JP6508197B2 - 熱式質量流量測定方法、当該方法を使用する熱式質量流量計、及び当該熱式質量流量計を使用する熱式質量流量制御装置 - Google Patents

熱式質量流量測定方法、当該方法を使用する熱式質量流量計、及び当該熱式質量流量計を使用する熱式質量流量制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6508197B2
JP6508197B2 JP2016511443A JP2016511443A JP6508197B2 JP 6508197 B2 JP6508197 B2 JP 6508197B2 JP 2016511443 A JP2016511443 A JP 2016511443A JP 2016511443 A JP2016511443 A JP 2016511443A JP 6508197 B2 JP6508197 B2 JP 6508197B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
thermal mass
flow rate
sensor wire
mass flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016511443A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015151638A1 (ja
Inventor
佐々木 章
章 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Publication of JPWO2015151638A1 publication Critical patent/JPWO2015151638A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6508197B2 publication Critical patent/JP6508197B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01FMEASURING VOLUME, VOLUME FLOW, MASS FLOW OR LIQUID LEVEL; METERING BY VOLUME
    • G01F1/00Measuring the volume flow or mass flow of fluid or fluent solid material wherein the fluid passes through a meter in a continuous flow
    • G01F1/68Measuring the volume flow or mass flow of fluid or fluent solid material wherein the fluid passes through a meter in a continuous flow by using thermal effects
    • G01F1/696Circuits therefor, e.g. constant-current flow meters
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01FMEASURING VOLUME, VOLUME FLOW, MASS FLOW OR LIQUID LEVEL; METERING BY VOLUME
    • G01F1/00Measuring the volume flow or mass flow of fluid or fluent solid material wherein the fluid passes through a meter in a continuous flow
    • G01F1/68Measuring the volume flow or mass flow of fluid or fluent solid material wherein the fluid passes through a meter in a continuous flow by using thermal effects
    • G01F1/684Structural arrangements; Mounting of elements, e.g. in relation to fluid flow
    • G01F1/6847Structural arrangements; Mounting of elements, e.g. in relation to fluid flow where sensing or heating elements are not disturbing the fluid flow, e.g. elements mounted outside the flow duct
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01FMEASURING VOLUME, VOLUME FLOW, MASS FLOW OR LIQUID LEVEL; METERING BY VOLUME
    • G01F15/00Details of, or accessories for, apparatus of groups G01F1/00 - G01F13/00 insofar as such details or appliances are not adapted to particular types of such apparatus
    • G01F15/001Means for regulating or setting the meter for a predetermined quantity
    • G01F15/002Means for regulating or setting the meter for a predetermined quantity for gases
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01FMEASURING VOLUME, VOLUME FLOW, MASS FLOW OR LIQUID LEVEL; METERING BY VOLUME
    • G01F15/00Details of, or accessories for, apparatus of groups G01F1/00 - G01F13/00 insofar as such details or appliances are not adapted to particular types of such apparatus
    • G01F15/005Valves
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01FMEASURING VOLUME, VOLUME FLOW, MASS FLOW OR LIQUID LEVEL; METERING BY VOLUME
    • G01F5/00Measuring a proportion of the volume flow

Description

本発明は、熱式質量流量計における流量の測定方法、当該方法を使用する熱式質量流量計、及び当該熱式質量流量計を使用する熱式質量流量制御装置に関する。
質量流量計(マスフローメータ)は、例えば半導体の製造プロセスにおいてチャンバ内に供給されるプロセスガスの質量流量を測定することを目的として広く使用されている。加えて、質量流量計は、上記のように単独で使用されるのみならず、流量制御弁及び制御回路等の他の部材と共に質量流量制御装置(マスフローコントローラ)を構成する部品としても使用される。当該技術分野には様々な形式の質量流量計があるが、比較的単純な構成によって流体(例えば、ガス及び液体)の質量流量を正確に測定することができるため、熱式質量流量計が広く使用されている。
一般的には、熱式質量流量計は、流体が流れる流路と、流路の途中に設けられたバイパスと、バイパスの上流側において流路から分岐してバイパスの下流側において流路に再び合流するセンサチューブと、センサチューブに巻き付けられた一対のセンサワイヤと、センサワイヤ及び他の抵抗素子を含むブリッジ回路を備えるセンサ回路と、によって構成される(例えば、特許文献1を参照)。バイパスは流体に対して流体抵抗を有し、流路に流れる流体のうち一定の割合の流体がセンサチューブに分岐するように構成される。
上記構成において、所定の電圧を印加する(又は所定の電流を流す)ことにより一対のセンサワイヤを発熱させると、センサワイヤから発生した熱がセンサチューブを流れる流体によって奪われる。その結果、センサチューブを流れる流体が加熱される。この際、上流側のセンサワイヤは未だ加熱されていない流体によって熱を奪われる。一方、下流側のセンサワイヤは上流側のセンサワイヤによって既に加熱された流体によって熱を奪われる。このため、上流側のセンサワイヤから奪われる熱は、下流側のセンサワイヤから奪われる熱よりも大きい。その結果、上流側のセンサワイヤの温度が、下流側のセンサワイヤの温度よりも低くなる。このため、上流側のセンサワイヤの電気抵抗値が、下流側のセンサワイヤの電気抵抗値よりも低くなる。このようにして生ずる上流側のセンサワイヤと下流側のセンサワイヤとの温度差に起因する電気抵抗値の差は、センサチューブを流れる流体の質量流量が大きいほど大きくなる。
上記のような上流側のセンサワイヤ及び下流側のセンサワイヤの電気抵抗値の差の流体の質量流量に応じた変化は、例えばブリッジ回路等を使用して検出することができる。更に、このようにして検出されたセンサワイヤの電気抵抗値の変化の差に基づいて、センサチューブに流れる流体の質量流量を求めることができ、センサチューブに流れる流体の質量流量に基づいて、流路に流れる流体の質量流量を求めることができる(詳しくは後述する)。本明細書においては、熱式質量流量計のうちセンサチューブとセンサワイヤとが含まれる部分を「流量センサ」と呼称する。
センサチューブの材料としては優れた耐食性及び機械的強度を有する材料が望ましく、一般的にはステンレス鋼等の金属(即ち、導体)が使用される。一方、センサワイヤの材料としては当然のことながら導体が使用される。即ち、一般的には、センサチューブ及びセンサワイヤの材料は何れも導体である。従って、流量センサにおいては、センサチューブとセンサワイヤとの導通及びセンサワイヤ同士の導通の防止、並びにセンサチューブへのセンサワイヤの固定等を目的として、センサチューブのセンサワイヤが巻き付けられた部分及びセンサワイヤの周囲に例えば樹脂等の絶縁材料によって形成される被覆層が配設されるのが一般的である(詳しくは後述する)。
加えて、流量センサによる質量流量測定のためには、上述したように、通電によってセンサワイヤから発生する熱がセンサチューブ及びセンサチューブに流れる流体によって奪われる必要がある。従って、少なくともセンサワイヤとセンサチューブとの間に介在する被覆層は、良好な熱伝導性を備えることが望ましい。
特開2009−192220号公報 特開平09−218065号公報
上述したように、熱式質量流量計が備える流量センサにおいては、所定の入力信号が供給されることによって(即ち、所定の電圧が印加されたり、所定の電流が流されたりすることによって)発熱しているセンサワイヤからセンサチューブを流れる流体によって奪われる熱の量が上流側センサワイヤと下流側センサワイヤとで異なることを利用して、センサチューブに流れる流体の質量流量を求めることができる。即ち、熱式質量流量計を使用して流体の質量流量を測定するためには、センサワイヤに所定の入力信号を供給して、センサワイヤを発熱させる必要がある。
ところが、上記のようにセンサワイヤに所定の入力信号を供給してセンサワイヤを発熱させることに関連して幾つかの課題が発生する。具体的には、例えば、センサワイヤからの発熱に伴う被覆層及びセンサワイヤの経時変化、流体の変質、及びサーマルサイフォニング現象等が発生して、熱式質量流量計が流体の質量流量を正しく計測することができなくなる虞がある(詳しくは後述する)。
上記課題を解決するための手法としては、センサワイヤからの発熱を少なくすることが考えられる。しかしながら、センサワイヤからの発熱を少なくすると、流体の流動に起因する上流側のセンサワイヤと下流側のセンサワイヤとの温度差が小さくなり、結果としてセンサ回路からの出力が弱くなって検出信号のS/N比が低下し、質量流量の測定精度が低下する虞がある。
逆に、センサ回路からの出力を強めて検出信号のS/N比を高め、質量流量の測定精度を向上させるためには、センサワイヤからの発熱を多くすることが必要である。しかしながら、この場合は、結果として、センサワイヤからの発熱に起因する上記のような問題が悪化する虞がある。加えて、センサワイヤからの発熱を多くするためには、センサワイヤに供給する電力量を増大させる(即ち、センサワイヤに印加する電圧又はセンサワイヤに流す電流を増大させる)必要があるため、センサワイヤにおける消費電力の増大を招く。
