JP3726261B2 - 熱式流量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の種別に応じてその流体の流量を最適に計測可能な熱式流量計に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
熱式流量計を構成するマイクロフローセンサは、例えば図5に示すようにシリコン基台B上に設けた発熱抵抗体からなるヒータ素子Rhを間にして、流体の通流方向Fに測温抵抗体からなる一対の温度センサRu,Rdを設けた素子構造を有する。そして熱式流量計は、上記ヒータ素子Rhから発せられる熱の拡散度合い(温度分布)が前記流体の通流によって変化することを利用し、前記温度センサRu,Rdの熱による抵抗値変化から前記流体の流量Qを検出する如く構成される。
【0003】
具体的にはヒータ素子Rhから発せられた熱が流体の流量Qに応じて下流側の温度センサRdに加わることで、該温度センサRdの熱による抵抗値の変化が上流側の温度センサRuよりも大きいこと利用して上記流量Qを計測するものとなっている。尚、図中Rrは、前記ヒータ素子Rhから離れた位置に設けられた測温抵抗体からなる温度センサであって、周囲温度の計測に用いられる。
【0004】
図6は上述したマイクロフローセンサを用いた熱式流量計の概略構成を示している。即ち、ヒータ素子Rhの駆動回路は、該ヒータ素子Rhと周囲温度計測用の温度センサRr、および一対の固定抵抗R1,R2を用いてブリッジ回路1を形成し、所定の電源から供給される電圧VccをトランジスタQを介して前記ブリッジ回路1に印加すると共に、該ブリッジ回路1のブリッジ出力電圧を差動増幅器2にて求め、そのブリッジ出力電圧がゼロ(0)となるように前記トランジスタQを帰還制御して前記ブリッジ回路1に加えるヒータ駆動電圧を調整するように構成される。このように構成されたヒータ駆動回路により、前記ヒータ素子Rhの発熱温度が、その周囲温度よりも常に一定温度差だけ高くなるように制御される。
【0005】
一方、前記一対の温度センサRu,Rdの熱による抵抗値変化から前記マイクロフローセンサに沿って通流する流体の流量Qを検出する流量検出回路は、上記一対の温度センサRu,Rdと一対の固定抵抗Rx,Ryを用いて流量計測用のブリッジ回路3を形成し、温度センサRu,Rdの抵抗値の変化に応じたブリッジ出力電圧を差動増幅器4を介して検出するように構成される。そして前記ヒータ駆動回路によりヒータ素子Rhの発熱量を一定化した条件下において、差動増幅器4を介して検出されるブリッジ出力電圧から前記マイクロフローセンサに沿って通流する流体の流量Qを求めるものとなっている。
【0006】
この流量Qの算出は、例えば上記ブリッジ出力電圧(センサ出力)を演算処理装置(CPU)に取り込むことによって行われる。この際、温度センサRu,Rdや固定抵抗Rx,Ryの抵抗値精度のバラツキに起因する誤差を打ち消すべく、前記流体の流量Qがゼロ(0)のときに前記ブリッジ出力電圧(センサ出力)がゼロ(0)となるように該ブリッジ出力電圧に所定のゼロ点補正基準量を加えてCPUに取り込むセンサ出力信号をオフセットすることも行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこの種の熱式流量計を用いて計測される流体の種別が異なる場合、流体の熱伝導率の違いに起因して、その流量が同じであってもセンサ出力が大きく異なることが否めない。そこで従来においては、例えば計測対象とする流体の種別に応じて温度センサRu,Rdによる検出感度を調整するようにしている。しかしながら流体の種別が不明なときには、検出感度を設定すること自体が困難である。
【0008】
また熱式流量計の用途によっては、該熱式流量計を通流する流体の種別が途中で変わることもある。例えば熱式流量計に窒素を通流させた後、該熱式流量計に水素を通流してその流量を計測することがある。この場合、その検出感度を水素の流量計測用として設定した熱式流量計においては、窒素の流量に対する計測範囲が狭いと言う問題がある。
