JP2000074716A - 流量測定方法 - Google Patents

流量測定方法

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JP2000074716A
JP2000074716A JP10247278A JP24727898A JP2000074716A JP 2000074716 A JP2000074716 A JP 2000074716A JP 10247278 A JP10247278 A JP 10247278A JP 24727898 A JP24727898 A JP 24727898A JP 2000074716 A JP2000074716 A JP 2000074716A
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Shinichi Suzuki
伸一 鈴木
Taiko Ko
太好 高
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Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱が安定する前の立ち上がりのような直線
性のよい部分を利用することで、測定精度を上げ、感熱
式流量測定装置の要する消費電力を低減し得る流量測定
方法を提供する。 【解決手段】 この種の流量測定においては、流量と抵
抗値差に対応する差電圧との関係は直線的であるが、加
熱開始から短時間ほど直線性がよく安定する時間になる
ほど直線性が悪くなる点に着目し、加熱装置を間欠的に
駆動させることで第1,2の感温抵抗体の発熱が安定す
るまでの立ち上がり状態の“時間10”等の時点で差電
圧、従って、第1,2の感温抵抗体の抵抗値差成分を得
ることができ、流量と流量信号との関係の直線性がよく
なるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱式流量測定装
置を用いる流量測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に感熱式流量測定装置の一つの構成
例を示す。概略的には、センサ駆動部1と差電圧検出部
2と増幅部3とより構成されている。センサ駆動部1に
あっては、流路中に配設されるセンサ基板(図示せず)
上に実装された第1の感温抵抗体Rs1と第2の感温抵抗
体Rs2が設けられている。これらの第1及び第2の感温
抵抗体Rs1,Rs2も流体中に晒されるが、ここでは、第
1の感温抵抗体Rs1が上流側、第2の感温抵抗体Rs2
下流側となるように位置関係が設定されているものとす
る。また、これらの第1及び第2の感温抵抗体Rs1,R
s2は抵抗値が等しく、かつ、高抵抗温度係数を持つもの
が用いられている。これらの第1及び第2の感温抵抗体
s1,Rs2は加熱装置として作用する電流源4とともに
直列に接続されている。即ち、電流源4は電流I1を流
して抵抗体自身にジュール熱を発生させることで流体温
度よりも高い温度となるようにこれらの第1及び第2の
感温抵抗体Rs1,Rs2を等しく熱する(もっとも、加熱
装置としては別個の熱源によりこれらの第1及び第2の
感温抵抗体Rs1,Rs2を加熱するものてあってもよ
い)。また、センサ駆動部1において、第2の感温抵抗
体Rs2の両端b,c点がフィードバックループ中に接続
されたオペアンプ5と、電流源4と第1の感温抵抗体R
s1との接続点aの出力側に接続されたオペアンプ6とが
設けられている。
【0003】差電圧検出部2は検出装置として作用する
もので、オペアンプ6からd点に出力される第1の感温
抵抗体Rs1の端子電圧(=f点の出力)とオペアンプ5
からc点(=e点)に出力される第2の感温抵抗体Rs2
の端子電圧(=h点の出力)との差電圧をg点に出力す
る加算器7を備えている。
【0004】増幅部3は、第1の感温抵抗体Rs1の端子
電圧、第2の感温抵抗体Rs2の端子電圧、及び、差電圧
(g点出力)を各々増幅する増幅器8,9,10を備え
ている。
【0005】このような構成において、第1及び第2の
感温抵抗体Rs1,Rs2の熱は流体の流れにより奪われ
