JP7054297B2 - 流体制御装置及び流体制御装置用プログラム - Google Patents

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本発明は、流体制御装置及び流体制御装置用プログラムに関するものである。
従来から半導体製造プロセスにおいて、成膜室(チャンバ)へ供給する流体を制御する流体制御装置として、流路を流れる流体の圧力又は流量を流体センサで測定し、その流体センサで測定される流体測定値が予め定められた流体設置値に近づくように、その流路に設置された流体制御弁の弁開度をフィードバック制御するものが使用されている。
そして、前記流体制御装置の流体制御弁としては、特許文献1に開示されるような、ダイヤフラム構造と、そのダイヤフラム構造を押圧するソレノイドコイルやピエゾ素子等のアクチュエータと、を備える構造のものが使用されている。
ところで、近年、半導体の高集積化等に伴って、流体制御装置による流体の制御にも更なる精度が求められるようになったため、出願人は、従来の流体制御装置において流体の制御に悪影響を与えている点がないか否かを検討したところ、流体制御弁が備えるアクチュエータが温度の影響を受けて流体の制御に悪影響を与えていることを発見した。
詳述すると、近年、半導体製造装置内に複数の流体制御装置を集積して設置されるようになる。これにより、各流体制御装置が隣り合う流体制御装置の熱影響を受け、その結果、各流体制御装置に設置されたアクチュエータの温度が上昇する。そして、アクチュエータは、低温である場合に比べて高温である場合の方が、印加電圧を同一量で変化させたとしても、その駆動量が大きくなり、また、高温域では、流体制御弁を構成する弁体等の部材が熱膨張し、これらの影響が無視できなくなる。これらが原因となり、流体制御弁の特性が初期設定状態から変化し、初期設定時に予め定められたPID制御係数とのバランスが崩れ、これにより、高温域にハンチングが発生するという問題があった。
特開2014-190452号公報
そこで、本発明は、温度変化に伴うアクチュエータの駆動量の変化に起因する高温域でのハンチングを抑制した流体制御装置を提供することを主な課題とするものである。
すなわち、本発明に係る流体制御装置は、流体の圧力又は流量を測定する流体センサと、前記流体を制御する流体制御弁と、前記流体制御弁の温度を測定する温度センサと、前記流体センサで測定される流体測定値が予め定められた流体目標値に近づくように、前記流体制御弁に対してその弁開度を制御するための制御量を出力する制御部と、を具備し、前記制御部が、前記流体測定値と前記流体目標値との偏差に基づき前記制御量を算出する制御量算出部と、前記温度センサで測定される温度測定値が予め定められた温度設定値に対して低温側である場合と高温側である場合とで、前記制御量算出部において前記偏差が同一である場合に算出される前記制御量の値が異なる値になるように補正する補正部と、を備えることを特徴とするものである。
このようなものであれば、温度センサで測定される温度測定値が予め定められた温度設定値に対して低温側である場合と高温側である場合とで、流体測定値と流体目標値との偏差が同一である場合に算出される流体制御弁の弁開度を制御する制御量の値が異なる値になるように補正するので、温度測定値が高温側又は低温側のいずれの場合であっても、同じ偏差に対する流体制御弁の駆動量を略一致させることができるようになり、流体制御弁の温度が変化したとしても同じ偏差に対する弁開度が略一定に保持され、高温域におけるハンチングを抑制することができるようになる。これにより、流体をより正確に制御できるようになる。制御量とは、流体制御弁の弁開度を制御するために入力されるものであり、例えば、電圧、電流等の電力値が含まれる。
また、前記流体制御装置において、前記補正部が、前記温度測定値が前記温度設定値に対して低温側である場合よりも高温側である場合の方が、前記制御量算出部において前記偏差が同一である場合に算出される制御量の値が小さい値になるように補正するものであってもよい。この場合、前記制御部が、前記偏差に基づき前記流体制御弁の弁開度をPID制御するものであり、前記補正部が、前記温度測定値が前記温度設定値に対して低温側である場合よりも高温側である場合の方が、前記PID制御の係数が小さい値になるように変化させるものであるものであってもよい。
