JP5111180B2 - 熱式流量計 - Google Patents

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本発明は、ヒータオフ時のセンサ出力をゼロ点基準値として、ヒータオン時のセンサ出力をゼロ点補正することで温度特性を改善した熱式流量計に関する。
熱式流量センサは、例えばシリコン基板(センサチップ)に形成した肉薄のダイヤフラム上に、発熱素子Rhを間にして流体(ガス)の通流方向Fに一対の感熱素子Ru,Rdを設けると共に、前記シリコン基板Bの周辺部に前記流体(ガス)の温度を検出する温度検出素子Rrを一体に設けた構造を有する。このような熱式流量センサを用いた熱式流量計は、基本的には前記温度検出素子Rrにより検出される前記流体(ガス)の温度(周囲温度)よりも一定温度Tだけ前記発熱素子Rhを高い温度で発熱駆動し、この状態において前記ダイヤフラムがなすセンサ面に沿って通流する流体(ガス)による該センサ面近傍の温度分布の変化から前記流体(ガス)の流量(流速)を検出するように構成される。
しかし温度検出素子Rrおよび発熱素子Rhを用いて構成されるヒータ回路およびセンサ回路は、一般的には温度に依存して発熱素子Rhの発熱温度(ヒータ温度)Thが変化し、また一対の感熱素子Ru,Rdを用いて構成されるセンサ回路のセンサ出力も温度に依存して変化すると言う、或る温度変化特性を有している。そこでこの温度変化特性、特に温度に依存するセンサ出力のゼロ点変動を簡易に補正するべく、ヒータオフ時のセンサ出力をゼロ点基準値と看做し、ヒータオン時のセンサ出力から上記ゼロ点基準値を差し引くことでゼロ点補正することが提唱されている(例えば特許文献1を参照)。
このようなゼロ点補正の手法は、流体(ガス)の瞬時流量を積算してその積算流量を求める、いわゆるガスメータに多く採用されている。特にガスメータにおいては、瞬時流量(センサ出力)の計測周期を、例えば100m秒程度と比較的長く設定することができ、ヒータ回路およびセンサ回路を間欠的に駆動することでその駆動時間を短くし得ることもあって、電池駆動されるガスメータの省電力化を図り得るとして注目されている。
特開2004−117157号公報
しかしながら流量制御装置のようにセンサ出力を用いてバルブ開度等をリアルタイムに制御する制御機器においては、例えば5m秒として設定される制御周期に応じてセンサ出力を検出することが必要である。これ故、前述したガスメータのようにヒータ回路およびセンサ回路を間欠的に駆動しながら、ヒータオフ時のセンサ出力をゼロ点基準値として検出する為の時間的余裕がないので、前述したゼロ点補正の手法を採用することは非常に困難である。しかもヒータ回路の駆動を停止させて発熱素子Rhの温度を下げるには、例えば数十m秒の期間が必要であり、このヒータオフ期間に亘ってセンサ出力を求めることができなくなると言う不具合がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、センサ出力を用いて制御機器をリアルタイムに制御する必要がある場合であっても、そのセンサ出力を簡易にゼロ点補正することのできる熱式流量計を提供することにある。
上述した目的を達成するべく本発明に係る熱式流量計は、
<a> ガスの通流方向に発熱素子を挟んで一対の感熱素子を設けた熱式流量センサ、前記ガスの温度を検出する温度検出素子、この温度検出素子の出力に応じて前記発熱素子の発熱温度を制御するヒータ回路、および前記一対の感熱素子の出力から前記ガスの流量を求めるセンサ回路と、
<b> 前記ヒータ回路の駆動停止時に検出される前記センサ回路の出力をゼロ点基準値として求め、前記ヒータ回路の駆動時に前記センサ回路の出力を所定の周期でサンプリングすると共に、サンプリングした前記センサ回路の出力と前記ゼロ点基準値との差をゼロ点補正したセンサ出力として求めるゼロ点補正手段とを備えたものであって、
