JP3706283B2 - フローセンサ回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒータ駆動回路でフローセンサのヒータを駆動したときに、フローセンサから出力されるセンサ出力値の外部温度(以下、周囲温度と称する。)による変動を精度良く補正することができるフローセンサ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より流量計としては、例えばマイクロフローセンサが用いられており、このマイクロフローセンサは、シリコンの基板台上にヒータ抵抗とこのヒータ抵抗の両側に配置された周囲温度測定用の測温エレメントを有し、ヒータ抵抗から発生する熱の温度分布変化を測温エレメントによって検出することにより、ガス等の流量を測定している。
【0003】
また、その他の流量計として熱線式フローセンサが用いられており、この熱線式フローセンサは、温度係数の大きなヒータ線を流路中に配し、そのヒータ線から奪われる熱量を検出することによりガス等の流量を測定している。
【0004】
これらのフローセンサに有するヒータは、図5に示すようなヒータ駆動回路によって駆動される。このヒータ駆動回路は、オペアンプOP1と、PNP型のトランジスタQ1と、オペアンプOP1の反転入力端子と大地との間に接続される測温抵抗RRと、オペアンプOP1の反転入力端子とトランジスタQ1のコレクタとの間に接続される固定抵抗R2と、オペアンプOP1の非反転入力端子と大地との間に接続されるヒータ抵抗RHと、オペアンプOP1の非反転入力端子とトランジスタQ1のコレクタとの間に接続される固定抵抗R1と、オペアンプOP1の出力端子とトランジスタQ1のベースとの間に接続される固定抵抗R3とを備えて構成される。固定抵抗R1、固定抵抗R2、測温抵抗RR、及びヒータ抵抗RHによりブリッジ回路を構成している。
【0005】
このヒータ駆動回路は、オペアンプOP1の反転入力端子−非反転入力端子間(A−B間)の電位差に基づき電流負帰還をかけることにより、ヒータ抵抗RRの抵抗値を一定値に保つように動作する。
【0006】
ここで、各抵抗値の関係式は、次式で表される。
【0007】
H・R2=RR・R1
すなわち、ヒータ抵抗RRが正の温度係数を持つ場合に、ヒータ温度が低くヒータ抵抗RRが小さいときには、ヒータ抵抗RRの電位差は小さくなる。このため、オペアンプOP1の出力は、マイナス方向に振れて、トランジスタQ1のベース電流が大となり、これによってコレクタ電流が大きくなる。
【0008】
その結果、ブリッジ回路に流れる電流が大きくなり、ヒータ抵抗RHが温まって温度が上昇するからヒータ抵抗RHが大きくなる。このため、ヒータ抵抗RHの抵抗値が一定値になる。なお、ヒータ温度が高すぎる場合には、ヒータ温度が低い場合の制御と逆の制御を行うことになる。
【0009】
また、従来のヒータ駆動回路としては、例えば、特開平4−34315号公報に記載された流量計のヒータ制御装置が知られている。この流量計のヒータ制御装置の回路構成を図6に示す。図6において、オペアンプ101の反転入力端子(−)と大地との間には測温抵抗103が接続され、オペアンプ101の反転入力端子とトランジスタ111のエミッタとの間には固定抵抗105が接続されている。オペアンプ101の非反転入力端子(+)と大地との間には固定抵抗107が接続され、オペアンプ101の出力は、固定抵抗109を介してトランジスタ111のベースに接続されている。
【0010】
トランジスタ111のコレクタと大地との間にはヒータ抵抗113が接続され、トランジスタ111のコレクタとオペアンプ101の非反転入力端子との間には固定抵抗115が接続されている。
【0011】
なお、オペアンプ101,固定抵抗107,固定抵抗109及び固定抵抗115により増幅回路を構成しており、トランジスタ111は、ヒータ抵抗113に流れる電流を増幅する。
【0012】
以上の構成において、固定抵抗105の抵抗値を測温抵抗103の抵抗値よりも十分に大きくとると、測温抵抗103に流れる電流は、測温抵抗103の抵抗値が変化しても一定となる。
【0013】
