JP2007065119A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画質を低下させることなく、非接触帯電部材方式を従来よりも低コストで実現することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 無端移動する表面に潜像を担持する感光体1と、感光体1所定のギャップを介して対向する自らの表面を無端移動させつつ、その表面からの放電によって感光体1を帯電せしめる帯電ローラ4と、その放電を生起させるために帯電ローラ4に印加する電圧として直流電圧だけを用いる帯電電源回路7と、感光体1の表面に担持された潜像を現像する現像装置40と、現像によって得られたトナー像を感光体1の表面から転写紙に転写する転写ユニット50とを備えるプリンタにおいて、上記ギャップを100μm以上、300μm未満に設定した。これにより、斑点状の濃度ムラによる画質の劣化を引き起こすことなく、帯電ローラ4の回転に伴うギャップ変動による感光体1の帯電ムラを抑える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、潜像担持体に所定の間隙を介して対向する帯電部材の無端移動する表面からの放電によって潜像担持体を帯電せしめた後、潜像担持体に潜像を形成する画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置において、次に説明するような電子写真プロセスによって画像を形成するものが知られている。即ち、まず、感光体等の潜像担持体の表面を帯電装置によって一様に帯電せしめた後、その表面に露光等を施して静電潜像を形成する。次いで、静電潜像を現像手段によって現像し、得られたトナー像を潜像担持体の表面から転写紙等の記録体に直接あるいは中間転写体を介して転写する。
かかる電子写真プロセスに用いられる帯電装置の1つとして、例えば特許文献1に記載されているような非接触帯電部材方式のものが知られている。非接触帯電部材方式の帯電装置では、潜像担持体に所定の間隙を介して対向する帯電ローラ等の帯電部材を有している。そして、直流バイアスに交流バイアスを重畳した重畳バイアスが印加される帯電部材を回転等によって表面移動させながら、その表面から放電を生じせしめることで、潜像担持体を一様に帯電させる。かかる構成の帯電装置では、コロナ放電によって被帯電体を一様帯電せしめるコロナ帯電装置に比べて、放電に伴うオゾンや窒素酸化物の発生量を少なくすることができる。
特開2004−77680号公報
しかしながら、従来の非接触帯電部材方式では、帯電部材の部品精度や組み付け精度を相当に高くしなければならず、それによってコスト高を引き起こしていた。部品精度や組み付け精度を高くしなければならないのは、次に説明する理由による。即ち、従来の非接触帯電方式では、理由は定かでないが、潜像担持体と帯電部材との間隙(以下、ギャップとも言う)を大きくし過ぎると、画像に斑点状の濃度ムラを発生させてしまう。このため、100[μm]未満というかなり小さな値に設定せざるを得なかった。この一方で、帯電部材の部品寸法誤差や組み付け誤差などに起因して、前述のギャップが帯電部材の表面移動に伴って微妙に変動してしまう。この変動により、潜像担持体には帯電ムラが生ずる。上記ギャップが比較的大きい場合には帯電ムラはそれほど大きくならないが、100[μm]未満という微小ギャップでは、その変動量に対する帯電ムラの度合いが非常に大きくなるため、僅かなギャップ変動が画質に大きく影響してしまう。このため、帯電部材の部品を高精度に製造したり、帯電部材を高精度に組み付けたりすることで、ギャップの変動をできるだけ抑える必要があったのである。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、画質を低下させることなく、非接触帯電部材方式を従来よりも低コストで実現することができる画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像担持体に所定の間隙を介して対向させた帯電部材の表面からの放電によって該潜像担持体を帯電せしめる工程と、該放電を生起させるために該帯電部材に交流電圧及び直流電圧のうち直流電圧だけを印加する工程と、帯電後の該潜像担持体の表面に潜像を形成する工程と、該潜像を現像手段によって現像してトナー像を得る工程とを実施する画像形成方法において、上記間隙を100μm以上、300μm以下に設定することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成方法において、上記トナー像を上記潜像担持体の表面から転写体に転写する転写工程と、該転写工程を経た後の該潜像担持体の表面に付着している転写残トナーを上記現像手段内に回収する回収工程とを実施し、且つ上記潜像を現像するためのトナーとして、平均円形度が0.96以上であるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に所定の間隙を介して対向する表面からの放電によって該潜像担持体を帯電せしめる帯電部材と、該放電を生起させるために該帯電部材に印加する電圧として直流電圧だけを用いる直流電源と、該潜像担持体の表面に担持された潜像を現像する現像手段と、現像によって得られたトナー像を該潜像担持体の表面から転写体に転写する転写手段とを備える画像形成装置に用いられ、少なくとも該潜像担持体と該帯電部材とを1つのユニットとして共通の支持体に支持させて画像形成装置本体に着脱可能にしたプロセスユニットにおいて、上記間隙を100μm以上、300μm以下に設定したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に所定の間隙を介して対向する表面からの放電によって該潜像担持体を帯電せしめる帯電部材と、該放電を生起させるために該帯電部材に印加する電圧として直流電圧だけを用いる直流電源と、該潜像担持体の表面に担持された潜像を現像する現像手段と、現像によって得られたトナー像を該潜像担持体の表面から転写体に転写する転写手段とを備える画像形成装置において、上記間隙を100μm以上、300μm以下に設定したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記転写手段による転写工程を経た後の上記潜像担持体の表面に付着している転写残トナーを該表面上から現像手段内に回収させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記帯電部材による帯電工程に進入させる前の上記転写残トナーを所定の極性に帯電せしめるトナー帯電手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項4乃至6の何れかの画像形成装置において、上記潜像担持体として、感光層がアモルファスシリコンからなるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項4乃至7の何れかの画像形成装置において、上記潜像担持体として、表面層又は感光層が粒子状物質を含有する材料からなるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項4乃至8の何れかの画像形成装置において、上記潜像担持体として、架橋構造を有する樹脂材料からなる表面層を感光層の上に設けたものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の画像形成装置において、架橋構造を有する樹脂材料として、電荷輸送能を発揮するものを用いたことを特徴とするものである。
