JP6478809B2 - 車両用制御盤 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用制御盤に関し、開閉可能な中板を筐体に対して強固に固定できると共に、中板を筐体へ取り付ける作業の作業性を向上できる車両用制御盤に関する。
従来より、工場等の構内では、製品、部品、仕掛品、原材料等の荷物を運搬するのに産業車両が用いられ、その産業車両には制御盤が搭載されている。制御盤には、自車に搭載されている機器を制御するための各種電気機器が収容されている。また、近年では、その利便性から制御盤内部の中板にタッチパネル装置が取り付けられているものが多くなってきている。
次の特許文献1には、産業車両に搭載される旨の明記はないが、外扉を有する箱体の内部に、電気機器が取り付けられる中扉を開閉自在に取り付けて構成される二重扉制御盤が記載されている。
実開昭63−167309
しかしながら、上記特許文献1の中扉に、タッチパネル装置を取り付け、そのタッチパネル装置を取り付けた二重扉制御盤を産業車両に搭載するには、次の問題点があった。
上記特許文献1の中扉を開閉するヒンジは、コの字型の座に取り付けられるが、かかる座は、箱体の1つの内面にしか固定されていないので、中扉を箱体に対して強固に固定できないという問題点があった。
つまり、二重扉制御盤を産業車両に搭載する場合、座には中扉の重量に加え、産業車両の走行に伴う振動や、衝撃が加わるので、箱体の1つの内面でしか固定されていない座では、耐荷重に乏しく、中扉を箱体に対して強固に固定できないという問題点があった。
また、上記特許文献1の中扉は、外扉から離れた位置に設けられており、中扉にタッチパネル装置を取り付けた場合、タッチパネル装置に表示される情報が外扉の表示窓から視認し難いという問題点があった。
この場合、中扉を外扉に近づけた位置に設ければ良いのだが、そうすると、ヒンジを座に取り付ける作業において、工具が箱体の開放面の端部に形成されている内フランジと干渉し、ヒンジを座に取り付ける作業の作業性が悪いという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、開閉可能な中板を筐体に対して強固に固定できると共に、中板を筐体へ取り付ける作業の作業性を向上できる車両用制御盤を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の車両用制御盤は、一の面に開放面を有する箱状の筐体と、その筐体の開放面を開閉する外扉と、その外扉と対向して前記筐体内に設けられる中板と、その中板に取り付けられ所定の情報を表示、入力可能なタッチパネル装置と、そのタッチパネル装置と対向して前記外扉に設けられ前記外扉を閉めた状態で前記タッチパネル装置に表示される所定の情報を視認可能な表示窓とを備え、産業車両に搭載されるものであって、前記筐体の一方の側壁内面に固定される第1固定部材と、その第1固定部材と、前記中板の側縁部とに取り付けられ、前記第1固定部材を介して前記中板を前記筐体に対して開閉可能に支持するヒンジ部材と、前記筐体の一方の側壁において、その開放面側の端部から内側に張り出す内フランジとを備え、前記第1固定部材は、前記内フランジの一端から他端に亘って延出し、前記内フランジの内面に固定される第1固定部と、その第1固定部の一端から前記筐体の一方の側壁内面に沿って延出し、その筐体の一方の側壁内面に固定される第2固定部と、前記第1固定部の他端から前記中板に対して鈍角に延出し、前記ヒンジ部材が取り付けられる取付部とを備えている。
請求項2記載の車両用制御盤は、請求項1記載の車両用制御盤において、前記筐体の他方の側壁内面に固定されると共に、着脱可能な締結部材を介して前記中板の他方の側縁部に固定される第2固定部材を備え、前記タッチパネル装置は、前記中板の前記外扉側の面とは反対面から前記筐体内に突出する箱状の本体と、その本体の側面のうち、前記第2固定部材が固定される前記筐体の他方の側壁内面と対向する側面に設けられ、可搬式の記憶媒体が着脱可能に装着される装着部とを備えている。
請求項3記載の車両用制御盤は、請求項1又は2に記載の車両用制御盤において、前記車両用制御盤は、前記産業車両の外面に取り付けられるものであり、前記内フランジは、前記筐体の開放面を形成する前記筐体の端部の全周から内側に張り出されており、前記外扉の内面に取り付けられ枠状に形成されるパッキンと、前記内フランジの内側端部から前記パッキンに向けて延出し、前記外扉が閉じられている状態において、その先端部によって前記パッキンを押圧する押圧壁とを備えている。