【0009】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、計測対象とする流体の種別を判定し、流体の種別に応じた流量計測を可能とする熱式流量計を提供することにある。
また本発明は、流体の種別に応じて、その流量計測を適切に行うことのできる熱式流量計を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明に係る熱式流量計は、ヒータ素子と、このヒータ素子を間にして流体の通流方向にそれぞれ設けられた第1および第2の温度センサとを備えたものであって、
前記ヒータ素子を所定の発熱温度で駆動した際の該ヒータ素子で消費されるヒータ駆動電気量、例えばヒータ駆動電力、ヒータ駆動電圧、或いはヒータ駆動電流に基づいて、前記流体の種類を特定する流体種別判定手段を備えることを特徴としている。
【0011】
即ち、本発明に係る熱式流量計は、流体の種別により異なる熱伝導率に起因して、例えばヒータ素子を、その周囲温度よりも一定温度だけ高くなるように所定の発熱温度で駆動する際のヒータ駆動電気量(電力,電圧,電流)が流体の種別によって異なることに着目したもので、前記ヒータ素子を所定の発熱温度で駆動した際のヒータ駆動電気量に基づいて流体の種別を特定することを特徴としている。この際、上記ヒータ駆動電気量に加えて、そのときに検出されるセンサ出力を判定して流体の種別を特定する際の補助情報とすることも可能である。
【0012】
好ましくは前記流体種別判定手段は、流体の種別毎に流体の流量とヒータ駆動電気量との関係を示す複数の流体種別判定テーブルを備え、前記ヒータ素子に印加されているヒータ駆動電気量と上記各流体種別判定テーブルに登録されたヒータ電気量とをそれぞれ比較して、前記ヒータ素子に印加されているヒータ駆動電気量に最も近いヒータ電気量を登録している流体種別判定テーブルから流体の種別を特定するように構成される。
【0013】
また本発明に係る熱式流量計は、更に前記流体種別判定手段により特定された流体の種別に応じて、前記第1および第2の温度センサによりそれぞれ検出される温度の差に相当するセンサ出力から前記流体の流量を算出する流量算出手段を備えることを特徴としている。
好ましくは前記流量算出手段は、流体の種別毎に流体の流量とセンサ出力との関係を示す複数の流量変換テーブルを備え、前記流体種別判定手段により特定された流体の種別に応じて選択される流量変換テーブルを参照して前記センサ出力から前記流体の流量を求めるように構成される。
【0014】
尚、前記流量算出手段は、流体の流量とセンサ出力との関係を示す流量変換テーブルと、流体の種別に応じた流量変換係数を登録した流量補正係数テーブルとを備え、前記センサ出力に応じて前記流量変換テーブルから求められる流量を、前記流体種別判定手段により特定された流体の種別に応じて選択された流量変換係数を用いて補正して前記流体の流量を求めるものであっても良い。
【0015】
また本発明に係る熱式流量計は、更に特定した流体の種別に応じて、前記センサ出力の増幅利得を可変する利得調整手段を備え、センサ出力の増幅利得を可変設定することで、流体の種別に応じてその計測範囲(ダイナミックレンジ)を最適に設定することを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る熱式流量計について詳細に説明する。
図1はこの実施形態に係る熱式流量計の要部概略構成図を示している。この熱式流量計は、図5に示した素子構造のマイクロフローセンサを用い、基本的にはヒータ駆動回路および流量検出回路を図6に示すように構成して実現される。即ち、ヒータ素子Rhの駆動回路は、該ヒータ素子Rhと周囲温度計測用の温度センサRr、および一対の固定抵抗R1,R2を用いてブリッジ回路1を形成し、所定の電源電圧VccをトランジスタQを介して前記ブリッジ回路1に印加すると共に、該ブリッジ回路1のブリッジ出力電圧を差動増幅器2にて求め、そのブリッジ出力電圧が零となるように前記トランジスタQを帰還制御するように構成される。