<c> 更に前記温度検出素子の出力から前記ガスの温度変化を監視する温度監視手段と、前記所定の周期でサンプリングした前記センサ回路の出力から前記ガスの流量変動を監視する流量監視手段と、前記ガスの流動変動量または流量変動の勾配が所定の閾値を上回るとき、若しくは前記ガスの温度変化量または温度変化の勾配が所定の閾値に満たないとき、若しくは前記ゼロ基準値の検出動作を停止するゼロ点補正制御手段と
を具備したことを特徴としている。
ちなみに前記ヒータ回路の駆動停止は、前記センサ回路の出力のサンプリング周期よりも十分に長い周期で、前記発熱素子がその周囲温度まで低下する時間に亘って行われるものであって、前記ゼロ点補正制御手段は、前記ガスの温度変化量が所定の閾値内で安定し、且つ前記ガスの流動変動量が所定の閾値内で安定するまで、前記ヒータ回路の駆動停止を禁止して該ヒータ回路を連続して駆動するように構成される。そして前記ゼロ点補正手段は、前記ゼロ点補正制御手段により前記ゼロ基準値の検出動作が停止されたとき、例えば検出動作停止前に求められたゼロ基準値をそのまま用いて、若しくはゼロ点基準値の変化履歴から予測されるゼロ点基準値を用いてゼロ点補正を行うように構成される。
上記構成の熱式流量計においては、常時はヒータオフ時に検出されるセンサ出力をゼロ点基準値としてヒータオン時に検出されるセンサ出力をゼロ点補正し、前記ガスの流動変動量または流量変動の勾配が大きいとき、若しくはガスの温度変化量または温度変化の勾配が無視できるようなときにはゼロ点基準値の検出処理を禁止して、つまりヒータ回路の駆動停止を禁止し、ヒータオン状態で連続的にセンサ出力を検出して前述したゼロ点補正が実行される。そして前記ガスの流量が安定している場合にだけ前記ヒータ回路の駆動を停止し、これによってヒータオフ時のセンサ出力を検出して前記ゼロ点基準値を更新する。
従って本発明に係る熱式流量計によれば、そのセンサ出力を制御機器に対するリアルタイムな制御情報として用いる場合であっても、上記制御機器での制御周期に合わせた短いサンプリング周期でゼロ点補正したセンサ出力を得ることができる。特に前記ガスの流動変動量または流量変動の勾配が大きいとき、若しくはガスの温度変化量または温度変化の勾配が小さいときには、例えばその時点で求められているゼロ点基準値をそのまま用いて、或いはゼロ点基準値の変化履歴から予測されるゼロ点基準値を用いてゼロ点補正を実行し、ガスの流量が安定している場合にだけ前記ゼロ点基準値の更新処理を実行するので、流量変動等を確実に捉えて制御機器の作動を制御することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る熱式流量計について説明する。
図1は本発明に係る熱式流量計の概略構成図であり、1はシリコン等の半導体基板(センサチップ)上に一対の感熱素子Ru,Rdと発熱素子(ヒータ素子)Rh、および温度検出素子Rrを形成した、例えば前述した特許文献1に示されるような素子構造の熱式流量センサである。ちなみに前記一対の感熱素子Ru,Rd、発熱素子(ヒータ素子)Rh、および温度検出素子Rrは、前記センサチップ1上に白金(Pt)を蒸着する等して形成した薄膜抵抗体からなる。特にこれらの感熱素子Ru,Rd、発熱素子(ヒータ素子)Rh、および温度検出素子Rrを同一素材の抵抗体を用いて形成することで、これらの素子Ru,Rd,Rh,Rr間における抵抗値の温度変化特性が揃えられており、またセンサチップ1上に一括して形成することで前記素子Ru,Rd,Rh,Rr間における上記温度変化特性のバラツキ自体も抑えられている。
