JP2004085335A - 磁気式酸素計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】同等の断面積で同量のガスが流れるように形成された2つの流路と、これら流路の一方に配置された磁気印加手段と、これら流路のそれぞれに配置された流速センサからなり、該流速センサとして金属線を用いかつ、該金属線を所定の温度に加熱した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素ガスの磁気的性質を利用して測定ガス中の酸素ガス濃度を検出する磁気式酸素計に関し、特に、高速応答、高精度を図った磁気式酸素計に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気式酸素計は、酸素ガスの磁気的性質を利用してサンプルガス中の酸素ガス濃度を検出する分析計であり、次のような原理によってサンプルガス中の酸素ガス濃度を検出するようになっている。
【0003】
図4(a)は酸素を含むガス中に磁界発生手段を配置したときの酸素分子と磁界の関係を示している。
ここで酸素分子に働くX軸方向の力Fは次式により表わすことができる。
F=χ・(∂H/∂X)・H
χ:酸素の磁化率
H:磁界の強さ
∂H/∂X:磁界の変化率
つまり、図4(b)に示すように磁界が強く、かつその強さが変化しているところ(磁極の端部 …不均一磁界)に酸素を引付ける力が作用し、磁極の端部で右向きの力と左向きの力が押し合ってバランスしている。
図4(c)は磁界(磁石のギャップ)内では引付けられた酸素の圧力(濃度)が周囲に比較して高くなっている状態を示している。
【0004】
図5は磁気力式酸素計の従来例の検出部の原理構成、図6は信号検出回路の構成を示している。
【0005】
図5において、ガス導入口20から導入されたサンプルガスは二方向に分流してのち、リング状のガス流路21を通りサンプルガス出口22へ合流するようにして流れる。また、補助ガス入口23から導入された補助ガスは補助ガス流路24で二方向に分流してのち、第1,第2フローセンサ25,26をそれぞれ経由し、その後、接続部A,B付近でそれぞれサンプルガスと合流し、サンプルガスと共にサンプルガス出口22へ流れる。第1,第2フローセンサ25,26は分流した補助ガスの流量を検出する。
【0006】
流出部の片側には強力な磁界Cがあり測定ガス中に含まれる酸素は磁界発生部Dに吸引される。そのため補助ガス流路26の両側に圧力差が発生し、補助ガスの左右の流量が変化する。この流量の変化を第1,第2フローセンサ25,26により検出し電気信号に変換する。ここで補助ガスとして磁気吸引力の非常に小さい窒素を使用すれば補助ガスの流量変化は測定ガス中の酸素濃度に比例することとなる。なお、補助ガスとして窒素ガスを使用するのはフローセンサの腐食防止のためである。
【0007】
図6は流速検出の原理を示すもので、増幅器Eはフローセンサ(サーミスタ)の抵抗値がR1,R2とバランスするようにトランジスタTrをドライブする。流速が変化するとセンサ(S)の抵抗値が変化しバランスが崩れる。このとき増幅器Eはドライブ量(V0)を変化させ回路のバランスを制御する。従って信号V0は流速に比例する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、補助ガスが必要であり、サーミスタの特性のばらつきがセンサ特性に影響される。また、高精度な恒温化装置が必要という問題があった。
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたもので、補助ガスを不要とし、応答速度が早く、かつ温度特性がよく、高精度であり更に恒温化装置を必要としない磁気式酸素計を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような問題点を解決するために請求項1においては、
同等の断面積で同量のガスが流れるように形成された2つの流路と、これら流路の一方に配置された磁気印加手段と、これら流路のそれぞれに配置された流速センサからなり、該流速センサとして金属線を用いかつ、該金属線を所定の温度に加熱したことを特徴とする。
【0010】
請求項2においては、請求項1記載の磁気力式酸素計において、
前記所定の温度は150℃程度であることを特徴とする。
【0011】
請求項3においては、請求項1または2記載の磁気力式酸素計において、
前記磁気印加手段は電磁石による交流印加としたことを特徴とする。
【0012】
請求項4においては、請求項1〜3いずれかに記載の磁気力式酸素計において、
前記フローセンサへの加熱電流として交流電流を用いたことを特徴とする。
【0013】
請求項5においては、請求項1〜4いずれかに記載の磁気力式酸素計において、
前記流路は一本の流路の入口から入ったサンプルガスが2つの流路に分岐し再び合流して一つの流路から流出するようにしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1(a,b)は本発明の実施形態の一例を示す要部構成図であり、図(a)は斜視図、図(b)は図(a)のA−A断面図、図2は酸素濃度を検出するためのブロック構成図である。
これらの図において、1は流路であり、サンプルINから流入したサンプルガスが2方向に等分に分岐し、再び合流してサンプルOUTに流出するように構成されている。
なお、流路の断面は例えば直径3mm、長さ20mm程度に形成されている。
【0015】
2は磁石、2a,2bはヨークであり分岐した流路1の一方のヨーク2aを介して磁石2の磁極が流路を挟むように対向して配置されている。
4a、4bは分岐した流路のそれぞれに設けられたフローセンサであり、この例では直径20μmのプラチナ(Pt)細線がコイル状に形成され、両端はハーメチックシールにより流路の端部に固定されている。