請求項1記載の車両用制御盤によれば、次の効果を奏する。車両用制御盤は産業車両に搭載される。箱状の筐体には、その一の面に開放面が形成され、その開放面は外扉によって開閉される。筐体内には中板が設けられ、その中板には、所定の情報を表示、入力可能なタッチパネル装置が取り付けられる。タッチパネル装置に表示される所定の情報は、そのタッチパネル装置と対向して外扉に設けられる表示窓から外扉を閉めた状態でも視認可能とされる。
筐体の一方の側壁内面には、第1固定部材が固定されている。その第1固定部材と、中板の側縁部とには、ヒンジ部材が取り付けられ、そのヒンジ部材によって中板は、第1固定部材を介して筐体に対して開閉可能に支持される。また、第1固定部材が固定される筐体の一方の側壁には、その開放面側の端部から内側に張り出す内フランジが設けられている。
第1固定部材は、第1固定部と、第2固定部と、取付部とによって構成され、ヒンジ部材は取付部に取り付けられる。第1固定部は、内フランジの一端から他端に亘って延出し、内フランジの内面に固定される。第2固定部は、第1固定部の一端から筐体の一方の側壁内面に沿って延出し、その筐体の一方の側壁内面に固定される。即ち、ヒンジ部材が固定される第1固定部材は、第1固定部と第2固定部とが、内フランジと筐体の一方の側壁内面との2面に亘って固定されるので、ヒンジ部材によって開閉可能な中板を筐体に対して強固に固定できる。
また、ヒンジ部材が取り付けられる取付部は、第1固定部の他端から中板に対して鈍角に延出される。よって、ヒンジを取付部に工具を使って取り付ける場合、工具が内フランジと干渉することもない。また、中板と取付部とのなす角度が大きいので、ヒンジを取付部に取り付けるための作業スペースが大きく確保される。よって、ヒンジを取付部に取り付ける作業性、即ち、中板を筐体に取り付ける作業性を向上できる。
このように、請求項1記載の車両用制御盤によれば、開閉可能な中板を筐体に対して強固に固定できると共に、中板を筐体へ取り付ける作業性を向上できるという効果がある。
請求項2記載の車両用制御盤によれば、請求項1記載の車両用制御盤が奏する効果に加え、次の効果を奏する。筐体の他方の側壁内面には第2固定部材が固定される。かかる第2固定部材は、着脱可能な締結部材を介して中板の他方の側縁部に固定される。タッチパネル装置は、箱状の本体が中板の外扉側の面とは反対面から筐体内に突出している。かかる本体の側面のうち、第2固定部材が固定される筐体の他方の側壁内面と対向する側面には、可搬式の記憶媒体が着脱可能に装着される装着部が設けられている。よって、第2固定部材と、中板とを固定している締結部材を取り外すことで、中板を筐体に対して開くことができる。この場合、可搬式の記憶媒体が着脱可能に装着される装着部は、かかる中板が開く方の本体の側面に設けられているので、可搬式の記憶媒体の装着部への着脱作業を簡単にできるという効果がある。
請求項3記載の車両用制御盤によれば、請求項1又は2に記載の車両用制御盤が奏する効果に加え、次の効果を奏する。車両用制御盤は、産業車両の外面に取り付けられるものである。内フランジは、開放面を囲む筐体の端部の全周から内側に張り出されている。外扉の内面には、枠状に形成されるパッキンが取り付けられている。内フランジの内側端部には、その内側端部からパッキンに向けて延出する押圧壁が延出している。パッキンは、外扉が閉じられている状態において、その押圧壁の先端部によって押圧される。よって、車両用制御盤が、産業車両の外面に取り付けられるものでも、パッキンによって制御盤内部に雨水などが侵入するのを防止できる。
また、内フランジは、押圧壁を介してパッキンを押圧する部材であり、第1固定部材の第1固定部は、かかる内フランジに固定される。即ち、第1固定部材の第1固定部を固定するための部材を別途、筐体に設ける必要がないので、筐体の構造を簡略化できるという効果がある。
(a)は産業車両の前面図であり、(b)は産業車両の側面図である。 (a)は制御盤の前面図であり、(b)は制御盤の側面図である。 図2のIII−III断面線における制御盤の横断面図である。 (a)は制御盤の外扉を取り外した制御盤の前面図であり、(b)は電気機器を取り付ける前の中板の前面図である。 中板を開閉させた状態を示す制御盤の横断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明の車両用制御盤10(以下、制御盤10と称す)が搭載される産業車両1について略述する。
図1(a)は産業車両の前面図であり、図1(b)は産業車両の側面図である。なお、本実施形態では、図1(a)の左側および右側をそれぞれ車両の左側および右側とし、図1(b)の左側を車両の前側とし、図1(b)右側を車両の後側とする。
