JP2002082722A - 質量流量制御装置 - Google Patents

質量流量制御装置

Info

Publication number
JP2002082722A
JP2002082722A JP2000271828A JP2000271828A JP2002082722A JP 2002082722 A JP2002082722 A JP 2002082722A JP 2000271828 A JP2000271828 A JP 2000271828A JP 2000271828 A JP2000271828 A JP 2000271828A JP 2002082722 A JP2002082722 A JP 2002082722A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
control
valve
signal
circuit system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000271828A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3551906B2 (ja
Inventor
Makoto Tanaka
田中  誠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2000271828A priority Critical patent/JP3551906B2/ja
Publication of JP2002082722A publication Critical patent/JP2002082722A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3551906B2 publication Critical patent/JP3551906B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)
  • Flow Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アナログ処理の利点とデジタル処理の利点と
を併せ持った理想的な応答性を発揮することができる質
量流量制御装置を提供する。 【解決手段】 流体を流す流体通路4に介設された流量
制御弁10を、外部より入力される設定信号と流量セン
サ手段12からのセンサ信号とに基づいてコントロール
することにより前記流体の質量流量を制御する質量流量
制御装置において、デジタル演算回路系DEとアナログ
回路系ANとを有しており、前記流量制御弁の応答性に
関する制御の内、少なくとも前記センサ信号と前記設定
信号とを比較して前記流量制御弁10のバルブ電圧を決
定するフィードバックループは前記アナログ回路系で行
なうように構成する。これにより、アナログ処理の利点
とデジタル処理の利点とを併せ持った理想的な応答性を
発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス等の比較的小
流量の流体の質量流量を制御する質量流量制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体製品等を製造するために
は、半導体ウエハ等に対して例えばCVD成膜やエッチ
ング操作が繰り返し行われるが、この場合に微量の処理
ガスを精度良く制御する必要から例えばガスの精密な流
量制御が可能な質量流量制御装置が用いられている。こ
の種の質量流量制御装置は、微量ガスの質量流量を検出
するセンサ部と、流量制御弁と、これを制御する制御回
路部とにより主に構成されている。上記センサ部は、全
ガス量の僅かな比率の量が通過するセンサ管に電熱コイ
ルを巻回してなるセンサを有しており、大部分のガスは
バイパスを流れるようになっている。そして、このセン
サ部での検出値に基づいて制御回路部は流量制御弁の弁
開度を制御し、設定値のガス流量を流すようになってい
る。また、弁開度を制御するには、全体のガス流量自体
が非常に少ないことから例えば数10μm程度のストロ
ーク範囲内で精度良く弁開度を制御しなければならず、
このためにアクチュエータとして小さなストローク範囲
内で大きな推力変化を生ぜしめることができることか
ら、一般的には積層型圧電素子体や電磁石型アクチュエ
ータが用いられており、これにより設定値に基づいて弁
体の弁開度を操作するようになっている。
【0003】そして、バルブの弁開度すなわち操作量を
制御してガス流量をコントロールする方式としては、位
置PID制御方式や速度型PID制御方式等が知られて
おり、また、ガス流量の制御に際しては、急激なガス流