【0017】
尚、ヒータ素子Rhに並列接続されたスイッチ素子としてのトランジスタSWは、例えば前記ヒータ素子Rhに印加されるヒータ駆動電圧Vh(ブリッジ駆動電圧)が予め設定されている許容最大値(基準電圧)を越えるときに導通(ON)されて前記ヒータ素子Rhの通電駆動を停止させる役割を担う。具体的にはスイッチ素子Rhを短絡し、ヒータ素子Rhへの上記ヒータ駆動電圧Vhの印加を停止させることで該ヒータ素子Rhの異常発熱を防止する役割を担う。
【0018】
また前記一対の温度センサRu,Rdの熱による抵抗値変化を検出する検出回路は、前記一対の温度センサRu,Rdと一対の固定抵抗Rx,Ryを用いて流量計測用のブリッジ回路3を形成し、温度センサRu,Rdの抵抗値の変化に応じたブリッジ出力電圧を差動増幅器4を介して検出するように構成される。即ち、この差動増幅器4は前記温度センサRu,Rdによりそれぞれ計測される温度の差に相当する温度差信号Vtを、前記ブリッジ出力電圧として検出するものとなっている。そしてこの温度差信号Vtは、センサ出力調整手段としての減算器5に与えられ、ゼロ点調整量Vadjが加えられて前記温度差信号Vtをオフセットしたセンサ出力信号Vout(=Vt+Vadj)として、演算処理部としてのCPU6に与えられるようになっている。
【0019】
尚、上記ゼロ点調整量Vadjは、温度センサRu,Rdや固定抵抗Rx,Ry等の抵抗値精度のバラツキに起因する計測誤差を補正する為のもので、前記温度差信号Vtをゼロ点補正し、流体の流量Qがゼロ(0)のときに前記センサ出力信号Voutがゼロ(0)となるように補正する役割を担い、通常、流量計の出荷時に調整される。ちなみにこのゼロ点調整量Vadjは、流体の流量Qが一定値Voのときの温度差信号がVtとして与えられるとき、Vref=Vo−Vtとして設定されて前記減算器5に与えられる。
【0020】
また前記差動増幅器4には、複数の帰還抵抗Rf1,Rf2,〜Rfnが選択的に介挿され、その増幅利得が多段階に調整されるようになっている。これらの帰還抵抗Rf1,Rf2,〜Rfnの選択接続による差動増幅器4の増幅利得の設定は、後述するCPU6が備える流体種別判定手段6bの制御の下で、流体の種別に応じて実行される。
【0021】
さて上述した如くしてヒータ素子1の発熱温度を制御しながら、前記第1および第2の温度センサRu,Rdにてそれぞれ検出される温度の差に相当するセンサ出力信号Voutに従って流体の流量Qを求める熱式流量計において、この実施形態が特徴とするところは、CPU6が、前記ヒータ素子Rhの駆動電気量として、例えば該ヒータ素子Rhに印加されるヒータ駆動電圧Vhを求めるヒータ電力検出部6aと、このヒータ電力検出部6aにて求められたヒータ駆動電力Phに従って流体の種別を特定(判定)する流体種別判定手段6b、更にこの流体種別判定手段6bにて求められた流体の種別に応じて前記センサ出力信号Voutから流体の流量Qを求める流量算出手段6cを備えている点にある。
【0022】
ヒータ電力検出部6aは、ヒータ素子Rhに印加される電圧V1と、このヒータ素子Rhを含むブリッジ回路1に印加される電圧V2とから上記ヒータ素子Rhにおける駆動電力を求めるものである。尚、ヒータ素子Rhの駆動方式によっては、ヒータ素子Rhに印加される電圧V1、またはヒータ素子Rhを含むブリッジ回路1に印加される電圧V2を、該ヒータ素子Rhでの駆動電力(電気量)と看做して検出することも可能であり、またヒータ素子Rhに流れる電流から該ヒータ素子Rhにおける駆動電力(電気量)を求めるようにしても良い。要はヒータ素子Rhでの発熱量に相当する値を、該ヒータ素子Rhにおける電力・電圧・電流として求めるようにすれば良い。