ところで、ブリッジ回路を構成する発熱用抵抗体を流体中に配設し、当該発熱用抵抗体の放熱を利用して流体の流量を検知する感熱式流量計において、検出信号を取得する期間においてのみ発熱用抵抗体に直流電力を供給することにより発熱用抵抗体における消費電力を低減する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。このような流量計においては、発熱用抵抗体が流体に直接接触しているため、発熱用抵抗体への直流電力の供給を開始してから熱的平衡状態に到達するまでに要する期間が短く(熱時定数が小さく)、発熱用抵抗体に直流電力を供給する期間を十分に短くすることができる。その結果、発熱用抵抗体における消費電力を低減することができる。
しかしながら、流体が流れる流路から分岐するセンサチューブに巻き付けられたセンサワイヤに直流電力を供給して発熱させるキャピラリ加熱型熱式質量流量計においては、上記のようにセンサワイヤに直流電力を断続的に供給することによりセンサワイヤにおける消費電力を低減することは困難である。具体的には、キャピラリ加熱型熱式質量流量計においては、センサワイヤが流体に直接接触していない。即ち、キャピラリ加熱型熱式質量流量計においてセンサワイヤから発生した熱は、流体のみならずセンサチューブによっても奪われる(熱容量が大きい)ため、熱的平衡状態に到達するのに必要とされる時間が長い(熱時定数が大きい)。従って、センサワイヤに直流電力を供給する期間を十分に短くすることにより、センサワイヤにおける消費電力を低減することは困難である。
加えて、キャピラリ加熱型熱式質量流量計においては、熱容量が大きく、熱時定数が大きいので、センサワイヤへの直流電力の供給を停止してから熱的平衡状態に到達するまでに要する期間も長い。従って、前回のセンサワイヤの発熱による熱履歴の影響が比較的長い期間に亘って残存するので、上記従来技術におけるように熱履歴の影響を排除するためには、センサワイヤに直流電力を供給しない期間を長くする必要がある。
即ち、キャピラリ加熱型熱式質量流量計において上記従来技術のようにセンサワイヤに直流電力を断続的に供給して流体の流量を測定する場合、センサワイヤに直流電力を供給している期間及びセンサワイヤに直流電力を供給していない期間の両方を長くする必要がある。その結果、センサワイヤに直流電力を供給して検出信号を取得する頻度が少なくなる。従って、このような測定方法は、流体の精確な流量を常に監視することが望まれる用途(例えば、半導体の製造プロセスにおいてチャンバ内に供給される流体(プロセスガス)の質量流量を測定する用途等)には適合しない。
上記のように、従来技術に係る熱式質量流量計においては、センサワイヤからの発熱に起因する種々の問題の抑制と質量流量の測定精度の向上とは両立困難である。即ち、当該技術分野においては、センサワイヤからの発熱に起因する種々の問題の抑制と質量流量の測定精度の維持・向上とを好適にバランスさせることができる新しい技術が求められている。例えば、測定精度の低下を抑制しつつセンサワイヤからの発熱を低減したり、センサワイヤからの発熱の増大を抑制しつつ測定精度を向上させたりすることができる、熱式質量流量計による質量流量の測定方法が求められている。従って、本発明は、測定精度の低下を抑制しつつセンサワイヤからの発熱を低減したり、センサワイヤからの発熱の増大を抑制しつつ測定精度を向上させたりすることができる、熱式質量流量計による質量流量の測定方法を提供することを1つの目的とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、発熱を目的としてセンサワイヤに供給(入力)される入力信号(電気信号)の信号強度(電圧値又は電流値)は維持しつつ当該入力信号によってセンサワイヤに供給されるエネルギ量(電力量)を低減したり、当該入力信号によってセンサワイヤに供給されるエネルギ量は維持しつつ当該入力信号の信号強度を増大させたりすることにより、本発明の上記1つの目的を達成することができることを見出した。具体的には、従来技術に係る熱式質量流量計におけるようにセンサワイヤに直流電圧を印加する(又は直流電流を流す)のではなく、センサワイヤにパルス信号(例えば、パルス電圧及びパルス電流等)を入力信号として供給して、センサワイヤを発熱させることにより、本発明の上記1つの目的を達成することができることを見出したのである。
即ち、本発明に係る熱式質量流量計における流量の測定方法は、
流体が流れる流路と、
前記流路の途中に設けられたバイパスと、
前記バイパスの上流側において前記流路から分岐して前記バイパスの下流側において前記流路に再び合流するセンサチューブ及び前記センサチューブに流れる流体に対して直接には接触せず且つ熱伝導可能に配設された一対のセンサワイヤを含む流量センサと、
前記センサワイヤから発熱させるための入力信号を前記センサワイヤに供給する電源と、
前記センサワイヤを含むブリッジ回路を備えるセンサ回路と、
を備える熱式質量流量計における流量の測定方法であって、
第1強度及び前記第1強度よりも低い第2強度の何れかの値をとるように信号強度が経時的に変化するパルス信号を前記入力信号として前記センサワイヤに供給すること、
前記パルス信号が前記センサワイヤに供給された結果として前記センサ回路から出力される出力信号のうち、信号強度が前記第1強度になっている前記入力信号に対応し且つ単位時間当たりの信号強度の変動幅が所定の閾値以下になっている部分における出力信号の信号強度を出力信号強度として取得すること、及び
前記出力信号強度に基づいて、前記流体の流量を算出すること、
を含む熱式質量流量計における流量の測定方法である。
本発明に係る熱式質量流量計における流量の測定方法によれば、測定精度の低下を抑制しつつセンサワイヤからの発熱を低減したり、センサワイヤからの発熱の増大を抑制しつつ測定精度を向上させたりすることができる。
本発明の1つの実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法が適用される熱式質量流量計を含む熱式質量流量制御装置の構成の一例を示す模式図である。 本発明の1つの実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法が適用される熱式質量流量計が備えるセンサ回路の構成の一例を示す模式図である。 流量センサにおいてセンサチューブにセンサワイヤが巻き付けられた部分近傍の断面構造の一例を示す模式図である。 実施例に係る熱式質量流量計と比較例に係る熱式質量流量計との比較のために使用したセンサ回路の構成を示す模式図である。 本発明の1つの実施態様に係る熱式質量流量計における(a)センサワイヤに印加されるパルス電圧の波形、及び(b)センサ回路からオペアンプを介して出力される出力信号の波形、をそれぞれ示す模式的なグラフである。 実施例に係る熱式質量流量計と比較例に係る熱式質量流量計との比較のために使用した実験装置の構成を示す模式図である。 実施例及び比較例に係るそれぞれの熱式質量流量計における設定流量とセンサ回路からの出力電圧との関係を示す模式的なグラフである。
前述したように、当該技術分野においては、測定精度の低下を抑制しつつセンサワイヤからの発熱を低減したり、センサワイヤからの発熱の増大を抑制しつつ測定精度を向上させたりすることができる、熱式質量流量計による質量流量の測定方法が求められている。
そこで、本発明者は、鋭意研究の結果、発熱を目的としてセンサワイヤに供給(入力)される入力信号(電気信号)の信号強度(電圧値又は電流値)は維持しつつ当該入力信号によってセンサワイヤに供給されるエネルギ量(電力量)を低減したり、当該入力信号によってセンサワイヤに供給されるエネルギ量は維持しつつ当該入力信号の信号強度を増大させたりすることにより、本発明の上記1つの目的を達成することができることを見出した。具体的には、従来技術に係る熱式質量流量計におけるようにセンサワイヤに直流電圧を印加する(又は直流電流を流す)のではなく、センサワイヤにパルス信号(例えば、パルス電圧及びパルス電流等)を入力信号として供給して、センサワイヤを発熱させることにより、本発明の上記1つの目的を達成することができることを見出し、本発明を想到するに至ったのである。
即ち、本発明の第1の実施態様は、
流体が流れる流路と、
前記流路の途中に設けられたバイパスと、
前記バイパスの上流側において前記流路から分岐して前記バイパスの下流側において前記流路に再び合流するセンサチューブ及び前記センサチューブに流れる流体に対して直接には接触せず且つ熱伝導可能に配設された一対のセンサワイヤを含む流量センサと、
前記センサワイヤから発熱させるための入力信号を前記センサワイヤに供給する電源と、
前記センサワイヤを含むブリッジ回路を備えるセンサ回路と、
を備える熱式質量流量計における流量の測定方法であって、
第1強度及び前記第1強度よりも低い第2強度の何れかの値をとるように信号強度が経時的に変化するパルス信号を前記入力信号として前記センサワイヤに供給すること、
前記パルス信号が前記センサワイヤに供給された結果として前記センサ回路から出力される出力信号のうち、信号強度が前記第1強度になっている前記入力信号に対応し且つ単位時間当たりの信号強度の変動幅が所定の閾値以下になっている部分における出力信号の信号強度を出力信号強度として取得すること、及び
前記出力信号強度に基づいて、前記流体の流量を算出すること、
を含む熱式質量流量計における流量の測定方法である。
上記のように、本実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法が適用される熱式質量流量計は、当該技術分野において周知の構成を有する一般的な熱式質量流量計である。具体的には、本実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法は、以下のような構成を有する熱式質量流量計に適用することができる。
流体が流れる流路と、
前記流路の途中に設けられたバイパスと、
前記バイパスの上流側において前記流路から分岐して前記バイパスの下流側において前記流路に再び合流するセンサチューブ及び前記センサチューブに流れる流体に対して直接には接触せず且つ熱伝導可能に配設された一対のセンサワイヤを含む流量センサと、
前記センサワイヤから発熱させるための入力信号を前記センサワイヤに供給する電源と、
前記センサワイヤを含むブリッジ回路を備えるセンサ回路と、
を備える熱式質量流量計。
ここで、本実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法が適用される熱式質量流量計の構成の一例につき、添付図面を参照しながら、以下に詳しく説明する。図1は、前述したように、本発明の1つの実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法が適用される熱式質量流量計を含む熱式質量流量制御装置の構成の一例を示す模式図である。更に、図2は、前述したように、本発明の1つの実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法が適用される熱式質量流量計が備えるセンサ回路の構成の一例を示す模式図である。
図1に示されているように、熱式質量流量制御装置100は、熱式質量流量計110と、流量調節手段120と、制御手段130(後述する「第1制御部」及び「第2制御部」に相当する)と、を含む。熱式質量流量計110は、流体が流れる流路114と、流路114の途中に設けられたバイパス115と、バイパス115の上流側において流路114から分岐してバイパス115の下流側において流路114に再び合流するセンサチューブ116と、センサチューブ116に巻き付けられた一対のセンサワイヤ117及び118と、図2に示されているようにセンサワイヤ117及び118並びに他の抵抗素子117′及び118′を含むブリッジ回路を備えるセンサ回路111と、によって構成される。バイパス115は流体に対して流体抵抗を有し、流路114を流れる流体のうち一定の割合の流体がセンサチューブ116に分岐するように構成される。尚、図1に示されている構成においては、一対のセンサワイヤ117及び118がセンサチューブ116に巻き付けられている。しかしながら、センサワイヤから発生した熱がセンサチューブに流れる流体に伝導することが可能である限り、センサワイヤの具体的な配置は特に限定されない。
