JP6501754B2 - メチルメタクリレートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メタクロレインの直接酸化エステル化によるメチルメタクリレートの製造方法、およびメタクロレインの製造に関する。
メチルメタクリレートは、別の重合可能な化合物を使用してポリマーおよびコポリマーを製造するために大量に使用される。さらに、メチルメタクリレートは、相応のアルコールとのエステル交換により製造される、種々の、メタクリル酸(MAS)を基とする特殊エステルの重要な構成要素である。
このことから、前記出発材料のための、できる限り簡単で、経済的かつ環境に優しい製造方法に高い関心があることが明らかである。
メチルメタクリレート(MMA)は、現在、主に、シアン化水素およびアセトンから出発して、生じたアセトシアンヒドリン(ACH)を経由して中心中間体として製造されるものである。この方法は、硫酸アンモニウムが極めて大量に作り出され、その再生には極めて高い費用が伴うことが欠点である。別の原料ベースをACHとして使用するさらなる方法は、関連する特許文献に記載されており、その間に生産規模で実現されている。この関連において、現在、C4ベースの原料、例えば、イソブチレンまたはtert−ブタノールも出発材料として使用されており、これらは、複数の処理過程によって所望のメタクリル酸誘導体にされる。
ここで、一般に、イソブチレンまたはtert−ブタノールを、第一段階で酸化させてメタクロレインにし、これに続いて酸素と反応させてメタクリル酸にする。得られたメタクリル酸を次にメタノールでMMAにする。前記方法についての詳細は、特に、Ullmann’s Encyclopeia of Industrial Chemistry 2012,Wiley−VCH Verlag GmbH&Co.KGaA,Weinheim,Methacrylic Acid and Derivatives,DOI:10.1002/14356007.a16_441.pub2、およびTrends and Future of Monomer−MMA Technologies,SUMITOMO KAGAKU 2004−IIに説明されている。
この製造方法の変更態様によれば、C4構成要素、例えば、イソブチレンの代わりに、エチレンから出発することもでき、このエチレンを合成用ガスと反応させてまずプロパナールにし、続いてホルムアルデヒドと反応させてメタクロレインにする。得られたメタクロレインを、気相中の空気によって不均一触媒上で酸化させてメタクリル酸にして、このメタクリル酸をメタノールでエステル化してMMAにする(Ullmann’s Encyclopeia of Industrial Chemistry 2012,Methacrylic Acid from Ethylene、およびTrends and Future of Monomer−MMA Technologies,SUMITOMO KAGAKU 2004−II)。この方法は、BASFによって1990年以来、生産能力40,000t/aの設備でメタクリル酸を製造するために実施される。SUMITOMOによる論文によれば、前記方法は、BASFが特異的な要求のために開発した方法であるため、したがって、この方法を一般に、比較的大量のMMAを製造するために使用するのは難しいとされる。
さらなる方法では、MMAは、イソブチレンまたはtert−ブタノールを、気相中の大気酸素によって不均一触媒上で酸化させてメタクロレインにし、続いてメタノールを使用してメタクロレインの酸化エステル化反応させることによって得られる。ASAHIによって開発されたこの方法は、特に、刊行物US5,969,178およびUS7,012,039に記載されている。この方法は、SUMITOMOの論文にも記載されており、ここで、この方法の欠点は、特に無圧の作動形態によって引き起こされる高い所要エネルギーであると詳細に指摘されている。
上述のすべての方法では、特に、さらにまた、比較的不充分な収率、酸化工程における高い損失、およびそれに伴うCO2の形成、および一般に、それに伴う、生成物を単離するための費用のかかる方法工程を前提とする副生成物の形成が問題である。例えば、イソブチレンまたは等価のC4系原料、例えばTBAまたはMTBEから出発する方法はすべて、不均一系触媒系での気相酸化において90%未満の収率に達し、前記関連文献では、イソブチレンから出発するメタクロレイン製造の場合の収率は85%未満であると記載されている(例えば、上記Ullmann’s Encyclopediaの第5表/Sumitomo参照)。実質的に、気相法は、1〜2bar(絶対圧)の中圧で進行して、プロセスガスを生成し、このプロセスガス中に、生成物成分は約4〜6体積%しか含まれていない。有価生成物の不活性ガスバラストからの単離は、相応してエネルギー的に高価であり、多段階の蒸留による後処理工程のために大量の冷却エネルギーならびに蒸気を消費する。
前記方法によるMMAの製造では、比較的大量の廃棄物、特に、排ガスまたは廃水が形成され、これらは、費用をかけて取り除かなければならない。
さらに、前述の方法のいくつかを実施するためには、極めて複雑かつそのため高価な設備が必要となり、高い投資費用および維持費を伴う。
前記引用のSUMITOMOによる調査論文には、それぞれの欠点が詳細に示されており、これを参照することができる。
さらに、特許出願CN101074192には、MMAの製造方法であって、まずプロパナールとホルムアルデヒドとから、40〜45℃の範囲の温度および30〜100分の範囲の反応時間でメタクロレインを形成させ、続いて、このメタクロレインをメタノールで酸化させてMMAにする前記方法が記載されている。さらに、類似の方法は、Yuchao Liら“Synthesis of methacrolein by condensation of propionaldehyde with formaldehyde”,Advance Materials Research Vols.396−398(2012)、1094〜1097ページによって提案されている。この刊行物には、高温または超過圧力での作業をしないようにはっきりと勧告されている。この方法の欠点は、反応の触媒作用に使用される酸およびアミンの必要量が多いことである。それによって大量の副産物(Abfallprodukten)が生じる、それというのは、アミンが、前記条件下に著しい割合で分解されるからである。触媒を不活性化させる副反応のひとつは、エシュバイラークラーク反応であり、この反応は、マンニッヒ反応をそれ以上触媒作用することができないメチル化された第三級アミンの形成をもたらすものである(US4,408,079、第2欄、15行以下)。例えば、ジメチルアミンからトリメチルアミンになる。
ここで、Liの記載の通り、標準圧またはほぼ標準圧にて、高い化学量論量の触媒塩基を使用して実施する場合、前記触媒の不活性化が増大するに至り、これは、つまりは経済的な作業形態ではない。この問題によって、高い費用が生じ、前記方法を比較的不経済にしている。無圧の反応操作によって引き起こされる長い反応時間は、前記2つの方法のさらなる深刻な欠点である。
EP0890569は、メタクロレインのメタノールでの直接酸化エステル化によるメチルメタクリレートの製造方法を開示している。ここで、EP0890569は、メタクロレイン中の2質量%未満、好ましくは1質量%未満の低い含水率が、前記酸化エステル化に必須であることを明確に教示している。例には、0.8質量%未満の含水率での反応しか記載されていない。さらに、この教示によれば、不純物の含有量は、全体的に低い必要があることが重要である。したがって、EP0890069は、気相中で、酸素によって酸化的にイソブチレンからメタクロレインを製造し、続いて費用をかけて塔内で脱水することを教示している。
EP0092097およびDE2855504は、液相中でのメタクロレインの代替的な合成方法を教示している。この方法では、プロパナールとホルムアルデヒドとを反応させる。しかし、この方法では、大量の水が生じ、EP0890569の教示によれば、これによって前段階として費用のかかる精製をしない方法は、メタクロレインを酸化エステル化してメチルメタクリレートにするのに適さない。しかし、含水率が高いことの他に、この方法で使用される出発材料および副生成物、例えば、二量体のメタクロレインが、酸化エステル化において収率を低下させる、もしくは不利に影響を及ぼす可能性もある。例えば、DE2855504によれば、生成物が5質量%超のアルドール副生成物を含む場合、酸化エステル化において悪影響を及ぼし、メタクロレインの費用のかかる精製は必須となる。
したがって、先行技術を考慮すると、本発明の課題は、慣用の方法の欠点を有していない、工業的に改善されたMMAの製造方法を提供することである。
特に、前記方法が、比較的少ない所要エネルギーでMMAの生成を可能にするのが望ましい。さらに、前記方法は、極めて環境に優しく実施できることが望ましく、その結果得られる廃棄物は少量である。特に、本発明の課題は、例えば、生成物選択率の高い個々の反応工程を見いだして、組み合わせることによって、使用される原料を基準とするMMAの総収率を改善することである。
