JPH10332454A - 感熱式流速検出装置 - Google Patents

感熱式流速検出装置

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JPH10332454A
JPH10332454A JP9139638A JP13963897A JPH10332454A JP H10332454 A JPH10332454 A JP H10332454A JP 9139638 A JP9139638 A JP 9139638A JP 13963897 A JP13963897 A JP 13963897A JP H10332454 A JPH10332454 A JP H10332454A
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JP
Japan
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resistor
circuit
heating
feedback
operational amplifier
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JP9139638A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Nakayama
義宣 中山
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Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱抵抗体が帰還ループ中に入らず、流体の
流速検出に関わる2つの発熱抵抗体の抵抗値の差そのも
のにできるだけ近い物理量を直接的に測定することで、
流速に関係する出力を大きく取り出せるようにする。 【解決手段】 流体の流れに対して上・下流に配設され
る発熱抵抗体Rhu,Rhdと、発熱抵抗体Rhu,Rhdを入
力抵抗とする演算増幅回路6による加算器と、発熱抵抗
体Rhu,Rhdの各々に接続されて大きさが同じで極性の
異なる電圧を供給する基準電圧電源9,10とを備え
る。ブリッジ回路を用いることのないこのような最も基
本的かつシンプルで加算器を利用して発熱抵抗体Rhu
hdを駆動する構成の下に、流体の流速検出に関わる2
つの発熱抵抗体Rhu,Rhdの抵抗値の差そのものにでき
るだけ近い物理量がVout =−Rf ・Vh ・(1/Rhu
−1/Rhd)に基づき直接的に測定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスメータ、フロ
ーメータ等の分野で用いられる一対の発熱抵抗体を利用
した感熱式流速検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の感熱式流速検出装置の一例を図7
を参照して説明する。図7に示す感熱式流速検出装置
は、特表平8−509066号公報中に示される熱質量
流量トランスデューサ(マスフローメータ型流速セン
サ)100の例である。このトランスデューサ100
は、4つの抵抗素子101〜104による平衡ブリッジ
回路105を含む構成とされている。ここに、抵抗素子
101,102はそれらの抵抗値及び熱係数が同一であ
る標準抵抗とされ、抵抗素子103,104はそれらの
抵抗値及び熱係数が同一である発熱抵抗体とされてい
る。発熱抵抗体となる抵抗素子103,104は測定対
象となるガスが流れるセンサ管106に対して上流側と
下流側とに位置させて配設されている。抵抗素子10
1,102間の接続点aは演算増幅器107の反転入力
に接続されている。この演算増幅器107は非反転入力
が接地されたもので、出力側はトランジスタ108のベ
ースに接続されている。このトランジスタ108のエミ
ッタは抵抗素子102,103間の接続点bに接続さ
れ、例えば−15Vの負の電圧源109に接続されてい
る。一方、抵抗素子101,104間の接続点dは例え
ば15Vの正の電圧源110によって電力が供給される