る。奪われる熱量は、流体の流れと関係している。例え
ば、流体に流れがなければ、第1及び第2の感温抵抗体
s1,Rs2の温度はほぼ等しくなるため、抵抗値もほぼ
等しい。よって、第1の感温抵抗体Rs1の端子電圧と第
2の感温抵抗体Rs2の端子電圧とはほぼ等しく、差電圧
検出部2のg点の出力もほぼ0となる。一方、流体に流
れがある場合には下流側よりも上流側の第1の感温抵抗
体Rs1の熱が多く奪われるため、第1及び第2の感温抵
抗体Rs1,Rs2の温度が異なることとなり、この上流側
の第1の感温抵抗体Rs1の抵抗値が下流側よりも小さく
なる。よって、第1の感温抵抗体Rs1の端子電圧は第2
の感温抵抗体Rs2の端子電圧よりも小さくなる。この端
子電圧の差が流速に関係した電圧値として現れる。この
結果、差電圧検出部2のg点の出力の大きさを測定する
ことで流体の流速を知ることができるといえる。なお、
これらの端子電圧、差電圧等を測定するのにA/Dコン
バータ等を用いる場合、A/Dコンバータ等に合せた電
圧信号に変換する必要があるため、後段に増幅部3が設
けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来例にお
いて、時間0で電流源4が電流を流し始めるとし、第1
及び第2の感温抵抗体Rs1,Rs2の発熱が安定する過程
での差電圧検出部2のg点の出力の変化の様子を調べた
ところ図7のような特性を示したものである。即ち、電
流I1を流し始めてから第1及び第2の感温抵抗体
s1,Rs2の発熱状態が安定するまでには時間が必要で
あり、g点の出力は徐々に変化していく。そして、第1
及び第2の感温抵抗体Rs1,Rs2の発熱の状態が流体に
奪われる熱と平衡状態になるとg点の出力は安定する。
このように、g点の出力は、時間とともに流量に関係の
ある一定値に安定することが分かる。ちなみに、図示例
では、電流I1を1.75mAとした。
【0007】ここで、流量との関係を分かりやすくする
ため、流量を横軸にとり、電流源4の駆動開始から任意
の時間経過後に観測したg点の出力との関係をグラフに
すると、図8のようになる。これによれば、流量とg点
の出力とは直線に近い関係があることが分かる。さら
に、観測する時間によって流量によるg点の出力の直線
性に違いがあることを確認するため、図8を正規化する
と、図9のようになる。図9から“時間10”が一番直
線性がよく、時間が増える毎に直線性が悪くなることが
分かる。
【0008】ところが、従来にあっては、図7に示すよ
うな特性に注目し、第1及び第2の感温抵抗体Rs1,R
s2に電流I1を流し始めてから十分な時間、例えば、
“時間60”、が経過してg点の出力が安定した状態で
g点の出力、即ち、流量を測定するようにしているた
め、時間がかかる上に、その間は電流源4を駆動しなけ
ればならないため、流量測定に必要な電力が多くなって
しまう。また、図9に示した特性を参照すれば、“時間
50”で示すように直線性が低下する状態を利用するこ
ととなり、測定精度が低下してしまう。
【0009】そこで、本発明は、“時間10”のような
直線性のよい部分を利用することで、測定精度を上げ得
るとともに、感熱式流量測定装置の要する消費電力を低
減し得る流量測定方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
流体中に配設される第1の感温抵抗体と、この第1の感
温抵抗体の下流側に配設される第2の感温抵抗体と、前
記第1及び第2の感温抵抗体を熱する加熱装置と、前記
第1及び第2の感温抵抗体の抵抗値差を検出する検出装
置とを備えた感熱式流量測定装置を用いる流量測定方法
において、前記加熱装置を間欠的に駆動させてこの加熱
装置の駆動開始から前記第1及び第2の感温抵抗体の発
熱が安定する前の一定時間経過時点の前記検出装置の出
力を流量信号に用いるとともに、前記一定時間経過後直
ちに前記駆動装置の駆動を休止させるようにした。
【0011】従って、加熱装置を間欠的に駆動させるこ
とで、第1及び第2の感温抵抗体の発熱が安定する前の
直線性のよい立上がり状態の抵抗値差成分を得ることが
できる。結果として、加熱装置を駆動する時間を短縮す
ることができ、流量測定に必要な電力を低減させること