これらの発明においては、次に説明する理由により、画質を低下させることなく、非接触帯電部材方式を従来よりも低コストで実現することができる。即ち、本発明者らは、後述する実験により、帯電部材に対し、従来のように直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を印加するのではなく、直流電圧だけを帯電部材に印加することで、潜像担持体と帯電部材とのギャップを従来(100μm未満)よりも大きくしても、画像に斑点状の濃度ムラを引き起こさなくなることを見出した。また、ギャップの変動による帯電ムラは、重畳バイアスを印加する場合に比べて、直流バイアスだけを印加する場合の方が大きくなる傾向にあるが、従来よりも大きなギャップであれば、両者に差がなくなることも見出した。よって、帯電部材に直流バイアスを印加することで、ギャップを従来の100[μm]未満よりも大きくしつつ、従来と同様に斑点状の濃度ムラのない画質を得ることができる。更に、ギャップの拡大によって帯電部材の寸法誤差や組み付け誤差の許容範囲を広めて、従来よりも低コスト化を図ることができる。但し、ギャップを300[μm]よりも大きく設定すると、所望の放電量を得るには帯電部材に印加する直流電圧の値を3[kV]以上にしなければならなくなり、帯電部材として従来よりも耐電圧性に優れたものを用いる必要がでてくることもわかった。従来よりも耐電圧性に優れた帯電部材を用いると、それによるコストアップが生じてしまう。そこで、本発明では、ギャップの大きさを300[μm]以下に留めている。これにより、非接触帯電部材方式を従来よりも低コストで実現することができる。
次に、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のレーザープリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、プロセスユニット30、現像装置40、転写ユニット50、定着装置60、レジストローラ対70などを備えている。また、図示しない光書込ユニット、光書込制御回路、給紙カセットなども備えている。
図示しない光書込ユニットは、レーザーダイオードからなる光源、正六面体のポリゴンミラー、これを回転駆動するためのポリゴンモータ、fθレンズ、レンズ、反射ミラー等を有している。
図示しない光書込制御回路は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいて、光書込ユニットのレーザーダイオードやポリゴンモータを駆動する。この駆動によってレーザーダイオードから射出されたレーザー光Lは、ポリゴンミラーの何れか1つの面で反射してポリゴンミラーの回転に伴って偏向せしめられながら、後述する感光体に到達する。そして、感光体表面をその軸線方向に光走査する。
プロセスユニット30は、潜像担持体たるドラム状の感光体1、除電ランプ2、帯電装置3などを支持体たるケーシングに内包している。そして、図示しない駆動手段によって感光体1を図中時計回り方向に回転駆動しながら、その表面を帯電装置3によって一様に帯電させる。このように帯電せしめられた感光体1の表面が光書込ユニットによって暗中にて光走査されると、その露光部の電位が減衰せしめられて静電潜像となる。なお、感光体1は、アルミニウムの素管に下引き層(UL層)、電荷発生層(CGL層)、電荷輸送層(CTL層)を順次コートした多層構造になっている。
プロセスユニット30は、そのケーシングに設けられた開口から感光体1の周面の一部を露出させており、プリンタ本体に対して着脱可能に構成されている。プロセスユニット30における露出領域には、現像装置40が対向している。現像装置40は、トナー、あるいはトナー及び磁性キャリアを含有する現像剤を表面に担持しながら図中反時計回り方向に回転する現像ローラ41を有しており、その周面の一部を、ケーシング42に設けられた開口から露出させ、感光体1に対向させている。感光体1上に形成された静電潜像は、現像ローラ41によってトナー像に現像される。
プロセスユニット30の下方には、無端状の紙搬送ベルト51、駆動ローラ52、従動ローラ53、転写ローラ54等を有する転写手段たる転写ユニット50が配設されている。駆動ローラ52や従動ローラ53は、紙搬送ベルト51をそのループ裏面で支えながら所定のテンションで張架している。また、駆動ローラ52は、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動せしめられることで、紙搬送ベルト51を同方向に無端移動せしめる。転写ローラ54は、紙搬送ベルト51のループ裏面に当接しながら、紙搬送ベルト51を感光体1に向けて押圧している。これにより、感光体1と紙搬送ベルト51のおもて面とが当接する転写ニップが形成されている。この転写ニップには、図示しない電源によって転写バイアスが印加される転写ローラ54と、感光体1との電位差によって転写電界が形成される。
転写ユニット50の図中右側方には、レジストローラ対70が配設されている。図示しない給紙カセットは、カセット内に収容している記録体たる転写紙をレジストローラ対70に向けて送り出す。レジストローラ対70は、給紙カセットから送られてきた転写紙を、2つのローラの間に挟み込んだ後、転写ニップにて感光体1上のトナー像に同期させ得るでタイミングで、転写ユニット50に向けて送り出す。
レジストローラ対70から送り出された転写紙は、転写ユニット50の紙搬送ベルト51の上部張架面に保持されながら、ベルトの無端移動に伴って図中右側から左側へと搬送され、転写ニップに進入する。そして、転写ニップを通過する過程で、上述の転写電界やニップ圧の影響により、感光体1上のトナー像が紙おもて面に転写された後、紙搬送ベルト51の上部張架面から定着装置60に受け渡される。