定電流源111に接続されている。発熱抵抗体である抵
抗素子103,104間の接続点cは演算増幅器112
の反転入力に接続されている。この演算増幅器112は
非反転入力が接地されたもので、その出力がトランスデ
ューサ100としての出力とされている。113は演算
増幅器112における帰還抵抗である。
【0003】ここに、定電流源111は抵抗素子10
3,104を流れ、抵抗素子101,102を流れる電
流を与える。抵抗素子101,102と演算増幅器10
7とトランジスタ108とは接続点d,bにおける電圧
を大きさが等しく極性が逆になるように維持させる動作
を行い、接続点aの電圧を仮想的な接地(グランド)に
維持する制御システム114を形成している。即ち、抵
抗素子103にかかる電圧と抵抗素子104にかかる電
圧とが等しくなるように制御がかけられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図7に示す
ような従来方式の場合、演算増幅器107によって平衡
ブリッジ回路105に対して帰還制御をかけるわけであ
るが、発熱抵抗体となる抵抗素子103,104がこの
演算増幅器107の帰還ループ(接続点a‐演算増幅器
107‐トランジスタ108‐接続点b)の中に入って
いる構成とされている。この結果、抵抗素子103,1
04の温度が安定する時間がガスの温度によって影響を
受けるため、制御状態にも影響を及ぼす。
【0005】この点は、例えば電池などを用いて低消費
電力で駆動させようとする場合に問題となる。つまり、
数秒に1回のパルス駆動を行うことで間欠的な測定を実
施するような応用例では、パルス駆動によって発熱抵抗
体(抵抗素子103,104)を加熱し発熱抵抗体の温
度が安定するまで待ってから、測定を行うため、ガスの
温度の影響を受けて発熱抵抗体の温度の安定時間の変化
がわかりにくくなるような帰還制御がないことが望まし
い。
【0006】また、電池駆動の場合には、低電圧で駆動
し得ることが重要である。図7に例示した方式では、±
15Vの電源を想定しているため、様々なバイアスが必
要になる帰還回路(演算増幅器107,114等)や定
電流源111があっても動作可能であるが、一層低い電
圧、例えば±5V、或いは、±2〜3V以内の電圧に抑
えたい場合には実現が困難となる。
【0007】そこで、本発明は、発熱抵抗体が帰還ルー
プ中に入ることがなく、流体の流速検出に関わる2つの
発熱抵抗体の抵抗値の差そのものにできるだけ近い物理
量を直接的に測定することで、流速に関係する出力を大
きく取り出すことができ、SN比の改善、外乱ノイズの
回避、流体温度の影響の除去等を図れる感熱式流速検出
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の加
算器を利用して発熱抵抗体を駆動する感熱式流速検出装
置は、流体の流れに対して上流側と下流側とに配設され
る2つの発熱抵抗体と、これらの発熱抵抗体を入力抵抗
とする演算増幅回路による加算器と、前記発熱抵抗体の
各々に接続されて大きさが同じで極性の異なる電圧を供
給する2つの基準電圧電源とを備える。従って、一対の
発熱抵抗体を用いる方式において、ブリッジ平衡回路を
用いることなくこれらの発熱抵抗体を入力抵抗とする演
算増幅回路を加算器として用いる最も基本的かつシンプ
ルな構成の下に、これらの発熱抵抗体に対して2つの基
準電圧電源により大きさが同じで極性の異なる電圧を印
加することで直接駆動するので、一対の発熱抵抗体の抵
抗値の冷却の量に関連する、これらの一対の発熱抵抗体
の抵抗値の差を電圧信号として取り出す動作を加算器が
一度に実行するので、外乱の入りにくい流速の検出が可
能となる。即ち、一対の発熱抵抗体が演算増幅回路の帰
還ループ中に入ることがなく、流体の流速検出に関わる
2つの発熱抵抗体の抵抗値の差そのものにできるだけ近
い物理量を直接的に測定するものとなり、流速に関係す
る、2つの発熱抵抗体を流れる電流値差を直接大きく取
り出すことができ、差を取る前の信号を使う必要がない
ため、SN比を劣化させずに、低電圧駆動が可能とな
