターンデータ、前記第一回転姿勢検知手段による検知結果、前記第二出力パターンデータ、前記第二回転姿勢検知手段による検知結果、及び前記一方からの出力の前記基準値に基づいて前記一方からの出力を変化させるとともに、前記第三出力パターンデータ、前記第一回転姿勢検知手段による検知結果、前記第四出力パターンデータ、前記第二回転姿勢検知手段による検知結果、及び前記帯電電源からの出力の前記基準値に基づいて前記帯電電源からの出力を変化させるように、前記制御手段を構成したものである。かかる構成では、潜像担持体の回転周期や現像剤担持体の回転周期でそれぞれ発生する画像のベタ部の画像濃度ムラを抑えつつ、潜像担持体の回転周期や現像剤担持体の回転周期でそれぞれ発生する画像の中間調部の画像濃度ムラを抑えることができる。
[態様P]
態様Pは、態様I〜Oの何れかにおいて、工場出荷後の初回のプリントジョブに先立って、前記基準値決定処理、前記第一構築処理、前記一方からの出力の前記基準値についての前記判定処理、この判定処理で不適切という判定になった場合の前記シフト用データ処理、前記第二構築処理、前記帯電電源からの出力の前記基準値についての前記判定処理、この判定処理で不適切という判定になった場合の前記シフト用データ処理を順に実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、初回のプリントから、回転体の回転周期で発生する画像濃度ムラを抑えることができる。
[態様Q]
態様Qは、態様I〜Pの何れかにおいて、前記作像手段の交換を検知する交換検知手段(例えばユニット着脱センサー17Y,C,M,K)を設け、前記交換検知手段によって交換が検知された場合に、プリントジョブを実施するのに先立って、前記基準値決定処理、前記第一構築処理、前記一方からの出力の前記基準値についての前記判定処理、この判定処理で不適切という判定になった場合の前記シフト用データ処理、前記第二構築処理、前記帯電電源からの出力の前記基準値についての前記判定処理、この判定処理で不適切という判定になった場合の前記シフト用データ処理を順に実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、作像手段の交換に伴って回転体も交換されることにより、回転体の回転周期で発生する画像濃度ムラのパターンが変化しても、その後の初めのプリントジョブに先立って、新たなパターンに対応する出力パターンデータを構築する。これにより、交換後の初めのプリントジョブから、回転体の回転周期で発生する画像濃度ムラを抑えることができる。
[態様R]
態様Rは、態様C〜Qの何れかにおいて、前記基準値決定処理、前記判定処理、及び前記シフト用データ処理の組み合わせを、定期的なタイミングで実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、基準値決定処理を定期的に実施することで画像全体の画像濃度を長期間に渡って安定化させつつ、新たな基準値に基づく電圧の出力範囲を出力上限や出力下限に引っ掛からないように補正して、画像濃度ムラを確実に抑えることができる。
[態様S]
態様Sは、態様I〜Rの何れかにおいて、ユーザーの命令に基づく画像を形成する際の前記基準値については、前記判定処理や前記シフト用データ処理を実施せず、前記第二構築処理を実施する際の前記基準値について、前記判定処理や前記シフト用データ処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様T]
態様Tは、像担持体の移動する表面にトナー像を作像する作像手段と、前記像担持体上のトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写する転写手段と、回転可能な回転体と、前記回転体の回転姿勢を検知する回転姿勢検知手段と、前記作像手段によって作像されたトナー像のトナー付着量を検知する付着量検知手段と、トナー像の作像から転写までの過程における所定のプロセスに寄与する電圧を出力する電源と、前記作像手段によって作像した濃度ムラ検知用トナー像のトナー付着量を前記付着量検知手段によって検知した結果、及び前記濃度ムラ検知用トナー像を作像する際の前記回転姿勢検知手段による検知結果に基づいて前記電源から出力される電圧を変化させるための出力パターンデータを構築する構築処理、前記電源から出力される電圧を前記回転姿勢検知手段による検知結果及び前記出力パターンデータに基づいて変化させながら前記プロセスを実行する出力変化処理、並びに、前記作像手段によって互いに異なる作像条件で作像した複数のトナー付着量検知用トナー像のトナー付着量を前記付着量検知手段によって検知した結果に基づいて前記電源からの出力の基準値を決定する基準値決定処理を実施する制御手段とを備える画像形成装置において、所定の条件が具備されたことに基づいて、前記基準値決定処理で前記基準値を決定する際に参照する目標トナー付着量、又は前記基準値決定処理で決定した基準値を補正する補正処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
かかる構成では、例えば環境が低温低湿になったり、上述した第二構築処理を実施するタイミングになったりなど、所定の条件が具備されたことに基づいて、目標トナー付着量又は基準値を補正する。この補正により、電源からの出力最大値を出力上限以下にしたり、出力最小値を出力下限以上にしたりすることで、電源の出力上限や出力下限にかかわらず、回転体の回転周期で発生する頁内の画像濃度ムラを確実に抑えることができる。
[態様U]
態様Uは、像担持体の移動する表面にトナー像を作像する作像手段と、前記像担持体上のトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写する転写手段と、回転可能な回転体と、前記回転体の回転姿勢を検知する回転姿勢検知手段と、前記作像手段によって作像されたトナー像のトナー付着量を検知する付着量検知手段と、トナー像の作像から転写までの過程における所定のプロセスに寄与する電圧を出力する電源と、前記作像手段によって作像した濃度ムラ検知用トナー像のトナー付着量を前記付着量検知手段によって検知した結果、及び前記濃度ムラ検知用トナー像を作像する際の前記回転姿勢検知手段による検知結果に基づいて前記電源から出力される電圧を変化させるための出力パターンデータを構築する構築処理、前記電源から出力される電圧を前記回転姿勢検知手段による検知結果及び前記出力パターンデータに基づいて変化させながら前記プロセスを実行する出力変化処理、並びに、前記作像手段によって互いに異なる作像条件で作像した複数のトナー付着量検知用トナー像のトナー付着量を前記付着量検知手段によって検知した結果に基づいて前記電源からの出力の基準値を決定する基準値決定処理を実施する制御手段とを備える画像形成装置において、前記基準値決定処理で、前記基準値を所定の下限から上限までの範囲内の値に決定するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