定着装置60は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包しながら回転駆動される定着ローラ61と、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ62とによって定着ニップを形成している。そして、紙搬送ベルト51の上部張架面から送られてきた転写紙をこの定着ニップに挟み込みながら搬送する過程で、定着ローラ61での加熱やニップ圧による定着処理を転写紙に施す。この定着処理によってトナー像が定着せしめられた転写紙は、図示しない排紙ローラ対を経由して機外へと排出される。
上述の転写ニップを通過した後の感光体1表面は、除電ランプ2から照射される光によって除電されて次の静電潜像の形成に備えられる。
図2は、プロセスユニット30の帯電装置3を感光体1とともに示す概略構成図である。同図において、帯電装置3は、金属製の軸部材4aと、これの表面に被覆された導電性のゴムや樹脂材料からなる導電弾性層4bとを有する帯電ローラ4を有している。帯電ローラ4の軸部材4aの軸線方向における両端部は、それぞれ図示しない軸受けによって回転自在に支持されており、軸部材4aは、図3に示すように帯電ローラモーター6に接続されている。帯電ローラモーター6の駆動により、帯電ローラ4は図2において図中反時計回り方向に回転せしめられる。
帯電ローラ4の導電弾性層4bの軸線方向における両端部には、図3に示すように、それぞれ、その全周に渡って突き当てコロ5が圧入及び接着によって固定されている。これら突き当てコロ5は、導電弾性層4bよりも大きな径になっており、感光体1に突き当たりながら帯電ローラ4とともに回転する。この突き当たりにより、図2に示すように、感光体1の表面と、帯電ローラ4の導電弾性層4bとの間には所定のギャップGが維持され、帯電部材たる帯電ローラ4が潜像担持体たる感光体1に対してこのギャップGを介して対向している。
帯電ローラ4の軸部材4aは、直径4〜20[mm]程度のステンレス鋼やアルミニウムなどの金属材料から構成されている。この軸部材4aには、図3に示すように、帯電電源回路7が接続されており、この帯電電源回路7によって帯電バイアスが印加される。導電弾性層4bは、ゴムあるいは樹脂材料中にカーボン粉末等の導電材が分散せしめられた材料からなり、これによってある程度の導電性を発揮する。帯電ローラ4全体としての体積抵抗値は10〜1012[Ω・cm]になっている。これに対し、帯電ローラ4の両端部に挿入された突き当てコロ5は、絶縁性材料からなり、導電弾性層4bから突き当てコロ5を介した感光体1への電流のリークを阻止している。かかる構成の帯電ローラ4は、感光体1に対して所定のギャップを介して対向しながら回転して自らの表面を無端移動させつつ、導電弾性層4bからの放電によって感光体1の表面を一様帯電せしめる。
2つの突き当てコロ5は、上述のように圧入及び接着によって導電弾性層4bに固定されているが、感光体1に突き当たりながら回転することで、帯電ローラ4との間にねじれが起こり、やがて導電弾性層4bとの間に亀裂を発生させるおそれがある。そこで、圧入及び接着に代えて、ベアリング等によって回転自在に固定する方法を採用することがより望ましい。
突き当てコロ5の材料としては、アルミニウム、鉄、ニッケルなどの金属及びその酸化物、Fe−Ni合金、ステンレス鋼、Co−Al合金、Ni鋼、ジュラルミン、モネル、インコネルなどの金属合金、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、などのポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、およびその共重合体(例えばPFA、FEP)などのフッ素樹脂、ポリイミド樹脂などを例示することができる。特にトナーを固着させ難い離型性に優れた材料が好適である。
導電弾性層4bは、より詳しく説明すると、中抵抗の材料からなる下層と、表層とから構成されている。下層の体積抵抗率は10〜10[Ω・cm]程度に調整され、その厚さは例えば1〜2[mm]程度である。下層の材料は、母材とこれに分散された導電材とからなるものである。母材としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリスチレン及びその共重合体(AS、ABS)などのスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのアクリル系樹脂など、加工性のよい汎用樹脂を用いることができる。導電材としては、過酸化リチウムなどのアルカリ金属円、過塩素酸ナトリウムなどの過塩素酸塩、テトラブチルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩、高分子型導電剤などのイオン系導電剤を用いることができる。また、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックでもよい。
表層の体積抵抗率は10〜1011[Ω・cm]程度に調整され、その厚さは、例えば10〜30[μm]程度である。表層の材料も母材中に導電材を分散せしめたものを用いることができる。母材としては、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂などの適宜な材料を用いることができる。特に、トナーを固着させ難いフッ素樹脂が好適である。導電材としては、ケッチェンブラックやアセチレンブラックなどのカーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズなどの金属酸化物などからなる電子導電性導電剤、またはその他の適宜な導電性物質を用いることができる。
上述の転写ニップを通過した後の感光体1表面には、転写紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、マイナス極性の帯電バイアスが印加される帯電ローラ4からの放電によってマイナス極性にチャージアップされた後、感光体1の回転に伴って現像装置40との対向位置である現像位置に至る。そして、この現像位置にて、現像ローラ41上に回収される。