また、測温抵抗103の温度係数とヒータ抵抗113の温度係数とは同一とし、周囲温度が変化すると、ヒータ抵抗113に印加する電圧を変化させるので、ヒータ抵抗113の発熱量(発熱温度−周囲温度)が一定値となる。このため、フローセンサからのセンサ出力値が一定に保たれるようになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示す従来のヒータ駆動回路や、図6に示すヒータ制御装置は、マイクロヒータの駆動だけでセンサ出力値の温度補正を行っているため、フローセンサに設けられたセンサ出力側である測温エレメント(測温抵抗)の温度補正を行っていない。
【0015】
このため、センサ出力側の温度特性や増幅回路の温度特性の影響がガス等の流体の低流量時に目立つ。すなわち、低流量時に、フローセンサからのセンサ出力の温度に対する変動が大きかった。
【0016】
また、ヒータ抵抗、トランジスタQ1等の電子部品のぱらつきがそのままセンサ出力値に影響するという問題があった。さらに、図6に示すヒータ制御装置にあっては、測温抵抗の温度係数とヒータ抵抗の温度係数とを同じにしなければならなかった。
【0017】
本発明は、フローセンサから出力されるセンサ出力値の周囲温度による変動を低流量時でも精度良く補正することができるフローセンサ回路を提供することを課題とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために以下の構成とした。請求項の発明のフローセンサ回路は、ヒータ抵抗を駆動して該ヒータ抵抗の発熱温度を一定値に制御するヒータ駆動回路と、前記ヒータ抵抗とヒータ抵抗の近傍に配置された温度測定用の測温素子とを有し、前記ヒータ抵抗の加熱による流体の温度変化を前記測温素子により検出してセンサ出力値を出力するフローセンサと、このフローセンサからのセンサ出力値に基づいて、各周囲温度での前記センサ出力値と基準温度での前記センサ出力値とを関連付け且つ前記各周囲温度の関数で表されるための関係式を算出する関係式算出部と、この関係式算出部で算出された関係式を用いて、前記各周囲温度での前記センサ出力値を温度補正する温度補正部とを備え、前記ヒータ駆動回路は、前記ヒータ抵抗と周囲温度測定用の測温抵抗と第1の抵抗と第2の抵抗とが閉ループ状に接続されて構成され、隣接する抵抗同士が接続された第1乃至第4の接続端子の内の第1の接続端子に電源が供給され第2の接続端子が接地されるブリッジ回路と、このブリッジ回路の第3の接続端子の電圧と第4の接続端子の電圧との電位差を増幅する差動増幅器と、この差動増幅器で増幅された電位差を零とするように前記電源から前記ブリッジ回路への電流を制御して前記ヒータ抵抗の発熱温度を一定値に制御する電流制御部とを有し、前記電流制御部は、第1電極が前記電源に接続され第1制御電極にパルス信号が入力される第1トランジスタと、この第1トランジスタの第2電極に第3電極が接続され第4電極が前記第1の接続端子に接続され第2制御電極が前記差動増幅器の出力に接続された第2トランジスタとを有することを特徴とする。請求項1の発明によれば、フローセンサのヒータ抵抗を駆動して該ヒータ抵抗の発熱温度を一定値に制御し、フローセンサにおいて、ヒータ抵抗の加熱による流体の温度変化を測温素子により検出してセンサ出力値を出力し、フローセンサからのセンサ出力値に基づいて、各周囲温度でのセンサ出力値と基準温度でのセンサ出力値とを関連付け且つ各周囲温度の関数で表されるための関係式を算出し、算出された関係式を用いて、各周囲温度でのセンサ出力値を温度補正する。すなわち、関係式は、各周囲温度の関数で表され、流体の流量が変化しても変わらない。このため、算出された関係式を用いることで、フローセンサから出力されるセンサ出力値の周囲温度(外部温度)による変動を低流量時でも精度良く補正することができる。また、電流制御部の第1トランジスタにパルス信号が入力されることにより、第1トランジスタ及び第2トランジスタがオン/オフしてヒータ抵抗がパルス駆動されて、ヒータが加熱されると、差動増幅回路がブリッジ回路の第3の接続端子の電圧と第4の接続端子の電圧との電位差を増幅し、電流制御部は、差動増幅器で増幅された電位差を零とするように電源からブリッジ回路への電流を制御してヒータ抵抗の発熱温度を一定値に制御する。
