JP3958925B2 - ヒータ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、ガス等の流体通路中に配置したサーモパイル方式のフローセンサに搭載したサーモパイルに対し、流体を媒体として伝搬させる熱を発生するヒータの発熱温度をガス温度に追従させて制御するヒータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような装置は、例えば、ガスメータのガス通路等に内蔵されたフローセンサにおけるヒータ制御装置として用いられる。
その一例として、詳細は後述するが図6に示すように、感温素子としての上流側サーモパイル(UTP)と下流側サーモパイル(DTP)を、フローセンサFSを構成する基板B上で、ガスメータGM内のガス通路F内においてガスの流れる方向と直交する方向にヒータHを介して離間して配置する。そして、ヒータHを通電した際に発する熱を、ガスを媒体としてUTP,DTPへ伝達することで、UTP,DTPに生じた熱起電力の差に基づいてガスの流速を求める。
【0003】
従来のヒータ制御装置の概略構成としては、図5に示すヒータの定電圧駆動回路がある。この回路は、ガスメータGMに内蔵されたバッテリBの出力電圧3Vを一旦電解コンデンサC1に充電した後に、3端子レギュレータを構成する安定化電源用ICに入力して1.5Vに降圧してコンデンサC2に出力し、1.5V電圧よりリップル成分を除去した後に、ヒータHに印加する。
【0004】
ヒータHは電圧の印加により発熱し、その熱をガスによりDTPとUTPへの伝達することで、DTPとUTPに生じた熱起電力の差[D―U]、即ちフローセンサ出力に基づいてガスの流速、引いては流速を処理してガス流量を求める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のヒータ制御装置は以上のようにヒータに一定の電圧、例えば1.5Vを印加して所定のヒータ温度、例えば45℃を得るようにしていた。しかし、図7に示すように、フローセンサに流れるガスの流量が一定であり、しかもヒータの発熱温度が一定であってもヒータの周囲温度(例えば、ガス温度)が低下するとフローセンサ出力[D―U]が大きくなり、周囲温度が上昇すると[D―U]は小さくなる。
【0006】
従って、このような特性のフローセンサにおいて、ヒータ発熱温度を一定の状態でガス流速より最終的にガス流量を測定すると、周囲温度の変化により流量測定値にバラツキが生じる。そこで、従来はマイコン等を用いて流量測定値を周囲温度測定値により温度補正する必要があり、補正処理が複雑化するという問題点があった。
また、従来、例えば特開平7−174600号公報に開示された流速センサ及び流速計測装置は、気体流による気温の温度変化を勘案して気体流速または流量を測定するものが開示されている。しかし、この装置は流体温度測温体と発熱体温度測温体の温度差を一定に保つことで、微小流速域まで流速計測を可能とすると共に、大流速域の直線性を改善するもので、周囲温度(ガス温度)の変化に拘わらずガス流速を安定して計測する技術は開示されていない。
【0007】
また、従来装置は、流量測定時に限らずマイコンを稼働してDTPとUTPの熱起電力差や周囲温度を取り込み測定値を温度補正させるため、全体的にバッテリの電力消費量が大きいという問題点があった。
【0008】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、バッテリの消費電力を低く抑え、且つ、周囲温度の変化に追従してヒータ温度を制御することで周囲温度の変化に拘わらず安定した流量測定を行うことができるヒータ制御装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るヒータ制御装置は、図1の基本構成図に示すように、ヒータ51からの発熱を、流体を媒体として感温素子に伝搬し、この感温素子の出力に基づき前記流体の流速を測定するフローセンサに配置され、周囲温度に応じて抵抗値が変わる測温体Rと、この測温体Rに一定電流を流す定電流回路11と、測温体に一定電流を流したときの電圧降下を検出する電圧検出手段13と、前記検出された電圧降下に基づいて前記ヒータに供給する電力を制御するヒータ駆動手段15とを備え、前記電圧降下に基づきヒータの周囲温度が変動検出時には、ヒータ温度を予め設定した一定温度に周囲温度を加算した温度になるようにヒータ51の供給電力を制御し、前記感温素子の出力を温度補正する。
