JP2007322515A - 画像形成装置及びこれに用いられる転写装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写チリ及び転写ムラの両方の発生を抑えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】表面にトナー像を担持する感光体3Y,C,M,Kと、複数の張架ローラに張架されて無端移動せしめられながらおもて面を各感光体に当接させて1次転写ニップを形成する無端状の中間転写ベルト41と、これの裏面における全領域のうち、1次転写ニップの裏側領域に当接しながら転写バイアスを印加する1次転写ローラ45Y,C,M,Kとを備え、各1次転写ニップにて、感光体3Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像を中間転写ベルト41のおもて面に転写する画像形成装置において、中間転写ベルト41の電荷を除去するための電荷除去用電極ブレード51Y,C,M,Kを1次転写ニップの上記裏側領域に当接させるとともに、各電荷除去用電極ブレード51Y,C,M,Kに、その振動を抑える制振部材をそれぞれ固定した。
【選択図】図5

Description

本発明は、感光体等の像担持体と、無端移動するベルト部材のおもて面との当接によって形成した転写ニップで、像担持体上のトナー像をベルトおもて面又はこれに保持される記録部材に転写する画像形成装置に関するものである。また、かかる画像形成装置に用いられる転写装置に関するものである。
従来、この種の画像形成装置として、例えば特許文献1に記載のもののように、ベルト部材の裏面(ループ内側面)における全領域のうち、転写ニップの裏側領域(以下、ニップ裏側という)に転写バイアス部材を当接させて転写バイアスを印加するものが知られている。かかる構成では、ベルト部材の無端移動に伴ってベルト部材と像担持体とが接触を開始する転写ニップ入口の直前や、離間を開始する転写ニップ出口の直後で発生する放電によって転写チリを引き起こすことがある。具体的には、像担持体と転写バイアス部材との間でベルト部材を介して流れる転写電流の一部は、両者間で真っ直ぐに直進しないでベルト周方向に回り込み、転写ニップ入口付近や転写ニップ出口付近を流れる。このような転写電流は、ベルト部材と像担持体との間に形成される微妙ギャップを介して両者間で放電し易い。そして、転写ニップ入口の直前や転写ニップ出口の直後で放電が発生すると、その衝撃やトナーへの電荷注入によってトナー像中の一部のトナーを像周囲に飛び散らせて転写チリを発生させるのである。
転写電流を比較的小さくすれば、かかる転写チリの発生を抑えることができるが、そうすると、文字画像などといった画像面積率の比較的小さな画像において転写電流の大部分が非画像部に流れ込んで転写不良を引き起こしてしまう。このため、転写電流については、画像面積率の比較的小さな画像でも十分な転写が行えるように、ある程度大きな値に設定せざるを得ず、転写チリを発生させ易くなってしまうのが現状である。
特開2001−272868号公報
そこで、本発明者らは、十分量の転写電流をニップ裏側に供給しつつ、ニップ裏側に当接させた電極ブレードなどの電極部材から、余分な電流を逃がすようにした新規な画像形成装置を開発中である。かかる構成によれば、余分な電流を転写ニップ入口や転写ニップ出口に回り込ませずに、電極ブレードから逃がしてやることで、転写ニップ入口付近や転写ニップ出口付近での放電の発生を抑えることができる。
しかしながら、かかる構成では、電極部材の振動によってベルト部材と電極部材との接触圧力を微妙に変化させてしまうことで、転写バイアス部材と像担持体との間に流れる転写電流の値を変化させ易い。そして、これにより、転写ムラを引き起こしてしまうことがわかった。具体的には、電極部材として、電極ブレードなどをベルト部材に当接させて、無端移動するベルト部材と摺擦せしめる構成では、その摺擦に伴って電極部材をどうしても振動させてしまう。そして、この振動に起因する接触圧力の変化によって転写電流を微妙に変動させてしまうのである。また、電極部材として、従動回転可能な電極ローラを用いた場合であっても、軸受けに支持される両端側では振動を発生させないものの、軸受けに支持されないローラ中央部ではベルト部材の波打ちなどに伴ってどうしても微妙な撓みによる振動を発生させてしまう。
これまで、トナー像を像担持体からこれに当接するベルト部材に転写する場合に生ずる問題について説明してきたが、ベルト部材の表面に保持される記録紙等の記録部材に転写する場合にも、同様の問題が生じ得る。また、トナー像をベルト部材からこれに当接する当接部材あるいはこれの表面に保持される記録部材に転写する場合にも、同様の問題が生じ得る。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、転写チリ及び転写ムラの両方の発生を抑えることができる画像形成装置及びこれに用いられる転写装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面にトナー像を担持する像担持体と、複数の張架部材に張架されて無端移動せしめられながらおもて面を該像担持体に当接させて転写ニップを形成する無端状のベルト部材と、該ベルト部材の裏面における全領域のうち、該転写ニップの裏側領域に当接しながら転写バイアスを印加する転写バイアス部材とを備え、該転写ニップにて、該像担持体上のトナー像を該ベルト部材のおもて面又はこれに保持される記録部材に転写する画像形成装置において、上記ベルト部材の電荷を除去するための電極部材を上記裏側領域に当接させるとともに、該電極部材の振動を抑える振動抑制手段を設けるか、あるいは、該電極部材として基材が制振材料からなるものを用いるかしたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、複数の張架部材に張架されて無端移動せしめられながらおもて面を当接部材に当接させて転写ニップを形成する無端状のベルト部材と、該ベルト部材の裏面における全領域のうち、該転写ニップの裏側領域に当接しながら転写バイアスを印加する転写バイアス部材とを備え、該転写ニップにて、該ベルト部材上のトナー像を該ベルト部材のおもて面から、該当接部材あるいは転写ニップに挟み込まれた記録部材に転写する画像形成装置において、上記ベルト部材の電荷を除去するための電極部材を上記裏側領域に当接させるとともに、該電極部材の振動を抑える振動抑制手段を設けるか、あるいは、該電極部材として基材が制振材料からなるものを用いるかしたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記電極部材を上記裏側領域における上記裏面と上記転写バイアス部材との当接部よりも上記ベルト部材の移動方向下流側に当接させたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかの画像形成装置において、上記転写バイアス部材を「3×標準重力加速度G×10[N/m]」以下の圧力で上記裏面領域に当接させたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの画像形成装置において、表面移動不能な上記電極部材を上記裏側領域に摺擦させることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記電極部材として、片持ち支持される板状の電極ブレードを用い、該電極ブレードの自由端側をカウンター方向で上記裏面領域に摺擦させたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5又は6の画像形成装置において、上記電極部材として、上記裏面領域との当接部の摩擦係数が0.5以下であるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項5乃至7の何れかの画像形成装置において、上記電極部材を「3×標準重力加速度G×10[N/m]」以下の圧力で上記裏面領域に当接させたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項5乃至8の何れかの画像形成装置において、上記電極部材として、上記裏面領域に当接する部分の国際ゴム硬さが35〜100[IRHD]であるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項5乃至9の何れかの画像形成装置において、上記電極部材を0[mm]よりも大きく且つ1.5[mm]以下の食い込み量で上記裏面領域に当接させたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項5乃至10