このようなものであれば、例えば、流体制御弁のアクチュエータとして、高温であるほど同じ制御量に対する駆動量が大きくなるソレノイドコイルが使用されていた場合であっても、流体制御弁の弁開度を制御する場合に、その流体制御弁の温度の影響を受け難くすることができ、高温域におけるハンチングを抑制でき、これに伴って流体制御弁を流れる流体をより正確な精度で制御できるようになる。
また、前記流体制御弁の弁開度をPID制御する流体制御装置において、前記補正部が、前記温度測定値が前記温度設定値よりも低い温度である場合に用いられる前記PID制御の初期係数に対する倍率を変化させることにより、前記温度測定値が前記温度設定値よりも高い温度になるに従って前記PID制御の係数が前記初期係数よりも徐々に小さい値になるように変化させるものであってもよい。
このようなものであれば、ソレノイドコイルは、その温度が高くなるほど、駆動量が大きくなる傾向になるが、この傾向に合わせて流体制御弁に出力する制御量を変化させることができ、流体制御弁を流れる流体を更に正確な精度で制御できるようになる。また、初期係数の倍率を変化させて係数を小さい値に変化させているので、製品毎に異なる初期係数の個体差に関係なく、係数を補正することができる。
また、前記流体制御弁が、前記制御部から出力される制御量に基づき駆動するソレノイドによって弁開度を変化するように構成されているものであってもよい。
流体制御弁が備えるアクチュエータがソレノイドである場合には、ソレノイドの温度が上昇すると、ソレノイドの電気抵抗値が変化し、印加電圧による駆動量が変わる。そして、ソレノイドは、印加電圧によって自身が発熱するため、この傾向が顕著に現れる。このため、本発明に係る構成が非常に有効に作用する。
また、前記温度センサが、前記流体制御弁の周囲に設置された電子回路に組み込まれている素子であって、当該素子の温度特性に基づき前記流体制御弁の周囲温度を測定するものであってもよく、また、前記温度センサが、前記流体制御弁に設置され、前記流体制御弁自体の温度を測定するものであってもよい。
前者の場合には、別途温度センサを設置する必要がないため、従来の流体制御装置に設計変更を加える必要がなく、製造コストを維持したまま本発明に係る構成を適用することができる。一方、後者の場合には、誤差の原因となるアクチュエータにより近い位置で温度を測定することができるため、その温度に基づき流体制御弁に対する制御量を補正でき、これにより、流体をより正確に制御できるようになる。なお、素子としては、ダイオード、サーミスタ、RTD等が含まれる。
また、本発明に係る流体制御装置用プログラムは、流体の圧力又は流量を測定する流体センサと、前記流体を制御する流体制御弁と、前記流体制御弁の温度を測定する温度センサと、前記流体センサで測定される流体測定値が予め定められた流体目標値に近づくように、前記流体制御弁に対してその弁開度を制御するための制御量を出力する制御部と、を具備する流体制御弁に用いられる流体制御装置用プログラムであって、前記制御部が、前記流体測定値と前記流体目標値との偏差に基づき前記制御量を算出する場合に、前記温度センサで測定される温度測定値が予め定められた温度設定値に対して低温側である場合と高温側である場合とで、前記偏差が同一である場合に算出される前記制御量が異なる値になるように補正する機能をコンピュータに発揮させることを特徴とするものである。
このように構成した本発明に係る流体制御装置によれば、高温域でのハンチングを抑制することができる。
実施形態に係る流体制御装置を示す模式図である。 実施形態に係る流体制御装置の制御部を示すブロック図である。 実施形態に係る流体制御装置の温度測定値に対するPID制御の係数の変化を示すグラフである。 実施形態に係る流体制御装置の動作を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る流体装置を図面に基づいて説明する。