さらに、前記方法は、可能な限り少ない方法工程で実施できるのが望ましく、ここで、前記方法工程は、簡単かつ再現可能であることが望ましい。
さらに、前記方法は、比較的簡素かつ経済的な設備で実施できるのが望ましい。この設備は、それに応じてわずかな投資費用しか伴わないのが望ましい。ここで、前記設備は、簡素であることが期待され、およびわずかな維持費用しか生じないことが望ましい。
さらなる明確に記載されていない課題は、以下の記載および請求項の構成全体から明らかである。
上述の記載ならびに明確に記載されていないが、本願の冒頭で議論した関連から容易に導き出すことが可能である、または推論可能であるさらなる課題は、請求項1のすべての特徴を有する方法により解決される。本発明によるMMAの製造方法の好適な変更態様は、下位請求項2から18までにおいて保護される。
本発明の対象は、それに応じて、MMAの製造方法であって、以下の工程:
A)プロパナールとホルムアルデヒドとからメタクロレインを製造する工程、および
B)工程A)で得られたメタクロレインを酸化エステル化反応において反応させてMMAにする工程
を含み、
前記2つの工程A)およびB)を、液相中で2〜100barの圧力で行うこと、ならびに工程B)を、金属および/または金属酸化物を含む、貴金属含有の不均一系触媒の存在下に実施することを特徴とする前記方法である。
本発明による方法によって、慣用の方法の欠点を有していないMMAの製造方法を、予期できない方法で提供することに成功する。ここで、驚くべきことに、方法工程A)およびB)は、先行技術の一般的な教示と比べて、メタクロレインの費用のかかる中間接続された精製もしくは脱水なしに組み合わすことも可能であり、高いメチルメタクリレートの収率をもたらすことが確認された。
特に、MMAを比較的少ない所要エネルギーで生成することができる。さらに、前記方法は、極めて環境に優しく実施することができ、ここで、得られる廃棄物は比較的少量であり、アトムエコノミーは、はるかに改善される。
特に、本発明による方法では、反応工程A)およびB)のいずれにおいても反応混合物に追加の水を供給して、その後再び分離する必要がない、それによって、反応容積および流を全体的に低く維持することができる。
さらに、前記方法は、比較的少ない方法工程で実施することができ、ここで、前記方法工程は、簡単かつ再現可能であり、比較的高い空時収率で進行する。
さらに、製造されるMMA1トンあたりの触媒、特に有機塩基の必要量は、極めて少ない。
さらに、前記方法は、比較的簡素かつ経済的な設備で実施することができる。この設備は、わずかな投資費用しか伴わない。ここで、前記設備は、簡素であることが期待され、わずかな維持費しか生じない。
この関連において、還流の数および大きさが、先行技術による方法と比べて低下していることは注目すべきことである。
さらに、生じた副生成物は、極めて簡単に反応混合物から分離することができるため、前記方法は、費用のかかる精製工程を必要とせずに全体的に高い収率で実施することができる。
工程A)
本発明による方法は、メタクロレインの製造を含む。そのために好適な方法は、当業者に公知であり、相応の調査論文、例えば、Ullmann’s Encyclopeia of Industrial Chemistry 2012,Wiley−VCH Verlag GmbH&Co.KGaA,Weinheim,Acrolein and Methacrolein,DOI:10.1002/14356007.a01_149.pub2の対象である。
最初の処理過程において、本発明による方法は、プロパナールとホルマリンとを反応させてメタクロレインにする工程を含む。
特に、方法実施の間に別個に添加される水もしくは水蒸気の総量が、それぞれメタクロレインに対して100Mol%以下、好ましくは50Mol%以下、特に好ましくは30Mol%以下、最も好ましくは10Mol%以下である方法が好適である。最も好適であるのは、反応工程のいずれにおいても反応混合物に水を別個に加えないメタクロレインの製造方法である。ただし、反応物質および/または触媒と一緒に導入される水ならびに生じる反応水は除外される。
しかし、含水率があまり重要でない、もしくは、5質量%の濃度までは、方法工程B)の酸化エステル化にほとんど影響しないことは驚くべきことである。したがって、前記引用した先行技術を考慮すると、特に、プロパナールおよびホルムアルデヒドからのメタクロレイン合成と酸化エステル化とを組み合わせることができ、ここで、さらに、方法工程A)の後の脱水を任意にしないで済ますことができることは驚くべきことである。
アルドール縮合もしくはマンニッヒ縮合によって達成される反応は、それ自体重要でない。しかし、高い収率およびわずかな副生成物形成を特徴とする方法が好ましい。
したがって、プロパナールの使用量に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも92%の選択率を有する反応が使用されるのが好ましい。
さらに、反応帯域の1回の貫流で高い収率および高い転化率を有する反応が好ましい。好ましい反応は、プロパナールの使用量に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも92%の収率および転化率であることを特徴とする。
さらに、工程A)による反応は、好ましくは、プロパナール対ホルムアルデヒドのモル比が、2:1〜1:2、特に好ましくは1.5:1〜1:1.5、殊に好ましくは1.1:1〜1:1.1の範囲で行われることが企図されていてよい。プロパナール対ホルムアルデヒドが等モル比で使用されるのが殊に好ましい。それによって、特に、転化率が高い場合、プロパナールおよび/またはホルムアルデヒドを、工程A)による反応後に得られた混合物から分離および返送せずに済ますことができる。
一般に、プロパナールとホルムアルデヒドとを反応させるために触媒が使用され、ここで、選択率が高い場合に、メタクロレインの高い収率をもたらす種々の系が公知である。
プロパナールおよびホルムアルデヒドから出発する、メタクロレインの好ましい製造方法は、特に、刊行物US7,141,702;DE3213681A1;US4,408,079;US2,848,499;JP4173757A(JP19900300135);JP3069420B2およびEP0317909A2に記載されており、ここで、これらの刊行物の教示は、開示目的のために、これらを参照することによって本願に組み込まれる。
プロパナールとホルムアルデヒドとの反応は、酸、一般に、無機酸、有機モノカルボン酸、有機ジカルボン酸もしくは有機ポリカルボン酸、好ましくはモノカルボン酸、特に脂肪族モノカルボン酸の存在下に実施される。
カルボン酸として、1〜10個、好ましくは2〜4個の炭素原子を有する脂肪族モノカルボン酸、または2〜10個、好ましくは2個および4〜6個の炭素原子を有するジカルボン酸およびポリカルボン酸が使用されるのが好適である。前記ジカルボン酸およびポリカルボン酸は、芳香族カルボン酸、芳香脂肪族カルボン酸、好ましくは脂肪族カルボン酸であってよい。例えば、酢酸、プロピオン酸、メトキシ酢酸、n−酪酸、イソ酪酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸が好適である。根本的に、別の有機酸も同じく使用可能であるが、一般に、費用の理由からあまり好適ではない。無機酸として、一般に、硫酸およびリン酸が使用される。酸混合物が使用されてもよい。
プロパナールとホルムアルデヒドとの反応のために、少なくとも1つの有機酸、特に好ましくは酢酸が使用されるのが特に好ましい。
酸の割合は、プロパナールに対して0.1〜20Mol%、有利には0.5〜10Mol%、好ましくは1〜5Mol%である。
プロパナールとホルムアルデヒドとの反応は、有機塩基、好ましくはアミン、特に好ましくは第二級アミンの存在下に実施される。アミンとして、化学式R12NHのアミンが考慮され、前記式中、R1およびR2は、同じまたは異なっており、それぞれ、1〜10個、有利には1〜8個、特に1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であって、さらにエーテル基、ヒドロキシ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、特に、それらの基の1〜2つの基で置換されていてよい前記アルキル基、7〜12個の炭素原子を有するアラルキル基、5〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味し、R1およびR2は、隣接する窒素と一緒に、さらに、さらなる窒素原子および/または酸素原子を含んでおり、1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基またはアルキル基で置換されていてよい複素環、有利には五員複素環〜七員複素環の環員を表しうる。