の何れかの画像形成装置において、上記ベルト部材の裏面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項5乃至11の何れかの画像形成装置において、上記電極部材として、その表面材料の主成分が上記ベルト部材の裏面材料の主成分と同じであり且つ組成の50[%]以上を占めるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項5乃至12の何れかの画像形成装置において、上記ベルト部材の駆動を制御するベルト駆動制御手段として、所定のタイミングで該ベルト部材を逆方向に無端移動せしめるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1乃至13の何れかの画像形成装置において、上記制振材料として制振合金を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項1乃至13の何れかの画像形成装置において、上記制振材料として制振ゴムを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、複数の張架部材に張架されて無端移動せしめられながらおもて面を画像形成装置の像担持体に当接させて転写ニップを形成する無端状のベルト部材と、該ベルト部材の裏面における全領域のうち、該転写ニップの裏側領域に当接しながら転写バイアスを印加する転写バイアス部材とを備え、該転写ニップにて、該像担持体上のトナー像を該ベルト部材のおもて面又はこれに保持される記録部材に転写する転写装置において、上記ベルト部材の電荷を除去するための電極部材を上記裏側領域に当接させるとともに、該電極部材の振動を抑える振動抑制手段を設けるか、あるいは、該電極部材として基材が制振材料からなるものを用いるかしたことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、複数の張架部材に張架されて無端移動せしめられながらおもて面を当接部材に当接させて転写ニップを形成する無端状のベルト部材と、該ベルト部材の裏面における全領域のうち、該転写ニップの裏側領域に当接しながら転写バイアスを印加する転写バイアス部材とを備え、該転写ニップにて、該ベルト部材上のトナー像を該ベルト部材のおもて面から、該当接部材あるいは転写ニップに挟み込まれた記録部材に転写する転写装置において、上記ベルト部材の電荷を除去するための電極部材を上記裏側領域に当接させるとともに、該電極部材の振動を抑える振動抑制手段を設けるか、あるいは、該電極部材として基材が制振材料からなるものを用いるかしたことを特徴とするものである。
これらの発明においては、転写バイアス部材からベルト部材のニップ裏側に供給した電流のうち、余分な電流をニップ裏側に当接させた電極部材から逃がすことで、転写ニップ入口付近や転写ニップ出口付近での放電の発生を抑える。そして、これにより、転写チリの発生を抑えることができる。
また、振動抑制手段、あるいは基材が制振材料からなる電極部材そのものが、電極部材の振動を抑えることで、電極部材の振動に伴う転写電流の変動を抑える。そして、これにより、転写ムラの発生を抑えることができる。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図のプリンタは、トナー像形成手段たるプロセスユニットとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の4つのプロセスユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット1Yを例にすると、これは図2に示すように、感光体ユニット2Yと現像ユニット7Yとを有している。これら感光体ユニット2Y及び現像ユニット7Yは、図3に示すようにプロセスユニット1Yとして一体的にプリンタ本体に対して着脱される。但し、プリンタ本体から取り外した状態では、図4に示すように現像ユニット7Yを図示しない感光体ユニットに対して着脱することができる。
先に示した図2において、感光体ユニット2Yは、像担持体たるドラム状の感光体3Y、ドラムクリーニング装置4Y、図示しない除電装置、帯電装置5Yなどを有している。
帯電装置5Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動せしめられる感光体3Yの表面を負極性に一様帯電せしめる。同図においては、図示しない電源によって帯電バイアスが印加されながら、図中反時計回りに回転駆動される帯電ローラ6Yを感光体3Yに近接させることで、感光体3Yを一様帯電せしめる方式の帯電装置5Yを示した。帯電ローラ6Yの代わりに、帯電ブラシを当接させるものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャーのように、チャージャー方式によって感光体3Yを一様帯電せしめるものを用いてもよい。帯電装置5Yによって一様帯電せしめられた感光体3Yの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザ光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
現像手段たる現像ユニット7Yは、第1搬送スクリュウ8Yが配設された第1剤収容部9Yを有している。また、透磁率センサからなるトナー濃度センサ10Y、第2搬送スクリュウ11Y、現像ロール12Y、ドクターブレード13Yなどが配設された第2剤収容部14Yも有している。これら2つの剤収容部内には、磁性キャリアと負帯電性のYトナーとからなる図示しないY現像剤が内包されている。第1搬送スクリュウ8Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、第1剤収容部9Y内のY現像剤を図紙面に直交する方向における手前側から奥側へと搬送する。そして、第1剤収容部9Yと第2剤収容部14Yとの間の仕切壁に設けられた図示しない連通口を経て、第2剤収容部14Y内に進入する。
第2剤収容部14Y内の第2搬送スクリュウ11Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、Y現像剤を図中奥側から手前側へと搬送する。搬送途中のY現像剤は、第1剤収容部14Yの底部に固定されたトナー濃度センサ10Yによってそのトナー濃度が検知される。このようにしてY現像剤を搬送する第2搬送スクリュウ11Yの図中上方には、現像ロール11Yが第2搬送スクリュウ11Yと平行な姿勢で配設されている。この現像ロール11Yは、図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる非磁性パイプからなる現像スリーブ15Y内にマグネットローラ16Yを内包している。第2搬送スクリュウ11Yによって搬送されるY現像剤の一部は、マグネットローラ16Yの発する磁力によって現像スリーブ15Y表面に汲み上げられる。そして、現像部材たる現像スリーブ15Yと所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード13Yによってその層厚が規制された後、感光体3Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体3Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体3Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール12Yの現像スリーブ15Yの回転に伴って第2搬送スクリュウ11Y上に戻される。そして、図中手前端まで搬送されると、図示しない連通口を経て第1剤収容部9Y内に戻る。
トナー濃度センサ10YによるY現像剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として図示しない制御部に送られる。Y現像剤の透磁率は、Y現像剤のYトナー濃度と相関を示すため、トナー濃度センサ10YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。上記制御部はRAMを備えており、この中にトナー濃度センサ10Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefや、他の現像ユニットに搭載されたC,M,K用のトナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるC用Vtref、M用Vtref、K用Vtrefのデータを格納している。Y用の現像ユニット7Yについては、トナー濃度センサ10Yからの出力電圧の値とY用Vtrefを比較し、図示しないY用のトナー供給装置を比較結果に応じた時間だけ駆動させる。この駆動により、現像に伴うYトナー消費によってYトナー濃度を低下させたY現像剤に対し、第1剤収容部9Yで適量のYトナーが供給される。このため、第2剤収容部14Y内のY現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他色用のプロセスユニット(1C,M,K)内における現像剤についても、同様のトナー供給制御が実施される。
