JP3721575B2 - 磁気式酸素計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気風方式の磁気式酸素計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気風方式の磁気式酸素計は、酸素の持つ常磁性を利用し、不均一磁場内で発生する酸素の磁気風を検出してその濃度を求めるものである。
【0003】
図3は、従来の磁気式酸素計の構成概略図である。
図3において、磁気式酸素計は、ガラスのリングセル1と、バイパス管2と、コイル3aと、磁石4と、ブリッジ回路6とで構成されている。
【0004】
リングセル1には、リング状の測定ガス通路10の対称位置に測定ガスの入口11と出口12が設けられ、バイパス管2は、測定ガス通路10をバイパスさせるようにリングセル1の入口11と出口12の中間部に接続されている。
【0005】
コイル3aは、ガラスのバイパス管2の全体に渡り、例えば約30μmの白金線が螺旋状に巻き回され、通電されることによりバイパス管2を加熱するヒータとなっており、コイル3aの中央よりA側、B側のそれぞれは、ブリッジ回路6の一辺を形成している。
そして、磁場印加手段としての磁石4はバイパス管2の中央からA側に偏して配置されている。
【0006】
このような構成において、測定ガスが入口11より導入されると、測定ガスは測定ガス通路10のA側とB側に別れて上昇する。
そして、測定ガスに含まれる酸素は、磁石4によりA、B両側からバイパス管2に吸引されてコイル3aによって加熱される。
加熱された酸素は、その磁化率が低下し、磁石4による吸引力が小さくなってそれぞれ吸引された反対側に押し出される。
【0007】
この場合、磁石4がA側に設けられているために、A側からの酸素の流れがB側の酸素の流れよりも強くなり、バイパス管2にB側から入ってきた酸素は、A側からの酸素の流れによって押し戻される。
【0008】
このようにして、バイパス管2の内部でA側からB側へ(磁場の弱い方向へ)の酸素の磁気風が生じ、このためそれぞれがブリッジ回路6の一辺を構成するコイル3aのA側とB側に温度差、すなわち電気抵抗差が生じる。
そして、酸素濃度はブリッジ回路6の不平衡電圧として検出される
【0009】
この場合、最小目盛り範囲が0−1vol.%O2程度までの低酸素濃度領域の測定が可能であるが、次のように測定器の姿勢を変化させて使用することにより、90vol.%O2以上の高濃度領域の測定を可能にすることができる。
【0010】
図3に示した磁気式酸素計を90°回転させ、A側が上方でB側が下方となるように姿勢を変化させてバイパス管2を垂直にすると、B側(下方)からA側(上方)への熱対流が発生し、A側(上方)からB側(下方)への磁気風と相殺しあって、ある酸素濃度(例えば98vol.%O2)の時にバイパス管2にガスの流れが生じない状態をつくることができる。
【0011】
このような状態でブリッジ回路6を平衡状態に調整しておけば、バイパス管2にガスの流れが生じない状態(例えば98vol.%O2)を起点とした一定の濃度範囲で精度の高い濃度測定を行うことができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような磁気式酸素計においては、次のような問題点があった。
上述のように測定可能領域を変化させるためには、装置を回転させて姿勢を変化させ、磁気回路を最適化することにより測定の起点を変化させる必要があり、その作業は煩雑なものであった。
【0013】
コイル3aを、バイパス管2に巻き回して製造することは技術的な困難を
伴い、また、ヒータとしての機能だけでなくブリッジ回路6の一部として機能させるためにはある程度の長さを持たせなければならず、結果的に製造コストの増大を招く。
(3)コイル3aはバイパス管2に巻き回されているため、バイパス管2内部の熱応答性が悪く、効率的な測定が困難である。
【0014】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、測定器の姿勢を変化させずに広い濃度領域の酸素濃度を高精度に測定可能で、低コストな磁気式酸素計を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1においては、リング状の測定ガス通路を有するリングセルと、このリングセルに接続され、前記測定ガス通路をバイパスするバイパス管と、前記バイパス管の中央より一方に偏して配置される磁場印加手段と、前記バイパス管に設けられ、通電されることにより前記バイパス管内の前記測定ガスを加熱するヒータと、前記バイパス管内の前記測定ガスの流量を測定するフローセンサとを具備し、
前記測定ガスの濃度が低く、前記フローセンサの出力が一定のレベル(V 0 )に達しない領域においては、前記ヒータへの供給電力を一定として、そのときの前記フローセンサの出力をガス濃度に変換して前記測定ガスの濃度を測定し、
前記測定ガスの濃度が高くフローセンサの出力が一定のレベル(V 0 )に達した領域においては、前記フローセンサの出力が一定(V 0 )となるように前記ヒータへの供給電力を制御して、その電力を前記測定ガス濃度に変換することを特徴とする磁気式酸素計である。
【0016】
本発明の請求項2においては、前記フローセンサは、熱線式センサであることを特徴とする請求項1記載の磁気式酸素計である。
【0017】
本発明の請求項3においては、前記フローセンサは、サーミスタであることを特徴とする請求項1記載の磁気式酸素計である。
【0018】
本発明の請求項4においては、前記ヒータは、前記磁場印加手段よりも前記バイパス管の中央に偏して配置されることを特徴とする請求項1記載の磁気式酸素計である。
【0019】