本発明に係る流体制御装置100は、例えば、半導体製造プロセスにおいて、成膜室等へ供給される流体(材料ガス)の供給量の制御に使用されるものである。なお、本発明に係る流体制御装置は、半導体製造プロセス以外にも使用することができる。
<実施形態> 本実施形態に係る流体制御装置100は、所謂熱式のマスフローコントローラである。具体的には、図1に示すように、制御対象となる流体が流れる流路Lを内部に有する本体ブロック10と、本体ブロック10に接続され、流路Lを流れる流体の流量を測定する流量センサ20と、本体ブロック10に接続され、流路Lを流れる流体の流量を制御する流体制御弁30と、を備えている。なお、流量センサ20及び流体制御弁30は、本体ブロック10に取り付けられる筐体40の内部に配置されている。また、その筐体40の内部には、流量センサ20及び流体制御弁30と共に流量センサ20及び流体制御弁30等を制御する各種基板50が設置されている。なお、流量センサ20が、請求項における流体センサに対応している。
前記本体ブロック10は、一端側に流体を導入する導入ポート11が設置され、他端側に流体を導出する導出ポート12が設置され、導入ポート11と導出ポート12とを連通するように流路Lが設けられている。そして、流路Lには、その途中に流路Lを流れる流体の流量を調節するための軸体13が挿入されている。なお、流路Lには、軸体13を迂回するようにバイパス路BPが設けられ、そのバイパス路BPの途中に流量センサ20が接続されている。また、流路Lには、流量センサ20よりも下流側の途中に流体制御弁30が接続されている。
前記流量センサ20は、熱式質量流量センサである。具体的には、流量センサ20は、バイパス路BPの途中に接続される流量測定管21と、流量測定管21の上流側及び下流側に巻き付けられた一対の発熱抵抗線22と、を備えている。なお、流量センサ20は、流路Lからバイパス路BPに流れ込んだ流体が流量測定管21を流れることによって生じる一対の発熱抵抗線22の温度差に基づき、流量測定管21を流れる流体の流量を算出する。そして、流量センサ20は、流量測定管21と流路Lとの分流比に基づいて、流路Lを流れる質量流量を算出する。
前記流体制御弁30は、所謂ソレノイドアクチュエータバルブである。具体的には、流体制御弁30は、本体ブロック10に接続されて弁室VCを形成する接続ブロック31と、接続ブロック31に対して往復移動する弁体32と、弁体32を弁室VC側へ押圧する弾性体33と、弁体32に周囲に巻き付けられるソレノイドコイル34と、を備えている。なお、弁室VCは、流路Lの途中に介在しており、弁室VCには、流路Lの上流側へ繋がる流入口LI及び流路Lの下流側へ繋がる流出口LOがそれぞれ開口している。なお、弁体32は、流入口LIを塞ぐように弾性体33によって押圧されている。よって、本体ブロック10の流入口LIが設けられた部分が弁座35となる。そして、弁体32の先端面が、着座面32aとなり、弁座35の着座面32aと当接する面が、弁座面35aとなり、この着座面32aと弁座面35aとの隙間を変更することによって弁開度を調節するように構成されている。
そして、前記流体制御弁30は、ソレノイドコイル34に電圧を印加して生じる磁力により、弁体32の着座面32aを弁座35の弁座面35aから離間するように駆動させることができ、また、ソレノイドコイル34に印加する電圧の強度を変化させることにより、弁体32の駆動量(駆動距離)を制御することができるように構成されている。すなわち、流体制御弁30は、ソレノイドコイル34に印加する電圧の強度(制御量)を変化させることにより、弁開度を制御できるように構成されている。
前記基板50は、流体制御装置100をPID制御する制御部60を形成する各種電子部品が実装されたプリント配線基板である。なお、基板50には、電子部品としてダイオード51が実装されており、本実施形態においては、当該ダイオード51を流体制御弁30の環境温度を測定するための温度センサとして代用する。具体的には、ダイオード51は、順方向特性が温度によって大きく変化することが知られており、その温度特性を利用して温度を測定する。なお、所謂ダイオード温度センサと同様の原理である。