さて上記熱式流量センサ1の駆動回路は、基本的には上記温度検出素子Rrによって検出される雰囲気温度に応じて前記発熱素子Rhを発熱駆動して前記一対の感熱素子Ru,Rdの近傍の温度を一定温度Tだけ高くするヒータ回路3と、前記感熱素子Ru,Rdによりその近傍の温度Tu,Tdをそれぞれ検出し、これらの温度差ΔT(=Tu−Ud)を前記熱式流量センサ1に沿って通流する流体の流量(流速)Qとして求めるセンサ回路4とを備える。
具体的には前記ヒータ回路3は、前記発熱素子Rhとこの発熱素子Rhに直列接続した第1の固定抵抗R1、および前記温度検出素子Rrとこの温度検出素子Rrに直列接続した第2の固定抵抗体R2をそれぞれハーフブリッジ回路として、これらの2つのハーフブリッジ回路(直列回路)を並列接続して構成した温度制御用の第1のブリッジ回路3aを主体として構成される。
そしてヒータ電源3bから出力される電源電圧Vccを受けて動作するトランジスタ3cを介して上記ブリッジ回路3aの駆動電圧Vdrivを生成すると共に、差動増幅器3dにて前記ブリッジ回路3aのブリッジ出力電圧(ブリッジ間電位差;Vh−Vr)を求め、このブリッジ出力電圧が零(0)となるように前記トランジスタ3cの作動を帰還制御することで前記ブリッジ回路3aの駆動電圧Vdrivを可変するように構成される。この差動増幅器3dによる前記トランジスタ3cの帰還制御により前記発熱素子Rhの発熱温度Thが、前記温度検出素子Rrにて検出される周囲温度(雰囲気温度)よりも常に一定温度Tだけ高く設定される。
また前記センサ回路4は、前記発熱素子Rhを間にして流体の通流方向に設けられた一対の感熱素子Ru,Rd、および第3および第4の固定抵抗である一対の固定抵抗体Rx,Ryを用いて構成された流量計測用の第2のブリッジ回路4aを主体として構成される。具体的にはこの第2のブリッジ回路4aは、前記一対の感熱素子Ru,Rdを直列接続してハーフブリッジ回路を形成すると共に、前記固定抵抗Rx,Ryを直列接続してハーフブリッジ回路を形成し、これらの2つのハーフブリッジ回路(直列回路)を並列接続して構成される。
この第2のブリッジ回路4aは、定電圧源からなるヒータ電源4bから一定電圧VRが印加されて定電圧駆動される。具体的には前記ヒータ電源4bから出力される一定電圧VRは、ブリッジ回路4aの前記発熱素子Rhの上流側の感熱抵抗Ruを配置したブリッジ上辺側に印加されており、またこのブリッジ回路4aの前記発熱素子Rhの下流側の感熱抵抗Rdを配置したブリッジ下辺側は接地されている。そしてこの第2のブリッジ回路4aにおける上記感熱素子Ru,Rdの抵抗値の変化に応じたブリッジ出力電圧(ブリッジ間電位差;Vs−Vf)は差動増幅器4cにて検出され、所定の増幅利得(ゲイン)Gにて増幅されて予め定められた電圧レベルのセンサ出力Voutとして求められるようになっている。尚、上記増幅利得(ゲイン)Gは、差動増幅器4cの帰還抵抗Rfによって決定される。
基本的には上述したヒータ回路3およびセンサ回路4を備えて構成される熱式流量計において、本発明においては前記センサ回路4により検出されたセンサ出力をゼロ点補正するゼロ点補正手段10を備えている。このゼロ点補正手段10は、例えばマイクロプロセッサにより実現される。そしてゼロ点補正手段10は、基本的には前記ヒータ回路3の駆動停止時(ヒータオフ時)に前記センサ回路4から検出されるセンサ出力Vsensをゼロ点基準値Vrefとして求め、前記ヒータ回路3の駆動時(ヒータオン時)には前記センサ回路4の出力Voutを所定の周期でサンプリング入力し、そのサンプリング入力したセンサ出力Vsensと前記ゼロ点基準値Vrefとの差[Vsens−Vref]をゼロ点補正したセンサ出力Voutとして求める役割を担う。