電子写真プロセスでは、感光体1を一様に帯電させる方式として、コロナ放電方式を採用することが一般的である。従来から広く利用されているコロナ帯電方式では、白金やタングステンなどからなる直径50〜200[μm]程度のワイヤー電極や、ステンレス材料などの針状電極の周囲に、導電性のケース電極を配設したコロナチャージャーを用いる。そして、電極とケースとの間に直流もしくは交流の高圧バイアスを印加して、電極周辺で空気分子を電離せしめたイオンを発生させて被帯電体たる感光体1を帯電させる。遠距離からの均一な帯電が可能であるが、空気を電離・イオン化させることにより、オゾン、窒素酸化物といった放電生成物を生成してしまう。その発生量はオゾン、窒素酸化物ともに60分動作で4〜10[ppm]にも上ることが知られている。オゾンは、高濃度で画像形成装置内に滞留すると、感光体1表面を酸化させる。そして、感光体の光感度や帯電能力を低下させて、画質を劣化させてしまう。このような現象は、例えば、「明珍寿史 他、"オゾンによる感光体劣化軽減のためのコロナチャージャーの開発"、電子写真学会誌、第31、1、1992」などにおいて報告されている。感光体以外の部材を劣化させることもあり、画像形成装置内における様々な部品の寿命を低下させる要因となる。
また、コロナ放電によって生成される窒素酸化物は、空気中の水分と反応して硝酸になったり、金属と反応して金属硝酸塩となったりする。これらの生成物は低湿環境下では高抵抗であるが、高湿環境下では空気中の水と反応し、低抵抗となる。そして、感光体1表面に硝酸または硝酸塩による薄い膜を形成し、異常画像を発生させることもある。硝酸、硝酸塩が吸湿することで低抵抗となり、感光体1表面の静電潜像を壊わしてしまうからである。更に、窒素酸化物は放電後も空気中に分解されずにその場に留まっているため、窒素酸化物から生成された化合物の感光体表面への付着は、帯電を行っていないとき、即ち、画像形成動作の休止期間中にも起こる。そして、この化合物は、時間が経過するにつれて、感光体の表面から内部に浸透し、感光体1を経時的に劣化させていく。
また、コロナ帯電方式では、遠距離からの放電のため印加電圧がかなりの高電圧(4kV〜−10kV)となる。帯電電位が帯電時間によって変わることによって必要な帯電電位(−400V〜−1000V)を得るためにはケース電極の感光体回転方向の幅を大きくする必要があり、プリント速度が速い画像形成装置を小型化しにくいという欠点もある。
一方、本プリンタのように帯電ローラ4などの帯電部材によって感光体1を帯電させる方式では、コロナ帯電方式に比べて、60分動作後のオゾン発生量を少なくすることができる(例えば0.01ppm)。また、印加電圧を低くすることもできるので、電源や経費の低コスト化を実現することができる。更には、オゾンや窒素酸化物(NO)などの生成物による不具合も低減する。帯電部材によって被帯電体を帯電させる方法は、特開昭57−178257号公報、特開昭56−104351号公報、特開昭58−40566号公報、特開昭58−139156号公報、特開昭58−150975号公報、特開昭63−7380号公報などに開示されている。帯電部材と被帯電体とを接触又は微妙ギャップを介して対向せしめ、両者間にパッシェンの法則による放電を生じせしめることで被帯電体を帯電せしめる。特開昭63−149669号公報に開示されているように、目標帯電電位に相当する直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を印加することで帯電均一化を一層促進することができる。交流電圧を印加することで、帯電部材と被帯電体との間で電界の向きが短時間で反転させ、放電、逆放電を繰り返し生起せしめて均一な帯電を得ることができる。但し、電流量を増加させることで、オゾンや窒素酸化物の発生量を増やしてしまうという欠点もある。例えば、600分動作後のオゾン発生量は直流電圧だけの場合の0.01ppmに比べ、3ppm程度まで増加させる。
なお、帯電部材を被帯電体に接触させながら回転させる方式では、帯電部材と被帯電体との間に進入した異物によって帯電不良を発生させることがある。また、帯電部材の一部を被帯電体に押圧させた状態で長期間放置すると、横スジ等の画像不良を生じることがある。
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
本プリンタの帯電装置3のように、ギャップGを介して帯電ローラ4を感光体1に対向させる非接触帯電部材方式では、帯電ローラ4及び感光体1の寸法誤差や偏心などに起因して生ずるローラ回転に伴うギャップ変動により、感光体1に帯電ムラを発生させ易い。特に、帯電ローラ4に印加する帯電バイアスとして、DCバイアスだけを採用した場合には、帯電ムラが発生し易くなる。そこで、DCバイアスに、ピーク間電圧Vppが帯電開始電圧の2倍以上であるACバイアスを重畳した重畳バイアスを採用し、ギャップ変動による帯電ムラを抑えるのが一般的であった。しかしながら、重畳バイアスでは、帯電電位を安定化させることができるものの、帯電ローラ4と感光体1との間において、正放電(ローラから感光体に向かって電荷が移動)と逆放電(感光体からローラに向かって電荷が移動)と繰り返し起こすことから、感光体1を劣化させ易かった。また、上述したように、DCバイアスに比べて、オゾンや窒素酸化物を発生させ易くなるという欠点もあった。更には、ギャップを大きくし過ぎると、画像に斑点状の濃度ムラを引き起こすことから、ギャップを100[μm]未満という非常に小さな値に設定せざるを得なかったが、このような微小ギャップを安定して得るべく帯電ローラ4の部品精度や組付精度を相当に高くすることでコストアップを引き起こしていた。
これらの問題に対処すべく、本発明者らは、帯電バイアスとして、重畳バイアスに代えて、DCバイアスだけを採用して、様々な実験を試みた。具体的には、先に図1に示したプリンタと同様の構成の試験機を用意し、この試験機においてDCバイアスだけからなる帯電バイアスを帯電ローラ4に印加しながらテスト画像をプリントアウトしてみた。帯電ローラ4としては、互いに異なった値のギャップを形成する複数のものを用意し、これらを順次取り替えながらテスト画像を出力した。また、DCバイアスの値については、帯電ローラ4の交換によってギャップを変化させても、感光体1を−1160[V]に一様帯電させるように、ギャップの値に応じて変化させた。
この実験において、本発明者らは次のような非常に興味深い現象を見出した。即ち、従来より、DCバイアスだけからなる帯電バイアスは、重畳バイアスに比べてギャップ変動による帯電ムラを引き起こし易くなると考えられていた。DCバイアスでは、帯電ローラ4が1回転する間において、ギャップが小さくなるときには感光体1の帯電電位の絶対値が大きくなり、ギャップが大きくなるときには帯電電位の絶対値が小さくなり、それぞれの絶対値はギャップの間に依存するためである。ところが、本発明者らが行った実験において、ギャップの大きさが100[μm]以上である場合には、両バイアスにおいてギャップ変動による帯電ムラの度合いに有意差が認められなかったのである。