の流れ込みにより半導体処理室内に製品の欠陥の原因と
なるパーティクルが巻き上がらないように制御する必要
があるので、パーティクルの発生原因となるオーバシュ
ートの発生は極力抑制しつつも、できるだけ迅速で且つ
時間遅れのない制御が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した質
量流量制御装置の制御回路系は、設定信号や実際に流れ
る流量が変化した時の追従性が良好であることから、従
来はアナログ回路で組まれていたが、通信機能の付加や
流量の高精度化の要請により、マイクロコンピュータ等
を搭載して各種データを演算しつつ処理を行なうように
なってきた。このマイクロコンピュータ等を搭載した質
量流量制御装置では、通常はセンサ部から出力されてく
るセンサ信号と外部より入力される所望の流量を設定す
る設定信号とをデジタル信号に変換した後にマイクロコ
ンピュータに取り込み、これらの両者の信号を比較して
バルブの開度(弁開度)を決定し、この開度を開度指令
信号として流量制御弁に出力するようになっている。す
なわち、上記比較処理や開度決定処理は上記マイクロコ
ンピュータによりデジタル形態で演算される。そして、
このような弁開度の制御は、所定の間隔、例えば10m
sec毎にサイクリックに繰り返し行なうことで、フィ
ードバックループ制御を行なうようになっている。この
ような、デジタル形態に基づく処理は、PID制御定数
を流量制御弁の特性に適合するように設定し直したり、
種々の記憶及び判断機能を伴う処理を行なう時は非常に
有効となる。
【0005】しかしながら、前述したようにこのデジタ
ル形態の処理の場合には、センサ信号をデジタル変換す
るための遅れが必然的に生じ、また、完全な連続処理が
可能なアナログ処理と異なり、不連続な処理となるの
で、例えばバルブ電圧には階段状の指令電圧が与えられ
ることになり、アナログ制御と比較して制御性或いは応
答性に劣る場合があった。本発明は、以上のような問題
点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたもので
ある。本発明の目的は、アナログ処理の利点とデジタル
処理の利点とを併せ持った理想的な応答性を発揮するこ
とができる質量流量制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
流体を流す流体通路に介設された流量制御弁を、外部よ
り入力される設定信号と流量センサ手段からのセンサ信
号とに基づいてコントロールすることにより前記流体の
質量流量を制御する質量流量制御装置において、デジタ
ル演算回路系とアナログ回路系とを有しており、前記流
量制御弁の応答性に関する制御の内、少なくとも前記セ
ンサ信号と前記設定信号とを比較して前記流量制御弁の
バルブ電圧を決定するフィードバックループは前記アナ
ログ回路系で行なうように構成したものである。このよ
うに、少なくともセンサ信号と設定信号とを比較してこ
の結果によりバルブ電圧を決定するフィードバックルー
プをアナログ回路系で行なうようにすることにより、完
全に連続的で、且つ応答性に優れた制御を行なうことが
でき、しかも、応答性に関する他の複雑な制御はデジタ
ル回路系により行なうようにしているので、応答制御の
高精度化を達成でき、従って、デジタル処理の利点とア
ナログ処理の利点とを同時に達成することが可能とな
る。
【0007】この場合、例えば請求項2に規定するよう
に、前記アナログ回路系は、前記設定信号と前記センサ
信号とを比較する比較部と、この比較部の出力に基づい
た大きさの前記バルブ電圧を出力するバルブ駆動部とを
有する。また、例えば請求項3に規定するように、前記
比較部には、制御定数を切り換えて選択する制御定数切
換部が接続して設けられるようにしてもよい。更に、例
えば請求項4に規定するように、前記デジタル演算回路
系は、前記設定信号に基づいて前記制御定数切換部を制
御する切換部制御信号を出力するようにしてもよい。
【0008】また、例えば請求項5に規定するように、
前記デジタル演算回路系は、前記設定信号と前記センサ
信号とに基づいて前記流量センサ手段のゼロ点ずれの補
正と直線ずれの補正とを行なって補正された設定信号を
出力するようにしてもよい。更に、例えば請求項6に規
定するように、前記デジタル演算回路系は、流量ゼロの
状態から所定の流量に設定流量を変化させる時に、前記
流量制御弁が開き始めて流体が流れ出す直前のバルブ電
圧である初期バルブ電圧を求めるようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る質量流量制