ちなみに前記ヒータ回路3の駆動停止時(ヒータオフ時)に前記センサ回路4の出力Vsensをゼロ点基準値Vrefとして検出する処理は、補正制御手段11の下で前記ヒータ電源3bを駆動停止させて行われる。具体的には、例えば図2(a)に示すようにヒータ電源3bの駆動を50m秒に亘って停止させて前記ヒータ回路3における発熱素子Rhへの通電を休止させる。そして発熱素子Rhの温度が雰囲気温度に戻った状態において、前記センサ回路4の出力Vsensを検出し、その検出値をゼロ点基準値Vrefとしてゼロ点基準値メモリ12に格納する。尚、ゼロ点基準値メモリ12に既にゼロ点基準値Vrefが登録されている場合には、新たに求めた検出値(出力Vsens)にて前記メモリ12に登録するゼロ点基準値Vrefを更新する。
そして前記ヒータ回路3の駆動停止期間が終了し、ヒータ電源3bの再起動に伴って該ヒータ回路3が再び駆動されて前記発熱素子Rhの発熱温度Thが所定の温度に達したならば、この状態(ヒータオン時)において前記センサ回路4から検出される出力Vsensをゼロ点補正演算手段13に導く。そしてこのゼロ点補正演算手段13にて前記ゼロ点基準値メモリ12に記憶されているゼロ点基準値Vrefを用いて前述したようにセンサ出力Vsensと前記ゼロ点基準値Vrefとの差[Vsens−Vref]を演算し、その演算結果[Vsens−Vref]をゼロ点補正したセンサ出力Voutとして求めるものとなっている。
尚、ヒータオン時におけるセンサ出力Vsensの検出とそのゼロ点補正は、図示しない制御機器の制御周期である、例えば5m秒毎にセンサ出力Vsensをサンプリングして繰り返し実行される。この際、前記ヒータ電源3bを再起動する直前から前記センサ出力Vsensのサンプリングを開始し、発熱素子Rhが発熱駆動される前にサンプリングされるセンサ出力Vsensを前記ゼロ点基準値Vrefとして取り込むようにしても良い。
本発明に係る熱式流量計においては、基本的には上述した如くして所定のサンプリング周期で取り込まれるセンサ出力Vsensを、ヒータオフ時に求めたゼロ点基準値Vrefを用いてゼロ点補正する。しかし流量変動が大きいときや、周囲温度の変化がないときには前記ゼロ点補正制御手段11の制御の下で前述したヒータオフによるゼロ点基準値Vrefの検出を停止し、所定の周期でのセンサ出力Vsensのサンプリングを継続して実行し、既に求められているゼロ点基準値Vrefをそのまま用いてゼロ点補正を行うものとなっている。そして流量が安定したときに前記ヒータ電源3bをオフ制御し、ヒータ回路3aの駆動を停止させて前述したゼロ点基準値Vrefの検出を行うものとなっている。
尚、流量変動は、前述したゼロ点補正手段10が備える流量変化検出手段14にて、例えば前述した如く所定のサンプリング周期で検出されるセンサ出力Vsensを監視して行われる。具体的には前記流量変化検出手段14にて、例えば複数サンプルに亘る前記センサ出力Vsensの変化量を求め、その変化量が予め設定した閾値を上回るとき、これを流量変動が大であるとして検出すれば良い。或いは複数サンプルに亘る前記センサ出力Vsensの変化の勾配を求め、その変化勾配が所定の閾値よりも急峻であるとき、これを流量変動が大であるとして検出しても良い。
また温度変化については、例えば温度検出手段15において前記ヒータ回路3aの前記温度検出素子Rrに直列接続された固定抵抗R2に生じる電圧を、前記温度検出素子Rrにて検出される周囲温度として求める。そして温度変化検出手段16にて上記周囲温度の変化を監視し、例えば所定の期間における周囲温度の変化量が予め設定した閾値に満たないとき、これを温度変化がないとして検出すれば良い。或いは温度変化の勾配を求め、その変化勾配が所定の閾値に満たないとき、これを温度変化がないとして検出しても良い。
前述したゼロ点補正制御手段11は、このようにして前記流量変化検出手段14にて検出される流量変動の情報、および温度検出手段15により検出される温度変化の情報に従って前述したゼロ点基準値Vrefの検出の実行を制御する。ちなみにゼロ点基準値Vrefの検出については、流量が安定していることを条件として、前述した制御機器の動作に支障を来さない範囲において、例えば6秒毎に行うようにすれば十分である。