【0025】
請求項の発明は、請求項記載のフローセンサ回路において、前記関係式算出部は、前記各周囲温度での前記センサ出力値と前記各周囲温度での前記流体の流量が零におけるセンサ出力値との差分値と、前記基準温度での前記センサ出力値と前記基準温度での前記流体の流量が零におけるセンサ出力値との差分値と、を関連付ける関係式を算出することを特徴とする。
【0026】
請求項3の発明は、請求項または請求項記載のフローセンサ回路において、前記各周囲温度を検出し、検出結果を前記各周囲温度値として出力する周囲温度検出部を備え、前記温度補正部は、前記関係式算出部で算出された前記関係式と各周囲温度値とを用いて、前記各周囲温度での前記センサ出力値を前記基準温度でのセンサ出力値に換算することを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のフローセンサの温度補正方法及びフローセンサ回路の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は実施の形態のフローセンサ回路の構成ブロック図である。図2は実施の形態のフローセンサ回路に設けられたヒータ駆動回路を示す回路構成図である。図3は実施の形態のフローセンサ回路に設けられたフローセンサの詳細図である。
【0030】
図1に示すフローセンサ回路は、ヒータ駆動回路11、フローセンサ13、アンプ15a,15b、差動アンプ15c、第1のA/D変換器17a、演算器19、温度モニタ18、第2のA/D変換器17bを有して構成される。
【0031】
ヒータ駆動回路11は、フローセンサ13に配置されたヒータ抵抗Rhを駆動して該ヒータ抵抗Rhの発熱温度を一定値に制御するもので、その詳細は後述する。
【0032】
フローセンサ13は、ヒータ抵抗Rhとヒータ抵抗Rhの近傍に配置された温度測定用の測温素子としての下流側サーモパイル55及び上流側サーモパイル58とを有し、ヒータ抵抗Rhの加熱によるガス等の流体の温度変化を下流側サーモパイル55及び上流側サーモパイル58により検出し、第1及び第2温度検出信号を出力するもので、その詳細は後述する。
【0033】
アンプ15aは、フローセンサ13の上流側サーモパイル58からの第1温度検出信号を所定のレベル値まで増幅し、アンプ15bは、フローセンサ13の下流側サーモパイル55からの第2温度検出信号を所定のレベル値まで増幅する。差動アンプ15cは、アンプ15aからの第1温度検出信号とアンプ15bからの第2温度検出信号との差を増幅して得られた差値をセンサ出力値として第1のA/D変換器17aに出力する。第1のA/D変換器17aは、差動アンプ15cからのセンサ出力値をデジタル値としてのセンサA/D出力値に変換する。
【0034】
温度モニタ18は、フローセンサ13に白金等で構成された測温抵抗体等の温度センサを有し、測温抵抗体に定電流または定電圧で駆動して、測温対抗体により周囲温度を検出して検出結果として周囲温度値を第2のA/D変換器17bに出力する。第2のA/D変換器17bは、温度モニタ18で検出された周囲温度値をデジタル値に変換し、変換されたデジタル値を温度モニタ出力値として演算器19に出力する。
【0035】
演算器19は、例えば、マイクロコンピュータ等からなり、第1のA/D変換器17aからのセンサA/D出力値と予め定められた流量算出式とに基づいて流体の流量を算出する。
【0036】
また、演算器19は、関係式算出部20、温度補正部21を有している。関係式算出部20は、第1のA/D変換器17aからのセンサA/D出力値に基づいて、各周囲温度でのセンサA/D出力値と基準温度(例えば25℃)でのセンサA/D出力値とを関連付ける関係式(例えば一次式)を算出する。この関係式は周囲温度、すなわち、温度モニタ出力値の関数で表されるようになっている。温度補正部21は、関係式算出部20で算出された関係式と第2のA/D変換器17bからの温度モニタ出力値とを用いて、各周囲温度でのセンサA/D出力値を温度補正する。
【0037】