御装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1
は本発明に係る質量流量制御装置を示す概略構成図、図
2は図1に示す制御定数切換部を示す構成図、図3は流
量センサ手段のゼロ点ずれと直線ずれの補正制御を説明
するための設定信号とセンサ信号との関係を示すグラ
フ、図4はバルブ電圧と流量との関係を示すグラフであ
る。
【0010】ここでは流体として、例えばガス流体を流
す場合を例にとって説明する。図示するようにこの質量
流量制御装置2は、例えばステンレススチール等により
成形された流体通路4を有しており、この流体通路4の
ガス流体の流れ方向の上流側には大部分の流量を流すバ
イパス6が設けられ、下流側にはガス流体の流量を制御
するために弁体として例えばダイヤフラム8を備えた流
量制御弁10が設けられる。そして、この制御装置2
は、流量制御弁10の応答性に関する制御の内の、上記
流量制御弁10の弁開度の制御をフィードバックループ
で行なうアナログ回路系ANと、このフィードバックル
ープ以外の応答性に関する他の制御を行なうデジタル演
算回路系DEを有している。
【0011】まず、アナログ回路系ANについて説明す
ると、上記バイパス6の両端側には、流量センサ手段1
2の一部を構成するセンサ管14が接続されており、こ
れにバイパス4と比較して小量のガス流体を流し得るよ
うになっている。このセンサ管14には制御用の一対の
電熱コイル16が巻回されており、これに接続されたセ
ンサ制御回路18によりガス流体の質量流量を検出し、
検出流量をセンサ信号として出力するようになってい
る。このように、流量センサ手段12は、センサ管1
4、電熱コイル16及びセンサ制御回路18とにより主
に構成される。このセンサ制御回路18は、例えばガス
流体の流れに伴って発生する熱移動を、電気抵抗の変化
としてホイートストンブリッジにより検出するようにな
されて、アナログ回路で構成されている。
【0012】ここでの検出流量は、前述のようにセンサ
信号S1として出力され、アナログ回路により組まれた
比較部22へ入力されるようになっている。この比較部
22には、外部より入力される設定信号S0に、デジタ
ル演算回路系DEにて所定の補正処理を加えて補正する
ことにより形成された補正後の設定信号S0−1がアナ
ログ化されて入力されている。また、この比較部22に
は、所定の制御定数を選択的に作用させるための制御定
数切換部20が接続されている。この制御定数切換部2
0は、例えばPID制御の制御定数を適切に選択的に切
り換えるものであり、例えば最大流量までの流量レンジ
を複数の領域に分割し、設定流量に対応した領域の制御
定数を選択的に用いるようになっている。具体的には、
図2に示すように抵抗値の異なる複数、例えば10個の
制御定数抵抗R1〜R10とこれにそれぞれ直列接続さ
れた切り換えスイッチSW1〜SW10の回路を並列に
設けてアナログ回路として構成されており、上記切り換
えスイッチSW1〜SW10を後述するデジタル演算回
路系からの切換部制御信号により選択的に切り換えるよ
うになっている。この場合、例えば流量ゼロから最大流
量までのレンジを10個の領域に等分して、それぞれの
領域に対して最適な制御定数となるような抵抗R1〜R
10を適用している。例えば最大流量の0〜10%の範
囲内では抵抗R1を選択し、11〜20%の範囲内では
抵抗R2を選択するという具合に設定流量が10%変化
する毎に制御定数として異なる抵抗値を選択するように
なっている。尚、図2において、コンデンサ38は上記
各抵抗R1〜R10と組み合わせて時定数を決定するた
めの容量である。
【0013】また、比較部22では、上記センサ信号S
1と上記設定信号S0−1とを比較してその差に上記制
御定数を加味して比較信号S2を出力している。この比
較部22からの比較信号S2は、同じくアナログ回路に
より構成されたバルブ駆動部26へ入力するようになっ
ており、このバルブ駆動部26は、この比較信号の大き
さに応じて上記流量制御弁10に向けて駆動電圧として
バルブ電圧を出力するようになっている。このようにし
て、フィードバックループをなすアナログ回路系ANが
構成されることになる。また、上記流量制御弁10は上
記ダイヤフラム8を上下駆動するためのアクチュエータ
として小さなストローク範囲内で大きな推力変化を生ず
る例えば積層型の圧電素子29を有しており、バルブ駆
動部26からの駆動信号で制御される。上記アクチュエ
ータとして、圧電素子29に代えて、例えば電磁石を用
いたソレノイドを用いるようにしてもよい。
【0014】一方、上記デジタル演算回路系DEは、例
えばデジタル動作するマイクロコンピュータ等よりな
る。このデジタル演算回路系DEには、外部の例えば半