尚、流量が安定していることを条件として設定されるヒータオフ期間においては、例えば図2(b)に示すようにヒータ電源3bに連動させてセンサ電源4bをオフしてセンサ回路4aを休止させ、図2(c)に示すよう誤ったセンサ出力Vsensの検出を防止する。そしてヒータ電源3aをオンする直前にセンサ電源4bをオンしてセンサ回路4aからのセンサ出力Vsensの検出を再開するようにすれば良い。またこのヒータオフ期間においては、例えばヒータオフ直前のセンサ出力Voutをそのまま継続して出力したり、或いはヒータオフする前の所定期間における流量の変化履歴に基づいてヒータオフ期間における流量の変化傾向を推定し、その推定結果に応じたセンサ出力Voutを生成して出力するようにすれば良い。
図3は上述した熱式流量計における計測制御の処理手順の一例を示している。この処理は、制御機器における制御周期に同期したサンプリング周期にて前記センサ回路4の出力Vsensをサンプリング入力しながら実行される。そしてセンサ回路4の出力Vsensをサンプリング入力したならば、先ずそのセンサ出力Vsensが、前記ヒータ回路3aの駆動に先立ってサンプリングされたものであるか否かを判定することから開始される[ステップS1]。そしてそのセンサ出力Vsensが、前記ヒータ回路3aを駆動する前(ヒータオフ時)にサンプリングしたものである場合には、これを前述したゼロ点基準値Vrefとして前記ゼロ点基準値メモリ12に登録し[ステップS2]、次のセンサ出力Vsensのサンプリング入力を待ってステップS1からの処理を繰り返す。
一方、サンプリング入力したセンサ出力Vsensが前記ヒータ回路3aの駆動後のものである場合には、前記ゼロ点基準値メモリ12に登録したゼロ点基準値Vrefを用いてそのセンサ出力Vsensをゼロ点補正して出力する[ステップS3]。その後、後述するゼロ点補正制御に対する判定処理[ステップS21,S22]を行った後、予め設定された複数サンプル数に亘って前記センサ出力Vsensを連続して検出したか否かを判定する[ステップS4]。そして複数サンプル数に亘ってセンサ出力Vsensを検出していない場合には、次のセンサ出力Vsensのサンプリング入力を待ってステップS1からの処理を繰り返す。尚、複数サンプル数に亘るセンサ出力Vsensの取り込みについては、カウンタを用いてそのサンプル入力回数をカウントして管理しても良く、或いはタイマを用いて上記複数サンプル数に相当するサンプル入力期間を計時して管理しても良い。
そして所定の周期で前記センサ出力Vsensを繰り返しサンプル入力し、これに伴って上述したステップS1〜S4の処理を繰り返し実行することで、予め設定された複数サンプル数に亘ってセンサ出力Vsensを連続して検出し、これをゼロ点補正して出力したことが確認されたならば、前述した複数サンプル数に亘るセンサ出力Vsensの取り込みを管理するタイマまたはカウンタをリセットし[ステップS5]、ヒータ回路3およびセンサ回路4の駆動を停止する[ステップS6]。また同時に前記センサ出力Vsensのサンプル入力も停止する[ステップS7]。尚、上記ヒータ回路3およびセンサ回路4の駆動停止は、ヒータ電源3bおよびセンサ電源4bからの電源出力をそれぞれ禁止することによって行われる。このヒータ回路3およびセンサ回路4の駆動停止によって、発熱素子Rhを含む抵抗体の通電が停止され、発熱素子Rhはその蓄熱エネルギを放出して周囲温度まで低下することになる。