図4は、帯電ローラ4の1回転あたりにおけるギャップ変動量と、感光体1における帯電電位差(△Vd)との関係を示すグラフであり、帯電バイアスとしてDCバイアスが採用された条件下での実験結果を示している。同図において、「◆」で示されるプロット点は、15〜75[μm]という小ギャップの条件下で測定された結果を示している。また、「△」で示されるプロット点は、100、200又は300[μm]という広ギャップの条件下で測定された結果を示している。これらのギャップの値は、帯電ローラ4が1回転する間に刻々と変化するギャップ値のうちの最小値を表している。また、△Vdとは、感光体1の表面電位について、A3サイズに相当する領域内の複数箇所で測定していき、測定結果の最大値と最小値との差を求めたものである。感光体1の周長はA3縦サイズよりも小さいので、感光体1を複数周回に渡って帯電させながら、帯電電位を適宜測定した。同図に示されるように、15〜75[μm]、即ち、100[μm]未満という微小ギャップの条件下では、1回転あたりのギャップ変動量が6[μm]から25[μm]まで徐々に大きくなるのにつれて、感光体1の帯電電位差(△Vd)も大きくなっていくことがわかる。これに対し、100[μm]以上という広ギャップの条件下では、1回転あたりのギャップ変動量が6[μm]から25[μm]まで徐々に大きくなっていっても、帯電電位差は大きくならないことがわかる。よって、ギャップを100[μm]以上に設定すれば、DCバイアスを採用しても、重畳バイアスを採用する場合と同様に、ギャップ変動による帯電ムラの発生を抑えることが可能になる。また、重畳バイアスに比べて、感光体1の劣化や、オゾン等の発生を抑えることもできる。しかも、同時に示したように、25[μm]という比較的大きな大きなギャップ変動でも帯電ムラを引き起こさないことから、従来に比べて帯電ローラ4の寸法精度や組付精度を低くして、低コスト化を図ることができる。
但し、ギャップを300[μm]よりも大きく設定すると、感光体1を−1560[V]に一様帯電させるために必要なDCバイアスの値が3[kV]を超えてしまう。このような高電圧では、従来と同様の仕様では帯電ローラ4が耐えきれないため、帯電ローラ4を耐高電圧仕様にしなければならない。そして、それによってコストアップを招来してしまう。なお、現像ローラ41に印加する現像バイアスの値については、−1550Vに設定した。また、転写ニップにおける転写電流については12[μA]に設定した(定電流制御)。また、ギャップを200[μm]に設定した場合において、感光体1を−1160[V]に一様帯電させるために必要なDCバイアスは−2.7[kV]であった。
また、本発明者らは、上述した実験において、次のような興味深い現象も見出した。即ち、重畳バイアスの場合には、ギャップの大きさを100[μm]以上に設定すると、画像の斑点状の濃度ムラを引き起こしていたが、DCバイアスの場合には、100[μm]以上に設定しても斑点状の濃度ムラを引き起こさなかった。画像濃度変動が人の目につきやすい単色ハーフトーン画像でも、画像濃度差を低く保つことができた。この理由は定かではないが、次のように考えられる。即ち、帯電ローラ4から感光体1への放電は、電圧値が放電開始電圧(Vth)付近で変化するときに不安定になり易い。重畳バイアスでは、そのAC成分によって電圧値が何度も放電開始電圧付近の値を行き来するため、微妙な帯電ムラが発生し易くなると考えられる。
以上の実験結果に鑑みて、本プリンタでは、感光体1と帯電ローラ4とのギャップを100〜300[μm]に設定し、帯電バイアスとして、AC成分を含まないDCバイアスを供給させるように、上述の帯電電源回路7を構成している。なお、従来より、帯電バイアスとしてDCバイアスを採用する場合には、重畳バイアスを採用する場合に比べて、感光体1上の転写残トナーを帯電ローラ4に付着させ易くなることが知られているが、本発明者らの実験によれば、ギャップ100[μm]という条件では、両バイアスにおいて転写残トナーの付着のし易さに有意差は認められなかった。よって、ギャップを100[μm]以上にすることで、重畳バイアスを採用する場合に比べて転写残トナーを帯電ローラ4に付着させ易くなるというDCバイアスの欠点も克服することができる。
本プリンタでは、転写残トナーを感光体1からクリーニングするためのクリーニング手段を設けておらず、転写残トナーを現像装置40の現像ローラ41に回収するクリーナーレス方式を採用している。クリーナーレス方式では、クリーニング手段を設ける場合に比べて感光体1のクリーニング効果を低下させることから、転写残トナーをできるだけ少なくすることが望ましい。転写残トナーを少なくする方法としては、転写ローラ54に印加する転写バイアスを十分に大きくする方法があるが、大きくし過ぎると、転写時に画像部内のトナーを画像部周囲に飛び散らせる転写チリという現象を発生させ易くなる。転写チリを発生させない値に転写バイアスを留めつつ、十分なクリーニング効果をクリーナーレス方式で得るためには、転写バイアスを大きくすることとは異なる方法によって転写残トナーの量を少なくする必要がある。
本発明者らは、平均円形度が互いに異なる3種類のトナー(平均円形度0.90、0.96、0.99)を用意し、これらによってテストベタ画像を順次形成する実験を行った。この実験においては、プリンタの試験機として、感光体上に形成したトナー像を中間転写ベルト上に転写するものを用いた。この試験機において現像バイアスを調整することにより、テストベタ画像の単位面積あたりにおけるトナー付着量が0.6mg/cmになるようにした。また、作像条件(帯電、露光、現像)については、それぞれのトナーで同じに設定した。感光体上で現像したテストベタ画像を中間転写ベルトに転写した後、感光体表面をクリーニング装置まで移動させる前に、試験機を強制的に停止した。そして、転写工程後の感光体表面に付着している転写残トナーを、トナー採取用のフィルターが取り付けられた吸引治具によってエアー吸引して採取し、その重量[mg]を測定した。この測定結果と、感光体上におけるテストベタ画像の面積[cm]とに基づいて、感光体のテストベタ画像形成領域における単位面積あたりの転写残トナー付着量[mg/cm]を算出した。
図5は、この実験によって算出した転写残トナー付着量と、転写電圧との関係を示すグラフである。同図に示すように、平均円形度が0.96のトナーや、平均円形度が0.99のトナーでは、転写電圧が1300〜3800[V]の範囲で変化しても、転写残トナー量はほぼ一定であった。これに対し、平均円形度が0.90のトナーでは、転写電圧が1800[V]以下になると、転写残トナー量が急激に増加してしまうことがわかる。平均円形度が大きくなるほど転写残トナー量を少なく抑えることができるのである。そして、平均円形度が0.96未満のトナーでは、転写電圧の値によっては非常に多くの転写残トナーを発生させてしまうことになる。そこで、本プリンタでは、トナーとして、平均円形度が0.96以上のものを用いるようになっている。これにより、クリーナーレス方式においても、転写残トナーを十分に現像ローラ41上に回収して、転写残トナーの蓄積による部品劣化を抑えることができる。