導体製造装置などより出力されてくる設定信号を入力す
るようになっている。この設定信号は、通常は0〜5V
のアナログ信号であり、A/Dコンバータ28にてデジ
タル信号へ変換した後に、上記デジタル演算回路系DE
へ入力される。このデジタル演算回路系DEでは、この
設定信号に対して上記流量センサ手段12の特性に応じ
た補正、例えばゼロ点ずれ補正や直線ずれ補正等を施し
て、補正後の設定信号を出力するようになっている。こ
の補正後の設定信号は、デジタル信号として出力される
ので、D/Aコンバータ30にてアナログ信号に変換さ
れて上記比較部22へ入力されることになる。また、セ
ンサ制御回路18からのセンサ信号S1はA/Dコンバ
ータ40にてデジタル信号に変換した後に上記デジタル
演算回路系DEに入力され、上記設定信号S0に施した
補正の正負を逆にした補正を施した後、D/Aコンバー
タ42にてアナログ信号に変換されて、流量出力信号S
5として外部へ出力される。そして、上記デジタル演算
回路系DEは、外部との間で、必要に応じてデジタル通
信を行なうために、インタフェース32に接続されてい
る。更に、このデジタル演算回路DEは、上述したよう
な補正の他に、制御定数切換部20に向けて切換部制御
信号を出力したり、バルブ駆動部26に向けて、後述す
るように流量ゼロの状態から所定の流量への設定信号が
入力された時に、バルブ電圧を流体が流れ出す直前の電
圧まで一気に強制的に印加するように指令する信号を出
力したり、センサ信号を常時モニタして関連するデータ
を必要に応じてアップデートするようになっている。
【0015】次に、以上のように構成された質量流量制
御装置を用いて行われる制御方法の一例を具体的に説明
する。まず、外部のガス使用系などから出力された設定
信号がS0がこの装置2へ入力されるとそれに応じて流
量制御弁10が開いてガス流体が流れ出す。そして、流
体通路4にガス流体が流れると、この一部は流量センサ
手段12のセンサ管14を流れ、大部分はバイパス6を
流れて行き、流体制御弁10によりその流量が制御され
つつガス使用系、例えば半導体製造装置へ向かう。セン
サ管14を流れるガス流体の流量はブリッジ回路を用い
た定電流方式のセンサ制御回路18により検出されて流
体通路4全体に流れる質量流量が求められ、この流量が
センサ信号S1として比較部22に向けて出力される。
【0016】一方、例えば0〜5Vのアナログ信号とし
て外部より入力される設定信号S0は、A/Dコンバー
タ28にてデジタル信号へ変換された後に、デジタル演
算回路系DEに入力され、ここで種々の補正が加えられ
る。そして、このデジタル演算回路系DEからは、所定
の補正が加えられた補正後の設定信号S0−1が出力さ
れ、この信号S0−1はD/Aコンバータ30にてアナ
ログ信号へ変換された後に、上記比較部22へ入力され
る。この比較部22では、上記センサ信号S1と上記補
正後の設定信号S0−1とを、制御定数切換部20によ
って切り換え選択されるPID制御に最適な制御定数を
加味してアナログ処理で比較し、この結果を比較信号S
2としてバルブ駆動部26に向けて出力する。このバル
ブ駆動部26は、この比較信号S2に基づくバルブ電圧
S3を流量制御弁10の圧電素子29に印加し、このダ
イヤフラム8の弁開度を調整することになる。このよう
に、ガス流体の流量は、センサ信号S1を出力するセン
サ制御回路18、比較部22(制御定数切換部20を含
む)、バルブ駆動部26及び流量制御弁10に至る閉じ
た系でフィードバック制御されることになる。この場
合、この閉じたフィードバックループは、前述のように
全体がアナログ回路系ANにより構成されているので、
従来装置のように部分的にデジタル制御系を用いて間欠
的、例えば10msec毎に制御する場合と異なり、フ
ィードバック制御を連続的に行なうことができるので、
制御精度の向上を図ることが可能となる。
【0017】また、従来装置のように、デジタル処理で
フィードバック制御を行なうには、アナログ状態の各信
号をデジタル変換したり、或いは逆にデジタル信号を最
終的にはアナログ信号に変換したりしなければならない
ので、変換操作の都度、遅延が生じて制御に遅延が生ず
ることは避けられなかったが、本実施例の場合には上述
のようにフィードバックループの制御は全てアナログ処
理で行なっているので、制御に遅延が生ずることはな
く、迅速で且つ高い精度で流量制御を行なうことが可能
となる。尚、ここで設定信号S0に各種の補正を施す必
要がない場合には、この設定信号S0を直接的に比較部
22へ入力してもよい。また、同様に、PID制御の制
御定数が固定の場合には、制御定数切換部20は不要と
なる。
【0018】上述のように、流量制御弁10の応答性に