また、図2に示すヒータ駆動回路11において、トランジスタTr1のエミッタは電源Vccの正極に接続され、トランジスタTr1のベースは固定抵抗R1に接続され、トランジスタTr1のコレクタはトランジスタTr2のエミッタに接続されている。トランジスタTr2のベースは固定抵抗R2を介してオペアンプOP1の出力端子に接続され、トランジスタTr2のコレクタは固定抵抗R3を介してトランジスタTr1のエミッタに接続されている。
【0038】
オペアンプOP1の非反転入力端子は固定抵抗R4を介して接地され、また、非反転入力端子は可変抵抗VR1を介してトランジスタTr2のコレクタに接続されている。オペアンプOP1の反転入力端子は、固定抵抗R5を介して接地され、また、反転入力端子はヒータ抵抗Rhを介してトランジスタTr2のコレクタに接続されている。
【0039】
固定抵抗R1は、例えば2KΩであり、固定抵抗R2は、例えば25KΩであり、固定抵抗R3は、例えば10KΩであり、固定抵抗R4は、例えば200Ωであり、可変抵抗VR1は例えば20KΩである。
【0040】
固定抵抗R4、固定抵抗R5、可変抵抗VR1、及びヒータ抵抗Rhによりブリッジ回路を構成している。ヒータ抵抗Rhは、フローセンサ13上に配置された白金抵抗体であり、温度の変化により抵抗値が変化する。
【0041】
また、オペアンプOP1は、差動増幅器を構成し、ブリッジ回路における固定抵抗R4の端子電圧と固定抵抗R5の端子電圧との電位差を増幅する。トランジスタTr1,Tr2は、電流制御部を構成し、オペアンプOP1で増幅された電位差を零とするように電源Vccからブリッジ回路への電流を制御してヒータ抵抗Rhの発熱温度を一定値に制御するようになっている。
【0042】
また、固定抵抗R1は端子aに接続され、この端子aと端子bとの間にパルス信号が入力され、このパルス信号によりトランジスタTr1,Tr2を動作させて、ヒータ抵抗Rhをパルス駆動するようになっている。
【0043】
フローセンサ13は、図3に示すように、Si基板52、このSi基板52の表面に形成されたダイアフラム53、このダイアフラム53上に形成された白金等からなるヒータ抵抗Rh(マイクロヒータ)、ヒータ抵抗Rhに対して下流側でダイアフラム53上に形成された下流側サーモパイル55、ヒータ抵抗Rhに電源から駆動電流を供給する電極としての金属膜56A,56B、ヒータ抵抗Rhに対して上流側でダイアフラム53上に形成された上流側サーモパイル58、上流側サーモパイル58から出力される第1温度検出信号を出力する電極としての金属膜59A,59B、下流側サーモパイル55から出力される第2温度検出信号を出力する電極からなる金属膜57A,57Bを備えて構成される。
【0044】
上流側サーモパイル58、下流側サーモパイル55は、熱電対から構成されている。この熱電対は、p++−Si及びAlにより構成され、冷接点と温接点とを有し、熱を検出し、冷接点と温接点との温度差から熱起電力が発生することにより、温度検出信号を出力するようになっている。
【0045】
次にこのように構成された実施の形態のフローセンサ回路の動作、すなわち、フローセンサの温度補正方法を図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0046】
まず、図2に示すヒータ駆動回路11において、端子a,b間にパルス信号を入力することにより、ヒータ抵抗Rhを駆動してヒータ抵抗Rhの発熱温度を一定値に制御する(ステップS11)。
【0047】
このヒータ駆動回路11の動作を図2を参照して詳細に説明する。まず、端子a,b間にパルス信号として‘L’レベルが入力されると、トランジスタTr1,Tr2がオンするため、トランジスタTr1,Tr2を介して電源Vccからブリッジ回路に電流が流れる。これにより、ヒータ抵抗Rhが加熱される。また、パルス信号として‘H’レベルが入力されると、トランジスタTr1,Tr2がオフするため、ブリッジ回路への電流供給が停止され、ヒータ抵抗Rhへの加熱が停止される。すなわち、ヒータ抵抗Rhがパルス信号によりパルス駆動されて加熱されることになる。
【0048】