もできる。
【0012】請求項2記載の発明は、流体中に配設され
る第1の感温抵抗体と、この第1の感温抵抗体の下流側
に配設される第2の感温抵抗体と、前記第1及び第2の
感温抵抗体を熱する加熱装置と、前記第1及び第2の感
温抵抗体の抵抗値差を検出する検出装置とを備えた感熱
式流量測定装置を用いる流量測定方法において、前記加
熱装置を間欠的に駆動させてこの加熱装置の駆動開始か
ら前記第1及び第2の感温抵抗体の発熱が安定する前の
第1の一定時間経過時点の前記検出装置の第1の出力
と、前記第1の一定時間より後の第2の一定時間経過時
点の前記検出装置の第2の出力との出力差を流量信号に
用いるとともに、前記第2の一定時間経過後直ちに前記
駆動装置の駆動を休止させるようにした。
【0013】従って、加熱装置を間欠的に駆動させるこ
とで、第1及び第2の感温抵抗体の発熱が安定する前の
立上がり状態の波形の傾き成分を流量信号とすること
で、発熱が安定するまで加熱することなく流量を知るこ
とができるようになる。結果として、加熱装置を駆動す
る時間を短縮することができ、流量測定に必要な電力を
低減させることもできる。併せて、2点で測定して流量
信号を得るため、流体に脈流や振動があった場合もその
影響によるノイズ成分を除去できる。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の流量測定方法において、前記加熱装置の駆動開始か
ら前記検出装置の出力の微分波形が最大値に達する時間
を経過した後の時点で前記検出装置の出力を取得するよ
うに前記一定時間を設定した。
【0015】従って、加熱装置により第1及び第2の感
温抵抗体を加熱駆動する際の安定化時間や回路の安定化
時間を考慮し、電気的な動作が安定した時点以降に流量
信号を測定するので、より正確な流量測定が可能とな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図6
ないし図9を参照して説明する。本実施の形態では、図
6に示した感熱式流量測定装置をそのまま用いるものと
する。本実施の形態は、測定時には加熱装置として電流
源4を間欠的に駆動させることを基本とする。「間欠
的」とは、電流値I1を第1及び第2の感温抵抗体
s1,Rs2が発熱しない電流値Ioff(例えば、0)に
設定し、その後、電流値I1を第1及び第2の感温抵抗
体Rs1,Rs2が発熱するような電流値Ionに設定し、そ
の後、電流値I1を第1及び第2の感温抵抗体Rs1,R
s2が発熱しない電流値Ioffに戻す、というような動作
を繰り返すことを意味する。ここに、電流源4の電流値
1を電流値Ionに設定した時点(駆動開始時点)か
ら、第1及び第2の感温抵抗体Rs1,Rs2の発熱が安定
する前の或る一定時間Taが経過した時点で、g点に対
応するr点の出力値Vrを観測する。即ち、このr点の
出力値Vrはg点の電圧を増幅器10で増幅したもので
あり、第1及び第2の感温抵抗体Rs1,Rs2の抵抗値差
を表す信号に相当する。或る一定時間Taが経過した時
点でr点の出力値Vrを観測したら、直ちに、電流源4
の電流値I1を電流値Ioffに設定する。以後、このよう
な動作を間欠的動作として適宜繰り返す。間欠動作の繰
り返し周期は任意でよく、要は、流量を測定する必要が
ある時点で電流源4の電流値I1を電流値Ionにすれば
よい。
【0017】ここで、或る一定時間Taを変化させる
と、流体の流量と観測する出力値Vrとの関係は、図8
に示した場合と同様となる。即ち、一定時間Taを“時
間30”としたり“時間10”とすることにより、流量
と出力値Vrとの直線性を変化させることができること
となる。換言すれば、従来法の場合は、出力値Vrが安
定した状態、例えば“時間50”の時点のような直線性
のよくない関係しか得ることができなかったが、本実施
の形態では、電流源4を間欠的に駆動させることによ
り、安定する前の立上がり途中の直線性のよりよい関係
を得ることができる。また、“時間10”というように
電流を供給する時間を短縮させることができるので、流
量測定に必要な電力を低減させることもできる。
【0018】本発明の第二の実施の形態を図6ないし図
9を参照して説明する。本実施の形態でも、図6に示し