関する制御の内、センサ信号S1の検出からバルブ電圧
S3の出力に至るフィードバックループに関する制御は
アナログ処理で行なうようにしたが、他の処理、例えば
流量センサ手段12のゼロ点ずれの補正、直線ずれの補
正、制御定数の切り換えの指令を発する操作及び、流れ
出し開始直前のバルブ電圧の設定操作等は、デジタル演
算回路系DEで行なうようにし、特に、制御定数の切り
換え指令を発する操作は、記憶、比較判断が必要な処理
であり、これをアナログ回路で行なうには実装サイズ、
及びコスト面で現実的ではない、という理由から、デジ
タル演算回路系DEで必ず行なうようにする。
【0019】次に、以上の各補正或いは操作について説
明する。まず、制御定数の切り換え指令を発する操作に
ついては、適用されている流量制御弁10の最大流量で
あるフルスケールに対してどの程度の流量を設定信号S
0が示しているかをデジタル演算回路系DEが判定し、
図2中においてその流量に見合った抵抗値(制御定数に
対応)を選択するように切換部制御信号S4を出力し、
該当する抵抗のスイッチSWをオンする。図2において
は、設定信号S0(0〜5V)がフルスケールの流量の
10〜20%の範囲内の流量を示していたので、スイッ
チSW2を閉じて抵抗R2の抵抗値を制御定数として選
択している場合を示している。尚、上記フルスケールの
流量に対する分割領域数は、図示例の10領域に限定さ
れないのは勿論である。
【0020】次に、流量センサ手段12のゼロ点ずれの
補正、直線ずれの補正について説明する。一般的には、
図3に示すように、流量センサ手段12の実際の特性
(実線)は、設定信号(設定流量)とセンサ信号(検出
流量)との関係は、理想的な直線(破線)にはならず、
曲線状となり、しかもゼロ点が原点よりもずれるような
特性を有しており、この特性は、個々の流量制御弁10
や流量センサ手段12によっても異なる。そのため、流
量センサ手段12や流量制御弁10の特性を工場出荷段
階で予め測定してこれをデジタル演算回路系DEの記憶
部(図示せず)に予め記憶しておき、実際の制御動作時
には流量制御の誤差を抑制するために、設定信号S0に
対して上記したゼロ点ずれ補正と直線ずれの補正を行な
う。ゼロ点ずれ補正は、実際の特性(実線)を矢印Aに
示すように下方向へシフトさせることにより、原点を通
る特性曲線(一点鎖線)とする。そして、直線ずれの補
正は、上記一点鎖線の特性曲線と破線で示す理想の特性
とのずれを矢印Bで示すような変位量として求め、この
変位量を加味して設定信号S0を補正する。これによ
り、より制御精度の高い流量制御を行なうことが可能と
なる。
【0021】次に、流れ出し開始直前のバルブ電圧の設
定操作について説明する。まず、図4に示すようにバル
ブ電圧と流量との関係は直線性がなく、全閉状態(0
V)から少しずつ電圧を上昇させた時、電圧を上げても
流量が変化せずにゼロの状態を示している領域がある。
図4では50Vまではほとんどガスが流れていない。そ
の理由は、駆動電圧を上昇させると弁体(ダイヤフラム
8)を開ける方向に力が発生するが、その力は直ぐには
変位とならず、弁体が弁座を押さえる力(面圧)を小さ
くすることに使われる。そして、この面圧がゼロになっ
てからの電圧上昇が変位となって現れる。尚、この流量
制御弁は、バルブ電圧が150Vの時に最大流量(フル
スケール)で2000cc/分のガスが流れる特性を有
している。マスフローコントローラのような質量流量制
御装置のバルブアクチュエーターには、上記した積層型
圧電素子以外にも、ソレノイド、熱膨張等が使われる
が、全閉時の漏れ止め性能を要求されるため、何れのア
クチュエーターでも、ある程度の面圧をかける設計がさ
れている。また、バルブの機械的な位置ずれ、周囲温度
が変わることによる部品の熱膨張差による位置ずれを吸
収して、少々の位置ずれでは、漏れが発生しないために
も、このような設計、調整が必要である。
【0022】このように、図4に示す場合には、略50
Vが、流れ出しバルブ電圧となっている。このような特
性下において、流量ゼロの状態から所定の流量に設定流
量を変化させた時、常にバルブ電圧ゼロの状態からPI
D制御を行なっていくと、ガスが流れ始めるまでに多く
の時間を要するので制御に遅れが生じてしまう。そこ
で、この制御遅れを防止するために、流量ゼロの状態か
ら所定の流量値まで急激に流量を変化させるような設定
信号S0が入力された場合には、上記流れ出しバルブ電
圧、例えば略50Vよりも僅かな電圧値、例えば5Vだ
け少ない電圧、例えば45Vを初期バルブ電圧として圧
電素子29へ出力させるようにバルブ駆動部26へデジ
タル演算回路系DEより指令を出すようになっている。