アミンとして、例えば、以下が考慮される:ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、メチルイソプロピルアミン、メチルイソブチルアミン、メチル−sec−ブチルアミン、メチル−(2−メチルペンチル)アミン、メチル−(2−エチルヘキシル)アミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルピペラジン、N−ヒドロキシエチルピペラジン、ピペラジン、ヘキサメチレンイミン、ジエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルシクロヘキシルアミン、メチルシクロペンタルアミン、ジシクロヘキシルアミンまたは相応の混合物。
さらに、使用されるアミンの少なくとも1つが、ヒドロキシ基を有していないことが企図されていてよい。少なくとも1つのヒドロキシ基を有するアミンの割合は、使用されるアミンの質量に対して最大で50質量%、好ましくは最大で30質量%、特に好ましくは最大で10質量%であるのが特に好ましい。
有機塩基、好ましくは第二級アミンの割合は、プロパナールに対して0.1〜20Mol%、有利には0.5〜10Mol%、好ましくは1〜5Mol%である。
アミン当量対酸の比は、反応混合物中で、反応の前にpH値が2.5〜9になるように選択されるのが好ましい。
さらに、酸対有機塩基、好ましくはアミンのモル比が、20:1〜1:20の範囲、好ましくは10:1〜1:10の範囲、特に好ましくは5:1〜1:5の範囲、殊に好ましくは2:1〜1:2の範囲であることが企図されていてよい。
プロパナールとホルムアルデヒドとの反応の、反応帯域の出口における反応温度は、100〜300℃、好ましくは130〜250℃、好ましくは140〜220℃、特に150〜210℃である。
反応圧力は、2〜300bar、好ましくは5〜250bar、特に好ましくは10〜200bar、有利には15〜150bar、好ましくは20〜100bar、特に40〜80barの範囲である。圧力および温度は、反応が、常に、反応混合物の沸点を下回って行われる、つまり、反応が液相中で進行するように調整される。
本願の範囲における圧力はすべて、絶対圧として基準単位barで示される。
滞留時間もしくは反応時間は、好ましくは最大で25分、好適には0.01〜25分、有利には0.015〜10分、好ましくは0.03〜2分である。滞留時間もしくは反応時間が、0.1〜300秒の範囲、殊に好ましくは1〜30秒の範囲であるのが特に好ましい。10分未満の滞留時間の場合、反応器として管型反応器が使用されるのが有利である。ここで、滞留時間は、前記反応混合物が反応する時間を指す。ここで、すべての成分が、反応圧力および温度で存在しているため、前記時間は、測定点と放圧点との距離から算出することができる。放圧点は、前記混合物が、反応圧力から5bar未満の圧力にされる点である。
前記反応混合物中には、水の他に、さらに有機溶媒、例えば、プロパノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メトキシエタノールが含まれていてよい。
さらに、工程A)によるプロパナールとホルムアルデヒドとのメタクロレインへの反応は、ホルマリンに対して好ましくは少なくとも0.1質量%、好ましくは少なくとも0.2質量%、特に好ましくは少なくとも0.5質量%のメタノールの存在下に行われることが企図されていてよい。この比較的高いメタノール濃度にもかかわらず、本発明による後続工程B)の反応操作のゆえに、ホルマリン製造および/またはメタクロレイン精製の段階で、メタノールの費用のかかる分離をせずに済ますことができる。
特別な実施態様によれば、ホルムアルデヒドおよびプロパナールは、これらの出発材料を反応圧力および/または温度にする前に混合されてよい。
前記反応は、以下の通り実施することができる:プロパナール、アミン、ホルムアルデヒド、好適には水および/または酸および/または塩基の混合物を、反応時間の間、反応温度および反応圧力で維持する。
好ましい実施態様では、ホルムアルデヒドとプロパナールとからの混合物(好適には等モル混合物)は、熱交換器によって所望の反応温度に加熱されて、管型反応器に供給されてよい。触媒溶液(好適にはH2O中の、第二級アミンおよび酸の溶液)は、反応器入口で前記混合物に注入されてよく、この溶液は、場合により、熱交換器によって同じく反応温度に加熱される。発熱性の強い反応が使用され、反応混合物は、さらに熱せられる。反応が進行する圧力は、反応器出口の圧力調整弁によって、前記反応混合物が、高温でも、反応時間の間、反応器内で依然として液体であり続ける値に維持されるのが好ましい。前記反応の後、前記反応混合物は、標準圧に放圧されて、後処理されてよい。プロパナールとホルムアルデヒドとからメタクロレインを製造する場合、反応混合物を、塔に導入して、そこで水蒸気でストリッピングするのが好ましい。メタクロレインは、水と一緒に頂部で前記塔を離れる。前記混合物が凝縮されて、相分離容器によって上相と下相とに分離される。上相は、メタクロレインを含み、工程B)による酸化エステル化において反応してMMAになる。下相は、主に水からなる。好ましくは、下相は、なおもその中に溶解しているメタクロレインを除去するために、少なくとも部分的に、前記塔に再び返送されてよい。
触媒水溶液は、塔底で、前記反応で形成された水およびホルムアルデヒド溶液の水と一緒に取り除くことができる。さらなる加工のために、極めて少ないアミンおよび/または酸が使用されるため触媒を返送するに値しない場合、底部の液体は廃棄されてよい。
しかし、底部排出物中のアミンおよび/または酸の濃度が比較的高い場合、水を部分的に蒸留分離して、触媒溶液を再び反応器に返送してもよい。さらに、前記底部排出物は、2つの部分流に分けられ、部分流は、反応で形成されて出発材料と一緒に導入された量の水を伴う。この部分流をその後排出させて、残りの含分は反応器に返送される。水性ホルムアルデヒドおよびプロパナールは、別個に予熱されて、反応器に供給されてもよい。
メタクロレインの製造に使用されるプロパナールは、商業的に大量に得ることができる。好ましくは、この化合物は、エチレンと一酸化炭素(CO)と水素(H2)との反応により得ることができる。そのために一般に実施されるヒドロホルミル化反応が一般に公知であり、ここで、そのために、標準的文献、例えば、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,John Wiley&Sons,Inc.,OXO Process、およびFrankeら、Applied Hydroformylation,dx.doi.org/10.1021/cr3001803,Chem.Rev.2012,112,5675−5732が参照され、ここで、これらの刊行物は、開示目的のために、これらを参照することによって本願に組み入れられる。
一般に、この反応のために触媒が使用される。好ましい触媒には、特に、ロジウム、イリジウム、パラジウムおよび/またはコバルトを含む化合物が含まれ、ここで、ロジウムが、特に好ましい。
特別な実施態様によれば、特に、少なくとも1つのリン含有化合物を配位子として含む錯体が、触媒作用に使用されてよい。好ましいリン含有化合物は、芳香族基および少なくとも1つ、特に好ましくは2つのリン原子を含む。このリン含有化合物には、特にホスフィン、ホスファイト、ホスフィナイト、ホスホナイトが含まれる。ホスフィンの例は、トリフェニルホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−(1−ナフチル)ホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィンである。ホスファイトの例は、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリ−n−プロピルホスファイト、トリ−i−プロピルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリ−i−ブチルホスファイト、トリ−t−ブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4メトキシフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(p−クレシル)ホスファイトである。ホスホナイトの例は、メチルジエトキシホスフィン、フェニルジメトキシホスフィン、フェニルジフェノキシホスフィン、2−フェノキシ−2H−ジベンゾ[c,e][1,2]オキサホスホリン、および水素原子がすべてまたは部分的にアルキル基および/またはアリル基またはハロゲン原子で置換されている、それらの誘導体である。慣用のホスフィナイト配位子は、ジフェニル(フェノキシ)ホスフィン、およびそれらの誘導体ジフェニル(メトキシ)ホスフィンおよびジフェニル(エトキシ)ホスフィンである。
ヒドロホルミル化のための触媒および配位子は、例えば、WO2010/030339A1、WO2008/071508A1、EP982314B1、WO2008/012128A1、WO2008/006633A1、WO2007/036424A1、WO2007/028660A1、WO2005/090276A1に説明されており、ここで、これらの刊行物を開示目的のために参照し、そこで開示された触媒および配位子は、本願に組み入れられる。前記刊行物において、反応条件も説明されており、これも同じく本願に組み入れられる。