先に示した図1において、プロセスユニット1Y,C,M,Kの図中下方には、光書込ユニット20が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット20は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各プロセスユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上における光照射部の電位が減衰せしめられて、負極性であるものの周囲の非画像部よりも負極性の電位が低い状態にあるY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LDEアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
図2において、絶縁性の現像スリーブ15Yには、図示しない電圧印加手段により、負極性で且つ感光体3Y上の静電潜像電位と非画像部電位との中間的な値の現像バイアスが印加されている。これにより、現像スリーブ15Yと感光体3Yとが対向する現像領域では、感光体3Y上の静電潜像と現像スリーブとの間に、トナーをスリーブ側から潜像側に静電移動させる現像電界が形成される。また、感光体3Y上の非画像部と現像スリーブとの間に、トナーを非画像部側からスリーブ側に静電移動させる非現像電界が形成される。感光体3Y上の静電潜像は、前述の現像電界によってスリーブ上から静電移動してくるYトナーの付着によってYトナー像に現像される。
感光体3Y上に形成されたYトナー像は、後述する中間転写ベルトに中間転写される。感光体ユニット2Yのドラムクリーニング装置4Yは、中間転写工程を経た後の感光体3Y表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体3Y表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。先に示した図1において、他色用のプロセスユニット1C,M,Kにおいても、同様にして感光体3C,M,K上にC,M,Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト上に中間転写される。
光書込ユニット20の下方には、第1給紙カセット31、第2給紙カセット32が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録部材たる記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pには、第1給紙ローラ31a、第2給紙ローラ32aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ31aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第1給紙カセット31内の一番上の記録紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路33に向けて排出される。また、第2給紙ローラ32aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第2給紙カセット32内の一番上の記録紙Pが、給紙路33に向けて排出される。給紙路33内には、複数の搬送ローラ対34が配設されており、給紙路33に送り込まれた記録紙Pは、これら搬送ローラ対34のローラ間に挟み込まれながら、給紙路33内を図中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路33の末端には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35は、記録紙Pを搬送ローラ対34から送られてくる記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
各プロセスユニット1Y,C,M,Kの図中上方には、無端移動体たる中間転写ベルト41を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写装置たる転写ユニット40が配設されている。転写手段たる転写ユニット40は、中間転写ベルト41の他、ベルトクリーニングユニット42、第1ブラケット43、第2ブラケット44などを備えている。また、4つの1次転写ローラ45Y,C,M,K、2次転写バックアップローラ46、駆動ローラ47、補助ローラ48、テンションローラ49なども備えている。中間転写ベルト41は、これら8つのローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。
4つの1次転写ローラ45Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト41を感光体3Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(正極性)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
2次転写バックアップローラ46は、中間転写ベルト41のループ外側に配設された2次転写ローラ50との間に中間転写ベルト41を挟み込んで2次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対35は、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。
2次転写バックアップローラとの間に中間転写ベルト41を挟み込んでいる2次転写ローラ50は、中間転写ベルト41の表面にトナーとは逆極性の2次転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41上の4色トナー像は、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ50と2次転写バックアップローラ46との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、2次転写ニップ内で記録紙Pに一括2次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット42は、クリーニングブレード42aを中間転写ベルト41のおもて面に当接させており、これによってベルト上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
転写ユニット40の第1ブラケット43は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ48の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。本プリンタは、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第1ブラケット43を図中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ48の回転軸線を中心にしてY,C,M用の1次転写ローラ45Y,C,Mを図中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト41をY,C,M用の感光体3Y,C,Mから離間させる。そして、4つのプロセスユニット1Y,C,M,Kのうち、K用のプロセスユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY,C,M用のプロセスユニットを無駄に駆動させることによるそれらプロセスユニットの消耗を回避することができる。