そして、その後、直ちにPID制御へ移行する。従っ
て、この場合には、流量ゼロから最大流量(流量100
%)まで急激に流量を変化させる場合にも、初期バルブ
電圧として45Vの駆動電圧を出力することになる。こ
のような制御を行なうことにより、オーバシュートの発
生を確実に抑制することができ、しかも迅速に所望の流
量に安定的に設定することができる。
【0023】この場合、上記初期バルブ電圧を求めるに
際しては、デジタル演算回路系DEでは、予め求められ
た流れ出しバルブ電圧、例えば50Vの所定の割合、例
えば9割として45V(=50V×0.9)として求め
てもよいし、或いは、流れ出しバルブ電圧、例えば50
Vよりも所定の量、例えば5Vだけ小さい電圧値を初期
バルブ電圧として求めるようにしてもよい。いずれにし
ても、流量制御弁10の特性は個々の制御弁に固有のも
のであるので、工場出荷段階等で上記流れ出しバルブ電
圧を予め求めておく。また、この場合、流量制御弁10
の経年変化等によって、流れ出しバルブ電圧も変化する
場合が生ずるので、デジタル演算回路系DEはこれを常
時モニタし、アップデートするのは勿論である。
【0024】ここで、上述したような本発明装置と従来
装置の制御特性を実際に測定したので、その評価結果に
ついて説明する。図5は本発明装置と従来装置(デジタ
ル回路のみ)の制御特性を示すグラフである。図5
(A)は従来装置の特性曲線を示し、図5(B)は本発
明装置の特性曲線を示す。図5(A)に示すように従来
装置の場合には、設定信号を入力してから約2秒程度の
制御遅れが発生しているが、図5(B)に示す本発明装
置の場合には、制御遅れは約0.7秒程度であり、制御
遅れを大幅に改善できたことが判明した。尚、本実施例
ではガス状の流体を流す場合を例にとって説明したが、
これに限定されず、液状の流体を流す場合にも本発明を
適用できるのは勿論である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の質量流量
制御装置によれば、次のように優れた作用効果を発揮す
ることができる。少なくともセンサ信号と設定信号とを
比較してこの結果によりバルブ電圧を決定するフィード
バックループをアナログ回路系で行なうようにすること
により、完全に連続的で、且つ応答性に優れた制御を行
なうことができ、しかも、応答性に関する他の複雑な制
御はデジタル回路系により行なうようにしているので、
制御の高精度化を達成でき、従って、デジタル処理の利
点とアナログ処理の利点とを同時に達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る質量流量制御装置を示す概略構成
図である。
【図2】図1に示す制御定数切換部を示す構成図であ
る。
【図3】流量センサ手段のゼロ点ずれと直線ずれの補正
制御を説明するための設定信号とセンサ信号との関係を
示すグラフである。
【図4】バルブ電圧と流量との関係を示すグラフであ
る。
【図5】本発明装置と従来装置(デジタル回路のみ)の
制御特性を示すグラフである。
【符号の説明】
2 質量流量制御装置 4 流体通路 6 バイパス 10 流量制御弁 12 流量センサ手段 14 センサ管 18 センサ制御回路 20 制御定数切換部 22 比較部 26 バルブ駆動部 AN アナログ回路系 DE デジタル演算回路系

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体を流す流体通路に介設された流量制
    御弁を、外部より入力される設定信号と流量センサ手段
    からのセンサ信号とに基づいてコントロールすることに
    より前記流体の質量流量を制御する質量流量制御装置に
    おいて、デジタル演算回路系とアナログ回路系とを有し
    ており、前記流量制御弁の応答性に関する制御の内、少
    なくとも前記センサ信号と前記設定信号とを比較して前
    記流量制御弁のバルブ電圧を決定するフィードバックル
    ープは前記アナログ回路系で行なうように構成したこと
    を特徴とする質量流量制御装置。
  2. 【請求項2】 前記アナログ回路系は、前記設定信号と
    前記センサ信号とを比較する比較部と、この比較部の出
    力に基づいた大きさの前記バルブ電圧を出力するバルブ
    駆動部とを有することを特徴とする請求項1記載の質量
    流量制御装置。
  3. 【請求項3】 前記比較部には、制御定数を切り換えて
    選択する制御定数切換部が接続して設けられることを特
    徴とする請求項1または2記載の質量流量制御装置。
  4. 【請求項4】 前記デジタル演算回路系は、前記設定信