エテンのヒドロホルミル化のために、一酸化炭素および水素が、通常、混合物の形態、いわゆる合成ガスとして使用される。ヒドロホルミル化に使用される合成ガスの組成は、広範囲に変化してよい。一酸化炭素対水素のモル比は、一般に、2:1〜1:2、特に、約45:55〜50:50である。
ヒドロホルミル化反応での温度は、一般に、約50〜200℃、好ましくは約60〜190℃、特に約90〜190℃の範囲にある。前記反応は、約5〜700bar、好ましくは10〜200bar、特に15〜60barの範囲の圧力で実施されるのが好ましい。反応圧力は、使用されるヒドロホルミル化触媒の活性にかかわらず変化してよい。
ヒドロホルミル化に好適な耐圧性の反応装置は、当業者に公知である。それには、気液反応のための通常の反応器、例えば、ガス循環反応器、バブルカラムなどが含まれ、これらは、場合により、内部構造体により仕切られていてよい。
さらに好ましいヒドロホルミル化反応の実施態様は、特に、EP1294668B1に説明されており、ここで、この刊行物の内容は、これを参照することにより本願に組み入れられる。
特に好ましい実施態様によれば、プロパナールとホルムアルデヒドとからのメタクロレインの製造は、タンデム反応で行われてよく、ここで、プロパナールは、エチレン、一酸化炭素および水素との反応により得られ、直接ホルムアルデヒドと反応する。この方法は、Deshpandeら、Biphasic catalysis for a selective oxo−Mannich tandem synthesis of methacrolein,Journal of Molecular Catalysis A:Chemical 211(2004)49−53,doi:10.1016/j.molcata.2003.10.010によって、およびUS7,141,702B2に詳細に説明されており、ここで、これらの刊行物は、開示目的のために、これを参照することにより本願に組み入れられる。
工程B)
本発明によれば、工程A)で得られたメタクロレインは、直接酸化エステル化反応において反応してMMAになる。
直接酸化エステル化反応とは、本発明の範囲において、メタクロレインをメタノールおよび酸化剤、好ましくは酸素の存在下に、直接、すなわち大量のメタクリル酸が形成されることなく反応させてMMAにする方法であると理解される。
例えば、BASFによって実施される方法では、これに対して、メタクロレインをまず酸化させてメタクリル酸にして、続いて、さらなる反応工程においてメタノールでエステル化してMMAにする。
前記BASFによる方法では、安定化のために、または前記製造方法により、使用されたホルムアルデヒド中に含まれているメタノールのゆえに、同じく少量のMMAが、メタクロレインの酸化の間に形成されることがある。しかし、このMMAは、経済的な精製方法によって返送されたメタクロレインから分離することができず、一般に、選択された条件では分解するため、MMAの最終収率は、ホルムアルデヒド中に含まれているメタノールによって低下する。この問題の解決策として、ホルムアルデヒドは、費用をかけてメタノールから除去されねばならない。代替的に、返送に企図される組成物中に含まれるMMAは、確かに精製工程により分離することができるが、しかし、2つの溶液は大きな費用を伴い、得られたMMAが比較的少量のため割に合わない。
一般に、本発明の方法の工程B)による酸化エステル化反応でのメタクロレインの酸化では、最大で30質量%、好ましくは最大で15質量%、特に好ましくは最大で5質量%のメタクリル酸が生じる。
酸化エステル化反応は、酸化剤を使用して実施され、ここで、そのために酸素(O2)が使用されるのが好ましい。費用の理由から、好ましくは空気が使用されてよく、この空気は、異なる割合の酸素を含んでいてよいが、これは、本発明に重要ではない。
さらに、工程B)による反応を実施するために、前述の詳細に定義された酸化反応を選択的に加速させる、少なくとも1つの不均一系酸化触媒が使用される。好適な触媒は、当業者に広く公知であり、例えば、刊行物EP0857512A1、EP1393800A1、EP2177267A1、およびEP2210664A1で説明されており、ここで、これらの刊行物は、開示目的のために参照され、そこに開示された触媒は本願に組み入れられる。これらの刊行物においては、反応条件も説明されており、同じく本願に組み入れられる。
不均一系酸化触媒は、少なくとも1つの貴金属および/または少なくとも1つの金属酸化物を含むのが好ましい。ここで、酸化触媒は、金および/またはパラジウムおよび/またはルテニウムおよび/またはロジウムおよび/または銀を含むのが好ましい。金含有触媒および/またはパラジウム含有触媒が特に好ましい。
本方法を実施するために好適な触媒には、特に、パラジウム触媒が含まれ、このパラジウム触媒は、パラジウムおよび鉛を含んでおり、一般に、担体上で使用されるのが好ましい。
さらに、パラジウム触媒は、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含んでいてもよい。パラジウム触媒が、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金独化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を0.01〜30質量%、有利には0.01〜5質量%含んでいることが好ましい。
アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物の前記触媒への導入は、これらの化合物を、パラジウム化合物および/または鉛化合物を含む溶液に加えて、担体を前記溶液で処理する方法により実施することができ、それによって、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物は、パラジウム化合物および/または鉛化合物と一緒に前記担体に吸収されるか、または付着する。その代替案として、担持されたアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を含む担体は、触媒の製造に使用されてよい。担体を使用する代わりに、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を含む溶液を、工程B)による反応で反応混合物に加えてよい。
前記担体に担持されたパラジウムの量に関して特に制限はないが、その量は、前記担体の質量に対して好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%である。前記担体に担持された鉛の量に関して制限はないが、その量は、前記担体の質量に対して好ましくは0.05〜17質量%、より好ましくは0.45〜8.5質量%である。パラジウム対鉛の原子比は、好ましくは3:0.7〜3:1.3の範囲、より好ましくは3:0.9〜3:1.1の範囲である。
前述のパラジウム触媒は、通常含まれている鉛が、環境破壊を引き起こしうることが欠点であるため、廃水は、鉛残留物を分離するために費用をかけて後処理する必要がある。
代替的な実施態様では、可能な限り少量の鉛を有する触媒が酸化エステル化に使用される。それによれば、工程B)による酸化エステル化反応は、鉛含有量が、好ましくは最大で20質量%、より好ましくは最大で10質量%、特に好ましくは最大で5質量%、特により好ましくは最大で2質量%、殊に好ましくは最大で1質量%である触媒を使用して実施されてよい。特に好ましい実施態様によれば、工程B)において、好ましくは最大で1.5質量%、より好ましくは最大で1質量%、特に好ましくは最大で0.5質量%、特により好ましくは最大で0.2質量%、殊に好ましくは最大で0.1質量%の鉛を含む触媒が使用される。さらに、工程B)において、測定できる割合の鉛を含まない触媒が使用されてよい。
さらに、工程B)による酸化エステル化反応は、金および/またはパラジウムおよび/またはルテニウムおよび/またはロジウムおよび/または銀からなる群から選択される1つまたは複数の金属を含む触媒を使用して実施されることが企図されていてよい。前記金属は、超微細に分散する金属として、つまり、ナノ粒子の形態で存在しており、担体に塗布されている。前記金属粒子は、最大で20nm、好ましくは最大で10nm、特に好ましくは5nmの平均粒径を有するのが好ましく、ここで、この値は、TEM(Transmission Electron Microscope)によって測定される数平均値を指す。前記粒子の「平均粒径」は、120個の粒子から選択される100個の粒子の平均から算出されるものであり、ここで、120個の粒子のうちの最大粒子10個および最小粒子10個は、考慮されない。