また、このとき、ヒータ駆動回路11は、オペアンプOP1の反転入力端子−非反転入力端子間の電位差に基づき、トランジスタTr1,Tr2を介してオペアンプOP1により電流負帰還をかけることにより、ヒータ抵抗Rhの抵抗値を一定値に保つように動作する。
【0049】
ここで、各抵抗値の関係式は、次式で表される。
【0050】
Rh・R4=R5・VR1
すなわち、周囲温度が変化してもヒータ抵抗Rhの抵抗値が一定値になるようにヒータ抵抗Rhに電圧を印加する。白金の抵抗値は以下の式で表される。
【0051】
R=R0(1+αT)
ここで、Rは白金の抵抗値であり、R0は白金の温度ゼロ℃での基準抵抗値であり、αは抵抗温度係数であり、Tは温度である。この式から、白金の抵抗値が一定であれば、周囲温度に関係なく発熱温度は一定である。
【0052】
例えば、ヒータ抵抗Rhが正の温度係数を持つ場合に、ヒータ温度が低くヒータ抵抗Rhが小さいときには、ヒータ抵抗Rhの電位差は小さくなる。このため、オペアンプOP1の出力は、マイナス方向に振れて、トランジスタTr2のベース電流が大となり、これによってコレクタ電流が大きくなる。
【0053】
その結果、トランジスタTr1,Tr2を介して電源Vccからブリッジ回路に流れる電流が大きくなり、ヒータ抵抗Rhが温まって温度が上昇するからヒータ抵抗Rhが大きくなる。このため、ヒータ抵抗Rhの抵抗値が一定値になる。なお、ヒータ温度が高すぎる場合には、ヒータ温度が低い場合の制御と逆の制御を行うことで、ヒータ抵抗Rhの抵抗値が一定値になるので、ヒータの発熱温度を一定値に制御することができる。
【0054】
次に、ヒータ抵抗Rhの加熱によるガス等の流体の温度変化を2つのサーモパイルにより検出してセンサ出力値を出力する(ステップS13)。このステップS13では、ヒータ抵抗Rhが加熱を開始すると、ヒータ抵抗Rhから発生した熱は、流体を媒体として、下流側サーモパイル55と上流側サーモパイル58のそれぞれの温接点に伝達される。
【0055】
そして、それぞれのサーモパイルは、温接点と冷接点の温度差より熱起電力を発生し、上流側サーモパイル58から第1温度検出信号をアンプ15aに出力し、下流側サーモパイル55から第2温度検出信号をアンプ15bに出力する。
【0056】
差動アンプ15cは、上流側サーモパイル58からの第1温度検出信号と下流側サーモパイル55からの第2温度検出信号との差を増幅し、増幅された差値をセンサ出力値として第1のA/D変換器17aに出力し、第1のA/D変換器17aは、差動アンプ15cからのセンサ出力値をセンサA/D出力値に変換して演算器19に出力する。
【0057】
次に、関係式算出部20は、フローセンサ13からのセンサ出力値に基づいて、各周囲温度でのセンサ出力値と基準温度でのセンサ出力値とを関連付ける関係式を算出する(ステップS15)。このステップS15では、関係式算出部20が各周囲温度でのセンサA/D出力値と各周囲温度での流体の流量が零におけるセンサA/D出力値との差分値と、基準温度でのセンサA/D出力値と基準温度での流体の流量が零におけるセンサA/D出力値との差分値と、を関連付ける関係式(1)を算出する。
【0058】
(QX−Q0)/(Q25X−Q250)=AX+B・・・・(1)
ここで、QXは各周囲温度でのセンサA/D出力値、Q0は各周囲温度での流量が零である時のセンサA/D出力値である。Q25Xは温度25℃でのセンサA/D出力値、Q250は各周囲温度での流量が零である時のセンサA/D出力値である。A,Bは一次式であるAX+Bの定数である。Xは温度モニタ出力値である。
【0059】
すなわち、各周囲温度でのセンサ出力値と基準温度でのセンサ出力値とを関連付ける関係式は、一次式で表され、この一次式が温度モニタ出力値Xの一次関数となっている。これは、ヒータ駆動回路11により、周囲温度が変化しても、ヒータの発熱温度が一定値になるため、各周囲温度でのセンサ出力値と基準温度でのセンサ出力値とは、流量が違っても同じ関係式(一次式)で表すことができるためである。
【0060】
なお、従来の図6に示すヒータ駆動回路は、ヒータの発熱量(発熱温度−周囲温度)が一定になるように制御する回路であり、このヒータ駆動回路では、周囲温度が変化すると、ヒータの発熱温度も変化するため、実施の形態のフローセンサ回路のセンサ出力と、25℃でのセンサ出力は流量が違っても同じ関係式で表すことができない。