トナーの平均円形度については、次のようにして測定することができる。即ち、まず、被検トナーのトナー粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的にその2次元投影像を撮影する。そして、個々の2次元投影像について、それと面積の等しい真円の周囲長Lを、2次元投影像の周囲長Lで除した値を求めたものの1万個あたりの平均値を算出する。この平均値が平均円形度である。かかる平均円形度を測定するには、例えばフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)などを用いるとよい。この装置を用いる場合には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に被検トナーを0.1〜0.5[g]程度加える。そして、この懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度を3000〜1[万個/μl]に調整したものを、FPIA−2100にかけてトナーの形状及び分布を測定する。
本プリンタにおいては、図示を省略しているが、感光体1上の転写残トナーを所定の極性であるマイナス極性に帯電せしめるトナー帯電手段を、帯電装置3とは別に設けている。このトナー帯電手段は、上述の転写ニップを通過した後の感光体1表面に付着している転写残トナーを、帯電装置3との対向位置に進入させる前に、マイナス極性に帯電させる。そして、この帯電により、帯電ローラ4のトナー汚れを抑える役割を果たしている。具体的には、転写ニップにおいては、転写体たる転写紙表面に転位せずに感光体1表面に付着したままになっているトナーに対して、転写電流によってプラスの電荷が付与される。これにより、転写ニップを通過した後の感光体1表面に付着している転写残トナー中には、プラス極性に帯電しているトナー粒子、僅かではあるが転写前と同じマイナス極性に帯電しているトナー粒子、及び無帯電のトナー粒子のそれぞれが存在するようになる。これら3種類のトナー粒子の比率は、転写条件、温湿度、画像面積比率、画像濃度などによって左右される。たとえば1回の画像形成動作の中でトナー付着量が感光体1の場所によって異なる場合には、転写残トナーの帯電量はトナー付着量が比較的小さい場合にはより大きいプラス側にシフトする。また、トナー付着量が比較的大きい場合にはプラス側へのシフト量が小さくなる。帯電ローラ4と感光体1との対向領域では、感光体1の転写残トナーに対して帯電ローラ4からの放電によるマイナス電荷が付与されることが多い。しかし、転写残トナー中でプラスに帯電しているトナー粒子は、このようにマイナス電荷が付与される前に、マイナスの電位を帯びている帯電ローラ4に向けて感光体1表面から飛翔して帯電ローラに付着することがある。これにより、帯電ローラ4表面にトナー汚れが形成され、トナー汚れの箇所による帯電が不良になってしまうことがある。
そこで、このトナー汚れを低減させる目的で、転写ニップを通過した後、帯電装置3による帯電工程に進入する前の感光体1表面に付着している転写残トナーを、マイナス極性に帯電せしめるトナー帯電手段を設けているのである。これにより、転写残トナー中の各トナー粒子を確実にマイナス極性に帯電させた状態で転写工程に進入させて、上述の飛翔によるトナー汚れを抑えるのである。
トナー帯電手段としては、金属製の回転軸部材の表面に導電性の起毛を無数に立設せしめたブラシを感光体1表面に摺擦せしめながら、回転軸部材にマイナスのバイアスを印加する方式のものを例示することができる。また、導電性フィルム、導電性ブレード、導電性ローラ、導電性チューブ、導電性スポンジなどを感光体ドラムに接触させた状態で、それらにマイナスのバイアスを印加するものでもよい。印加するバイアスとしては、DC200〜800V、あるいは直流に交流を重畳したものを採用することができる。電圧値は、ブラシやローラ等の材質や抵抗にもよるが、抵抗値が十分に低い材料(10〜10[Ω・cm])を用いた場合には、転写後の感光体表面電位よりもマイナス側に250〜400[V]程度大きい値であることが望ましい。これ以上に電位差を大きくすると、放電が発生して感光体1に悪影響を与える場合がある。
トナー帯電手段において、感光体1に接触せしめるブラシ等の接触部材については、温湿度環境の変動に伴う抵抗値の変動が比較的小さな材料で構成したものを用いることが望ましい。抵抗値の変動が比較的大きな材料を用いた場合には、温湿度を周知のセンサによって検知させ、検知結果に応じて印加電圧値を変化させる構成を採用するとよい。また例えば、転写ニップを通過した直後の感光体1の表面電位を周知の電位センサによって検知させ、検知結果よりもマイナス側に250〜400[V]程度大きくなるバイアスを、接触部材やこれの支持部材に印加するようにしてもよい。
本プリンタでは、トナー帯電手段として、金属製の回転軸部材上に形成された抵抗10〜10Ωのブラシを感光体1の表面に摺擦させながら回転させる方式のものを採用している。感光体1上の転写残トナーは、このブラシと接触することで0あるいはマイナス極性に電荷量が制御される。その後、感光体1表面が除電ランプ2によって除電された後、プラス極性に帯電したトナー粒子を含まない転写残トナーが帯電ローラ4との対向部に進入する。そして、帯電ローラ4からの放電によって更にマイナス極性にチャージアップし、帯電ローラ4とのギャップをすり抜ける。この後、レーザー光Lによる光書込位置を通過した後、現像領域に進入して現像ローラ41上に回収される。
感光体1としては、耐摩耗性に優れたものを用いることが望ましい。耐摩耗性に優れた感光体1としては、アモルファスシリコン系の表面層を設けたものを例示することができる。かかる感光体1(以下、「a−Si系感光体」と言う)については、例えば次のようにして製造する。即ち、まず、アルミニウム素管などの導電性支持体を50〜400℃に加熱し、その導電性支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を被覆する。なかでも、プラズマCVD法、即ち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適である。