    号に基づいて前記制御定数切換部を制御する切換部制御
    信号を出力することを特徴とする請求項3記載の質量流
    量制御装置。
  5. 【請求項5】 前記デジタル演算回路系は、前記設定信
    号と前記センサ信号とに基づいて前記流量センサ手段の
    ゼロ点ずれの補正と直線ずれの補正とを行なって補正さ
    れた設定信号を出力することを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載の質量流量制御装置。
  6. 【請求項6】 前記デジタル演算回路系は、流量ゼロの
    状態から所定の流量に設定流量を変化させる時に、前記
    流量制御弁が開き始めて流体が流れ出す直前のバルブ電
    圧である初期バルブ電圧を求めることを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれかに記載の質量流量制御装置。
JP2000271828A 2000-09-07 2000-09-07 質量流量制御装置 Expired - Lifetime JP3551906B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000271828A JP3551906B2 (ja) 2000-09-07 2000-09-07 質量流量制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000271828A JP3551906B2 (ja) 2000-09-07 2000-09-07 質量流量制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002082722A true JP2002082722A (ja) 2002-03-22
JP3551906B2 JP3551906B2 (ja) 2004-08-11

Family

ID=18758057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000271828A Expired - Lifetime JP3551906B2 (ja) 2000-09-07 2000-09-07 質量流量制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3551906B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007087029A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Yamatake Corp 流量制御装置および流体混合器
JP2010223804A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Tokiko Techno Kk 振動式測定装置
KR20120111883A (ko) * 2011-04-01 2012-10-11 히타치 긴조쿠 가부시키가이샤 유량 제어 장치
WO2019208447A1 (en) * 2018-04-27 2019-10-31 Hitachi Metals, Ltd. Thermal mass flow sensor with improved accuracy
JP2021015855A (ja) * 2019-07-10 2021-02-12 東京エレクトロン株式会社 性能算出方法および処理装置
CN114237310A (zh) * 2021-11-29 2022-03-25 北京控制工程研究所 一种基于位移流量双闭环的多模式流量调节系统及方法
US11435764B1 (en) 2021-03-30 2022-09-06 Hitachi Metals, Ltd. Mass flow controller utilizing nonlinearity component functions

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007087029A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Yamatake Corp 流量制御装置および流体混合器
JP4512923B2 (ja) * 2005-09-21 2010-07-28 株式会社山武 流体混合器
JP2010223804A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Tokiko Techno Kk 振動式測定装置
KR20120111883A (ko) * 2011-04-01 2012-10-11 히타치 긴조쿠 가부시키가이샤 유량 제어 장치