る。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の加
算器を利用して発熱抵抗体を駆動する感熱式流速検出装
置において、2つの基準電圧電源の一方は、他方の基準
電圧電源の出力端子に接続された直流反転回路よりな
る。従って、駆動電圧を決定するために正負で全く別個
の基準電圧電源を用いることなく、1つの基準電圧電源
を基準にしてその出力端子に接続された直流反転回路を
利用することで、一対の発熱抵抗体にかかる駆動電圧の
外乱が共通にかかるようになるため、同相の雑音を相殺
できることになる。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の加算器を利用して発熱抵抗体を駆動する感熱式流速
検出装置において、2つの発熱抵抗体は、流路中に配設
される基板上に形成されており、加算器を構成する演算
増幅回路は、前記基板上で前記発熱抵抗体の熱的影響を
受けない部位に形成された測温抵抗体を帰還抵抗として
含む帰還抵抗回路を有する。従って、演算増幅回路の帰
還抵抗として発熱抵抗体と同じ基板上に形成された測温
抵抗体を用いているので、流体の温度が変化しても一対
の発熱抵抗体と帰還抵抗としての測温抵抗体との抵抗値
の比が殆ど変わらないため、一対の発熱抵抗体の抵抗値
の変化の仕方の差のみを電圧信号として検出できる。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項3記載の加
算器を利用して発熱抵抗体を駆動する感熱式流速検出装
置において、帰還抵抗回路は、分圧帰還抵抗と演算増幅
回路とを用いた分圧回路を有する。従って、基板上の測
温抵抗体による帰還抵抗の抵抗値を大きく取れない条件
下であっても分圧回路による逓倍機能を利用することで
測温抵抗体の抵抗値を等価的に大きくし、しかも、自由
に選択でき、また、測温抵抗体を低抵抗で構成でき、か
つ、利得を大きくしても、測温抵抗体の自己発熱を防ぐ
ことができる。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項4記載の加
算器を利用して発熱抵抗体を駆動する感熱式流速検出装
置において、分圧帰還抵抗は、その一方の抵抗値が測温
抵抗体の抵抗値と同一値に設定されている。従って、加
算器としての演算増幅回路の出力端子から帰還抵抗回路
における演算増幅回路の分圧帰還抵抗を流れる電流の大
きさを、測温抵抗体による帰還抵抗を流れる電流と同程
度の電流とすることができる。この結果、必要以上に帰
還量を大きくしてしたり逆に小さくしてしまうことでS
N比を劣化させるとか、消費電流が著しく大きくなって
しまう、という不都合を回避できる。
【0013】また、請求項1記載の発明の加算器を利用
して発熱抵抗体を駆動する感熱式流速検出装置は、請求
項6記載のように、2つの発熱抵抗体が流路中に配設さ
れる基板上に形成されたマイクロブリッジ型フローセン
サに適用し得るのはもちろん、請求項7記載のように、
2つの発熱抵抗体が流体の流れに対して上流側と下流側
とに配設されるマスフローメータ型流速センサについて
も同様に適用し得る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
及び図2に基づいて説明する。本実施の形態の感熱式流
速検出装置は図2に示すような構造のマイクロブリッジ
型フローセンサ1に適用されている。このマイクロブリ
ッジ型フローセンサ1にあっては、基板2の上面からエ
ッチングで掘られた堀状の溝3を跨ぐ橋4を有し、この
橋4上にて一対の発熱抵抗体Rhu,Rhdが薄膜パターン
により形成されている。ここに、前記基板2はガスの流
れの方向に対して発熱抵抗体Rhuが上流側となり、発熱
抵抗体Rhd側が下流となるように配設されるものであ
り、発熱抵抗体Rhu,Rhd同士は平行に形成されてい
る。また、前記基板2上においてこれらの発熱抵抗体R
hu,Rhdの熱的影響を受けない部位、例えば、最上流部
となる隅部には測温抵抗体Rf が発熱抵抗体Rhu,Rhd
と同じプロセスにより形成されている。これらの抵抗体
hu,Rhd,Rf は適宜配線パターン及び電極パターン