【0023】
一方、前記流体種別判定手段6bは、前記CPU6が備えるEEPROMからなるメモリ7に予め登録されたテーブルを参照して、前記ヒータ電力検出部6aにて求められたヒータ駆動電力Phに応じて、流体の種別を特定(判定)している。
即ち、メモリ7には、流体の種別毎に、例えば図2に示すような流量Qとその流量計測時のヒータ駆動電力Phとの関係を示す複数の流体種別判定テーブル8a,8b,〜8nが登録されている。流体種別判定手段6bは前記ヒータ電力検出部6aにて求められたヒータ駆動電力Phと、上記各流体種別判定テーブル8a,8b,〜8nに示されるヒータ駆動電力Pha,Phb,〜Phnとをそれぞれ比較して前記ヒータ電力検出部6aにて求められたヒータ駆動電力Phに最も近いヒータ駆動電力Pha,Phb,〜Phnを記述した流体種別判定テーブル8a,8b,〜8nを選択し、この流体種別判定テーブル8a,8b,〜8nを得た流体の種別を、前記マイクロフローセンサを通流している流体として特定している。
【0024】
具体的には、例えば図2に示すようにその流量Qが同じである場合でも、その流体が水素(H2)である場合と窒素(N2)である場合とで、その熱伝導率の違いによりヒータ駆動電力Phが大きく異なる。流体種別判定手段6bは、このような流体の種別によって異なるヒータ素子Rhの駆動電力Phの違いを利用して流体の熱伝導率の違いを判定し、その種別を特定している。そして特定した流体の種別の情報を、前記流量算出手段6cに与えると共に、後述するように必要に応じてゲイン調整信号を発生して前記増幅器4によるセンサ出力信号Voutに対する増幅利得を調整するものとなっている。このようにしてセンサ出力信号Voutに対する増幅利得を調整すれば、流量算出手段6cにて処理可能なセンサ出力信号Voutの入力電圧範囲を有効に活用して、流量Qの計測範囲(ダイナミックレンジ)を容易に拡大することが可能となる。
【0025】
また前記メモリ7には、流体の種別毎に、例えば図3に示すような流量Qとセンサ出力信号Voutとの関係を示す複数の流量変換テーブル9a,9b,〜9nがそれぞれ登録されている。即ち、図3に流体が水素(H2)である場合と窒素(N2)である場合とにおける流量Qとセンサ出力信号Voutとの関係を例示するように、流量Qが同じ場合であっても、そのセンサ出力信号Voutは流体の種別によって大きく異なる。そこでメモリ7は、流体の種別に応じてその流量Qとセンサ出力信号Voutとの関係をそれぞれ示す複数の流量変換テーブル9a,9b,〜9nを登録し、これらの流量変換テーブル9a,9b,〜9nを前記流量算出手段6cによる流量算出処理に選択的に供するものとなっている。
【0026】
そして前記流量算出手段6cにおいては、前述した如く特定された流体の種別に応じて前記メモリ7に予め登録されている該当する流体の種別の流量変換テーブル9a,9b,〜9nを選択的に参照し、前記センサ信号出力Voutに応じた流量Qを算出するものとなっている。このようにして算出された流体の流量Qは、前記CPU6の周辺機器として設けられた表示器10にて表示される。尚、この表示器10を用いて前述した如く特定した流体の種別や、後述する各種のメッセージ等を表示するようにしても勿論良い。
【0027】
尚、前記メモリ7に流体の種別に応じた流量補正係数を登録した流量補正係数テーブル11を設けておき、前述した如く判定された流体の種別に応じて流量補正係数を求めるようにしても良い。そして流量算出手段6cにおいては、上記流量補正係数テーブル11から求められた流量補正係数に従って、前記流量変換テーブル9から求められる流量を補正して流体の流量Qを算出するものであっても良い。
【0028】