た感熱式流量測定装置をそのまま用いるものとする。ま
た、本実施の形態も、測定時には加熱装置として電流源
4を間欠的に駆動させることを基本とする。本実施の形
態では、電流源4の電流値I1を電流値Ionに設定した
時点(駆動開始時点)から、第1及び第2の感温抵抗体
s1,Rs2の発熱が安定する前の或る第1の一定時間T
aが経過した時点で、g点に対応するr点の第1の出力
値Vraを観測し、さらに、電流値Ionに設定した時点か
ら第2の或る一定時間Tb(ただし、Ta<Tb)が経過
した時点で、g点に対応するr点の第2の出力値Vrb
観測し、或る一定時間Tbが経過した時点でr点の出力
値Vrを観測したら、直ちに、電流源4の電流値I1を電
流値Ioffに設定する。以後、このような動作を間欠的
動作として適宜繰り返す。そして、2時点で観測された
出力値Vra,Vrbの差を流量信号として利用する。間欠
動作の繰り返し周期は任意でよく、要は、流量を測定す
る必要がある時点で電流源4の電流値I1を電流値Io n
にすればよい。
【0019】ここに、従来であれば、第1及び第2の感
温抵抗体Rs1,Rs2に電流を供給してから十分な時間
(例えば、“時間60”)が経過してr点の出力が安定
した状態になってから測定する必要があったが、本実施
の形態によれば、例えば一定時間Taを“時間10”、
一定時間Tbを“時間50”のように設定し、図7に示
したような流量に応じた立上がりの傾きの違いから流量
を求めることができる。つまり、本実施の形態によれ
ば、第1及び第2の感温抵抗体Rs1,Rs2に電流を供給
する時間は、“時間50”まででよいことなり、電流を
供給する時間を短縮し、流量測定に必要な電力を低減さ
せることができる。また、第一の実施の形態と対比する
と、第一の実施の形態の場合には1時点の測定で流量を
得ているため流体に脈流や振動があった場合にノイズと
して観測されてしまうが、本実施の形態の場合には2時
点で測定して流量信号を得ているため脈流や振動があっ
たとしてもその影響を除去し得る効果も得られる。
【0020】なお、本実施の形態の場合、流量に応じた
立上がり波形の傾きを得る必要があるため、少なくとも
一定時間Taは波形が立ち上がり状態にある時間である
必要があるが、“時間10”に限られるわけではない。
“立ち上がり状態にある時間”とは、例えば、流量40
0の特性波形の安定状態の90%以下の値を持つような
時間として設定すればよい。
【0021】本発明の第三の実施の形態を図1に基づい
て説明する。図6ないし図9で示した部分と同一部分は
同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の各実施
の形態でも同様とする)。本実施の形態では、図6に示
した流量測定装置の構成に対して、差電圧検出部2のg
点の出力と増幅器10との間に低域通過フィルタ(LP
F)11が付加されている。この低域通過フィルタ11
の遮断周波数は図7に示したよう立ち上がり波形を通過
させ得る周波数に設定されている。例えば、図7に示し
たような特性下であれば、波形の立上がり時間は“時間
50”程度であるので、“時間50”周期の遮断周波数
に設定される。流量測定方法としては、前述した第一,
二の実施の形態の方法が用いられる。
【0022】前述したように、電流源4を間欠的に駆動
させて第1及び第2の感温抵抗体R s1,Rs2が熱的に安
定する以前に流量信号を得る方法の場合、g点の電圧の
大きさは安定状態の電圧値より小さい電圧値であるた
め、電圧測定のS/Nとしては安定状態で測定する従来
方式よりも悪くなり、流量信号がノイズの影響を受けや
すくなることは否めない。この点、本実施の形態では、
g点の出力側に低域通過フィルタ11が付加されている
ので、電気的なノイズはもちろん、流体に脈流や振動が
あった場合のノイズも除去することができる。
【0023】本発明の第四の実施の形態を図2に基づい
て説明する。本実施の形態では、図6に示した流量測定
装置の構成に対して、差電圧検出部2のg点の出力と増
幅器10との間に積分装置12が付加されている。この
積分装置12は電流源4の電流値I1を電流値Ionに設
定するタイミングに同期して初期化され、g点の出力の