金粒子および/またはパラジウム粒子および/またはルテニウム粒子および/またはロジウム粒子および/または銀粒子の他に、好ましい触媒は、さらなる触媒活性成分を含んでいてよい。このさらなる触媒活性成分には、特に、マグネシウム、スカンジウム、イットリウム、ランタンおよび元素番号58〜71の他のランタノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、オスミウム、コバルト、イリジウム、ニッケル、白金、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、ビスマスが含まれ、これらは、それぞれ金属形態および/または酸化形態(例えば、酸化物、水酸化物、塩)として存在していてよい。これらのさらなる触媒活性成分は、粒子の形態で存在しており、最大で20nm、好ましくは最大で10nm、特に好ましくは最大で5nmの平均粒径を有するのが好ましい。ここで、金粒子および/またはパラジウム粒子および/またはルテニウム粒子および/またはロジウム粒子および/または銀粒子およびさらなる触媒活性成分を有する粒子は、一緒にまたは別個に、特に、合金形態または非合金形態で、前記担体上に存在していてよい。金粒子および/またはパラジウム粒子および/またはルテニウム粒子および/またはロジウム粒子および/または銀粒子は、前記さらなる触媒活性成分を含むのが好ましい。
前記触媒の触媒作用粒子の割合は、広範囲に変化してよい。前記触媒作用粒子の割合は、前記触媒100質量部あたり約0.01〜20質量部の範囲、特に好ましくは0.1〜10質量部の範囲であるのが好ましい。
前記触媒が、金属粒子の他に、触媒活性成分としてさらなる元素を含む場合、金対さらなる元素の総計の原子比は、1:0.001〜1:1000、好ましくは1:0.01〜1:100、特に好ましくは1:0.1〜1:10、殊に好ましくは1:0.2〜1:5の範囲であってよい。
さらに、工程B)による酸化エステル化反応は、ニッケル含有触媒を使用して実施することが企図されていてよい。ニッケル含有触媒が、貴金属、好ましくは金の含分を含むのが好ましい。ニッケル含有触媒が、酸化ニッケルを含むのが好ましく、この酸化ニッケルは、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、金、銀および/または銅と組み合わせて使用される。NiOx対(NiOx+X)の原子比は、0.20〜0.99、好ましくは0.30〜0.90、特に好ましくは0.50〜0.90の範囲であるのが好ましく、ここで、Xは、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、金、銀および/または銅から選択されており、ここで、金が特に好ましい。ここで、前記化学式において、NiOxは酸化物として存在している一方、Xは、金属形態で存在している。
酸化ニッケル(NiOx)は、例えば、Ni2O、NiO、NiO2、Ni34、またはNi23として存在していてよい。
前記酸化ニッケルおよびさらなる成分、特に金属成分、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、金、銀および/または銅は、ここで、2〜15nm、好ましくは2〜10nm、特に好ましくは2〜6nmの範囲の大きさを有するナノ粒子として使用されるのが好ましく、ここで、この値は、前記詳細に定義されたTEM(Transimission Electron Microscope)により測定される数平均値を指す。前記ナノ粒子は、担体上に固定されているのが好ましい。
前述の触媒は、一般に、担体に塗布されており、ここで、この担体は、金属酸化物(例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、または酸化マグネシウム)、混合酸化物(例えば、二酸化ケイ素−酸化アルミニウム、二酸化チタン−二酸化ケイ素、または二酸化ケイ素−酸化マグネシウム)、ゼオライト(例えば、ZSM−5)、メソ孔ケイ酸塩(例えば、MCM−41)、天然鉱物(例えば、粘土、ケイ藻土または軽石)、炭素材料(例えば、活性炭またはグラファイト)を含んでいてよい。酸化物を基とする無機担体が使用されるのが好ましい。
酸化物を基とする無機担体の使用が特に好都合であり、これには、ケイ素、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、スカンジウム、イットリウム、ランタンおよび元素番号58〜71の他のランタノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、白金、パラジウム、銅、銀、亜鉛、カドミウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、ビスマスおよびテルルが含まれる。
酸化物を基とする好ましい担体は、主成分として酸化ケイ素と、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カリウム、スカンジウム、イットリウム、ランタンおよび元素番号58〜71の他のランタノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、錫、カドミウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、亜鉛、鉛、アンチモンおよびビスマスからなる群の1つまたは複数の構成成分とを含む。
上述の酸化物を基とする無機担体の製造方法に関して特に制限はなく、いずれの公知の製造方法も使用されてよい。例えば、含浸、共沈(Copraezipitation)、イオン交換、気相蒸着、混練または熱水合成が含まれる。
多孔性の担体が使用されるのが好ましい。比表面積(BET法)は、一般に、少なくとも50m2/g、好ましくは少なくとも100m2/gであるのが特に好ましい。
前記担体を前記触媒活性成分で負荷する方法は、特に制約を受けない。特に、共沈、沈殿堆積(Abscheidungsfaellung)、含浸または蒸気相堆積が好適である。
先に説明した金および/または酸化ニッケルを基とする触媒は、パラジウム触媒よりも好ましい。好ましくは、ニッケル含有触媒および金含有触媒は、鉛不含で仕上げられていてよい。
好ましくは、工程B)で酸化エステル化に使用される反応混合物の含水率は、好ましくは最大10質量%、特に好ましくは最大で5質量%であることが企図されていてよい。
この水の低い含分は、任意に、相分離器の使用によって達成することができ、ここで、メタクロレイン相の含水率は、温度に伴って変化してよい。ホルムアルデヒドとプロパナールとの反応により得られた反応混合物は、それに応じてメタクロレイン相中の含水率が記載の値に調整される温度に冷却されるのが好ましい。好ましくは、相分離器の温度は、0〜50℃、好ましくは5〜30℃、特に好ましくは10〜25℃で調整されてよい。しかし、水の分離は、空時収率の明らかな上昇を実現することができるかぎりにおいて、含水率が10質量%超の特に高い場合にのみ必要である。5質量%超の含水率の場合、水分離を用いて5質量%未満の含水率にすることによって、メチルメタクリレートのわずかな収率上昇を実現することができる。
同じく驚くべきことに、方法工程A)の出発材料または副生成物の残留含有量によって、先行技術における想定と比べて、高いメチルメタクリレートの空時収率を実現することができることも確認された。例えば、確かに、プロパナール、ホルムアルデヒドおよび二量体のメタクロレインが反応してプロピオン酸メチル、ギ酸メチルになり、酸化された二量体のメタクロレインのメチルエステルになる。しかし、ここで、これらの成分は、この副生成物形成に関してのみプロセス全体を妨害する。したがって、MMAの総収率は、驚くべきことに極めて高く、前記副生成物は、MMAの後処理において分離しやすい。
工程B)において酸化エステル化のために使用される反応混合物中のメタクロレインの含有率は、少なくとも5質量%、好ましくは少なくとも15質量%、特に好ましくは少なくとも25質量%であることも好ましい。
さらに、工程B)による酸化エステル化は、メタノール対メタクロレインのモル比が、好ましくは、1:1〜50:1、特に好ましくは1.5:1〜25:1、殊に好ましくは2:1〜10:1の範囲で行われることが企図されていてよい。
使用される触媒の量は、供給混合物および触媒の組成、反応条件、反応方法などに関わらず変化する。前記触媒が、スラリーの形態で使用される場合、前記触媒を反応系溶液の0.01〜0.5kg/lの量で使用するのが好ましい。
前記酸化エステル化反応は、いずれの慣用の反応方法で、例えば、液相反応またはトリクルベッド反応により実施されてよい。例えば、いずれの公知の反応器、例えば、バルブカラム反応器、気流による管型反応器、または撹拌反応器が使用されてよい。
この反応が実施される圧力は、広範囲にわたって変化してよい。驚くべき利点は、2〜100bar、好ましくは3〜80bar、より好ましくは4〜50bar、特に好ましくは5〜20barの範囲の反応圧力によって得ることができる。
前記反応系を、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物からなる群から選択されるのが好ましい少なくとも1つの塩基性化合物、例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボキシレートなどを添加することによって、pH値5〜9、特に好ましくは6.5〜8で維持するのが好ましい。