具体的には流体が水素(H2)の場合と窒素(N2)の場合とでは、図5に示すようにそのセンサ出力Voutは、同じ流量に対して略5倍の違いがあるに過ぎない。従って、例えば流量変換テーブル9から求められる窒素(N2)の流量を基準として、前記流体種別判定手段6bにて求められた流体の種別が水素(H2)である場合には、前記流量補正係数テーブル11から求められた水素に対する流量補正係数に従って、その流量を5倍に補正して水素(H2)の流量Qを求めるようにしても良い。このようにすれば、基準となる流体の種別に応じた流量変換テーブル9を備えるだけでよいので、その構成の簡素化を図ることが可能となる。
【0029】
図4はこのような処理を実行して流量計測を行うCPU6における処理手順の一例を示している。この処理手順を簡単に説明すると、先ずヒータ駆動電圧Voutを検出し[ステップS1]、そのヒータ駆動電圧Voutが水素が通流しているときの電圧に相当するか否かを判定する[ステップS2]。即ち、流量計に水素ガスまたは窒素ガスが通流する可能性がある場合には、図2に示すような通流ガスの異なりによるヒータ電力の違いを利用して、通流ガスが水素であるか、或いは窒素であるかを判定する(特定する)。
【0030】
そして通流ガスが水素であると判定された場合には、水素計測用のゲイン(増幅利得)を設定して[ステップS3]、そのときのセンサ出力電圧Voutを検出することで流量測定を行う[ステップS4]。そして前記メモリ7から水素ガス用の流量変換テーブル9aを選択して上記センサ出力電圧Voutに相当する流量Qを求める[ステップS5]。
【0031】
逆に通流ガスが窒素であると判定された場合には、窒素計測用のゲイン(増幅利得)を設定して[ステップS6]、そのときのセンサ出力電圧Voutを検出することで流量測定を行う[ステップS7]。そして前記メモリ7から窒素ガス用の流量変換テーブル9bを選択して上記センサ出力電圧Voutに相当する流量Qを求める[ステップS8]。
【0032】
このようにしてヒータ素子Rhを所定の発熱温度で駆動したときのヒータ駆動電力Ph(ヒータ駆動電圧Vh)が流体の熱伝導率により異なることを利用して流体流量計測時におけるヒータ駆動電力Ph(ヒータ駆動電圧Vh)から流体の種別を判定(特定)し、特定した流体の種別に応じてそのときのセンサ出力信号Voutからその流量Qを算出するようにした熱式流量計によれば、流体の種別に拘わることなく、その流量Qを正確に計測することができる。特に流体の種別に応じた流量変換テーブル9a,9b,〜9nを選択的に用いて前記センサ出力信号Voutから流量Qを算出するので、その計測精度を十分に高め得る。
【0033】
またこの際、特定した流体の種別に応じてセンサ出力信号Voutを得る上での増幅利得(検出ゲイン)を可変設定するので、流量Qの変化に応じたセンサ出力信号Voutの変化幅を、CPU6の検出ダイナミックレンジに容易に適合させることができ、従ってその計測分解能を十分に高く設定することができる等の利点もある。
【0034】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えばここではヒータ駆動電力Ph(ヒータ駆動電圧Vh)の違いから流体の種別を検出したが、ヒータ駆動電力Ph(ヒータ駆動電圧Vh)の違いが明確でない流体の種別については、そのときのセンサ出力信号Voutの異なりを流体種別の判別情報として利用することも可能である。またヒータ素子Rhの駆動方式によっては、ヒータ駆動電流を検出して流体の種別を特定することも勿論可能である。また前述した流体種別判定テーブル8a,8b,〜8nや流量変換テーブル9a,9b,〜9nについては、流量計を通流すると想定される流体の種別に応じて予め設けておけば良いものである。
【0035】