5を経て基板外部の回路に接続される。
【0015】次に、このような発熱抵抗体Rhu,Rhd
含むマイクロブリッジ型フローセンサ1の電気的回路構
成を図1により説明する。まず、発熱抵抗体Rhu,Rhd
を入力抵抗とするようにこれらの発熱抵抗体Rhu,Rhd
の接続点Aが反転入力に接続された演算増幅回路6が加
算器として設けられている。この演算増幅回路6の非反
転入力は接地されている。また、演算増幅回路6の出力
端子7と反転入力との間には帰還抵抗Rf による帰還抵
抗回路8が接続されている。即ち、本実施の形態では帰
還抵抗Rf として基板2上に形成された測温抵抗体が用
いられている。さらに、上流側の発熱抵抗体Rhuに対し
ては出力電圧Vhuを与える基準電圧電源9が接続され、
下流側の発熱抵抗体Rhdに対しては出力電圧Vhdを与え
る基準電圧電源10が接続されている。ここに、出力電
圧Vhu,VhdはVhu=−Vhdなる関係、即ち、同じ電圧
値であるが極性が異なるように設定されている。なお、
図1は原理的な構成例を示すもので、これらの基準電圧
電源9,10や演算増幅回路6に対する電源自体の図示
を省略している。
【0016】このような構成において、回路の動作につ
いて説明する。図1に示す回路構成によれば、加算器と
して機能する演算増幅回路6の基本的な動作に基づき、
その出力端子7に得られる出力電圧Vout は、 Vout =−Rf ・(Vhu/Rhu+Vhd/Rhd) ……………(1) で示される。ここに、Vhu=−Vhdなる関係にあるの
で、Vhu=−Vhd=Vh とすれば、(1)式は Vout =−Rf ・Vh ・(1/Rhu−1/Rhd) …………(2) なる関係式に変形される。
【0017】この(2)式によれば、発熱抵抗体Rhu,R
hdが加熱されている状況下で、ガス等の流速によって変
化する各々の抵抗値Rhu,Rhdの逆数の差に比例する変
化が出力電圧Vout として検出されることがわかる。ま
た、この出力電圧Vout は帰還抵抗Rf (本実施の形態
の場合は、測温抵抗体)の抵抗値を適当な値に設定する
ことでこの出力電圧Vout の大きさを自由に選定し得る
こともわかる。
【0018】より実際的な構成を想定してみると、発熱
抵抗体Rhu,Rhdの流速の変化による抵抗値の変化は白
金抵抗体などによる場合、その作製プロセスにもよる
が、通常は3000ppm/℃ 程度であり、ガスが奪う熱
による発熱抵抗体Rhu,Rhdの抵抗値の変化は、流量0
時のガスの温度に対する駆動による温度、例えば40℃
(つまり、ガスの温度が25℃であれば、発熱抵抗体R
hu,Rhdの温度は65℃である)のときより、最大流量
時(プロパンガス200リットル/時)で降下する温度
が高々20℃程度であることがわかっている。従って、
流速変化による発熱抵抗体Rhu,Rhdの抵抗値の変化量
は、0.004×20=0.08で、最大でも10%程
度である。従って、発熱抵抗体Rhu,Rhdの抵抗値の逆
数の変化の差ではあるが、殆ど直線的な特性を示す出力
電圧Vout が得られる。また、帰還抵抗Rf として発熱
抵抗体Rhu,Rhdと同じプロセスで基板2上に形成され
ることにより温度係数が極めて近似している測温抵抗体
を用いているので、ガスの温度が変化しても流速測定対
する感度が変化することがない。
【0019】従って、本実施の形態によれば、一対の発
熱抵抗体Rhu,Rhdを用いる感熱方式において、ブリッ
ジ平衡回路を用いることなくこれらの発熱抵抗体Rhu
hdを入力抵抗とする演算増幅回路6を加算器として用
いる最も基本的かつシンプルな構成の下に、これらの発
熱抵抗体Rhu,Rhdに対して2つの基準電圧電源9,1
0によりVhu=−Vhdなる関係にある出力電圧Vhu,V
hdを印加することで直接駆動するので、一対の発熱抵抗
体Rhu,Rhdの抵抗値の冷却の量に関連する、これらの
一対の発熱抵抗体Rhu,Rhdの抵抗値の差を出力電圧V
out として取り出す動作を演算増幅回路6が一度に実行
するので、外乱の入りにくい流速の検出が可能となる。
即ち、一対の発熱抵抗体Rhu,Rhdが演算増幅回路6の