工程B)による酸化エステル化反応は、好ましくは10℃〜200℃、特に好ましくは40〜150℃、殊に好ましくは60〜120℃の範囲の温度で行われてよい。
反応時間または滞留時間は、別の反応条件にかかわらず変化する;しかし、前記時間は、10分〜48時間、好ましくは30分〜24時間、特に好ましくは45分〜2時間の範囲であるのが好ましい。
MMAを合成するための工程B)による酸化エステル化反応を実施するためのさらなる示唆は、特に、US4,249,019またはDE3018071A1に見られる。
前述の条件下での酸化エステル化により、MMAを主要反応生成物として含む反応混合物が得られる。MMAに加えて、前記得られた反応混合物は、未反応のメタクロレインおよび未反応のメタノールおよび少量の水およびメタクリル酸も副生成物として含む。前記反応混合物は、さらに、ジメタクロレインなどを含む微量の別の副生成物を含む。
工程B)で得られた反応生成物は、純粋なMMAを得るために公知の方法で後処理されてよい。例えば、工程B)による酸化エステル化により得られる反応した反応混合物は、まず蒸留により後処理されてよい。
好ましい実施態様によれば、前記反応混合物は、蒸留塔に導入されてよく、ここで、この蒸留塔の中央部に導入されるのが好ましい。一般に、メタクロレインとメタノールとの共沸混合物は、頂部から留去することができる。
前記蒸留塔の底部から、液体のMMA、メタノール、水および別の副生成物を含む混合物が得られる。この液体の混合物は、慣用の方法によって精製される。一般に、この精製装置は、少なくとも1つ、好ましくは2つまたは複数の蒸留器を、高沸性化合物および低沸性化合物を分離するために含んでいてよい。
本発明において、酸化エステル化により得られた反応混合物から後処理するために、使用されるのが好ましい蒸留塔の種類に関して特に制限はなく、いずれの任意の慣用の蒸留塔、例えば、棚段塔または規則充填塔が使用されてよい。
しかし、蒸留塔に導入されるメタクロレイン、MMAおよびメタクリル酸は、容易に重合可能な化合物であるため、重合生成物の添加が起こらないか、および/または重合生成物を容易に除去することができる構造を有する蒸留器を使用するのが望ましい。蒸留塔の特異的な例には、シーブトレイ、カスケードトレイ、ターボグリッドトレイ(Turbogridboden)、リップルトレイなどが備えられている棚段塔、および充填物が規則的に充填されている充填塔(例えば、SulzerのMellapak)、または不規則に充填されている充填塔(例えば、RaschigのRaschig Superring)が含まれる。
本発明による方法において、使用されるのが好ましい蒸留塔の好適な蒸留温度は、酸化エステル化により得られた反応混合物から後処理するために、蒸留圧力、前記蒸留塔内の液体の組成物、前記蒸留塔の棚段数などに関わらず変化する。しかし、前述の重合生成物の形成、およびメタクロレインまたはMMAの収率損失を示す高沸性化合物の形成を最小限に抑えるために、蒸留温度は、できる限り低いのが好ましい。しかし、蒸留温度が、極めて低く選択される場合、不都合が生じることがある。これには、例えば、蒸留圧力も低く選択されていなければならないことが含まれる。それによって、不利に大きいサイズの蒸留塔を使用する必要がありうる。さらに、前記蒸留塔の最上部で気相を濃縮するために、冷却剤を使用する必要があることがある。蒸留温度または前記塔内の液体の温度は、20〜100℃、特に好ましくは40〜85℃の範囲にあるのが好ましい。蒸留圧力は、前記温度から明らかである。
先に言及した通り、メタクロレイン、MMAおよび場合によりさらなる重合可能な副生成物、例えば、メタクリル酸は、前記酸化エステル化の反応生成物をメタノール/メタクロレイン混合物とMMA/水混合物とに分離するために蒸留塔に導入されてよい。
重合性のゆえに、1つまたは複数の重合抑制剤を前記プロセスに加えることが好ましい。重合抑制剤、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンエーテル、例えば、ヒドロキノンモノメチルエーテルまたはジ−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、N,N’−(ジフェニル)−p−フェニレンジアミン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、p−フェニレンジアミン、メチレンブルーまたは立体障害フェノールが、当業者に広く公知である。これらの化合物は、個々にまたは混合物の形態で使用されてよく、一般に市販されているものである。前記安定剤の作用は、多くの場合、これらの安定剤がラジカル捕捉剤として重合で生じる遊離ラジカルに影響を及ぼすことである。さらなる詳細に関しては、慣用の専門文献、特に、Roempp−Lexikon Chemie;publisher:J.Falbe,M.Regitz;Stuttgart,New York;10th edition(1996);見出語「酸化防止剤」、および本願で引用した文献箇所が参照される。
特にフェノールが、重合抑制剤として使用されるのが好ましい。ヒドロキノンモノメチルエーテルを使用する場合に、特に驚くべき利点を得ることができる。前記組成物全体の質量を基準として、前記抑制剤の割合は、個々にまたは混合物として、一般に0.001〜0.5質量%であってよい。
工程A)およびB)は、連続法で実施されるのが好ましい。ここで、任意の時間にわたって、永続的かつ常に、出発材料が、本発明による方法を実施するための設備に供給されて、生成物がこの設備から取り除かれる。しかし、この時間は、メンテナンス作業および修繕作業のために中断されることがある。
さらに、工程A)の反応器容積は、工程B)の反応器容積よりも小さいことが企図されていてよい。ここで、この反応器容積は、使用される出発材料が、液相中で、それぞれの反応の高められた圧力下に生成物にされる工程A)および工程B)の容積を指す。
工程A)の反応器容積対工程B)の反応器容積の比は、1:1000〜1:100の範囲、好ましくは1:800〜1:200の範囲、特に好ましくは1:500〜1:300の範囲であるのが有利である。
連続運転式生産設備の一般的な反応器容積は、例えば、工程A)の場合、0.1〜0.5m3の管(束)型反応器であり、工程B)の場合、10〜15m3の管(束)型反応器であるか、または50〜100m3の容量の連続運転式撹拌槽であってよいが、これらの数値に制限されない。
驚くべきことに、C4成分、例えばイソブチレンが酸化される慣用の方法と比べて、本方法によって、特に圧縮されるガスの容積を明らかに低下させることに成功する。
反応工程A)およびB)の組合せからなる本発明による方法では、これらの反応工程それぞれのいずれにおいても、追加の水(すなわち、反応物質中にすでに含まれている水ではない)を反応混合物に供給する必要がない。これは、先行技術と比べて重大な利点である、それというのは、さらに供給される水によって、反応流およびそれによって必要となる装置もさらに拡大させ、一般に、所望の最終生成物から再び分離する必要もあるからであり、これは、さらなるエネルギーの消費および費用を意味する。それゆえ、本発明による方法では、反応容積および流を全体的に低く維持することができる。
US5,969,178およびUS7,012,039によるAsahiの方法は、例えば、C4成分の気相酸化の間に、水を添加すること、および続いて過剰化学量論量の水を再分離する必要がある。エチレンから出発してプロピオンアルデヒドを経由してメタクロレインを製造し、これを次に酸化させてメタクリル酸にして、引き続きエステル化してMMAにする従来公知の方法も、メタクロレインのメタクリル酸への気相酸化において、酸化触媒の活性を持続的に保証するために、過剰化学量論量の水を添加する必要がある。
したがって、反応工程A)およびB)の組合せからなる本発明による方法では、反応実施の間に別個に添加される水の総量は、それぞれメタクロレインに対して100Mol%以下、好ましくは50Mol%以下、特に好ましくは30Mol%以下、さらにより好ましくは10Mol%以下である。本発明による方法の特に有利な実施態様において、反応工程A)およびB)のいずれにおいても、反応実施の間、水は別個に反応混合物に添加されない。反応水および後処理工程のための水添加はそれぞれ、ここから除外される。
図1は、本発明による方法を図示するものであるが、これによって本発明は制限されない。
ホルムアルデヒド(FA)とプロパナール(PA)とが予混合されるか、または個々に反応器1に供給され、同じく有機塩基(OB)と酸触媒(S)とが予混合されるか、または個々に反応器1に供給される。アドール縮合および触媒分離を行った後、メタクロレイン(MAL)が単離される。前記触媒は、流(1)によって反応器1に返送されてよい。MALおよびメタノール(MeOH)は、酸化エステル化反応器(DOE反応器)に供給される。これは、酸素含有ガス(O2)によって供給される。前記エステル化反応器から、未反応のMALが、MAL/メタノール共沸混合物としてMMA/水−MAL/MeOH分離において分離されて、流(2)によってDOE反応器に返送される。その後、MMA/水分離およびさらなる粗MMAの精製が行われる。