また、耐摩耗性に優れた感光体1としては、むき出しの感光層、あるいは感光層の上に被覆された表面層が粒子状物質を含有する材料からなるものを例示することができる。むき出しの感光層を採用する場合には、感光層に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質と粒子状物質を含有せしめ、且つ、感光層の粒子状物質を導電性基体側よりも表面側でより多く含有せしる。むき出しの感光層、表面層の何れであっても、粒子状物質については、バインダー樹脂、低分子電荷輸送物質、及び高分子電荷輸送物質とともに粉砕、分散して、塗工する。粒子状物質の層中における含有量は、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%がよい。10重量%以下であると耐摩耗性が十分に得られなくなる。また、50重量%以上であると層の透明性が損なわれる。粒子状物質については、平均粒径を0.05〜1.0μm、好ましくは0.05〜0.8μmに粉砕したものを用いるとよい。層の母材樹脂より堅いものを用いる必要があるが、無機物質、有機物質のどちらでもよい。例えば、酸化チタン、シリカ、酸化錫、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、窒化ケイ素、酸化カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の金属酸化物が挙げられるが、特に良好なものとして酸化チタン、シリカ、酸化ジルコニウム等が挙げられる。これら粒子状物質は分散性向上などの理由から無機物、有機物で表面処理されてもよい。一般に撥水性処理としてシランカップリング剤で処理したもの、あるいはフッ素系シランカップリング剤処理したもの、高級脂肪酸処理したもの。無機物処理としてはフィラー表面をアルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ処理したものが使用可能である。
また、耐摩耗性に優れた感光体1としては、架橋構造を有する樹脂材料からなる表面層を感光層の上に設けたものを例示することもできる。架橋構造については、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせることで得ることができる。この架橋反応により、3次元の網目構造を形成し、この網目構造によって高い耐摩耗性を得ることができる。電気的な安定性、耐刷性、寿命の観点から、上記反応性モノマーとして、全部もしくは一部に電荷輸送能を有するモノマーを使用することは非常に有効である。このようなモノマーを使用することにより、網目構造中に電荷輸送部位を形成し、保護層としての機能を十分に発揮させることができる。
電荷輸送能を有する反応性モノマーとしては、同一分子中に電荷輸送性成分と加水分解性の置換基を有する珪素原子とを少なくとも1つずつ以上含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とヒドロキシル基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とカルボキシル基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とエポキシ基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とイソシアネート基とを含有する化合物等が挙げられる。これら反応性基を有する電荷輸送性材料は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。さらに好ましくは、電荷輸送能を有するモノマーとして、電気的・化学的安定性が高いこと、キャリアの移動度が速いこと等から、トリアリールアミン構造を有する反応性モノマーが有効に使用される。これ以外に塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能の重合性モノマー及び重合性オリゴマーを併用することができる。これらの重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
正孔輸送性化合物については、熱または光を用いて重合または架橋せしめるが、熱により重合反応を行う際には、熱エネルギーのみで重合反応が進行する場合と重合開始剤が必要になる場合がある。より低い温度で効率よく反応を進行させるためには、開始剤を添加することが好ましい。光によって重合させる場合は、光として紫外線を用いることが好ましいが、光エネルギーのみで反応が進行することはごく稀であり、一般には光重合開始剤が併用される。この場合の重合開始剤とは、主には波長400nm以下の紫外線を吸収してラジカルやイオン等の活性種を生成し、重合を開始させるものである。
網目構造を有する表面層は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。このような場合には、保護層を積層構造として、下層(感光層側)には低分子分散ポリマーの保護層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する保護層を形成しても良い。例えば、182重量部のメチルトリメトキシシラン、40重量部のジヒドロキシメチルトリフェニルアミン、225重量部の2−プロパノール、106重量部の2%酢酸、及び1重量部のアルミニウムトリスアセチルアセトナートを混合し、保護層用の塗布液を調製する。この塗布液を電荷輸送層の上に塗布・乾燥し、110℃、1時間の加熱硬化を行って膜厚3μmの保護層を得ればよい。また例えば、次のようにしてもよい。即ち、30重量部の正孔輸送性化合物(化1参照)と、アクリルモノマー(化2参照)及び光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)の混合物(0.6重量部)とを、50重量部のモノクロロベンゼンと50重量部のジクロロメタンとの混合溶媒中に溶解し、表面保護層用塗料を調製する。そして、この塗料をスプレーコーティング法によって電荷輸送層上に塗布し、メタルハライドランプを用いて500[mW/cm]の光強度で30秒間硬化させることによって、膜厚5μmの表面保護層を得る。
Figure 2007065119
Figure 2007065119
以上、本実施形態に係るプリンタにおいては、トナー像を潜像担持体たる感光体1の表面から転写体たる転写紙に転写する転写工程と、この転写工程を経た後の感光体1の表面に付着している転写残トナーを現像手段たる現像装置40の現像ローラ41に回収する回収工程とを実施し、且つ感光体1の潜像を現像するためのトナーとして、平均円形度が0.96以上であるものを用いている。かかる構成では、既に述べたように、クリーナーレス方式を採用しても転写残トナーを現像装置40内に十分に回収しつつ、転写バイアスを大きくし過ぎることによる転写チリを回避することができる。