【0010】
そして、前記ヒータ駆動手段15は、前記電圧検出手段が検出した基準温度時の電圧降下を増幅して予め定めた基準電圧に等しい電圧を出力する増幅手段と、該増幅手段の出力電圧と前記基準電圧との差電圧を増幅して出力する誤差増幅手段と、該誤差増幅手段の出力電圧と前記基準電圧との差電圧を出力する差手段と、該差手段の出力電圧と前記誤差増幅手段の出力電圧との差電圧を分圧し、該分圧した圧電圧に相当する電圧を前記ヒータに印加させる可変抵抗とを有し、前記可変抵抗が前記基準温度時に前記基準電圧に等しい電圧を出力するように調整されていて、周囲温度が前記基準温度に対して変化した時に、前記ヒータに印加する電圧を、前記基準温度に対する温度変化分ヒータ温度を変化させて周囲温度に追従した温度に制御する。
【0011】
この発明に係るヒータ制御装置は、フローセンサに配置されたヒータ51と感温素子は、ガスメータ内のガス通路においてガスの流れる方向と直交する方向に離隔して配置され、且つ、前記測温体Rはヒータ51の発熱の影響を避ける位置に配置したことで、周囲温度の変動に拘わらず一定のガス流量測定を行える。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
次に本実施の形態に係るヒータ制御装置の動作を説明する前に、本装置における制御対象であるヒータを備えたマイクロフローセンサ31の概要を説明する。図2は例えばサーモパイル方式のマイクロフローセンサ31の平面拡大図である。図に示すように、マイクロフローセンサ31はSiによる基台41と、この基台41に異方性エッチングにより形成されたダイヤフラム41aと、このダイヤフラム41a上に形成された測温用の上流側、下流側、左側、右側の各サーモパイル43,45,47,49及び加熱用のマイクロヒータ51(ヒータに相当)と、ダイヤフラム41a上を外れた基台41部分に形成された白金測温体53とを備えており、このうち、マイクロヒータ51及び白金測温体53は白金等からなる。
【0013】
前記上流側、下流側、左側、並びに、右側の各サーモパイル43,45,47,49は、p++−SI及びAlにより構成されており、このうち上流側及び下流側の各サーモパイル43,45は、ガス通路29内を流れるガスの流れ方向Aにおいてマイクロヒータ51を挟んで上流側と下流側との基台41箇所に、マイクロヒータ51から等間隔で各々配置され、左側及び右側の各サーモパイル47,49は、ガス通路29内を流れるガスの流れ方向Aと直交する幅方向においてマイクロヒータ51を挟んで左右両側の基台41箇所に、マイクロヒータ51から等間隔で各々配置されている。
【0014】
そして、各サーモパイル43,45,47,49の温接点43a,45a,47a,49aはダイヤフラム41a上に、冷接点43b,45b,47b,49bはダイヤフラム41a以外の基台41部分に、各々配置されており、白金測温体53も各サーモパイル43,45,47,49の冷接点43b,45b,47b,49bと同様に、ダイヤフラム41a以外の基台41部分に配置されている。
【0015】
このように構成されたマイクロフローセンサ31では、マイクロヒータ51が通電により発した熱が、ガス通路29内のガスを媒体として上流側、下流側、左側、並びに、右側の各サーモパイル43,45,47,49の付近に伝わると、それら各サーモパイル43,45,47,49に、マイクロヒータ51から伝わった熱に応じた温度となる温接点43a,45a,47a,49aと、基台41とほぼ同じ温度となる冷接点43b,45b,47b,49bとの温度差に応じた電圧の起電力が生じる。