上記構成において、電源113からセンサワイヤ117及び118に所定の入力信号(電気信号)を供給(入力)するとジュール熱が発生し、この熱はセンサチューブ116を流れる流体によって奪われる。この際、上流側のセンサワイヤ117は未だ加熱されていない流体によって熱を奪われ、下流側のセンサワイヤ118は上流側のセンサワイヤ117によって既に加熱された流体によって熱を奪われる。このため、上流側のセンサワイヤ117の温度よりも下流側のセンサワイヤ118の温度の方が高くなる。その結果、上流側のセンサワイヤ117の電気抵抗よりも下流側のセンサワイヤ118の電気抵抗の方が高くなる。尚、発熱を目的としてセンサワイヤに供給(入力)される入力信号(電気信号)は、電圧及び電流の何れに基づいて制御されてもよい。
このようにして生ずる上流側のセンサワイヤ117と下流側のセンサワイヤ118との温度差に起因する電気抵抗値の差(比)は、センサチューブ116を流れる流体の質量流量に応じて変化する。その結果、センサ回路111の点Sと点Cとの間の電位差もまたセンサチューブ116を流れる流体の質量流量に応じて変化する。このような電位差の変化を、例えばオペアンプ119を介して検出することにより、センサチューブ116に流れる流体の質量流量を測定することができる。更に、このようにして測定されるセンサチューブ116に流れる流体の質量流量に基づいて、流路114に流れる流体の質量流量を求めることができる。即ち、熱式質量流量制御装置100は、キャピラリ加熱型熱式質量流量計である。
図2に示されているセンサ回路においては、それぞれ300Ωの抵抗値を有するセンサワイヤ117及び118が点Sにおいて直列に接続され、それぞれ20kΩの抵抗値を有する他の抵抗素子117′及び118′が点Cにおいて直列に接続されている。更に、上記のようにそれぞれ直列に接続されたセンサワイヤ117及び118の両端と他の抵抗素子117′及び118′の両端とが、それぞれ点P及び点Nにおいて接続されている。即ち、センサワイヤ117及び118と抵抗素子117′及び118′とは所謂「ホイートストンブリッジ」を構成している。
質量流量の測定時には、電源113から上記点Pと点Nとの間に所定の入力信号(電気信号)が供給(入力)され、センサワイヤ117及び118からジュール熱が発生する。更に、点S及び点Cはそれぞれオペアンプ119の非反転入力(+)及び反転入力(−)に接続され、点Sと点Cとの間の電位差に応じた信号がオペアンプ119の出力として得られる。このようにして得られるオペアンプ119からの出力信号に基づいて、センサチューブ116に流れる流体の質量流量を測定することができる。但し、他の抵抗素子117′及び118′の電気抵抗がセンサワイヤ117及び118からの発熱の影響を受けると、センサチューブ116に流れる流体の質量流量を正確に測定することができない。従って、他の抵抗素子117′及び118′は、センサワイヤ117及び118からの発熱の影響を実質的に受けない位置及び/又は状態に配置される。
尚、上述したように、図1は、本発明の1つの実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法が適用される熱式質量流量計を含む熱式質量流量制御装置の構成の一例を示す模式図である。従って、図1には、上述したように、熱式質量流量計110の他に、流量調節手段120及び制御手段130等も描かれているが、これらについては、熱式質量流量計及び熱式質量流量制御装置としての本発明の実施態様についての説明において詳しく説明するので、ここでは説明しない。
ところで、前述したように、センサチューブの材料としては優れた耐食性及び機械的強度を有する材料が望ましく、一般的にはステンレス鋼等の金属(即ち、導体)が使用される。一方、センサワイヤの材料としては当然のことながら導体が使用される。具体的には、センサチューブの材料としては、例えば日本工業規格(JIS)によって定められるSUS316を始めとするステンレス鋼材等、優れた耐食性及び機械的強度を有する材料が使用される。一方、センサワイヤの材料としては、例えばエナメル線等、所望の電気抵抗値を有する導体(例えば、銅等の金属)が使用される。即ち、典型的には、センサチューブ及びセンサワイヤの材料は、何れも導体である。
従って、センサチューブとセンサワイヤとが接触したり、センサワイヤ同士(例えば、センサチューブに巻き付けられたセンサワイヤの巻き線同士等)が接触したりすると、センサワイヤの電気抵抗値が低下する。その結果、入力信号の供給によるセンサワイヤからの発熱が不十分となったり、流量センサの感度が低下したりする。このため、センサチューブとセンサワイヤとの間及びセンサワイヤ同士の間は、電気的に絶縁されている必要がある。更に、センサワイヤがセンサチューブの所定の位置に固定されている必要もある。
そこで、流量センサにおいては、前述したように、センサチューブとセンサワイヤとの導通及びセンサワイヤ同士の導通の防止、並びにセンサチューブへのセンサワイヤの固定等を目的として、センサチューブ及びセンサワイヤの所定の部分及びセンサワイヤの表面等に、例えば樹脂等の材料によって形成される被覆層が配設される。ここで、被覆層の構成の一例につき、添付図面を参照しながら以下に詳しく説明する。
図3は、前述したように、流量センサにおいてセンサチューブにセンサワイヤが巻き付けられた部分近傍の断面構造の一例を示す模式図である。即ち、図3に示されている例においては、センサチューブ116にはセンサワイヤ117及び118がコイル状に巻き付けられ、センサチューブ116及びセンサワイヤ117及び118の周囲には被覆層112が設けられている。被覆層112は、その位置と機能とによって以下に示す4つの部分に分けることができる。
第1被覆層112aは、センサチューブ116の表面に接して設けられ、センサチューブ116とセンサワイヤ117及び118との間の導通(電気的接続)を防止する絶縁層を構成している。第2被覆層112bは、センサワイヤ117及び118の表面に接して設けられ、センサワイヤ117及び118同士の導通を防止する絶縁層を構成している。第3被覆層112cは、第1被覆層112aと第2被覆層112bとによって囲まれる空間に設けられ、センサワイヤ117及び118をセンサチューブ116に固定する機能を有している。第4被覆層112dは、センサワイヤ117及び118がセンサチューブ116に巻き付けられている部分全体を覆うように設けられ、センサワイヤ117及び118同士を相互に固定する機能を有している。本明細書においては、例えば、上記第1被覆層112a乃至第4被覆層112d等、少なくともセンサワイヤ117及び118がセンサチューブ116に巻き付けられている部分を被覆する層を総称して「被覆層」(112)と呼称する。
ところで、上述したように流量センサによる質量流量測定のためにはセンサワイヤから発生する熱がセンサチューブを流れる流体によって奪われる必要がある。従って、少なくともセンサワイヤとセンサチューブとの間に介在する被覆層は、良好な熱伝導性を備える必要がある。従って、被覆層を構成する材料には、電気絶縁体としての機能、接着剤としての機能、及び熱伝導体としての機能が必要とされる。更に、センサチューブ及びセンサワイヤの表面に薄く形成することができ、表面に被覆層が形成されたセンサワイヤをセンサチューブに巻き付けても亀裂が生じないような十分な可撓性を有する材料が好ましい。このような観点から、従来技術に係る流量センサの被覆層の材料としては、ポリアミドイミド又はポリイミドが好適に用いられる。特に、ポリイミドは極めて高い耐熱性を有するので、より好ましい。ところが、前述したように、センサワイヤに所定の入力信号を供給してセンサワイヤを発熱させることに関連して、以下に列挙するような幾つかの課題が発生する。
先ず、第1の課題としては、センサワイヤから発生する熱による流量センサを構成する部材の経時変化が挙げられる。経時変化の原因は2つに大分される。1つの原因は、流量センサを構成する部材の1つであるセンサワイヤが発熱して昇温することにより、その内部応力が緩和され、電気抵抗値が時間と共に変化することである。センサワイヤは製造時の塑性加工に起因する内部応力を有する。加えて、センサチューブに巻き付けられて塑性変形することにより、センサワイヤの内部応力が更に増大する。これらの内部応力は、センサワイヤが発熱して昇温することにより緩和され、それに伴ってセンサワイヤの電気抵抗値が変化する。
経時変化のもう1つの原因は、センサワイヤの周囲に存在する被覆層からセンサワイヤに作用する外部応力の変動である。被覆層を構成するポリイミド等の樹脂材料は、高温に保持されると空気中の水分及び/又は酸素との反応により徐々に分解することが知られている。このように被覆層が分解されて消失すると、センサワイヤが被覆層から受けていた外部応力が緩和される。その結果として、センサワイヤの電気抵抗値が変化する。
熱式質量流量計の製造時には上流側のセンサワイヤ117の電気抵抗値と下流側のセンサワイヤ118の電気抵抗値とが所定の比率にてバランスするように初期調整されている。しかしながら、上述した経時変化によりセンサワイヤの電気抵抗値が変化すると、上記バランスが崩れ、流量の検出誤差の原因となる。このような時間の経過に伴って発生する流量の検出誤差は「ゼロ点変動」と呼称される場合がある。ゼロ点変動は、センサワイヤからの発熱が大きいほど短期間で急速に現れる。
次に、第2の課題としては、センサワイヤから発生する熱によるセンサチューブに流れる流体の変質及び/又は変性が挙げられる。熱式質量流量計の設置環境の温度が室温である場合、センサワイヤの温度は90乃至95℃に昇温され、センサワイヤから発生する熱の一部が流体に奪われて、流体の温度が上昇する。流体の種類によっては、このときの温度上昇によって変質及び/又は変性して、熱式質量流量計により正しく質量流量を測定することが困難となる場合がある。
例えば、塩素ガス(Cl)は常温でも水分等と容易に反応して塩素化合物を生成する。このような塩素ガスの反応性は温度が上昇するほど高まるため、熱式質量流量計を使用して塩素ガスの質量流量を測定する場合は、センサワイヤからの発熱による流体の昇温幅をできるだけ小さくすることが望ましい。
更に、第3の課題としては、所謂「サーマルサイフォニング現象」による流量測定値のズレ(ゼロ点変動)が挙げられる。サーマルサイフォニング現象は、例えば、センサチューブの方向が鉛直方向となる構成において、センサワイヤからの発熱によって加熱された流体がセンサチューブにおいて上昇することにより、例えば流体の対流等、意図せぬ流体の流れが生ずる現象である。このような現象が起こると、例えば、実際には流体が流れていない状況においても質量流量値が測定される。このように、サーマルサイフォニング現象が起こると、センサチューブにおける流体の質量流量が流路における流体の質量流量を正確に反映しなくなる場合がある。その結果、熱式質量流量計により正しく質量流量を測定することが困難となる場合がある。
尚、上記と同様の現象はセンサチューブの外部においても起こり得る。例えば、センサワイヤの周囲に存在する空気がセンサワイヤからの発熱によって加熱され、空気の対流が生ずる場合がある。この場合もまた、熱式質量流量計により正しく質量流量を測定することが困難となる場合がある。言うまでも無く、上記のような現象は、センサワイヤからの発熱が大きいほど起こり易い。
以上のように、例示した何れの課題についても、センサワイヤからの発熱を少なくすることによって問題を低減及び/又は軽減することができる。しかしながら、センサワイヤからの発熱を少なくすると、前述したように、センサ回路からの出力が弱くなって検出信号のS/N比が低下し、質量流量の測定精度が低下する虞がある。
そこで、本発明者は、鋭意研究の結果、従来技術に係る熱式質量流量計におけるようにセンサワイヤに直流電圧を印加する(又は直流電流を流す)のではなく、センサワイヤにパルス信号(例えば、パルス電圧及びパルス電流等)を入力信号として供給して、センサワイヤを発熱させることにより、測定精度の低下を抑制しつつセンサワイヤからの発熱を少なくすることができることを見出した。
従って、本実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法は、上述したような構成を有する熱式質量流量計において、
第1強度及び前記第1強度よりも低い第2強度の何れかの値をとるように信号強度が経時的に変化するパルス信号を前記入力信号として前記センサワイヤに供給すること、
前記パルス信号が前記センサワイヤに供給された結果として前記センサ回路から出力される出力信号のうち、信号強度が前記第1強度になっている前記入力信号に対応し且つ単位時間当たりの信号強度の変動幅が所定の閾値以下になっている部分における出力信号の信号強度を出力信号強度として取得すること、及び
前記出力信号強度に基づいて、前記流体の流量を算出すること、
を含む。