この発熱素子Rhの温度低下は、前述したタイマとは別のタイマによって管理されており、発熱素子Rhの通電停止期間(ヒータオフ期間)から該発熱素子Rhの温度が周囲温度まで十分に低下したか否かが判定される[ステップS8]。そして発熱素子Rhの通電停止期間(ヒータオフ期間)が、例えば50m秒に達し、該発熱素子Rhの温度が周囲温度まで十分に低下したことが確認されたならば、先ずセンサ回路4aの通電を再開し[ステップS9]、センサ出力Vsensのサンプリング入力を再開する[ステップS10]。しかる後、少なくともヒータオフ状態におけるセンサ出力Vsensの入力を行い得る、例えば1サンプル周期の時間経過を待ち[ステップS11]、ヒータ回路3の通電を再開して前述したステップS1〜S4に示すセンサ出力Vsensのゼロ点補正にその処理手続を委ねる[ステップS12]。
以上の処理手順により、基本的には制御機器の制御周期に同期した周期でセンサ出力Vsensのサンプリング入力が繰り返し実行され、ヒータオフ時に求められたゼロ点基準値Vrefを用いたゼロ点補正が実行される。そしてこのようなセンサ出力Vsensのサンプリング入力と、そのゼロ点補正が所定回数に亘って繰り返し実行されたならば、ヒータ回路3のオフ制御が所定時間に亘って実行され、ヒータ回路3の再起動直前のタイミングから前記センサ出力Vsensのサンプリング入力が再開される。そして発熱素子Rhを発熱駆動する直前(ヒータオフ時)にサンプリング入力したセンサ出力Vsensをゼロ点基準値Vrefとして求め、メモリ12に登録したゼロ点基準値Vrefの更新が行われ、以降、更新したゼロ点基準値Vrefを用いてセンサ出力Vsensのゼロ点補正が行われる。
ここで本発明が特徴とするところは、上述した如くして定期的にヒータ回路3の駆動を停止し、ヒータオフ時のセンサ出力Vsensをゼロ点基準値Vrefとして求めた後、連続して繰り返しサンプリング入力されるセンサ出力Vsensを上記ゼロ点基準値Vrefを用いてゼロ点補正して出力する過程において、前述したようにセンサ出力Vsensの変化の履歴から流量変動の大きさを管理すると共に、前記発熱素子Rhの発熱温度Thから求められる周囲温度の変化の履歴から温度変化の大きさを管理している点にある。
そして前述した図3に示す計測制御において、特にセンサ出力Vsensがサンプリング入力されたとき、流量変化が大きいか否かを判定する[ステップS21]と共に、温度変化が殆どないか否かを判定している[ステップS22]。そして流量変化が少なく、その流量が安定していることが確認された場合にのみ、前述した計測制御をそのまま実行させ、逆に流量変動が大きい場合や温度変化が殆どない場合には、前述した複数サンプル数に亘るセンサ出力Vsensの取り込みを管理するタイマまたはカウンタをリセットする[ステップS23]。そしてヒータ回路3をオフさせることなく前述したステップS1からの処理を繰り返し実行する。
このようなステップS21〜S23に示す流量変動(変動勾配)の大きさ、および温度変化(変化勾配)の大きさを判定し、流量変動(変動勾配)が大きいとき、または温度変化(変化勾配)が殆どないときに前述したヒータ回路3の駆動停止と、ヒータ回路3の駆動再開直前のセンサ出力Vsensの取り込み、つまりヒータオフ時のセンサ出力Vsensを検出してゼロ点基準値Vrefの更新を禁止するようにした熱式流量計によれば、流量変動(変動勾配)が大きいとき、または温度変化(変化勾配)が殆どないときには継続して流量計測を実行することができる。
換言すればヒータ回路3をオフすることなく流量計測を継続して実行することが可能となるので、仮に流量変動が大きくても、その変化の挙動を確実に検出することができる。そして流量が安定している場合にだけ、前記ゼロ点基準値Vrefを更新してそのゼロ点補正精度を高めることができる。従って熱式流量センサ1の個体性に依存するゼロ点変動を簡易にして効果的に補正しながら、制御機器の制御周期に対応したサンプリング周期でゼロ点補正したセンサ出力Voutを求めることが可能となる。特に流量が安定しているときにだけヒータ回路3の駆動を停止することになるが、その駆動停止期間には、例えばヒータオフ前のセンサ出力Voutを継続的に出力する等してセンサ出力Voutの途切れを補うことが可能である。