本発明の請求項5においては、前記ヒータは、前記バイパス管の内部に配置されることを特徴とする請求項1記載の磁気式酸素計である。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を用いて説明する。尚、以下の図面において、図3と重複する部分は同一番号を付してその説明は適宜に省略する。
図1は本発明の一実施例の構成概略図である。
【0021】
図1において、磁気式酸素計は、リングセル1と、バイパス管2と、ヒータ3と、磁石4と、フローセンサ5とで構成されている。
そして磁場印加手段としての磁石4は、バイパス管2の中央からA側に偏して配置されている。
【0022】
ヒータ3は、例えばテープヒータで、磁石4よりもB側に偏してバイパス管2に巻き回され、通電されることによりバイパス管2を加熱する。
また、磁気風を発生させる力は、磁場の勾配(磁場のバイパス管の場所による変化率)と、磁場の大きさと、磁化率(温度の関数)の積に比例するので、この力が最適化されるようにヒータ3の位置は調整される。
【0023】
フローセンサ5は、熱線式のフローセンサとして例えばサーミスタであり、バイパス管2の中央に設けられ、バイパス管2内部のガス流量を測定する。
【0024】
このような構成において、測定ガスが入口11より導入されると、測定ガスに含まれる酸素は、磁石4によりA、B両側からバイパス管2に吸引されてヒータ3によって加熱される。
加熱された酸素は、その磁化率が低下し、磁石4による吸引力が小さくなり、それぞれ吸引された反対側に押し出される。
【0025】
この場合、磁石4がバイパス管2のA側に偏して設けられているために、A側からの酸素の流れがB側の酸素の流れよりも強くなり、バイパス管2にB側から入ってきた酸素は、A側からの酸素の流れによって押し戻される。
【0026】
このようにして、バイパス管2の内部にA側からB側へ酸素の磁気風が生じ、フローセンサ5は、この磁気風を検出する。
【0027】
次に、酸素濃度への変換について説明する。
図2は、酸素濃度とヒータ投入電力及びフローセンサ出力との関係を示す特性曲線図である。
図2において、酸素濃度が高い領域(磁気風の速度が大きい領域)Hにおいては、熱線式のフローセンサ5の出力は飽和してしまい正確な測定が困難な場合がある。
【0028】
従って、この場合は、磁気風が一定となるように、すなわちフローセンサ5の出力が一定のV0となるように、ヒータ3への供給電力を制御し、この電力を酸素濃度に変換する。
【0029】
一方、酸素濃度が低く、フローセンサ5の出力が一定のレベルV0に達しないような領域Lにおいては、ヒータ3への供給電力を一定として、この時のフローセンサ5の出力を酸素濃度に変換する。
【0030】
この場合、測定器の姿勢を変化させることなく、低濃度領域から高濃度領域に至るまでの酸素濃度を高精度に測定することができる。
また、ヒータ3は、安価なテープヒータ等をバイパス管2の一部に巻いて使用するので、測定器の製造コストを下げることができる。
【0031】
また、ヒータ3をバイパス管2の内部に設置すれば、バイパス管2の内部の熱応答性を高めることができ、効率的な測定が可能となる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1から請求項4によれば、測定器の姿勢を変化させることなく広い濃度領域の酸素濃度を高精度に測定可能で、低コストな磁気式酸素計を提供することができ、請求項5によれば、測定効率の高い磁気式酸素計を提供することができる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成概略図である。
【図2】酸素濃度とヒータ投入電力及びフローセンサ出力との関係を示す特性曲線図である。
【図3】従来の磁気式酸素計の構成概略図である。
【符号の説明】
1 リングセル
2 バイパス管
3 ヒータ
4 磁石
5 フローセンサ
10 測定ガス通路
Claims (5)
- リング状の測定ガス通路を有するリングセルと、このリングセルに接続され、前記測定ガス通路をバイパスするバイパス管と、前記バイパス管の中央より一方に偏して配置される磁場印加手段と、前記バイパス管に設けられ、通電されることにより前記バイパス管内の前記測定ガスを加熱するヒータと、前記バイパス管内の前記測定ガスの流量を測定するフローセンサとを具備し、
前記測定ガスの濃度が低く、前記フローセンサの出力が一定のレベル(V 0 )に達しない領域においては、前記ヒータへの供給電力を一定として、そのときの前記フローセンサの出力をガス濃度に変換して前記測定ガスの濃度を測定し、
前記測定ガスの濃度が高くフローセンサの出力が一定のレベル(V 0 )に達した領域においては、前記フローセンサの出力が一定(V 0 )となるように前記ヒータへの供給電力を制御して、その電力を前記測定ガス濃度に変換することを特徴とする磁気式酸素計。 - 前記フローセンサは、熱線式センサであることを特徴とする請求項1記載の磁気式酸素計。
- 前記フローセンサは、サーミスタであることを特徴とする請求項1記載の磁気式酸素計。
- 前記ヒータは、前記磁場印加手段よりも前記バイパス管の中央に偏して配置されることを特徴とする請求項1記載の磁気式酸素計。
- 前記ヒータは、前記バイパス管の内部に配置されることを特徴とする請求項1記載の磁気式酸素計。
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JP34303999A Expired - Fee Related JP3721575B2 (ja) | 1999-12-02 | 1999-12-02 | 磁気式酸素計 |
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