前記制御部50は、CPU、メモリ、A/D・D/Aコンバータ等を備えたいわゆるコンピュータを有し、前記メモリに格納されているプログラムが実行され、各種機器が協働することによって前記各機能が実現されるようにしてある。なお、制御部50には、入力部61や出力部が接続されている。
具体的には、前記制御部60は、入力部61から予め入力された温度設定値を記憶する温度設定値記憶部63と、入力部61から予め入力された流量目標値を記憶する流量目標値記憶部62と、PID制御の係数の初期値(以下、「初期係数」ともいう)が記憶された初期係数記憶部64と、PID制御の係数を補正する補正部65と、流体制御弁30の制御量を算出する制御量算出部66と、を具備している。
前記温度設定値記憶部63は、例えば、メモリであり、使用者が入力部61によって予め入力する温度設定値を記憶するものである。なお、温度設定値は、使用者が予めソレノイドの温度特性を考慮して定める温度であり、例えば、ソレノイドの駆動量に対する影響が顕著となる温度が選択される。
前記流量目標値記憶部62は、例えば、メモリであり、使用者が入力部61によって予め入力する流量目標値を記憶するものである。なお、流量目標値は、流体制御装置100から導出したい流量を示している。
前記初期係数記憶部64は、例えば、メモリであり、製品出荷時に予め入力されたPID制御の初期係数を記憶するものである。なお、初期係数は、製品の個体差を考慮して予め定められる。
前記補正部65は、温度センサ20で測定された温度測定値が温度設定値よりも高い温度である場合に、初期係数を補正するものである。具体的には、補正部65は、温度測定値が温度設定値よりも高い温度である場合に、初期係数の倍率をX(0<X<1)に変更して補正係数を算出する。よって、補正係数は、初期係数よりも小さい値になる。なお、補正部65は、温度測定値が温度設定値よりも低い温度である場合に、初期係数の倍率を1のまま変更しない。
因みに、本実施形態においては、温度設定値記憶部63に、前記温度設定値に該当する第1温度設定値と、第1温度設定値よりも高い温度に設定された第2温度設定値と、が記憶されている。そして、補正部65は、図3に示すように、温度測定値が第1温度設定値よりも高い温度になった場合に、温度測定値が第1温度設定値から第2温度設定値に至るまで徐々に初期係数の倍率を小さくして補正係数を算出する。よって、この場合、補正係数は、温度測定値が第1温度設定値から第2温度設定値に近づくに従って徐々に小さい値になる。この場合、第1温度設定値が、請求項における温度設定値に該当する。
前記制御量算出部66は、流量センサ20で測定された流量測定値と流量設定値との偏差に基づき、補正部65から取得される初期係数又は初期係数より小さい補正係数によって流体制御弁30のソレノイドコイル32に印加する電圧(制御量)を算出するものである。
このように構成することにより、流量測定値と流量設定値との偏差が同一である場合に、初期係数に基づき算出される電圧と、補正係数に基づき算出される電圧と、が異なる値となる。これにより、偏差が同一であっても、低温域においてソレノイドコイル32に印加する電圧よりも、高温域においてソレノイドコイル32に印加する電圧の方が、小さい値となり、高温域においてソレノイドコイル32が温度の影響によって大きく駆動することを防止でき、高温域におけるハンチングを抑制できる。因みに、流量レンジの小さい流体制御弁ほど、高温域におけるハンチングが生じ易いが、本発明の構成を採用することにより、このハンチングを抑制できる。
次に、本実施形態に係る流体制御装置100の動作を図4に基づき説明する。
先ず、使用者が入力部61から流量目標値、第1温度設定値、及び、第2温度設定値を入力する(ステップS1)。そして、流体制御装置100に対して稼働信号が入力されると、制御部65は、温度センサ20で測定される温度測定値が第1温度設定値よりも高い温度であるか否かを判断する(ステップS2)。