【0061】
さらに、温度補正部21は、関係式算出部20で算出された関係式を用いて、各周囲温度でのセンサ出力値を基準温度でのセンサ出力値に換算する(ステップS17)。このステップS17では、温度補正部21が、関係式算出部20で算出された式(1)を変形して、式(2)を算出する。
【0062】
25=(QX−Q0)/(AX+B)+Q250・・・・(2)
ここで、Q25は温度25℃に換算したときの各周囲温度でのセンサA/D出力値である。
【0063】
式(2)のXに、温度モニタ出力値を代入すると、各周囲温度でのセンサ出力値が、温度25℃でのセンサA/D出力値に換算される。すなわち、関係式は、流体の流量の関数でないため、流体の流量が変化しても変わらない。関係式は、温度モニタ出力値の関数であるため、関係式と温度モニタ出力値とを用いることで、各周囲温度でのセンサA/D出力値が、温度25℃でのセンサA/D出力値に換算される。従って、フローセンサ13から出力されるセンサ出力値の周囲温度による変動を低流量時でも精度良く補正することができる。
【0064】
また、演算器19は、換算された各周囲温度でのセンサ出力値と予め定められた流量算出式とに基づいて各周囲温度でのガス等の流体の流量を算出するので、流体の流量を精度良く算出することができる。
【0065】
また、実施の形態のフローセンサの温度補正方法によれば、固定抵抗R4,R5、ヒータ抵抗Rh、トランジスタTr1,Tr2、オペアンプOP1等の電子部品にばらつきがあっても、温度モニタ出力値の関数である関係式を用いてセンサ出力値を算出するため、電子部品のばらつきがセンサ出力値に影響しなくなる。さらに、温度モニタ出力値などの定数が、外部から入力できるため、温度補正の調整に時間がかからなくなる。
【0066】
なお、本発明は、前述した実施の形態のフローセンサの温度補正方法及びフローセンサ回路に限定されるものではない。実施の形態では、基準温度を25℃としたが、基準温度は例えば、20℃としても良く、あるいは20℃周辺の温度であれば、その他の温度であってもよい。
【0067】
また、実施の形態では、各周囲温度でのセンサ出力値と25℃でのセンサ出力値とが一次式で表されたが、他の関数、例えば、これらのセンサ出力値の相関関係は、二次式、あるいは三次式等の関係式で表されてもよい。要は、その関係式が流体の流量の変化に対して不変であり、周囲温度の関数であれば良い。このほか、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能であるのは勿論である。
【0068】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、フローセンサのヒータ抵抗を駆動して該ヒータ抵抗の発熱温度を一定値に制御し、フローセンサにおいて、ヒータ抵抗の加熱による流体の温度変化を測温素子により検出してセンサ出力値を出力し、フローセンサからのセンサ出力値に基づいて、各周囲温度でのセンサ出力値と基準温度でのセンサ出力値とを関連付け且つ各周囲温度の関数で表されるための関係式を算出し、算出された関係式を用いて、各周囲温度でのセンサ出力値を温度補正する。すなわち、関係式は、各周囲温度の関数で表され、流体の流量が変化しても変わらない。このため、算出された関係式を用いることで、フローセンサから出力されるセンサ出力値の周囲温度による変動を低流量時でも精度良く補正することができる。また、電流制御部の第1トランジスタにパルス信号が入力されることにより、第1トランジスタ及び第2トランジスタがオン/オフしてヒータ抵抗がパルス駆動されて、ヒータが加熱されると、差動増幅回路がブリッジ回路の第3の接続端子の電圧と第4の接続端子の電圧との電位差を増幅し、電流制御部は、差動増幅器で増幅された電位差を零とするように電源からブリッジ回路への電流を制御してヒータ抵抗の発熱温度を一定値に制御する。
【0069】