上記のように、本実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法においては、第1強度及び前記第1強度よりも低い第2強度の何れかの値をとるように信号強度が経時的に変化するパルス信号を前記入力信号として前記センサワイヤに供給する。即ち、本実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法においては、従来技術に係る熱式質量流量計におけるようにセンサワイヤに(連続的に)直流電圧を印加する(又は直流電流を流す)のではなく、所定のパルス幅及び所定の振幅を有するパルス信号をセンサワイヤに供給する。尚、発熱を目的とする入力信号としてセンサワイヤに供給されるパルス信号もまた、電圧及び電流の何れに基づいて制御されてもよい。
上記のように、本実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法においてセンサワイヤに供給される入力信号は、信号強度が第1強度になっている期間(第1期間)と、信号強度が(第1強度よりも低い)第2強度になっている期間(第2期間)とを有する。この第1強度は、測定対象となる流体の質量流量を所望の精度にて測定することが可能な温度差を上流側のセンサワイヤと下流側のセンサワイヤとの間に生じさせることができる熱量をセンサワイヤから発生させるのに必要とされる入力信号の強度とすることができる。即ち、本実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法においては、第1期間における適切なタイミングにて、流体の質量流量を所望の精度にて測定することができる。一方、第2強度は、上述したように第1強度よりも低い限り如何なる信号強度であってもよいが、典型的には0(ゼロ)とすることができる。従って、本実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法によれば、入力信号の信号強度が第1強度にて一定となる従来技術と比べて、単位時間当たりにセンサワイヤに供給されるエネルギ量(電力量)を低減することができる。結果として、単位時間当たりのセンサワイヤからの発熱量を低減することができ、センサワイヤからの発熱に起因する上述したような種々の問題を低減することができる。
或いは、本実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法によれば、単位時間当たりにセンサワイヤに供給されるエネルギ量(電力量)の増大を抑制しつつ、センサワイヤへの入力信号の信号強度(パルス信号の振幅)を増大させることができる。結果として、単位時間当たりのセンサワイヤからの発熱量の増大を抑制しつつ、センサ回路からの出力信号を強くして検出信号のS/N比を高め、質量流量の測定精度を高めることができる。
上記のように所定のパルス幅及び所定の振幅を有するパルス信号をセンサワイヤに供給するための具体的な方法は特に限定されず、パルス信号を発生させるための方法として当業者に周知の種々の方法から適宜選択することができる。例えば、所定のパルス幅及び所定の周期を有するパルス電圧を関数発生器によって生成する。このようにして生成されたパルス電圧を、所定の電圧値を有する発熱用の電圧をセンサワイヤに印加するための配線に介装されたトランジスタのベースに印加することにより、所定のパルス幅及び所定の振幅を有するパルス電圧を入力信号としてセンサワイヤに印加することができる(例えば、図4を参照)。
但し、上記例示においては所定の周期を有するパルス電圧を入力信号としてセンサワイヤに印加する場合について説明したが、センサ回路からの出力信号を正しく検出することが可能である限り、パルス電圧が必ずしも所定の周期にて印加される必要は無い。即ち、上述した第1期間及び第2期間の長さは、それぞれ必ずしも一定である必要は無い。尚、第1期間(例えば、パルス電圧のパルス幅)及び第2期間の長さは、例えば、センサ回路からの出力信号を検出するための検出手段の構成要素(例えば、A/Dコンバータ及びサンプルホールド回路(使用する場合)等)の応答速度等に基づいて適宜設定することができる。
更に、上記例示のように所定の周期を有するパルス信号をセンサワイヤに供給する場合、パルス信号の周期もまた、例えば、センサ回路からの出力信号を検出するための検出手段の構成要素(例えば、A/Dコンバータ及びサンプルホールド回路(使用する場合)等)の応答速度等に基づいて適宜設定することができる。このように設定されるパルス信号の一例としては、例えば、0.11ms(ミリ秒)のパルス幅、8V(又は24V)の振幅、及び1.0msの周期(即ち、デューティ比=1/9)を有するパルス電圧を挙げることができる。
更に、本実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法においては、前記パルス信号が前記センサワイヤに供給された結果として前記センサ回路から出力される出力信号のうち、信号強度が前記第1強度になっている前記入力信号に対応し且つ単位時間当たりの信号強度の変動幅が所定の閾値以下になっている部分における出力信号の信号強度を出力信号強度として取得する。例えば、センサワイヤにパルス信号(例えば、パルス電圧)を供給した結果としてのセンサ回路からの出力信号(例えば、出力電圧)の推移を事前実験等によって測定する。この測定結果に基づき、信号強度が第1強度になっている入力信号に対応し且つ単位時間当たりの信号強度の変動幅が所定の閾値以下(即ち、略一定)になる期間を予め特定しておく。このようにして特定された期間内の特定のタイミング(例えば、パルス電圧の立ち上がりから0.05ms(ミリ秒)後)において、センサ回路から出力される出力信号の信号強度(例えば、出力電圧の値)を出力信号強度として取得することができる。
従って、所定の周期を有するパルス信号をセンサワイヤに入力信号として供給する場合は、センサ回路から出力される出力信号の信号強度を出力信号強度として取得する周期を、センサワイヤに供給される入力信号としてのパルス信号の周期に同期させてもよい。具体的には、上記のようにセンサ回路からの出力信号の信号強度が略一定となる期間内の特定のタイミングにてセンサ回路から出力される出力信号の信号強度を出力信号強度として取得するように、センサ回路からの出力信号を検出するための検出手段を構成すればよい。更に、例えば、センサ回路からの出力信号をデジタル化するA/Dコンバータへの入力経路にサンプルホールド回路を設けて、センサ回路からの出力信号をより確実に検出するようにしてもよい。尚、センサ回路からの出力信号の信号強度が略一定となったか否かの判断基準となる「所定の閾値」は、例えば、センサ回路からの出力信号を検出するための検出手段の検出精度及び/又は本実施態様に係る熱式質量流量計におけるノイズの大きさ等を考慮して、適宜定めることができる。
また更に、本実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法においては、前記出力信号強度に基づいて、前記流体の流量を算出する。上述したように、センサ回路からの出力信号はセンサチューブに流れる流体の質量流量に対応する。一方、前述したように、バイパスは流体に対して流体抵抗を有し、流路に流れる流体のうち一定の割合の流体がセンサチューブに分岐するように構成されている。従って、当該割合に基づいて、センサ回路からの出力信号に対応するセンサチューブに流れる流体の質量流量から、流路に流れる流体の質量流量を求めることができる。
但し、実際の熱式質量流量計において流体の質量流量を求めるための演算処理においては、センサチューブに流れる流体の質量流量を必ずしも算出する必要は無い。例えば、センサ回路からの出力信号強度と流路に流れる流体の質量流量との対応関係を事前実験等によって予め特定しておき、当該対応関係に基づいて、センサ回路からの出力信号強度から流路に流れる流体の質量流量を直接的に求めることもできる。
上記のような演算処理、並びに上述したようなセンサワイヤへの入力信号の供給及びセンサ回路からの出力信号の検出に関する制御は、例えば、熱式質量流量計に組み込まれたマイクロコンピュータ等の電子制御装置を利用して行うことができる。このような電子制御装置の詳細については当業者に周知であるので、本明細書における説明は割愛する。
ところで、冒頭で述べたように、本発明は、これまで説明してきた質量流量の測定方法を使用する熱式質量流量計にも関する。当該熱式質量流量計は、上記測定方法を実行するための制御部(例えば、上記電子制御装置等)を備える。
即ち、本発明の第2の実施態様は、
流体が流れる流路と、
前記流路の途中に設けられたバイパスと、
前記バイパスの上流側において前記流路から分岐して前記バイパスの下流側において前記流路に再び合流するセンサチューブ及び前記センサチューブに流れる流体に対して直接には接触せず且つ熱伝導可能に配設された一対のセンサワイヤを含む流量センサと、
前記センサワイヤから発熱させるための入力信号を前記センサワイヤに供給する電源と、
前記センサワイヤを含むブリッジ回路を備えるセンサ回路と、
を備える熱式質量流量計であって、
前記電源及び前記センサ回路を制御する第1制御部を更に備え、
前記第1制御部が本発明の前記第1の実施態様に係る方法を実行することにより、前記流体の流量を算出する、
熱式質量流量計である。
上記のように、本実施態様に係る熱式質量流量計は、本発明の前記第1の実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法が適用される熱式質量流量計である。従って、熱式質量流量計の基本的な構成については、図1及び図2等を参照しながら、本発明の前記第1の実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法の説明において既に述べたので、ここでは繰り返して説明しない。
但し、本実施態様に係る熱式質量流量計は、上記のように、前記電源及び前記センサ回路を制御する第1制御部を更に備え、前記第1制御部が本発明の前記第1の実施態様に係る方法を実行することにより、前記流体の流量を算出する。より具体的には、第1制御部は、本発明の前記第1の実施態様に係る方法における各種演算処理並びにセンサワイヤへの入力信号としてのパルス信号の供給及びセンサ回路からの出力信号の検出に関する制御を実行する。このような第1制御部は、例えば、熱式質量流量計に組み込まれたマイクロコンピュータ等の電子制御装置として実装することができる。尚、前述した図1においては、第1制御部は制御手段130として描かれている。
従って、本実施態様に係る熱式質量流量計によれば、センサワイヤに供給されるパルス信号において信号強度が第1強度となる第1期間が到来してから次の第1期間が到来するまでの期間(即ち、第2期間)においては、信号強度が第1強度よりも低い第2強度となっている。例えば、入力信号がパルス電圧である場合、センサワイヤに供給されるパルス電圧において、電圧値が第1強度(例えば、8V)となる第1期間と電圧値が第2強度(例えば、0(ゼロ)V)となる第2期間とが交互に到来する。これにより、流体の流量を検出する際にセンサワイヤに供給されているパルス信号の信号強度(例えば、パルス電圧の振幅)が同じであっても、(センサワイヤへの累積印加時間又は累積通電時間が短くなるので)単位時間当たりにセンサワイヤに供給されるエネルギ量(電力量)を低減することができる。結果として、単位時間当たりのセンサワイヤからの発熱量を低減することができ、センサワイヤからの発熱に起因する上述したような種々の問題を低減することができる。
或いは、本実施態様に係る熱式質量流量計によれば、単位時間当たりにセンサワイヤに供給されるエネルギ量(電力量)の増大を抑制しつつ、センサワイヤへの入力信号の信号強度(例えば、パルス電圧の振幅)を増大させることができる。結果として、単位時間当たりのセンサワイヤからの発熱量の増大を抑制しつつ、センサ回路からの出力信号を強くして検出信号のS/N比を高め、質量流量の測定精度を高めることができる。
ところで、従来技術に係る熱式質量流量計においては、第1の課題として前述したように、センサワイヤから発生する熱による流量センサを構成する部材の経時変化に起因するゼロ点変動等の問題が懸念される。前述したように、これらの部材の中で上記のような問題への影響が大きいのは、一般的に耐熱性樹脂によって構成される被覆層である。従って、本発明の前記第1の実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法は、被覆層を有する熱式質量流量計に適用される場合に大きな効果を発揮する。
従って、本発明の第3の実施態様は、
本発明の前記第2の実施態様に係る熱式質量流量計であって、
前記センサチューブの近傍に前記センサワイヤが配設されており、
前記センサチューブの近傍に前記センサワイヤが配設された部分の周囲に配設された被覆層、
を更に含む熱式質量流量計である。
本実施態様に係る熱式質量流量計が備える被覆層の具体的な構成については、図3等を参照しながら、本発明の前記第1の実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法の説明において既に述べたので、ここでは繰り返して説明しない。