そして、制御部60は、温度測定値が第1温度測定よりも高い場合に、補正部65において、初期係数の倍率を温度測定値に応じた倍率にして補正係数を算出する(ステップS3)。次に、制御量算出部66において、流量センサ20で測定された流量測定値と流量目標値との偏差に基づき、補正係数を用いて電圧を算出し(ステップS5)、その算出した電圧を流体制御弁30のソレノイドコイル34に入力して弁開度を制御する(ステップS6)。
一方、制御部60は、温度測定値が第1温度測定よりも低い場合に、補正部65において、初期係数を補正しない。そして、制御量算出部66において、流量センサ20で測定された流量測定値と流量目標値との偏差に基づき、初期係数を用いて電圧を算出し(ステップS5´)、その算出した電圧を流体制御弁30のソレノイドコイル34に入力して弁開度を制御する(ステップS6´)。
<その他の実施形態> 前記実施形態においては、PID制御の係数を補正することにより、流量測定値と流量設定値との偏差が同一である場合に、低温域での制御量よりも高温域での制御量の方が小さい値となるように構成したが、これに限定されることはない。例えば、温度補償器を設置し、PID制御の係数はいずれの温度域でも同一にしておき、流量測定値と流量設定値との偏差に基づき算出した制御量を、その温度補償器によって補正し、流量測定値と流量設定値との偏差が同一である場合に、低温域での制御量よりも高温域での制御量の方が小さい値となるように構成してもよい。
また、前記実施形態においては、流体制御弁30のアクチュエータとしてソレノイドコイル32を採用しているが、これに限定されることなく、アクチュエータとしてピエゾ素子を採用してもよい。なお、アクチュエータとしてピエゾ素子を使用した場合には、ソレノイドコイルを使用した場合ほどではないが、高温域における各部材の熱膨張が流体制御弁の特性に少なからず影響を与える。また、本発明に係る流体制御弁30は、アクチュエータによって弁開度を制御するものであればよく、空圧弁等の開閉弁も含まれる。
また、前記実施形態においては、温度センサとして基板50に取り付けられたダイオードを代用しているが、別途温度センサを設けてもよい。この場合、温度センサは、本体ブロック10に設置するのではなく、筐体40内の本体ブロック10から離間した位置に設置することが好ましい。本体ブロック10は、ステンレス製であることが多く、温度が変化し易いため、正確な温度が測定できなくなるからである。また、温度センサは、ソレノイドコイルに近い位置に設置することが好ましい。これは、前記のとおり、高温域におけるハンチングの原因としては、流体制御弁を構成する各部材の熱膨張と、ソレノイドコイルの印加電圧に対する駆動量の変化が考えられるが、後者の方が影響が大きく、このためソレノイドコイルの温度をなるべく正確に測定する必要があるからである。なお、ソレノイドコイルに近い位置としては、例えば、ソレノイドコイルを覆う筐体や、ソレノイドコイルの近くに位置する基板等を挙げることができる。但し、流体制御弁30の周囲温度と本体ブロック10の温度変化との関係を予め把握しておき、これにより、本体ブロック10に設置した温度センサの温度測定値を補正するような構成を採用する場合には、この限りでない。なお、温度センサは、基板50に搭載されたダイオードだけでなく、温度特性を有する素子であれば、サーミスタ等を代用することもできる。すなわち、温度センサは、高温域におけるハンチングに関係する部材(ソレノイドコイルや弁体等)の温度をなるべく正確に測定できるような位置に設置することが好ましい。よって、例えば、弁体やソレノイドコイルの温度変化に同期して温度変化する部材を別途設け、この部材の温度を温度センサによって測定するようにしてもよい。
また、温度センサによって流体制御弁30の周囲温度を測定するのではなく、温度センサによって、流体制御弁自体、特に、そのアクチュエータ(ソレノイドコイル、ピエゾ素子等)自体を測定するようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、熱式のマスフローコントローラを例示しているが、圧力式のマスフローコントローラや、弁開度を測定し、その弁開度に応じて流量を制御する位置制御式のマスフローコントローラであってもよい。この場合、流体センサとして圧力センサを使用する。また、前記両方式以外のマスフローコントローラにも適用することができる。