産業車両1は、工場等の構内において鋼板コイルなどの円筒状の荷物を無人で運ぶ車両である。産業車両1は、主に、荷物が積載される車体2と、車体2の下面に配置され車体2を走行させる走行装置3と、車体2の上面に設けられ荷物を載置する載置台4と、車体2の上面前側に立設される伸縮式のカバー5とによって構成される。
車体2は、左右の側縁2aに沿って側方に段差部6が設けられている。走行装置3は、車輪の他、走行モータ(図示しない)と、操舵モータ(図示しない)と、制御装置(図示しない)とを有している。走行装置3は、制御装置からの制御信号に基づいて走行モータ及び操舵モータを制御することで車輪の向きや回転速度を制御し、車体2を前後左右に移動させることができる。載置台4は、車体2の前後方向に伸び、その中央にV字状の溝が形成されている。そのため、軸方向を車体2の前後方向に向けた円筒状の荷物が左右に転がらないように、かかる円筒状の荷物を載置できる。
カバー5は、載置台4に載置した荷物を覆うものである。カバー5は、車体2の前側に固定される固定部5aと、固定部5aとの間に伸縮部5cを挟む門型形状の門型部5bと、固定部5aと門型部5bとに接続され、門型形状で伸縮可能な蛇腹式の伸縮部5cとによって構成される。
固定部5aは、前側を塞ぐ壁であり、図1(a)に示すように、その左側に車両扉7が設けられている。作業者は、車両扉7を通ってカバー5の内外を行き来できる。門型部5b及び伸縮部5cは、下方に設けられているローラ(図示せず)を介して段差部6上を移動する。これに伴い伸縮部5cが伸び、車体2の前後方向が覆われる。尚、図1(b)では、門型部5bが車体2の後側に移動し、伸縮部5cが伸びている状態を2点鎖線で示している。また、門型部5bの上方の内部にはシャッター5dが巻回した状態で収容されており、かかるシャッター5dを下ろすことでカバー5の後側が塞がれる。こうして、カバー5によって載置台4に載置した荷物の全周を覆うことができ、荷物が雨などで濡れるのを防止できる。
本発明の制御盤10は、車体2の前面右方に搭載されている。制御盤10には、産業車両1に搭載されている機器を制御するための各種電気機器、配線などが収容されている。具体的には、タッチパネル装置15(図3,4参照)、カバー5を開けるための押ボタン、カバー5を閉めるための押ボタン、シャッター5dを開けるための押ボタン、シャッター5dを閉めるための押ボタン、電源のON/OFFを切替える切替スイッチ等の各種操作子16(図3,4参照)が収容されている。
次に、図2〜図5を参照して、本発明の制御盤10について詳細に説明する。まず、図2、図3を参照して、制御盤10の外観を構成する筐体11と、外扉12とについて説明する。図2(a)は、制御盤10の前面図であり、図2(b)は制御盤10の側面図である。図3は、図2のIII−III断面線における制御盤10の横断面図である。
図2に示すように、制御盤10は、前面に開放面を有する箱状の筐体11と、その筐体11の開放面を開閉する外扉12とによって箱状に形成される。筐体11は、外扉12と対向する後壁11eと、その後壁11eの縁部から外扉12側に延びる右壁11a、左壁11b、上壁11c、下壁11dとによって構成されている。かかる右壁11a、左壁11b、上壁11c、下壁11dによって囲まれて形成される空間内に、各種電気機器や配線などが収容される。
また、筐体11には、図3に示すように、内フランジ11fと、押圧壁11gとが設けられている。内フランジ11fと、押圧壁11gとは、外扉12の内面に取り付けられているパッキン12cを押圧するものである。内フランジ11fは、右壁11a、左壁11b、上壁11c、下壁11dの外扉12側の端部から内側に張り出して形成される部分である(図4参照)。押圧壁11gは、内フランジ11fの内側端部からパッキン12cに向けて延出する部分である。
パッキン12cは、ゴム製で枠状に形成されている。押圧壁11gの先端部は、外扉12を閉じた状態で、パッキン12cに当接してパッキン12cを押圧する。尚、押圧壁11gの先端部は、パッキン12cを均一に押圧すべく、外側に屈曲して形成されている。そのため、制御盤10が、産業車両1の外面に取り付けられていても、制御盤10の内部に雨水などが侵入するのを防止できる。