JP2012216170A (ja) * 2011-04-01 2012-11-08 Hitachi Metals Ltd 流量制御装置
KR101677771B1 (ko) 2011-04-01 2016-11-18 히타치 긴조쿠 가부시키가이샤 유량 제어 장치
WO2019208447A1 (en) * 2018-04-27 2019-10-31 Hitachi Metals, Ltd. Thermal mass flow sensor with improved accuracy
US11209298B2 (en) 2018-04-27 2021-12-28 Hitachi Metals, Ltd. Thermal mass flow sensor with improved accuracy
JP2021015855A (ja) * 2019-07-10 2021-02-12 東京エレクトロン株式会社 性能算出方法および処理装置
JP7270489B2 (ja) 2019-07-10 2023-05-10 東京エレクトロン株式会社 性能算出方法および処理装置
US11435764B1 (en) 2021-03-30 2022-09-06 Hitachi Metals, Ltd. Mass flow controller utilizing nonlinearity component functions
CN114237310A (zh) * 2021-11-29 2022-03-25 北京控制工程研究所 一种基于位移流量双闭环的多模式流量调节系统及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3551906B2 (ja) 2004-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5607501B2 (ja) マスフローコントローラ
JP4974000B2 (ja) 質量流量制御装置及び実ガスの質量流量制御方法
JP5174032B2 (ja) 質量流量コントローラのコントローラ利得スケジューリング
US8112182B2 (en) Mass flow rate-controlling apparatus
KR102421587B1 (ko) 유량 제어 방법 및 유량 제어 장치
US11269362B2 (en) Flow rate control method and flow rate control device
JP3417391B2 (ja) 流量制御方法
JP3551906B2 (ja) 質量流量制御装置
US11454993B2 (en) Flow rate control apparatus, flow rate control method, and program recording medium recording flow rate control program
JP2020013269A (ja) 流量制御装置
JP4092684B2 (ja) マスフローコントローラの校正方法及びその装置
JP2004109111A (ja) 流量センサ、流量測定器及び流量制御器
JP3893115B2 (ja) マスフローコントローラ
JPH07160338A (ja) 流量制御方法
JPH08335118A (ja) 流量制御方法
JPH064139A (ja) 流量コントローラー
JP4332986B2 (ja) 質量流量制御装置
JP2002039903A (ja) 圧力発生器の制御方法及び圧力発生器並びに圧力発生器の圧力校正方法及び圧力校正手段を備えた圧力発生器
JP7054297B2 (ja) 流体制御装置及び流体制御装置用プログラム
US20230129479A1 (en) Flow rate control device and flow rate control method
JP7495732B2 (ja) 流量制御装置
JP5110006B2 (ja) 流量センサ、流量測定器及び流量制御器
KR101889379B1 (ko) 유량제어시스템
JP2012168822A (ja) 流体制御装置
KR20230005977A (ko) 유체 제어 장치, 유체 공급 시스템 및 유체 공급 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3551906

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120514

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term