積分動作を行ない、電流源4の電流値I1を電流値Ioff
に設定するタイミングに同期して動作が停止されるよう
に設定されている。流量測定方法としては、前述した第
一,二の実施の形態の方法が用いられる。
【0024】前述したように、電流源4を間欠的に駆動
させて第1及び第2の感温抵抗体R s1,Rs2が熱的に安
定する以前に流量信号を得る方法の場合、g点の電圧の
大きさは安定状態の電圧値より小さい電圧値であるた
め、電圧測定のS/Nとしては安定状態で測定する従来
方式よりも悪くなり、流量信号がノイズの影響を受けや
すくなることは否めない。この点、本実施の形態では、
g点の出力側に積分装置12が付加されており、電圧が
小さくなった分を積分装置12により時間的に加算する
ことで大きくしているので、ノイズの影響を低減させる
ことができる。
【0025】本発明の第五の実施の形態を図3及び図4
に基づいて説明する。本実施の形態では、図6に示した
流量測定装置の構成に対して、差電圧検出部2のg点の
出力と増幅器10との間に微分装置13が付加されてい
る。流量測定方法としては、前述した第一の実施の形態
の方法が用いられる。
【0026】このような構成において、g点の出力電圧
を微分装置13により微分すると、図4に示すような特
性の波形が得られる。ここに、流量により微分波形の大
きさが変化していることが分かる。例えば、第一の実施
の形態の測定方法において、一定時間Taを“時間1
5”の如く設定すれば、微分波形の大きさの違いから流
量に関係した出力が得られることが分かる。従って、従
来であれば、第1及び第2の感温抵抗体Rs1,Rs2に電
流を供給してから十分な時間(例えば、“時間60”)
が経過してr点の出力が安定した状態になってから測定
する必要があったが、本実施の形態によれば、図7に示
したような流量に応じた立上がりの傾きの違いから流量
を求めるため、第1及び第2の感温抵抗体Rs1,Rs2
電流を供給する時間は“時間15”まででよいことにな
り、電流を供給する時間を短縮し、流量測定に必要な電
力を低減させることができる。また、2時点測定を必要
とする第二の実施の形態と対比すれば、本実施の形態の
場合には1時点の測定のみで立ち上がり波形の傾きを検
出することができる。
【0027】本発明の第六の実施の形態を図5に基づい
て説明する。本実施の形態では、図3に示した流量測定
装置の構成に対して、差電圧検出部2のg点の出力と微
分装置13との間に低域通過フィルタ11が付加されて
いる。流量測定方法としては、前述した第一の実施の形
態の方法が用いられる。
【0028】微分装置13を設けただけの場合、ノイズ
成分を増幅してしまうが、その前段に低域通過フィルタ
11を付加することにより、第三の実施の形態で説明し
たように、ノイズ成分の影響を低減させることができ、
微分装置13に入力されるノイズ成分を極力減らすこと
で、ノイズによる悪影響を防止できる。
【0029】本発明の第七の実施の形態を図4を参照し
て説明する。本実施の形態は、前述した何れの実施の形
態にも適用し得るもので、一定時間Ta,Tbに関してg
点の出力の微分波形が最大値に達する時間を経過した後
の時点でこのg点の出力を取得するように設定されてい
る。
【0030】電流源4の電流値I1を電流値Ionに設定
しても、その瞬間から正確に電流値Ionが出力されるこ
とはなく、電流源4には安定化時間が必要である。ま
た、第1及び第2の感温抵抗体Rs1,Rs2を直列接続し
ているとはいえ、他の回路、例えば、オペアンプ5の動
作安定化時間により、第1及び第2の感温抵抗体Rs1
s2への電流の供給タイミングにずれを生ずることが考
えられる。
【0031】この点、g点の微分波形を示す図4を見れ
ば、その微分値は“時間0”での急激な電流供給による
値から単調に減少するのではなく、“時間約6.5”に
向かって増加し、その後、減少しているのが分かる。そ
こで、本実施の形態では、“時間約6.5”までの期間
と、それ以後の期間とでは、回路的な状態が違うものと
見做し、微分波形のピーク値を示す“時間6.5”以降
に流量信号を取得させるものである。つまり、g点の出
力を測定する時点を示す一定時間Ta,Tbが“時間6.