図2には、ホルムアルデヒドとプロパナールとを反応させてメタクロレインにする(工程A)ために考えられる設備が示されている。水性ホルマリン(101)とプロピオンアルデヒド(102)とが混合されて、流(103)として予熱器(11)に通される。ジメチルアミン(40%水溶液)(104)と酢酸(105)とが混合されて、流(106)として予熱器(12)に通される。予熱器(11)および(12)の稼働は任意である。(11)および(12)の排出物の混合物は、管型反応器(13)に流(107)として供給される。管型反応器(13)は、油浴を用いて反応温度に加熱される。管型反応器の後で、混合物(108)が弁(14)に放圧されて、塔(15)に供給される。前記塔の底部排出物が分けられて(50/50)、一部は反応器(14)への流(107)に返送され、別の一部は廃水流(112)として処理される。前記塔の頂部で得られた流を、凝縮器(16)で液体化させて、流(109)として相分離器(17)に供給される。この相分離器において、メタクロレインが豊富な相(111)は、図3に記載の「直接酸化エステル化」の設備部分に生成物として排出され、ここで、任意に、流(111)を共沸蒸留により乾燥することができる(図示されていない)。相分離器(17)の水性排出物は、流(110)として塔(15)に返送される。
図3には、直接酸化エステル化の実施(工程B)に好適な、MALからMMAを生成するための考えられる装置が示されている。メタノールは、導管(200)を通して管(111)に供給されて、この管によって、メタクロレインは、前記プロセスの工程A)から取り出される。導管(202)を通して、空気(または酸素含有混合ガス)が、直接酸化エステル化に好適な触媒を含む反応器(21)に導入され、ならびに導管(203)を通して、好ましくはメタノールおよびNaOHを含む塩基性組成物が、pH値を調整するために導入される。補助装置、例えば、ポンプ、加熱エレメント、熱交換器および凝縮器は、図3には示されていない。場合により、複数の連続接続される反応器(21)が使用されてもよい(図示されていない)。
反応器(21)から、排ガスが、排ガス洗浄装置により管(204)を通して導出され、ここで、メタノール、MMAおよびメタクロレインは、少なくとも部分的に、1つまたは複数の凝縮器で凝縮されて、反応器(21)に返送されてよい(図示されていない)。
反応器(21)で得られる反応混合物は、管(205)を通して蒸留塔(22)に導入され、ここで、メタクロレイン(またはメタクロレイン含有混合物)は、管(206)を通して反応器(21)に返送される。ガスおよびさらなる低沸性成分は、蒸留塔(22)の頂部を介して前記反応混合物から分離されて、管(207)を通して排ガスに供給されてよい。蒸留塔(22)の底部から管(209)を通して取り出された組成物は、実質的にMMAを含み、このMMAは、メタノール、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウムおよび別の成分を含んでいることがある。
導管(208)を通して、貯蔵容器から、酸または酸含有混合物、例えば、水性硫酸が管(209)に導入されてよい。このようにして得られた混合物は、水/油分離装置(23)(例えば、遠心分離機を含んでいてよい)に通して水相と有機相とに分離される。ここでは、複数の類似の水/油分離装置が並行接続されてよいため、これらの装置は、必要に応じて交互に運転されてよい(図示されていない)。分離装置(23)の水相は、管(210)を通して廃水後処理工程に供給されてよい一方、有機相は、管(211)を通して、高沸性成分を分離するために蒸留塔(24)に供給される。この塔(24)の底部から、管(212)を通して高沸性成分、例えば、メタクリル酸を、さらなる後処理のために取り出すことができる。粗MMAは、塔(24)の頂部から管(213)を通して取り出されて、塔(25)に供給される。低沸性成分(例えば、メタノールおよびメタクロレイン)は、前記塔の頂部から管(215)を通して取り出されて、管(218)を通して反応器(21)に返送されてよく、その一部は、排出されて排ガス流(204)に供給されてよい。塔(25)の底部から管(214)を通して精製されたMMAが取り出されて、MMA精製のための最後の塔(26)に供給されてよい。純粋なMMAは、前記塔の頂部から管(217)を通して取り出される一方、残りの難沸性成分は、前記塔の底部から管(216)を通して、さらに後処理するため、または塔(24)の前に返送するために(図示されていない)取り出されてよい。
以下の例は、本発明の好ましい実施態様をより詳細に説明するために用いられるが、本発明はこれに限定されない。
方法フローチャート図 工程A)のために考えられるフローチャート 工程B)のために考えられるフローチャート
例1
図2に相当する設備において、連続的にプロパナール(PA)とホルムアルデヒドとを、ジメチルアミン(DMA)および酢酸(AcOH)を使用して反応させる。PA 251g/Hおよび37%ホルマリン溶液349g/hを、均一に予混合する(モル比1:1)。ジメチルアミン24.8%および酢酸37.9%を有する触媒溶液18.7g/hを予熱器12に通す。前記2つの流は、合する前に170℃の温度に加熱する。これらのあらかじめ加熱した流を、気流管型反応器(長さ4.2mの1/16インチ管)に直接連結されているT型ミキサー(T−Mischer)で合する。前記反応器の温度安定化は、180℃で稼働する油浴によって行い、滞留時間は10秒、管型反応器の圧力は70barである。前記管型反応器の後で、前記混合物を弁(14)で放圧して、塔(15)に供給する。底部排出物335g/hを反応器(13)に供給し、底部排出物370g/hを廃水として処理する。凝縮器(16)および相分離器(17)の頂部流を液体化した後、メタクロレイン含有率96.5%のメタクロレインが豊富な相を生成物(111)として排出させ、前記相分離器の水性排出物を塔(15)に返送する。転化率は、プロピオンアルデヒドを基準として99.9%であり、収率は98.1%である。例2〜4で使用されるメタクロレインの残留含水率は1.7質量%であった。
例2
触媒1(SiO2−Al23−MgO上のAu−1 0.9%、NiO 1%)を、EP2210664A1の例1と同じに製造した。水500mL中の硝酸アルミニウム九水和物375g、硝酸マグネシウム六水和物256g、60%硝酸54gの溶液を、15℃で、10〜20nmの粒径のシリカゾル溶液2kg(Nissan Chemical Industires、Snowdex N−30、SiO2 30質量%)に滴加した。前記混合物を24時間50℃で撹拌し、その後、室温に冷却し、スプレードライして(130℃)、焼成した(300〜600℃、計10時間)。SiO2−Al23−MgO担体30gを水100mL中に懸濁させて、90℃に加熱した。この懸濁液を15分後に90℃で、水100mL中の硝酸ニッケル六水和物1.64gおよび金酸(HAuCl4)530mgの溶液に添加した。さらに30分、90℃で撹拌した後、冷却して、固体を分離し、続いて、新鮮な水100mLでさらに3回、それぞれ5分、20℃で撹拌して、ろ別した。前記触媒を、105℃で10時間以内に乾燥させて、450℃で5時間以内に空気で焼成した。このようにして得られた紫色の粉末は、ICP分析によれば、Ni 1.1%およびAu 0.9%を含んでいた。金ナノ粒子の平均粒径(TEM)は、5nm未満であった。
(例1の)メタクロレイン0.67g、メタノール5.65g、およびAu触媒1 504mgの混合物を、オートクレーブで、O2/N2混合ガス(O2 7体積%)11bar下に80℃で2時間以内に撹拌し、続いて冷却し、ろ過して、GCを用いて分析した。MALの転化率は、98.4%であり、MMAの収率は、94.8%であり、MMAへの選択率は、96.3%であり、空時収率は、MMA9.3mol/kg−cat/hであった。
例3
触媒2(SiO2上のAu 1%−ZnO 5%−MgO 5%)を、EP1393800A1の例1〜6と同じに製造した。市販のSiO2担体(Cariact Q−10、75〜150μm、Fuji Silisia)89gを、水90mL中の硝酸亜鉛六水和物18.3g、および硝酸マグネシウム六水和物12.8gの溶液に含浸させ、120℃で12時間以内に乾燥させて、その後600℃で4時間以内に焼成した。HAuCl4の20mmol/L溶液300mL中で、NaOH溶液0.5Mを70℃でpH値7に調整して、この温度で撹拌しながらあらかじめ製造したSiO2−ZnO−MgO担体に加えた。さらに1時間、70℃で撹拌した後、冷却し、ろ過して、前記触媒を、新鮮な水400mLでさらに3回、それぞれ5分20℃で撹拌した。100℃で10時間乾燥させた後、3時間以内に400℃にて空気で焼成させた。得られた紫色の粉末は、ICP分析によればAu 1.5%を含んでいた。金ナノ粒子の平均粒径は、5nm未満であった。