【0016】
上述の構成において、サンプルINから酸素を含むサンプルガスが流路1に流入し2方向に等分に分岐して再び合流してサンプルOUTに流出する。実験では毎分100ccを流し、フローセンサは150℃程度に加熱した。
【0017】
ここで、先に説明したようにサンプルに酸素ガスが含まれていると、磁石が配置された流路側では磁界(磁石のギャップ)に引付けられた酸素の圧力(濃度)が周囲に比較して高くなり、流れるガスに対して抵抗として作用する。
【0018】
測定ガス中に酸素が入っていると酸素ガスの常磁性とフローセンサ4a側の外部磁界により、(酸素ガスが磁力を受けるため)流路抵抗が上がり流量が減少する。このため、フローセンサ4a側の温度は上昇し、Pt細線の抵抗値が増加する。そして、フローセンサ4a側の流量が減った分、フローセンサ4b側の流量が増加するのでフローセンサ4b側の温度は下降し、Pt細線の抵抗値が減少する。
【0019】
この抵抗値変化は図2に示す検出回路の差動増幅器10により検出することができる。ここでは、電源に+4,5Vを用いブリッジの2辺の抵抗R1,R2を50Ωとした。フローセンサ4aの抵抗値が増加すれば、増幅器指示が増加する。2つのフローセンサ4a,4bの抵抗値の差が大きいほど酸素濃度が高く、抵抗の差が少なくなれば、酸素濃度は低くなる。この差動増幅器10の出力はガスに含まれる酸素の濃度に関連したものとなる。
【0020】
なお、差動増幅器10の出力と酸素濃度の関係は予め既知の酸素濃度のサンプルを用いてキャリブレーションされているものとする。
ところで、磁界印加手段としては永久磁石の代わりに電磁石でも可能である。その場合磁石の形状は大きくなるが、電磁石による交流印加とした場合磁界0の時は酸素ガス0%と等しい指示をするため酸素ガス0%を簡易に測定することができる特徴を有する。
【0021】
ところで、ヒータ(フローセンサ)温度上昇用の電流を直流とし、小型構成にすると磁石とヒータ線の間でローレンツ力が働きヒータ線の位置やフィラメント間隔が変わり、特性がずれる(磁石の位置が少しずれるだけでも指示誤差となる)。
【0022】
図3は上述のローレンツ力による誤差を防止したもので、フローセンサ温度上昇用の電流を4.5Vの交流とし、差動増幅器10の後段にAC/DC変換器12を付加したものである。
【0023】
本発明の以上の説明は、説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明はその本質から逸脱せずに多くの変更、変形をなし得ることは当業者に明らかである。例えば分岐した流路は必ずしも同等でなくともよく断面積の比率により流量の補正をするようにしてもよい。特許請求の範囲の欄の記載により定義される本発明の範囲は、その範囲内の変更、変形を包含するものとする。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、フローセンサは金属線から作るため、きわめて良い温度特性を示す。従って高精度な恒温槽を不要となる。
また、フローセンサをサンプルガス中に直接挿入し、フローセンサを小さい熱容量で製作可能となるため、応答速度も速い磁気力式酸素計を実現することができる。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気式酸素計の実施形態の一例を示す構成図である。
【図2】図1に示す酸素濃度計の検出回路のブロック構成図である。
【図3】図1に示す酸素濃度計の検出回路の他の実施例を示すブロック構成図である。
【図4】磁気式酸素計の原理を示す説明図である。
【図5】従来の磁気式酸素計の検出部の構成例を示す図である。
【図6】従来の磁気式酸素計の検出回路の一例を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
1 流路
2 磁石
2a ヨーク
4a,4b フローセンサ
10 差動増幅器
11 電源
12 AC/DC変換器
Claims (5)
- 同等の断面積で同量のガスが流れるように形成された2つの流路と、これら流路の一方に配置された磁気印加手段と、これら流路のそれぞれに配置された流速センサからなり、該流速センサとして金属線を用いかつ、該金属線を所定の温度に加熱したことを特徴とする磁気式酸素計。
- 前記所定の温度は150℃程度であることを特徴とする請求項1記載の磁気式酸素計。
- 前記磁気印加手段は電磁石による交流印加としたことを特徴とする請求項1または2記載の磁気式酸素計。
- 前記フローセンサへの加熱電流として交流電流を用いたことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の磁気式酸素計。
- 前記流路は一本の流路の入口から入ったサンプルガスが2つの流路に分岐し再び合流して一つの流路から流出するようにしたことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の磁気式酸素計。
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JP2016118478A (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | 富士電機株式会社 | 磁気式酸素分析方法及び磁気式酸素分析計 |
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2002
- 2002-08-27 JP JP2002246110A patent/JP3721578B2/ja not_active Expired - Fee Related
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