帰還ループ中に入ることがなく、流体の流速検出に関わ
る2つの発熱抵抗体Rhu,Rhdの抵抗値の差そのものに
できるだけ近い物理量を直接的に測定するものとなり、
流速に関係する出力を大きく取り出すことができ、電池
等による低電圧駆動も可能となる。
【0020】なお、2つの発熱抵抗体Rhu,Rhdの接続
位置を入れ替えても出力電圧Voutの極性が逆になるだ
けであり、測定動作自体には支障ない。
【0021】本発明の第二の実施の形態を図3に基づい
て説明する。図1及び図2で示した部分と同一部分は同
一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形
態でも順次同様とする)。本実施の形態では、基準電圧
電源9,10の構成を明らかにするものであり、概略的
には、演算増幅回路を用いて構成されている。まず、電
源ライン11には抵抗R1 とツェナダイオードZDによ
る基準電圧発生器12とが直列に接続され、それらの接
続点Bに基準電圧が得られるように構成されている。基
準電圧電源10はこの接続点Bから基準電圧が与えられ
るもので、接続点Bが非反転入力に接続された演算増幅
回路によるバッファアンプ13が設けられている。この
バッファアンプ13及び基準電圧発生器12が基準電圧
電源10を構成している。一方、このバッファアンプ1
3の出力端子14に反転入力が接続された演算増幅回路
による直流反転回路15が設けられている。この直流反
転回路15が基準電圧電源9を構成している。ここに、
直流反転回路15を構成する演算増幅回路は入力抵抗R
2 と帰還抵抗R3 とを有するが、これらの抵抗R2,R3
は原則的には同じ抵抗値のものが用いられている。こ
れにより、直流反転回路15の出力端子16には、原則
的に、出力端子14における出力電圧と同一であって極
性の異なる出力電圧が得られる。
【0022】従って、本実施の形態によれば、駆動電圧
を決定するために正負で全く別個の基準電圧電源を用い
ることなく、1つの基準電圧電源10を基準にしてその
出力端子14に接続された直流反転回路15を基準電圧
電源9として利用することで、一対の発熱抵抗体Rhu
hdにかかる駆動電圧の外乱が共通にかかるようになる
ため、同相の雑音を相殺できることになる。
【0023】なお、本実施の形態では、ツェナダイオー
ドZDを用いた基準電圧発生器12を利用しているため
バッファアンプ13を用いるようにしたが、直接駆動し
得る電源構造の場合には図1に示したような基準電圧電
源10を用いることで、図4に示すように構成してもよ
い。
【0024】本発明の第三の実施の形態を図5に基づい
て説明する。本実施の形態は、演算増幅回路6における
帰還抵抗回路8に関するものであり、基準電圧電源9,
10は図示を省略してある。より具体的には、測温抵抗
体により帰還抵抗Rf を構成する場合に、あまり高抵抗
な抵抗値が得られない場合を想定して、この帰還抵抗R
f の抵抗値を逓倍する分圧回路17を含んで構成されて
いる。この分圧回路17は演算増幅回路18と2つの分
圧帰還抵抗Rf1,Rf2とにより構成されている。ここ
に、分圧帰還抵抗Rf1,Rf2は演算増幅回路6の出力端
子7と反転入力との間において帰還抵抗Rf と直列に接
続され、かつ、分圧帰還抵抗Rf1,Rf2間の接続点Cは
演算増幅回路18の反転入力に接続され、かつ、分圧帰
還抵抗Rf1がこの演算増幅回路18の帰還抵抗とされ
ている。
【0025】このような構成において、帰還抵抗回路8
における温度係数がそのまま演算増幅回路6での増幅に
用いられ、(2)式中のRf とRhuとRhdとのガス温度
の変化による影響を増幅された温度係数で相殺すること
ができる。即ち、ガス温度が低いときには(2)式中のR
hu,Rhdの値が小さくなるため、出力電圧Vout は大き
くなる。従って、演算増幅回路18の出力電圧をV18
するとその入力電圧(即ち、演算増幅回路6の出力電圧
Vout )に対して、 V18=−(Rf1/Rf2)・Vout ………………(3) となる。
【0026】ここに、分圧回路17において分圧比Rf1
/Rf2(<1)は、抵抗の温度係数が十分小さくなるよ