また、本プリンタでは、転写手段たる転写ユニット50による転写工程を経た後の感光体1の表面に付着している転写残トナーを、感光体1の表面上から現像装置40に回収させるようにしている。かかる構成では、転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段を省いて低コスト化を実現することができる。
また、本プリンタでは、帯電部材たる帯電ローラ4による帯電工程に進入させる前の転写残トナーを所定の極性であるマイナス極性に帯電せしめるトナー帯電手段を設けている。かかる構成では、既に述べたように、転写ニップでプラス極性に逆帯電したしまったトナーを感光体1表面から帯電ローラ4に向けて飛翔させることによる帯電ローラ4のトナー汚れを抑えることができる。
なお、本プリンタにおいて、感光体1として、感光層がアモルファスシリコンからなるものを用いた場合には、感光層をむき出しのままにしても、感光層を傷付け難くして長寿命化を図ることができる。
また、本プリンタにおいて、感光体1として、表面層又は感光層が粒子状物質を含有する材料からなるものを用いた場合には、粒子状物質によって感光体1を削れ難くして、感光体1の長寿命化を図ることができる。
また、本プリンタにおいて、感光体1として、架橋構造を有する樹脂材料からなる表面層を感光層の上に設けたものを用いた場合には、表面層中に3次元の網目構造を形成して高い耐摩耗性を発揮させる。これにより、感光体1を削れ難くして感光体1の長寿命化を図ることができる。
更に、かかる表面層の樹脂材料として、電荷輸送能を発揮するものを用いた場合には、表面層中に電荷輸送部位を形成し、保護層としての機能を十分に発揮させつつ、表面層を電気的に安定させることができる。
実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタのプロセスユニットの帯電装置を感光体とともに示す概略構成図。 同帯電装置の帯電ローラを感光体とともに示す正面図。 同帯電ローラの1回転あたりにおけるギャップ変動量と、感光体における帯電電位差(△Vd)との関係を示すグラフ。 転写残トナー量と、転写電圧との関係を示すグラフ。
符号の説明
1:感光体(潜像担持体)
3:帯電装置(帯電手段)
4:帯電ローラ(帯電部材)
7:帯電電源回路(直流電源)
30:プロセスユニット
40:現像装置(現像手段)
50:転写ユニット(転写手段)

Claims (10)

  1. 潜像担持体に所定の間隙を介して対向させた帯電部材の表面からの放電によって該潜像担持体を帯電せしめる工程と、該放電を生起させるために該帯電部材に交流電圧及び直流電圧のうち直流電圧だけを印加する工程と、帯電後の該潜像担持体の表面に潜像を形成する工程と、該潜像を現像手段によって現像してトナー像を得る工程とを実施する画像形成方法において、
    上記間隙を100μm以上、300μm以下に設定することを特徴とする画像形成方法。
  2. 請求項1の画像形成方法において、
    上記トナー像を上記潜像担持体の表面から転写体に転写する転写工程と、該転写工程を経た後の該潜像担持体の表面に付着している転写残トナーを上記現像手段内に回収する回収工程とを実施し、且つ上記潜像を現像するためのトナーとして、平均円形度が0.96以上であるものを用いたことを特徴とする画像形成方法。
  3. 無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に所定の間隙を介して対向する表面からの放電によって該潜像担持体を帯電せしめる帯電部材と、該放電を生起させるために該帯電部材に印加する電圧として直流電圧だけを用いる直流電源と、該潜像担持体の表面に担持された潜像を現像する現像手段と、現像によって得られたトナー像を該潜像担持体の表面から転写体に転写する転写手段とを備える画像形成装置に用いられ、少なくとも該潜像担持体と該帯電部材とを1つのユニットとして共通の支持体に支持させて画像形成装置本体に着脱可能にしたプロセスユニットにおいて、
    上記間隙を100μm以上、300μm以下に設定したことを特徴とするプロセスユニット。
  4. 無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に所定の間隙を介して対向する表面からの放電によって該潜像担持体を帯電せしめる帯電部材と、該放電を生起させるために該帯電部材に印加する電圧として直流電圧だけを用いる直流電源と、該潜像担持体の表面に担持された潜像を現像する現像手段と、現像によって得られたトナー像を該潜像担持体の表面から転写体に転写する転写手段とを備える画像形成装置において、
    上記間隙を100μm以上、300μm以下に設定したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4の画像形成装置において、
    上記転写手段による転写工程を経た後の上記潜像担持体の表面に付着している転写残トナーを該表面上から現像手段内に回収させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5の画像形成装置において、
    上記帯電部材による帯電工程に進入させる前の上記転写残トナーを所定の極性に帯電せしめるトナー帯電手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項4乃至6の何れかの画像形成装置において、
    上記潜像担持体として、感光層がアモルファスシリコンからなるものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項4乃至7の何れかの画像形成装置において、
    上記潜像担持体として、表面層又は感光層が粒子状物質を含有する材料からなるものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項4乃至8の何れかの画像形成装置において、
    上記潜像担持体として、架橋構造を有する樹脂材料からなる表面層を感光層の上に設けたものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項9の画像形成装置において、
    架橋構造を有する樹脂材料として、電荷輸送能を発揮するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
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