上述したように、センサワイヤから発生する熱による被覆層の経時変化は、熱式質量流量計の応答速度の低下及び/又は検出誤差の増大等の問題の大きな原因となり得る。本実施態様に係る熱式質量流量計においては、センサチューブの近傍にセンサワイヤが配設されている(例えば、センサチューブにセンサワイヤが巻き付けられている)。本実施態様に係る熱式質量流量計においては、このようにセンサチューブの近傍にセンサワイヤが配設された部分の周囲に被覆層が配設されているものの、本発明の前記第1の実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法が適用される。その結果、センサワイヤから発生する熱による被覆層の経時変化が抑制され、上述したような問題が回避される。
ところで、冒頭で述べたように、本発明は、熱式質量流量計における流量の測定方法及び当該方法を使用する熱式質量流量計のみならず、当該熱式質量流量計を使用する熱式質量流量制御装置にも関する。当該熱式質量流量制御装置は、本発明に係る熱式質量流量計における流量の測定方法を使用する熱式質量流量計によって算出される流体の流量に基づいて流量調節手段を制御して、流体の流量を目標値に近付ける。
即ち、本発明の第4の実施態様は、
本発明の前記第2又は前記第3の実施態様に係る熱式質量流量計と、
前記流路に流れる流体の流量を制御する流量調節手段と、
前記流量調節手段を制御する第2制御部と、
を備える熱式質量流量制御装置であって、
前記第2制御部が、前記熱式質量流量計によって算出される前記流体の流量に基づいて前記流量調節手段を制御して、前記流体の流量を目標値に近付ける、
熱式質量流量制御装置である。
上記のように、本実施態様に係る熱式質量流量制御装置は、本発明の前記第2又は第3の実施態様に係る熱式質量流量計を備える熱式質量流量制御装置である。従って、熱式質量流量計の基本的な構成については、図1乃至3等を参照しながら、本発明の前記第1乃至前記第3の実施態様に係る熱式質量流量計における流量の測定方法及び当該方法を使用する熱式質量流量計の説明において既に述べたので、ここでは繰り返して説明しない。
本実施態様に係る熱式質量流量制御装置は、上記のように、熱式質量流量計の他に、前記流路に流れる流体の流量を制御する流量調節手段と、前記流量調節手段を制御する第2制御部と、を備える。流量調節手段は、流路に流れる流体の流量を制御することが可能である限り、特に限定されない。流量調節手段の具体例としては、例えば、アクチュエータによって開度を変更することができる流量制御弁を挙げることができる。第2制御部もまた、流量調節手段を制御して、流路に流れる流体の流量を増減することが可能である限り、特に限定されない。図1に示されている例においては、熱式質量流量制御装置100は、熱式質量流量計110の他に、流路114に流れる流体の流量を制御する流量調節手段120及び流量調節手段120を制御する第2制御部(図1においては、制御手段130に含まれる)を備える。
流量調節手段120は、図1に示されているように、流量制御弁121、弁口122、ダイアフラム123、アクチュエータ124、弁駆動回路125、及び図示しない電源等を含む。制御手段130に含まれる第2制御部は、熱式質量流量計110によって算出される流体の流量に基づいて流量調節手段120を制御して、流体の流量を目標値に近付ける。より具体的には、制御手段130に含まれる第2制御部は、熱式質量流量計110によって算出される流体の流量を目標値と比較し、その結果に応じた制御信号を弁駆動回路125に送信する。
例えば、流体の流量が目標値よりも少ない場合は、第2制御部はアクチュエータ124によって流量制御弁121の開度を増やして流体の流量を増やすように弁駆動回路125に制御信号を送る。逆に、流体の流量が目標値よりも多い場合は、第2制御部はアクチュエータ124によって流量制御弁121の開度を減らして流体の流量を減らすように弁駆動回路125に制御信号を送る。尚、上記説明においてはフィードバック方式による流体の流量制御について説明したが、本実施態様に係る熱式質量流量制御装置による流体の流量制御は、フィードバック方式に限定されず、例えばフィードフォワード方式等の他の制御方式によって実行してもよい。
加えて、図1に示されている実施態様に係る熱式質量流量制御装置においては、第1制御部及び第2制御部が何れも制御手段130に含まれていた。しかしながら、これらの制御部及び/又は他の制御部は、それらの全てがこのように1つの制御手段として実装されていてもよく、それぞれ個別の制御手段(制御部)として実装されていてもよい。或いは、これらの制御部及び/又は他の制御部のうち何れかは1つの制御手段として実装されており、残りの制御部は別の制御手段として纏めて、又は残りの制御部はそれぞれ個別の制御手段(制御部)として実装されていてもよい。
本実施態様に係る熱式質量流量制御装置が備える熱式質量流量計によれば、上述したように、センサワイヤから発生する熱による流量センサを構成する部材の経時変化等に起因するゼロ点変動等の問題を低減することができる。その結果、本実施態様に係る熱式質量流量制御装置は、長期間に亘って高い制御精度を維持することができ、高い信頼性を発揮することができる。
或いは、本実施態様に係る熱式質量流量制御装置が備える熱式質量流量計によれば、上述したように、単位時間当たりのセンサワイヤからの発熱量の増大を抑制しつつ、センサ回路からの出力信号を強くして検出信号のS/N比を上昇させ、質量流量の測定精度を高めることができる。その結果、本実施態様に係る熱式質量流量制御装置は、信頼性の低下等を抑制しつつ、より高い制御精度を発揮することができる。
以下、本発明の幾つかの実施態様に係る熱式質量流量計の構成等につき、時に添付図面を参照しながら、更に詳しく説明する。但し、以下に述べる説明はあくまでも例示を目的とするものであり、本発明の範囲が以下の説明に限定されるものと解釈されるべきではない。
本実施例においては、所定のパルス幅及び所定の振幅を有するパルス電圧を入力信号としてセンサワイヤに供給する本発明の1つの実施態様に係る熱式質量流量計(実施例)とセンサワイヤに直流電圧を(連続的に)印加する従来技術に係る熱式質量流量計(比較例)とを比較した。具体的には、単位時間当たりにセンサワイヤに供給される電力量を揃えた状態において、実施例及び比較例に係るそれぞれの熱式質量流量計が備えるセンサ回路からの出力信号強度としての出力電圧を同一条件下で比較した。
(1)熱式質量流量計の構成
実施例及び比較例の何れについても、図1に示されている構成を有する熱式質量流量制御装置として作成した。従って、これらの熱式質量流量制御装置の構成については、既に説明済みであるので、ここでは繰り返し説明しない。尚、実施例及び比較例の何れにおいても、センサワイヤの材料としてはニッケルと鉄との合金を使用し、センサチューブの材料としては前述したSUS316を使用し、被覆層の材料としてはポリイミドを使用した。
(2)センサ回路の構成
本実施例においては、上述したように、実施例に係る熱式質量流量計においてはセンサワイヤにパルス電圧を印加し、比較例に係るそれぞれの熱式質量流量計においてはセンサワイヤに直流電圧を印加し、それぞれの熱式質量流量計が備えるセンサ回路からの出力電圧を同一条件下で比較する。そこで、本実施例においては、図4に示すセンサ回路を採用した。図4は、前述したように、実施例に係る熱式質量流量計と比較例に係る熱式質量流量計との比較のために使用したセンサ回路の構成を示す模式図である。図4において、図2に示されているセンサ回路の構成要素に対応する構成要素には、図2と同じ符号が付されている。
先ず、実施例に係る熱式質量流量計においては、図4に示されているように、スイッチSWをOFFにした(開いた)状態で、センサワイヤを発熱させるための電圧として点Pと点Nとの間に24Vの電圧を印加した(点P側を+12V、点N側を−12Vとした)。更に、関数発生器によって生成された0.11ms(ミリ秒)のパルス幅及び1.0msの周期を有するパルス電圧(即ち、デューティ比=1/9)を、点Pと抵抗素子との間に(スイッチSWと並列に)介装されたトランジスタのベースに印加した。このようにして、実施例に係る熱式質量流量計においては、0.11msのパルス幅及び24Vの振幅を有するパルス電圧を1.0msの周期にてセンサワイヤに印加した(図5の(a)を参照)。
一方、比較例に係る熱式質量流量計においては、スイッチSWをONにした(閉じた)状態で、センサワイヤを発熱させるための電圧として点Pと点Nとの間に8Vの電圧を印加した。このように比較例に係る熱式質量流量計においては、スイッチSWを閉じた状態で上記8Vの電圧を直流電圧として(連続的に)センサワイヤに印加した(即ち、デューティ比=1/1)。
上記のように、実施例に係る熱式質量流量計においてセンサワイヤに印加される電圧(24V)は比較例に係る熱式質量流量計においてセンサワイヤに印加される電圧(8V)の3倍である。一方、実施例に係る熱式質量流量計においてセンサワイヤに印加される電圧のデューティ比(1/9)は比較例に係る熱式質量流量計においてセンサワイヤに印加される電圧のデューティ比(1/1)の1/9である。従って、実施例に係る熱式質量流量計において単位時間当たりにセンサワイヤに供給される電力量は、比較例に係る熱式質量流量計において単位時間当たりにセンサワイヤに供給される電力量に等しい。
尚、本実施例においては、実験を容易にする目的で、上記のようにスイッチSWを点Pとセンサワイヤ117との間に介装した。これにより、本発明に係る実施例としての熱式質量流量計の作動と、従来技術に係る比較例としての熱式質量流量計の作動とを、1つのセンサ回路において切り替えて実現することが可能となる。しかしながら、このような構成はあくまでも実験を容易にするために導入されたのであって、このような構成が本発明の実施に必須であると解釈されるべきではない。
(3)実験装置の構成
次に、図6に示されている実験装置を使用して、上述したように構成された実施例及び比較例に係るそれぞれの熱式質量流量計における質量流量の計測実験を行った。図6に示されているように、流体としては窒素ガス(N)を使用した。また、流体が流れる流路の上流側から順に、当該実験装置における流体の流量を制御する基準としての質量流量制御装置(基準MFC)と試験用の質量流量制御装置(試験用MFC)としての実施例又は比較例に係る熱式質量流量計を直列に配設した。
上記のような構成を有する実験装置において、基準MFCの入口側の流路における流体の圧力は0.2MPaに調節し、試験用MFCの出口側の流路における流体の圧力は大気圧とした(出口側の流路は開放した)。また、基準MFCにおいて、流体としての窒素ガス(N)の最大流量は3slmとし、基準MFCの流量調節手段(流量制御弁)を制御して、この最大流量の0%、10%、30%、40%、50%、60%、及び67%の設定流量において流体を流し、それぞれの設定流量における試験用MFCによる流量測定の結果を記録した。この際、試験用MFCの流量調節手段(流量制御弁)は全開とした。即ち、本実施例において、試験用MFCは、質量流量制御装置(MFC)としてではなく、質量流量計(MFM)として作動させた。
上記計測実験において、実施例に係る熱式質量流量計が備えるセンサ回路からオペアンプを介して出力される出力信号は、例えば、図5の(b)に示されているような波形を呈した。当該出力信号の波形においては、センサワイヤに印加されるパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がりのときにスパイク状の波形が認められるが、パルス電圧の立ち上がり後、所定の期間が経過すると、出力信号の波形は平坦(略一定)になる。本実施例においては、A/Dコンバータをパルス電圧と同期させて、パルス電圧の立ち上がりから0.05ms(ミリ秒)後に検出される電圧の値を出力信号強度としてサンプリングした。尚、上記スパイク状の波形は、センサチューブにコイル状に巻き付けられたセンサワイヤのインダクタンスに起因すると考えられる。また、上記「略一定」とは、前述したように、単位時間当たりの信号強度の変動幅が所定の閾値以下になっている状態を指す。即ち、図5の(b)に示されている波形には描かれていないが、出力信号の平坦部においても、例えばノイズに起因する信号強度の僅かな変動があり得ることは言うまでも無い。
一方、比較例に係る熱式質量流量計においては、上述したように直流電圧をセンサワイヤに印加したので、センサ回路からオペアンプを介して出力される出力信号もまた、従来技術に係る熱式質量流量計と同様に直流電圧であった。従って、比較例に係る熱式質量流量計においては、このように直流電圧として出力される出力信号の電圧値を出力信号強度としてサンプリングした。
(4)測定結果