外扉12は、筐体11の内フランジ11fと、押圧壁11gとの周囲を囲む扁平な箱状に形成されている。図2に示すように、外扉12の前面には、表示窓12aと、その表示窓12aの左下方に扉ロック装置12bとが設けられている。表示窓12aは、後述するタッチパネル装置15の表示画面15a(図3(a)参照)を外扉12の外側から視認するものであり、透明なガラス板が嵌め込まれている。作業者は表示窓12aを介して外扉12を開けずに、タッチパネル装置15の表示画面15aを視認できる。
扉ロック装置12bは、外扉12を筐体11に対してロックするものである。扉ロック装置12bの押ボタンを押すとロックが解除され、レバーが立ち上がり、そのレバーを取手にして外扉12を開けることができる。外扉12bを閉め、レバーを元の位置に押し込むことで、外扉12をロックできる。
次に、図3〜図5を参照して、制御盤10の内部構成について説明する。図3は、上述した通り、図2のIII−III断面線における制御盤10の横断面図である。図4(a)は、外扉12を取り外した制御盤10の前面図であり、図4(b)は、タッチパネル装置15、各種操作子16を取り付ける前の状態を示す中板13の前面図である。図5は、制御盤10の中板13を開いた状態を示す制御盤10の横断面図である。
図3に示すように、制御盤10には、外扉12と対向して中板13が設けられている。中板13は、タッチパネル装置15と、各種操作子16とを取り付けるためのものであり、板状に形成され、筐体11に対して開閉可能に設けられている。
まず、中板13を筐体11に対して開閉する構成について説明する。図4(a)に示すように、中板13は、その右縁部にヒンジ部材14が取り付けられ、反対の左縁部がネジ21によって筐体11に対して固定されている。中板13は、ネジ21を取り外すことで、ヒンジ部材14によって、図5に示すように、筐体11に対して開閉可能に設けられている(図5参照)。
具体的には、図3の制御盤10の右前方部分の拡大図に示すように、筐体11の右壁11aの内面には、第1固定金具17が溶接されている。ヒンジ部材14は、かかる第1固定金具17と、中板13の右縁部とに取り付けられる(ネジ止めされる)。即ち、ヒンジ部材14は、第1固定金具17を介して中板13を筐体11に対して開閉可能に支持している。
第1固定金具17は、第1固定部17aと、第2固定部17bと、取付部17cとによって構成されている。第1固定部17aと、第2固定部17bとが筐体11に溶接される部分であり、ヒンジ部材14は取付部17cに取り付けられる(ネジ止めされる)。
第1固定部17aは、右壁11aの前端に形成される内フランジ11fの右端から左端に亘って延出し、その内フランジ11fの内面に溶接される部分である。第2固定部17bは、第1固定部17aの右端部から右壁11aに沿って延出し、その右壁11aの内面に溶接される部分である。このように、第1固定金具17は、第1固定部17aと、第2固定部17bとによって内フランジ11fと、右壁11aとの2面に溶接されているので、開閉可能な中板13を筐体11に対して強固に固定できる。
また、上述した通り、内フランジ11fは、押圧壁11gを介してパッキン12cを押圧する部材であり、第1固定金具17の第1固定部17aは、かかる内フランジ11fに溶接される。即ち、第1固定金具17の第1固定部17aを固定するための部材(部分)を筐体11に別途設ける必要がないので、筐体11の構造を簡略化できる。
一方、ヒンジ部材14が取り付けられる取付部17cは、第1固定部17aの左端から中板13に対して鈍角に延出している部分であり、ヒンジ部材14は取付部17cにネジ18によって固定される。ネジ18は、ドライバDによって締め付けられる。
この場合、取付部17cは、第1固定部17aの左端から中板13に対して鈍角に延出しているので、ドライバDは第1固定部17aの左端と干渉しない。また、中板13と取付部17cとのなす角度が大きいので、ヒンジ部材14を取付部17cに取り付けるための作業スペースが大きく確保される。よって、ヒンジ部材14を取付部17cに取り付ける作業の作業性を向上できる。
つまり、中板13に対する取付部17cの角度を90度にすると、中板13が邪魔になってネジ18を締め付け難い。これに対し、取付部17cは、第1固定部17aの左端から中板13に対して鈍角に延出しているので、ヒンジ部材14を取付部17cに取り付ける作業性、即ち、中板3を筐体11に取り付ける作業性を向上できる。
尚、ヒンジ部材14は、中板13の右縁部にネジ19によってネジ止めされるが、ヒンジ部材14は中板13の右縁部に対して平行に取り付けられるので、ヒンジ部材14を中板13の右縁部に取り付ける作業も難なく行うことができる。