2次転写ニップの図中上方には、定着ユニット60が配設されている。この定着ユニット60は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ61と、定着ベルトユニット62とを備えている。定着ベルトユニット62は、定着部材たる定着ベルト64、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ63、テンションローラ65、駆動ローラ66、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト64を加熱ローラ63、テンションローラ65及び駆動ローラ66によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト64は加熱ローラ63によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト64の加熱ローラ63掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト64のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト64のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト64の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ63に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ61に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト64の表面温度が約140[°]に維持される。
2次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着ユニット60内に送られる。そして、定着ユニット60内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト64によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が定着せしめられる。
このようにして定着処理が施された記録紙Pは、排紙ローラ対67のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部68が形成されており、排紙ローラ対67によって機外に排出された記録紙Pは、このスタック部68に順次スタックされる。
転写ユニット40の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y,C,M,Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、プロセスユニット1Y,C,M,Kの現像ユニット7Y,C,M,Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y,C,M,Kは、プロセスユニット1Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
中間転写ベルト41としては、画像の伸縮の発生を抑える目的から、伸縮し難いものを用いることが望ましい。本プリンタでは、単層のPI(ポリイミド)製ベルト基体からなる単層ベルトを中間転写ベルト41として用いている。中間転写ベルト41の材質としては、PIの他に、公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー及び熱硬化性樹脂等を例示することができる。例えば、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PC(ポリカーボネート)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニル系樹脂等である。これらの樹脂に、導電性粒子や導電性粉末を分散せしめて電気抵抗を調整した混合・合成材料を、ベルトの素材として用いる。体積抵抗率としては、1次転写体時に与える1次転写バイアスの電圧レベルが1[kV]程度であれば、10〜1013[Ω・cm]が好ましく、1次転写バイアスが印加される裏面の表面抵抗は10[Ω/□]程度が好ましい。電気抵抗の測定時に用いる電極としては、主電極外径Φ5.9mm、ガード電極内径Φ11.0mm、ガード電極外径Φ17.8mm、厚さ50〜200μm程度の薄厚で曲がり易いものを用いることが望ましい。かかる電極にこれらに500V程度の電圧を印加して、両電極間に流れる電流値から電気抵抗を求める。
また、中間転写体の抵抗を調整するための導電材料としては、カーボン、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化チタン等の金属酸化物、4 級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミン、含硼素高分子化合物及びポリピロール等の導電性高分子化合物等から1種類あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
トナーとしては、ポリエステル、ポリオ−ル、スチレンアクリル等の粒子母材樹脂に帯電制御剤(CCA)や色剤を混合し、その粒子の周りにシリカ、酸化チタン等の物質を外添することでその帯電特性、流動性を高めたものを用いている。添加剤の粒径は、0.1〜1.5[μm]の範囲が好適である。色剤としては、カ−ボンブラック、フタロシアニンブル−、キナクリドン、カ−ミン等を例示することができる。
トナーの正規帯電極性は、本実施例では何度も述べているようにマイナス極性である。トナーとしては、ワックス等を分散混合させた母体樹脂に前述した添加剤を外添したものを用いてもよい。また、粉砕法で製造された物でも、重合法で製造されたものでもよいが、重合法等で製造されたものは、球形度や円形度が比較的高いので、高画質を得ることが可能である。
また、トナーとしては、形状係数が90%以上であるものを用いることが望ましい。形状係数とは、本来ならば球形度となって、「粒子と同体積の球の表面積/実粒子の表面積×100%」で定義されるが、測定がかなり困難になるので、円形度で算出する。そして、「粒子と同じ投影面積を持つ円の周長/実粒子の投影輪郭長さ×100%」という公式で求めることができる。かかる円形度の解は、トナー粒子を投影した円像が真円に近づくほど、100%に近づくことになる。トナーの体積平均粒径は、3〜12μmの範囲が好適である。本プリンタでは、体積平均粒径が6μmであるトナーを用いており、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能である。
磁性キャリアとしては、金属または樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層がシリコン樹脂等で被覆された磁性粒子を用いている。粒径は、20〜50μmの範囲が良好である。また、磁性粒子の抵抗は、ダイナミック抵抗で10〜10[Ω]の範囲が最適である。ダイナミック抵抗については、次のようにして測定することが可能である。即ち、磁石を内包したローラ(φ20;600RPM)に磁性粒子を担持させる。そして、幅65mm、長さ1mmの面積の電極を、0.9mmのギャップを介して磁性粒子に対向せしめ、耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは400Vから鉄粉キャリアでは数V)の印加電圧を印加した際に流れる電流値に基づいてダイナミック抵抗を測定する。
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
図5は、本プリンタの転写ユニット40とその周囲構成とを示す拡大構成図である。転写ユニット40における転写バイアス部材たる4つの1次転写ローラ45Y,C,M,Kには、図示しない転写バイアス電源が電気的に接続されており、これにより1次転写ローラ45Y,C,M,Kは、トナーの正規帯電極性とは逆極性の1次転写バイアスを中間転写ベルト41の裏面に印加する。そして、転写ユニット40は、これら1次転写ローラ45Y,C,M,Kにそれぞれ個別に対向する4つの電荷除去用電極ブレード51Y,C,M,Kをベルトループ内側に有している。
図6は、K用の1次転写ニップとその周囲構成とを示す拡大構成図である。同図において、ベルト部材たる中間転写ベルト41のおもて面(ループ外周面)と、像担持体たる感光体3Kとは、水平方向において、領域R1で互いに当接してK用の1次転写ニップを形成している。中間転写ベルト41の裏面(ループ内周面)における全領域のうち、この1次転写ニップの裏側領域(ニップ裏側領域)には、上述したK用の1次転写ローラ45Kが当接しており、そのニップ裏側領域にトナーの正規帯電極性とは逆極性の1次転写バイアスを印加している。この1次転写バイアスは、例えば+0.8〜+2[kV]の直流電圧である。このような1次転写バイアスの印加により、感光体3Kと中間転写ベルト41との間に転写電界が形成され、これらニップ圧の作用によって感光体3K上のKトナー像が中間転写ベルト41上に1次転写される。