請求項2の発明によれば、各周囲温度でのセンサ出力値と各周囲温度での流体の流量が零におけるセンサ出力値との差分値と、基準温度でのセンサ出力値と基準温度での流体の流量が零におけるセンサ出力値との差分値と、を関連付ける関係式を算出し、該関係式を用いることで、センサ出力値の周囲温度による変動を低流量時でも精度良く補正することができる。
【0070】
請求項3の発明によれば、各周囲温度を検出し、検出結果を各周囲温度値として出力し、算出された関係式と各周囲温度値とを用いて、各周囲温度でのセンサ出力値を基準温度でのセンサ出力値に換算することにより、センサ出力値の周囲温度による変動を低流量時でも精度良く補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のフローセンサ回路の構成ブロック図である。
【図2】実施の形態のフローセンサ回路に設けられたヒータ駆動回路を示す回路構成図である。
【図3】実施の形態のフローセンサ回路に設けられたフローセンサの詳細図である。
【図4】実施の形態のフローセンサ回路により実現されるフローセンサの温度補正方法を示すフローチャートである。
【図5】従来のヒータ駆動回路の一例を示す回路図である。
【図6】従来の流量計のヒータ制御装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
11 ヒータ駆動回路
13 フローセンサ
15a,15b アンプ
15c 差動アンプ
17a 第1のA/D変換器
17b 第2のA/D変換器
18 温度モニタ
19 演算器
20 関係式算出部
21 温度補正部
Rh ヒータ抵抗
OP1 オペアンプ
Tr1,Tr2 トランジスタ
VR1 可変抵抗
R1〜R5 固定抵抗

Claims (3)

  1. ヒータ抵抗を駆動して該ヒータ抵抗の発熱温度を一定値に制御するヒータ駆動回路と、
    前記ヒータ抵抗とヒータ抵抗の近傍に配置された温度測定用の測温素子とを有し、前記ヒータ抵抗の加熱による流体の温度変化を前記測温素子により検出してセンサ出力値を出力するフローセンサと、
    このフローセンサからのセンサ出力値に基づいて、各周囲温度での前記センサ出力値と基準温度での前記センサ出力値とを関連付け且つ前記各周囲温度の関数で表されるための関係式を算出する関係式算出部と、
    この関係式算出部で算出された関係式を用いて、前記各周囲温度での前記センサ出力値を温度補正する温度補正部と、
    を備え、
    前記ヒータ駆動回路は、前記ヒータ抵抗と周囲温度測定用の測温抵抗と第1の抵抗と第2の抵抗とが閉ループ状に接続されて構成され、隣接する抵抗同士が接続された第1乃至第4の接続端子の内の第1の接続端子に電源が供給され第2の接続端子が接地されるブリッジ回路と、このブリッジ回路の第3の接続端子の電圧と第4の接続端子の電圧との電位差を増幅する差動増幅器と、この差動増幅器で増幅された電位差を零とするように前記電源から前記ブリッジ回路への電流を制御して前記ヒータ抵抗の発熱温度を一定値に制御する電流制御部とを有し、
    前記電流制御部は、第1電極が前記電源に接続され第1制御電極にパルス信号が入力される第1トランジスタと、この第1トランジスタの第2電極に第3電極が接続され第4電極が前記第1の接続端子に接続され第2制御電極が前記差動増幅器の出力に接続された第2トランジスタとを有することを特徴とするフローセンサ回路。
  2. 前記関係式算出部は、前記各周囲温度での前記センサ出力値と前記各周囲温度での前記流体の流量が零におけるセンサ出力値との差分値と、前記基準温度での前記センサ出力値と前記基準温度での前記流体の流量が零におけるセンサ出力値との差分値と、を関連付ける関係式を算出することを特徴とする請求項記載のフローセンサ回路。
  3. 前記フローセンサは、前記各周囲温度を検出し、検出結果を前記各周囲温度値として出力する周囲温度検出部を備え、
    前記温度補正部は、前記関係式算出部で算出された前記関係式と各周囲温度値とを用いて、前記各周囲温度での前記センサ出力値を前記基準温度でのセンサ出力値に換算することを特徴とする請求項または請求項記載のフローセンサ回路。
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