【0016】
したがって、マイクロヒータ51が加熱されると、マイクロヒータ51よりもガスの流れ方向Aの上流側に位置する上流側サーモパイル43には、ガスの熱伝搬速度からガスの流速を減じた速度で、マイクロヒータ51から放出される熱が伝達され、マイクロヒータ51よりもガスの流れ方向Aの下流側に位置する下流側サーモパイル45には、ガスの熱伝達速度にガスの流速を加えた速度で、マイクロヒータ51から放出される熱が伝達される。
【0017】
しかし、ガス通路29内をガスが流れていると、マイクロヒータ51から放出される熱が、下流側サーモパイル45への伝達速度よりも低い速度で上流側サーモパイル43に伝達されて、その速度差分だけ上流側サーモパイル43には、マイクロヒータ51からの熱が下流側サーモパイル45よりも冷却されて伝達されるので、上流側及び下流側の各サーモパイル43,45に生じる起電力の電圧は、ガス通路29内を流れるガスによりマイクロヒータ51から伝達される熱の温度差に応じて、即ち、ガス通路29内を流れるガスの流速に応じて異なることになる。
【0018】
よって、各サーモパイル43,45に生じる起電力の電圧差に応じてマイクロフローセンサ31の出力端子39から出力される起電力信号の大きさは、マイクロヒータ51が放出する熱の温度と、ガス通路29内を流れるガスの流速とに応じたものとなる。
【0019】
以下、本実施の形態に係るヒータ制御装置の一実施の形態を図3に基づき説明する。同図において、53は周囲温度測定用のリファレンス素子としての白金測温体である。この白金測温体53の一端には抵抗R71と72との並列体を通してバッテリよりバッテリ電圧Vbt−Tens、例えば、3Vが印加され、且つ、白金測温体53の他端にはトランジスタQ1のコレクタが接続されている。尚、抵抗R71と72との並列体の合成抵抗値は周囲温度が基準温度25℃おける白金測温体53の抵抗値としてある。
【0020】
トランジスタQ1のベースには抵抗R73を通してボルテジホロワ回路を構成するOPアンプOP1の出力端子が、そしてエミッタにはOPアンプOP1の負入力端子が接続されると共に、抵抗R74と可変抵抗RV6の直列体にコンデンサC25が並列接続された並列回路がグランドに接続されている。
尚、OPアンプOP1とトランジスタQ1は、可変抵抗RV6の調整の基に、印加電圧を3Vとしたとき、常温すなわち基準温度状態における白金測温体53の抵抗値と抵抗R71及び72の並列体における抵抗値の合成抵抗値に対応した一定電流(100μA)が調整されるような定電流回路を構成する。
従って、周囲温度の変化により白金測温体53の抵抗値が変化すると、白金測温体53と抵抗R71及び72の並列体の抵抗直列回路に発生する電圧降下は周囲温度の変化により変化する。
【0021】
抵抗R71と72との並列体に対するバッテリ電圧の印加点は、抵抗R75,76の並列回路なる入力抵抗(50KΩ)を通してOPアンプOP2の正入力端子に接続される。白金測温体53とトランジスタQ1の接続点は抵抗R78,79の並列回路なる入力抵抗(50KΩ)を通してOPアンプOP2の負入力端子に接続される。
【0022】
また、OPアンプOP2の正入力端子は抵抗R77(1MΩ)を通してグランドに接続されている。OPアンプOP2の出力端子と負入力端子間には1MΩの負帰還抵抗R80が接続されているため、OPアンプOP2はゲイン20の増幅手段としての差動増幅器を構成する。
この結果、OPアンプOP2からは、バッテリ電圧の影響を排除した測温抵抗体53の抵抗変化に応じた電圧が20倍に増幅されVtmpとして出力される。
【0023】
OPアンプOP2の出力端子は100KΩの入力抵抗R81を通してOPアンプOP3の負入力端子に接続される。OPアンプOP3の出力端子は150KΩの負帰還抵抗R82を通して負入力端子に接続される。OPアンプOP3の正入力端子には1.5Vの基準電圧が印加されているため、OPアンプOP3はゲイン1.5の誤差増幅手段としての誤差増幅器を構成する。
【0024】