一方、図3の制御盤10の左前方部分の拡大図に示すように、筐体11の左壁11bの内面には、第2固定金具20が固定されている。第2固定金具20は、L字型に形成され、筐体11の左壁11bの内面に溶接されるともに、ネジ21によって中板13の左縁部に固定される。よって、ネジ21をドライバDを使って取り外すことで、図5に示すように、ヒンジ部材14によって中板13を筐体11に対して開閉できる。
中板13には、図4に示すように、上方にタッチパネル装置15、その下方に各種操作子16が取り付けられている。タッチパネル装置15は、表示画面15a(図4(a)参照)としてタッチパネルが設けられ、表示画面15a上を作業者がタッチすることで、その位置を検出して、所定の情報を入力できる装置である。
タッチパネル装置15は、図3に示すように、その本体15bが扁平な箱状に形成されている。本体15bの前面(外扉12側の面)に表示画面15a(図4(a)参照)が設けられ、本体15bの側面には、SDカード用スロット15cが設けられている。
表示画面15aは、所定の情報を表示する画面である。図4(b)に示すように、中板13には、外扉12の表示窓12aと対向する位置に開口部13aが形成されている。タッチパネル装置15は、かかる開口部13a内に表示画面15aが収まるように、中板13の後方から図示しないネジによって中板13に取り付けられる。これにより、外扉12を閉じた状態でも、作業者は外扉12の表示窓12aから表示画面15aを視認できる。
SDカード用スロット15cは、SDカードC(図5参照)を着脱可能に装着するものである。SDカード用スロット15cに装着されたSDカードCには、産業車両1の状態ログが記憶される。例えば、産業車両1が異常を警告した場合、SDカードCに記憶されている状態ログを参照して、その警告原因が調査される。
また、図3に示すように、SDカード用スロット15cは、本体15bの側面のうち、第2固定金具20が固定されている筐体11の左壁11bと対向する側面に設けられている。即ち、第2固定金具20と、中板13とを固定しているビス21を取り外して中板13を開いた場合、図5に示すように、SDカード用スロット15cは、その中板13を開いた方の側面に設けられている。そのため、SDカードCのSDカード用スロット15cへの着脱作業を簡単にできる。
各種操作子16は、タッチパネル装置15の本体15bとは反対に、中板13の外扉12側の面から外扉12側に突出した状態で取り付けられる。中板13には、図4(b)に示すように、各種操作子16を取り付けるための取付孔13bが穿設されている。各種操作子16は、中板13の外扉12側の面から取付孔13bに差し込まれ、中板13に取り付けられる。
即ち、各種操作子16は、タッチパネル装置15よりも、中板13の外扉12側の面から外扉12側に突出しているが、タッチパネル装置15の表示画面15aは、外扉12の表示窓12aからの視認性を向上すべく、極力外扉12に接近して設けるのが好ましい。 この点、制御盤10は、図3の制御盤10の右前方部分の拡大図に示すように、ヒンジ部材14が取り付けられる第1固定金具17の取付部17cが、第1固定部17aの左端から中板13に対して鈍角に延出している。そのため、外扉12に対する中板13の位置を調節し易い。即ち、各種操作子16が外扉12に当たらない範囲で、極力、中板13を外扉12に接近させた位置に取り付けることができる。従って、外扉12の表示窓12aからの表示画面15aの視認性を向上できる。
このように、中板13に取り付けられるタッチパネル装置15と、各種操作子16とは、図示しない配線を介して、筐体の後壁11eに溶接されている第3固定金具22に取着されている端子台23を介して、産業車両1に搭載されている各種機器と接続される。この場合、中板13は、筐体11に対して開閉可能に構成されているので、メンテナンス作業を容易にできる上、配線の余長を短くできる。
即ち、SDカード用スロット15cを中板13の外扉12側の面に設け、更に、第1固定金具17に代えて筐体11の右壁11aにも第2固定金具20を固定し、中板13の両縁をビスによって固定することもできる。しかし、この場合には、制御盤10のメンテナンス作業をする場合、かかるビスを外して、中板13を筐体11から取り外す必要があり手間である。また、中板13を筐体11から取り外すため、配線の余長も長く確保しておく必要がある。これに対し、本実施形態の制御盤10は、中板13が筐体11に対して開閉可能に構成されているので、制御盤10のメンテナンス作業を容易にできる上、配線の余長を短くできるのである。