うに調整されており、この分圧比の逆数をη(>1)と
すると、 Rf =η・Rf …………………………………(4) となる。つまり、抵抗値の大きさは違っていても、Rf
の温度係数とRf の温度係数とは同じである。従っ
て、マイクロブリッジ型フローセンサ1の構成上、帰還
抵抗Rf (測温抵抗体)の抵抗値を大きくできないとき
でも、分圧回路17を利用して、この分圧回路17を使
わない場合より大きい利得を自由に選択できる。
【0027】ところで、本実施の形態において、分圧回
路17中の分圧帰還抵抗Rf1は、帰還抵抗Rf (測温抵
抗体)と同じ抵抗値に設定されている。これにより、接
続点Aから帰還抵抗Rf を通して流れ込む電流値と出力
端子7から分圧帰還抵抗Rf2,Rf1を通して流れ込む電
流値とが等しくなるため、信号のSN比が著しく劣化す
ることはない。つまり、出力端子7から接続点Dへ流れ
込む電流が大きすぎると接続点Dに出力端子7から流れ
込む大きな電流の影響を受けてしまい、本来取り出すべ
き信号成分(接続点EやFから入ってくる)を乱してし
まう。かといって、出力端子7から接続点Dへ流れ込む
電流が小さすぎると、分圧回路17の分圧帰還抵抗
f1,Rf2による帰還のSN比が悪くなってしまう。つ
まり、最適な電流値は、帰還抵抗Rf (測温抵抗体)を
流れる電流と同じ位の電流値となるように構成すること
が、SN比をよくする上では最適である。このために
は、上記のように分圧帰還抵抗Rf1の抵抗値を、帰還抵
抗Rf (測温抵抗体)の抵抗値と同じとなるように設定
することになる。
【0028】本発明の第四の実施の形態を図6に基づい
て説明する。本実施の形態も、前記実施の形態と同様
に、演算増幅回路6における帰還抵抗回路8に関するも
のであり、基準電圧電源9,10は図示を省略してあ
る。前記実施の形態では、接続点Dと出力端子7との電
圧の極性が逆となる反転型として構成されているが、本
実施の形態では接続点Dと出力端子7との電圧の極性が
同一となる非反転型として構成されている。具体的に
は、出力端子7と接地との間に分圧帰還抵抗Rf1,Rf2
が接続され、それらの接続点Cが演算増幅回路18の非
反転入力に接続されている。演算増幅回路18の出力端
子・反転入力間は短絡されている。
【0029】本実施の形態のような構成の場合、演算増
幅回路18の出力電圧V18はその入力電圧(即ち、演算
増幅回路6の出力電圧Vout )に対して、 V18={Rf1/(Rf1+Rf2)}・Vout ………………(5) となる。
【0030】この場合も前記実施の形態の同様にして、
η=1+Rf2/Rf1となるので、ηの温度係数が十分小
さくなるようにすれば、Rf′ とRf の温度係数は同じ
である。従って、マイクロブリッジ型フローセンサ1の
構成上、帰還抵抗Rf (測温抵抗体)の抵抗値を大きく
できないときでも、分圧回路17を利用して実質的に高
い抵抗値を持たせることができ、大きな利得をしかも自
由に選択できる。
【0031】ところで、本実施の形態の回路構成では、
分圧帰還抵抗Rf1,Rf2を流れる電流値を大きくする方
が、演算増幅回路18の動作を安定させるためには好ま
しい。しかし、低消費電力化が必要な場合には、大きな
電流を流さない方がよい。また、加算器として機能する
演算増幅回路6全体のSN比も、分圧帰還抵抗Rf1,R
f2を流れる電流を帰還抵抗Rf (測温抵抗体)を流れる
電流よりも著しく大きくした場合には、帰還抵抗Rf
部分のSN比が全体のSN比を律することになるため、
分圧帰還抵抗Rf1,Rf2を流れる電流を大きくすること
によるメリットは少ない。従って、結局は前記実施の形
態の場合と同様に、帰還抵抗Rf (測温抵抗体)を流れ
る電流と同じ位にするのがよいため、帰還抵抗Rf (測
温抵抗体)の抵抗値と分圧帰還抵抗Rf1の抵抗値とを同
じ位に設定することが好ましく、具体的には、(6)式の
関係を満たすように設定される。
【0032】なお、前述した各実施の形態の感熱式流速
検出装置はマイクロブリッジ型フローセンサ1への適用
例として説明したが、このようなものに限らず、例えば
一対の発熱抵抗体が流路中には配設されずガスが流れる