また、OPアンプOP3は、負入力端子と出力端子に100KΩの負帰還抵抗R84を接続し、正入力端子に1.5Vの基準電圧を印加したOPアンプOP4の負入力端子に100KΩの入力抵抗R83を通して接続されている。従って、OPアンプOP4はゲイン1の差手段としての誤差増幅器となる。
尚、OPアンプOP3とOP4の出力端子間は可変抵抗(ポテンショメータ)RV5により接続されている。この可変抵抗RV5を調整し、0V〜3Vの範囲でヒータ51の印加電圧を調整する。
【0025】
可変抵抗RV5の可変出力は、負入力端子と出力端子とを接続して構成したボルテージホロワ回路を構成するOPアンプOP5の正入力端子に接続される。OPアンプOP5の出力端子にはヒータ51の一端が接続されている。このヒータ51の他端は電界効果トランジスタQ2のソースに接続されている。そして、電界効果トランジスタQ2のドレインはグランドに接続されている。
また、電界効果トランジスタQ2のゲートとドレイン間にはバイアス用の抵抗R86が接続されると共に、ゲートには抵抗R85を通して20msec幅のHレベルの信号が1secに1回、ヒータ駆動制御信号(Vb−ht)として入力される。
【0026】
本実施の形態に係るヒータ制御装置の動作を説明する。白金測温体53は常温時の抵抗値に合わせ、通常100μAで定電流駆動されるが、白金測温体53の固体差を吸収して100μAの電流が流れるように可変抵抗RV6を調整する。この結果、OPアンプOP1、トランジスタQ1等で構成される定電流回路により抵抗R71とR72との並列体と白金測温体53との抵抗直列回路に電流を流すと、ガスメータにおけるガス通路の常温状態(20°C)では抵抗R71とR72の並列体と白金測温体53との抵抗直列回路間に発生する電圧は、常温状態では747mVである。
【0027】
動作としては、ボルテジホロワ回路を構成するOPアンプOP1に、例えば、0.5Vの基準電圧が入力されると、トランジスタQ1はON動作し、1sec周期でバッテリ電圧Vbより電流が抵抗R71とR72の並列体、白金測温体53,トランジスタQ1、抵抗R74,可変抵抗RV6を通して流れる。トランジスタQ1に流れる電流が低下すると、OPアンプOP1の出力電圧(ベース電圧)は上昇して電流値を上げることで一定電流を流す。
【0028】
常温すなわち基準温度状態では、定電流が流れることで抵抗R71とR72との並列体と白金測温体53の抵抗直列回路間における電圧降下分と印加されたバッテリ電圧Vbは差動増幅器を構成するOPアンプOP2に入力され、電圧降下分よりバッテリ電圧分をキャンセルした差電圧が20倍されてVtmp1.5Vとして後段の誤差増幅器に出力されるように可変抵抗RV6によって一定電流が調整される。誤差増幅器においては、ゲインを1.5倍に設定した第1のOPアンプOP3に入力され、増幅された後にゲインを1に設定してあるOPアンプQ4に入力される。各OPアンプOP3,OP4からの出力電圧は可変抵抗RV5の両端に印加される。この可変抵抗RV5は、基準温度において、1.5Vの出力電圧がボルティジホロワ回路を構成するOPアンプOP5を通してヒータ51の一端に印加されるように摺動子が調整されている。
【0029】
このヒータ51の他端にソースが接続される電界効果トランジスタQ2のゲートには、バッテリ電圧Vb−Tensが印加される1sec間に1回20msecのパルス幅のヒータ駆動電圧Vb−htが印加される。
この結果、電界効果トランジスタQ2は20msecの間ONしてヒータに、基準温度から変化した温度分基準電圧1.5Vから変化した電圧を印加することで、ヒータ51から基準温度から周囲温度が変化した分加算した発熱量を、ガス流体を媒体としてサーモパイルに伝達することができる。
【0030】
しかし、ヒータ51に印加する電圧を基準温度に相当する周囲温度において1.5Vとして設定した場合に、周囲温度の上昇に伴い白金測温体53の抵抗値が上昇すると、抵抗R71とR72との並列体と白金測温体53の抵抗直列回路には定電流回路により一定値の電流が流れているため、バッテリ電圧Vbと抵抗R71とR72との並列体と白金測温体53の抵抗直列回路間の差電圧は大きくなる。