(例1の)メタクロレイン0.60g、メタノール5.76g、および触媒2 300mgの混合物を、オートクレーブで、O2/N2混合ガス(O2 7体積%)11bar下に、80℃で2時間以内に撹拌して、続いて冷却し、ろ過して、GCを用いて分析した。MALの転化率は、85.5%であり、MMAの収率は、83.4%であり、MMAへの選択率は、97.5%であり、空時収率は、MMA14.0mol/kg−cat/hであった。
例4
触媒3(SiO2上のAu 1.5%−La23 5%−MgO 5%)を、EP1393800A1の例1〜7と同じに製造した。市販のSiO2担体(Cariact Q−10、75〜150μm、Fuji Silisia)88.5gを、水90mL中の硝酸ランタン六水和物13.3g、および硝酸マグネシウム六水和物12.8gの溶液に含浸させて、続いて120℃で12時間以内に乾燥させて、その後600℃で4時間以内に焼成した。HAuCL4の20mmol/L溶液450mL中で、70℃で、NaOH溶液0.5MでpH値7に調整して、この温度で、撹拌しながらあらかじめ製造したSiO2−La23担体に添加した。さらに70℃で1時間撹拌した後、冷却し、ろ過して、前記触媒を新鮮な水400mLでさらに3回、それぞれ5分20℃で撹拌した。100℃で10時間乾燥させた後、400℃で、3時間以内に空気で焼成させた。得られた紫色の粉末は、ICP分析によれば、Au 1.5%を含んでいた。金ナノ粒子の平均粒径は、5nm未満であった。
メタノール中の(例1の)メタクロレインの42.9%溶液を、流量420g/hで連続的に、触媒3 255gが装入された触媒分離機を備えた機械的に撹拌される撹拌槽反応器2.5Lに供給した。この反応混合物のpHを、メタノール中のNaOH溶液(1〜4質量%)を流量40g/hで添加して、約7で維持した。この反応器に、5barおよび80℃で大量の空気を連続的に供給したため、排ガス中の酸素の残留含分は、O2約4体積%であった。この連続的に取り出された生成物混合物を、GCを用いて分析した。前記プロセスを開始してから50時間後、メタクロレインの転化率は、78.5%であり、MMAの収率は、76.5%であり、MMAへの選択率は、97.4%であり、空時収率は、MMA9.8mol/kg−cat/hであった。反応器(21)で得られた反応混合物を、蒸留塔(22)(45段、直径15cm、高さ6m)の(上から)30段目に導入した。底部温度は、84℃であり、頂部温度は、31℃であった。メタクロレイン/メタノール混合物を、(上から)5段目で取り出して、反応器(21)に返送した。蒸留塔(22)の底部から流量500g/hで取り出した組成物は、MMAからなっており、このMMAは、さらにメタノール、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウムおよび別の成分を含んでいた。貯蔵容器から、この流(管209)を、10%水性硫酸を連続的に多く導入したため、結果として生じた混合物のpH値は2であった。このようにして得られた混合物を、水/油分離装置(23)で、遠心分離機を用いて分離した。有機相を、流量375g/hで蒸留塔(24)(30段、直径10cm、高さ5m)の(上から)20段目に供給した。この塔を、150mmHgで運転し、ここで、底部温度は70℃、頂部温度は45℃であった。粗MMAを、流量288g/hで塔(24)の頂部から取り出して、塔(25)(30段、直径10cm、高さ5m)の(上から)10段目に供給した。塔(25)を250mmHgで運転し、ここで、底部温度は80℃であり、頂部温度は50℃であった。塔(25)の底部から、精製されたMMAを、流量281g/hで取り出して、塔(26)(70段、直径10cm、高さ5m)の(上から)35段に供給した。塔(26)を140mmHgで運転し、ここで、底部温度は80℃であり、頂部温度は55℃であった。純粋なMMAを流量250g/hで塔(26)の頂部から取り出した。メタクロレインからの単離されたメチルメタクリレートの総収率は、上述の後処理後に97.2%であった。
Figure 0006501754
先行技術の比較値:
以下の比較例(比較5〜8)には、考えられる方法および先行技術による種々の方法の組合せが、個々の工程の相応する選択率および方法全体と合わせてまとめられている。
Figure 0006501754
Figure 0006501754
Figure 0006501754
Figure 0006501754
Figure 0006501754
比較方法5〜7では、総選択率が明らかに低下しているほか、モル量の特に大きい別個に添加された水が、反応工程の間に必要である。
Figure 0006501754
上記の表から分かる通り、本発明による反応(例4)は、工程A)において、MALを基準とする触媒量のアミン塩基で実施できる一方、比較8は、そのためには過剰化学量論量の触媒を必要とする。本発明による方法の工程B)の空時収率の値は、9.8であり、同じく比較8の2倍超の値である。
Figure 0006501754
Figure 0006501754
Figure 0006501754

Claims (14)

  1. メチルメタクリレートの連続製造方法であって、以下の工程:
    A)プロパナールとホルムアルデヒドとからメタクロレインを製造する工程、および
    B)工程A)で得られたメタクロレインを酸化エステル化反応において反応させてメチルメタクリレートにする工程
    を含み、
    前記2つの工程A)およびB)を、液相中で2〜100barの圧力で行うこと、工程A)およびB)を連続法で実施すること、ならびに工程B)を、金属および/または金属酸化物を含む、貴金属含有の不均一系触媒の存在下に実施し、
    該触媒は、担体に塗布されており、ここで、この担体は、金属酸化物、混合酸化物、ゼオライト、メソ孔ケイ酸塩、天然鉱物、及び/または炭素材料からなり、及び、該触媒は、1つまたは複数の超微細に分散された、金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムおよび銀からなる群から選択される金属を含み、前記1つまたは複数の超微細に分散された金属が、20nm未満の平均粒径を有する、ことを特徴とする前記方法。
  2. 工程A)を、それぞれプロパナールに対して0.1〜20Mol%の有機塩基、および0.1〜20Mol%の酸の存在下に実施することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程A)を100〜300℃の温度で実施することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程A)を5〜100barの圧力で実施することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程A)によるプロパナールとホルムアルデヒドとを反応させてメタクロレインにする工程を、第二級アミンを有機塩基として使用して行うことを特徴とする、請求項2からまでのいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程A)において少なくとも1つの有機酸を使用することを特徴とする、請求項2からまでのいずれか1項に記載の方法。
  7. 酸対有機塩基のモル比が、20:1〜1:20の範囲であることを特徴とする、請求項2からまでのいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程A)による反応を、0.1〜300秒の範囲の滞留時間で実施することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  9. 工程B)による反応を、2〜50barの範囲の圧力で実施することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  10. 工程B)による酸化エステル化反応を、10〜200℃の範囲の温度で行うことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  11. 工程B)による酸化エステル化反応を、メタノール対メタクロレインのモル比が1:1〜50:1の範囲で行うことを特徴とする、請求項1から1までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 工程A)の反応器容積が、工程B)の反応器容積よりも小さく、かつ該2つの反応器容積の比が、1:1000〜1:100の範囲であることを特徴とする、請求項1から1までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記2つの工程A)およびB)において、反応実施の間に別個に添加される水の総量が、メタクロレインに対して100Mol%以下であることを特徴とする、請求項1から1までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記2つの工程A)およびB)において、反応実施の間、水を別個に全く添加しないことを特徴とする、請求項1から1までのいずれか1項に記載の方法。
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