従って制御機器における制御動作に支障を来す虞もない。故に、センサ出力Vsensを制御機器における制御信号として用いる場合であっても、該制御機器の制御周期に応じてゼロ点補正して出力することが可能となり、その実用的利点が多大である。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えばヒータ回路3の通電停止を禁止する条件については、熱式流量計に要求される出力仕様等に応じて設定すれば良いものである。また流量の変動量だけではなく、所定量以上の流量変動が生じている期間を上述した判定条件に加えることも可能である。またヒータ回路3をオフして期間においては、そのオフ期間前における流量の変化から推定される流量変動傾向に応じて、ヒータオフ直前のセンサ出力Voutを補正して出力することも可能である。
また温度変化については、専用の温度センサを用いて計測することも可能である。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態に係る熱式流量計の要部概略構成図。 図1に示す熱式流量計において、ゼロ点補正に用いるゼロ点基準値を求める上での基本的な動作タイミング図。 本発明の一実施形態に係る熱式流量計における計測制御の処理手順の一例を示す図。
符号の説明
1 熱式流量センサ
3 ヒータ回路
4 センサ回路
10 ゼロ点補正手段
11 補正制御手段
12 ゼロ点基準値メモリ
13 ゼロ点補正手段
14 流量変化検出手段
15 温度検出手段
16 温度変化検出手段
Rh 発熱素子
Rr 温度検出素子
R1,R2 固定抵抗
Ru,Rd 感熱素子
Rx,Ry 固定抵抗

Claims (3)

  1. ガスの通流方向に発熱素子を挟んで一対の感熱素子を設けた熱式流量センサ、前記ガスの温度を検出する温度検出素子、この温度検出素子の出力に応じて前記発熱素子の発熱温度を制御するヒータ回路、および前記一対の感熱素子の出力から前記ガスの流量を求めるセンサ回路と、
    前記ヒータ回路の駆動停止時に検出される前記センサ回路の出力をゼロ点基準値として求め、前記ヒータ回路の駆動時に前記センサ回路の出力を所定の周期でサンプリングすると共に、サンプリングした前記センサ回路の出力と前記ゼロ点基準値との差をゼロ点補正したセンサ出力として求めるゼロ点補正手段とを備えた熱式流量計であって、
    前記温度検出素子の出力から前記ガスの温度変化を監視する温度監視手段と、前記所定の周期でサンプリングした前記センサ回路の出力から前記ガスの流量変動を監視する流量監視手段と、前記ガスの流動変動量または流量変動の勾配が所定の閾値を上回るとき、若しくは前記ガスの温度変化量または温度変化の勾配が所定の閾値に満たないとき、前記ゼロ基準値の検出動作を停止するゼロ点補正制御手段とを具備したことを特徴とする熱式流量計。
  2. 前記ヒータ回路の駆動停止は、前記センサ回路の出力のサンプリング周期よりも十分に長い周期で、前記発熱素子がその周囲温度まで低下する時間に亘って行われるものであって、
    前記ゼロ点補正制御手段は、前記ガスの温度変化量が所定の閾値内で安定し、且つ前記ガスの流動変動量が所定の閾値内で安定するまで、前記ヒータ回路の駆動停止を禁止して該ヒータ回路を連続して駆動するものである請求項1に記載の熱式流量計。
  3. 前記ゼロ点補正手段は、前記ゼロ点補正制御手段により前記ゼロ基準値の検出動作が停止されたとき、検出動作停止前に求められたゼロ基準値、若しくはゼロ点基準値の変化履歴から予測されるゼロ点基準値を用いてゼロ点補正を行うものである請求項1に記載の熱式流量計。
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