【0031】
従って、差動増幅器を構成するOPアンプOP2より出力される差電圧は、基準温度状態の時より大きくなって第1の誤差増幅回路を構成するゲイン1.5のOPアンプOP3に入力され、基準電圧1.5Vとの差電圧を1.5倍した負出力電圧となって可変抵抗器RV5の一端に印加される。また、この負出力電圧はゲイン1の誤差増幅器OP4の負入力端子に入力され、そこで基準電圧1.5Vとの正の差電圧として可変抵抗RV5の他端に印加される。
【0032】
可変抵抗RV5の両端に印加された電圧は摺動子の位置で決まる抵抗比で分割され、ボルテージホロワ回路を構成するOPアンプOP5を通してヒータ51に印加される。ヒータ51に電圧が印加された状態で電界効果トランジスタQ2に20msec幅のゲート信号が外部より印加されると、電界効果トランジスタQ2は導通し、印加された電圧により電流が流れて発熱する。
【0033】
このとき、ヒータ51に印加される電圧は周囲温度の上昇に追従して上昇するため、ヒータ51からの発熱温度は周囲温度に追従した一定の温度となる。
従って、当初、常温状態において{[D−U]25−MAX)−([D−U]25−0)}={([D−U]H−MAX)−([D−U]H−0)}となるように可変抵抗RV5を調整してヒータ51に印加する電圧を、周囲温度に合わせて調整する。
【0034】
ここで、{([D−U]25−MAX)−([D−U]25−0)}={([D−U]H−MAX)−([D−U]H−0)}とは、例えば、常温状態(25℃)における流量最大(MAX)の場合のDTP(下流側サーモパイル)出力とUPT(上流側サーモパイル)出力との差及び常温状態(25℃)における流量ゼロ(0)の場合のDTP(下流側サーモパイル)出力とUPT(上流側サーモパイル)出力との差における差分は、高温状態(H)における流量最大の場合のDTP(下流側サーモパイル)出力とUPT(上流側サーモパイル)出力との差及び高温状態(H)における流量0の場合のDTP(下流側サーモパイル)出力とUPT(上流側サーモパイル)出力との差における差分とが、図4に示すように等しくなる。
【0035】
即ち、流量が一定であれば、ガス温度(周囲温度)が常温状態25℃から高温状態Hに変化しても、下流側サーモパイルDTPの出力変化(ハッチングにて示す)と上流側サーモパイルUTPの出力変化(ハッチングにて示す)は同等であり、よって、常温状態25℃におけるフローセンサ出力[D−U]25−0と高温状態Hにおけるフローセンサ出力[D−U]H−0は同等である。
この状態は、流量MAX一定の場合においても同様であり、下流側サーモパイルDTPの出力変化(ハッチングにて示す)と上流側サーモパイルUTPの出力変化(ハッチングにて示す)は同等であり、よって、常温状態25℃におけるフローセンサ出力[D−U]25−maxと高温状態Hにおけるフローセンサ出力[D−U]H−maxは同等である。
【0036】
このように、当初、ヒータに常温状態における1.5Vの電圧が印加されるように設定することで、ヒータ周囲の温度が常温25℃に対して上昇しても、ヒータに印加される電圧は、周囲温度の上昇に追従して上昇する。そのため、フローセンサの出力である〔DTP出力−UPT出力〕は周囲温度の上昇によるヒータの放熱温度に関わりなく温度補償されたものとなる。
【0037】
また、DTP−UPT出力の温度補償は、CPUにより、常時、DTP−UPT出力と周囲温度の監視にもとにソフトウェアにて行うのではなく、1sec間に一回、20msecの時間に限り、ヒータの周囲温度変化に基づいた値の電圧をヒータに印加し、ヒータの発熱用電圧を調整するため、内蔵されたバッテリ駆動によるガスメータの省電力化が計れる。
【0038】
【発明の効果】