上記のようにして測定された種々の設定流量における実施例及び比較例に係る各熱式質量流量計が備えるセンサ回路からの出力信号強度(出力電圧値)、並びに実施例における出力信号強度の比較例における出力信号強度に対する比(E/C)を以下の表1に列挙する。
Figure 0006508197
表1に示されている実施例及び比較例に係る各熱式質量流量計が備えるセンサ回路からの出力信号強度(出力電圧値)と設定流量との関係をプロットしたグラフを図7に示す。表1及び図7から明らかであるように、実施例及び比較例に係る何れの熱式質量流量計においても、センサ回路からの出力信号強度は設定流量にほぼ比例していた。また何れの熱式質量流量計においても、センサ回路からの出力波形の平坦部におけるノイズの振幅は、出力電圧値の大きさに拘わらず、約0.1Vで一定であった。
実施例及び比較例に係る各熱式質量流量計において得られた出力信号強度を比較すると、例えば、50%(即ち、1.5slm)の設定流量において、実施例に係る熱式質量流量計の出力信号強度は1.031Vであったのに対し、比較例に係る各熱式質量流量計の出力信号強度は0.364Vであった。このように、何れの設定流量においても、実施例に係る熱式質量流量計の出力信号強度の比較例に係る各熱式質量流量計の出力信号強度に対する倍率は、センサワイヤへの印加電圧の倍率と同等の約3倍であった。
(5)評価
実施例に係る熱式質量流量計においては、比較例に係る各熱式質量流量計と比較して、センサワイヤへの印加電圧の大きさが3倍に増大されており、その結果、上記のように、センサ回路からの出力信号強度もまた約3倍に増大した。一方、上述したように、何れの熱式質量流量計においても、センサ回路からの出力波形の平坦部におけるノイズの振幅は、出力信号強度の大きさに拘わらず、約0.1Vで一定であった。従って、実施例に係る熱式質量流量計においては、比較例に係る各熱式質量流量計と比較して、流量測定におけるS/N比が約3倍に改善された。
一方、前述したように、実施例に係る熱式質量流量計において単位時間当たりにセンサワイヤに供給される電力量は、比較例に係る熱式質量流量計において単位時間当たりにセンサワイヤに供給される電力量に等しい。従って、前述したようなセンサワイヤからの発熱によってセンサチューブ及び流体を加熱することに伴う流量センサを構成する部材の経時変化等に起因するゼロ点変動等の問題は、少なくとも悪化はしない。即ち、実施例に係る熱式質量流量計によれば、流量センサを構成する部材の経時変化等に起因するゼロ点変動等の問題の悪化を抑制しつつ、センサ回路からの出力信号を強くして検出信号のS/N比を高め、質量流量の測定精度を高めることができることが確認された。
尚、本実施例においては、上記のように、センサワイヤに供給されるエネルギ量(電力量)を一定に維持しつつ、センサワイヤに供給される入力信号の信号強度(例えば、パルス電圧の振幅)を増大させることにより、センサワイヤからの発熱に起因する種々の問題の悪化を抑制しつつ、センサ回路からの検出信号のS/N比を高め、質量流量の測定精度を高めた。しかしながら、本発明によりセンサワイヤに供給される入力信号の信号強度(例えば、電圧値)を一定に維持しつつ、パルス信号のデューティ比を小さくしてセンサワイヤに供給されるエネルギ量(電力量)を減少させてもよい。この場合、センサ回路からの出力信号の信号強度の低下を抑制しつつ、単位時間当たりにセンサワイヤに供給されるエネルギ量(電力量)を減少させることができる。その結果、センサ回路からの検出信号のS/N比の低下を抑制して質量流量の測定精度の低下を抑制しつつ、流量センサを構成する部材の経時変化等に起因するゼロ点変動等の問題を軽減することができる。
上記において、センサ回路からの出力信号の強度を完全に維持して質量流量の測定精度を完全に維持しようとする場合は、パルス電圧のデューティ比の低減によるセンサワイヤへの供給電力の減少効果が失われない範疇において、センサワイヤに印加されるパルス電圧の振幅を増大させてもよい。このように、本発明によれば、センサワイヤに供給されるパルス信号の振幅及びデューティ比のそれぞれを適切に調整することにより、センサワイヤからの発熱に起因する種々の問題の程度と質量流量の測定精度とを好適にバランスさせることができる。
本実施例においては、実施例1における比較例に係る熱式質量流量計においてスイッチSWを操作して、冒頭で述べたようにセンサ回路からの出力信号を取得する期間においてのみセンサワイヤに直流電力を供給することによりセンサワイヤにおける消費電力を低減することを試みた。そこで、実施例1における比較例に係る熱式質量流量計において、センサワイヤへの電力供給の開始及び停止から熱的平衡状態に到達するまでに要する期間を測定した。
上記の結果、上記熱式質量流量計において、所定の直流電圧(8V)をセンサワイヤに印加し始めてから、センサ回路からの出力信号の強度が安定する(熱的平衡状態に到達する)までに要した期間は概ね10秒であった。逆に、上記熱式質量流量計において、所定の直流電圧(8V)のセンサワイヤへの印加を停止してから、センサ回路からの出力信号の強度が安定する(熱的平衡状態に到達する)までに要した期間もまた概ね10秒であった。
従って、上記熱式質量流量計において冒頭で述べた従来技術のようにセンサワイヤに直流電力を断続的に供給する場合、概ね20秒(=10秒+10秒)に1回しか流体の質量流量を測定することができない。このような測定頻度が、流体の精確な流量を常に監視することが望まれる用途(例えば、半導体の製造プロセスにおいてチャンバ内に供給される流体(プロセスガス)の質量流量を測定する用途等)には不十分であることは言うまでも無い。即ち、冒頭で述べた従来技術に係る方法を上記熱式質量流量計に適用しても、センサワイヤにおける消費電力を低減することはできるものの、流体の精確な流量をタイムリーに測定することはできない。
一方、実施例1における実施例(本発明)に係る熱式質量流量計においては、上述したように0.11msのパルス幅及び24Vの振幅を有するパルス電圧を1.0msの周期にてセンサワイヤに印加する。この場合も、上記熱式質量流量計の熱時定数は同じであり、熱的平衡状態に到達するまでに要する期間もまた概ね10秒である。従って、この場合、熱的平衡状態に到達するまでに要する期間において約10000回(=10秒/1.0ms)の流量測定が行われる。
更に、実施例1において述べたように、個々のパルスにおいて、パルス電圧の立ち上がり後、所定の期間(0.05ms)が経過して出力信号の波形が平坦(略一定)となったときに検出される電圧の値が出力信号強度として取得される。即ち、個々のパルスにおいては、瞬間的且つ局所的には熱的平衡状態に到達しており、このような熱的平衡状態における流体の質量流量が極めて短い周期(1.0ms)にて時々刻々と測定される。従って、本発明に係る熱式質量流量計における流量の測定方法によれば、パルス信号を入力信号としてセンサワイヤに供給することにより、流体の質量流量を略連続的に測定することができる。
加えて、実施例1において述べたように、センサワイヤに供給されるパルス信号の振幅及びデューティ比のそれぞれを適切に調整することにより、センサワイヤにおける消費電力の低減効果と質量流量の測定精度の向上効果とを好適にバランスさせることができる。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施態様について説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることができることは言うまでも無い。
100…熱式質量流量制御装置、110…熱式質量流量計、111…センサ回路、112…被覆層、112a…第1被覆層、112b…第2被覆層、112c…第3被覆層、112d第4被覆層、113…電源、114…流路、115…バイパス、116…センサチューブ、117及び118…センサワイヤ、117′及び118′…抵抗素子、119…オペアンプ、120…流量調節手段、121…流量制御弁、122…弁口、123…ダイアフラム、124…アクチュエータ、125…弁駆動回路、及び130…制御手段。

Claims (6)

  1. 流体が流れる流路と、
    前記流路の途中に設けられたバイパスと、
    前記バイパスの上流側において前記流路から分岐して前記バイパスの下流側において前記流路に再び合流するセンサチューブ及び前記センサチューブに流れる流体に対して直接には接触せず且つ熱伝導可能に配設された一対のセンサワイヤを含む流量センサと、
    前記センサワイヤから発熱させるための入力信号を前記センサワイヤに供給する電源と、
    前記センサワイヤを含むブリッジ回路を備えるセンサ回路と、
    を備える熱式質量流量計における流量の測定方法であって、
    熱的平衡状態に到達して前記センサ回路から出力される出力信号の強度が安定するまでに要する期間である測定期間において信号強度が第1強度となる期間である第1期間と信号強度が0(ゼロ)となる期間である第2期間とが交互に複数回現れるように信号強度が経時的に変化するパルス信号を前記入力信号として前記センサワイヤに供給すること、
    前記パルス信号が前記センサワイヤに供給された結果として前記センサ回路から出力される前記出力信号のうち、信号強度が前記第1強度になっている前記入力信号に対応し且つ単位時間当たりの信号強度の変動幅が所定の閾値以下になっている部分における前記出力信号の信号強度を出力信号強度として取得すること、及び
    前記出力信号強度に基づいて、前記流体の流量を算出すること、
    を含む熱式質量流量計における流量の測定方法。
  2. 請求項1に記載の熱式質量流量計における流量の測定方法であって、
    前記第1強度は、前記入力信号としての前記パルス信号によって前記センサワイヤに単位時間当たりに供給される電力量に等しい電力量を前記センサワイヤに単位時間当たりに供給することができる前記入力信号としての直流電力の信号強度よりも大きい、
    熱式質量流量計における流量の測定方法。
  3. 請求項1に記載の熱式質量流量計における流量の測定方法であって、
    前記入力信号としての前記パルス信号によって前記センサワイヤに単位時間当たりに供給される電力量は、前記第1強度に等しい信号強度を有する直流電力を前記入力信号とする場合に前記センサワイヤに単位時間当たりに供給される電力量よりも小さい、
    熱式質量流量計における流量の測定方法。
  4. 流体が流れる流路と、
    前記流路の途中に設けられたバイパスと、
    前記バイパスの上流側において前記流路から分岐して前記バイパスの下流側において前記流路に再び合流するセンサチューブ及び前記センサチューブに流れる流体に対して直接には接触せず且つ熱伝導可能に配設された一対のセンサワイヤを含む流量センサと、
    前記センサワイヤから発熱させるための入力信号を前記センサワイヤに供給する電源と、
    前記センサワイヤを含むブリッジ回路を備えるセンサ回路と、
    を備える熱式質量流量計であって、
    前記電源及び前記センサ回路を制御する第1制御部を更に備え、
    前記第1制御部が請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の熱式質量流量計における流量の測定方法を実行することにより、前記流体の流量を算出する、
    熱式質量流量計。
  5. 請求項4に記載の熱式質量流量計であって、
    前記センサチューブの近傍に前記センサワイヤが配設されており、
    前記センサチューブの近傍に前記センサワイヤが配設された部分の周囲に配設された被覆層、
    を更に含む熱式質量流量計。
  6. 請求項4又は5に記載の熱式質量流量計と、
    前記流路に流れる流体の流量を制御する流量調節手段と、
    前記流量調節手段を制御する第2制御部と、
    を備える熱式質量流量制御装置であって、
    前記第2制御部が、前記熱式質量流量計によって算出される前記流体の流量に基づいて前記流量調節手段を制御して、前記流体の流量を目標値に近付ける、
    熱式質量流量制御装置。
JP2016511443A 2014-03-31 2015-02-20 熱式質量流量測定方法、当該方法を使用する熱式質量流量計、及び当該熱式質量流量計を使用する熱式質量流量制御装置 Active JP6508197B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014072019 2014-03-31
JP2014072019 2014-03-31
PCT/JP2015/054779 WO2015151638A1 (ja) 2014-03-31 2015-02-20 熱式質量流量測定方法、当該方法を使用する熱式質量流量計、及び当該熱式質量流量計を使用する熱式質量流量制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015151638A1 JPWO2015151638A1 (ja) 2017-04-13