5”以降となるように設定され、“時間6.5”以前に
はg点の出力を流量信号に用いないようにしたものであ
る。
【0032】なお、本実施の形態では、微分波形のピー
ク時点が“時間約6.5”である図4に示した微分特性
を利用するため、一定時間Ta,Tbを“時間6.5”以
降となるように設定したが、微分波形のピーク時点は第
1及び第2の感温抵抗体Rs1,Rs2の構造や回路の特性
によって変化するため、“時間6.5”以降に限定され
るわけではない。要は、少なくとも1回、微分波形を観
測してそのピーク値が生ずる時間を確認して、そのピー
ク値を示す時間以降となるように一定時間Ta,Tbを設
定すればよい。
【0033】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第1及び
第2の感温抵抗体を熱する加熱装置を間欠的に駆動させ
ることで、第1及び第2の感温抵抗体の発熱が安定する
前の直線性のよい立上がり状態の抵抗値差成分を得るこ
とができ、結果として、加熱装置を駆動する時間を短縮
することができ、流量測定に必要な電力を低減させるこ
ともできる。
【0034】請求項2記載の発明によれば、第1及び第
2の感温抵抗体を熱する加熱装置を間欠的に駆動させ、
第1及び第2の感温抵抗体の発熱が安定する前の立上が
り状態の波形の傾き成分を流量信号とすることで、発熱
が安定するまで電流を流さずに流量を知ることができ、
結果として、加熱装置を駆動する時間を短縮することが
でき、流量測定に必要な電力を低減させることもでき
る。併せて、2時点で測定して流量信号を得るため、流
体に脈流や振動があった場合もその影響によるノイズ成
分を除去することもできる。
【0035】請求項3記載の発明によれば、加熱装置に
より第1及び第2の感温抵抗体を加熱駆動する際の安定
化時間や回路の安定化時間を考慮し、電気的な動作が安
定した時点以降に流量信号を測定するようにしたので、
より正確な流量測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第三の実施の形態を示す流量測定装置
の回路構成図である。
【図2】本発明の第四の実施の形態を示す流量測定装置
の回路構成図である。
【図3】本発明の第五の実施の形態を示す流量測定装置
の回路構成図である。
【図4】その微分波形を示す特性図である。
【図5】本発明の第六の実施の形態を示す流量測定装置
の回路構成図である。
【図6】従来例及び本発明の第一,二の実施の形態を説
明するための流量測定装置の回路構成図である。
【図7】流量に応じた差電圧を示すg点の出力特性図で
ある。
【図8】時間をパラメータとして流量とg点の出力との
関係を示す特性図である。
【図9】時間をパラメータとして流量とg点の出力との
関係を正規化して示す特性図である。
【符号の説明】
2 検出装置 4 加熱装置 Rs1 第1の感温抵抗体 Rs2 第2の感温抵抗体
フロントページの続き (72)発明者 高 太好 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2F035 EA04 EA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体中に配設される第1の感温抵抗体
    と、この第1の感温抵抗体の下流側に配設される第2の
    感温抵抗体と、前記第1及び第2の感温抵抗体を熱する
    加熱装置と、前記第1及び第2の感温抵抗体の抵抗値差
    を検出する検出装置とを備えた感熱式流量測定装置を用
    いる流量測定方法において、 前記加熱装置を間欠的に駆動させてこの加熱装置の駆動
    開始から前記第1及び第2の感温抵抗体の発熱が安定す
    る前の一定時間経過時点の前記検出装置の出力を流量信
    号に用いるとともに、前記一定時間経過後直ちに前記駆
    動装置の駆動を休止させるようにしたことを特徴とする
    流量測定方法。
  2. 【請求項2】 流体中に配設される第1の感温抵抗体
    と、この第1の感温抵抗体の下流側に配設される第2の
    感温抵抗体と、前記第1及び第2の感温抵抗体を熱する
    加熱装置と、前記第1及び第2の感温抵抗体の抵抗値差
    を検出する検出装置とを備えた感熱式流量測定装置を用
    いる流量測定方法において、 前記加熱装置を間欠的に駆動させてこの加熱装置の駆動
    開始から前記第1及び第2の感温抵抗体の発熱が安定す
    る前の第1の一定時間経過時点の前記検出装置の第1の
    出力と、前記第1の一定時間より後の第2の一定時間経
    過時点の前記検出装置の第2の出力との出力差を流量信
    号に用いるとともに、前記第2の一定時間経過後直ちに
    前記駆動装置の駆動を休止させるようにしたことを特徴
    とする流量測定方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱装置の駆動開始から前記検出装
    置の出力の微分波形が最大値に達する時間を経過した後
    の時点で前記検出装置の出力を取得するように前記一定
    時間を設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の
    流量測定方法。
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