K用の1次転写ローラ45Kは、図示のように、感光体3Kと中間転写ベルト41のおもて面が当接するK用の1次転写ニップのニップ裏側領域(R1の領域)のうち、中間転写ベルト41の移動に伴ってベルトと感光体3Kとが接触を開始する転写ニップ入口点P1の近傍に当接している。
中間転写ベルト41は、1次転写ローラ45Kからプラスの電荷が付与され、この電荷は1次転写ローラ45Kと1次転写ローラ45の裏面との当接部から、中間転写ベルト41を厚み方向に流れて感光体3Kに到達する。これにより、中間転写ベルト41と感光体3Kとの間に転写電流が流れる。但し、中間転写ベルト41の裏面に付与された電荷のうち一部は、1次転写ローラ45Kと中間転写ベルトの裏面との当接部から感光体3Kに向けて真っ直ぐに流れるのではなく、転写ニップ入口点P1や転写ニップ出口点に向けて広がりながら感光体3Kに向けて流れ込むものが発生する。かかる電流が発生すると、転写ニップ入口点P1よりも僅かにベルト移動方向上流側にずれた位置や、転写ニップ出口点P2よりも僅かにベルト移動方向下流側にずれた位置で、ベルトと感光体3Kとの間に形成される微小ギャップ(数十μm程度)を介して放電を引き起こすことがある。このような放電を引き起こすと、Kトナー像中のKトナーが像周囲の非画像部に飛び散って転写チリを発生させてしまう。特に、転写ニップ出口点よりも僅かにベルト移動方向下流側にずれた位置では、中間転写ベルト41が1次転写バイアスによる残留電荷を保持しているので、かかる放電を引き起こし易い。
そこで、本プリンタにおいては、K用の1次転写ニップのニップ裏側領域のうち、1次転写ローラ45Kと中間転写ベルト41の裏面とが当接する領域よりもベルト移動方向下流側において、ベルトと感光体3Kとが離間を開始する転写ニップ出口点P2の付近に、電荷除去用電極ブレード51Kを当接させている。この電荷除去用電極ブレード51Kは、直接あるいは図示しない低電位保持バイアス電源回路を介して、アースに接続されている。電荷除去バイアス電源回路を介してアース接続されている場合における電荷除去バイアス電源回路は、電荷除去用電極ブレード51Kに対して、1次転写バイアス(+0.8〜+2[kV])よりもトナーの正規帯電極性とは逆極性側に大きな電荷除去バイアス(例えば、+0.5〜0[kV]や、0〜−400[V])。
ニップ裏側領域における2次転写ニップ出口点P2の付近で、このような電荷除去用ブレード51Kが当接していると、1次転写ローラ45Kから中間転写ベルト41に流れる電流のうち、余計な電流の2次転写ニップ入口点P1や2次転写ニップ出口点P2の付近への流れ込みよりも、1次転写ローラ45Kからベルトを介した電荷除去用ブレード51Kへの流れ込みが優先して起こるようになる。これにより、2次転写ニップ入口点P1や2次転写ニップ出口点P2での放電を抑えて、転写チリの発生を抑えることができる。本発明者らが、図6に示した構成を有するプリンタ試験機を試作して実験したところ、電荷除去用ブレード51Kを設けた場合には、設けない場合に比べて、転写チリを有効に抑えることができた。
しかしながら、転写チリを抑えることができた代わりに、転写ムラによる画像濃度ムラが発生してしまった。本発明者らがその原因について鋭意研究を行ったところ、次のようなことがわかった。即ち、図示の構成では、移動する中間転写ベルト41の裏面と、不動の電荷除去用ブレード51Kとの摺擦に伴って、電荷除去ブレード51Kを微振動させてしまう。そして、この微振動により、中間転写ベルト41と電荷除去用ブレード51Kとの接触圧力を微妙に変化させ、アースへの電荷の流れ込み量が変化してしまう。このようにアースへの電荷の流れ込み量が変化すると、1次転写ローラ45Kと感光体3Kとの間に流れる転写電流の値が一時的に不足して、転写ムラとなっていたのである。
かかる転写ムラの発生を抑えるべく、本発明者らは、電荷除去ブレード51Kを微振動させてもそれを確実に中間転写ベルト41の裏面に十分に密着させ続ける程度に強い圧力で、電荷除去ブレード51Kをニップ裏側領域の転写ニップ出口点P2付近に当接させてみた。すると、電荷除去ブレード51Kと中間転写ベルト41との摺擦に伴う両者の消耗や騒音が激しくて、実使用に対応できるほどの耐久性や静音性を得ることができなかった。このため、電荷除去ブレード51Kについては、ある程度の弱い圧力でニップ裏側領域に当接させる必要があり、必然的に転写ムラを引き起こしてしまう。
また、本発明者らは、電荷除去ブレード51Kに代えて、ベルトに対して従動回転可能な電荷除去ローラを用いた実験も行ったが、この実験でもベルト幅方向の中央部に相当する画像領域に転写ムラを引き起こしてしまった。電荷除去ローラの軸線方向における全領域のうち、軸受けに支持される両端側の領域ではローラを振動を発生させないものの、軸受けに支持されないローラ中央部では中間転写ベルト41の波打ちなどに伴ってどうしても微妙な撓みによる振動を発生させてしまうからである。
そこで、本プリンタでは、図7に示すように、振動抑制手段たる制振部材54Kを介して、電荷除去用電極ブレード51Kをブレードホルダー55Kに固定して、ブレードホルダー55Kに電荷除去用電極ブレード51Kを片持ち支持させている。かかる構成では、制振部材54Kが電荷除去用電極ブレード51Kの振動を抑制することで、電荷除去用電極ブレード51Kの振動に伴う転写電流の変動を抑える。そして、これにより、転写ムラの発生を抑えることができる。本発明者らが同図に示した構成と同様のプリンタ試験機を試作したところ、電荷除去用電極ブレード51Kや中間転写ベルト41を著しく摩耗させない程度に弱い圧力でブレードをベルトに当接させた場合であっても、転写ムラの発生を有効に抑えることができた。
制振部材54Kとしては、制振樹脂や制振ゴムからなるものを例示することができる。また、制振ゴムとしては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エチレンプロピレンゴム、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、多硫化ゴム、プロピレンオキシドゴム、エチレンアクリルゴム、ポリノルボルネンゴム、その他のゴムなどを例示することができる。
望ましくは、制振部材54Kとして、制振材料からなるものを用いるとよい。制振材料とは、振動エネルギーを熱エネルギーに変換して制振する働きを示す材料である。PPなどのプラスチックをサンドイッチした制振鋼板材料、制振ゴム、短繊維ゴム複合材料を使用した材料、制振性を有する接着剤、制振合金等を例示することができる。中でも、住友スリーエム社製の粘弾性体であるVEM(Visco Elastic Material:商品名)が好適である。VEMは、耐候性に優れたアクリル高分子にせん断変形が加えられると、変形力を熱エネルギーに変換し、振動を減衰する特性を有する。ゴムと粘度との両方の性質を兼ね備えており、引っ張って話すとゴムの性質で元の形状に戻ろうとするが、この際、粘度の粘性抵抗を発揮してゆっくりと戻る。このようなVEMを振動体と固定体との間におくと、振動によって自然に戻る速さよりも速くもとの状態になり、この際、振動エネルギーを粘性抵抗により熱エネルギーに変換して、振動を減衰させる。
なお、本プリンタでは、中間転写ベルト41から感光体3Kに流れる転写電流の量を一定に保ついわゆる定電流制御を行う転写バイアス電源を用いている。
電荷除去用ブレード51Kについては、図6に示すように、その自由端側をベルト移動方向上流側に向けるカウンター方向でニップ裏側領域に摺擦させるようにすることが望ましい。このようにすることで、ブレード全体がニップ裏側領域内に納まらない場合であっても、図示のように、ベルトに当接させるブレード先端側だけをニップ裏側領域に位置させながら、それ以外のブレード箇所をニップ裏側領域よりもベルト移動方向下流側に位置させることで、ブレードをニップ裏側領域に当接させることが可能になる。これにより、比較的小さな1次転写ニップであっても、ブレードをニップ裏側領域に当接させることができる。
中間転写ベルト41については、図6に示すように、感光体3Kのベルトおもて面からの当接により、ベルトにおける張架ローラ間の展張箇所に対してベルトループ内側にベルトを湾曲させるようにして1次転写ニップを形成するようにする。本発明者らの実験によれば、展張箇所を数百μm以上ベルト内側に向けて湾曲させることで、転写チリの発生を有効に抑えることができた。
また、1次転写ローラ45Kに対してベルト移動方向上流側で隣り合いながら、中間転写ベルト41を掛け回しているローラの電位を、転写ニップ入口点P1の付近における感光体3Kと中間転写ベルト41との微小ギャップで放電が発生しない程度に低く保つことで(400V以下が好適)、転写ニップ入口点P1の付近における放電をより抑えることが可能になる。前述のローラとアースとの間に、抵抗体や、定電圧素子を組み込むことで、ローラの電位を前述のように制御することが可能である。