かかる構成において、基準値決定処理で決定する基準値の上限を電源の出力上限よりもかなり低い値に設定するとともに、基準値の下限を電源の出力下限よりもかなり高い値に設定すれば、次のような作用を奏することが可能になる。即ち、出力パターンデータに従った電源からの出力の変化範囲の最大値を確実に電源の出力上限以下にし、且つ同変化範囲の最小値を確実に電源の出力下限以上にすることが可能になる。これにより、電源の出力上限や出力下限にかかわらず、回転体の回転周期で発生する頁内の画像濃度ムラを確実に抑えることができる。
10:中間転写ベルト(中間転写体)
11Y,C,M,K:現像電源
12Y,C,M,K:帯電電源
18Y,C,M,K:作像ユニット(作像手段の一部)
20:感光体(像担持体、潜像担持体、回転体)
21:レーザー書込ユニット(作像手段の一部)
71Y,C,M,K:ユニット着脱センサー(交換検知手段)
76Y,C,M,K:感光体回転センサー(第一回転姿勢検知手段)
80Y,C,M,K:現像装置(現像手段)
81Y,C,M,K:現像スリーブ(現像剤担持体、回転体)
83Y,C,M,K:スリーブ回転センサー(第二回転姿勢検知手段)
110:制御部(制御手段)
150:光学センサーユニット(付着量検知手段)
特開2012−163645号公報

Claims (2)

  1. 潜像担持体の移動する表面を帯電手段によって帯電し、帯電後の前記潜像担持体の表面に潜像書込手段によって潜像を書き込み、現像手段によって前記潜像を現像してトナー像を作像する作像手段と、
    前記潜像担持体上のトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写する転写手段と、
    回転周期で画像濃度ムラを発生させる回転可能な回転体と、
    前記回転体の回転姿勢を検知する回転姿勢検知手段と、
    前記作像手段によって作像されたトナー像のトナー付着量を検知する付着量検知手段と、
    少なくとも前記帯電手段に供給する帯電バイアス用の電圧を出力する帯電電源及び前記現像手段の現像剤担持体に供給する現像バイアス用の電圧を出力する現像電源を含む、トナー像の作像から転写までの過程における所定のプロセスに寄与する電圧を出力する電源と、
    前記作像手段によって作像した濃度ムラ検知用トナー像のトナー付着量を前記付着量検知手段によって検知した結果、及び前記濃度ムラ検知用トナー像を作像する際の前記回転姿勢検知手段による検知結果に基づいて前記電源から出力される電圧を変化させるための出力パターンデータを構築する構築処理、前記電源から出力される電圧を前記回転姿勢検知手段による検知結果及び前記出力パターンデータに基づいて変化させながら前記プロセスを実行する出力変化処理、並びに、前記作像手段によって互いに異なる作像条件で作像した複数のトナー付着量検知用トナー像のトナー付着量を前記付着量検知手段によって検知した結果に基づいて前記電源からの出力の基準値を決定する基準値決定処理を実施する制御手段とを備える画像形成装置において、
    前記出力パターンデータの最大値が前記電源の出力上限値を超えるか、又は、前記出力パターンデータの最小値が前記電源の出力下限値を下回るという条件が具備されたことに基づいて、前記基準値決定処理で前記基準値を決定する際に参照する目標トナー付着量、又は前記基準値決定処理で決定した基準値を補正する補正処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 潜像担持体の移動する表面を帯電手段によって帯電し、帯電後の前記潜像担持体の表面に潜像書込手段によって潜像を書き込み、現像手段によって前記潜像を現像してトナー像を作像する作像手段と、
    前記潜像担持体上のトナー像を、直接あるいは中間転写体を介して記録シートに転写する転写手段と、
    回転周期で画像濃度ムラを発生させる回転可能な回転体と、
    前記回転体の回転姿勢を検知する回転姿勢検知手段と、
    前記作像手段によって作像されたトナー像のトナー付着量を検知する付着量検知手段と、
    少なくとも前記帯電手段に供給する帯電バイアス用の電圧を出力する帯電電源及び前記現像手段の現像剤担持体に供給する現像バイアス用の電圧を出力する現像電源を含む、トナー像の作像から転写までの過程における所定のプロセスに寄与する電圧を出力する電源と、
    前記作像手段によって作像した濃度ムラ検知用トナー像のトナー付着量を前記付着量検知手段によって検知した結果、及び前記濃度ムラ検知用トナー像を作像する際の前記回転姿勢検知手段による検知結果に基づいて前記電源から出力される電圧を変化させるための出力パターンデータを構築する構築処理、前記電源から出力される電圧を前記回転姿勢検知手段による検知結果及び前記出力パターンデータに基づいて変化させながら前記プロセスを実行する出力変化処理、並びに、前記作像手段によって互いに異なる作像条件で作像した複数のトナー付着量検知用トナー像のトナー付着量を前記付着量検知手段によって検知した結果に基づいて前記電源からの出力の基準値を決定する基準値決定処理を実施する制御手段とを備える画像形成装置において、
    前記基準値決定処理で、前記基準値を、前記出力パターンデータの最小値が前記電源の出力下限値以上となる下限から、前記出力パターンデータの最大値が前記電源の出力上限値以下となる上限までの範囲内の値に決定するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
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