ガス管回りに巻回されて上下流に配設される形式のマス
フローメータ型流速センサ(即ち、図7に例示したよう
なタイプ)についても同様に適用し得る。
【0033】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、流体の流
れに対して上流側と下流側とに配設される2つの発熱抵
抗体と、これらの発熱抵抗体を入力抵抗とする演算増幅
回路による加算器と、前記発熱抵抗体の各々に接続され
て大きさが同じで極性の異なる電圧を供給する2つの基
準電圧電源とを備えており、一対の発熱抵抗体を用いる
方式において、ブリッジ平衡回路を用いることなくこれ
らの発熱抵抗体を入力抵抗とする演算増幅回路を加算器
として用いる最も基本的かつシンプルな構成の下に、こ
れらの発熱抵抗体に対して2つの基準電圧電源により大
きさが同じで極性の異なる電圧を印加することで直接駆
動するようにしたので、一対の発熱抵抗体の抵抗値の冷
却の量に関連する、これらの一対の発熱抵抗体の抵抗値
の差を電圧信号として取り出す動作を加算器が一度に実
行することとなり、外乱の入りにくい流速の検出が可能
となる。即ち、一対の発熱抵抗体が演算増幅回路の帰還
ループ中に入ることがなく、流体の流速検出に関わる2
つの発熱抵抗体の抵抗値の差そのものにできるだけ近い
物理量を直接的に測定するものとなり、流速に関係す
る、2つの発熱抵抗体を流れる電流値差を直接大きく取
り出すことができ、差を取る前の信号を使う必要がない
ため、SN比を劣化させずに、低電圧駆動が可能とな
る。
【0034】請求項2記載の発明によれば、2つの基準
電圧電源の一方は、他方の基準電圧電源の出力端子に接
続された直流反転回路よりなるので、駆動電圧を決定す
るために正負で全く別個の基準電圧電源を用いることな
く、1つの基準電圧電源を基準にしてその出力端子に接
続された直流反転回路を利用することで、一対の発熱抵
抗体にかかる駆動電圧の外乱が共通にかかるようになる
ため、同相の雑音を相殺することもでき、検出の精度を
向上させることができる。
【0035】請求項3記載の発明によれば、2つの発熱
抵抗体は、流路中に配設される基板上に形成されてお
り、加算器を構成する演算増幅回路は、前記基板上で前
記発熱抵抗体の熱的影響を受けない部位に形成された測
温抵抗体を帰還抵抗として含む帰還抵抗回路を有するこ
とで、演算増幅回路の帰還抵抗として発熱抵抗体と同じ
基板上に形成された測温抵抗体を用いているので、流体
の温度が変化しても一対の発熱抵抗体と帰還抵抗として
の測温抵抗体との抵抗値の比が殆ど変わらないため、一
対の発熱抵抗体の抵抗値の変化の仕方の差のみを電圧信
号として検出できる。
【0036】請求項4記載の発明によれば、帰還抵抗回
路は、分圧帰還抵抗と演算増幅回路とを用いた分圧回路
を有するので、基板上の測温抵抗体による帰還抵抗の抵
抗値を大きく取れない条件下であっても分圧回路による
逓倍機能を利用することで測温抵抗体の抵抗値を等価的
に大きくし、しかも、自由に選択でき、また、測温抵抗
体を低抵抗で構成でき、かつ、利得を大きくしても、測
温抵抗体の自己発熱を防ぐことができる。
【0037】請求項5記載の発明によれば、分圧帰還抵
抗は、その一方の抵抗値が測温抵抗体の抵抗値と同一値
に設定されているので、加算器としての演算増幅回路の
出力端子から帰還抵抗回路における演算増幅回路の分圧
帰還抵抗を流れる電流の大きさを、測温抵抗体による帰
還抵抗を流れる電流と同程度の電流とすることができ、
この結果、必要以上に帰還量を大きくしてしたり逆に小
さくしてしまうことでSN比を劣化させるとか、消費電
流が著しく大きくなってしまう、という不都合を回避す
ることができる。
【0038】請求項6記載の発明によれば、マイクロブ
リッジ型フローセンサにおいて請求項1記載の発明の効
果が得られる。
【0039】請求項7記載の発明によれば、マスフロー
メータ型流速センサにおいて請求項1記載の発明の効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図2】マイクロブリッジ型フローセンサの概略構造を