このように、本実施形態の制御盤10によれば、特に、ヒンジ部材14が取り付けられる第1固定金具17のうち、第1、第2固定部17a、17bが、内フランジ11fと、右側壁11aとの2面に固定されているので、開閉可能な中板13を筐体11に対して強固に固定できる。また、ヒンジ部材14が取り付けられる取付部17cが、第1固定部17aの左端から中板13に対して鈍角に延出しているので、ヒンジ部材14を取付部17cに取り付ける作業性、即ち、中板3を筐体11に取り付ける作業性を向上できる。
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
本実施形態では、第2固定金具20は、筐体11の左壁11bの内面にだけ固定する場合について説明したが、これに限定されない。第2固定金具20についても、第1固定金具17と同様に、筐体11の左壁11bの内面と、内フランジ11fとの2面に固定するように構成できる。この場合には、中板13を筐体11に対し、より強固に固定できる。
また、本実施形態では、パッキン12cを外扉12の内面に取り付ける場合について説明したが、パッキン12cの取り付け位置は、これに限定されない。パッキン12cは、例えば、押圧壁11gの先端(外扉12の内面と対向する面)に直接取り付けても良い。
また、本実施形態では、SDカード用スロット15cが、タッチパネル装置15の本体15bの側面に設けられる場合について説明したが、SDカード用スロット15cを設ける位置は、かかる位置に限定されない。例えば、タッチパネル装置15の本体15bの背面、上面、下面などであっても良い。また、延長コードなどを使って中板13の外扉12側の面にSDカード用スロット15cを設けても良い。この場合、SDカードCのSDカード用スロット15cへの着脱作業をより簡単にできる。
1 産業車両
10 制御盤(車両用制御盤)
11 筐体
11f 内フランジ
11g 押圧壁
12 外扉
12a 表示窓
12c パッキン
13 中板
14 ヒンジ部材
15 タッチパネル装置
15b 本体
17 第1固定金具(第1固定部材)
17a 第1固定部
17b 第2固定部
17c 取付部
20 第2固定金具(第2固定部材)

Claims (3)

  1. 一の面に開放面を有する箱状の筐体と、その筐体の開放面を開閉する外扉と、その外扉と対向して前記筐体内に設けられる中板と、その中板に取り付けられ所定の情報を表示、入力可能なタッチパネル装置と、そのタッチパネル装置と対向して前記外扉に設けられ前記外扉を閉めた状態で前記タッチパネル装置に表示される所定の情報を視認可能な表示窓とを備え、産業車両に搭載される車両用制御盤において、
    前記筐体の一方の側壁内面に固定される第1固定部材と、
    その第1固定部材と、前記中板の側縁部とに取り付けられ、前記第1固定部材を介して前記中板を前記筐体に対して開閉可能に支持するヒンジ部材と、
    前記筐体の一方の側壁において、その開放面側の端部から内側に張り出す内フランジとを備え、
    前記第1固定部材は、
    前記内フランジの一端から他端に亘って延出し、前記内フランジの内面に固定される第1固定部と、
    その第1固定部の一端から前記筐体の一方の側壁内面に沿って延出し、その筐体の一方の側壁内面に固定される第2固定部と、
    前記第1固定部の他端から前記中板に対して鈍角に延出し、前記ヒンジ部材が取り付けられる取付部とを備えていることを特徴とする車両用制御盤。
  2. 前記筐体の他方の側壁内面に固定されると共に、着脱可能な締結部材を介して前記中板の他方の側縁部に固定される第2固定部材を備え、
    前記タッチパネル装置は、
    前記中板の前記外扉側の面とは反対面から前記筐体内に突出する箱状の本体と、
    その本体の側面のうち、前記第2固定部材が固定される前記筐体の他方の側壁内面と対向する側面に設けられ、可搬式の記憶媒体が着脱可能に装着される装着部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用制御盤。
  3. 前記車両用制御盤は、前記産業車両の外面に取り付けられるものであり、
    前記内フランジは、前記筐体の開放面を形成する前記筐体の端部の全周から内側に張り出されており、
    前記外扉の内面に取り付けられ枠状に形成されるパッキンと、
    前記内フランジの内側端部から前記パッキンに向けて延出し、前記外扉が閉じられている状態において、その先端部によって前記パッキンを押圧する押圧壁とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用制御盤。
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