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100 流体制御装置
L 流路
10 本体ブロック
20 流量センサ
30 流体制御弁
32 弁体
32a 着座面
34 ソレノイドコイル
35 弁座
35a 弁座面
40 筐体
50 基板
51 ダイオード
60 制御部
65 補正部
66 制御量算出部

Claims (7)

  1. 流体の圧力又は流量を測定する流体センサと、
    前記流体を制御する流体制御弁と、
    前記流体制御弁の温度を測定する温度センサと、
    前記流体センサで測定される流体測定値が予め定められた流体目標値に近づくように、前記流体制御弁に対してその弁開度を制御するための制御量を出力する制御部と、を具備し、
    前記制御部が、
    前記流体測定値と前記流体目標値との偏差に基づき前記制御量を算出する制御量算出部と、
    前記温度センサで測定される温度測定値が予め定められた温度設定値に対して低温側である場合と高温側である場合とで、前記制御量算出部において前記偏差が同一である場合に算出される前記制御量が異なる値になるように補正する補正部と、を備え、
    前記補正部が、前記温度測定値が前記温度設定値に対して低温側である場合よりも高温側である場合の方が、前記制御量算出部において前記偏差が同一である場合に算出される制御量が小さい値になるように補正することを特徴とする流体制御装置。
  2. 前記制御部が、前記偏差に基づき前記流体制御弁の弁開度をPID制御するものであり、
    前記補正部が、前記温度測定値が前記温度設定値に対して低温側である場合よりも高温側である場合の方が、前記PID制御の係数が小さい値になるように変化させるものである請求項記載の流体制御装置。
  3. 前記補正部が、前記温度測定値が前記温度設定値よりも低い温度である場合に用いられる前記PID制御の初期係数の倍率を変化させることにより、前記温度測定値が前記温度設定値よりも高い温度になるに従って前記PID制御の係数が前記初期係数よりも徐々に小さい値になるように変化させるものである請求項記載の流体制御装置。
  4. 前記流体制御弁が、前記制御部から入力される制御量に基づき駆動するソレノイドコイルによって弁開度を変化するように構成されている請求項1乃至のいずれかに記載の流体制御装置。
  5. 前記温度センサが、前記流体制御弁の周囲に設置された電子回路に組み込まれている素子であって、当該素子の温度特性に基づき前記流体制御弁の周囲温度を測定するものである請求項1乃至のいずれかに記載の流体制御装置。
  6. 前記温度センサが、前記流体制御弁に設置され、前記流体制御弁自体の温度を測定するものである請求項1乃至のいずれかに記載の流体制御装置。
  7. 流体の圧力又は流量を測定する流体センサと、前記流体を制御する流体制御弁と、前記流体制御弁の温度を測定する温度センサと、前記流体センサで測定される流体測定値が予め定められた流体目標値に近づくように、前記流体制御弁に対してその弁開度を制御するための制御量を出力する制御部と、を具備する流体制御弁に用いられる流体制御装置用プログラムであって、
    前記制御部が、前記流体測定値と前記流体目標値との偏差に基づき前記制御量を算出する場合に、前記温度センサで測定される温度測定値が予め定められた温度設定値に対して低温側である場合と高温側である場合とで、前記偏差が同一である場合に算出される前記制御量が異なる値になるように補正する機能をコンピュータに発揮させる構成において、
    前記制御部が、前記温度測定値が前記温度設定値に対して低温側である場合よりも高温側である場合の方が、前記制御量の算出において前記偏差が同一である場合に算出される制御量が小さい値になるように補正することを特徴とする流体制御装置用プログラム。
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