1次転写ローラ45Kと、電荷除去用電極ブレード51Kとの距離が小さすぎると、両者間で放電を発生させるおそれがある。この様な放電は、感光体3Kから中間転写ベルト41へのKトナー像の転写効率を低下させてしまう。そこで、両者を放電のおそれがあるほど近距離に配設した場合には、両者間に絶縁性シートを介在させて、その絶縁性シートを支持部材に固定することが望ましい。このようにすることで、両者間での放電の発生を抑えることができる。絶縁性シートの先端部については、中間転写ベルト41の裏面と、軽圧当接状態又は、若干の隙間を保つように配設して、中間転写ベルト41との摺擦による摩耗を抑えるようにするとよい。絶縁性シートの材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂材料を例示することができる。
電荷除去用電極ブレード51Kについては、図示のように、ニップ裏側領域におけるベルト裏面と1次転写ローラ45Kとの当接部よりも中間転写ベルト41の移動方向下流側に当接させることが望ましい。このようにすることで、1次転写ローラ45Kからの転写電流を感光体3Kに確実に導きつつ、転写ニップ出口点P2の直前で中間転写ベルト41から保持電荷を除去して、2次転写ニップ出口点付近での放電の発生を有効に抑えることができるからである。
電荷除去用電極ブレード51Kは、金属や導電性樹脂などの電極基体52Kと、これにおけるベルトとの当接面側に被覆された導電性樹脂等からなる被覆層53Kとを有するものを用いている。被覆層53Kは、電極基体51Kよりも摩擦係数が小さくなっている。かかる構成では、被覆層53Kを設けないものに比べて、電荷除去用電極ブレード51Kとの摺擦に伴う中間転写ベルト41の裏面の摩耗を抑えることができる。電荷除去用電極ブレード51Kの被覆層53Kとして、導電性のフッ素樹脂(PFA)からなるものを使用して、ブレードの表面摩擦係数と中間転写ベルト41裏面の摩耗性とを調べる実験を行ったところ、表面摩擦係数が0.5程度まで小さくなると、ベルトの摩耗が急激に低減され始めることがわかった。また、ベルト裏面への異物の固着も急激に低減され始めることもわかった。そこで、本プリンタでは、中間転写ベルト41のニップ裏側領域との当接部の摩擦係数が0.5以下である電荷除去用ブレード51Kを用いている。
なお、被覆層53Kの摩擦係数については、次のようにして測定した。即ち、新東科学社製のポータブル摩擦計ミューズ TYPE:94iII(特許第2773069に記載されている装置)を用いた。このTYPE:94iIIの測定面と接する40[g]のスライダー(ハードクローム処理した黄銅)を、被覆層53Kの面上で面方向に測定機の駆動力で押していき、スライダーが動き出す瞬間の最大静止摩擦係数を測定機から読み取る。TYPE:94iIIでなくても、同様の構成の測定機であればよい。
1次転写ローラ45K3と中間転写ベルト41との当接圧力については、ベルト幅方向の単位長さあたりで30[g/cm]以下にしている。これを面圧換算すると、300[g/cm]=3G×10[N/m]である(但し、Gは標準重力加速度)。このような当接圧力にすることで、ベルトと電荷除去ブレード51Kとの摺擦による両者の磨耗や、ベルト及びブレードに対する異物(トナーを含む)の固着を効果的に抑え得ることを本発明者らは実験によって見出したからである。
また、電荷除去用ブレード51Kの被覆層54Kとしては、国際ゴム硬さが35〜100[IRHD]であるものを用いている。電荷除去用ブレード51Kにおけるベルトとの当接部をこのような国際ゴム硬さにすることで、その適度な硬さや磨耗性により、ブレードやベルトへの異物の固着を抑え、しかもベルトの摩耗を抑え得ることを本発明者らは実験によって見出したからである。
電荷除去用ブレード51Kの中間転写ベルト41に対する食い込み量(ブレードのベルトに対する当接による感光体3Kの法線方向におけるブレード撓み量)については、0[mm]よりも大きく且つ1.5[mm]以下に設定している。食い込み量をこの範囲にすることで、ブレードを中間転写ベルト41に確実に当接させるとともに、Y,C,Mについてはモノクロ画像形成時の中間転写ベルト41の感光体3Y,C,Mに対する離間動作に伴って、ブレード先端をベルトから確実に離間させることができることを、本発明者らは実験によって見出したからである。
電荷除去用電極ブレード51Kの被覆層53Kとしては、その材料の主成分が中間転写ベルト41の裏面材料の主成分と同じであり且つ組成の50[%]以上を占めるものを用いている。かかる構成では、ブレードとベルトとの摺擦によるブレードの磨耗粉がベルト裏面に付着しても磨耗粉がベルト裏面と同様の電気特性(電気抵抗、比誘電率等)を有するため、異なる主成分を用いる場合に比べて、摩耗粉の固着によるベルトの電気抵抗特性変化を抑えることができる。
K用の1次転写ニップについて詳しく説明してきたが、Y,C,M用の1次転写ニップも、K用の1次転写ニップと同様の構成になっている。また、制振部材54Kをブレードホルダー55Kと電荷除去用電極ブレード51Kとの間に固定した例について説明したが、両者間の間に固定しないでブレードだけに固定しても、ブレードの振動を抑えることができる。また、ブレードホルダー55Kだけに固定してホルダーの振動を抑えることで、ブレードの振動を間接的に抑えるようにしてもよい。また、ブレードと制振部材54Kとを積層などによって一体形成してもよい。
先に示した図5において、中間転写ベルト41のループ内側には、各1次転写ニップのニップ裏側領域であって且つ電荷除去ブレード51Kとベルトとの当接部よりもベルト移動方向上流側の領域に潤滑剤を塗布する図示しない4つの潤滑剤塗布手段が配設されている。例えば、回転に伴ってステアリン酸亜鉛の塊を掻き取りながらニップ裏側領域に塗布する塗布ブラシローラなどである。これにより、電荷除去ブレード51Kと中間転写ベルト41との摩擦抵抗を低減して、両者の摩耗や、両者の摺擦に伴う騒音を低減することができる。
中間転写ベルト41は、上述したように、駆動ローラ47の回転駆動によって無端移動する。この駆動ローラ47の駆動を制御する図示しないCPUやRAM等からなるベルト駆動制御部は、プリントジョブ終了直前やプリントジョブ開始直後などといった所定のタイミングで、駆動ローラ47をプリントジョブにおける画像形成時の回転方向である正規回転方向とは逆方向に回転させる。そして、これにより、中間転写ベルト41を正規無端移動方向とは逆方向に無端移動せしめるようになっている。かかる構成では、ベルトと電荷除去用電極ブレードとの摺擦による磨耗粉が両者間に挟まっても、ベルトの逆移動によって両者間で摩耗粉をほぐすことで、摩耗粉の両者への固着を抑えることができる。
次に、実施形態に係るプリンタの各変形例装置について説明する。
[第1変形例装置]
図8は、第1変形例装置におけるK用の1次転写ニップとその周囲構成とを示す拡大構成図である。この第1変形例装置では、ブレードホルダー55Kと電荷除去用ブレード51Kとの間に制振部材54Kを固定するのではなく、ブレードにおける自由端側の裏面に制振部材54Kを固定している。かかる構成でも、電荷除去用ブレード51Kの振動を抑えることができる。
[第2変形例装置]
図9は、第2変形例装置におけるK用の1次転写ニップとその周囲構成とを示す拡大構成図である。この第2変形例装置では、図示のように、金属板からなる支持部材56Kの先端部に、制振材料からなる制振部材54Kの層を被覆し、この上に更に導電弾性材料からなる導電弾性層57Kと、これの上に被覆された被覆層53Kとを有する電荷除去用電極部材58Kを形成している。制振部材54Kの制振材料としては、導電性粒子や導電性粉末の分散によって導電性を付与したものを用いている。中間転写ベルト41の電荷は、電荷除去用電極部材58Kと、導電性の制振部材54Kと、金属板からなる支持部材56Kとを介してアースに流れ込む。かかる構成においては、電荷除去用電極部材58Kの振動を、制振部材54Kによって抑えることができる。支持部材56Kとアースとの間に電荷除去バイアス電源回路を設けてもよい。
[第3変形例装置]
図10は、第3変形例装置におけるK用の1次転写ニップとその周囲構成とを示す拡大構成図である。この第3変形例装置では、金属板からなる支持部材56Kの先端部に、制振材料からなる制振部材54Kの層を被覆し、この上に導電性PFA等からなる電荷除去用電極部材58Kを形成している。制振部材54Kの制振材料としては、導電性粒子や導電性粉末の分散によって導電性を付与したものを用いている。中間転写ベルト41の電荷は、電荷除去用電極部材58Kと、導電性の制振部材54Kと、金属板からなる支持部材56Kとを介してアースに流れ込む。かかる構成においても、電荷除去用電極部材58Kの振動を、制振部材54Kによって抑えることができる。支持部材56Kとアースとの間に電荷除去バイアス電源回路を設けてもよい。