また実施形態においては、検出回路(差動増幅器4)の増幅利得を、その帰還抵抗の切り替えによりハードウェア的に可変してその検出感度を調整したが、CPU6においてソフトウェア的にその検出感度を可変設定することも勿論可能である。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ヒータ素子を所定の発熱温度で駆動した際の該ヒータ素子における駆動電力に基づいて流体の種類を特定し、その上でセンサ出力から流体の種別に応じた流量を求めるので、流体の種別に拘わることなしに流体の流量を正確に求めることができる。しかも流量計を通流する流体の種別が途中で変わるような場合であっても、そのときの流体の種別に応じてその流量を正確に計測することができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る熱式流量計の要部概略構成図。
【図2】流体の種別によって異なる流量とヒータ駆動電力との関係を示す図。
【図3】流体の種別によって異なる流量とセンサ出力信号との関係を示す図。
【図4】図1に示す熱式流量計におけるCPUでの処理手順の例を示す図。
【図5】マイクロフローセンサの概略構成図。
【図6】従来の一般的なヒータ駆動回路と流量検出回路の構成例を示す図。
【符号の説明】
Rh ヒータ素子
Ru 温度センサ(上流側)
Rd 温度センサ(下流側)
Rr 温度センサ(周囲温度計測用)
1 ブリッジ回路(ヒータ駆動用)
2 差動増幅器
3 ブリッジ回路(流量計測用)
4 差動増幅器
5 減算器(センサ出力調整手段)
6 CPU
6a ヒータ電圧検出部
6b 流体種別判定手段
6c 流量算出手段
7 メモリ(EEPROM)
8a,8b,〜8n 流体種別判定テーブル
9a,9b,〜9n 流量変換テーブル
10 表示器
11 流量補正係数テーブル

Claims (6)

  1. ヒータ素子と、このヒータ素子を間にして流体の通流方向にそれぞれ設けられた第1および第2の温度センサとを備えた熱式流量計であって、
    前記ヒータ素子を所定の発熱温度で駆動した際の該ヒータ素子における駆動電気量に基づいて、前記流体の種類を特定する流体種別判定手段を備えることを特徴とする熱式流量計。
  2. 前記流体種別判定手段は、流体の種別毎に流体の流量とヒータ駆動電気量との関係を示す複数の流体種別判定テーブルを備え、
    前記ヒータ素子における駆動電気量と上記各流体種別判定テーブルに登録されたヒータ電気量とをそれぞれ比較して、前記ヒータ素子に印加されているヒータ駆動電気量に最も近いヒータ電気量を登録している流体種別判定テーブルから流体の種別を特定するものである請求項1に記載の熱式流量計。
  3. 請求項1に記載の熱式流量計において、
    更に前記流体種別判定手段により特定された流体の種別に応じて、前記第1および第2の温度センサによりそれぞれ検出される温度の差に相当するセンサ出力から前記流体の流量を算出する流量算出手段を備えることを特徴とする熱式流量計。
  4. 前記流量算出手段は、流体の種別毎に流体の流量とセンサ出力との関係を示す複数の流量変換テーブルを備え、
    前記流体種別判定手段により特定された流体の種別に応じて選択される流量変換テーブルを参照して前記センサ出力から前記流体の流量を求めるものである請求項3に記載の熱式流量計。
  5. 前記流量算出手段は、基準となる流体の流量とセンサ出力との関係を示す流量変換テーブルと、流体の種別に応じた流量変換係数を登録した流量補正係数テーブルとを備え、
    前記センサ出力に応じて前記流量変換テーブルから求められる流量を、前記流体種別判定手段により特定された流体の種別に応じて選択された流量変換係数を用いて補正して前記流体の流量を求めるものである請求項3に記載の熱式流量計。
  6. 請求項1または3に記載の熱式流量計において、
    更に特定した流体の種別に応じて、前記センサ出力の増幅利得を可変する利得調整手段を備えることを特徴とする熱式流量計。
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