JP6508197B2 true JP6508197B2 (ja) 2019-05-08

Family

ID=54239974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016511443A Active JP6508197B2 (ja) 2014-03-31 2015-02-20 熱式質量流量測定方法、当該方法を使用する熱式質量流量計、及び当該熱式質量流量計を使用する熱式質量流量制御装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10508943B2 (ja)
JP (1) JP6508197B2 (ja)
KR (1) KR102150579B1 (ja)
CN (1) CN106133484B (ja)
WO (1) WO2015151638A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102052463B1 (ko) * 2013-09-18 2019-12-05 히타치 긴조쿠 가부시키가이샤 유량 센서, 그것을 사용한 질량 유량계 및 질량 유량 제어 장치 및 유량 센서의 제조 방법
JP6844874B2 (ja) * 2017-03-30 2021-03-17 株式会社フジキン 質量流量センサ、その質量流量センサを備えるマスフローメータ及びその質量流量センサを備えるマスフローコントローラ
US11377949B2 (en) * 2017-06-05 2022-07-05 Schlumberger Technology Corporation Multiphase flow metering
JP6566062B2 (ja) * 2018-02-22 2019-08-28 オムロン株式会社 流量測定装置
JP7262745B2 (ja) * 2018-12-27 2023-04-24 株式会社フジキン マスフローコントローラ
US11041749B1 (en) * 2019-12-19 2021-06-22 Hitachi Metals, Ltd. Multi-gas mass flow controller and method
RU2752412C1 (ru) * 2020-08-20 2021-07-27 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Институт проблем управления им. В.А. Трапезникова Российской академии наук Способ измерения расхода газожидкостного потока
US11435764B1 (en) * 2021-03-30 2022-09-06 Hitachi Metals, Ltd. Mass flow controller utilizing nonlinearity component functions
US11815428B1 (en) * 2021-07-29 2023-11-14 ZT Group Int'l, Inc. Direct leak detection for liquid cooled servers

Family Cites Families (85)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4464932A (en) * 1982-07-12 1984-08-14 Mks Instruments, Inc. Thermal mass flowmetering
US4672997A (en) * 1984-10-29 1987-06-16 Btu Engineering Corporation Modular, self-diagnostic mass-flow controller and system
EP0206215B1 (en) * 1985-06-18 1988-12-07 Nippondenso Co., Ltd. Heat-wire type airflow quantity measuring apparatus
CA1255923A (en) * 1985-12-23 1989-06-20 Dimitri Petrov Non-obstructive thermodynamic flow meter
CN1009579B (zh) * 1986-11-18 1990-09-12 张开逊 一个与温度变化有关量的pn结传感器
US4779458A (en) * 1986-12-29 1988-10-25 Mawardi Osman K Flow sensor
US4813280A (en) * 1987-04-01 1989-03-21 The Dow Chemical Company Thermal pulse flow meter with disposable cell
JPH0663799B2 (ja) * 1987-10-05 1994-08-22 株式会社村田製作所 熱型流量検出装置
DE3803611A1 (de) * 1988-02-06 1989-08-17 Bosch Gmbh Robert Schaltgeregelte stroemungssonde
US4966033A (en) * 1988-06-15 1990-10-30 Hitachi, Ltd. Air flow metering apparatus for internal combustion engines
JP2814379B2 (ja) * 1988-06-20 1998-10-22 忠弘 大見 マスフローコントローラ
US4872339A (en) * 1988-08-03 1989-10-10 Nec Electronics Inc. Mass flow meter
JP3047184B2 (ja) * 1989-11-27 2000-05-29 株式会社エステック 質量流量計
JP2791828B2 (ja) * 1990-08-11 1998-08-27 株式会社エステック 熱式質量流量計
US5062446A (en) * 1991-01-07 1991-11-05 Sematech, Inc. Intelligent mass flow controller
US5359878A (en) * 1991-02-26 1994-11-01 Dxl International, Inc. Apparatus and method for in-line calibration verification of mass flow meters
US5417110A (en) * 1991-05-29 1995-05-23 Wood; Tony J. Unit and system for sensing fluid velocity
US5582628A (en) * 1991-05-29 1996-12-10 Wood; Tony J. Unit and system for sensing fluid velocity
JPH07503537A (ja) * 1991-11-02 1995-04-13 ヨルダン ケント メーターリング システムズ リミテッド 流量測に関する改良
US5272915A (en) * 1992-01-23 1993-12-28 The Boeing Company Airflow sensing system
KR940011791B1 (ko) * 1992-04-15 1994-12-26 금성일렉트론주식회사 온도안정화 매스 플로우 컨트롤러 센서
US5439026A (en) * 1992-12-11 1995-08-08 Tokyo Electron Limited Processing apparatus and flow control arrangement therefor
JPH06222841A (ja) 1993-01-26 1994-08-12 Yokogawa Electric Corp マスフローコントローラ
JPH0784650A (ja) * 1993-07-23 1995-03-31 Hitachi Metals Ltd マスフローコントローラ、その運転方法及び電磁弁
IT1287889B1 (it) * 1996-01-19 1998-08-26 Biomedin Srl Dispositivo con piccola capacita' termica per spirometria portabile di precisione e per altre applicazioni
JPH09218065A (ja) 1996-02-13 1997-08-19 Murata Mfg Co Ltd 感熱式流量センサ
US5654507A (en) * 1996-07-03 1997-08-05 Board Of Trustees Operating Michigan State University Pulse width modulated constant temperature anemometer
JPH1038652A (ja) * 1996-07-23 1998-02-13 Yokogawa Electric Corp 熱式質量流量計
US5911238A (en) * 1996-10-04 1999-06-15 Emerson Electric Co. Thermal mass flowmeter and mass flow controller, flowmetering system and method
JPH10253415A (ja) 1997-03-14 1998-09-25 Ricoh Co Ltd マイクロヒータ、流量センサ及び湿度センサ
US5865205A (en) * 1997-04-17 1999-02-02 Applied Materials, Inc. Dynamic gas flow controller
JPH10332454A (ja) * 1997-05-29 1998-12-18 Ricoh Co Ltd 感熱式流速検出装置
JPH11190654A (ja) * 1997-12-26 1999-07-13 Tokyo Gas Co Ltd 積算流量計及びそれを利用したガスメータ
TW384392B (en) * 1998-05-25 2000-03-11 Ind Tech Res Inst Architecture of novel thermal pulsed micro flow meter
JP3640334B2 (ja) * 1998-07-22 2005-04-20 東京瓦斯株式会社 流量計およびガスメータ
JP2000074716A (ja) * 1998-09-01 2000-03-14 Ricoh Co Ltd 流量測定方法
DE19845462A1 (de) * 1998-10-02 2000-04-06 Guenther Weber Verfahren zur Bestimmung des Wärmeüberganges insbesondere zur Bestimmung des Strömungszustandes eines fließenden Mediums
WO2000037895A1 (de) * 1998-12-22 2000-06-29 Sensirion Ag Verfahren und sensor zur messung eines massenflusses
US6389364B1 (en) * 1999-07-10 2002-05-14 Mykrolis Corporation System and method for a digital mass flow controller
US6453739B1 (en) * 1999-09-10 2002-09-24 Hitachi America, Ltd. Time domain measurement and control system for a hot wire air flow sensor
EP1227304A4 (en) * 1999-10-29 2006-07-12 Mitsui Mining & Smelting Co FLOW METER
US6386050B1 (en) * 1999-12-21 2002-05-14 Agilent Technologies, Inc. Non-invasive fluid flow sensing based on injected heat tracers and indirect temperature monitoring
NL1014797C2 (nl) * 2000-03-30 2001-10-02 Berkin Bv Massadebietmeter.