示し、(a)は平面図、(b)はその断面図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図4】その変形例を示す回路図である。
【図5】本発明の第三の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図6】本発明の第四の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図7】従来例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 マイクロブリッジ型フローセンサ 2 基板 6 演算増幅回路による加算器 8 帰還抵抗回路 9,10 基準電圧電源 15 直流反転回路 17 分圧回路 18 演算増幅回路 Rhu,Rhd 発熱抵抗体 Rf 帰還抵抗(測温抵抗体) Rf1,Rf2 分圧帰還抵抗

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流れに対して上流側と下流側とに
    配設される2つの発熱抵抗体と、 これらの発熱抵抗体を入力抵抗とする演算増幅回路によ
    る加算器と、 前記発熱抵抗体の各々に接続されて大きさが同じで極性
    の異なる電圧を供給する2つの基準電圧電源と、を備え
    ることを特徴とする加算器を利用して発熱抵抗体を駆動
    する感熱式流速検出装置。
  2. 【請求項2】 2つの基準電圧電源の一方は、他方の基
    準電圧電源の出力端子に接続された直流反転回路よりな
    ることを特徴とする請求項1記載の加算器を利用して発
    熱抵抗体を駆動する感熱式流速検出装置。
  3. 【請求項3】 2つの発熱抵抗体は、流路中に配設され
    る基板上に形成されており、加算器を構成する演算増幅
    回路は、前記基板上で前記発熱抵抗体の熱的影響を受け
    ない部位に形成された測温抵抗体を帰還抵抗として含む
    帰還抵抗回路を有することを特徴とする請求項1又は2
    記載の加算器を利用して発熱抵抗体を駆動する感熱式流
    速検出装置。
  4. 【請求項4】 帰還抵抗回路は、分圧帰還抵抗と演算増
    幅回路とを用いた分圧回路を有することを特徴とする請
    求項3記載の加算器を利用して発熱抵抗体を駆動する感
    熱式流速検出装置。
  5. 【請求項5】 分圧帰還抵抗は、その一方の抵抗値が測
    温抵抗体の抵抗値と同一値に設定されていることを特徴
    とする請求項4記載の加算器を利用して発熱抵抗体を駆
    動する感熱式流速検出装置。
  6. 【請求項6】 2つの発熱抵抗体が流路中に配設される
    基板上に形成されたマイクロブリッジ型フローセンサで
    あることを特徴とする請求項1記載の加算器を利用して
    発熱抵抗体を駆動する感熱式流速検出装置。
  7. 【請求項7】 2つの発熱抵抗体が流体の流れに対して
    上流側と下流側とに配設されるマスフローメータ型流速
    センサであることを特徴とする請求項1記載の加算器を
    利用して発熱抵抗体を駆動する感熱式流速検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160138067A (ko) * 2014-03-31 2016-12-02 히타치 긴조쿠 가부시키가이샤 열식 질량 유량 측정 방법, 당해 방법을 사용하는 열식 질량 유량계 및 당해 열식 질량 유량계를 사용하는 열식 질량 유량 제어 장치

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KR20160138067A (ko) * 2014-03-31 2016-12-02 히타치 긴조쿠 가부시키가이샤 열식 질량 유량 측정 방법, 당해 방법을 사용하는 열식 질량 유량계 및 당해 열식 질량 유량계를 사용하는 열식 질량 유량 제어 장치

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