[第4変形例装置]
図11は、第4変形例装置におけるK用の1次転写ニップとその周囲構成とを示す拡大構成図である。実施形態に係るプリンタと同様に、電荷除去用電極ブレード51Kがブレードホルダー55Kによって片持ち支持されている。電荷除去用電極ブレード51Kは、単層構造の導電性ブレードであり、制振合金からなる。制振合金としては、特開2003−253369号公報に記載のものを例示することができる。かかる構成では、電荷除去用電極ブレード51K自体が、その制振合金によって自らの振動を抑えることができる。
[第5変形例装置]
図12は、第5変形例装置におけるK用の1次転写ニップとその周囲構成とを示す拡大構成図である。この第5変形例装置では、K用の1次転写バイアス部材として、1次転写バイアスブレード59Kを用いており、これをニップ裏側領域で中間転写ベルト41の裏面に摺擦させている。かかる構成では、1次転写ローラ(45K)を用いる場合に比べて、小さな1次転写ニップでも、1次転写バイアス部材と電荷除去用電極ブレード51Kとの両方をニップ裏側領域に当接させることができる。
図示の例では、1次転写バイアスブレード59Kを用いたことで生じたニップ裏側領域の空きスペースを利用して、1次転写バイアスブレード59Kよりもベルト移動方向上流側である転写ニップ入口点P1付近のニップ裏側領域にも、電荷除去用電極ブレード51Kを当接させている。かかる構成では、実施形態に係るプリンタに比べて、転写ニップ入口点P1付近で発生する放電を抑えることができる。
転写ニップ入口点P1付近に配設された電荷除去用電極ブレード51Kについては、転写ニップ出口点P2付近に配設された電荷除去用電極ブレード51Kと同様に、「3G×10[N/m2]」以下の圧力で中間転写ベルト41に当接させている。
また、1次転写バイアスブレード59Kについても、「3G×10[N/m2]」以下の圧力で中間転写ベルト41に当接させている。そして、1次転写バイアスブレード59Kとしては、電極基体59K−1とこれの表面に被覆された導電性PFA等からなる被覆層59K−2とを有するものを用いている。かかる構成では、ベルトと1次転写バイアスブレード59Kとの摺擦による両者の磨耗や、ベルト及びブレードに対する異物(トナーを含む)の固着を効果的に抑えることができる。また、1次転写ローラ(45K)を用いる場合に比べて低コスト化を実現することができる。
なお、1次転写バイアスブレード59Kについても、これを片持ち支持するブレードホルダーとこれの支持側端部との間に制振部材54Kを固定して、ブレードの振動を抑えている。
[第6変形例装置]
第6変形例装置では、先に図1に示した2次転写バックアップローラ46と、2次転写ローラ50との位置関係を逆転させている。2次転写ローラ50をベルトループ内側に配設する一方で、2次転写バックアップローラ46をベルトループ外側に配設しているのである。
ベルトループ内側に配設する2次転写ローラは、中間転写ベルト41を掛け回してはおらず、これよりもベルト移動方向下流側に設けられた図示しない新たな従動ローラがベルトを掛け回している。これにより、ベルトをベルト上部張架面に向けて折り返している。
ベルトループ内側に配設する2次転写ローラとしては、ベルトループ外側に配設する2次転写バックアップローラよりも小径のものを用いており、これを前述の新たな従動ローラと図1に示したテンションローラ49との間のベルト展張箇所の裏面に当接させている。このように2次転写ローラが当接するベルト裏面領域は、2次転写ローラよりも大径の2次転写バックアップローラとベルトおもて面とが当接する2次転写ニップの裏側領域になっている。
2次転写ローラには、2次転写バイアス電源によってトナーの正規帯電極性と同極性の2次転写バイアスが印加されており、これによって中間転写ベルト41上のトナーがベルト上から記録紙P上に2次転写される。
2次転写ニップ出口点付近のニップ裏側領域には、実施形態に係るプリンタと同様の電荷除去用電極ブレードが当接しており、これは制振部材によって振動が抑えられている。
これまで、複数のトナー像形成部で形成した各色のトナー像を重ね合わせて転写してフルカラー画像を得るいわゆるタンデム方式のプリンタについて説明してきたが、シングル方式でフルカラー画像を形成する画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。このシングル方式とは、感光体等の潜像担持体の周りに各色用の複数の現像手段を配設し、使用する現像手段を順次切り換えながら潜像担持体上に形成した各色の可視像を中間転写体に順次重ね合わせて転写する方式である。また、単色画像だけを形成する画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、電極部材たる電荷除去用電極ブレード51Kをニップ裏側領域におけるベルト裏面と転写バイアス部材たる1次転写ローラ45Kとの当接部よりもベルト移動方向下流側に当接させている。かかる構成では、1次転写ローラ45Kからの転写電流を感光体3Kに確実に導きつつ、転写ニップ出口点P2の直前で中間転写ベルト41から保持電荷を除去して、2次転写ニップ出口点付近での放電の発生を有効に抑えることができる。
また、第5変形例装置においては、転写バイアス部材である1次転写バイアスブレード59Kを「3G×10[N/m2]」以下の圧力で中間転写ベルト41に当接させている。かかる構成では、上述した理由により、ベルトと1次転写バイアスブレード59Kとの摺擦による両者の磨耗や、ベルト及びブレードに対する異物(トナーを含む)の固着を効果的に抑えることができる。また、1次転写ローラ(45K)を用いる場合に比べて低コスト化を実現することができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、表面移動不能な電荷除去用電極ブレード51Kをニップ裏側領域に摺擦させている。かかる構成では、電極部材として電荷除去用電極ローラを用いる場合に比べて低コスト化を図ることができる。
また、ニップ裏側領域に当接させる電極部材として、片持ち支持される板状の電極ブレードたる電荷除去用電極ブレード51Kを用い、これの自由端側をカウンター方向でニップ裏側領域に摺擦させている。かかる構成では、上述した理由により、比較的小さな1次転写ニップであっても、ブレードをニップ裏側領域に当接させることができる。
また、電荷除去用電極ブレード51Kとして、ニップ裏側領域との当接部の摩擦係数が0.5以下であるものを用いているので、上述した理由により、ベルトとブレードとの摺擦に伴う摩耗や騒音を抑えることができる。
また、電荷除去用電極ブレード51Kを「3G×10[N/m2]」以下の圧力で中間転写ベルト41に当接させている。かかる構成では、上述した理由により、ベルトと電荷除去用電極ブレード51Kとの摺擦による両者の磨耗や、ベルト及びブレードに対する異物(トナーを含む)の固着を効果的に抑えることができる。
また、電荷除去用電極ブレード51Kとして、ニップ裏側領域に当接する部分の国際ゴム硬さが35〜100[IRHD]であるものを用いているので、上述した理由により、ブレードやベルトへの異物の固着を抑え、しかもベルトの摩耗を抑えることができる。
また、電荷除去用電極ブレード51Kを0[mm]よりも大きく且つ1.5[mm]以下の食い込み量でニップ裏側領域に当接させているので、上述した理由により、ブレードを中間転写ベルト41に確実に当接させるとともに、Y,C,Mについてはモノクロ画像形成時の中間転写ベルト41の感光体3Y,C,Mに対する離間動作に伴って、ブレード先端をベルトから確実に離間させることができる。
また、中間転写ベルト41の裏面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を設けているので、電荷除去ブレード51Kと中間転写ベルト41との摩擦抵抗を低減して、両者の摩耗や、両者の摺擦に伴う騒音を低減することができる。
また、電荷除去用電極ブレード51Kとして、その表面材料の主成分が中間転写ベルト41の裏面材料の主成分と同じであり且つ組成の50[%]以上を占めるものを用いているので、上述した理由により、ベルト裏面材料の主成分とは異なる主成分をブレードに用いる場合に比べて、摩耗粉の固着によるベルトの電気抵抗特性変化を抑えることができる。
また、中間転写ベルト41の駆動を制御するベルト駆動制御部として、所定のタイミングで中間転写ベルト41を逆方向に無端移動せしめるものを用いているので、ベルトと電荷除去用電極ブレードとの摺擦による磨耗粉が両者間に挟まっても、ベルトの逆移動によって両者間で摩耗粉をほぐすことで、摩耗粉の両者への固着を抑えることができる。