US6443003B1 (en) * 2000-11-14 2002-09-03 International Business Machines Corporation Thermoelectric air flow sensor
DE60207609T2 (de) * 2001-04-24 2006-08-03 Celerity Group, Inc., Santa Clara Verfahren zur Bestimmung einer Ventilöffnung für einen Massenflussregler
US20020190733A1 (en) * 2001-06-11 2002-12-19 Dainichiro Kinoshita Circuit for detecting a minute change in resistance
US6655408B2 (en) * 2001-06-13 2003-12-02 Applied Materials, Inc. Tunable ramp rate circuit for a mass flow controller
JP2003120406A (ja) * 2001-10-16 2003-04-23 Hitachi Ltd 空気流量計
JP2003222546A (ja) * 2001-11-20 2003-08-08 Yazaki Corp 流量計測方法、流量計測装置及びヒータ制御装置
US6706535B2 (en) * 2001-12-10 2004-03-16 The Regents Of The University Of Michigan Pulsed carrier gas flow modulation for selectivity enhancements with gas chromatography using series-coupled column ensembles
EP1327865A1 (de) * 2002-01-14 2003-07-16 Abb Research Ltd. Verfahren zur thermischen Durchflussmessung mit nicht konstanten Heizpulsen
US6736005B2 (en) * 2002-05-28 2004-05-18 Mcmillan Company High accuracy measuring and control of low fluid flow rates
US7000464B2 (en) * 2002-05-28 2006-02-21 Mcmillan Company Measuring and control of low fluid flow rates with heated conduit walls
US7399401B2 (en) * 2002-10-09 2008-07-15 Abbott Diabetes Care, Inc. Methods for use in assessing a flow condition of a fluid
AU2002952330A0 (en) * 2002-10-29 2002-11-14 Hybrid Electronics Australia Pty. Ltd Flow transducer
KR100517405B1 (ko) * 2003-06-27 2005-09-27 삼성전자주식회사 질량 유량 제어기 및 이를 갖는 가스 공급 장치
JP2005300486A (ja) 2004-04-16 2005-10-27 Nippon M K S Kk 質量流量センサー
JP4602973B2 (ja) * 2004-11-11 2010-12-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 熱式流量測定装置
KR100653710B1 (ko) * 2004-12-14 2006-12-04 삼성전자주식회사 질량 유량 제어기
DE102005016447A1 (de) * 2005-04-11 2006-10-12 Robert Bosch Gmbh Verfahren zum Betrieb von Heißfilmluftmassenmessern
US7177770B1 (en) * 2005-08-25 2007-02-13 Delphi Technologies, Inc. Mass air flow metering device and method
IL171764A (en) * 2005-11-03 2011-02-28 G R T Dev Ltd Apparatus and method for measuring a fluid flow- rate within a narrow conduit
JP4790405B2 (ja) * 2005-12-16 2011-10-12 三菱電機株式会社 熱式流量センサ
US20100294021A1 (en) * 2006-03-28 2010-11-25 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. Fluid Identification Device and Fluid Identification Method
JP2008039513A (ja) * 2006-08-03 2008-02-21 Hitachi Metals Ltd 質量流量制御装置の流量制御補正方法
US7934432B2 (en) * 2007-02-27 2011-05-03 Dräger Medical GmbH Method for measuring the run time of an ultrasonic pulse in the determination of the flow velocity of a gas in a breathing gas volume flow sensor
DE102007057027B4 (de) * 2007-11-27 2017-12-21 Drägerwerk AG & Co. KGaA Vorrichtung und Verfahren zur Messung der Strömungsgeschwindigkeit eines Fluids
US7693606B2 (en) * 2007-12-21 2010-04-06 Rosemount Inc. Diagnostics for mass flow control
JP2009192220A (ja) 2008-02-12 2009-08-27 Hitachi Metals Ltd 流量センサおよびこれを用いた質量流量制御装置
JP5178264B2 (ja) * 2008-03-19 2013-04-10 アズビル株式会社 熱式流量計
JP5082989B2 (ja) * 2008-03-31 2012-11-28 日立金属株式会社 流量制御装置、その検定方法及び流量制御方法
JP2010169657A (ja) * 2008-12-25 2010-08-05 Horiba Stec Co Ltd 質量流量計及びマスフローコントローラ
US8783088B2 (en) * 2011-01-21 2014-07-22 Daniel Measurement And Control, Inc. Apparatus and method for determining displacer position in a flowmeter prover
JP5915043B2 (ja) * 2011-04-01 2016-05-11 日立金属株式会社 流量制御装置
KR101599343B1 (ko) * 2011-05-10 2016-03-03 가부시키가이샤 후지킨 유량 모니터 부착 압력식 유량 제어 장치
IL213767A (en) * 2011-06-23 2017-05-29 Adler Michael A method and device for measuring fluid flow rate
US8915262B2 (en) * 2011-08-09 2014-12-23 Hitachi Metals, Ltd. Mass flow controller algorithm with adaptive valve start position
WO2013026467A1 (en) * 2011-08-19 2013-02-28 Statoil Petroleum As Characterizing multiphase fluid flow
JP5803552B2 (ja) * 2011-10-14 2015-11-04 東京エレクトロン株式会社 処理装置
EP2780670A4 (en) * 2011-11-17 2015-11-18 Univ Utah State THERMAL IMPULSE FLOWMETER
DE102011120899B4 (de) * 2011-12-12 2015-08-20 Karlsruher Institut für Technologie Verfahren und Verwendung einer Vorrichtung zur Bestimmung des Massenstroms eines Fluids
JP5969760B2 (ja) * 2011-12-27 2016-08-17 株式会社堀場エステック 熱式流量センサ
US9471066B2 (en) * 2012-01-20 2016-10-18 Mks Instruments, Inc. System for and method of providing pressure insensitive self verifying mass flow controller
JP5479641B1 (ja) * 2013-07-23 2014-04-23 株式会社テムテック研究所 熱式流量計
JP6264152B2 (ja) * 2014-03-31 2018-01-24 日立金属株式会社 質量流量計、及び当該質量流量計を使用する質量流量制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN106133484A (zh) 2016-11-16
WO2015151638A1 (ja) 2015-10-08
US20170115148A1 (en) 2017-04-27
JPWO2015151638A1 (ja) 2017-04-13
KR20160138067A (ko) 2016-12-02
US10508943B2 (en) 2019-12-17
CN106133484B (zh) 2019-10-15
KR102150579B1 (ko) 2020-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6508197B2 (ja) 熱式質量流量測定方法、当該方法を使用する熱式質量流量計、及び当該熱式質量流量計を使用する熱式質量流量制御装置
JP6551398B2 (ja) 質量流量の測定方法、当該方法を使用する熱式質量流量計、及び当該熱式質量流量計を使用する熱式質量流量制御装置
KR102108103B1 (ko) 질량 유량계 및 당해 질량 유량계를 사용하는 질량 유량 제어 장치
JP2015194421A5 (ja)
WO2005076095A1 (ja) 質量流量制御装置
EP2154489A1 (en) Heat flowmeter
TWI606242B (zh) 溫度控制系統及其方法
CN109323732B (zh) 热式流量计以及流量校正方法
TWI731177B (zh) 流體感測器、具備該流體感測器的流體控制裝置以及調整方法
WO2018047385A1 (ja) 風速測定装置および風量測定装置
JP5111180B2 (ja) 熱式流量計
JP2010145155A (ja) 空気流量測定装置
JP7054297B2 (ja) 流体制御装置及び流体制御装置用プログラム
JP5149325B2 (ja) 流量コントローラ、流量コントローラを備える流量制御システム、流量コントローラ制御プログラム、及び、流量制御プログラム
JP2019184544A (ja) 電磁流量計の変換器、電磁流量計、及び流量演算方法
JP3889404B2 (ja) 濃度測定方法および濃度測定システムならびに濃度測定プログラム
JP6940442B2 (ja) 熱式フローセンサ装置および流量補正方法
JP2010224898A (ja) 流量制御装置および流量制御方法
JP2012168823A (ja) 流体制御装置
JP2012168822A (ja) 流体制御装置
JP2021056737A (ja) マスフローコントローラ、流体制御装置、及び半導体製造装置
KR20190073811A (ko) 유량 제어 장치
KR20180106205A (ko) 순간 온수기 제조 방법
JP2004085335A (ja) 磁気式酸素計

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161207

AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20161207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180116

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6508197

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350