この発明によれば、ヒータ51からの発熱を、流体を媒体として感温素子に伝搬し、この感温素子の出力に基づき前記流体の流速を測定するフローセンサに配置され、周囲温度に応じて抵抗値が変わる測温体Rと、この測温体Rに一定電流を流したときの電圧降下を検出する電圧検出手段13と、前記検出された電圧降下に基づいて前記ヒータに供給する電力を制御するヒータ駆動手段15とを備え、前記周囲温度の変化に追従してヒータ51の供給電力を変化させてヒータ温度を制御し、前記感温素子の出力を温度補正することで、ヒータの周囲温度が予め設定した基準温度より変動した場合は、ヒータの温度を基準温度に対して周囲温度の変動分加算し、周囲温度に追従して、常に一定の温度をヒータに与えることができるため、周囲温度の変動にも拘わらず安定したフローセンサ出力を得ることができるという効果がある。
【0039】
この発明によれば、ヒータ駆動手段15は、ヒータ51の周囲温度が変化時には、ヒータの発熱温度を、周囲温度に予め設定した基準温度を加算した温度になるようにヒータへの供給電力を制御し、ヒータ温度を周囲温度に追従した温度に制御することで、フローセンサより安定したセンサ出力を得ることができるという効果がある。
【0040】
この発明によれば、フローセンサに配置されたヒータと感温素子は、ガスメータ内のガス通路においてガスの流れる方向と直交する方向に離隔して配置され、且つ、前記測温体はヒータの発熱の影響を避ける位置に配置したことで、周囲温度の変動に拘わらず一定のガス流量測定を行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るヒータ制御装置の基本構成図である。
【図2】図2は本実施の形態における制御対象となる測温抵抗とヒータが搭載されたマイクロフローセンサの拡大平面図である。
【図3】図3は本実施の形態に係るヒータ制御装置の構成図である。
【図4】図4は周囲温度変化に対するセンサ出力の関係を示す図である。
【図5】図5は従来のヒータ制御装置の概略構成図である。
【図6】図6はガスメータの概略構成図である。
【図7】図7は周囲温度変化に対するセンサ出力の関係を示す図である。
【符号の説明】
R 測温体
11 定電流回路
13 電圧検出手段、
15 ヒータ駆動手段
51 ヒータ
Claims (2)
- ヒータからの発熱を、流体を媒体として感温素子に伝搬し、この感温素子の出力に基づき前記流体の流速を測定するフローセンサに配置され、周囲温度に応じて抵抗値が変わる測温体と、この測温体に一定電流を流す定電流回路と、測温体に一定電流を流したときの電圧降下を検出する電圧検出手段と、前記検出された電圧降下に基づいて前記ヒータに供給する電力を制御するヒータ駆動手段とを備え、前記周囲温度の変化に追従してヒータの供給電力を変化させてヒータ温度を制御し、前記感温素子の出力を温度補正するヒータ制御装置であって、
前記ヒータ駆動手段は、前記電圧検出手段が検出した基準温度時の電圧降下を増幅して予め定めた基準電圧に等しい電圧を出力する増幅手段と、該増幅手段の出力電圧と前記基準電圧との差電圧を増幅して出力する誤差増幅手段と、該誤差増幅手段の出力電圧と前記基準電圧との差電圧を出力する差手段と、該差手段の出力電圧と前記誤差増幅手段の出力電圧との差電圧を分圧し、該分圧した圧電圧に相当する電圧を前記ヒータに印加させる可変抵抗とを有し、前記可変抵抗が前記基準温度時に前記基準電圧に等しい電圧を出力するように調整されていて、周囲温度が前記基準温度に対して変化した時に、前記ヒータに印加する電圧を、前記基準温度に対する温度変化分ヒータ温度を変化させて周囲温度に追従した温度に制御する
ことを特徴とするヒータ制御装置。 - 前記フローセンサに配置されたヒータと感温素子は、ガスメータ内のガス通路においてガスの流れる方向と直交する方向に離隔して配置され、且つ、前記測温体はヒータの発熱の影響を避ける位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載のヒータ制御装置。
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JP2002131107A (ja) | 2002-05-09 |
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