また、第4変形例装置においては、制振材料として制振合金を用いているので、電荷除去用電極ブレード51K自体に対して、その制振合金によって自らの振動を抑えさせることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、制振材料として制振ゴムを用いているので、一般市場に広く出回っている制振ゴム材料によって制振部材54Kを安価に製造することができる。
実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタのY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。 同プロセスユニットを示す斜視図。 同プロセスユニットの現像ユニットを示す斜視図。 同プリンタの転写ユニットとその周囲構成とを示す拡大構成図。 同転写ユニットにおけるK用の1次転写ニップとその周囲構成とを示す拡大構成図。 同1次転写ニップを更に拡大して示す拡大構成図。 第1変形例装置におけるK用の1次転写ニップとその周囲構成とを示す拡大構成図。 第2変形例装置におけるK用の1次転写ニップとその周囲構成とを示す拡大構成図。 第3変形例装置におけるK用の1次転写ニップとその周囲構成とを示す拡大構成図。 第4変形例装置におけるK用の1次転写ニップとその周囲構成とを示す拡大構成図。 第5変形例装置におけるK用の1次転写ニップとその周囲構成とを示す拡大構成図。
符号の説明
3Y,C,M,K:感光体(像担持体)
41:中間転写ベルト(ベルト部材)
45Y,C,M,K:1次転写ローラ(転写バイアス部材)
46:2次転写バックアップローラ(張架部材)
47:駆動ローラ(張架部材)
48:補助ローラ(張架部材)
49:テンションローラ(張架部材)
51K:電荷除去用電極ブレード(電極部材、電極ブレード)
54K:制振部材(振動抑制手段)
P:記録紙(記録部材)

Claims (17)

  1. 表面にトナー像を担持する像担持体と、複数の張架部材に張架されて無端移動せしめられながらおもて面を該像担持体に当接させて転写ニップを形成する無端状のベルト部材と、該ベルト部材の裏面における全領域のうち、該転写ニップの裏側領域に当接しながら転写バイアスを印加する転写バイアス部材とを備え、該転写ニップにて、該像担持体上のトナー像を該ベルト部材のおもて面又はこれに保持される記録部材に転写する画像形成装置において、
    上記ベルト部材の電荷を除去するための電極部材を上記裏側領域に当接させるとともに、該電極部材の振動を抑える振動抑制手段を設けるか、あるいは、該電極部材として基材が制振材料からなるものを用いるかしたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 複数の張架部材に張架されて無端移動せしめられながらおもて面を当接部材に当接させて転写ニップを形成する無端状のベルト部材と、該ベルト部材の裏面における全領域のうち、該転写ニップの裏側領域に当接しながら転写バイアスを印加する転写バイアス部材とを備え、該転写ニップにて、該ベルト部材上のトナー像を該ベルト部材のおもて面から、該当接部材あるいは転写ニップに挟み込まれた記録部材に転写する画像形成装置において、
    上記ベルト部材の電荷を除去するための電極部材を上記裏側領域に当接させるとともに、該電極部材の振動を抑える振動抑制手段を設けるか、あるいは、該電極部材として基材が制振材料からなるものを用いるかしたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    上記電極部材を上記裏側領域における上記裏面と上記転写バイアス部材との当接部よりも上記ベルト部材の移動方向下流側に当接させたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかの画像形成装置において、
    上記転写バイアス部材を「3×標準重力加速度G×10[N/m]」以下の圧力で上記裏面領域に当接させたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかの画像形成装置において、
    表面移動不能な上記電極部材を上記裏側領域に摺擦させることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5の画像形成装置において、
    上記電極部材として、片持ち支持される板状の電極ブレードを用い、該電極ブレードの自由端側をカウンター方向で上記裏面領域に摺擦させたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項5又は6の画像形成装置において、
    上記電極部材として、上記裏面領域との当接部の摩擦係数が0.5以下であるものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項5乃至7の何れかの画像形成装置において、
    上記電極部材を「3×標準重力加速度G×10[N/m]」以下の圧力で上記裏面領域に当接させたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項5乃至8の何れかの画像形成装置において、
    上記電極部材として、上記裏面領域に当接する部分の国際ゴム硬さが35〜100[IRHD]であるものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項5乃至9の何れかの画像形成装置において、
    上記電極部材を0[mm]よりも大きく且つ1.5[mm]以下の食い込み量で上記裏面領域に当接させたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項5乃至10の何れかの画像形成装置において、
    上記ベルト部材の裏面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項5乃至11の何れかの画像形成装置において、
    上記電極部材として、その表面材料の主成分が上記ベルト部材の裏面材料の主成分と同じであり且つ組成の50[%]以上を占めるものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項5乃至12の何れかの画像形成装置において、
    上記ベルト部材の駆動を制御するベルト駆動制御手段として、所定のタイミングで該ベルト部材を逆方向に無端移動せしめるものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項1乃至13の何れかの画像形成装置において、
    上記制振材料として制振合金を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項1乃至13の何れかの画像形成装置において、
    上記制振材料として制振ゴムを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  16. 複数の張架部材に張架されて無端移動せしめられながらおもて面を画像形成装置の像担持体に当接させて転写ニップを形成する無端状のベルト部材と、該ベルト部材の裏面における全領域のうち、該転写ニップの裏側領域に当接しながら転写バイアスを印加する転写バイアス部材とを備え、該転写ニップにて、該像担持体上のトナー像を該ベルト部材のおもて面又はこれに保持される記録部材に転写する転写装置において、
    上記ベルト部材の電荷を除去するための電極部材を上記裏側領域に当接させるとともに、該電極部材の振動を抑える振動抑制手段を設けるか、あるいは、該電極部材として基材が制振材料からなるものを用いるかしたことを特徴とする転写装置。
  17. 複数の張架部材に張架されて無端移動せしめられながらおもて面を当接部材に当接させて転写ニップを形成する無端状のベルト部材と、該ベルト部材の裏面における全領域のうち、該転写ニップの裏側領域に当接しながら転写バイアスを印加する転写バイアス部材とを備え、該転写ニップにて、該ベルト部材上のトナー像を該ベルト部材のおもて面から、該当接部材あるいは転写ニップに挟み込まれた記録部材に転写する転写装置において、
    上記ベルト部材の電荷を除去するための電極部材を上記裏側領域に当接させるとともに、該電極部材の振動を抑える振動抑制手段を設けるか、あるいは、該電極部材として基材が制振材料からなるものを用いるかしたことを特徴とする転写装置。
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